太陽系 - みる会図書館


検索対象: SFマガジン 1982年10月号
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1. SFマガジン 1982年10月号

一目 0 到着 .6 旧年 20 に 99 年 タテ軸は中央部分が一目盛一一 0 〇年 6 6 でその上下は一目盛一年であるから、 す二〇〇倍もちがっている。 行 逆このぐらい目盛をちがえてはじめ て、中央部と両端とで似たカー・フが描 時 けるのだから、太陽系の時間経過がい の 上かに極端なものかがおわかりいただけ 船地るだろう。 停て これが″ウラシマ効果の中身の実 でつ こと態なのである。 こよる″時間遅れ効果″は高 船相対論冫 恒速で運動している物体にみられる。 る したがって太陽系から恒星船をみれ 止ば恒星船の時間がゆっくり進むように 急観測されるが、逆に恒星船を基準にと 中ると太陽系が運動していることになる ^ 0 4 8 ・ 途ので、恒星船からは太陽系の時間の方 系 がゆっくり進むように観測されるはず x 星の固有時問ざ ( 年 ) 図 ではないのか たとすると互いに矛 ついての船内時間と太陽系時間との関係そこから先、星に到着するまでの二盾している : : : これが″双子のパラドッ をグラフ化してみよう。 年間、ふたたび >< 星をあとにして太陽系クスんだった。 この観点で図Ⅱを見てみるとおもしろ への帰航をはじめた二年間の合計約四年 図Ⅱがそれである。 間の間に、太陽系の時間は一挙に四〇 0 これまでのおさらいになるが、ざっと 太陽系に近い部分ーーー図の左下と右上 年ちかくが過ぎてしまう。 迫ってみよう。 そしてふたたび太陽系に近づき、転回の部分ーーでは、たしかにパラドックス 太陽系を出発してから転回点をすぎ、 さらに船内時間で二年ほどたつまでは、点のすこし手前に来てから以後の約七年がおこっているかにみえる。つまり太陽 太陽系における時間経過はやっと一年に間は、太陽系では一年そこそこしか時間系で恒星船の時間を考えるのとは逆に、 太陽系の時間の方がゆっくりと経過して が経過しない。 達するといったていどである。 5.308 年 点 回 拡大 船内経過時問加 ( 年 ) 図 9 船内時間とそれに対応する X 星の時間 加減速 加減速 ( 左へ噴射 ) ( 右へ p. 期寸 ) H 減速 発 出 星

2. SFマガジン 1982年10月号

・製止ヨーを。霾二「中 いるのだ。 の相対運動はなくなっているから、その しかし、この常識的な・ハラにツクス で、結局、総合すると、恒星船で観測瞬間での恒星船の時間と、太陽系で測定 は、恒星船が X 星に近づいたところで見してもやはり太陽系の時間の方が多くすして恒星船が点にきた時間とは″同時 ぎる ( 時計が早くすすな ) ことになり、関係″にあることになる。 事にうち破られる。 すると、ふしぎなことになる。 図の中央部をごらんいただければおわ答はどちらからみても同一で、太陽系に かりのように、 X 星に到着する前後各一一残った人物の方が齢をとってしまう 点を距離で考えると、まだ X 星の近 年ほどの間に、太陽系の時間はナント四ということになるのである。 くである。したがって太陽系の人にとっ 〇〇年近くも一気に経過してしまうの ( 途中に一定速度区間があると、この現ては恒星船が停止した時間というのは二 象はさらに極端にあらわ〇〇年とすこしである。たとえば二五 0 れる ) 年ぐらいである。これは停船した恒星船 さて、深代氏のいわゆにとっても同じであろう。 路 る″時間逆行″とは、図ところが、停船する前の太陽系の時間 眸系帚 係Ⅱにマ 1 クした点に着は、恒星船にとっては出発後四〇〇年ち かくもたっていたはずである。 擱目すると理解しやすい 年 時 X 星からの帰路につい つまり 48 ー 250 Ⅱ 150 で一五〇年も 年 ー問中たすこしあとの点で太陽系の時間が " 逆行。してしまったこ 。時間は、太陽系の時間は出発とになるのだー 繧復時からすでに四〇〇年ち深代氏も、この″時間逆行″が物理的 内 な矛盾 ( たとえば未来が見えるとか因果 星かくがすぎている。 一そのまま帰投すればそ律が逆転するとか ) のもとになるもので はないことは認めておられる。 坏れ以後はあまり時間がた 太たないのでちょうどっじ その上で、哲学的なおもしろさを求め つまがあうのだが、点ておられるのだが、ウーム、これはなか 図に来たところで急に船をなか答えにくい ストツ。フさせたらどうだ ただ、この奇妙な数字の逆行は、恒星 ッつ、つ - 、刀 ? ・ 船におけるまったく別種の時空座標を二 ストツ。フしたあとにおっ ( あるいは過渡的現象を入れれば三 いては、恒星船と太陽系っ ) つなぎ合わせたことによるもので、 年 404 太陽系の固有時問 ' て ( 年 ) 403 202 星に到着ー 痺に出発 路 点往 系発 陽出 一太を

3. SFマガジン 1982年10月号

ついには初速と同じ大き重力にさからって投げ上けたポールがし さで向きが逆の速度で地だいに高所に遠ざかり ( キ ) 、やがてス トツ。フしてつぎには落下してくる C<< ) 表にぶつかる。 のと同様に観測されるであろう。 もし、ポールがちょう どストツ。フする空中の位言葉で説明するとどうもくどくなる が、ここにある図 1 と八月号の図Ⅱとを 距置に、エンジンをかけた のヘリコプターに乗った人見くらべつつ、以上を読みなおされれ 珈が待ちかまえていたとすば、この問題になれていない人でもなん 陽ると、地表から投げ上げとか理解していただけるのではないかー 抛太られたポールが初速の勢ーと思う。 日 AJ いでしだいに自分に近づ 経琲 さいごに、興味ぶかい事実にふれてお 内内き、眠の前で停止し、ま 船船たすぐに重力にひかれてこう。 六 ~ 八月にかけて、″一光年の壁″と 落下してゆくのが眺めら 図 いうものがあり、それが恒星船にとって れるだろう。 恒星船がからへうは″世界の涯″なのだとご説明した。 ー 8 ^ 0 4 っ つる間の、恒星船からみ図 1 ⑧の恒星船やにとっては、そ 発 出 た太陽系の動きは、まされは太陽系の方角ーー重力の向きーーに 太陽系からの距離 ( 光年 ) このヘリから見おろある。 ″一光年の壁″というときの一光年と 自由落下にもその物体を離す位置と初したポールの運動なのである。 速の与え方によ「ていろいろな種類があ下方一光年のところにある " 世界のは、恒星船にと 0 ての一光年であ「て、 る。 涯。の近くから投げ上げられた " 太陽太陽系にいる人にとってのものではな い。だから、恒星船の動きとともにその しかし代表的なのはポールの投げ上げ系″がしだいに恒星船に近づき、ついに は眼前で停止し ( ここまでがキ ) 、つぎ " 壁″の場所は ( 太陽系でみれば ) 移動 である。 野球などのポールを地上から空中に向に重力にしたがって落下をはじめ、やがするように考えられる。 しかしじっさいはそうではなく、恒星 かって投げあげると、それはスビ 1 ドをて一光年の″世界の涯″に吸いこまれて 船がどの場所にいてもーーの状態であ ゆく ( これが ) のだ。 おとしながら上昇し、やがて空中でスト 他方アルゴルについては、手もとからってもキの状態であっても、太陽系にい ツ。フし、つぎの瞬間には落下をはじめ、 10. 引 6 年 5.308 年 到着 200 0 点 回 拡大

4. SFマガジン 1982年10月号

. 製れ三。・豊嚀斗中 石原博士の SF 研究室 出発 る人がみてもそれは不動の点に相当して星船 ( およびキ ) にとっての″世界のである。一億年だろうと百億年だろうと いるのである。 涯″なのである。 しかしそれでも、そのとてつもない長 点と恒星船との距離は時間とともに ところで恒星船が太陽系にいる瞬間に 時間のどの瞬間も、点にとっては″一 おいては、船のスビードはゼロだから、変化するが、離れているときはスピード 船にとっての一光年も太陽系にとってのが大きいで″ローレンツ短縮″がつよく瞬″にすぎないのである。 だからこそ恒星船にとっての″世界の 動いてきて、常に点が一光年のところ 一光年も同一のはずである。 このことから、″壁″に相当する場所にみえるーーと解釈するとわかりやすい涯〃点は光も時間も停止してしまう場 所となるのであるが、これは″同時性 は太陽系の左方一光年のところであるこであろう。 の魔術ともいうべき興味 0 きない現象← とがわかる。すなわち、図 1 の点が恒さらに、とても面白いことがある。 ある。 それは 年 着 到 そして点の左方では恒星船との″同 「恒星船内においてはか られる″全時間″が、太時″の瞬間が存在しえなくなる。時間を 陽系から一光年はなれた共有することが物理的に不可能なのだ。 点における″一瞬にむろん情報の交換もできない。 離等しい」 まさに点は″世界の涯″であり″壁″ なのだ。 のということである。 むろんその一瞬がどの 点からすこし右へよれば、このよう ま 星一瞬かというと、恒星船なことはなくなる。しかしその時間経過 のありかたはずいぶんちがう。 船内の一〇〇年がその位置での一年と 啣る一瞬である いったことがおこる。また逆にアルゴル 内内恒星船はひじよう 船船 に遠方からスタートしたのがわになると、船内の一年がその場所 2 図とすれば、太陽系につくでの一〇〇年といったこともおこってく 前に何千年も何万年も経る。 過しているかもしれなそして、場所を太陽系と目的地とに固 。また << の状態になっ定してくわしく計算すると、″ウラシマ たあとでは、いくらでも効果″の中身のふしぎな時間構造がわか 時間は経過してゆくはずってくるのである。 5.308 年 200 0 に 0 8 ・ x 星まての距離な ( 光年 )

5. SFマガジン 1982年10月号

たけだけ 一定加速と一定減 にも出てくるように猛々しく悪い雄の山 羊のイメージなのだが、日本人はそれを速の式なり数値なり ″弱々しくかわいそうな羊″のように誤グラフなりを″つな 解して自己弁護に多用しているというのぎあわせればよい のだ。 である・ : ・ : ) ただ、まちがった ポイントでグラフを 無限が一瞬に等しい ! つないでしまわない ーーおそるべき同時性の魔術ーー ために、加速と減速 ほんとうは工学部の女子学生の問題にの本質をきちんとは ウンチク ついて薀蓄をかたむけようと思っていたあくしておく必要が のだが ( なにしろ石原博士が担任をしてある。 いるクラスは三割が女子学生なので、最まず、図 1 をごら 近は理工系女子大生の就職問題の権威にんいただきたい。 なってしまったのです ) 、ペ 1 ジがなく上部ののが、 なってきそうだ。 太陽系からアルゴル 次回まわしにして本論に入ることにしへ向けて加速中の恒 星船である。 また、下部の⑤の 号速ト←光 タイトルに記してあるように、今回はが、アルゴルで停月ロ カ三一カ 8 恒星船が加速して準光速に達し、ついで止するために減速中 の恒星船である。 の減速して目的地に静止するーーという一 したがって、航路 博定加減速航行の解析である。 原 一定加速については六月号で計算したの中央部での状態 石 し、また一定減速については七・八月号をの状態に変更す 3 で計算したので、 " 一定加減速。の問題れば ( すなわち噴射太 を解くために新たに式をみちびいたり計の向きを逆転してや れば ) 、今月のテ】 算したりする必要はない。 , 一グ争羶ド和二鄰 ア丿レゴ丿レ アルゴル Z 減速 ( 左方へ加速 ) 7 掲月号 図 2 6 月号の一定加速と 7 , 8 月号の一定減速を合せると目的地に停止する加減速航行となる 1 光年 太陽系 重力← 重力 図 3 太陽系から X 星までの加減速航行 転回点 最高速度 = 0.999951 太陽系 N ・ に 9

6. SFマガジン 1982年10月号

太陽系を出発した恒星光速に近づくので、平均速度はほとんど 船は一弱の加速度でス光速に等しく ( 光速の九九。 ( ーセント ) 、 ビ】ドをましながら一〇二〇〇光年を約一一〇二年ですすむことに 〇光年をすすみ、そこでなる。 転回点で噴射の向きを逆 距転させて減速にはいり、 図は出発直後と到着直前のようすを 間さらに一〇〇光年すすん拡大したもので、一光年か一一光年をすぎ るともうほとんど光速と考えてよくなっ で星で停止する。 一帰りはまったく対称的ていることがわかる。 過太で、星から転回点まで つぎはいよいよ船内時間との関係であ 内 司は左方へ加速し、それ以る。 まず、恒星船から太陽系までのーー船 船後は減速して太陽系でち 船ようど停止する。 内の人にとってのー、・ー距離が船内時間と 太陽系から転回点までともにどうかわるかを求めよう。それは 図 の加速と転回転から太陽図 5 のようになる。 系までの帰路の減速とが この図はきわめて特徴的である。 図 1 に相当していて、 船内時間で五・三年後に船は転回点に 世界の涯″は >* 点にあ達するが、そのとき船内人にとっての太 太陽ー x 星問の距離 ( 光年 ) 陽系との距離は一光年弱にしかなってい ない。そして転回点をすぎてから急激に また転回点から右の加速と減速は図 1 つぎにそれをグラフ化してみることに しよう。 ⑤に相当していて、″世界の涯″は点増大し、おわりの二年か三年で一挙に百 にある。 数十光年を挑躍するのである。 一方星までの距離はこの逆になって そして、やっと目的地に到着し 帰路は往路がわかればすぐにわかるの いる。図 6 に示したように、はじめの数 で、まず往路のみのグラフをつくってみ ます よう。 年でぐうんと近づき、それ以後はほとん 図 1 の⑧と⑤を接続したモデルである 図 4 は太陽系で観測した場合の、時間ど変化しないのだ。 ( これらの図は等尺ではなく、半分は二 図 3 についてのグラフをつくることにすと恒星船の位置との関係である。一で る。 加速するとスビードはたちまちのうちに〇〇倍に拡大された目盛になっている。 5.308 年 出 到着 . 引 6 年 200 0 図 0

7. SFマガジン 1982年10月号

石原博士の SF 研究室 つまりそれほど変化がはげしいのであ光年にもどるのである。 ると、おわりの二年間で二〇〇年ちかい ( 最初と最後は恒星船は停止しているの時間が一気にすぎるーーという劇的な変 図 5 と図 6 を加え合わせると、とうぜで距離が二〇〇光年と観測されるのは当化があらわれる。 ん、恒星船で観測する太陽系と星との然 ) 一方 X 星における時間経過はその逆 間の距離が求められる。 つぎに、重要な時間関係にうつることで、図 9 にあるようにはじめの二、三年 にしよう。 それを描いたのが図 7 である。 間でほとんど経過してしまい、船内の後 逆ツリガネ状になっている。 まず、恒星船内における時間と、それ半の七年間ではわすか一年しか過ぎない はじめ二〇〇光年あったものが、中央と同時関係にある太陽系における時間とのである。 で最短距離になり、さいごにまた二〇〇の関係を求めてみる。 帰路はちょうど以上の裏がえしである これは、恒星船で感じから、星と太陽系とを置き換えてやれ る重力場の中を落下してばよく、とくべつ計算をしなおさねばな ゆく物体の固有時ーー。とらないようなことはない。 いう観点で計算すること さて、ここでちょっとおもしろいクイ 時ができて、図 8 のような 系グラフであらわされる。 ズのような話がある。 それは群馬県の深代輝美氏の問題提起 太タテ軸の固有時間でと 年る いうのが要するに太陽系で、図川の点で恒星船を急停止させた す ~ 応における時間経過であら、恒星船にとっての太陽系の時間は というの 時にる。 ″逆行〃するのではないか 5 過れ 経そこれも距離の変化をあだ。 内と むろんこの″時間逆行石は観測するこ らわす図 5 などと似てい 時て、転回点の少し先までとはできない。情報は光速でしか伝達し 船は船内の七年間に太陽系ないからだ。でも、理論的または哲学的 には意味をもっ現象ではないだろうか : 8 は一年しかたたないとい : ・これが深代輝美氏の御意見である。 図う ( ウラシマ効果と逆の ように感じられる ) 徴小 たしかにおもしろい問題である。 な経過しかないのが、転図川だけではちょっとわかりにくいの 回点をすぎてしばらくすで、図 8 、 9 をもとにして往復の場合に 5.308 年 240 200 炻 0 太陽系の固有時問 ' て ( 年 ) に 0 点 回 拡大 2 0 出発 0

8. SFマガジン 1982年10月号

, 一。 3 和豊斗中 石原博士の S F 研究室 太陽系の左方にできるということに りと同一になるはすである。 噴射の向きが同じ , ー、・すなわち加減速に よる重力場の向きが同じーーということ このように考えると、キと << とはじつなる。 にとってのそれは六月号に記したと は同じもので、ただ外部との関係がちが から理解できるのだが、そのほかにも、 ″キの状態をずっと続けると自然にのうだけだーー・ーということが理解できる筈おり左方にできるので、結局にとって 状態になってしまう″という運動の軌跡である。 もキにとっても、″世界の涯は同一方 からも直観できるだろう。 つぎに、左方へ減速中のキは、太陽系角の一光年先にあるーーということにな すなわちの恒星船は左方へ進みながとアルゴルを入れ換えさえすれば、下方る。つまり同じ場所にある不動の障壁だ ら減速をつづけており、ちょうど太陽系の⑤図の恒星船とまったく同じだというということになる。 このこともまた、恒星船とキが ( 船 こともわかるであろう。 に到着したところで減速が終了してスト 内の人たちにとっては ) まったく同一の ツ・フするのであるが、そこでエンジンを ( むろんはと同じである。 ) 切ることなく、まったく同じ強さ同じ方がと同一の状態だとすると、おな状態にあることの、ひとつの証拠なので 向に噴射を継続したとすると、恒星船はじみの一光年前方に存在する ( 恒星船にある。 では、恒星船内の人にとって、太陽系 着いたつぎの瞬間には再スタートを切っとっての ) 世界の涯は、にとってはー 相対論的 て右方への加速に入るはずである。つま にとって右方にできるのでとうぜんとアルゴルとがどのように に正しい観測ができたとしてーー観測さ れるかというと、それは八月号の図Ⅱに よってすぐにわかるのである。 図 恒星船内の世界として考えるのである 大る 拡あから、恒星船を静止させてみる。 ので 時線そこに重力場が生じているのであるか 直ら、空中に恒星船を浮かせておくにはた とんえず重力場と同じ向きに噴射していなけ 時と 発ほればならない。 出は そのような世界で、自力で噴射してい の間 4 のないような物体があったとすると、それ 図 は重力場にしたがった運動をするだろ 図 フリー・フ・不ール よくいわれる自由落下運動である。 7 ( 光年 ) 3 2 200 9 】 98 7 ( 光年 ) 】 96 】 95 202 198

9. SFマガジン 1982年10月号

れ自体がハ ードもソフトもアることのうまい人種が、″科学″の″結 メリカ ( および一部はヨーロ果″を導入することはできてもその″精 年係。ハ ) 精神文明の産物である神〃や″過程″を受け入れることはほと 光関 があげられ . ノ 1 のことをよく認識し、ソロ・ハンんどできないでいること ーー一ですら日本の独創ではなか 0 る。 号たことを大いにくやしがるべ彼らが生んだ″科学″を空気と同じに 8 きなのだ。 共通財産視してしまう錯覚もまた、技術 さらに煎じつめれば、現代摩擦の遠因となっているのかもしれな 一技術の基礎である " 科学。と ( いうもの自体も西欧精神文明 このように考えてくると、科学文明に 嘖方 かわる新文明を創造して世界に貢献する の産物であることに思いをい 方嗹成 定たらせるべきなのだ ( ついで日が来るまでは、あまり大きな顔はしな 左 < カ とにも !)。 ということになる。 い ~ 刀がよい 三方右一カ 日本人はあっけらかんとし最近の若いビジネスマンやエンジニア 》へ重 - た民族だから、″科学″とい の海外でのふんそりかえった態度やオジ 減方 うと空気と同じように万国共さんたちのセックス・ツアーが話題にな 一通の普遍的な体系で、したがるたびに、「危いなあ」と思う。 巡ってその成果は万人が等しく戦前の新聞なんかを読むと、事 加うける権利があるもののよう件の週刊誌の愛国記事や若い海外旅行者 に思いがちであるが、そんなの不遜な態度など、雰囲気がよく似てい こレ」よよ、 0 るのだ : 図 科学″はどう考えても一 ( この件でいろんな記事が出たなかで、 五、六世紀以後の西欧どくと コン。ヒュータの問題に経験のふかい人や くの精神文明の一種であり、欧米人とっきあいの深い人ほど、私の意 す、卑屈にもならず、長期的な視野で対空気のように普遍的なものではない。 見と似ていたのはひとつの救いだった。 策をねることが大切だ。 ( この点については村上陽一郎氏の。ハラまた、あるフランス人が述べていた「い ケー・フ・イート や現在のに対してくやしダイム概念による論法がおもしろい ) けにえの山羊」への誤解というのもおも がるのではなく、コン。ヒュータの概念そ その傍証として、日本人ほど受け入れしろかった。西欧人にとっては・ハイブル 世界の涯 太陽系 アノレゴ丿レ 1 光年 世界の涯 〇 太陽系 月

10. SFマガジン 1982年10月号

い。ただソクラテスとちょっとおしやべりするだけなんだ」 「ソクラテスと話す ? 」 「アナタ / 音声入力ガ分析デキマセン。モウスコシ ( ッキリシャベ 「ばかだな、コン。ヒュータのソクラテスだよ。・ハ・、はいつもこうやッテクダサイ」 ダーミナル ってるんた この端末にエントリー コードをタイ・フするたけ「友達のス。 ( イクと話していただけさ。そうだな、まず手始めに今 、 0 ″ 日はどんな日たか言えるかい ? 」 さ。やってみせようカ ローガン・ペン・フローク″と」 「たーみなるニ合言葉ヲ入力シテクダサイ」 「今日ハ一九八七年五月十二日火曜日デス」 ハリイ。計算もできるだろうか ? 」 「ハリイ、コンビュータがしゃべったそ」 「こいつはすごいや、 「もちろんさ。見てろよ。ソクラテス、二の平方根はいくつだ ? 」 「あたりまえさ。今度は合言葉をタイ。フするぞ。″火星 蔔。、パはこの言葉を使ってたんだ」 「二ノ平方根ヲ小数点以下何位マデ計算シマショウカ ? 」 「百位まででどうだい ? 」 「入力サレタ合言葉ハ違ッティマス」 「小数点以下百位マデノ二 / 平方根ヲすくりーんニ表示シマス」 「ほら、ハリイ、君には使えないようになっているんだよ」 ハバが惑星の名「見ろよ、 ( リイ ! あっという間に計算しちまった。せ。一・四一 「ばかなこと言うなよ。合言葉は毎月変わるのさ。 : これ合ってると思う ? 」 前を合言葉に使っているのは間違いない。太陽から始めて、外に向四二一・ 「もちろん合ってるさ。でも、ソクラテスにチェックさせてみよう。 かっているんだ。火星の次の星でやってみよう。″木星だ」 「入力サレタ合言葉ハ違ッティマス。モウ一度、違ウ合言葉ガ入力ソクラテス、スクリーンに表示された数を二乗してくれないか」 サレタ場合、不法ナル入力ニョル警報べるガ鳴リダシマス」 「すくりーん上ノ数ヲ二乗シタ値ヲすくりーんニ表示シマス」 「ここを出ようよ、 「出てきたそ、、 ′リイ。二のあとに〇が百ばかり並んでいるぜ。ね もう一度間違えたら、ベルが鳴っ て、ドアに鍵がかかっちまうんたそ ! 」 え、ソクラテスは二の平方根をもっと先まで計算できると思うかい 「スパイク、ぼくはパ。ハのことをよく知ってるんだ。。ハ。ハはきっと 太陽系のいちばん外の惑星の名前から始めて、だんだん中に人って「説ねてみよう。ソクラテス、二の平方根をどこまで計算できる ? 」 きたんたと思う。 ″地球ってタイ。フするぞ」 「平方根ノ計算ハ、ソノ計算ヲ行ナウ機械ノ能力ト、結果ガデルマ 「コンニチハ ペんぶろーく教授。そくらてすニナンナリトオ申シ デドレダケ待テルカトイウ時間的余裕ニノミ左右サレマス」 ッケクダサイ。音声ニョル入力モ可能デス」 「わかった。小数点以下百万位まで計算するのにどれくらい時間が 「すごいそ、 ハリイ、やったじゃよ、 オしか。こいつは君のパ。ハと話し かかるね ? 」 てるつもりらしいぜ」 「ソノ仕事 = コノ機械ノ全能力フソソゲ・ ( 、三十七秒デ計算 ( 終了 シマス。結果ハドコニ表示シマショウカ ? 」 「ちょろいもんだって言っただろ。さあ、何をやらせてみようか この