少女マンガ - みる会図書館


検索対象: SFマガジン 1985年7月号
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1. SFマガジン 1985年7月号

″ラヴホテル″も②つ。ほい。観ていた女のコがて、個人的には一番気に入りました。ただ、それる。三人編成で、アコースティックギター、べー 「なアに、あの日の丸ペッド ! 」と・ハ力にしてまだけに異世界アシャンティの不自然さと、あいまス、 ドラムス、という編成、と書けば、別に何も した。なんで″シティホテル″ぐらいにできなか ドラムはドラム AJ いう - よ いな役柄を演じているキャラクターの深みのなさ変わったコトよよ、 ったんでしょーね ) 。しかし、それらがヘンな。ハ り、ほとんど。ハーカッションである。小さな・ハス が気になります。状況説明と進行のためのみとい ワーとなって、ある種の魅力にはなっています。 った感じの会話もイケナイと思います。続篇に期ドラの上にビールやジュースの空き缶がセットさ れ、これまた小さなシイハルがのっている。着席 キス・シーンで唾液が糸を引くのも、″悪シュ待したい。 ミ″と片づけるわけにはいかないナニカを感じさ『メガゾーン』も『幻夢戦記レダ』も、歌がとしてドラムをずっとたたくというパターンではな せます。 く、さまざまな。ハーカッションを小わきにかかえ ても良かったのはめつけもの。歌謡番組でヒット て、ステージの、オ 仮に『メガゾーン』を″少年ジャンプ″とすしても不思議はない佳曲です。 ・ねり歩く。もち カツンヨノ・こ。 ると『幻夢戦記レダ』は″少年サンデー″といっ とにかく、アニメの世界ならではのロマンろん足をふみらす音さ たところでしようか。健康的に色つ。ほいいのまたを再び味わせて欲しいのですよ。特撮の世界でドラだ クスタン ながらライ・フをや むつみキャラと、昆虫的で = = ークな豊増隆寛メは、マシ、マ・ロ「ンなんて = = ークなロマンもに空間 をつる 力とがうまく調和した魅力ある画面になってい生まれているのだそー な。い 0 テージの天井から集 してある。オイクで、限りな声に近いヴ ゴールデンウィークで疲れきった体をいやすために , カルがきける 。パフォーマン的な要素 DISK じらのレコ ートだけどいあの何も ~ ない、少し哀し 私は今、動くスクラツ。フ人間になっている。そ れは何かと問われれば、ハッ キリ言って、ポロ、 ( ぐ , = 〕 ~ しおカ小透明なを、うや 0 てレ「 人間、コワレてる人間のことである。ついに先週 コードは、ライプでやっ の日曜日、私は桶川のモトクロス・レースに出場 果た してしまったのだ。 曲を伺工ら、まったく異質な形になっ ていた可を子のの夏の記憶や、雨の匂いの記 私の人生は暴挙につぐ暴挙の連続だったが今回 憶、といったアイマイなもの達が、静かに心の中 は人生最大の暴挙だった。二周しか走れなかった で頭をもたげる。泣きそうな、笑いそうな、フシ くせに体中打身と筋肉痛の嵐。コーナーでコケ、 ギなレコード盤になった。 ギャップでとばされ、どろ沼にのたうちまわり、 メンバ ー自身の手になるジャケットもカワイ 坂から転落したキズはなかなか消えない今日この 頃なのだ。 イ。くじらのトレードマークである目玉・ほうや が、森の中に立っているのだが、子供の書いた絵 そこで痛みをいやす今月のおススメ盤。痛さも のような素朴さと、いつまでも子供でいられる大 忘れる不思議なハンドくじら C ハンド名です ) の「 の人の不思議さが混じり合い ここでもくじら独特 四五回転シングル『砂の子供』をご紹介。そもそ 緲の世界を形づくっている。 も、このくじらは、とっても変わった、、ハンドであ ・ (D<OI—IO YO¯) ー >< ・桶川のレースでヒドイ目にあったばガりというのに、また来月ハトリのレースに出ようとしている私はホントーにハカかもしれない。 0 月嶋 0 ちほ 0 / れ Q 0 れ ~ て C

2. SFマガジン 1985年7月号

そして数分の後には、刑事の身体は都市中心を覆う大きさになっ 体が支配する世界があるのだった。制御体はヴォズリーフを消すこ とができるだろうかと森日刑事は考え、しかしこうなっては、制御た。 体にとっては自分Ⅱ森 " 刑事もヴォズリーフと同じく敵として認識 e 9 9 2 は眠下に森が出現したことをマーターに伝え されているだろうと思い、身を震わせた。 た。それはどこから見ても森そのものだった。 森は嵐になった。少年は突然の嵐に身をすくめ、水扱みの仕事を しかしマーターにとっては、それは刑事だった。都市中心部の一 忘れて家にとんで帰った。 〇キロメートルのどの部分にも等しく刑事が存在する、そういう状 態に近かった。マーターは 9 9 2 以外のすべての追跡ュ 浮遊制御体 M1014 は下に広がる都市が自身のカではない未知ニットを作動させて、それを確認しようとした。センサ群の目標追 跡の位置情報が少しづっ誤差を生じて、光学レンズ系のピントが甘 の作用によって変容してゆくのを捉えた。 この異変は小さな、しかし重大な出来事から始まった。情報センくなるように、ぶれているのではないかとマーターは疑ったが、セ ター内に一つの動きを 1014 の目標追跡ュニットは捉え、それンサ群は正確に作動していた。 を中枢部マータ】は伝えた。マーターはその動きは熱による自然現〈どこにも存在しているわけではない〉マーターは悟った。〈あの 象だと判断したが、目標追跡ュニット 9 9 2 はそうでは森に見えるすべてがファイル 4 4 2 6 9 1014 ー 817 に記された者なのだ〉 ないと中枢部に反論した。 屍体が自律して動くこと、その屍体が生き返り、森の姿になるこ 〈自律運動です、マーター〉 〈しかし生体反応はない。それともおまえの熱帯域センサが故障しと、それらは 1014 マーターにとっては重大な出来事ではなか った。それは確率的に起こり得ることだった。問題なのは、その森 ているというのか ? 〉 、え、マーター。わたしの機能は正常です。あれは屍体です。が広がりつつあり、他の都市をも呑み込もうとしている、その動き であり、その刑事の、森の、意志だった。その意志を制御できない しかし自律運動です〉 事態は、 M1014 や他の制御体にとっては敗北であり、自らの存 〈自ら動く屍体は、屍体ではない〉 中枢部マーターはの主張を認め、自律運動をす在意義を揺るがせることだった。 その意志は、不明体と無関係ではないと 1014 マーターは推 る屍体があることを認めて、屍体の動きを精密追跡するように 9929DA に命じ、高速で自己ファイルを検索した。屍体は制御論した。 警察の情報課刑事だった。 〈消してしまわなければならない〉 その刑事はたしかに屍体だったが、ファイルを検索しおわった直不明体は森の中央にいた。だが森が広がるにつれて、森のノイズ 後、それは、生き返った。 に邪魔されて捉えにくくなっていた。 8 4

3. SFマガジン 1985年7月号

い。おまえにはつものように管制システムの点検をやったが、その日はいつもとは 〈おまえが望むなら、それを経験させてやっても、 異なっていた。 通用するだろう、制御体の攻撃は〉 〈制御体にタイムコントロールの能力があるなど、信じられないが受信コードを確認しろと少佐は大尉に言った。 「確認しました」 〈時間を制御するのではない。あくまでも創言力だ。エネルギーを「コード変更があったんじゃないか ? 」 制御するのではないんだ〉 「そんな重大なことを忘れるはずがありません」 〈理解できない〉 二人は直ちにそれそれの制御卓につき、キーを差し込み、発射制 〈確率を制御すると言うのが一番近いだろう。理解の必要はない。 御回路を開いた。各自に与えられた発射用コードを打ち込み、スタ 死ねば、わかる。わかるようにしてやろう〉 ン・ハイになったところで少佐は発射ボタンを押そうとし、もう一度 〈いや、それは辞退する〉 確かめた。 森 " 刑事はいった。青の将魔ヴォズリーフは身を女の姿に変え 「間違いないのか、大尉 ? 」 た。森におりていたミッドナイト・フルーの色が消え、宙魚ペズは森「こんなもの時代遅れですよ。役に立っとは思いませんが、命令に の泉に落ち、危うく溺れそうになるのを、裸身の女の姿のヴォズリ誤りはありません」 「これは演習ではない。確実に飛んでいく」 ーフにすくい上げられて息をついた。 「こいつが狙っている目標がなんなのか、都市なのか軍事基地なの 〈魚のくせに溺れるとは〉 か、われわれに知らされていないのは救いですね。発射して下さ 森日刑事はヴォズリーフと出会って初めて笑った。 い、少佐」 〈ペズは〉ヴォズリーフはいった。〈魚などという言葉にはあては まらない。 これは魚ではない。この形そのものも、おまえには幻に 「もう一度司令部に確認しろ」 すぎない。おまえにはペズやわたしの真の姿など理解できない〉 「通信回線は自動閉鎖されました。少佐、早く。こうしている間に 〈その必要もない、か〉 も敵ミサイルが接近しているかもしれない」 森 " 刑事はいった。そのとおり、とヴォズリーフがこたえた。 「しかし・ーー」 〈わたしに対抗できると思っているのか〉水浴びをする女がいつ、 「少佐」大尉は腰の拳銃に手をやって言った。「責任はわれわれに た。〈無駄なことだ。勝てるものか〉 はありません。たとえ何十万人殺そうと。命令に従わなければ、そ れこそ責任を問われます」 「こんな事態はおかしい、絶対に、おかしいよ。こんなことが起こ そのの地下発射管制室にいつものとおりにやって来た二 るはずがないんだ」 人の管制員は、いつものように厳重に任務交代の引継ぎをやり、 0 5

4. SFマガジン 1985年7月号

・ <-Y—C< ー N<3< ・今年は空前のスギ花粉症が日本全土を襲うということだったのに、今のところ大流行の気配はない。新手の奇病ガ夏に登場か ? 谷甲州という作家は、実に奥深い魅力を備込んだ記憶がある。 結局、本書収録の作品群に共通する雰囲 えた書き手である。それは第三世代と呼ばれそんなわけで、谷甲州はしばらく僕や僕の気、作家谷甲州の目は、「星空のフロンティ る若手作家たちの持っている魅力とは、また周辺の友人たちにとって、「これからの / ーア〕の地の文にあるカトマンドウでの援助金 少し違ったもののように思えるのである。レ作家のあるべき姿」みたいなものをそれとな論争、なぜ宇宙に出てゆくのが″軍なのか トリカルでもなく、アイデアもトリッキーな く教えてくれたヒーローだったのである。 をいう論議。」これはこの中篇のストーリーに ものはない。本当に素朴でたくましい想像力で、作品の内容についてである 1 。当時は作はほとんど関係がない。人によっては蛇足と に彼の魅力は支えられている。 家像の方に気をとられていて、彼の作品の本言うだろう。しかし、これはストーリ「にで 作品を語るのに作者の経歴をもってするの当の良さを見逃していた気がしないでもなはなく、谷甲州という作家に関係があるの は、ことにおいてはあまり意味のあるこ 。本書をアタマから読んでいってもらえば ととは思えないが、谷甲州の場合はその限りわかるが、「星空のフロンティア」は、お話途上国の援助を本腰を入れてやらずに、な ぜ大国は宇宙開発などといテ役に立 房ではないだなろう。「星空のフロンティア」 が今は亡き「奇想天外」誌に載っ 、たぬものに血道をあげるのか、また たときの新鮮な驚きは忘れられな ー . ーな・せ軍が宇宙〈出てゆくのかとい ? ) - 一 。作品そのものの無愛想な硬派 問いは、宇宙の核となる問いの 史ン ぶりもともかく ( そう言えばタイ ひとつだ。これをネパールで谷甲州 宙′庫 トルもびつくりするほどの素朴さ が星を見上げながら問うたことが大 だ ) 、谷甲州の経歴に仰天した記宇 きな問題なのである。 憶がある。なんと青年海外協力隊 な・せ、それほどまでして宇宙へ出 隊員で、一年のほとんどをネパー てゆくのか この問題意識を小松 装都 ルなどの発展途上国ですごしてい 左京以後、ひとりの作家が持ったこ るという。そして日本に帰ってく とに意義がある。谷甲州は決してテ 谷 る度に、書きためた原稿をどさりと編集者に ーマ主導型の作家ではないようだ 渡して、また旅立ってゆくというのだ。六本 が、地球の上を歩きまわりながら星 木、青山で遊び呆けながら「僕、ショーライ作りの巧拙から言えばそううまい方ではなを眺めていた彼に自然に備わった考えなのだ ナチュラル 作家するの」な 一人称の語りの間にまぎれこみ、知らぬろう。彼は自然に、ひと昔前のを追体 どとほざく学生うちに延々展開される地の文の主張が少々単験している。ネ。 ( ールの村で地酒をちびちび の多い昨今、こ調で長すぎるのだ。「仮装巡洋艦・ ( シリスやりながら星空を見上げ、キリマンジャロの れはまたなんとク」や「襲撃艦ヴァルキリー」などはその点登頂ルートで満天の星を仰ぐ。こうして、こ いうカッコ良さうまく刈りこまれ、お話の展開もいわゆる戦の惑星と生物を自分自身のからだで計り、眺 影であろうか。し記もの風になってコツを捉えたものになってめてきた彼だからこそ宇宙へのあこがれを本 近ばらくカルチャ いる、長足の進歩であるーーなどとしたり顔当に素直に表現できるのだろうと僕は思うの 著 ーショックで寝で評論家していてはいかんのだ。 である。 伊沢昭 9 艦甲

5. SFマガジン 1985年7月号

ただ もう一度 大丈夫 ですガ : 乙女±: 無理せす 横に : 人工呼吸を もう平気 ル ? ・あたしの名は〉 ルーヴェリア そうよ ウインディ・ 0 バーレル それなら城まで 送ってね : キャルタメア国王の 一人娘ーー・

6. SFマガジン 1985年7月号

いやっ 側に来ないでつ あんたも ナメワジの 仲間なんでしょ ああ あそましい あなた 人間じゃ ないわっ ! やだーーっ ゃんやん 信じられ ないわーーーっ こんな 不気味悪い モノと しかし乙女 言わせて 下さらない んだから : うしろに 池ガ あるって あ手を どうぞ

7. SFマガジン 1985年7月号

「こんなシステムは時代遅れですよ。どのみちすぐに撃墜されまた。ミサイルは発射された。だがそのミサイルは発見されなかっ た。不条理な出来事だ。そのような不条理は歴史上いくらでもあ る。制御体はそれに目をつけたんだ〉 は発射された。 〈そんな不条理は公式に記録されているはずがない〉 「私は物理を専攻したんだ」と少佐は言った。「物理というのはな んだと思う ? 」 〈かもしれん。ならば、そのようなファイルを作るまでだ。書き込 「さあ」大尉は突然の質問に首を傾げた。「私の専門は , ーー」 「物理というのはエネルギーの形態変化を調べる学問だよ。しかし〈書けば実現するのか ? そんなのはばかげている〉 生物の発生は単なるエネルギー形態の変化では説明できないと思う 〈ばかげている。そうだろうとも。いま落下しつつあるあのミサイ ね」 ルは幻にすぎない。わたしにとってはそうでも、しかしおまえにと 少佐は腰の拳銃を無雑作に抜き、大尉を射った。大尉は大きく目 ってはそうではないのだ〉 を見開くと腹をおさえた。 森Ⅱ刑事はつかのま沈黙した。死の痛みがよみがえると、刑事は 「少佐 ? これがミスだとしたら、私に責任を負わせる気か ? 狂絶叫した。森が吠えた。 った私のせいだと ? 」 〈消してくれ、消してくれ、消してくれ。おれは殺されたくはな 「そうじゃない。生命が物理現象かどうかを確かめてみようと思っ ただけさ」 〈おまえにはどうすることもできない。おまえも、人間たちも、一 大尉は血まみれの右手で自分の 45 口径オートマチックを発射度作り上げたものを一瞬に消す言葉を持たない。祈れば、通じるか し、二人とも息絶えた。 もしれん。しかし祈りが実現するには時間がかかるだろう〉 ミサイルは二人の死とは無関係に飛翔した。二人にはそのミサイ〈祈れ、だって ? 言葉でか〉 ルがどこに向かって飛んでいったのかわからなかった。 〈他に方法があるというのか ? 〉黒衣の女は笑った。〈おまえはな にも創ることはできない。あのミサイルにしても創られたものでは 身を乾かした女は黒衣を身につけ、宙魚ペズを胎内に収めて空をないんだ。この世に原始からあったもの、それが形を変えたにすぎ 仰いだ。晴れた高空に一点のきらめきを見て、ヴォズリーフは森に っこ 0 森日刑事は沈黙した。怒りを殺しておし黙った。 ヴォズリーフは勝者の笑みを浮かべてミサイルの軌道を眉ひとっ 〈あのミサイルはこのようにして発射されたものだ〉 動かすことなく変えた。 〈ばかな。時空を超えて飛んできたと本気でいっているのか ? 〉 〈昔昔、ミサイルサイロで狂った二人の軍人が互いを射ち、死亡し 制御体 M1014 は軌道のずれを察知し、ミサイルを自爆させよ

8. SFマガジン 1985年7月号

行きすりに 助けた乙女ガ 大国の姫君 しなも とびきりの 美女 : 娘の命の恩人 ( ) とガて 国王にも気に入られ あ田様が あみえになってよ二長い間 一、一一待った甲斐ガ ありましたわねや : ・やつはり 夢じゃ ありませんね まあヒラリー よくやりました こと 下っほ田 さねつ上 いつべ をの 現実ですとも ほっぺ : ・ ? こーですか いででで

9. SFマガジン 1985年7月号

がする。局にもっと電気を送れば、うんと遠くまで電波が出せるで「ちょっと ! 」・ほくはびつくりして叫んだ。「やめてよ ! 」そう言 ったときはもう手遅れだった。パチパチと音がしてパッと火花が散 しよ。それみたいなことだよ。火があいつらにもっと電気を与えた り、チェー・フが一本残らず焼き切れた。・ほくの局は完全に不通にな んだ」 っこ 0 ・ほくはなんと言ったらいいかわからなかった。ドニーが正しいよ うに思えて、こわくなった。少し間を置いてから、・ほくは無理に笑ママは額をこすって、・ほくを見た。「どうしてこんなことしちゃ った。「なんにも心配することはないよ、あひるくん。卵ぐらいやったのかわからないわ、エディ」ママはすまなそうに言った。「何 かがわたしの手を動かしたみたいだったのよ ! 本当に悪いことし つつけられるさ」 こわばっていたドニーの顔がちょっぴり和らいだ。「・ほくもそうたわ」 思うよ」ドニーはべランダの・フランコに腰かけた。 「いいんだよ。心配しないで。どうせこの局は役に立たなかったん ママがドアを少しあけて頭を突きだした。「無線に何かはいっ た、エディ 「ええ、でも : : : 今朝からずっと頭が妙な感じなのよ。きっとお天 気のせいね。空気が重くて、押さえつけられるように感じない ? 」 「だめ」ぼくはいささかそっけなく答えた。 「残念ね」ママは台所に戻ってエプロンを釘に掛けてから、ペラン たしかに空気は厚ぼったく、人の気をくじくような雰囲気を漂わ せていたが、ぼくはママが無線のチュー・フを焼き切ってしまうま ダに出てきた。頭痛がするかのように、手の甲で額をこすってい こ 0 で、それに気づかなかった。何か言おうと口を開いたが、それを言 ママを喜ばせようと、・ほくはヘッドホンをつけてダイヤルをくるわないうちに、ド = ーが叫んだ。「フラフィーを見て ! 空中を歩 、てるよ ! 」 くる回した。むろん、無駄だった。ママは眉をひそめた。ママはテし ー・フルの反対側へ回って、立ったまま配線をじっと見た。そんな様ママも・ほくもばっとふり返った。フラフィーは地上から十フィ トほどの空中で歩こうとするように前足を動かしながら、怯えたよ 子のママはこれまで見たことがなかった。「これをここからここへ ィートの高さまで 動かしたらどうなるの ? 」とママは言った。その声は少し甲高かつうにニャーニャー鳴いていた。ときどき三、四フ するするとおりてきては、またもとの高さにの・ほっていった。目に ぼくは身を乗りだして、「の指さしている箇所を見た。「チ見えない手がフラフィーをつかんでいるみたいだ 0 た。全身の毛が 逆立って、尻尾はいつもの三倍の大きさになっていた。とうとう彼 ー・フが焼き切れるだろうね」 「そう」ママはしばらくそこに突っ立っていた。次の瞬間ママの片女は二十フィートほど上昇してから、長いカーヴを描いておりてき 手がさ 0 と伸び、ぼくがとめることもできず、何をする気なのかもて、どさりと地面に着地した。そしてそれがすべての特異現象のは 8 じまりだった。 わからないでいるうちに、話していた配線を動かした。

10. SFマガジン 1985年7月号

SF 翡①① K 、朕 宇宙クリケット大戦争 . ダクラス・ア風以 イソン″みたいなこうしたイギリス人のユー ることは戦略的に間違っている。これがオー モア小説というのは、実にヨイ。マーク・ト ルディスの冒す愚だ。同じ破減小説でも、・ハ ↓亠 ウウェインやウッドハラスのアメリカン・ユ ラードにはどこかにオプテイミズムがあり、 頁 頁訳 頁伝 ーモア、ホラ話もいいけれど、やつばりね。 死はおそらく自由と同様の意味を持つ。だか 他 OD 2 実は私、既刊の二冊は未読で、三冊目が出た ら、読者に受け入れられたのだ。 円 0 アンナ・カヴァンの破減は、ペシミズムでというので、それっとばかりに一気に読ん ィッキイッキ ト書志 あり、デッド・ だ。これは一気にかぎりますよ。学生コンパ エンドの死があるばかりだ。 かとんねるずです。まったく。べけんやッて 鉛筆で描かれたモノクロームの淡い、それだ オ争 山 けに痛々しい終末画。病いの文学。私、少んだ。四十二、笑ってしまいます。愉しくっ / 書讐 ン大潮ラ 女、長官の三人のロンド、 いや実際は自己とて陽気になっちまう。 ン ート月頁黒円 ム、 0 0 早次 0 サト新ⅵク ア ューモアを解説するなんて、これほど莫迦 他者しかいないのだが、それこそス。ハイ・ス ヴ 、新井素子漢字攻撃だ ) リラーそこのけで凍結してゆく世界を背景に莫迦しい ( オ ~ 円ケ 5 . 円庫命純メ円第 / 一 / カ 0 4 リ。ス 0 w 文使。レ 0 ( 行ミ取 ここは西條凡児口調で「まア、 くりひろげる追跡逃亡劇は、拘束と自由、精ことはない。 の 8 . 「行秀 . 神の禁忌、愛と憎悪、制度と開放、監禁捕縛読ンどいてくンなはれ」と言いたい。時空間 哨頁カレ庫界也ド判 氷ン宇 「ア文「凵ダ文「ア の空間を生みだす。スーザン・ソンタグをかけめぐり、コンビューターが選んだ人物 がポーノグラフィとファンタシイの通底を指に悪口雑言を浴びせる不死の異星人なんて、 摘したように、この作品ではすべてを断ちきかわいいキャラクターも登場する。 しれないが、本誌の訳載号か絶版のハヤカワ でも、こんなふうに、あるいはミステシリ ーズ『マガジン・・ヘスト 3 』 ってしまいたいというカヴァンの願望充足日 ファンタシイがポーノグラフィックな様相を リといったジャンルでしかューモア小説を読でしか読めなかった表題作だけでも一読の価 帯びてくる。カヴァンの遺作『氷』は、来ためないような状況というのは、不幸ですね。値あり、映画「 2001 年宇宙の旅」のべー るべき小説を読みたい読者には、大いに興味 スとなったことであまりにも有名な「前哨」 を生むだろう。 大べテランの は、人工衛星の打ち上げには成功していても、 本が一一冊。アー 有人飛行の″ライト・スタッフ″の時代も、 ーギャラクティック・ナンセ / ス・ド ″全宇宙を震撼させた超銀河的無意味大サー・ O ・クラ ましてや人類が月に行くことなどまだまださ タバタ・コメディ・エスエプ・アドベンチャ ークの処女短篇 混乱型滑稽空想科学冒 き、そのころに書かれたクラークの初々しさ、 ・アクシ・ / ・シリーズついにたいだんえ 険活劇三部作堂々完集『前哨』は、 星々の彼方にむける彼の視線の熱さに、映画 結卩″はダグラス・ア『都市と星』や のことはぬきにしても、やはり感動する。 ダムスの『宇宙クリケ『幼年期の終 ハル・クレメントの『重力の使命』は、再 ト大戦争』、この作り』といった長、命 一燾な刊であっても改訳書であり、基本図書の 者って実はキルゴア・篇を読んでしま 一冊であることに変わりは、ない。高重力惑 トラウトじゃないのか 0 た読者にはも ( カ一 . 、ど ' 星メスクリン、水素の大気にメタンの海に生 ねえ。″モンティ・ きる体長センチ足らずのムカデ型異星人。 の足らないかも ( 〔 0 0