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検索対象: SFマガジン 1982年1月号
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1. SFマガジン 1982年1月号

ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ ! ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢ の連載が始まった十五年十一月の一日には、総建艦予算八億六風俗そのままの世界だったのたー ひびめつぎひめ 五五万円を投入した史上最大の戦艦「武蔵」が進水している ) 病没した健三の後を継いで、現在では日姫・月姫という双子 おそらく、数多い横溝ファンの方々にも、この『南海の太陽の姉妹が国を治めていた。ところが二人とも龍太郎に一目惚れ 児』のタイトルはあまり聞き馴染みのないものにちがいない。 してしまったからさあ大変。日姫と月姫の間に対立が生じ、つ それもそのはず、この作品は戦争中に一度単行本になったきり 、には武力衝突が起こる : : : と、ここまでストーリ ーを紹介す で、戦後リ・ ( イルされていない。モチロン角川文庫や講談社れば、「あれつ ? 」と首をかしげる方がいらっしやるたろう。 版横溝正史全集にも収録されてないのだ。また、発表誌が〈譚そう、この小説はあの・・ハガード 『二人の女王』 Allan 海〉というどちらかと言えばマイナーな雑誌だったことも、知 Quartermain ( 一八八七 ) の案なのだ。 名度を低くしている原因の一つのようだ。 ストーリーは借りものとはいえ、ポルネオのジャングルの中 三浦半島の先端に立っ龍神館ーーそこに住む少年東海林龍太に徳川時代そのままの日本人国があり、今だに鎧かぶとの荒武 郎のもとに、ある嵐の晩ひとりの男が訪れて来るところから、者がいて : : : というイメージは、実にすごい。まさにセンス・ この物語はスタートする。男は十数年前に南方に渡ったまま杏オ・フ・ワンダーの世界ですなあ。 として行方の分からなくなった龍太郎の父健三の使いだと言 このての、どこか海外に日本人の国があって云々という話は 、龍太郎にあてた健三からの手紙を携えていた。その手紙に この当時けっこう書かれていたらしく、。ほくの知る限りでも蘭 は、こう書かれていたのだ。 郁二郎『秘境の日輪旗』 ( 昭和十七年 ) や北村寿夫『髑髏党の 秘密』 ( 同 ) などの長篇がある。なかでも変わりダネは羽化仙 こりうたらう みつりんわうこく 「わが子龍太郎よ。密林の王国はいまこそ汝を必要として史の『冒険小説北極探険』 ( 明治四〇年 ) で、これは徳川時 ちち わうこくすく ゐる。即刻来れ。来りて王国を救へ。父より」 代にイスパニヤへ亡命しようとした日本の隠れキリシタンたち が、北極の孤島に流されて、そこに日本人村をつくって代々住 んでいるという異色作。また、御馴染み・ハローズ先生も、南洋 そして、父健三の旧友降矢木大佐によって明らかにされる、 父の失踪の秘密。大佐の語るところによると、ポルネオのジャの孤島に日本人武士の村落があるという『南海の秘境』 The ングルの奥深く、徳川時代の日本人渡航者の子孫たちが人知れ Mucker ( 一九一四 ) を書いている。 ず築いた幻の″やまと王国″があるという。龍太郎の父健三は ま、羽化仙史の『北極探険』は冗談としても、十六世紀末か かってこの国を訪れ、ある大難から国を救ったために国王に祭ら十七世紀初頭にかけて日本人がさかんに海外貿易を行なって り上げられたーーというのだ。 いたのは史実なのだから、日本人王国の空想もまんざら根も葉 白人たちの侵略をうけかけて混乱したやまと王国を救うためもないことではない。 ことに徳川家康の積極的な外交政策によ に、龍太郎と降矢木大佐はさっそくボルネオへと向かう。そしって、十七世紀初頭には″日本町″と呼ばれる集団居住地がシ て二人が密林の奥に見た王国の姿とは : : : 甲胄の武士や直垂、 ャム・ルソン・コーチシナ・カンポジアなどに形成され、なか 烏帽子姿の人々が闊歩し、流麗な古語が通用する、中世日本のには山田長政みたいに国王の信任を得て太守になった人物まで なんぢひっえ ) ひたたれ

2. SFマガジン 1982年1月号

情ある説得をふりはらって。すっかり狂っちゃってさ。おれ、高校りして。レコード殺人事件」 こーゅーことをいっているときが最高に幸福なのだから、こまっ 卒業して、こっちへきて、七〇年まえの活気のある新宿で、偶然に た女である。 会ったの。したら『ジェノ・ハにはいった』って」 ・『サ ( リンの灯は、いまなお消えず』なんて歌ってる「当時の女あそびの系譜ってのも、知りたいもんだね。ほんとに音 グルー。フ、テレビで見て、わたし、びつくりしたもの。わー、なん楽だけがすきでやってたやつなんて、いるのかな ? 」とゴザンナ。 だなんだ、って感じ。政治問題がテーマで、これは軍歌かしら、と「キンクスとかサーチャーズにびつくりして、わー、カッコいい な、もてるんだな、で、はじめるんでしょ ? 」 か」 「あのまちがい方は迫力あったね」 「動機が不純にならないやつは、異常者だよ、かえって。このご ろ、グルー。ヒーってことばも、あんまり、きかないしね」 「あった」 「わたしの友達が、ストレイ・キャツツのプライアン、やったの。 「本人は、本牧式にやりたかったんでしように。カツ。フスが外国の 曲やるってのは。必然性があったの。自らの血の問題で。純粋日本彼女の服、ぬがしたら、彼、おこってわめきはしめたんだって。彼 フがふたり。・こ はホモだったの。その女の子、少年つぼかったもんで、まちがえら 人は、ディヴひとりだけなのね。外人が三人、 けど、ほかのパンドがやるってのは、納得できなかったりして」 れたらしい。そしたら、今度は女の子がカンカンになって、『やれ 「彼らもいやだったんじゃない ? おしきせのあまったるい曲が。 ! 』って命令したんだって。・フライアンは、しぶしぶやったんだっ 英語の歌もうたえるそ、ってこと見せたかったんだよ。オックスのて。かわいそうね。でもおかしいわね。しぶしぶ、ってとこが」 『テル ー』のあのひどさ」 「そのあと、訴えられたのか ? 」 「でしょ ? またべつの女の子は、アダム & ジ・アンツにいって 「わたし、菊回転でテー。フにいれたの。そうすると『テル・ さ。楽屋でアダムさがしてたの。なんか、腹がでて頭がはげかかっ らしくきこえる」 たオッサンがよろよろきて、それが本人だったもんで、逃げてかえ 「耳お・ほえもむずかしかったろうね。英語、よめないしー ってきたんだって。化粧すると、わかんないから」 「ウォークマンはないしね」 「ロック少女もたいへんだね。アイドルがこうすくないと。ところ 「オックス・オン・ステージーーーあの日の若者、っていうのよ。レ ードロック少女はどーしてる ? 」 コード・タイトルが。悩んでしまう」 「ロミは、水ぼうそうにかかったの。もう、なおったらしいけど。 あの日の若者、とシデとゴザンナは同時にくりかえした。 「でね、赤松愛が、いまおとうさんのあとついで、鉄工所、やってで、『これは友達の話だけど』なんて、いうの。『あたしの友達 るでしょフ そのちかくにひっこして、毎週日曜日に、ライヴ盤をが、やつば水。ほうそうにかか「て、なおりきらないうちにコンサー トへいって、外タレにうっしてきちゃったんだって』なんて」 かけるの。しつこく。そいで、神経症にさせちゃう。逆に殺された で、 8

3. SFマガジン 1982年1月号

できる。それにしては、全員、飢えているようには見えんが」 ひとつは、理解だ。それ以外は正視するのは苦痛たった。ミリ自身 「おそらく始めたばかりだったんだろう」 が感じていることが映し出されている。ミリは目の前が暗くなり、 「すぐに食事させよう。おい、ジェームズ、これには参るそ。〈反部屋から走り出た。来た道をもどり、階段を駆け降り、ざらざらの 応。変化ほとんどなし。動作鈍し。感性および感情表現語彙の急速床を突っ切って、ステーションにもどった。 低下。 ミリⅦの手による小説と、前任者たちの作品との比較。予後 ジェームズはステーション内部の勝手がわからなかったため、な " さらに情緒低下日精神分裂症的無関心実験失敗〉。ま、ここのかなかミリをみつけ出せなかった。ようやくみつけたとき、ミリは ところだけが慰めだ。しかし、これが恐怖心の除去と、どんな関係小説の原稿を両腕でしつかりと胸に抱きしめ、ペッドに横たわって があるんだろう ? 」 いた。両足を引きあげてちちめ、頭を低く垂れて、知るはずもない 不意に話し声がやんた。 ミリは彼らの視線の先をたどった。ドア誕生以前の姿勢をとっている。 が開き、ダグラスと呼ばれていた男の指揮で、何人かの人々が入っ数日後、依然として同じ姿勢のままのミリ の傍に、誰かがどっか てくるのが見えた。みんな、毛布にくるまれた人間らしいものをか りと腰をおろした。 かえたり、かついだりしている。 ミリ。もどって 「ミリ、・ほくが誰だかわかるね。目を開けなさい、 「タンクの連中にちがいない」アレンだか、ジ = ームズだかの声だ。おいで」 ミリは毛布のつつみが、べンチや床の上にそっと置かれるのをみ変わらぬやさしい声で、何百回も同じことをくり返すと、ミリが つめていた。しかし、毛布にすつばりつつまれている人々のうちのうっすらと目を開けた。 ひとりは、まるつきり無関心のようすだった。 奥ゆきのある、細長い部屋の中だ。傍に、青白い肌の、太った男 「注射はうったんだろう ? 」 がいる。その男は、宇宙と思考に関係のある、なにかを思い出させ 「ショックた : : : 残念ながら」ダグラスの声にはかすかな震えがある。ミリはぎゅっと目をつぶった。 「ミリ、・ほくを覚えているのは、わかっているよ。もう一度、目を った。「どうにも手のほどこしようがない。 もしかしたら、おれた 開けて」 ちは踏みこむべきじゃ ミリは前かがみになり、毛布のはしをめくった。ステーションの 男が話しかけているあいだ、ミリは目を閉じたままでいた。 中で経験したより、もっとおかしなものが見えた。 「目を開けて。体をまっすぐに伸ばすんだ」 「このひと、どうしたの ? 」 動かない。 ミリはジェームズに訊いた。 「体を伸ばして、 ミリ。愛しているよ」 「どうしたかって ? ショックで死ぬこともあるさ」 「わたしになにかでぎる ? 」 リの足が、ゆっくりと、少しずつ伸びていき、顔があがってき ミリはジェームズの顔が複雑な表情でゆがむのに気づいた。そのた : っ 4 3

4. SFマガジン 1982年1月号

た。これから後のことを考えると、緊張で、喉がカラカラに渇いて「お腹が空いたな。あそこで、ちょっと体もう」 きた。 二人の体から、そのとき、どっと安堵の感情が発散されたように ・ほくは、この日、なんとしてでも彼女を抱こうとーーー文字通り 感じられた。二人とも気づまりな無言の時間から一刻も早く解放さ 自分のものにするのだと言い聞かせてから出てきたのだった。もれたがっていたのだ。 し、この計画が頓挫したら、おまえは一生なにをやってもロクなこ駐車場にクルマを置いてから、・ほくたちは建物のなかに入った。 とができない人間になってしまうーー・そんな強迫めいた言葉を自分このあたりは、それまでも何度となく通った場所なのだが、このホ の心に幾度となく吹き込みながら、・ほくはこの日、湘南海岸までやテルに気づいたのはこれが初めてたった。 ってきたのだ。 しかし、文字通り八方塞がりのクルマのなかから解放されたばか かといって、どこで、なにをしようという成算があって出てきた りの・ほくは、そのことを深く詮索しようとはしなかった。 わけではなかった。 入って正面にフロントがあり、その右手がレストランと・ハ モーテルの毒々しいネオン・サインが、闇の中に何度も浮かび上っていた。 がって、そして消えた。そのたびに、何度ゾレーキ・ペダルを踏も十近いテーブルを並べた小じんまりしたレストランには、他に うとしたことだろう。 三、四組の客がいるだけだった。初老のウェイターがぼくたちをテ ーゾルに案内した。低く抑えた、、ハロック音楽がどこからか聞こえて しかし、・ほくにはクルマを止めることはできなかった。勇気の無 いた。他の客たちの物静かなお喋りが、気持よいさざ波のように・ほ さのせいもあったが、それよりも、大人たちが欲望を排泄しあうだ ・ほくには耐えくたちのテープルまで伝わってくる。 けのそんな汚らしい場所で彼女を抱くということが、 られなかったのだ。 ・ほくはいっぺんで、この建物が気に人ってしまった。フランス映 そんなふうにして、時間はどんどん過きていった。・ほくの緊張画の登場人物になったような心地良い錯覚がに まくを満たした。 「なんだか、帰りたくなくなっちゃった。このまま、ずっとここに が、彼女に伝染したらしく、もう何十分間も、・ほくたちは無言だっ いたいわね」 ゆっくりと時間をかけた食事を終えて、コ 1 ーヒーを飲んでいると ヘッド・ライトがつぎつぎに浮かび上がらせていく前方の光景 を、絶望的な気持ちで凝視していた・ほくの眼に、そのときひとつのき、彼女がポツリといった。いま、思い返せば、無邪気な少女のな 建物が飛び込んできた。 んということのない呟きなのだが、それを聞いた途端に。ほくはまた 海岸沿いに走る道路に面したその建物からは、どこかひっそりと落ち着かなくなってしまった。 した落ち着きとクラシックな格調が漂ってきた ) 食車とお喋りに紛れて忘れていた、あるいは忘れようと努めてい ホテル & レストランという標示が見えた。 た今夜の″計画″が再び生々しく浮上してきたのだ。 円 0

5. SFマガジン 1982年1月号

だけは助かっていたかもしれない。どが、。 ュ / ケイルやアシュロンの行 方もわからないのだ。ステンよりも先に、この惑星の土の中に入っ 5 ているのかもしれなかった。 そしてキリイ。彼たけは生き伸びるだろう。ローダは、思った。 たとえ、一一度と飛び立っことができないとわか「ていても、自分それは意外なほど、ローダの気分を柔らげた。こちらの飛行艇の部 品を取り替え、傷ついた部分を修復したら、キリイを探しに、ヴィ ) 愛機が破壊されていくのを見るのは、気分の良いものではない。 トグまで飛んでいくのだ。 立属狩人と自分たちのことを語ったピナカルたちは、ローダの感傷 もう一機の飛行艇は、。ヒナカルたちが始末するたろう。 はぎとるように、飛行艇の外壁をはぎとりにかかっていた。もち ローダは、ほんの七日ほど前のビナカルたちとの出会いを思い出 つんレーザー・カッターも、トーチも使わずに、た。文字どおり、 从をはぐように、外壁をはいでいく。 数種類の金属の工具と、綱していた。四つ足の獣、彼らはメルと呼んでいたが、そのメルの背 にまたがってやって来たピナカルたちは、おそろしく友好的にロー 、自分たちの乗ってきた獣の力だけで、マイダスの技術の結品を ダたちに近付いてきた。腰にした武器を、地面に投げ捨てさえした 以壊していこうとしているのだ。 そして、。ヒナカルたちの作業が、飛行艇の頑強な抵抗に会って中のだ。 そして言ったものた。 叫するたびに、ローダは、かすかな喜びを感じるのだった。 「こちらの金属の塊をゆすってくれ」 「あの分解作業は、奴らの手にあまるぜ」 それを口にした。ヒナカルが、男たちの ルが、言ってよこした。ロ】ダは、うなすいた。だが、。ヒナ リーダ 1 だった。小柄た が、全身に筋肉が盛り上がっているのが、着込んだ服の上からでも ルたちの、あきらめを知らぬ努力が、飛行艇の、すなわちマイダ ハの技術の抵抗のすべてを打ち負かすのは、時間の問題だと、わかわかった。そろそろ中年にさしかかったところだろう。 ていた。 そして、自分たちを出迎えたローダが、まだ若い娘であることを 「大丈夫なの ? 本当に、必要なものはすべて取り外したの ? 」 知っても、その笑みを消すことがなかった。 「おれたちは、金属を集めては、細工をしなおして生活の糧を得て ロールの腕にすがって立っているメリンが尋ねた。 いる者だ。見たところ、あの金属の塊は、あなたたちの役にはもう 「私を信用しないの ? 」 ローダは答え、それが自分でもわかるほどにとげとげしいものに立つまい。だが、あれだけの量があれば、おれたちの一族は、何年 なっていることに気付いた。自分には、すがりつく相手がいないのも腹一杯、飯が食える。どうだ、ゆずってはもらえまいか。もちろ 2 。ステンは、二日 ~ 間に、 この飛行艇の脇の草地の中に埋められてん、おれたちの持っているもので、必要なものがあれば、何でも、 いた。あるいはゲイルでもいてくれたら、元に戻らぬまでも、生命あなたたちの好きなようにして、かまわない」 メタル

6. SFマガジン 1982年1月号

彼女が必要 たったのに しかたがない あなたは ェロキュスを 殺してしまった あなたが この琴をもって わたしを訪ねて くる 6 では わたしは あなたの存在も ェロキュスの こし J も 知らなかった ′ントー + 十四の齢に 死んでしまうのだけど わたしはこの運命を 変えよ - っとしていた , たみさ年死パさ糸強縫 日んたか月のンがのいい ーねのを時トしほ運 年んほ期ーてつ命ま つかのれのれ てら 目 た を 彼マ行訪 知何ェさわェそ は一つね ら物口がたロし なかキししキて か ュには つスでス 1 カゞかの けそ話 の たれを で でし 十つよ , フ」 ′ント 1 ー・カ 四さいの齢に 小さな村にいたら マ 四年の時空を こえてやって来た 埋めた 「一きあなたは わたしを 殺すために きたのだもの

7. SFマガジン 1982年1月号

, 。にてれほーと , 、ー 考古学とに片足ずつ突っ込んでいる人間な それも結構ですが、その前にサイニンスそのもれていくわけです。 のをもう一度良く見直して下さい。そしてでき次にをセンス・オ・フ・ワンダーだけにすのですが、どうしてと人類学を掛け持って るなら、私のように感動しやすい人は、世の中いる人は少ないのでしよう。それとも私がまだ るならフィクションの方も今一度。 ( 浦和市北浦和三ー一七 , 一三登坂正男 ) 全てがです。楽しみ方としてはそれでもい知らないだけなのでしようか。 もちろんファンの多くは掛け持ち人で いでしようが、これではが研究の対象とは ード、ハチャハチャす ( 両足入れたら。フロです。・フロだって片足人 来るだろうなあと思っていたら、やはり来まならないのです。ハ した。「とは何か」についての反論が。そ、。ハロディ等と区別する人もいれば広義がいらっしやるのに ) 。実に様々な仕事、専門 ・狭義とやる人もいるでしよう。クラークが純を持っている方々がを愛好なさっていま こで、今一度私の意見を書かせてもらいます。 ます「定義」について。定義は不要かとだからナンセンスのヨコジ = ンさんよす ( やはり自然科学系が多いようですが ) 。し 言われれば、否。絶対必要です。もちろん万人りすばらしいとか優劣を決めろといっているのかし人類学、特に広義の文化人類学とは非 が納得するものなどアシモフでさえ作れないでではないのです。物事の整理が必要だといって常に近いところにあるように思います。定 義論に走るつもりはありませんがをた しようが、いろいろな意見を論議するうちに深いるのです。 化していくと思うのです。例えば″宇宙の果なにはともあれ、″遊びの精神で定義を各らしめている要素に「相対的な価値観」「我々 てなど実証するのは不可能ですが、探求して自試み、ニ = ーウ = , ーヴ以後拡散し過ぎたの日常とは全く異った社会」「その社会を客観 いく途中で、。 ( ルサーだの・フラック・ホールだに対し建設的な意見が出てくるのを私は待って的にまたはその社会の住人の主観的見方で見る のが発見されるように、「ガンダム」がか いるのです。そのたたき台にでもなればと思い事、つまり我々の価値観を持ち込まない事」等 どうかを討論する暖勢 : ' 「、よ大事だと思います。答「三原則」を示したわけで皆さんの定義をがあるんじゃないか、と私は考えています。こ れらの要素はそのまま文化人類学のものです。 は永久に出ませんが、お互いに相手を認識し合お聞かせ下さい なお″、、 ″は嫌いです。狂信的だかそれなのに、な・せ ? 人類学は柔軟性が売り物 うといった思考過程が重要なのです。 また、何か専門の勉強をなされた方にはおわら。狂信的なのは許せても、あまりに排他的だですからよけい不思議です。は大変包容力 かりでしようが、学問の場では、まず「定義」から。 に富んだ世界ですから、どんな読み方でもでき ると言ってしまえばそれまでですが。 と「歴史」が必要不可欠なのです。たとえば因みに私の定義を図示しますと ″物みとは何か ? 百人百様の考えがあるでし と考古学は共に古い付き合いですが、い ようが、民法では「物トハ有体物ヲ謂フ」と定 つの間にか考古学にのめり込み、これで飯を食 義して論理を進めていきます。では、電流はど べて行かなくてはならなくなりました。世界が うなるのかといった疑問が生じ、法律が完備さ 狭くなると慌てての方に力を入れたら、こ ちらもズ・フズプと沈んでしまいました。どちら 広告ー・ー もドロ沼です。ただ新参者としてはファンダム ①ストーリーあるいは空想に科学的または擬のすごさに今一つ踏み込なのをためらってしま 難波弘之「センス・オプ・ワンダー 似科学的要素を含むこと。②現実と遊離した 広告 1 ー 新曲おひろめコンサート」 部分があること。③ェロ・グロ・ナンセンス 十二月十七日横浜シェレア 連続ライプ・トーク ,. : , ーデン ( 京浜表現が無いこと。④科学解説書。⑤ファン 東北線石川町南口下車徒歩五分バンドホテ ジイ。⑥広義の。⑦狭義の 日時十二月五日 ( 土 ) 十八時 ~ 二十時 レ , 月諸 -0 : 4 : 0 ー、ワ」 1 亠ー 1111 -0 一 11 ( 板橋区板橋二ー三七ー九田沼マンション ホストⅡ亀和田武ゲストⅡ新井素子 十二月十八日新宿ルイード ( 新宿中央ロ武一五号室井手俊一 ) 場所新宿西口会館・飲物代別問合せ 7 蔵野館前カワノビル 0 3 ー 3 5 4 ー 5 3 新宿闇市ショッ。フ事務局 4 9 6 ー 8 3 5 0 91 ) 最近非常に不思議に思うがあります。私は

8. SFマガジン 1982年1月号

・ル 1 ームで、彼は二杯目の レストランに隣接したホテルのティー みんな似たとこがあるのよ。あの子なんて、ほおんと、あなた好み コーヒーを飲みはじめたところだ。 をにかいたような女の子よ」 このコーヒーを飲み終えたら帰ろう、と彼は思った。そして、二 「すこし、黙っててくれ」 小さな、しかしロ答えを許さない声の調子で泰彦はいった。声に度とこのホテルには足を向けないことだ。このあいだの一件は 確かに実際に起きた事には違いないがー、ーー忘れることだ。無論、誰 憎悪が混じっていた。 離れた席の二人が立ち去るまで、泰彦は彼らに背を向けながら不に話したところで、相手にもしてくれまい。 ひょっとしたら、と彼は考えた。一生に一度か二度は、どんな人 安な時間をすごした。久美がなにをいっても、彼は答えなかった。 間でもああした超常現象のような出来事に襲われるのかもしれな 「帰るそ」 。そして、結局そうした人たちは、その体験を死ぬまでひっそり 彼らがレストランを出てだいぶたったあとで、ようやく泰彦はロ と胸のなかに仕舞いこんでおくのではないだろうか。それが大人の を開いた。 と久美がスネてみせたが取り合わなか 0 知恵というものなのだーーー泰彦は分別臭く、そう考えた。 約東が違うじゃない、 「あの : : : よろしいですか」 た。泊りたけりや、一人で泊まれ、泰彦は冷たくいい放っと、会 = をすませ、一人で外に向かった。泣きべそをかきながら、久美が慌泰彦の後ろで、若い女の声がした。ゆっくりと、彼は声のしたほ うを見た。 てて追いかけてきた。 確かめるまでもなかった。その声を耳にしたときから、横田理恵 子が立っていることはわかっていたのだ。 「このまえ、レストランに女の人といたかたですね。どっかでお会 いしたことがあるはずなのに、わたし、思い出せなくって、ごめん 俺もっくづくしようのない馬鹿たな。 なさい。どこでお会いしましたつけ」 煙草の煙を深く吸いこみながら、泰彦は思った。 久美とのドライ・フの三日後だった。泰彦は午後の早い時間で仕事面倒なことが起きるーー泰彦は混乱のなかでも、警戒心を働かせ がすんでしまった。そして、ふと気がつくと、いつのまにか彼の運るだけの理性は残していた。 しかし、唇のほうは勝手に動き出していた。気がついたときに 転するクルマは湘南を目指していたのたった。何度か東京に車首の は、どうそ、こちらに、と向かいの席を理恵子に勧めていた。 向きを変えようと思った。しかし、クルマは徐々にあのホテルとの 距離を着実に詰めていった。ついに、彼は折れた。感傷に溺れたが泰彦は適当な思いっきの名前を名乗った。彼女の経歴はどんな細 かなことまでも覚えているから、どこで会ったかということをデッ っている三十男の未練な感情に、きよう一日は付き合おうと心を決 めたのだ。 チ上げるのに手間はかからなかった。ごめんなさい、忘れてしまっ 円 8

9. SFマガジン 1982年1月号

私はうなすき、二人はそこに仲良くよりそって、テイラノサウル奥から時々低いゴロゴロという音が、遠雷のように聞こえてくる以 外は、まばたきひとっするでもなく、ただじっと彫像のようにつつ スを見あげ続けた。 「でも : ・ せつかくの。ハラがメチャメチャになっちゃったわね。立っているばかりだ。 フェンスも : : : 」 このくそでつかいのⅡ」 「やいやいやいやいやい いかにも凶悪そのものといったコ・フだらけの悪党づらや、ズラリ と並んだ鋭い牙、油圧ジャッキにも似た顎の筋肉、そういったもの 言われて初めて私は庭の惨状に気がついた。 手入れの行き届いたラの木は、一本残らずへし折れ、地べたに には一切目もくれず、私はテイラノサウルスを頭ごなしに怒鳴りつ 花びらが散乱していた。純白のカレドニア種も、大輪の真っ赤なカけてやった。 ール日へル・フストも、私のお気に入りである清楚な美しさを秘めた、 「よくも俺様の大事にしているパラ園を、メチャメチャにふみにじ 黄色いアーレン日フランシスも、ビンクのショットシルクさトんー ってくれたな。この始末はどうつけてくれるんだ、ええっー つ、なりが小っちゃいからって、泣き寝入りなんかするかと思って ひとかかえもありそうな足指の間から、ふみつぶされたコンデス ーフェクタの花が一本だけつき出していた。花びらの独特の濃ると大きなまちがいだぞ。このカタはハッキリつけてやるからな」 淡が美しい、そのオレンジ色の花を見つめているうちに、私は突然私はテイラ / サウルスの左目に人差し指をつきつけながら、きっ 得体の知れぬ激しい怒りが、体の奥からわき上がって来るのを感じばりと宣言した。 俺の・ハラ : ・ : 。肥料をやり虫をとり、冬には根元にわらを「目ざわりなでかい図体しやがって、そのこぎたねえ足を俺の・ハラ しき、ムダな枝をつんでやり、何年もかけてやっとここまでにし園からどけろって言ってるんだ。聞こえねえのか、この唐変木リ」 た、見事な、、ハラ園が : 我ながらメチャメチャを言ったものである。 「あっ、あなた ! どこへ行くの卩」 私は屋根の上で、こぶしを振り回しながら声をかぎりにわめき、 房子の声を背中に、私は三段とばしで階段をかけあがった。完全あるいは凄んでみせ、しまいには泣き落としにまでかけてみたが、 に頭に血がのぼっていた。叩きつけるようにして窓を開け、二階のテイラ / サウルスは微動だにしない。まるで壁に向かって話してい ペランダに踊り出る。アルミ製の手すりを足がかりに、私はスレー るようなものだった。もちろん、テイラノサウルスが私の声を聞く トぶきの大屋根にまではい上った。目の前にテイラノサウルスの途なり三メートルも飛びあがり、裏声で悲鳴をあげながら逃げ出して 方もなく巨大な頭があった。 行くなどと、期待していたわけではないが、それにしてもこいつは あんまりだった。 テイラノサウルスに耳はないのか ? 私は疑 ヘッドライトほどもある限球に、血相変えた私の顔が映ってい た。しかし、テイラノサウルスは、私の存在に気付いた様子などか けらも見せなかった。喉の部分が規則的にゆっくりと脈うち、その後でわかったことだが、テイラノサウルスはその時、血の冷たい こ 0 9 5

10. SFマガジン 1982年1月号

デートの最中に、ふと訪れる沈黙。彼女を家まで送った帰り際 だから、よく、 . 公害やなにかの事件が起こるたびに、職者と呼ば に、その顔に表れた曖昧な表情ーーそうしたいっさいの暗号解読に れる人が、科学はそれを取り扱う人間の如何によって、素晴らしい 恩恵を施すものにもなれば、悲惨を撤き散らすものにもなりますなばくは精を出した。しかし、結局、わからないものは何時間考えた ってわかるわけがない。 どといった言説をもっともらしく喋るのを耳にするたびに、カマト 不安が一層、ばくの胸を締めつけてきた。 トぶりやがってと思うのだ。一度、動きだしたら、体制の如何や指 導者の思惑などにおかまいなく、独自の法則に乗っとって、行き着十二月初めの土曜日。ぼくは、この不安と苛立ちにケリをつける くところまで行かざるを得ないのが科学や技術の宿命のはずなのことを決断した。 お昼で学校が終わると、早速、クルマで彼女の家に乗りつけ、 恋愛たって同じことだ。ティーンエージャー向けの雑誌の投稿欄ライプに誘った。 に、当事者同士が互いに責任を持ち合って、年齢に相応しくない軽「どこ、行こうか」 いま、考えれば、なんという気の効かない台詞。 卒な行動を取ることを自制すべきだと思います云々といったたぐい 「どこでも。あなたの行きたいところでいいわ」 の投書がたまに載ることがあるが、これなど、行きつくところまで と彼女。 行くしかないという恋愛の法則に無知な人間しか書けない戯言に違 いつもだったら、こんな返事が返ってきたら、その投げやりとも ともかく、その年の終わりが近すくにつれて、・ほくは焦りだし取られかねない言葉にぼくは傷つき、ドライ・フのあいだじゅう彼女 た。手を握り、キスを交し , ーーそうしたら、なんとしてでも、次のの言葉の奥に隠された意味を探るという徒労に従わねばならなかっ たろう。 段階に昇りつめねばならない。そうしなければ、彼女がいつ、。ほく しかし、この日、・ほくには確固とした企みがあった。 の指の間からスルリと抜け出てどこへ行ってしまうかわからない。 そんな不安が四六時ちゅう、ぼくの心を支配していた。 「しや、湘南へ行こうか。いまだったら、人がほとんどいない」 心のなかに秘めた計画に沿って、ぼくは話を進めた。彼女にも異 しかし、断言してもし 、、。・ほくのこうした思いは、決して欲望に よってのみ促され、醸成されたものではなかった。もちろん、人並存はなかった。 こクルマを走ら みの欲望は持ち合わせてはいただろうし、彼女に対する・ほくの行動横浜を通って、茅ヶ崎で海岸に出た。海岸づたい冫 のなかに快楽への秘かな期待が全然なかったといえば、これは嘘にせ、真鶴に着いたときには、もうタ方近くになっていた。 クルマを降り、ぼくたちは冬の人っ子一人いない海岸をゆっくり なる。しかし、そんなこと以上に、当時のぼくは、彼女を繋ぎとめ と歩いた。 ておくためには、恋愛の具体的な局面における行動をエスカレート させていく以外の手段を思いっかなかったのだ。 そのとき、二人のあいたで、どんな会話が交わされたのか、いま