Ⅷ .25 No. 冂 a 眦「 y 1984 ファンタジイ & サイエンス・フィクション誌特約 Science SpecuIation & FictionFantasy 星もまばらな可の辺縁。名も知れぬ小さな恒星 をめぐるわずかはかりの惑星。その一つに、生命 のひらめきを感知したとき、それは胎動を開始し た。宇宙の尺度からみれば、まばたきをする問に 惑星の原始生命は進化の階梯をかけあがる。やが て芽ばえた思考のバルスはまたたく間に惑星をお おいつくし、舌隹で支離減裂なエネルギーを放散 し始めた。宇宙の静寂を乱す耐えがたいまでの圧 力を感じたそれは、苦痛に身もだえし、生れ出ず る時の近いのを知る。悠久の時の彼方から、予定 されていたプログラムの最終奪鄧皆。すべては支障 なく進んでいた。 - ー - ーー 1984 年、あけましておめで とうこ・ざいます。こうして新しき年を迎えられま したことを皆様と共に心から感謝したいと思いま す。昨年来の東西問の緊張は今やー触即発の・・
ペ〉トが得られるだろう。彼らの外見についていうならーー人類が見ながらい「た。「われわれは円を閉してしま「た。そして見出し 地球を離れて以来、もう幾千世紀にもなるんた。それを思えば、彼たのはおのれ自身にほかならなか 0 た。銀河はわれわれのものだ。 リ h ムが、黄金 の肉体面の差異などささやかなものじゃないか。自然なものもあれだが、われわれしかいないのだ」彼はふりむいた。 いろの異星人が , ーー人間が、ーー同時に、同じゃり方で、向きを変え ば、人為的に達成されたものもあるかもしれないけれど、胚原質は たことに気づかずに。 嘘をつけない。われわれはみんな人の子なんだ」 彼らは外側を向いたのだった。無限の深淵と、星のない、銀河間 「ありうることだ」とリ = ムが、はじめて口をきいて言 0 た。「わ宇宙空間の無限の暗黒を見た。お・ほろに、遙かに、光の点があ 0 れわれの生物学者たちがあなたに同意していると、いま知らせてきた。暗黒を背景に、顕微鏡的なにじみが。恒星ではなく、島宇宙で た。お互いの相異点は、類似点と比較すれば些細なものだ。あなたある。その辺縁に彼らが立「ている、この島宇宙と同様な存在だ。 この二つの生物は、多くの点で異っている。呼吸する空気、肌の たちの故郷のその地球はどこにあるのか ? 」 色、一一一〕語、性癖、文化。両者は昼と夜ほどにも異る。人類の融通性 ハウタマキが頭上の空を指さした。密集した星々が燃えている、 星で一杯の天の河の広がりを。「あそこだ。遠く銀河の " 核。の向に富む性質が、かそえきれぬ世紀によ 0 てたわめられて、遂には、 もはや互いを見てもわからぬほどになってしまっている。けれど、 う側、銀河のレンズをほ・ほ半周した先だ」 「どういうことが起 0 たのかについては、部分的にはその核が説明時も、隔たりも、変異も、変えることのできなか 0 たものがひとっ してくれますね」とグルャスがい 0 た。「核は、直径数千光年、温ある。彼らは、それでもなお人間、それでもなお人類なのである。 度は一万度を越える。われわれはその外辺を探検してきた。それを「これで確かだ」と ( ウタ「キはい 0 て、「銀河にはわれわれしか とりまく塵雲のせいで、どんな船も、それを突き抜けることはできいない」 なかった。あまり近くへは寄ることさえも。そこで、われわれは外「この銀河にはね」 彼らは互いを見た。それから、さっと目をそらした。その一瞬 へ拡がった。ゆるやかに銀河の縁を周回し、地球から遠ざかって。 に、彼らは見さだめていた。自分たちの人間性を、同じ規則に照ら われわれがおちついてこのことを考えていたなら、気づいていたは して。それらは等しかった。 ずです。人類が別の方向にも、車の逆方向にも回って移動してい な・せといって、彼らは同じ瞬間に向きを転して、外を見たのだか る、ということに」 「そして、いっか、われわれは会わなくてはならないだろうと」とら。銀河間の宇宙空間を。もうひとつの島宇宙である無限に遠い光 リエムがいった。「さて、ようこそ、兄弟。そして、わたしは悲しのほうを。 「あそこへ行くのは骨が折れるだろうな」と誰かがいった 。これが何を意味するのかを知っているのだから」 「われわれは孤独なのだ」と ( ウタマキが、密集した幾兆もの星を彼らはひとつの戦いを失っただけだ。敗北はない。 9 4
いた。見通しのきく材質の壁に出入口が切りこまれている。扉は宇 「絶縁手袋をして、あのタンクを実験室へ運んでくれ。なかみは、 宙空間へと開いていた。 惑星大気のテストに使う通例の空気検査の手続きにかければいし 「これではっきりしたぞ」とハウタマキはいいながら立ちあがっ 試料をとったらすぐに、容器をからにして、こちらの空気を詰め、 ェア・ロックから外へ投げ出せ」 た。「あの中央の壁は、あそこが会見室として使えるよう、気密に なっているに違いない。わたしが行こう。なにもかも記録しておい てくれ」 分析装置類が異質な空気のサン・フルに取組んだ。異星人たちも、 タンクに入った船の大気に、同じことをしているはずだ。分析は型「罠みたいに見えるんだけど」とティョンド。そして、スクリーン どおりの作業で速く進み、報告が、コード化された方式で操縦室の上の、誘うかのように開いた扉を見ながら、そわそわと指をこね た。「それは博奕になると : : : 」 ・ハネルに出た。 ハウタマキは、耐圧気密スーツにもぐりこみながら笑った。彼が 「呼吸不可能です」とグルャスはいって、すくなくとも、「ぼくら には。酸素は充分にーーー十二分にあるようですが、酸素の硫化物は笑うのを二人ははじめて耳にした。「罠だって ! 彼らがここまで どれをとっても肺に穴をあけてしまう。そんなしろものを吸いこむやったのは、すべて、わたしに罠を仕掛けるためだと、そう信じる なんて、彼らはさぞかし、ごっい代謝機能を持っているんでしようのかね ? 思いあがりもいいところだな。それに、罠だとして ね。ひとっ確かなのは、われわれが同じ世界を争奪するようなこと近寄らずにいられると思うかね ? 」 には決して : : : 」 「見て ! 画面が変化してる」とティョンドがいって、二人の注意彼は船からわが身を押し放した。スーツに入ったその姿が漂い去 り、小さく、小さくなっていく。 は眺望スクリーンにひき戻された。 異星人は消えていた。視点は、小惑星の表面の上方の空間にある無言で、無意識のうちに身を寄せあいながら、二人はスクリーン ようだ。表面にある透明なふくらみがスクリーン一杯に拡がり、彼上の出会いを見守った。 ( ウタマキが、開いている戸口の奥へそっ らが見守るうち、異星人が下からそれに入った。場面がまた移っと引きこまれていぎ、足が床に着くのが見えた。扉が閉じるのを、一 て、彼らは異星人を、壁の見通しがきく部屋の内側から見ていた。彼はふりかえって見た。その間、シューツという音が無線装置を通 じて二人の耳に達していた。最初はとてもひそやかに、それから次 異星人はテレビ・カメラのほうへ来たが、着く前に立ちどまって、 第に音高くなっていった。 空気しかないと見えるところによりかかった。 「ドームを半分に区分ける透明な壁があるんですね」とグルャスが「部屋に加圧しているようですね」とグルャスはいった。 ハウタマキはうなずいた。「うん、聞こえているよ。それに、外 いった。「わかりかけてきたぞ」 ビックアツ・フは定回して異星人から離れ、ぐるっと反対方向に向圧計にも度数が出ている。正常な気圧に達し次第、わたしはヘルメ ばくち 6 4
。われわれも、同しように感し、時として同じような振舞いをすを掻き消しながら、すっくと立ちあがった。「ひとの生活の内輪の モ / セクシュアル る。ただ、われわれの社会は単性社会なのだがね。体外発生の当然事情に立ち入りたが「ておきながら、こちらがちょ「と、そちらの 9 の帰結だった」 タブーに触れれば、侮辱だという。〈男〉は、おまえのようなもの 「当然ってことはないでしよう」とティョンドがいった。頬に赤みがいない分だけ、うまくやっていけるわ ! 」身をわななかせながら がさしていた。「体外発生には受精卵が必要だわ。卵子は女性から深呼吸すると、回れ右して部屋を立ち去った。 出る : : : 体外発生社会は、論理的にいって、女性社会になるはず。 ティョンドは、この晩以降一標準週間近く、居室から出なかった。 男ばかりの社会なんて不自然よ」 異質な文字の分析に打ちこんだ。食事はグルャスが運んできてくれ 「われわれのすることはなにもかも不自然なのだよ」と ( ウタマキた。 ( ウタマキは、この件には触れず、グルャスが妻に代って詫び は、怒りをみせずに彼女に告げた。「人は環境を変化させる動物ようとすると、さえぎった。しかし、彼女が再びコントロール・セ だ。地球を離れて暮している者は、誰もが″不自然な″環境に生きクションに姿をみせたときにも、文句はつけなかった。ただ、グル ている。そうした条件のもとでの体外発生が不自然だとしても、そャスだけに話をして決してじかに彼女に話しかけないという、以前 れは、今のわれわれのように、時空の非現実的な領域の中で金属のの習慣が復活していた。 この 穀に包まれて生活しているのと、同じ程度のことにすぎない。 体外発生が、卵子と精子でなくて二個の雄性細胞から胚原質を合成「彼、ほんとにわたしにも来てもらいたがってたの ? 」とティョン するのも、筋違いだという点では、きみの痕跡的な乳房と差のない ドは、そう訊きながら、一本きりのちつ。ほけな髪を毛抜きで挾ん ものだ」 だ。すべすべのひたいとおつなの、象牙のようななだらかさを損う 「失礼しゃありませんか」と彼女は赤くなって言った。 ものだ。それを引き抜くと、ひたいの下に手を添える。「彼に実は 「いっこうに。乳房は機能を失っている、故に、退化しているわけ眉毛があるの、気がついてた ? ちょうどここのところよ、すごい だ。きみたち両性人は、自然さーーーあるいは、不自然さーーにおい むさくるしいの、先祖返りみたいで。髪まであるんだから、頭のす て、われわれ〈男〉とまったく変るところがない。・ とちらも、われそのまわりに。なかむかするわ。きっと、男は毛むくじゃらになる われが創り出した″不自然な〃環境なしには生きていけないのだよ」よう遺伝子をえり分けてるんだわ、偶然ってはずはなくてよ。あな つい先頃の発見からくる昻奮が、まだ彼らを支配していた。そした、返事がないわねーー彼はわたしが来るのを求めたの ? 」 て、たぶん刺激物と怒りがティョンドの自制心を弱めてもいたのだ「答える暇をくれなかったじゃないか」とグルャスは彼女にいっ ろう。「なんてーーーよくもまあ、わたしのことを不自然だなんてー た。徴笑がことばをやわらげていた。「きみを名指しで招きはしな ーあなたはーーー」 かったな。それは高望みというものだろう。ただね、十九時に全乗 「血迷ったな、女 ! 」と ( ウタマキは、大音声を張りあげてことば組員集会を行なうと言ったんだよ」
かない人間たちをのせて、有無を言わさず、膨れあがったもう一つ の流れ〈豊饒の河〉へと運んでいく。将校も兵卒も非戦闘員も、等 しなみに同じ不面目のうき目をみた。けれどもいかに増水している とはいえ、畢竟〈豊饒の河〉は激流とは言い難い。兵士たちはみ な、無事対岸にたどりつくことができた。 泥んこまみれの鼠さながら、しょぼくれた姿を土手につらねて、 彼らは幸運に感謝し、ぬれてない煙草を数えた。隊長はこの大敗走 とその女仕掛人ー。ー・のことを軌道上の〈大使夫人〉に報告する と、部下たちを近くのうねのむこうまで退却させ展開させて、自分は ひとり、オライアダンの指示を待ちつつ、しめった煙草をふかした。 オライアダンは歴史に関してはけっして素人ではなかった。彼は たちどころにある類似に気づいた。気象戦の脅威もさることなが ら、彼を考えこませたのは、まさにその類似であった。彼は、現代 版ォルレアンの少女が、比較的純朴なシェル・・フルーの人々に何を なしうるかを見とおした。天候をあやつる武器などなくとも、少女 は人々に啓示をあたえ、一発がんと爆弾でも落とさねば鎮圧できぬ ような事態さえひき起しうるーーーそんなことにでもなれば、彼がす でにして我がものとみなしている財産もみな灰燼に帰してしまうだ ろうことを見とおしたのである。そこで彼は、九七隊のみならず第 一六降下師団の残りの部隊についても、ひとまず全員を収容し、周 回軌道上に帰還させるよう指令を発した。そうしておいて当面、作 戦計画を情報部長のスミス日カルゴスにあずけることにした。 一週間とたたぬうちに、スミスカルゴスは報告書をまとめあげ てきた。報告書と、それから、一つの計画を。 〈監視犬〉の二級暗号解読官レイモンド・ダーシイは、、 ロ・ハート・ LL ・ヤング 0 ミミ 短篇作家というのは、・ とう考 えても割のいい商売ではなさそ うだ。大長篇や長大なシリーズ ものがプームの昨今では、特に それがいえる。長丁場を持たせ る持久力はさほど要らないにし ても、短篇は長篇と同じように それ自体が独立した作品であ り、その一つ一つに完成度と十全たる才能の閃きが要求される。長 篇一本より短篇をいくつも書くほうが苦しいとは、よく作家たちが 口にする話だ。しかし読者や出版社の短篇に対する扱いは、長篇と 比べると決して温かいものではない。 日本では少し事情がちがう が、英米界を眺めるとき、レイ・・フラッドベリのような短篇だ けで名声を得た作家は、きわめて特殊な例外に属する。何冊もの本 にまとまるほど短篇を書いていながら、著書が数えるほどしかな 、あるいは一冊もない作家 ( ふつうマガジン・ライターと呼ぶ ) を数えあげるのは、それほど面倒な作業ではない。 一九一五年生まれのロ・ハ 1 ト・・ヤングも、そんな作家のひと りである。一九五三年のデビ = ー以来現在まで発表した作品は一七 〇篇もあるというのに、アメリカで出た短篇集はわずか二点ーーそ れもハ 1 ドカ・ハ 1 だけで、・ヘー ー・ハックは出ていない。 & 誌、アメージング誌、最近ではアシモフ誌の常連であり、けっこう 人気も高いというのに、この扱いはあんまりではないか。しかしさ すがのヤングも、長篇を書いていない不利を思い知ったようで、 226
をー・ー・を第】真 ⑨ 手甎 : ) : 鼾釐噬 4 写真 1 ー⑩ 写真 1 ー@ 写真 1 ー⑩ 写真 1 ー⑩ さて、本題に入ろう。 前回のつづきである。 マンガ家になることのできなかった海野 十三は、『新青年』登場をきっかけとして 文筆業の道に入り、いよいよ日本最初の 作家を目指して苦闘を開始することにな る。 その最盛期は昭和一〇年代ーーすなわち 第二次大戦の直前から戦中ーーーにあるのた が、ここでは前回に述べた理由 ( および私 の資料不足 ) によって、戦後にかぎってそ の苦闘の記録を書誌の形で纒めてみよう。 戦中にすでに病をえており、また不幸な 事件もあって、戦後の執筆期間はひじよう に短かかったのだが、根が多産家だったの と戦前作品の書きなおしがかなりあったた め、そしてまた死後もくりかえし出版され たため、戦後にかぎってもその出版点数は かなりのものである。 各種の方法で調べた海野十三・単独著作 物を、五〇音順に並べた表を作成してみ ただしスペ 1 スの都合上、掲載は来月号 にさせていただくこととしたい。 しくつかの特色 とりあえず、ここでは、、 をその中からひろってみることにしよう。 8 8
ン ハーヴァード・ ョ ーばくの医学修行ー ク チャールズ・レバロンー / 藤井かよ訳定価一六〇〇円 川年間、福祉施設で下積みの仕事を続け、一念発起して名門医学部 に入学した著者の体験を鋭い問題意識とみすみすしい感性で描く。 アシモフ自伝—下 ー思い出はなおも若くー カ アイサック・アシモフ / 山高昭訳①定価各一八〇〇円 アメリカ界の巨匠アシモフ。幼年時代の神童、ぶりから、堆誌投 ャ 稿、新人作家、との道を驀進する過程を描いた、感動の自伝ー グルメのための シネガイド 淀川長治・田中英一・渡辺祥子著定価八〇〇円 なっかしの映画から今上映中のものまで、三人の映画評論家が映画 に出てきた食べものを語る、楽しいエッセイ集ーー - ー・写真多数収録ー 1 内なる私尾裕訳 * 2 スタンプール特急北村太郎訳 こは戦場だ丸谷才一訳 * 4 英国が私をつくった野崎孝訳 5 拳銃売ります加島祥造訳 * 6 、フライトン・ロック丸谷才一訳 グレアム・全巻 グリーン全集 ( 四六判上製本 )
大きな社会変化は招来できな いと思えるのだ。そうした人々が 私の興味をひくのだ。 ルイスあなたは反核連動のため に日本にいらっしやったわけです が、昔からこの運動に携わってお いでなのですね。流行になり、 『地球の運命』を読んだよ、と言 うことがはやる前から。″水爆の はあなたが一九五八年に作曲なさ ったものですね。 プラナー先日の広島大会の終わ りで、日本語訳を聞いたばかりだ よ。 ルイスこの二週間、日本でどん なことをなさってきたか話してい ただけますか ? プラナー私は広島で初めてひら かれるアジアの作家会議の招待状 をうけとった。というのも、他の 作家が来られなくなったからなん だが。日本の作家ばかりでなく、 グアムや沖縄、フィリビン、タ イ、マレーシア、インドネシア、 北朝鮮、ソ連などの作家にも会っ た。オ・フザーヴァーとしてケニアからもひ 】を : とりの青年が来ていたね。他国で同じようロ ツなことをしている人々の覚え書を比較する のはたいへん興味深かった。その人たちは 私とはまた違った観点から世界を見ている のだ。きわめて啓蒙的で、長期にわたって ・困難極まることをしているのだ。 ルイス作家はいましたか ? 、ノコックで出 プラナータイの若者が、・ノ、 ている雑誌〈ブック・ワールド〉の編集者 4 で、熱心なファンだった。自分の雑誌 で特集号を出そうと計画していた。 ルイスあなたは原爆の被害をうけた広島 と長崎にいらっしゃいましたが、日本は核 問題について、さまざまな意見が言われて いる国です。しかし、日本の作家は核 戦争の物語をたくさん書いてはいるもの の、あなたの作品のような立場で書かれた 日本のを読んだことはあまりないので 」当】 ~ 一 ~ 蟹 3 物第を ~ : ・・勢 ( ( す。反戦のを書いた作家はごく少数で すが、義務的な道徳として書いているにす ぎません。わたしの知るかぎり、日本に は、社会参加をしているポリティカル はあまりないと思います。 プラナー一度ならず核戦争を書くの は難しいことだ。効果的に物語るには、こ
よろしい。わたしはドミ】トリイ・スミルノフ大佐だ。で、き 口から、吐いたのよ。 みよ、・これ ? 大佐は黙ってしまった。半信半疑の心が手にとるようにわかっ 4 チャね。あたしはタカよ。 ーーーああ、軍人さん。 た。まったく、こんなあけっぴろげの心で、相手につつ抜けになら タカ、すてきな名だね : : : 名字はなんていうの ? ないのだろうか。 知らない。 真実かもしれませんね ( 教授が口をはさんだ ) 、なにしろ、東 知らないはずないよ。 京湾にゴジラを出現させたんですから。 知らないんだもの。ほんとよ , ゴジラなによそれ。あたしのあの子は惑星パンロトンの火 大佐が太いため息をついた。 炎恐竜よう ! タカはちょっと気の毒になった。この人は軍人にはちっともむい わたしは地球と月以外はよく知らなくてね ( と笑いながら大 てないわ、と思った。それよりも気になるのは、教授と呼ばれる、佐 ) 。 もの静かな男だ。表面はおとなしそうに見えるが、感情波をコント 困るわ。 ロールしているからだ。タカは同類の血を感じ、警戒した。 こんど怪獣辞典で勉強しておくよ。一 どこに住んでいるのかな ? タカは答えなかった。こいつ、人がいいというより・ ( 力なんだ あっち側。 わ、と思った。あるいは″教授〃に頭をカラッポにされたのかもし そうか。どうやってこっち側へ来たの ? れない。 ひと暴れしたのよ。初めてじゃないでしよ。 きみ、いくっ ? ( 冷たい調子で教授 ) 。 税関口ポットに溶岩をかけて ? いやよ。 とう ほら。知ってるくせに。 十 ? ( これは大佐 ) 。 どうやって、かけたの ? ばかにしないでつ ! 十五よー それも知ってるんしゃないの ? 返事はない。ちょっと驚いたらしい。ヒソヒソと話す声が聞こえ ほんと 2 ・ きみは。 ( イロットをひとり殺したんだそ。わかっているのか ? ( と教授 ) 。 少女はくすんと笑った。 殺した ? あたしが ? 吐いたの。 そうだ。おまえが、だ。 ーーミサイルなんか発射するほうが悪いわ ! 遊びなのに。あたし こ 0
ハデスが手を振って、マックレガーの発言を封じる。 わけがわからない変化にとまどったのも当然だし、このホログラフ 「あれが連続したものとして見るためには、我々の見方を変えねば イが迷路のモデルであるということも確かなのだ」 ならない。いいですか、ホログラフィは、三次元像を二次元に封し では、自分たちが同じ平面を走っていると信じていたあのとき にも、一つの平面から別の平面へと移動し続けていたことになるの 込めて、それを三次元として再生することができる」 「そうだったのか ! 」 か。それは、シェン自身の感覚からは、とうてい信じられないこと シェンが叫んだ。ハデスの目に、新たな光が加わった。この中国であったが、少なくとも、これまで迷路に加えられた様々な解釈の 人のことを、軽く考えてはならない。 中では、最も納得できそうなものだった。もちろん、シェンは完全 「シェンは、もうわかったようだが、ジョン、あなたのために付けに納得しているわけではない。それどころか、ちがうと叫びたかっ 加えておけば、この像が二次元的であったときに、すでにトリック た。だが、それは単なる感情の問題でしかない。 に気付いていなければならなかったのですよ。これは、三次元的な「時間さえあれば、これから三次元の迷路地図を組み立てること ものの連続像を二次元的に表わしたものにちがいない」 は、不可能ではない筈だ」 「ちょっと、 いいか、 ( デス、今の話からすると、メイズは大変な「わかった。すぐ、そいつを手配させる。さて、 ( デス、君にはも 代物になってしまう」 う一つの頼みがある」 シェンが大声で言った。 「そう言っていましたね。何ですか」 「そのとおりだ、シ = ン。あれは、四次元的な存在を三次元の切り「君の時間を買いたい」 ロで見ていることになる。だから、シェン、あなた方が迷路の中で 「どれくらいの長さを ? 」 る LL 泰平ョンの 深見弾訳定価三 8 円泰平ョンの 航星日記 , 現場検証 贈 (D 庫 ワとかレ一 嘘ま (f) 巨傑第嘱吾竈 泰平ョンの 回想記 深見弾訳定価五三〇円 メイズ 房 3 8