た。ホールドマンやフレデリック・ポール 輪物語等々 ) ぬいぐるみ、ワッペン、ブル も、日本版の自作にサインをするのははじ ~ にープリント、陶器等々、およそ、お金がい ~ のくらあっても足りないくらい色々な物を売めてらしく、右びらきにとまどっている様 ・・・・ ~ ・・かっていました。このスペースで、作家のサ子でした。ス。フレイグ・ディ・キャンプ ) , ー , 、 . ~ にイン会をや「ており、一時間に三人 ~ 六人も、『妖精の王国』を見せると大変よろこ ( ( ー・ー 4 の作家が、サインをしていました。全体的んで、自分の書いたものが自分の理解出来 ない言語になって目の前に現れるというの のに、列をなして人が並ぶ事は、あまりあり は、ファンタスティックな経験だといって k ませんでしたが、ニーヴン & パーネルのコ 、リンビや、スパイダー & ジーン・ロビンソン本をながめていました。どの作家も日本か らはるばるやって来た我々には好意的で、 夫妻やジェイムズ・・ホーガンには列が 出来、なかでも、ニーヴン & パ 1 ネルに、 フ並んだ人達は、一時間で全員が終らず、半 数以上の人が、サインをしてもらえなかっ のこようです。 、賞 日本から重たい思いをして本を持って来 一たのだから、何としてもサインをもらおう と思い、四十分前から並んたのですが、そ のかいがあって二番目にサインをしてもら会 0 ・ いていたり、サインを求める人や質問する いました。それに、一人一冊まで、という討 ' 人が多勢いたりすると、すぐとなりに、続係員の言葉も英語がわからないふりをして 聞き流し、やっとの思いでサインをしてもの ~ きをする別室が、用意してあった事です。 各会場の中で、一番活気が溢れていたのらいました。風邪気味で機嫌の悪そうなニい は、公会堂の上の関係の 1 ヴンと、対照的に、終始楽しそうな。ハー ショップで、かなり広い駐車ネルにサインをもらうと、次は、グレゴリ 大 0 場くらいあるう〈ースに、本、 イ・・ヘンフォードです。彼は日本に住んで レコード、模型、シャツ、 いた事もあってか、『夜の大海の中で』に ウ , ーゲ 1 ム ( スタート」 ' 出てくる日本人に 0 いてあれこれ話をして ' 界 c 0 クや、火星のジョンカータ くれ、機会さえあれば、もっと多くの日本 のファンに会いたいと語っていまし ウエルズの宇宙戦争、指 ヒ 2 ー 5
ハローフアノー 人はうまいなって感じがしますね。 常連投稿者というものがいるわけですが、です。 「北極星人」会長の西部直樹さんも、たしか 「北極星人」には、。フロになろう、といーー会の実務的な面はどうやっていますか ? 北本会誌、それに連絡誌に編集長がいて、 そうだったのではないか、という気がしまう方はいらっしゃいますか。 す。ともかく、編集部に送られてくるファン北ぼくは。フロになるっていう人はいないけそれと事務局があるわけです。 ジン「北極星人」も、カ・ハーの印象が思いのど、けっこう毎月書いている人はいます。 学校に行かすに頑張っている。 北イラストのほうは、「隔離病棟」という ほか強く印象に残っていたのですが。 別の集団があって、そこで書いているんで 月並みな質問ですが、ファン・グル 1 。フ を作られたきっかけは ? す。それが、本会誌や連絡誌のイラストをや っています。 北ぼくの先輩が、・ほくに印刷機をゆずって ところで、こちらの会員には「イスカー くれるというんです。それで、そうしたら会 チェリ」の会員もだいぶいるようですが、会 " 誌ができるなあ、と思って。それじや作ろう ってことになって雑誌に広告出して作ったん 北ええ、ほかにも大学サークルとか、いろ ◆人です。 いろ重複してます。北海道だと札幌が中心な 星一ーー最初は、だいたいどんな方針だ「たんで すか ? んで、どうしてもそうなるんですね。 極北そのころ、北海道では「イスカーチ , ・グループ概要 ぼくは知らなかったんですよ。 ①正式名称北極星人②代表者西部直樹 / それで、「イスカーチェリ」は東欧が専 連絡先〒札幌市中央区南一二条西一三丁目 〃み門だと聞いたんで、ぼくはも「と一般的なフ 。減一、ー ( = 、 , 】」塩田隆明③創立一九七八年四月④会員四六 アン・グルー。フを作ろうと思ったわけです。 ⑥発行物本会誌「北極 人⑤会費 この会のメンバー冫ー こよ、どんな傾向のフ " ~ 〔熏一、ー第 ~ 星人」年二回発行。連絡誌「。 ( ラレル・シ = アンが多いんです ? ーズ」毎月第四日曜日発行。 みんなパラバラですねえ。イラスト書く ・この欄への応募歓迎 ! 官製葉書に右記の 人が多い、ということは言えますけど。 要領でグルー。フ概要①から⑥までを明記の 例会はどんな具合にしてますか ? ・ファングルー。フ」係宛お 北仲間ぼめになりますけど、けっこう立派上、当誌「ハロー 北月に三、四回やってますけど、最近はな作品を書く人はいますね。今回のコンテス送りください。 ( 宛先は奥付参照 ) 抽選によ のことよりも、世間話ばかり多くなって。 トにも、残念ながら落ちたんですけど、応募り当選グループには、本誌編集長が訪問して おまけに、前の日にプロレスがあるもんで、した人もいます。あと、毎月五十枚も百枚もインタビ = ウします。なお応募グループにはカ 2 ・フロレスの話をしてることが多くなってるん書いている人もいます。やつばり、そういうもれなく小社の新刊案内をお送りします。 引ⅢⅢⅢⅢⅢⅢ
ハル・クレメント、 ドナルド・キング しきれずに四カ所の分宿でありました。 ズベリのディスカッションや、を書く 。フログラムは、盛り沢山で、十一の平行 プログラムに、十四の催し物が四日間行なにあたっての技巧についての、ロく シェクリイ、フレデリック・ポール、ト われました。全プログラム数はなんと、三 マス・ディッンユ、ジョージ・・・マ 百三十七、うちフィルムが五十五本という ーティン、ウィリアム・テン、ノーマン のもので、全部を消化する事は、絶対に不可 ス。ヒンラッドの討論会は、盛況のようでし マ このプログラムに加えて、連日、作家の た。特に感心したのは、これらの討論会 フサイン会が、昼からタ方まで続き、夜間 は、三十分 ~ 一時間の予定で行なわれてい 。は、そこここで。ハ】ティがひらかれ、公会るのですが、時間がきても、話が活発に続 野堂の上では、 r-æ関係のショッ。フが立ちな ー、とらび、そこら中を、スノートル ターザンや反乱軍、ゾンガーやマヤやコナ 一ン達が、徘徊するという、日本では、想像一 一する事さえ難しい、規模とエネルギ 1 ーであッ ア ります。 フ どういった。フログラムが山・心かというに と、テ 1 マ別による作家、アーティストの パネルディスカツンヨノ、一 利学者による講 演、それに、各作家による討論会で、舞台オ を使ったものといえば、ヒュ ーゴ 1 ー賞の授ノ 澤村武伺 賞式、コスチューム賞、ゲスト・オブ・オ・ ( ナーのスピ 1 チといったところです。各デ前 さすがにワールドコンというだけあっ イスカッションの会場は、百人収容の会議手 て、参加者約六千人、ゲスト作家百十四室から四、五百人収容のホールまで色々あて 人、実行委員会たけで三百名近いという大 り、どれもほぼ満員で、ファンタジーか会 ン ら、 ハ 1 ドまで、様々な話が行なわれ 規模なもので、会場は、二十七階建てのホ イ 1 テル全部と、棟続きの大公会堂です。さすていました。そのなかでも、異世界の構築サ がに六千人となると一つのホテルでは収容 についての・ニーヴン、・ ;-4 ・ホーガ 匕匕 4 幻 4
かしら 彼は、もう一押しだと思った。脱獄囚に金を捨てさせるわけには がら、自分自身にむけて説明するかのように言った。脱獄囚の頭分 アストロゲーすー よ、つこ 0 し、刀ュ / , 刀 / の髭男は、手硬い相手である。航宙士くすれらしく、明敏な頭脳 2 「いいか、言っとくが、母船の乗組員は、まともな人間なんだ。おも備えている。ビルは、兇暴な表情 たぶん、その性格のため まえたちとは違う。惑星トウラロックの脱獄騒ぎは、当然、知ってに、 丿ートの道を踏みはずしたにちがいない を浮かべて、ス いるにちがいない。 一千ポンドの金が紛失している。そのうち半分クリーン越しに 、パトロールに向かって言った。「おれとアイリー は宇宙へ遺棄したなんて話を、誰が信じるものか ? この星系にンの二人なら、なんとかなると言いたいのだな」 は、他に宇宙船はいない。当然、疑いをかけられる。少なくとも、 「そうとも。おまえたちに、とっておきのハネムーン・クーポン 紛失した金のうち、六割は回収したことにしなければ、面目は立たを、用意できるってわけだ」 なくなるだろう」 彼は、スクリーンをにらみながら、皮肉たっふりに言った。はこ 彼は、言いつの「た。はしめ、密航者を発見したときは、重量軽して、四人の脱獄囚のあいだに混乱が起こ「た。 減たけを考えた。ど : 、 ナカかれらが、母船へ行くことを願い、乗組員「なあ、ビル」ショ ーティは、哀願に近い声を出した。「あいつの を買収して、司直の手の及ばない星へ連れていってもらうことを、 ロ車に乗って、おれたちを殺つつけようなんて、思っちゃいないよ 第一の条件として考えている以上、彼の対応も違ってくる。 な。そうとも、おれたちは、仲間なんた。おれは、このとおりの人 「一千ポンドの金が」 間だ。一・五の重力のある惑星ラグナロクで育った。みんな、お ビルは、彼の誘いに対して、反応を示した。一千ポンドの金を、 れのことを蟹男たなんて、馬鹿にしやがった。だから、おれは、も まるまる手つかずのまま、母船まで運びこまなければ、買収はきかう何人も殺「ちま「た。だが、あんたは、違う。おれを仲間として ないという条件をつきつけられ、髭男は、狼狽しているように見え扱 0 てくれた。それに、 。ハメラもだ。おれは、彼女といっしょに、 どこかでやりなおして、一旗あげるつもりなんだ。な、判ってくれ 「母船には、四人の乗組員しかいない。そこへ四人の犯罪者を送りるよな、ビル」 こみ、その四人それそれに安住の地を保証することは不可能た。一 ーティは、しぼりだすような声で、喋りつづけた。かたわら 人、二人なら、どこかパ トロールの眼のとどかない惑星に、そ「とのパメラを、抱きよせて、金壺眼をぎよろっかせている。とんだ純 送りとどけることもできるが、四人というのは無理だ。かれらだ 0 愛物語だが、。 とうにもそぐわないキャスティングである。コケティ て、これまで、まっとうな人間として過ごしてきた。その経歴に傷シ = な赤毛は、なみの身長だが、それでもシ ' ーティより、頭ひと をつけることは、できないだろう」 っ背が高い。 プラスダ 彼ーーーエディ ・クワトロは、さらに脅しをかけた。 ーティ、おめえの熱線銃なら、むこうのエアロックのところ 「一人、二人ならーーと言ったな」ビル・エ、、 ( ンスは、うなすきな
いたものがあったのだ。 ローラ・スコイネルの話かね。ああ、そりゃあしても構いやしな い。もう何十回、人に話したかわからないよ。ニュースキャスター 「八千メートルの上空から、奇跡の生還」 や新聞記者、それにルボライタ 1 ー 。だけど一度も、わしが言ったと そんな見出しが脳裡に浮かんだのだ。生存者ローラ・スコイネル おり正確に報道されたことはなかったさ。報道の際に、みんな脚色という女性の名前にも妙にひっかかるものがあった。となると、こ が加わってた。「レディ ・スコイネルは超常能力者 ? 」とか「ロー れは何か、わしのカンみたいなもので、アメリカへ取材に出かけて ラ / 怪物の帝王」の見だしでね。 いくことにしたのだ。発作的な決断じゃったろう。 もう、ローラ・スコイネルは伝説の人物列伝の一人になってしま ます、わしよ、ポーレ・。、 ノニャン航空の事故調査担当者に会いに ったのさ。 行った。そこでわかったのは以下のことだった。 わしも、何十回彼女についての話を人に聞かせてきたかわからな 事故当日は睛れており、前線面のじよう乱もなかったようだ。地 い。だから、あんたにもう一度、話をしたところで別にどうってこ表面が加熱されて局地的上昇気流をおこしたものか、高山を通過す とはないさ。どうしても聞きたいのかね。 る際に晴天乱気流にであったものか何とも結論を出しかねる。ポオ まず、ローラ・スコイネルの名前が世間に知れわたったのが、一 イス・レコーダーでは機体自身の異常は確認されていない。また、 九八一年のことだった。六月じゃったかな、デイハー発ロサンジェ パイロットも正常な精神状態であった。何とも原因の決め手に欠け ルス行ポール・。、 ノニャン航空ポ ] イング習旅客機が、高度八千メー ている。悪魔に魅入られたとしか言いようがない。 トルで空中分解を起こすという事故があった。覚えておるかね。そ わしは、担当者に別れを告げ、次に、ローラ・スコイネルのいる うか知らないのか。まあ、いし 病院へ行ったのじゃ。 その時、一人だけ生存者がおったのだ。それが、ローラ・スコイ ローラは、聖ジェームズ病院の精神科にいた : ネルだったというわけじゃ。 彼女は、墜落の際、まったくの無傷だったのだ。ただ、墜落の之 わしは、その頃、超常現象のルボライターをやっておった。どこ ョックで精神錯乱を起こしており、一時的に入院させられているこ そこでが出現したと聞けば、飛んでいって目撃者の話を集とを知ったわけさ。 め、念力を持つ人がいると聞けば、インタヴ、ーに行き、原稿を書面会はなんの悶着もなく、すぐ許可された : いて生活しておったのさ。しかし、取材にいっても、ほとんどがガ ローラ・スコイネルは個室でペッドにぼつんと座っておった。 セネタでな。わしは食っていくために、 いかに、取材した事件が読長い金髪の少女だった。十八歳か、そこいらに見えたのだ。やや 者に真実らしく伝わるか : : : そんなことに腐心しつつ原稿を書いて腺病質のように見える痩せぎすの少女で、大きなを持っていた。 おったのだ。 少くとも、八千メートルの上空から飛び降りて耐えうる頑健な肉体 ハニャン航空の事故の記事を読みながら、わしの頭に閃の持主には見えなかったのだ。一 幻 9
つだってほしい。一人は今帰す」 0 ( ( 。船を 「おまえたちもすぐこっちへもどってくれ。医療作業よ、 2 助けなければ、患者を助けてもなんにもならん」 船橋の内部は、廃虚と化していた。抜け落ちた継電器がコードを老ドラムはインターフォンを切った。 ーナーが、スク 引き抜き、それがいたる所でショートを引き起していた。青白い火床に散乱しているテー。フやフィルムを、自動クリ ーで回廊へ押し出してゆく。 花が八方へ飛び散り、砕けたスクリーンから、奥の映写装置が内臓レー ヘンミがスクリーンの破れたガラスをたんねんに打ち砕いてい のように露出していた。 「生存者は何名か ? 」 「船長。スクリーンの予備ガラスはあるのだろうか ? 」 宙航士のルルイが点呼を取りはじめた。 「倉庫係のハッカは生きていたな」 「生存者九名。内重傷一。軽傷三」 「たしか生きていたぞ。ハッカ。ハッカはいるか」 「負傷者は医療室へ運べ」 「船長」 負傷者を包んだ担架が運び去られた。 医療室から声が届いた。 「航法装置に異状ありません」 「死んだ軽傷者がハッカだ」 「第二動力・フランチ破損。修理不可能」 「わかった。誰でもいい。左舷船倉予備品倉庫へ行ってくれ」 「第五レーダーサイト破壊」 「よし。行ってこよう」 「右舷倉庫甲板に亀裂」 ヘンミが回廊へ出た。 スビーカーがさけんでいた。 「ルルイ。航行に支障がない程度に修理しろ。一秒でも早く、原航「船長 ! 非常警報だ。ダメジコントロールが作動不能だ」 ルルイの引きつったさけび声が老ドラムのイヤホ , ーンに突き刺さ 路にもどすのだ」 っこ。 「わかりました」 「どうしたんだ ? 」 医療室の担当に二人を割くと、老ドラムを入れて三名しかいな ルルイがコンソールから立ち上った : 「軽傷者はなるべく早く作業にもどしてくれ」 「わからない。船体に損傷を受けているらしい」 そのとき、異様な震動が床を震わせた。 老ドラムは医療室へのインターフォンのボタンを押しながらさけ 「なんだっ・ んだ。 「船長。軽傷者の一人はここで死んた。一人はここで医療作業を手ふたたび強烈な衝撃が、立ち上った老ドラムを座席にたたきつけ ナピゲーダー トル る。 7
・前回までのあらすじ・ 円イ 荒れ果てた惑星の植物人たちの村が、突如飛来した星人によって 破壊された。生き残った首長フセウと長老は、この悲劇の謎を解明 すべく、伝承の古き都を求めて旅立つ。ロウホト族のスターズを加 「汚染した記録原板百七十九万二千六百四枚を、すべて更新するこ えた一行は、海辺にうずもれた巨大宇宙船を発見する。内部には星 とを前提として計画を立て、推進している。この前説明したよう 人の死体が散乱しており、長老はこれが伝承の都だという。彼らは に、プラチナ。金。重複合シリコンに関しては、汚染されたカード そこで謎を解く何者かの到来を待ちうけるのだった。一方、地球の から抽出した分でほ・ほ足りる。むろん、放射能除去作業が必要だ 地下深く、人類の末裔のこもる《ワルハラの城塞》は危機に瀕して いた。彼らは自らの生物学的特性をカードに記録し、必要に応して し、量的に補充しなければならない。その見込みは十分だ。だが、 再生していた。そのカードが謎の侵略者ツーリストの攻撃で破壊さ 問題はアストリウムだ」 スの情報を得るため第一委員フサを れたのだ。委員たちはツーリト 最高委員会は重い空気に包まれていた。第五委員のシドの発言の 地上に送り、そこに大都市を発見する。一方、別個に地上に赴いた 内容とその意味は、誰にも分り過ぎるほど分っていた。 老ドラムの見たものは干上ったかっての海底だった。再度地上に赴 「第五委員。われわれはアストリウムが、真空中でなければ存在し いたフサは、都市をさまよううちに、自らも立ち会ったはるかな過 ていないことを知っている。従って、この地球上でアストリウムを 去の幻影を見はじめる。それはサイボーグ化で長寿を約されたはず 保存することは極めて非経済的、非能率的であるため、われわれは の人類に、原因不明の組織の壊死が蔓延し、背後に異生人の影を認 めた人類が地下にこもり、自らを記号化してゆく過程だった。 アストリウムを貯蔵することをしなかった。われわれは愚かだった わけでもなく、自信過剰だったわけでもない。われわれは《城塞》 会議を開いて、すでに五時間にもなる。議題は最初からただひと を信頼していたし、われわれ自身の計画は万全だった。もし将来、 アステロイド アストリウムが必要になった場合に備えて特定の小惑星に採掘場をつだったし、それに対する答えも、すでに最初から誰の胸にもあき 造り、それを保全維持してきている。それを利用する時が来たといらかになっていた。ただ、誰もそれを口にするのが恐ろしく、はば うわけだ」 かられた。答えは一分刻みに先へのばされているたけだった。 第七委員は言葉を切り、大テー・フルを囲む委員たちの顔に視線を フサはうっ向けていた顔を上げた。濃い翳が白いひたいによどん 回らせた。 でいた。今日は青藍色の髪に銀環を回していた。 「たしかにそれから先が問題だ。第一委員。どうしたらよいのか、 委員たち一人一人の顔に視線を当てた。ある者はたちまち視線を 決定してくれ。われわれはそれに従うだけだ」 そらせ、ある者はまばたきもせずに見返した。 第十二委員が身を乗り出した。テー・フルの端をつかんだ指が白く「遠い昔。貝細工の年十九年。大連邦はフズリナ第五惑星に探検隊 を送りました」 なっていた。 ツーリスト ロ 8
ュ 苦悩を、またシルヴァ 1 ・ハ ーグは、〈グ番号を聞き出したか ? 人間なら色々手 ルー。フ〉という、複数の男女が装置を介段はあるだろうが、相手がアンドロイド して一度に交わるのが一般的になった時となると : : : 解決法を読んで私は思わず 代に、ひとりの女を独占しようとした男吹き出してしまった ( これはあくまで私 の疎外感を、さらこ。、 冫 / ミラ・サージェン好みのナンセンスなので、読んでちっと トはクローン人間の苦悩を : : : といったも面白くなかった人がいても、怒らない 川又千秋 具合に、性にからむ意識の内容を描くもでください ) 。 作品はまだ他に、 パロデイやハ のが多いが、これらからは必ずしも強い インパクトは得られなかった。 ものなどもあるのだが、最も不満に感じ〈スウイフトは、悪意においてシュ 1 ル : サドは、サディ 最もグロテスクで、しかも出来が良いるのは、どの作品も性のとらえかたが比レアリストである。 と感じたのは、ジョン・スト 。ハという較的浅薄で、快楽や欲望といった側面かズムにおいてシュ 1 ルレアリストであ : ュゴ 1 は、ばかげたふるまいを 人の『お子様革命』で、これは子供たちらしか性が語られていないように思えるる。 していない時シュールレアリストであ が性の解放を叫んで、自分たちにもその点だ。風俗的な、いわゆる「性」とは別 ・ジャリは、アプサント酒におい 快楽を得させよと主張したら : : : というの観点からの作品 ( たとえば生殖としてる。 もの。 の性や、能力としての性的魅力を扱ったてシュールレアリストである。 日ジョン・ペレスは、ときどき思い出し 個人的にいちばん気に入ったのは、ロ もの ) が、ひとつやふたつはあってもい ン・グーラート『ホイッスラー』の一場 いのではないか。そして、人はなぜ性にたようにシュ 1 ルレアリストである。 面。ホイッスラーという色事専門のアンとりつかれるのだろう、といった感慨を : ・〉という風に続く『シ = ールレアリス ム宣言』の有名な一節は、最後にル 1 セ ドロイドと人間の女性が一緒にいるはす抱かせてくれるようであってほしかっ のホテルに、主人公がかけつける。アン ルの名前を挙げ、彼は〈逸話においてシ た。 ( 『ラ・フメイカー』 / 編者日ジョセフ ドロイドには爆弾がしかけられていて、 ・エルダー / 訳者日浅倉久志・他 / 文庫ュールレアリストである〉と、リストを しめくくる。 性的関係を結ぶと爆発するようになって判 / 307 頁 / Y360 / 早川書房 ) いる。ことは急を要するのだが、受付に アンドレ・・フルトンは、この羅列のあ いるのはアンドロイドで、客に関する情 と、彼等が、必すしも常にシュールレア 報は教えられないという。さて、主人公 リストたり得なかったのは、解きほぐす 9 はどうやってホイッスラーのいる部屋の ことのできない〈かなりの数の先入観 レーモン・ルーセル著 『アフリカの印象』
エレベーターが、実に数学的な美しさでもって、精確に停止した。気を取りなおして、アンドロイドの背を素手で殴った。鈍い金属音 彼らは、自分たちが入ってきたはずのところを今開くかと、穴のが響き、女は小さなこぶしを握りしめたままうずくまる。 あくほど凝視した。しかしいつまで待ってもそれは開かなかった。 その瞬間、へやの隅から複数の光線が走り、アンドロイドの両腕 ″これは、また : と両足を切断した。アンドロイドは肘とくるぶしから先を失い、黄 声が、突然、頭の中で炸裂した。 色い液体を血のように流しながら、どうと中佐の上に倒れかかって どこか、おかしみをこらえたような声だった。 きた。中佐は二百キロの鉄の塊の下じきになり、熱い油で腕と顏に 「おまえは誰だ ! 」 やけどをした。 中佐が天井を向いて叫ぶ。 グラジオーラの顔がすぐ間近にあった。長い睫の生えた女の目 ″これは、これは、また : : : 三人もはいっちゃったのか : : : まあ、 が、わざとらしくまばたきした。中佐がその下からようやく這い出 の東を引きずりながら、亀の子のよう す - と、アンドロイドはコード 「答えろ、きさまはいったい何なんだ ! 」 に醜悪な姿でごろりところがった。 中佐が叫んだ。答えはない。 中佐は、きりきりと脳天に突き上げるような鋭い怒りを感じた。 いきなり扉が開いた。その扉はやっと人一人が通れるくらいの小 ( 助けてやったのに、なぜ、怒る ? ) さなものだった。三人は駆け寄った。その先は暗くて何も見えなか 声は明らかに動揺していたが、すぐに気を取り直した。 っこ 0 ( それにしてもややこしい人たちだな。いったい誰がはいるのさ まず中佐が入ろうとした。が、グラジオーラが引き止めた。 語尾に微かに苛立ちが混じる。 「だめです。未知の危険にあなたの身をさらすわけにはいきません」 中佐は、不信と怒りのないま・せになった表情で母親の顔をにらん ( まあいいや。おもしろいから三人ともはいれよ ) 「いいかげんにしろ ! おまえはいったい何者なんだ ? 」 「下がれ、命令する ! 」 中佐はやけどした顔の皮をかきむしりながら、わめき散らした。 中佐は憮然としてアンドロイドの手を振り払おうとした。すると . ほノ、、刀℃ 、 ? ・ほくは疑似生命型人格付与コンビュータ 1 だ。 アンドロイドはいきなり中佐の首に手をかけ、おそろしいカで締め君たちは・ほくの個性と統合されて、一つの個性をもっコンピ = ータ 上げてきた。女が悲鳴を上けた。中佐は信じられぬといった表情で 1 になるだろう。不死の生命を得るんだそ、喜べよ : 母親の顔を見、万力のように喰い込んでくる手を何とかはがそう声はちょっぴり皮肉つ。ほい調子を帯びた。 と、苦しげに身をよじった。中佐は気を失いかけて膝を折った。機中佐はしばし沈黙した。 械は首を締めたまま離そうとしない。ポニーテ 1 ルの女がようやく「おれたちょ、 ーいったいどういう基準で選ばれたんだ ? 」 267
ていた」 らんよ。 ローラは、そのとき、やっと寂しいながらも笑顔をとりもどした ローラは、わしにそっと囁いた。 のじゃった。 のことをなんとか助けたいんです」 「フロッコリミー わしは、心配する必要はないと、ロ 1 ラの背中を軽くたたいてや「おそわ 0 た折鶴はお気にいりでしたわ。毎日、私に折鶴をせがん でましたから。私がカリフォルニアへ発つ日には、自分で折ってい ったのだが、わしとしても何の裏付けもないものじゃった。 に。フレゼントすると、家の周囲をはしや」 を殺そうとしている。そして私にそた千羽鶴を・フロッコリミー 「あの人たちは・フロッコリミー いで飛びまわっていたほどですから」 の計画に協力して欲しいと頼んでいるのです。私にはできません。 あの人たちにと 0 ては怪物でも私にと 0 ては子供の頃からの遊び相わしたちは顔を見あわせて微笑みあ 0 たのじゃ 0 た。プロ ' 「リ ミーという気体怪物も、そういう常識はずれの形態を持たなけれ は、まだ幼児のままなんです。単 手なのですから。・フロッコリミー こフロッコリミー は私と遊びたく 0 て、私のいどころを探しているば、憎めない存在だ 0 たに違いないという共感がわしたちの間に生 まれたからじゃった。 だけにすぎないのです」 一人の将校がわしたちの前で言った。 ローラは涙を拭こうともしなかった。わしは彼女に何もカづけて 「お疲れのところ、誠に申しわけありませんが、これからフィルム やれる言葉を持たなかった。話題を変えることくらいが関の山たっ こ 0 による被害記録を御覧になっていただきます。これが、ローラさ ん。あなたの言う、おともだちの・フロッコリミーがやってきたこと 「プロッコリミー は、私の教えた折鶴が好きだったみたいですね。 ・フロッコリミー を目撃した男が、折鶴を一緒に見たとテレビで話しです。いま、あなたのおともだちが現実にどんな事件を起こしてい 庫 文 ワ カ ャ イラスト / 安彦良和ノ 高千穂遙 ダー一ペアの大冒険 〈ダーティベア・シリーズ①〉犯罪トラコンの美女一一人組ュリ 絶とケイが、愛機ラブリーエンゼルを駆り、悪漢相手に大活躍 ! べアの大 養穗を 225