「いや、確かにそうらしいそー 方にはヴェガとアルタイルがあり、すぐうしろで白鳥が羽ばたき、 「いくらなんでも、こんなに早いわけはない」 北には上向きに回転していくべガサスの大四辺形がある。これまで 「どうして ? ことを期待してたんだろう ? とにかくクロノメー何千回となく見たのと少しも変わるところはない。何か「外部」の ターから目を離すなよ。シーイングはよくないが、できるだけ正確大変動がその空間の小さな片すみをゆがませ、巨大な木星が、かっ に時間を知らせるからな」 ての腕の長さほどの位置に、手を伸ばせばサクランボか何かのよう 数分』、ドームはしんと静まりかえり、ただクロノメーターのチに親指と人差指でつまむこともできたほどの位置にまで移動してき クタクいう音と、ずっと下のロス・フェリス大通りを走る車の低いてしまったなどということがありうるだろうか ? 子供のころは時 うなりだけがきこえていた。ストッダードは惑星面から投影される間旅行や惑星探険の話を読むのが好きだったし、いつでも何か超自 小さな光の点に全神経を集中した。何度か、光が消えたにちがいな然的なものがそのへんに潜んでいるような気がしていた。ゼミでは いという気がしたが、またすぐにそれは視野にもどってきた。彼は世界線や次元空間について話しあったこともあった、しかし、そ いつになく長い間を置いて、それが完全に視野から消えたままになれを本当に信じたものがひとりでもいただろうか。それが今や現実 になったらしいのだ。彼は湿った夜気に身震いした。ドームを吹き るのを待った。「よおし、 いいか」彼は声をかけた。「今だ ! 」 「七時三十三分〇秒〇」アーノルドが記録用紙の一番上に数字を記ぬける海からの風がやけに身にしみた。 入しながらいった。ストッダードは望遠鏡の端の窮屈な位置から苦彼はストッダードが望遠鏡を台座におさめるのを無意識のうちに 労して立ちあがると、慎重に片足の運動を始めた。相棒は五分ほど手伝い、対物レンズにキャツ。フをはめて望遠鏡を極軸沿いに回転さ せっせと計算を続けたが、やがて顔をあげると、もの思わしげに鉛せ、赤緯のクライフを締めた。 筆の先で机をたたきだした。 「下の暗室におりて一服しないか ? 」すべて片づけ終えると、スト 「結果は ? 」ストッダード がびつこをひいて部屋を横ぎりながら尋ツダ 1 ドがいった。「この数字、自分で確かめてみたいんだ」 ねた。 「うん、ここにでた数字によるとだな」アーノルドはっとめて平静地下の暗室は吹きぬけのドームからの格好の避難所だった。スト ツダードはジャケットを放り投げ、部屋の片側にしつらえられた仕 に答えた。「食はかっきり三十五分十秒早く起きている」 しばし、ふたりは沈黙した。それからストッダード が、天文台の事台に腰かけをひきよせると、ひきだしからタ・ハコ罐をとりだしパ 丘を包んでいた平穏な静けさをうち砕くような哄笑を放った。「そイ。フに火をつけ始めた。心ゆくまでこの作業に専念し、火皿が赤々 れじや木星は、すぐ裏庭にあるってことじゃないか。あんまり近いと輝くと、やっとのことで彼の関心はアーノルドの誤差補正のチェ もんだから光もあっという間もなく届いちまうというわけだ」 ックへと移った。それからいらだたしいほど悠長に数字を検討し 7 アーノルドは星々の間に静かに浮かぶその惑星を見あげた。西上だしたが、パイ。フをふかすあい間に時たま動きをとめては天文暦表
うな影響をおよ・ほすことはない。しかし、琥珀の棒を力いつばいこすマン博士に礼を述べ、何かご質問は、と聴衆に尋ねた。そのあとし つもながらの気まずい沈黙の時が流れた。その呪縛を破 ると表面の原子が乱れるのと似たようなもので、グザイ空間での例ばらく、い 外的自然現象によって凝塊がかき乱されるという危機も、まれにはったのは、整数論の権威、風変わりなキャラクターでは学部随一の 起こりうる。超宇宙でのできごとが、たまたま個々の凝塊に侵入す無冠の帝王、フォスパーグ博士だった。 るようなことがあると、途方もない結果がひき起こされるーーたと「お話では、この仮定のグザイ効果によるわれわれのセクタ 1 にお えばちょっと考えただけでも、角運動量の厳密な保存がおぼっかなける収縮は十の九乗年前に始まったということですね。今、この封 くなったり 、 ( ミルトンの原理に修正が必要になったりするのだ。筒の裏で計算してみたのですが、わたしの計算にまちがいがなけれ 「かくして、適正に方向づけられた観測者にとっては、宇宙は常に ば、現在の冥王星までの太陽系の直径は三・二の十の八乗倍キロ、 光速度のタウ倍の半径を持つわけです」フリ 1 ドマンの話もまとめすなわち約二億マイルになります。それでよろしいかな ? 」全員が に近づいてきた。「ですから、タウが一様に増大していくとすれ期待の眼差しで話し手を見た。 ば、銀河系外の星雲の一様な後退が示すとおり、われわれの宇宙は 「わたくしはもつばら一般公式を使っております。絶対値は用いて 当然、膨張宇宙ということになります。 おりません」フリードマンは冷ややかに答えた。「しかしながら、 しかし、このタウ値の増大は実は一様なものではなく、統計的結フォス・ハーグ博士の計算に疑問を持つものではありません。もちろ 果にすぎないのです。グザイ空間における局部的変動が、凝塊空間ん、収縮は通常の計器ではなかなか感知できないものと思われま においてはっきりと知覚できる程度にまで達することもありうるわす。何か明確に、光速度に関連する観測を行うことが必要でしょ けです。われわれに近いところでグザイ効果の証拠を求めれば、アう」 ンドロメダ星雲の動きがあげられます。後退するかわりに毎秒三百 キロで地球に接近しているのです。また、内惑星の運行にはっきり 現れている異常、顕著なものとしては金星の交点における永年変化 があげられますが、これはわが太陽系内にまでグザイ効果が侵入し ていることを明確に示すものです。効果の増大による異常はさらに 多くなるであろうことが予想されます」 そっけなくうなずくと、彼は原稿をかき集め、なかなか鳴りやま ぬ学生たちの拍手にもほとんど目もくれずにさっさと腰をおろし た。天文・物理同好会の幹事が、全員興味深く拝聴したとフリード * 重力理論と観測結果との最大の相違は、水星の近日点移動が 百年で四十三秒くいちがう点である。このくいちがいをアイン シュタインが説明してみせたことが、相対論に勝利をもたらし たとされている。 その次に顕著な重力理論と観測結果との相違は、百年で十三 秒という、金星の交点における永年変化であるが、これは相対 論によっても説明されていない。 『アメリカ光学学会誌』第三 十巻一三五頁 ( 一九三〇年 ) 参照のこと。
の、人間の、快い、満ちたりた進歩は、とつじよとしてたたきつぶ されてしまったのだ。人類の地平線は、星間航法の完成とともに宇 宙の辺境にまで広がったーー人類はもはや地球という一つの世界の 上に住んでいるのではない、人の住む星々がちらばる宇宙の中に住 んでいるのだ。諍いだの愚行だの戦争だのはとるにたらぬことに思 われたーー・そして人間は、数年というおどろくべきわずかな歳月 で、遂に思春期を脱したのだった。 科学のおかげで人間の寿命は二百年という活動期間をあたえら れ、また永遠への鍵もあたえられた。だがそこには陥穽があった、 おそるべき陥穽が。同種族のグルー。フ間の闘いに生き残るために浮 き身をやっしてきた人間が、他種族の住む宇宙で生きていくという 呆然とするような未来にとつじよ直面させられたのである。む「つ ん、何百万、何千万という星のことは知っていた、無辺にある惑星 のことも、宇宙の暗い海に島宇宙となって漂っている遠い星雲のこ ットし、マシンは結論を吐きだし、それに従って人間は行動するー とも知っていた。だがそれは頁の上の図や数字、写真、望遠鏡で見 ー選択の結果そうするのではなく、ほかに信頼しうる指標がないか える動かぬ光点にすぎなかった。好奇心の対象であり、空想をかきらである。 たてるものだった。ところがいまやそれらは人間生活の根本にかか人間は「シンを操作した だがほんとうはマシンが人間を操作 わるもの、生き長らえるためには考慮に入れねばならない重要なフしていたのである。 アクターなのだ。人類の存続の問題を考えるとき、この宇宙におい サイ・ハネティックスという科学は飛躍的に進歩した。人間はマシ ては数えきれないほどの因子があるーー・しかも人間の頭脳ではそのンを改良する「シンを作りだした。巨大な人工頭脳はあまりにも複 すべてを把握することはできないし、まして将来どう行動すべきか雑なものに発達したために、それを理解するふりのできる人間です という問題について理性的な結論を導くことは至難である。 らごく少数しかいなかった。それらを見ていると、これが人間の頭 そこで人間はやむなく、ふたたびマシンと向かいあった。だが今脳の生みだしたものだということがとうてい信じられなかった。 回は前とは違う。マシンはこのデータを処理できる唯一の道具だっ マシンは日常生活のルーチンにまで介入することはない た・ー・ーそして人間は、マシンが吐きだしたもっとも根本的な結論をはそこまではマシンに明けわたさなかったし、自分に理解できる問 百万年かかってもチ = ックすらできないのだ。人間は事実をイン。フ題については、人間の幸福が奈辺にあるかを判断することができ ・フロセス促進隊、それは未開の惑星に赴き、その惑星の原住民た ちの文明進歩を、彼らに知られることなくはやめる手助けをするこ とを任務とした組織である。 その。フロセス促進隊の隊員であるコナン・ラングは、新たな命を 受け、新人の若者アンドリュウ・アーヴィンを伴い、シリウス十番 惑星へと赴くことになる。目的の惑星に着いた二人は原住民の村の 近くへ行き、原住民たちの祖先をよそおい、彼らの中に入り込もう とする。原住民たちは彼らを祖先として認め、村に迎え人れるが、 祈蕎士がラングらを祖先ではないとする。村の老いた長はその疑い を晴らすためにラングらに火をくぐり抜けることを要求する。それ に応えてラングは火をくぐり抜けてみせるのだったが・ : 2
ILLUSTRATED S 察甬「堊 0 = 金星の軌道上に浮かぶ巨大な衛星基地ンのように折りたた み、下部にプースタ 創星記 〈ヴィーナスター〉。主人公ルー ーと燃料タンクを装着し、〈ファイアポー ル〉と呼ばれるロケット型のトランスポ ー日又千秋宇宙開発部隊の記録員としてここに派遣 ーターとなる。 されてきた。しかし何かおかしい。広い ・ウィーナスーツ 基地内にはほとんど人影がなく、やっと 〈金星服〉。高温高圧の金星の環境に堪 え、自由に行動できるパワードスーツと なっている。イラストは、ヘルメットに アイカメラを装備した記録員専用パージ ョンで、アイカメラとは、記録員が見た 物をそのまま記録するメカ、つまり自動 オートフォーカス 露出、自動焦点はもちろん、視線方向の 出会ったアイリーン・ 0 中佐らの話に 追尾、ズームアップまで自動的にやって ーレ 6 、つス ーカメラである よると、基地の中枢制御システム〈 O 余談ながら現在のカメラも、メカとし / 0 ー—J 〉も狂っているという。そして基 金星調査団に何かが 地内に敵が : てかなり進化している。私事になるが最 起っている 近買入したミノルター 7 0 0 0 の自動 訳のわからぬまま金星へ降り立ったル 焦点機構はすごい / 金星服のアイカメ 話は地球ラにもロゴを入れてもらった ・風を待ち受けるのは : ローヴィングべース の減亡、異世界での戦いと、息もっかさ ^ 移動基地〉、といっても定員 5 名のキ ャタビラ車である。ニ週間程度の単独行 ず展開していく。 さて、メカの解説。まずは衛星基地と動が可能で、環境の悪い金星の調査には 金星地表を結ぶシャトルシステム。降下頼りになる存在。 そして、異世界の女戦士〈ー—J 〉。 の際は上部の傘をマッシュルームのよう 〃絶世の美女〃と言葉で言うのは簡 に拡げて、減速と姿勢制御をする為、ポ ール型のペイロードスペースと合わせて単だが、イラストとなるとたいへ 〈マッシュポール〉と呼ばれる。上昇の んである。彼女の正体については、、 際には〃マッシュ″の部分をノーズコー 本篇をこ覧あれ。 レ〈 セシノレ CECIL ・風は、 NO. 7 内 Direction : Hiroaki Inoue/Copy : Yasusuke Sonoyama/ 、 lllustration : KuniO AOi 4
る。彼の長篇はェヒ。ソード風になりがち で、しかも各ェヒ。ソードは、作者が探究し たいと思う何らかの SF 的状況のガイド付 きツアーとなっているのだ。主人公たちは 異様な新世界にほうりこまれるのが常であ り、彼らはその中で生きのび、それがど んな世界であるかを知らなければならな い。『不死販売株式会社』川。記 の e 〃 d ( 1958 ; 匝 1 襯 0 記 / り , c. 1959 ) では、自動車事故で死んだ主 人公は、 150 年後、死後の生命をはじめ、 ほとんどの心霊現象が実証されためくるめ 後にあげた作品では、シェクリイならでは の才気を見せて、さまざまな種族が協調し て住む銀河系が描かれる。彼らは各自の専 門化した機能を融合し、文字どおり、宇宙 船になることができる。物語は、宇宙船が 新しいフ。ッシャー、すなわち船を超光速へ と押しあげる能力を持つ生物をさがす過程 を追うーーー年代 S F では無理もないが、 ホモ・サヒ。ェンスがそのブッシャー種族と わかる。評価の高い短篇集があとにも続々 とつづいた。『宇宙市民』 C 。化 ( 集 1955 ) 、『地球巡礼』〃 k 襯な g 五 4 ん ( 集 1957 ) 、『無限がいつばい』 行 0 れ & ・ U れ〃″に d ( 集 1960 ) 、 & ので可、 1 旗れ ( 1960 ) 、『宇宙のかけら』 S ん 4 s S24 化 ( 墾 1962 ) 。シェクリイ の短篇は例外なくエレガントであり明晰で ある。それらを当時の雑誌 S F の大半とへ だてているのは辛辣なユーモアと意想外の フ。ロット展開だが、これはウィットと意外 性が、 20 世紀後半の人間生活における悲惨 な側面を照射する方面にたいてい働いてい るからである。 シェクリイは初期に注目すべきシリーズ ものを一つだけ発表している。《 AAA= ース惑星浄化サービス社》のヘマな活躍ぶ りを描くもので、「家畜輸送船」 "Milk Run ” ( 19 ) 、「幽霊第 5 惑星」 "Ghost V" ( 1954 ) 、「ラクシャの鍵」 "The Laxian Key" ( 1954 ) 、 "Squirrel Cage ” ( 1955 ) 、「救命艇の叛逆」 "Lifeboat Mutiny ” ( 195 の、「必要なもの」 "The Necessary Thing" ( 1955 ) 、そして "The Skag Castle ” ( 19 ) から成っている。 数年をへてシェクリイはしだいに長篇へ の転向をはかるが、結果はあまり安定した ものではなかった。ウィットと明晰さを長 篇に持ちこんだまではよいものの、その過 程で、短篇に見られた形式へのあざやかな 把握力をなにがしか失ったことは考えられ 269 「明日を越える旅』 くアメリカに蘇る。『明日を越える旅』 面 4 お 00 れ d To 襯 0 ( 1963 ; The 面″面 s 英 ) では、主人 公はヴォルテールのカンディードに似た純 真な若者で、近未来の平和な太平洋の小島 を出たのち、数々の奇怪な体験をする。 の小説は、 1000 年後に神話として飾りたて られた回想録のかたちをとっている。『精 神交換』 M / ( 1966 ) では主人公は 火星人と心が入れ換わり、めまぐるしい現 実変容に巻きこまれる。『奇蹟の次元』 D ー川 e れ 0 れ 0 / 石 racl ( 1968 ) では、 主人公は誤ってクイズ大会に優勝し、現実 XI
DUNE ホヒジツーンの シミュレーションゲーム テューン定価¥ 5 , 300 砂の惑星 00.0 リ = ー→ 00 ー閃 ☆感デューンをと呼ばれる惑星アラキスをめぐる、アトレ 好評 イデ家とハルコンネン家との確執。皇帝、ギルド、ベネ・ ゲゼリットの介入。そして先住民たるフレーメン。砂嵐、 TRAVELLER シリーズ シャイ・フルドといった自然の脅威の中で彼らの戦いが始 まる。 Y3 , 5C0 G ー 251 トラベラー ☆プレイヤーは、各勢力を代表する人物 ( ポール・ムアド ・シナリオ デイプ、ウラジミール・ハルコンネン等 ) になり、様々 G ー 251 1 研究基地ガンマ Y3 , 500 なキャラクター ( ダンカン・アイダホ、ガー ・ノ、レッ ・トラベラー・ケーム 1 ク、バイター、スティルガー等 ) を動かしていく。 V3 , 500 G ー 601 メイディ ☆ラスガン、マウスピストル、ゴム・ジャ / ヾールといった 秘密兵器も登場 / ′発売元 ( 株 ) ホビー ジャ′ヾンお求めは全国のデバート、模型店、玩具店でどうぞ ー 45
と、エデンのような惑星の環境破壊と、人 間の超越である。この小説のラスト、主人 公が、、エゴン〃、すなわち霊魂に似た存在 として再生するくだりは、一部の批評家の 悪評を買ったが、実は、形而上学または宗 教から借りた伝統的な S F のアイデアを、 うまく処理したものといえる。使い古され た SF のテーマを知的に再加工するのはシ ョウの特技であり、このことはつぎの長篇 0 れ石〃れ To 襯 0 〃℃ ws ( 1970 ) でも 証明される。これは不死の物語だが、一ひ ねりしてあり、永遠の若さを選択すると、 性的不能がおまけとしてくつついてくる。 G 加″れ d 2 0 4 れ ( 1971 ) は、全世界 の核兵器を破壊できる手段を発明した男を 主人公とする近未来スリラーである。ショ ウの他の長篇に比べてアイデアには乏しい が、効果的な筆致で読ませる。主人公と彼 の妻との心もとない結びつきは、特によく 書けている。 0 ″〃ん ( 1975 ) は、シ ョウの長篇の中で最長の、そして、まちが いなく最高作の一つといえる。ラリイ・ ーヴンの『リングワールド』 gw の・ ( 1970 ) や、アーサー・ C ・クラークの 『宇宙のランデヴー』釚 d 銘 0 ″ s ″ん 4 襯 4 ( 1973 ) のように こでも異星種 族の巨大な構築物が宇宙空間に発見される この場合は一つの恒星の周囲をすつぼ り包んだ居住可能のシェル ( またはダイス ン球 ) である。このシェルの内面が提供す る居住空間は、とほうもなく巨大なもの で、地球の表面積の数十億倍に達する。 の背景の上に、ショウは政治的陰謀と探険 を軸にした痛快な物語をくりひろげてみせ る。筋立ての趣向には、ショウが初期に影 響を受けた A ・ E ・ヴァン・ヴォートに負 うところが若干見られるが、文章と、性 格描写と、全体的な創意によって、この 小説はヴァン・ヴォートの生みだしたど の作品よりも優れたものになっている。 2 刀 0 ″〃んは、 1976 年度のイギリス S F 賞を獲得した。 A Ⅳん & 4 ” ( 1976 ) は、ショ ウの最も独創的な作品であり、また、最高 の作品かもしれない。反ニ ートリノだけ でできた放浪の恒星が、地球に接近する。 そして、別にこれといった影響もなく、そ ばを通過する。しかし、それからまもな ートリノの、、地 く、地球の内部に反ニ 球″が存在し、その軟道が恒星の通過で大 きくかき乱されていることが発見される。 これは巧妙な、ほとんど詩的とすらいえる アイデアだが、残念ながら、フ。ロットがそ れを充分に生かしきれなかったようであ る。しかし、そうした欠点はあっても、記 憶されるべき小説だ。『メデューサの子 ら』イ″覊 ' ゞ C ん釚 ( 1977 ) は、それ に比べると不満が残る。 こではショウの ・トライアングルの謎をからませた、どち 発明の才が空回りした結果、 Ⅸ いた 4 つの連作短篇は、新しく書き加えた る。宇宙測量船サラファンド号の冒険を描 Ka ん 0 0 ( 1976 ) にまとめられてい み襯ろ 4 訪 ( 1973 ) と Cos 襯な ショウの短篇は、 To 襯 0 ℃て 0 五ゞ 顕著な貢献の一つである。 たこの小説は、 S F におけるユーモアへの 的なそれ ) の定石をちくちくとあてこすっ 描いている。アメリカ SF ( 特に軍国主義 人の男が失われた記憶をとりもどす過程を せるタッチで、一種の星間外人部隊と、 召〃 4 the GaIactic 0 ( 1965 ) を思わ ハリイ ・ハリスンの『宇宙兵フ・ルース』 ( 1977 ) は、機知にあふれた作品である。 『おれは誰だ ? 』Ⅳん。 Goes 〃ど ? 中環境を描いた最初の数章が優れている。 祖とする種族の、重力のない、神秘的な海 どころはあり、特に、難破船の生存者を先 ができあがった。しかし、この小説にも見 らかといえば空虚で信じがたい、、ほら話〃
眼前にくりひろげられていったのである。 はもはや手遅れであったーー・彼らは進歩の頂点に立っていたし、そ の位置するところも不運であった。しかしはるかかなたのそれそれ 2 銀河系の遠い果てに、ラーマという年老いた惑星が、黄色の太陽の戦道をたどる世界に散在する他の人類にはチャンスがあった。彼 のまわりをまわっていた。ラーマでは早くから生命が発生していたらには状況を変える時間があったーーそれを変えてくれる人間が見 そして急速な発展をとげた。銀河系の他の世界で、ヒト型の人っかりさえすればー ラーマは知識をもっていても、その仕事をや 間が洞窟に住んでいるころ、ラーマは一大文明を築いていた。地球りぬく人的資源も烈しい気迫もなかった。悲壮な決意をし、それを がはじめて鉄の刀を鍛造したころ、ラーマでは核分裂に成功して い忠実に守ることはできても、星系を改造するという大事業は彼らに ふさわしくなかった。それは若い種族の、誇り高い、自由奔放な種 ラーマは科学の世界だったーーまことの科学。科学は戦争を排除族の仕事だった。地球の人間の仕事だった。 し、惑星をパラダイスに変えた。文学も芸術も科学の進歩と手をた ラーマの宇宙船は地球暦一九〇〇年に地球を発見した。ラーマは ずさえながら華を咲かせた。科学者たちは、優美な噴水が太陽を浴知っていた、この計画を成功させるためには、二つの銀河系が衝突 びてしぶきをあげる涼やかな庭園にとりかこまれて仕事をした。各するはるか未来のその日に自分たちが立ちどまって戦わねばならぬ 人が各様に己れの才能を自由にのばし、だれも他人に屈するという ことを。長期の戦争を闘いぬく方法は知らなくとも彼らの力もあな ことがなかった。 どりがたいものであった。ともあれ彼らは闘いぬかねばならない、 ラーマは絶頂をきわめた人類だった。 そして滅亡の運命に甘んじるのだ 計画、状況は整合的なものに だが数は少なく、好戦的な人々ではなかった。危急の際に戦わな なったのである。彼らが発見した惑星の中では、彼らとともに仕事 いというのではないが、長期にわたる会戦に勝ちぬくという能力は ができる程度に進歩していたのは地球だけだった。その地球に、よ なかった。彼らの頭はそういう方には働かなかった。進歩の結果、その世界にコントロールされているという事実は決して知られては 人々は専門的に分化しすぎ、環境に順応しすぎてしまったのであならなかった。この計画が自分たちがはじめたものではないのでは る。 ないと彼らに疑いをもたせてはならなかった。若い種族が。フライド そして彼らをとりまく環境が変化した。 を傷つけられれば、闘争メカニズムを衰えさせ、味方として頼りに ラーマが、しかるべき質問をマシンにあたえ、そして銀河系の果ならなくなってしまうからである。 てに位置している彼らの世界が二つの星系の文明の衝突に遭遇する ラーマは計画に着手したーーー彼ら自身すでに生きてきてしまった ことを知るのは時間の問題であった。ラーマはデータをくりかえ未来のために死を賭して。ラーマの科学者たちはひそかに地球にの し、イン。フットし、そのたびにマシンは同じ答えを出した。 りこんだ。そして彼らの背後、数光年のかなたでは、水品のような ラーマは減亡するであろう。ラーマに関しては、状況を変えるに噴水が、陽光を浴びて哀しげにきらめいているのだ。 こ 0
の数字と照らしあわせるという調子で、アー / ルドは壁によりかか「それでもまだ三十分は謎だ」 ったまま、神経をびりびりさせてそれを見つめていた。 「よおし。それじゃあ天文暦表はどの程度信用できる ? 予報時刻 6 「うーん、どこもおかしいところはなさそうだな」彼はしぶしぶ認自体がずれていたとしても驚くにはあたらないそ」 めた。 「だがな、だからといって、これが正しいというわけでもな「あんなにか ? 」 「いいか、木星の四大衛星に関する予報は、一九一〇年のサムソン 彼は慎重にねらいをつけて、流しの上のカレンダ 1 の女に煙の輪の表に基づいたものだ。これまでに何かしら修正があってしかるべ を吹きかけると、それが女のつきでた胸元のあたりにうずまくのをきだろう。海軍天文台がこういうものをどの程度チ = ックし直して むつつりと、しかし満足げにながめていた。 いるのか、わたしも知らない。しかし、それがはっきりするまでー 「こういうおかしな結果がでたことは、これまでに何度もあった。 ーそしてもっと観測を重ねるまでーー実のところ、われわれには何 そのたびに自分にいいきかせずにはいられなかったもんさ『ストッ ひとつわからないんだ」 ダード、とうとう何やら発見したらしいぞ。何かどでかいものにで 「わかった、わかった」アーノルドはじれったそうに答えた。「そ くわしたようだ』これまでのところ、わたしは科学的発見なんそ何れでも同じことさ。結局はクジラ級のどでかい誤差ってことじゃな ひとっしていない。 いか」 いいか、きみは今夜、この観測をした。確かに太陽系が十セント 「確かにキングサイズだな」ストッダード がパイプに火をつけ直し 銀貨の大きさにまで縮んでしまったとしたら、そいつは刺激的な話ながらいった。「ところでだ、説明してもらいたいことがある。今 だが、まずは完全に納得のいく自然な説明がないということをしつ日の午後のあの長っ話をきいても、まだいわゆるグザイ効果とわれ かり確認しておきたいんだ。水をさすようだが、科学者の大発見のわれの赤外線観測とがどう結びつくのか、わからんのだ」 ほとんどは、結局、観測の誤差が原因なんだ。ミラ・セチが最大光 度になるたびに新星とまちがえられていたこともあったじゃない アーノルドは鉛筆と黄色いメモバッドに手を伸ばした。「この線 か」 が、われわれのいる地方宇宙、つまり〈凝塊〉を表すとする」彼は 「それはだれでも知っているさ」アーノルドは異議をとなえた。 不定形の閉じた図形を描き、その中心のあたりに点をうった。「フリ じようらん 「しかし、この観測のどこに誤差の入りこむ余地がある ? こんな ードマンによれば、外の超宇宙つまり〈グザイ空間〉における擾乱 に簡単なのに」 が、たまたまある特定の凝塊に影響をおよ・ほすほどに激しくなるこ 「考えているほど簡単ではないのかもしれない。 シーイングは苦しとがある。その結果起こりうることがいくつかあるわけだが、明ら くなかったんだぞ。わたしが合図した時間が二、三分 , ーーいや、もかに一番可能性が強いのは、その凝塊が収縮し始めるというケース っとかなーーずれていたのかもしれない」 だ、始めはゆっくりと、それからだんだん急速にね。だが、その収
サンダーバード 5 ( TV 版 2 ) ビデオシネフェックス ・未開の惑星 / ファンタスティックプラネットカラー 75 分モノラル H Ⅲ \ 15. その昔、宇宙のある惑星にドラーグという巨人族と、彼らに虫ケラとして扱 ているオム族カー共存していた。ーある日、ペットとして育てられていたオム族の ラは、偶然にもドラーグの知識を吸収し、を見て逃走。イ中間と共に高度な科 学文明の国をつくり、ドラーグへの復を開始するのだった・・・。フランスの SF 作家ステファン・ウルの / 」、説、、 Oms en serie" を、、、毒物学′′等のプラック・ユ ーモア画集で著名なローラン・トボールの絵でアニメ化した異色 SF 作品。 ら起 6 発売 5 / 28 01984MGM/UA ENTERTA INMENT INC . ,COURTES YofEEG/BFC PRODUC TIO:UNITSTILLPHOTC GRAPHY bY V 旧 GIL MIR ANO ・ ARGOS FILMS S. A ・ホ ) ボ ) プラ〕匚ンク・東北新れ 、優第 36 に 「クラブロッガーの・走」他ー編を収 特撮監督リチャード・エドランド特集。 「暗号」 ( 第 5 話 ) ・「物革」 ( 第 6 話 ) を収録。 特殊メイクが圧巻び旧本 SF X 映画。 カラー 60 分モノラⅲ Y10 工 カラー 1 分モノラル H ⅲ¥ 13. & I) カラー分モノラル H ⅲ *9. ー カラーー分モノラル H 下洋 13. 発売日か 4 2 師、ら 5 28 に変更になりましに ◎ 5 / 21 発売の新作アイテ乙 ◎ 5 / 28 発売の新作アイテ乙 サンダーバード 2 カラー 105 分¥ 9. 0 超時空世紀オーガス 2 カラー 45 分 \ 9.0 , 甘ー置法のプリンセスミンキーモモ工カラー分¥ 8. 0 置法のプリンセスミンキーモモ V カラー 30 分 *6.0 ☆カタログこ望の方は、 6 研甼刀手を貼った住所・氏名言、の L 怪奇大作戦工 カラー 1 分 \ 9.8 封筒を同封し、フロンティア事業部ェモーションカタロク請求 D - 誉 クリイミーマミ「永遠のワンスモア」 ) カラー分 \ 9.8 SM7 係までお送り下さい。 プリズナー N 。 6 3 アギ ~ 鬼神の怒り EMOTION お問合わせ谷 ( 03 ) 589-5231 ・販売代理店 / 株式会社 AE 企画 ・発売元 / 株式会社バンイ フロンティア事業部 東京都台東区駒形 2-5-4 〒Ⅱー