グレン - みる会図書館


検索対象: SFマガジン 1985年6月号
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1. SFマガジン 1985年6月号

相も変わらず、意味のない連絡ばかり。 グレンは高らかに、 アグネスがもう一度ため息をつき、クッキー壺に通信機を隠した を力しいものを」 「俺は下へ行って、旋盤で何かやるよ。 「先にケー。フを脱ぎなさい。で教わ「た安全規則、憶えてるところで、グレンが階段を登 0 てきた。グレンもグレンで、地下に 通信機を持っているのは、わかっている。毎晩連絡している相手が でしよ」 ロウソクは全部消せ。カヌーや・ ( スタ・フでグレンだったとしても、わかりやしない。 「ああ、忘れつこない。 立つなかれ。名前と階級と認識番号だけ言うこと。眼の前で裏書き「こいつを見てくれつ」 とグレンが誇らしげに言って、階段用の親柱を見せる。 した小切手のみ受け取れ。ネズミが望んたとて、マッチはカジらせ 外で、飛行機がビラを撒いた。お隣りが駈けずり回って掃き集 ぬこと グレンが去り、それと同時にジ = = イとビーターが学校から帰っめ、焼いてしまう。 「毎晩毎晩、同じことばっかりだな」 て、″スナック″なるものをくれと言う。に出てくる子供は、 とグレンが歯がみして、 ハンカリ みんな″スナック″を食べるそうだ。アグネスは二人に、 ・パイを与「毎晩、向こうは降参しろとビラを撒き、毎晩あいつが全部燃しち アン・グラーシュと・ハタ付き・ハンとコーヒーとアツ。フル えた。二人はそれぞれ九十五セント払い、それそれチッ。フは十五セまう。このままいくと、 " 向こう″が誰なのかもわかりやしない」 ント。一一人ともぶつきら・ほうでムツツリした八歳児で、食べている「そんなこと、大事なの : : : 」 とアグネスが尋ねたが、夫が返事をしないので、 間はほとんどロもきかない。アグネスの方が、ちょっと怖がってい る。スナ ' クがすむと、二人はガン・ベルトをつけ、見えなくなる「ねえ、膨れるのやめなさい。私のしたいこと言いましようか。普 通道列車に乗りたいのよ」 ほど暗くなる前に、他の子供を狩りに出かけた。 「テッドウだろ」 アグネスはため息をついて秘密通信機に向かい、こう送った。 「ローズオバ、ヒルキシャニテックミコミ。オバノグとたしなめ、 ラジオラスノテハイヨシ。ファッジ、ロウソクデ 0 四 0 「無理だな。公衆保健局が言うには、時速三十マイル以上で進む バリビンデムカエタノム。ニワシ、シキュウコテョと、かなりガンの危険が増すそうだ」 0 「私がどうなるか、ずいぶん気づかってくれますことっ」 ウス」 じきに返事が来て、 グレンはé-*> の上で、あきらめたように、巨大な立方体の頭をう 「コテテハイズミ。ファッジ、ロウソクナシ。クリカエスナ なたれた。 シ。ッカウ。ヴァイオレットレンラクアルマデロー 「気がつくこととは思うけど、こいつは何ごともない陸軍対海軍の ズヲトドメョ」 5 3

2. SFマガジン 1985年6月号

フット・ホール試合に見える。その通りなのかもしれない。もしかすとグレンは大声で、 ると、あの選手が蹴ってもポールは破裂しないかもしれない。もし「何かはいってるからな」 かすると、あの連続したプレイは単なる偶然かもしれない」 グレンは赤ん坊が眠っている部屋に行き、じきに首を振りながら パックしてからパスするわね」 「番がフェ 1 ド・ 戻ってきた。 とアグネスはつぶやき、 「カチカチいってるのが聞こえたような気がしたんだけどなあ」 「あれ、どういうことなのかしらね : : : 」 「ああ、グレン、二、三日出かけましようよ。田舎に行きましょ グレンはアグネスが手を、触れようと伸ばしてくるのを感じた。 う」 暗くなった居間で妻と手をつなぐ。その前に、妻が毒指輪をしてい 「いいとも。地雷の埋まった道を二十マイルも進んで、牛糞を眺め ないのは確かめてある。 るんだ。恐ろしい蛇がいるから、まさか車からは出られない。奴 グレンは不平をもらす。 ら、地面に毒ウルシと巨大ウイルスを播いてるからな」 「普通の風邪か。奴らの言う″普通の風邪″さ。ところで言ったっ 「かまやしないわっ。ただ新鮮な空気を吸ってーーー」 け、俺たちは振り出しが超過してる」 「そうとも。神経ガス、マスタード・ガス、催涙ガス。花粉。それ 「ええ。あのどうしようもない車のせいよ。あんなに特別装備するで生き延びても、逮捕だ。今どき田舎に行くのは、野生の煙草を捜 んですものね」 す麻薬売人だけだからな」 「トランク 2 ハズーカ砲か : : : 。方向探知無線か : : : 。砲塔のこと か : : : 。何年も前から、みんなが着けてるもんだぜ。警察が俺を追 アグネスが泣きはじめた。誰もが別人で、誰も本人ではない。ゴ い始めたら、どうしろってんだい。ぶっちぎれってのか ミ収集人は、ミルク配達人へのメモを調べる。公園の鳩はみんな、 ちはあんなに装甲してるのに」 足に金属力。フセルをつけている。田舎には牛糞があっても、牛はい 「とにかく、どうやって食べてくか、なのよ」 ュな - ー > ス 1 ー / ーマーケットといえども油断はできない。何かの。ハタ 「グリ 1 ン・スタン。フで食べていれば、そのうちーーー」 ーンに合うような品を買えば 「駄目。今朝、没収されたのよ。言い忘れてたけど」 「ポプシクルはもう残ってないか : : : 」 子供たちが、泥と無煙火薬の臭いをさせながら、縦列行進ではい とグレンが尋ねた。 ってきた。ジェニイが有刺鉄線の柵で膝をひっかけている。アグネ 「ないわ。冷蔵庫の中は、残りもののカスタードだけよ。それも食 スは。 ( ンドエイドを貼ってやり、コーヒーとドーナツを与えて十五べるわけにいかないの。中に地図があるから。グレン、一体何を食 セント。それから二人に二階で歯を磨かせる。 べればいいの : : : 」 「それから水道の水はな、何としても飲んじゃいかんそ」 「わからん。そうだな : : : 赤ん坊はどうかな : ・ おいおい、そん 6 3

3. SFマガジン 1985年6月号

「お腹が空いたのよ」 な顔するなよ。オーゾンの中で見つけたんだろ。中を見ないでオー 「よく見てみな」 ブンに火をつけた、とすれば : : : 」 グレンが《唸るように一一一一口う。 たとえキャセロー 「いやよっ。赤ちゃんは離さないわ。たとえ 近づいて見ると、赤ん坊はカスタードから地図を引き出してい ルと交換でもっ」 日サイズ・カメラで写真に撮っているの た。それを、小さなベビー 「わかったよっ。ちょっと思いっきを言ってみたたけだよ。それだ けー もはや、鉛張りの家中が暗く、例外は台所だけ。石英づくりの嵌アグネスは息を呑んで、 「マイクロフィルムよっ」 めごろし窓の外では宵闇が、芝生にも、″グリーンさん″の死体に グレンが司祭に尋ねた。 も、迫っている。 e は著名な医師たちの。 ( ネル・ディスカッショ 「あんた何者だい : ンを映し出し、食べることが狂気の主因ではないかと言っている。 「私はーーー」 アグネスが玄関に応対に出た。グレンは台所にはいっていく。 「ちょいと待て。お前さん、どうも聖職にある人間とは思えない 「申し訳ない」 と訪ねてきた司祭がアグネスに言い、 「往診中なのです。御厚意で貸しオムツ・トラックを借りることが その通りなのは、照明の下、アグネスにも見てとれた。徴風でカ できたのですが、壊れてしまいまして。お電話を使わせていたたけ ませんか : : : 」 サカサいうカーポン紙の法衣は、クリツ。フで留めてある。頸垂帯だ ストリップ って、よく見れば紫色の切手つづりだ。 「どうそ、神父さま。もちろん盗聴されておりますけど」 グレンが言葉を継いだ。 「もちろんです」 声ーマン・カラー 「お前さんが司祭なら、どういうわけで聖職者衿に、うちの会社の アグネスが脇によけて司祭を通そうとした、ちょうどその時、グ レターヘッドがあるんだい : レンが叫んだ。 「なかなか鋭い」 「赤ん坊がつ。カスタードをつ」 と言って、男は袖からビストルを抜き、 アグネスと司祭は駈けつけて、見た。清潔で照明の行き届いた台 所の中、グレンが開いた冷蔵庫を呆然と眺めている。どうしたわけ「残念ながら我々の策は見透かされたようだ。ご両人にとって残 か、赤ん坊が中にはいりこんでいた。下の棚から、オシメをつけた念、ということだが」 お尻とビンクの爪先が突き出しているのが、アグネスにも見て取れ「我々 : : : 」 たので、こう言った。 と言って、グレンは赤ん坊に目をやり、 7 3

4. SFマガジン 1985年6月号

「待てよ。アグネス、こいつはどんな車でやって来た : : : 」 「もっと早く、あの赤ん坊がカチカチいってるんじゃないのに気づ 「オムツ・トラックよ」 けば良かった。あれは。ハチパチやってたんだ。行かしとけ。遠くに 3 「読めたつ。つかまえようと思って、長いこと待ったそ ″オムは行けないし、地図は守ったんだーー何の役に立つかは知らんが」 ッ男めつ。貴様の波乱万丈の人生も、長すぎたようだな」 「大丈夫、あなた : : : 」 「おや、私と我が膝ェクボの助手が見抜かれたようだね。でも、惜「ああ。うーむ。これ、とってもおいしいよ、アグネス」 しいかな、何にもならんよ。ほら、もう写真は頂戴したし、ここに ほめられて、アグネスは頬を染めた。くぐもった爆発音が聞こ はご両人それぞれのための弾丸もある。止めようなんて、しなさんえ、遠くで空高く炎が上がるのが見えた。 な」 グレンが言った。 「エッソがシェルのスタンドを爆撃してる」 二人に眼を配りながら、ニセ司祭は赤ん坊をすくい上げて、 ガス戦争が始まっていた。 「どっちにしろ、御両人には死んでもらった方が良さそうだ。私の 手口を知られすぎているからな」 抱かれた赤ん坊が、嬉しげにカメラを振り ハ・フ・ハプと嘲笑っ ″オムツ男″が言う。 「よおし。壁を向いていたたこうか」 「今だっ」 グレンが言って、拳銃めがけて躍りかかり、アグネスも見事に赤 ん坊のポチャッとした手から、カメラを蹴飛ばした。 幼児スパイはビックリしたようだが、動きは素早く、眼にも止ま らない。 カスタードを両手にすくい取って、グレンの両眼に投げつ けた。グレンは息を呑んで銃を取り落とし、その間に、悪名高き二 人組は出口めざして突進した。 「生きておめおめ捕まるもんかっ」 と呶鳴りながら、ニセ司祭はトラックに飛びこんだ。 「行かしとけ」 とグレンはカスタードを味わい

5. SFマガジン 1985年6月号

き、 た。色鮮やかな、体にビッタリのはずのブラスチック・スーツは、 アグネスは一日中、赤ちゃんが欲しいと思い続けていた。だか ら、オー・フンのガラス窓を覗いて赤ちゃんをみつけた時も、少しもビッタリからは程遠く、ケー。フすらダ・フダ・フに見える。 「だけかしら。それつきりなの : : : 」 びつくりしなかった。 清潔なフランネルにくるまれて、赤ちゃんが金網棚の上で眠って「いいや。おい、うちのお隣りさん、ずいぶん長いこと落葉掃きを いる間に、アグネスは、ほこりをかぶっていた哺乳瓶を洗い、粉ミやってるな」 ・ペッドを引きずりおろした。グ「答えてよ。どうしたの : : : 。会社で何かあったの : : : 」 ルクを準備し、屋根裏からベビー レンが会社から帰ってくるころには、赤ちゃんに一本目の、 ) 、ルクを「何もかも。カーポン紙と切手とクリツ・フが消え始めやがった。俺 のせいにされるんだろうな。上司は損害ぶりを残しとくために、コ 与えていた。 「見てつ」 ンビータを買うつもりだぜ。通勤電車じゃ、誰かに配給手帳を盗 られて、先週の新聞があるし、株は下げてる。かすかに下げ とアグネスは声をあげ、 てる。俺は風邪か、何かだ。それにーーーそれにだよ、図書十進分類 「赤ちゃんよっ」 法が廃止になるんだ」 「何てこった。どこで拾ったんだい」 グレンの健康的なビンクの顔から血の気が失せ、 「あなた、神経がたかぶってるだけよ。それより、腰でもおろし て、私たちの新しい赤ちゃんをあやしていてくたさいな。私、夕食 「だって、赤ん坊をもつなんて違法だぜ」 「見つけたのよ。な・せ違法なの : : : 」 の支度しますから」 「何でもかんでも違法だよ」 ・ : 。不作法なっ」 「食い物を盗むって : グレンは囁き声になり、そっとカ 1 テンの割れ目を開いて外を覗「誰でもやってることよ。知ってらした、赤ちゃんはオー・フンの中 で見つけたのよ : : : 」 「ほとんど何でもな」 「そうなのよ。変ねえ。どこかに赤ちゃんが見つかるといい、 グレンの、ビンクの大きい立方体の頭で、顔がいくらかひきつつ ているようだ。 思っていたんだけど」 とうしてる : : : 」 「他の設備は、・ 「どうしたんだ : : : 」 「あら、別に」 「自動洗濯機は私を呑みこもうとしたわ。皿洗い機は消えかけて とアグネスは素ッ気なく、 る。きっと、払い込みを忘れたのね」 「これからガス戦争になるわ。それだけよ」 「ああ、俺たち、振り出し超過してるからな」 カーテンに影を映すまいとしながら動くグレンは、哀れな姿だっ とグレンはため息をつく。 3 3

6. SFマガジン 1985年6月号

「ディスポーザは膨れてるし」 「膨れてる : : : 」 「あっちよ」 アグネスが指さす方を見す、グレンはなおも窓の外を覗いてい ウエルカム・ワ・コン た。気象状況が険悪になっている。転入者歓迎車がゆっくりと道を 動いていく。グレンには看板が読めなかったが、装甲ぶりと機銃の 青い銃口には見憶えがある。 「そうなのよ。流しに膨れているだけで、何も受け付けてくれない の。自分の保証書は食べたけど」 お隣りの″グリーンさん″は掃く手を止めて、転人者歓迎車のナ ン・ハ 1 を書きとめた。 グレンが言う。 「あれは膨れてるんじゃないよ。ムクれてるんだ」 「たいした語彙力ですこと。『難語力のつけ方』も読まないくせ 「があると『実存ダイジェスト』を読むんだ」 とグレンは本当のところを言い 「でも、先週テストしてみたら、俺はまだ疎外感が不足だってさ。 だから、うちの子供たちのこと、自慢でしようがないんた」 「ジェニイとビーター 「まさしく」 アグネスはため息をつき、 「私もいっかは『アイリッシ・メイル』を読んでみたいわ。とこ ろで、ジャガイモがまた毒なのよ。芽が全部」 寝室に行って、赤ん坊をベビー ・ペッドに寝かせる。 解説 ジョン・スラデックは、日本ではいつのまにかミステリ作家にな ってしまったようだ。トム・デミジョン名義、トマス・ディッシュ と合作の『黒いアリス』をで紹介したのはほかならぬぼくだ が、それがひょっこり角川文庫に入り、つぎにはソロ長篇『黒い霊 気』が ( ャカワ・ミステリに納められ、今度は連載の『見え ないグリーン』が刊行予定と聞く。 それに対し、一時は本誌で小特集 ( 七九年六月号 ) が組まれたほ どなのに、作家スラデックを待望する声は、いっこうに高くな らない。まあ、それも仕方がないところか。第一作の TI ミえき・ 斗。こミ S. レミき ~ 0968 ) は、某氏が、いったん翻訳に着手した が、べつの仕事でごたごたするうち興味を失って中絶。第二作の The ミミ ) 守 r 、、 ( 1970 ) は、題名そのものがマザー ・ファッカーの語呂あわせであることからもわかるように、おいそ れとは日本語にならない難物。 ツィていないといってしまえばそれまでだろう。しかしスラデッ クには、ヴォネガットやラフアティなどューモアを手がける作 家たちと近しいように見えながら、おそろしく訳しづらく、しかも 日本語にしてパンチの出ないところがあり、それが結局訳者を遠ざ けてしまうようだ。先ごろ本誌にストーリイが紹介されたロポット の伝記え。こ ( 1980 ) などは、訳して楽しめる小説になるのだ ろうか。 本篇は、彼のシールレアリスティクな方面での代表作といわ れるものである。一九六六年の作品だが、時代的なコンテクストは 無視して、すなおに読んでいただくほうがいいと思う。 ( 伊藤典夫 ) ジョン・スラデック 人、と作品 4 3

7. SFマガジン 1985年6月号

・ <Y—C< ー NG< ・荻窪駅前の丸福、佐久信、春木屋みつどもえのラーメン戦争はまだ続いて心る。 . イラン・イラワ戦争 ~ 」・ , ロ行戦争も続いている。 こいつは楽しい本である。軽く読めて、何好きのはこんなやつである ( 何百むあみを 」坊へ打ち上げのこと 度でも読める。しかも大元帥ほどの Z<T<< だネタにらし 員ゴードン・クー 狂いでなくても、宇宙が少しでも好きな人な グレンがリン・メグ以来の英雄になったー′象い らば、読んでいるケちに、どうしてここに登 ルを宇宙空 ( 第上を」とになるア、後も警備員証明カードをいつも通い見 場するのがオレじゃないのかと憤慨したくな トラス・ロケットク完成式に招待され こ話もこ鉢当に連中は笑顔が似合っ る本だ。それくらいの連中というの て、コンペア社のサン・ディエゴ工場へてしう。こ話が何百もぎっしり詰まっ は人間くさく、カッコいい″役者″なのだ。 行った。そして、その、自分のアトラスている ) 。役を 7 メ屮カ礼讃派ではない ジョークというのは翻訳されると地味にな の横っ腹に、ノーズのほうへ向かって大が、アノサカ人がいなかったら人類は宇宙へ 店ってしまうのが普通である。それは翻訳とい きな矢印を一本描きこだに らそ出るのが年遅れたろケ本気で思う。 う行為そのものが両国の文化におうかがいを の下に、 」、一一ー一ラブ ( つま屮想像 リ埆立てて、どちらにも問題が生じないような文 章を創ることなのだからいたしか 。優すら見第発 ~ す罸プ弯今一 たないのだが、もう少し。ハンチが ″存在の徴候見られ : きかないのかと常々思っていた。 し文 本書はジョークというのとは少し せしめてしをが 違って、実際に起こったエ。ヒソー そしてそれを見守る人間も軟に思える。 ド集であるから、そんな心配はな ーク・タイム . 〉が「ロケットが 。むしろ連中のキャラクターを 昌 真空中でも飛行する 0 どが今や明白な事実广 十二分に尊重した方が想像力が働 なりましたので、謹んで昔の記事を訂正いた いて味わい深いのである。なにせ します」と広告に出すなんそはそのいい例 翻訳は Z<T< 狂いの野田昌宏大 だ。しかし、余談だが、現在でもロケットが オ 元帥だ。 Z < のシステムや宇宙飛行士ひ 「蹴って進む何物もない真空中」をな・せ飛べ ウ とりひとりのキャデクターにも詳しい大元帥 るかという疑問に答えられる人は少ないので ポ の訳は、だからシチュエーションが目に見え はないか。僕は実際に中学のときに疑問に思 るようである。 、近所の大学生に尋ねたが、誰も答えられ どうしても映画『ライト・スタッフ』の役 なかった。 者たちが頭に浮かんでしまう有名なエビソー ともかく、この本は日本人としては、なぜ ドも多い。アル・ンエ。、 ドの〈宇宙飛行士ホ 自分がアメリカに生まれて宇宙飛行士になら セ〉のまね。そのシェパー トが宇宙空間に打ち なかったかと思わせるのであり、登場人物に 上げられるとき、計器盤に貼ってあったジョ 向かっては、おまえたちちょっとカッコつけ ン・グレンの″キャッチボール禁止〃のメモ。 すぎだそ、と言いたくなる少し問題のある本 オリジナル・セプ / そんな最初の七人のエビソードの中で僕が なのである。 伊沢昭

8. SFマガジン 1985年6月号

・ I—FO(DI— >-<ODQ< ・北海道へ行ってきました。五月は出雲、む月は 0 ー o 〇 z 。またまた (DLL の夏。ゲー乙の部屋であ会いしましよう。 いる。小説に ュニークで初心者向きの 基く″グイン 好ゲーム「グイン・サーガ」 突風″ルール 0 というおふざ一 ( このところ、ツクダホビー社から本格的に これはゲームのタイ。フにも表われている。アニけもあるが、 とゲームを結びつけた作品がいくつか出ている。 メ原作のゲームは、基本的に個々の細かい戦闘がこれは使うな「〔 本誌の裏表紙を見た人なら知っているかもしれな中心となる戦術級ゲームが中心だ。これは、もとらもっと思いき いが、昨年後半に眉村卓の『司政官』が、そしが視覚表現であり、ディテールをわりにつかみやってルールと必 て、今年は栗本薫の『グイン・サーガ』が出た。すいことからもそうなったのだろう。『宇宙の戦然的にからませ どちらも、期待の作品である。 士』よりも、そりや『ガンダム』の方がいろんなてもよかっただ ろう。 えつ、ゲームはこれまでにも出てたじゃな細かい兵器を使う戦術ゲームに適している。 しほら、『ガンダム』とか『ダン・ ( イン』とか ところが、原作が小説だと、もともとの表現が大きい方は、二人用戦略ゲームで、こちらはパ と、言う人もいるだろう。 活字だけにイメージが限定されず ( こう書くと活ロとモンゴールの対立全体をシミュレートしてい もちろん、その通り。だけど、こだわるわけで字偏重かとも思えるので、一般に膨ませにくいとる。兵隊を傭い入れるために経済ゲームの概念を はないが、それらはア = メの原作をゲーム化して いう面も指摘しておこう ) 、幅の広いゲーム造り導入しているのは、この手のゲームでよく見かけ おり、一般の活字小説のゲーム化とはちょっと趣が可能となる。その意味から、別に戦術ゲームにられるが、もう一つの特徴は " 盤外移動。だ。っ きがかわっている。 こだわらない・ほくなどは、活字をもとにしたまり、ゲーム盤の端っこで最初大勢とは別に、グ ゲームの将来に期待してしまう。 イン側のキャラクターとモンゴール側のキャラク 前作『司政官』は、こうした点をマルチプレイターがサイコロで″追いかけっこ″をしており、 ャー ( 多人数 ) ゲームという形に表現していて、 これに種々のイベントが絡んで、ゲームの初期設 なかなか意欲的だった。 定を創っていくのである。原作をポード・シミュ 今回の『グイン・サーガ』でも、二つのおもしレーションでゲーム化する場合、単なるウォーゲ 」ダろい試みが見られる。 ーム要素以外に、小説の粗筋やキ・ヤラクターの扱 ゲームの基本設定は、原作の第一巻から十六巻いをどうするかに . デザイナーの腕はかかってく までのパロとモンゴールの戦いを再現したものだる。この辺り、ゲーム通の人たちが創っただけに が、通常のいくつかの連続シナリオ形式を避け、なかなかュニークだ。 定大小二つのゲームにまとめてしまったのがよい。 ゲームの難度は初心者向にわかりやすく造って 小さい方は、「ノスフェラス」と名づけられたある。ただ、一つ注文したいのはルールブック。 ガ 一初期の辺境篇に基くミニ・ゲーム。中心上なるのデザイナーズ・ノートを付けるくらいなら、もっ はグイン側を追いかけるモンゴール側という追跡と戦法を説明した方がよいのではないか。これか ン イ捕獲タイプだが、盤が小さいだけに駒数も少なくらのシミュレーション・ゲームの発展に大事なの てプレイしやすい。イントロとしてはよくできては、そうしたソフトの部分だと思う。 3 GAME 3. 安田均 いソ MAGAZINE FORUM

9. SFマガジン 1985年6月号

4 監督は『原子怪獣現わる』のユージン・ローリ 一九六一年のアメリカ映画である。 ストーリイはいたって簡単。イギリス沖で不気 味な怪獣が捕えられ、ロンドンへ連れて来られ る。調査の結果、全長六〇メートル、しかもまだ 成獣ではなく、親らしきものも近くにいたらし 。人々はこの怪獣を″ゴルゴ″と名づけ、見世 物にする。そこへ、子供を助けるべく現われた親 ゴルゴが、ロンドン中を暴れ回り、人々は恐怖に 震える。無事に子供を救い出したゴルゴは親子一一 匹で連れそって、再び静かな海へと戻っていく : ・ レ J いう・、もの。 トーリイなど、『ゴ 獣のネーミング、、ス ジラ』『キングコング』などの影響を強く受けて いて、観ているとそれがノスタルジーをよびおこ し、思わず画面に引きずりこまれてしまう。マニ 。アだけでなく、子供時代を怪獣映画で過した人な ら、必ず満足のいく映画である。 なおこの・ヒデオ、アメリカの懐しい映画を続々 とビデオ化している、 ( リウッド・クラシック・ ーズの中の一作。他にも『スー 1 当一ア = , ( 一五四一 ~ 四 = 一年 ) など , , ( 町には興味深いものが発売されている。 0 朝・いー 0 ーをー 00 ⅱ・ は、発足して五年間ダーテイベア一筋 で活動してきた唯一のサークルです。今回、待望 の小説第二弾とアニメ化を祝して会員を募集する こととなりました。ケイ、ユリ、ムギのファンの 方、他の高千穂・安彦両先生の作品のファンの方 も O へ入ってみませんか。 また、会誌「・」や 会員同士の交流拡大につとめています。 入会希望、会誌希望の方は六十円切手同封の上 左記まで御連絡下さい 〒東京都世田谷区代田一一ー六 長野地区グイン・サーガ 辺境守備隊隊員募集中ー スタッフ & ヒロイン募集中 遠く中原を離れたこの辺境で、グイン・サーガ ″・すたじおニュータイプ″では、エスの領土を守っている、わがですが、人材不足 ー探偵と美女吸血鬼が活躍する ( ードボイのため傭兵をやとうことになりました。腕に自信 ルド 8 ミリ映画『異端者はみだしやろう探偵局』のある方ない方、是非御一報を " 】おりかえし連 ( 主演】破李拳竜、特別出演【新井素子 ) のスタ絡致します。 ッフ & ヒロインを募集しています。スタッフは、 連絡先〒覗長野県松本市入山辺四五六八 やる気のある方大歓迎 " " ヒロインには十七 ~ 二 古田篤実 十二歳の女性を希望リ ン 新宿、渋谷へ気軽に外出できる方を求めます。 全国の新井素子へお願い シ ン住所・氏名・年齢・ ( ヒロイン希望の方えっと、このたび新井素子さんの作家生活八周 年を記念して、特別記念誌を発行することになり 円ラは写真同封 ) 等を左記へ。 〒東京都目黒区平町一ー一ー一五ー五〇一二″すました。新井さんから発行許可もいただいており ャ 価チたじお = 、ータイプ″楳本美徳 ます。 ュ 1 人っーー 00 っーー -4 ( 平日二十一時 ~ 二十三時 ) そこで内容のひとっとして、全国にちらばる新 井素子の紹介、分布図などを載せたいと思 ゴ 「販ダーテイベア会員募集のお知らせ 、各の方々に御協力いただきたいのです。 この欄は、読者 の皆さんの情報交 換の場てす。イウェ ント情報、ファンジン 発行のあ知らせ、会員募 集等、あ便りをあ待ちして あります。なあ、詳細は末尾 の「応募規定」を御覧下さい。 ドー MAGAZINE FORUM

10. SFマガジン 1985年6月号

あらゆるメティア の SF を紹介する SF REVIEW 800K GUI 2 々 / 分 3 々 5 INFORMATION 0 団 T movie/disk/game goods/et ( 0fe00 今月はまず、思わ そこに様々な人物が入り乱れ、さながらハ リウッド映画のオール・キャストでくりひろ ずたじろぐこのポリ ューム、上下二分冊げられるグランド・ホテル物を観る感があ となった O ・・チる。 = リイの『ダウンビ最初の難民がベル・ステーションに強制収 ロウ・ステーショ 容されていくあたりは「宇宙空母ギャラクテ イカ」のようだし、その混乱から、艦隊の策 ン』からはじめよ う。一九八二年にヒ謀、同盟の破壊工作、ステーション内の裏切 ュ 1 ゴー賞の長篇部りなどによって荒廃していく様は「タワーリ ョ ング・インフェルノ」のよう、まさにアーウ 門を受賞した作品。 イン・アレンが映画化しそうな作品である。 冒頭の一章″地球か こうした構成になっているので、実に手際 ら宇宙へ″で二〇〇 五年から二三五二年よく語られていくのだけれど、キャストがそ までの、人類の宇宙ろい、それそれのキャラクターがのみこめる 進出の歴史、物語のまでには上巻の半分、約二百ページをすぎな ・ハックグラウンドがければならない。読むのに興をそぐよりも、 語られる。こうした人物紹介、あるいは人脈図めいたものがあれ 骨格のはっきりした ば、もっと楽に読めたのに、と思う。人物も 未来史を頭にもって くるあたり、著者チ エリイのビジョンの太さを感じさせてくれ る。映画「スター・ウォーズ」の開幕、あの 文字が宇宙をバックに″遙か昔、別の銀河で ″と流れていくシーンと考えてもよい。 そして展開される物語は、 5 / 2 / ( 二 三五一一年五月二日 ) から 1 / / までの期 間に、惑星ベルを配下に置く一番豊かな宇宙 ステーション、ベル・ステーションの所有を めぐって、ステーション居住者、地球会社、 会社艦隊、地球に叛旗をひるがえした植民地 勢力である同盟、その四者間の攻防戦といっ たものである。 0 高橋良平 ーショイ 41