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1. SFマガジン 1983年2月号

今月のブックガイド / 徳間書店 / 文庫 / 長篇 / 解Ⅱ千代田倫明につぼん料理大全著日小松左京・石毛直道野口幸夫 / 28 4 頁 / Ⅱ・刊 / 13 0 0 円 / サンリオ / 長篇 / 南極で発見された巨 新・里見八大伝上著Ⅱ鎌田敏夫 / 240 / 232 頁 / Ⅱ・燔刊 / 1000 円 / 潮出 頁 / Ⅱ・刊 / 6 4 0 円 / 角川書店 / 新書版社 / 対談集 / 食べることの楽しみと食物大宇宙船の落下跡、そこには人類の想像を について語りあう、食談と食文化論の世絶した宇宙生命が息づいていた。人類と宇 / 長篇 界。楽しさいつばいの飲食大事典。 宙生命の恐怖の遭遇。同題映画、小説版。 新・里見八大伝下著ⅱ鎌田敏夫 / 256 頁 / Ⅱ・ % 刊 / 640 円 / 角川書店 / 新書ファウスト時代著い荒巻義雄 / 258 頁 / 林彪の罠筑波・核戦略都市を奪回せよ著 Ⅱ・川刊 / 8 8 0 円 / 講談社 / 長篇 / 荒巻 川又千秋 / 240 頁 / ・ 5 刊 / 69 0 / 長篇 / 呪われた里見家を救うため、悪の 円 / 祥伝社 / 新書 / 長篇 / 筑波学園都市の 化身、赤い炎と闘う八人の光の剣士、彼ら流探偵小説の世界。殺人の動機を精神分析 学で追及する新しいスタイルのミステリ。 高エネルギ 1 ー研究所が謎の一団に占拠され の活躍は、この世に善を取り戻せるのか。 た。政府は、この謎の一団を壊滅させるた 戦闘メカ・ザプングル田著日鈴木良武 / 2 ⑩謀殺のチェス・ゲーム著ⅱ山田正紀 / 3 7 4 頁 / Ⅱ・刊 / 4 2 0 円 / 角川書店 / め南一勝の協力を求めた。「対馬沖ソ連艦 82 頁 / Ⅱ・刊 / 400 円 / 朝日ソノラ に突入せよ」に続くシリーズ第二弾。 マ / 文庫 / 長篇 / 人気テレビ・アニメ、ザ文庫 / 長篇 / 解 " 小林信彦 ・フングルのノヴェライゼーション。父母を星のジャングル (PERRY ト、、 0 し」 4 ~. ・ ⑩レイダース失われた型櫃 ( えこ 7 ミし ~ ミ、 Der S 、ミ -ne, 、 968 ) 殺した男を追ってウォーカーマシン、ザプ of The ト 04 ゝ、 *. 798 、 ) 著日キャン 著日シェール & ・フラント / 訳 " 松谷健二 / ングルを操るジロン・アモスの活躍。 ベル・・フラック / 訳秦新二 / 2 8 0 頁 / 2 6 8 頁 / Ⅱ・刊 / 3 4 0 円 / 早川書房 タイムスケープ ( T ミ。 . 1980 ) 著日 Ⅱ・刊 / 3 6 0 円 / 早川書房 / 文庫 / 長 グレゴリイ・・ヘンフォ 1 ド / 訳日山高昭 / / 文庫 / 長篇 / 宇宙英雄ローダン・シリー 篇 430 頁 / Ⅱ・刊 / 1800 円 / 早川書 ズ / プルー族に捕えられた仲間を救うたの連想トンネル著Ⅱ式貴士 / 240 頁 / Ⅱ め、直径六メ 1 トルの重巡が出動した。乗 房 / 長篇 / 解日大野万紀 / 一一十世紀末、地 ・刊 / 3 0 0 円 / 角川書店 / 文庫 / 短篇 球は異常気象、食料不足、エネルギー危機組むはシガ星の小人たち。 集 / 解日斎藤融 によって破局の危機を迎えていた。これを魔界水滸伝 4 著栗本薫 / 214 頁 / Ⅱ 和田誠イラストレーション集大会著 打破するは、タキオン・ビ 1 ムを利用して % 刊 / 6 0 0 円 / 角川書店 / 新書 / 長篇 / 日和田誠 / 10 4 頁 / Ⅱ・刊 / 15 0 0 過去に警告することだった。 魔界に住む者たちの戦いに巻き込まれた安円 / 岩崎美術社 / イラスト集 / 解日阿刀田 地球、この緑の島より著日田中光一一 / 25 西は、エジプトへと旅立った。彼らが砂漠高 / イラストレーター、和田誠のに関 8 頁 / ・ % 刊 / 320 円 / 文藝春秋 / 文で見たものは、奇怪な空飛ぶ化物だった。 する作品を集めたイラスト集。星新一、豊 庫 / 長篇 / む ;æO ハンター・シリーズ② / 魔性の大 (Chog, 1979 ) 著クエンティ 田有恒らの作品に使われたイラストを収 異星人に洗脳された住民と旧人類の一一勢力 ン・クリスプ / 訳日望月二郎・船木裕 / 1 録。 に分かれた人類の行く末は : 9 0 頁 / Ⅱ・刊 / 2 6 0 円 / 早川書房 / ンター・シリーズ第二部。 文庫 / 長篇 / 名門工ムズ家は、ヘンリーの 西の反逆者 ( ミざ。ト T 守を、廴 979 ) 代で途絶えようとしていた。遺産の全てを 著フレッド・セイ・ハーへーゲン / 訳日関愛大フィドーに贈ったことから始まる駁動 ロ幸男 / 286 頁 / Ⅱ・刊 / 360 円 / は・ : ・ : 。 ゴシック・ファンタジーの世界。 早川書房 / 文庫 / 長篇 / 東の帝国シリーズ⑩むさしキャンパス記著Ⅱかんべむさし / ① / 解・ / 遠い未来、最終戦争によ 282 頁 / ・刊 / 340 円 / 徳間書店・本欄に掲載した書籍は十一月十一日から十 って邪悪な魔法が力を持っ〃東の帝国′が / 文庫 / ェッセイ集 / 解Ⅱ新井素子 二月十日までに発行されたものです。⑩の記 支配する地球、自由の民は、圧制に立ちむ遊星からの物体 (The T ミ ) 、 982 ) 号は再刊。文庫などの新版で発行されたもの 3 かった。 です。 / リスト作成日星敬 著日アラン・ディーン・フォスター / 訳日 ◇

2. SFマガジン 1983年2月号

「世界の果ての港」南野骨茶 / 妖鬼「大は、切手を貼った返信用封筒を同封の上、左記 願います ) まで。 ( 発送は一月中旬です ) 江山正伝」神居星等の創作をはじめ、漫画、 ☆申し込み先〒期東京都多摩市落合四・・五ー 自主制作アニメ「アイちゃんと宇宙ネコ」特〒横浜市緑区北八朔町一五〇二ー七七 一ー三〇一一中村寿一一方短歌会 黒沢方黒虹会 集、新井素子いつばいの +OEOZ Ⅷレポー 「 0 」会員募集中 大岡山十三号「天界」発売中 小説が書きたくて、イラストが書きたくて、体裁判・タイブオフ・百二十四頁 の本を読んでる人、「 0 」がありますよ。頒価六百円 ( 送料共 ) 定額小為替にて左記へ東エ大研の正会誌です。今回はマンガ二 ードからファンタジー、ホラーなんでも〒水戸市渡里町二三一五塙寮住吉信夫篇、小説一一鑰および、好評連載「ひえのモンス ターライプラリー」などの他に、特別付録「デ やりますけどそのうち方向をきめてやるつもり ューン・タロウ」がついてます。 です。手書きですけど案内書がありますので六 「零」では元気な会員を募集しています 十円切手同封の上、左記まで御連絡下さい 「零」は創作を基本としている集まりで体裁判・手書きオフ・九十六頁 〒岐阜県中津川市駒場下町四一三ー四 す。昨年、念願の「空想科学幻想創作作品集・頒価送料共四百円 ( 定額小為替にて ) 宮崎敏未来永劫」を発行し、現在第一一号の準備を進め☆申し込み先〒川横浜市中区本牧荒井六六 ☆会誌は判・コ・ヒー印刷・二十頁です。 ています。又、年八回会誌「零」 ( 最新第四十 号 ) を発行、およそ年二回の茶話会「 茨城大学 rn 同好会会誌 OCZ 」を京都で開催しています。 「の」第五号発行のお知らせ 今回、新たに広く全国より会員を募っていま 梅の都・水戸で地道にを営んできた当会すので、仲間になって一 もついに創立五周年を迎えました。 緒にやろうと云う元気な 内容地下鉄千代田線を舞台とした「北綾瀬フ方も、そうでない方も大 アンタジー」根次郎 / イラストストーリー 歓迎です。切手六十円分 を同封の上、左記までお 〈イヴェント・カレンダー〉 便りを下さい。お待ちし 四月二十三、二十四日 ( 土、日 ) 日本フています。 〒京都市右京区嵯峨五 エスティバル・岡山会場 ( 岡山・一月号 ) 四月三十日、五月一日 ( 土、日 ) 日本フ島町一ー七三 エスティバル ・名古屋会場 ( 名古屋・一月藤田雅也方「零」編集 部 号 ) 四月三十日、五月一日 ( 土、日 ) 第六回みち 「半村良を語ろう」 のく祭り ( 仙台・ 半村良のことを聞きた 一月号 ) い方、話したい方はご参 八月一一十一、二十二日 ( 土、日 ) 第ニ十ニ回 加下さい 日本大会 ( 大阪 ) 日時一九八三年一二月二 ・今月号にイヴェントの詳細が掲載されてい 十、二十一日 ないものにつきましては、末尾に記した月号 会場東京近郊 の「てればーと」欄をご覧下さい ☆案内書を御希望の方 イ・つ ( 匿名希望 ) 渋谷誠 327

3. SFマガジン 1983年2月号

「いや、三十日にしろ」ガチャビンがいきなり言った。「三十日の 「わかった」 「ロケットダイン社は職工をスタイ ( ィさせてる筈だ。修理が終っ夜だ。生放送たそ」 「すこし迫りすぎるな、暮に。みんながポーナスを使い果たさぬう たらすぐ月へ飛んでくれ : : : 」 ちが売れるぜ」 の主人公みたい いなア : : : すぐ月へ飛んでくれ : : : かー 「いや ! 三十日だ。それ以外は駄目だ ! 」 ではないか : 「その間に俺達は。 ( ・フリシティにつとめる。そして記者会見を含め「わかった。そんなに言うんなら、三十日にしよう」 「よし、それまでには約東通り、月の石二百個、ちゃんと持ってく て、〈・の月の石即売ショー〉をテレビでオンエアする」 る。呉々も生放送だそ」 それから間もなく、アダムスキ 1 型円盤はゆっくりと上昇を開始 「そうよ、″地球でミサイルに宇宙船をこわされて泣いてた・ して夜空に姿を消してしまった : ・ を助けて、自分の星系へ帰る資金をあつめてあげるチャリティ・ 「なんであアも三十日にこだわるんだろうなア、あの野郎 : : : 。ち よっとひっかかるなあ : : : 」 「本当にわるい奴等だなア、お前達は : : : 本格的だ : : : 」ガチャ。ヒ 東名高速ヘデロリアンを乗り入れながら、私は言った。 ンは溜息をついた。 「うむ : : : 」古矢もうなずいた。「菊池に調べさせよう。三十日っ 「なにがわるい だ。こっちはいつもやってることだ」 ショーにはてめ工も出演するんだそ。ちゃんと善良なてのは、なんかあるのかもしれね工。生にこだわりすぎるのも臭い 「いい・カ 「いいな」 ・ e らしく演技しろよ」古矢が言った。 礼「うむ : : : 」 「善良な・らしくとは何だ ! 」ガチャ。ヒンがどなった。「 私達は、いわゆるチャリティ・ショーの準備を着々とすすめた。 な ! 」 アメリカ西部支局からは、到着した例のアダムスキー型円盤をサ 「てめ工が地球侵略の片棒かつぎそこなった事は黙ってやってるん だぜ。なにか文句あるか ? 」 ーカスのメリーゴーラウンドだと称して、ロケットダイン社のパ とたんにガチャ。ヒンは黙りこんだ。 ムデール工場へトレーラ 1 で搬入したと報告してきた。 「それで、ロケットダイン社の修理工事が十日間として、月から石そして七日後には、修理工事がすべて完了し、いったんトレーラ を持ってくるのはいっ頃になる ? 放送のスケジュ 1 ルを決めたい ーでモハ ービ砂漠へ運んだ円盤は、深夜どこへともなく離陸して行 んだ」 ったが、その際、あのグリーンのマペットは″二十九日に連絡する : ・」ガチャビンはなにか考えている。 と伝えてくれんと言い残したーーー・旨のテレックスが支局から入って 「クリスマスあたりはどうだ ? 」 きた。 ロ 6

4. SFマガジン 1983年2月号

昭和 35 年 4 月 12 日第三種郵爬物認可昭和 34 年 12 月 1 日国鉄東局特別扱承物誌第 682 号 昭和 58 年ゑ 1 日印刷・発行 ( 毎月 1 回・ 1 日発行 ) 第 24 巻第 2 。創刊 23 周年記念特大号 ロ アメリカ・ファンタジイ & SF 言志牛寺約 く日本作家カ作 14 > 眉村卓 光瀬龍 咲野徹 栗本薫 野田昌宏 田中文雄◆ 1 森下一仁 神林長平 儚枕獏 岬兄悟 大原まり子 火浦功 草上仁 殿谷みな子 く海外精選作品〉 アシモフ / ( ラード 大野安之 ル・クイン ゼラズニイン ー特別企画みら心こ 一 SF 工ンクロべテ石 198 マカジン ゝ、

5. SFマガジン 1983年2月号

白昼の悪魔 一人たけの軍隊 アガサ・クリスティ ー鳴海四郎訳定価 1400 円 映画化名『地中海殺人事件』 東宝東和配給 12 月 4 日より全国縦断ロードショー公開 話題の超大型映画化作品 / ハヤカワ文庫 NV リアノー・フライシャ / 山本やよい訳定価 340 円 黒柳徹子さん絶賀 / 東宝東和配給 12 月 18 日全国一斉ロードショー公開 テイウィッド・マレノレ / 沢川進訳定価 400 円ハヤカワ文庫 NV 白熱のウティオレンス・アクション / コロムビア映画 12 月 18 日東宝系全国一斉ロードショー公開

6. SFマガジン 1983年2月号

〈新春かくし芸大会〉の間をぬってな」 「いよいよ月へ向かいやがったな」私はおもわすつぶやいた。 「よし、それでは、明日、日が暮れたらフジテレビの屋上に降り そしてわアわアやっているうちに、たちまちその二十九日がやっ てきて、その夜も史けて、待ちうけるわれわれのデスクの電話が鳴る」 「屋上に ったのはもう夜半近かった。 「まずいか ? 」 「よオ」受話器の彼方から伝わってくるいつもの気配に、私はすぐ 「いや、考えてみればそっちの方がてっとり早いな。屋上の照明灯 呼びかけた。「持ってきたか ? 」 いや、ガチャビンは、なんとかヒューズをとばすとしよう」 「持ってきた」まぎれもなく、ガチャビンの のぬいぐるみにもぐり込んでる宇宙人の声である。「まぶしくてか「よし、照明灯が消えたら降下する」 なわん」 電話は切れた。 「そりやそうだろうなあ、二百個だし、明日は満月だ、無理もね 今から石をひきとりに行こうか ェ」私は答えた。「それで いよいよ三十日がやってきた。 日が暮れはじめた頃から、人々は続々と第 6 スタジオに詰めかけ 「明日、予定通りにやるんだろうな ? 」向うはおっかぶせてきた。 「もちろんだ。お前が指定した日だそ」 いちばん奥にはタキロン張りの派手な舞台が組まれ、ホリゾント 「場所は ? 」 に掛る月を。 ( ックにまばゆい電飾がキラキラしている。 「暮でホールがとれない。 打ち合せ通り、タ闇にまぎれて屋上に着地した例の円盤から月の 団 1 件円、 - こ・、、・ 食 乞乞故 フジテレビの 6 スタがやっととれた。 銀河乞食軍団 2 宇宙翔ける鳥を追え 定価 300 円 こ 0 銀河乞食軍団 3 銀河の謀略トンネル 定価 340 円 野田昌宏著 ハヤカワ文庫 JA ロ 7

7. SFマガジン 1983年2月号

それが正常に近い状態になっていった。ところが、時々思いだし ″ドア″を使わなければならない朝のような腹立たしげな表情さえ たように、時には三日たてつづけに、彼女が朝食をしに出てゆく浮かべていなかった。 と、リチャード が不機嫌な顔をして″ドア″の前に立っていて、登 ハンショー夫人は大喜びだった。こうすれば、子供を徐々に″ド 校の時間が来るのを待ってそれを使うようなことがあった。彼女はア″を使うように引き戻せるかもしれなかった。そこで、リチャー いつも、そのことにロ出しするのを差し控えていた。 ドといっしょに旅行をする口実を作ろうとして、彼女は知恵を絞っ 子供がそういうことをしたとき、とくに″ドア〃を通って家に帰た。中国のお祭りを見物するために広東への日帰り旅行を提案し、 ってきたときには、彼女はいつもほっとした気分になり、″さあ、 それを実行して、電気代を前例のない額に到達させることまでし これで終ったわと隸っこ。。こ : 、、 ナオカしつも、一日、二日、あるいは 三日間が過ぎると、子供はまた中毒者のように麻薬に戻ってゆき、 それは日曜日だったが、翌日になるとリチャードは、、 しつも使っ 彼女が目を覚ます前に音もなく普通のドアから出ていった。 ている壁の開口部から、さっさと出ていった。いつもより早起きし たハンショー夫人は、それを目撃した。耐えがたい苦悩を感じた彼 そして、そのたびに彼女は絶望して精神科医や精神探査に頼りか けたが、そのたびにそれを知ったロビンズが ( おそらく ) 育ちの悪女は、悲しげに声をかけた。「どうして″ドア″を使わないの、テ い満足感を感するところを想像して ( それが本当の動機だとは、あ まり自覚しなかったのだが ) 、思いとどまったのだった。 子供はあっさりと「広東に行くためなら使うけどね」というと、 そのまま家を出ていった。 この間、彼女はこの状態を何とか耐えしのんでいた。メッカノ ″ターゴ″用具と着替えを持って普通のドアのところで待機すこうして、この計画もおじゃんになった。そして、ある日、リチ るように指示されていた。リチャードは素直にシャワーを浴びて着ャードはすぶ濡れになって帰ってきた。メッカノはおろおろして子 替えをした。下着や靴下やフレクシーはどうせ使い捨てだったし、供の上に浮かび、アイオワの妹のところから四時間の訪問を終えて ハンショー夫人は日ごとにシャツを廃棄する出費も苦情をいわずに帰ってきたハンショー夫人は叫び声をあげた。「リチャード・ 我慢した。ズボンは、最終的には、毎晩よく洗濯するという条件ショー で、廃棄するまでに一週間は使用することにした。 子供は、しょん・ほりとして答えた。「雨が降りだしたんた。急に ある日、彼女はリチャードに、 ニューヨークについてこないかと雨が降りだしたんたよ」 いった。何か意図的な計画の一部としてというよりは、子供を目の しばらくの間、彼女にはその意味がのみこめなかった。学校で地 届くところに置いておきたいという漠然たる願望からだった。子供理の勉強をしたのは、二十年も昔のことだった。だが、それから記 は反対しなかった。嬉しそうでさえあった。気にする様子もなし憶が蘇って、空からめちやめちゃに果てしもなく降り注ぐ水、栓を ″ドア〃を通り抜けた。ためらいもしなかった。登校するのにひねったりボタンを押したりスイッチを切ったりして止めることの こ 0 4 6

8. SFマガジン 1983年2月号

今月のブックガイド / Ⅱ・刊 / 3 0 0 円 / 角川書店 / 文庫 / 亜空間潜艦を撃て著日斉藤英一郎 / 254 2 短篇集 / 解Ⅱ新井素子 頁 / Ⅱ・刊 / 380 円 / 朝日ソ / ラマ / 机上の遭遇著Ⅱ小松左京 / 244 頁 / Ⅱ 刊 / 980 円 / 集英社 / 書評集 / 解Ⅱ土 38 万人の仰天著いかんべむさし / 346 3 文庫 / 長篇 / 宇宙版″眼下の敵の世界。 亜空間を潜航する宇宙の潜水艦と駆逐艦の屋裕 / 小松左京が書いた様々な解説を集め頁 / Ⅱ・刊 / 120 0 円 / 朝日新聞社 / 長篇 / 大阪上空にが : : : 。広告業界 た″続・読む楽しみ語る楽しみ″。江戸川 息詰まる闘いの結末は : : : 。 を舞台にくり広げられるユーモラスなサラ 乱歩から岡本太郎まで幅広い世界。 あべこべ人間著Ⅱ遠藤周作 / 302 頁 / Ⅱ リーマン社会。かんべむさし長篇第四作。 ・ % 刊 / 880 円 / 集英社 / 長篇 / 遠藤周キノコの惑星スカー ( T 、ミト st ミ・、年ミ・ . き 70 ) 著・ 0 ・タ・フ / 訳日鎌田三平億人の餓死 200X 年地球を襲う危機 作のユーモア小説。一夜にして性転換が可 / 214 頁 / ・ 3 刊 / 280 円 / 東京創著Ⅱ相沢惣治 / 236 頁 / Ⅱ・刊 / 95 能な新ホルモンをめぐる悲喜劇。 0 円 / 実業之日本社 / 長篇 / 一一十一世紀初 元社 / 文庫 / 長篇 / デュマレスト・サーガ 失われた黄金都市 (Congo, 、 980 ) 著マ 頭、地球の人口は六十三億、そんな時、世 ⑤ / 地球を求めて旅を続けるアール・デュ イクル・クライトン / 訳日平井イサク / 3 マレストは、人間に長寿と知覚の増強を与界各地に様々な異状が発生した。火山の爆 3 8 頁 / Ⅱ・刊 / 16 0 0 円 / 早川書房 えてくれる貴重な胞子を持っキノコの惑星発、大地震、そして異常気象。地球の危機 / 長篇 / ジャングルの奥深く、ダイヤを産 にたどり着いた。 を描く近未来小説。 出するという幻の都ジンジを求めて調査隊 は出発した。クライトン描く現代版ソロモ銀河英雄伝説著Ⅱ田中芳樹 / 248 頁 / Ⅱ樹上の銀 ( S ミ、 0 、 ~ ミ T 、ミ . 797J ・刊 / 6 8 0 円 / 徳間書店 / 長篇 / 新書著日スーザン・クー・ハ 1 / 訳日浅羽莢子 / ン王の洞窟。 3 9 8 頁 / 川・刊 / 評論社 / 長篇 / 闇の / 李家豊改め田中芳樹が描くスペース・オ の歌唐さま参る著日光瀬龍 / 280 頁 / Ⅱ べラの世界。帝国の天才的戦略家ラインハ 戦いシリーズ④ / ウイル少年と五人の仲間 ・刊 / 3 4 0 円 / 角川書店 / 文庫 / 短篇 ルトと同盟軍のヤン・ウエンリーの智謀を はを闇みとの最後の戦いを開始した。スー 集 / 解日武蔵野次郎 ザン・クー・ハ ーの光のファンタジイ最終 竸う戦いは : : : 。 ⑩海からきたチフス著日畑正憲 / 210 頁 巻。 / Ⅱ月刊 / 390 円 / 金の星社 / 新書 / 長紅の密使著日栗本薫 / 29 4 頁 / Ⅱ・刊 / 3 60 円 / 早川書房 / 文庫 / 長篇 / グイショック ! 夢見る機械著日加納一郎 / 25 ン・サーガ・シリーズ⑩ / ・ハロを侵略した ォメガ・ポイント (The 0 ミ 2g4 、 0 、 . 4 頁 / Ⅱ・刊 / 380 円 / 朝日ソノラマ 、 972 ) 著日ジョージ・ゼプロウスキー / モンゴールは、沿海州諸国へも波紋を巻き / 文庫 / 長篇 / 是馬、荒馬の兄弟は、また また北川博士の発明の実験台にされた。今 起した。パロに味方するのか、ヴァーレン 訳正田晴久 / 218 頁 / ・刊 / 38 回の発明は、現実世界で本当に体験してい 会議の決定は : : : 。 0 円 / サンリオ / 文庫 / 長篇 / 前作「灰と 星」に続くオメガ・ポイント三部作、第二黒い炎の戦士田著Ⅱ白石一郎 / 234 頁 / るかのごとく感じるドリーム・マシン。 Ⅱ・刊 / 6 8 0 円 / 徳間書店 / 長篇 / 新白い竜 ( 、 7 ミ White D ミ・ミ ~. 、 978 ) 部、ゼ・フロウスキーの哲学的世界。 書 / 太古の記憶を持っ戦闘集団、黒子一族著Ⅱアン・マキャフリイ / 訳 " 小尾芙佐 / オレの愛するアタシ著日筒井広志 / 220 頁 / 肥・ 5 刊 / 950 円 / 新潮社 / 長篇 / と異国の超能力集団、白鬼の間に日本の存 610 頁 / 肥・燔刊 / 680 円 / 早川書房 / 文庫 / 長篇 / パーンの竜騎士シリーズ③ 亡をかけた死闘が始った。 一組の男女の身体が突如として、入れ代っ / 解 == ・ / パーンに危機が ! 竜を繁 てしまったら : : : 。人気作曲家が描くュー 幻魔大戦囮暗黒の奇蹟著Ⅱ平井和正 / 2 62 頁 / ・刊 / 300 円 / 角川書店 / 殖させるために必要な女王竜の卵が盗まれ モア小説。 た。惑星パーンを救うべく、若き太守の活 文庫 / 長篇 / 幻魔にたちむかう 影の姉妹著Ⅱ佐々木丸美 / 188 頁 / Ⅱ Z と東丈の前に″真の救世主″と名乗る男躍が始った。 刊 / 8 9 0 円 / 講談社 / 長篇 / 山峡の隠 ⑩真幻魔大戦団メサイア・メーカー著 " が出現した。幻魔大戦第十九弾。 れ里に住む邇々玉さまに流れる血脈には、 不思議な遺伝子が : : : 。佐々木丸美のの氷の下の暗い顔著日小松左京 / 244 頁平井和正 / 262 頁 / ・刊 / 300 円

9. SFマガジン 1983年2月号

こんなにいい日 なんだから アイザック・アシモフ 山高昭訳 イラストレーション野中昇

10. SFマガジン 1983年2月号

影が対面の峡谷壁を黒く侵食してゆくじりじりした動きを飽かすに 「きみの実家はてんやわんやの大騒ぎだろうな。三樹夫は王子様気 楽しんだ。夕方にはまた靄がでた。峡谷の底からふつふっと沸き立分だそ。なんでも買「てもら「てさ」 ち、ビンクから血のような赤に染まる。いよいよ一日がおわりに近「甘い物は食べさせないで「て言「てあるのだけれど づいてタ日が弱い最後の光をなげかけるころ、岩の陰になった部分「心配なら帰ったらい わたしはもうしばらくいる」 がほんのりと白く色づく。霜だった。日がおちてほんの短い時間 「それ、本気 ? 」 夕日がつくった岩岩の長い影が白い霜になって残っている。そして「どうして」 無秩序に夜が白くなる。もっとも、展望室の照明が当たる部分は白 「観光空中、、ハスが出るの。お弁当も買ったし、行きましようよ。 くない。赤い岩だらけの砂漠だ。照明の熱が小さな太陽になって スのなかでも瞑想はできるわ」 る。これはしらける。光なしで夜を見たいものだと思う。しかし絵「わかったよ」 は光なくしては成り立たない。どうすればいいんだ ? わたしには 由香の機嫌をそこねたくはなかった。由香は絵に関しては明快な それを表現する力はない。それを認めるのはつらい 基準をもっている。高く売れるのがいい絵なのだ。わたしは反論は 三日目、由香が不平をもらした。 しない。わたしは由香にとっていい絵を多く描いてきた。火星での 「いつまでラウンジで昼寝したら気がすむの。よくもまあ退屈しなんびりできるのもそのおかげだ。自己満足だけの絵など価値がな 。すべての人人とはいわないが、少なくとも自分以外のだれかに 「瞑想の時間が必要なんた。ごらん、この火星の自然を」 見せて感動を与えるものでなくてはならない。しかしわたしはそれ 「写真はとったわ。絵葉書も買ったし、瞑想してればキャイ ( スにを特に意識したことはなかった。評価され、高く売れるようになっ 絵が浮かびあがるってものでもないでしよう。どうして電子キャン たかどうかはわからないが、それでも安定したのは偶然といっても ( スを持ってこなかったのよ。スケッチ一枚描かないなんて」 いいのだ。由香は金目当てでわたしと結婚したかどうかはわからな 「描けないんだ。感動があまりに大きすぎて、わたしの手に負えな いが、それでも生活を望んだのはたしかだ。だとすれば、わたしが 由香を妻にできたのも偶然といえる。わたしはこの偶然を手放した 「あなたは」と由香は言った。「描けないんじゃないわ。ただなまくはなかった。由香を失いたくはない。 けてるだけよ」 空中・ハスは移動宴会場だった。窓外の景色はめまぐるしく変わ 「わたしが鬱病患者たったら、その一言で自殺するだろうな」 り、感動する暇がなかった。空中スの目的は観せることにあっ 由香は売店で買ったサンドイッチの包みをわたしに手渡して、峡て、つまりは観せられるのであり、ゆっくりと自分自身の感動に浸 谷を見やり、爪をかんだ。考えごとをするときのくせなのた。 るようには考えられていない。 「三樹夫どうしてるかしら」 初老の男がわたしに赤い顔で話しかけてきた。わたしが絵描きた 6 7