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検索対象: SFマガジン 1978年10月号
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1. SFマガジン 1978年10月号

夫 / 280 円 / 248 頁 / 文庫 / サンリオ / アルコン潜入を図るローダンらの前にはー 捜査 果しなく続く〈改良戦争〉を描いて壮大な歴 今月のフック・ガイド 史観を展開するタイム・オペラの傑作。 著者スタニスワフ・レム / 訳者Ⅱ深見弾 / ( 七月一一十五日 ~ 八月二十五日 ) 3 2 0 円 / 2 7 0 頁 / 文庫 / 早川書房 / 霧の辺境の惑星 著者Ⅱアーシュラ・・ル日グイン / 訳者“ ロンドンで発生した謎の消失事件を、ポーラ 脇明子 / 2 8 0 円 / 2 2 8 頁 / 文庫 / サンリ ンドの巨匠が精緻に描く。 アルジャーノンに花束を オ / 力強い想像力で定評ある著者が、惑星ア 著者日ダニエル・キイス / 訳者日小尾芙佐 / 東京ゲリラ戦線 ルデランの冬を舞台に描いた愛の叙事詩 ! 著者Ⅱ藤本泉 / 3 4 0 円 / 2 9 6 頁 / 文庫 / 9 8 0 円 / 2 41 頁 / 早川書房 / 脳外科手術 早川書房 / 三多摩を舞台に発生した自衛隊と魔女伝説 で天才となった白痴の青年の手記を通し愛と 著者い半村良 / 10 0 0 円 / 4 7 4 頁 / 中央 ゲリラの戦闘 ! 発表当時騒然たる話題を呼 友情を繊細な感性で描くネ・ヒュラ賞受賞作 ! 公論社 / テレバスゆえに逃亡する瑤子。光る んだ問題作っいに登場。 宇宙零年 苔の謎を追って展開する愛と陰謀のロマン。 著者日ジェイムズ・・フリッシュ / 訳者日浅倉時は乱れて 著者Ⅱフィリップ・・ディック / 訳者い山万華鏡 久志 / 2 8 0 円 / 2 4 0 頁 / 文庫 / 早川房書 著者レイ・・フラッド・ヘリ / 訳者日川本三郎 田和子 / 380 円 / 368 頁 / 文庫 / サンリ / 木星表面に架橋するという空前の難事業に / 580 円 / 610 頁 / 文庫 / サンリオ / 数 オ / 新聞の懸賞パズルを解き続ける男レイグ 挑む人類 ! 宇宙都市シリーズ第一弾 ! 多くの愛読者を集めるファンタジーの名手が ルが町から脱出して知った真相とは ? 男の塩 さらに自ら選びぬいた二十二短篇。 世紀学事始〈小松左京対談集〉 著者い田中光一一 / 980 円 / 256 頁 / 徳間 著者日小松左京ほか / 8 8 0 円 / 2 3 4 頁 / レ・コスミコミケ 書店 / 精力的活動を続ける著者の、中間小説 著者Ⅱイタロ・カルヴィ】ノ / 訳者日米川良 鎌倉書房 / 旺盛な好奇心の持ち主が、石原藤 誌初登場作など全六篇を収めた第七作品集。 夫 / 予 10 0 0 円 / 2 5 6 頁 / 早川書房 / 宇 夫、山尾悠子、冨田勲らと自在に語り合う。 ハー・ハリアン〉 銀河系の悪魔〈スー・ハー 宙史的大事件の目撃者と称する人物が、ほら 著者Ⅱジョン・・フラナー / 訳者日田沢幸男 / ノヴァ急報 吹き男爵そこのけの語り口で綴る連作集 ! ハロウズ / 訳者日諏 著者日ウィリアム・ TJ ・ 6 5 0 円 / 2 4 8 頁 / 徳間書店 / 遠い未来、 レベル・セプン 訪優 / 300 円 / 258 頁 / 文庫 / サンリオ ヴォラ星人に征服された地球人の反乱活劇。 著者日モルデカイ・ロシュワルト / 訳者日 / ビート世代の鬼才が、先鋭的感覚と実験的 幻想と怪奇③ 野寺健 / 3 2 0 円 / 2 8 2 頁 / 文庫 / サンリ 手法で描く黙示録的シュルレアリスム。 著者日フレドリック・・フラウン他 / 編者日仁 オ / 時の東西両陣営の指導者一一人に捧げられ 賀克雄 / 3 4 0 円 / 314 頁 / 文庫 / 早川書脳波 全面核戦争の危機を警告した古典的傑作。 著者ポール・アンダースン / 訳者日林克己 房 / 鬼才・・フラウンの遺作をはじめ、読者 / 3 4 0 円 / 3 0 0 頁 / 文庫 / 早川書房 / あ惑星メラーの魔薬 を戦慄と悪夢の世界へ誘う傑作短篇を精選 ! 著者Ⅱグレゴリイ・カーン / 訳者日小隅黎 る日、地球上の全生物の知能が飛躍的に増大 権力への鍵 / 2 6 0 円 / 2 3 2 頁 / 文庫 / 早川書房 / 何 した。ュニークなアイディアと語り口。 著者日ダールトン & シェール / 訳者Ⅱ松谷健 故人々は発狂し殺戮を行うのか ? 事の真相 一一 / 300 円 / 264 頁 / 文庫 / 早川書房 / ビッグ・タイム を究明すべくケネディは敵星深く潜入した ! 著者いフリツツ・ライ・ハー / 訳者日青木日出 宇宙英雄ローダン・シリ 1 ズ〈〉変装して

2. SFマガジン 1978年10月号

田第五回「ハヤカワ・コンテスト」 本誌主催のコンテストからは、小松左京氏、半村良氏らをはしめとする多 くの作家が登場してまいりました。しかし、発展をつづける界は、さ らに多くの優秀な新人を待望しています。清新な作品をふるって応募ください。 ー応募規定ーー ・未発表の小説にかぎる。 ・枚数四百字詰原稿用紙百枚前後。 ( 必ず三枚程度の梗概 小松左京氏 をつけること ) ・締切昭和五十三年十一月三十日 ( 当日消印有効 ) 眉村卓氏 ・発表本誌昭和五十四年七月号誌上にて。 ・宛先〒皿東京都千代田区神田多町一一ー 早川書房第五回「ハヤカワ・コンテスト」・募集係 伊藤典夫氏 ・原稿には、住所、氏名 ( 本名 ) 、年齢、職業、電話番号を 明記すること。 ・該当作のない場合、佳作を何篇か選ぶこともある。当該作 品には、応分の賞金を呈する。 賞金 ・当選作の著作権および上演、上映権等、ならびにこの作品 入選第一席二〇万円 から生する一切の権利は早川書房に帰属する。 入選第二席 一〇万円・応募作品は、たとえ返送料が添えてあ「ても一切返却しな 入選第三席 五万円 ・募集要項および選定結果などについての問合せには一切応 しない。 選考委員 5

3. SFマガジン 1978年10月号

「大探検」ロ絵 ン王の宝窟 ) の表紙を見ていただこう。これも、ガゴー ル婆さんなのだが、なんと当りまえの、つまらないスタ イルをしていることかー ・ほくは『大探検』のガゴール , 、 . ゞ、 . 2 ~ 「塑。 4 。、婆さん 0 ほうが百倍も魅力的だと思うが、どんなものだ ろう。 同じ古典でも、明治の本が好きなのは、これなの もし、古典を研究しようなどという奇特な考 えをもつ人がいたら、なにはともあれ、明治時代からは じめることをおすすめする。一冊手にとるごとに興味が ・・、第増してくることうけあいだ。 ( もっとも、昭和版ではガ がきおる ゴールに牙鉤折なんてあて字がしてあって、これもうれ いしいことはうれしいが ) 急に古典と関係のない話をしたくなってしまっ た。このあいだ早川書房からだしてもらった『謎の宇宙 人 c-q 0 』の話をしよう。 ばくの住んでいる学芸大学という町には新刊書店が四 軒ある。あんなハチャハチャな本でも、やはり本がでる とうれしいもので、・ほくはこのあいだ、この四軒の本屋 さんに、『謎の宇宙人』とは縁もゆかりもない客 紐をよそおって潜入し、その売れ行きなどを偵察にいっ と、どうだ ! 四軒のうち二軒は一冊も本を置いてい なかった。もう二軒は、、 るさいほうの店が一冊、大きい ほうの店が二冊置いてあった。 ( どちらの店も、筒井康 隆さんの『富豪刑事』と田中光二さんの『男の塩』が、 かったと思うがこれもなかなかおもしろい。明治なのだ。 二十冊ぐらい積んであった ) ちなみに、博文館発行の少年雑誌「新少年」昭和十四それで、まあ、本の内容と発行部数と・ほくの人気度か 年一月号の別冊ふろくになった『魔境の宝庫』 ( ソロモらすると、これはもう非常に妥当な冊数なわけでもっと - 門 0 , "

4. SFマガジン 1978年10月号

つけられ、あるいは逆に神話の道具立て産物としてそれを生みだしてしまってい位置は、・ほくたちを泣かせる。少なくと に科学的な解説が付されて、科学と神話るように見える。そんな架空世界が、つもこの点に関して、ゼラズニイはたしか に、 ()n はじまって以来の伝統をまっす とが渾然一体となり、じつにユニークなねに・ハランスよくまとまったものになっ ウ ているのは、作者の力量のためだというぐに引きついでいるといえるだろう。 作品世界がここにきずきあげられて ( 『光の王』 / 著者Ⅱロジャー・ゼラズ る。一体となった科学と神話とが相互によりほかない。 ニイ / 訳者深町真理子 / 四六判上製 / イメージを呼びおこしあい、作者が直接その点だけをとってみても、ロジャ 1 ヒ 触れていない事物まで想像されて、作品・ゼラズニイが、新しい時代のの旗 306 頁 / Y1200 / 早川書房 ) の背後にその世界が広くひろがっている手であるという見かたはまちがっていな クライン・ユ ーベルシュタインⅡ ようにすら・ほくには感じられた。未来世いと思う。それも、ひと 0 の行きづまり 5 界は、現代の社会、あるいは科学水準なを見せたかってのオーソド ' クスな 「青い紐」 どだけをもとにして想像することはけつの世界を、否定するのではなくそっくり してできない。社会の変遷には、かならとりいれたうえで、新たな展望をひらい 伹和田武 ず偶然の要素が大きくからむからだ。作ていく作家だという意味である。 者はそんなふうに未来社会を想像するこ以上、作品の舞台設定、作中世界の魅 マニアっていうのは、すつごく残酷な とを最初から拒否して、純粋に想像力のカのことばかり書いたが、ゼラズニイが ぼくたちを魅きつけるところがあってね、まあ、これはに 大きな要因にはもうひ限らないんだけど、他所者がどんなに巧 とつ、主人公の設定が妙にそれらしく装って装って近づいてき ても、プーンと漂ってくるそいつの臭い ある。ゼラズニイの小 説の主人公はいつも力を嗅いだだけで、すぐにまがいものと見 強いヒーローなのた。破っちゃうんだ。おまけにいったんそう 1 マン〉と言と判ると容赦ない。批判、攻撃、そんな いかえてもいい。陰影ものは軽く通り越して、軽蔑、嘲笑、無 に欠けるといったよう関心、そこまで行き着いてしまう。ケ フフン、てなもんだ。 な批判もあるかもしれ ないが、強力な神々に さて、今回取り上げる〈もどき〉 ーベルシュタイン「青い 反抗して、民衆の味方はクライン・ユ となり立ちあがるひと紐」である。本来なら、ケケケツの四文 りの神という主人公の字で片付けちゃうんだけど、その三百倍 壮絶なる神々の死闘 ! 透か未来の民惑星に繰り広げ、られる物 たをインド神話の世界ト戛象か - な想像 、功と。洗練きれた第性が描く。米来叙事詩を 訳権狭占 / 半川書

5. SFマガジン 1978年10月号

号本を書いていた。 そのまま衛星船の名前としたの である。しかし英語の発音で 私はこの本を、校正刷りの段階で読んで翻訳 は、 Gemini ジェミナイであっ , : ・ : 、。 ミしたが、それは早川書房から『ジェ ミニよ永遠 工 に』という題名で出た。ジェミナイとは、しな ジ て、ジ = ミ = ではない。辞書に寥 かったのである。 も、〔 dzéminai) と書いてあ る。 今度の宇宙博では、展示物や文書のなかで の、いわゆる宇宙用語の混乱が問題になった。 この計画が始まるころ、私は たとえば しばらくアメリカ西部に住んで いたが、 Z < の職員や研究 「ジェミニ衛星船も、アポロ宇宙船も、似たよ 者もふくめて、私が会ったアメ うなものだから、宇宙船に統一してしまえ」 リカ人は、すべてジェミナイと といった意見が、突然、出てくるのだ。なる まÄJ 、ンエ よんでいた。 ミニが広い意味での宇宙船であるこ ミニなどというのは、た とには異存はない。しかしその史的背景とか、 だ一人もいなかったのである。 本質的能力という面になると、この二つでは大 きな差がある。 しかし私は別に、自分の書く記 事に、ジェミナイを使おうとはれ とくに私のように、戦後の科学記者の草分け 思わなかった。 で、三〇年も科学ジャーナリズムで、めしを食 っている人間となると、この二つは、厳然と区 ったのは、たぶんワシントンあ、 ~ 別されなければならないのだ。 たりの新聞特派員であっただろ 衛星船というのは、私どもがつけた名称であ う。イキリス英語では、ジェミ って、アメリカ英語では、マーキュリーからジ ナイでも、ワシントンの Z こ物 エミニまでは、すべてカプセル (Capsuel) で の職員のなかには、ジェ ミニとよんだ者がい ジェミニ衛星船で最初に地球を三周したのある。 たのかもしれない。英語を第一言語としない市は、グリソムとヤングである。グリソムは優秀そしてカプセルというのは、植物のさやと 民なら、ありうることである。 な宇宙飛行士で、アポロ計画の最初の乗員にもか、薬をつめる細長い人れもののことだ。事 いずれにせよ、新聞各社が、いっせいにジェ選ばれた。 実、マーキュリーもジェ ミニも、細長い円筒形 ミニ衛星船という語を使い、それが日本語とし が、アポロ 3 号に乗り、ケープケネディ基地をした入れもので、人間は文字通り、このなか て定着しようとしているとき、 の第番発射台上で飛行テスト中に、突然、アにつめられ、地球の周りの軌道上に、打上げら 「あれはジェ ミニじゃなくて、ジェミナイだポロが爆発的な火災事故を起こし、一瞬のうちれたのである。 よ」 に殉職してしまった。 その意味では、人工衛星に毛の生えたような などといい張る神経を私は持ち合わせなかっ彼は、このアポロに乗る前に、ジェ ミニ計画ものであり、衛星船というのは、的確な表現だ たまでのことである。 の全容について詳しく述べたま Gem 一 n 「というったと思っている。 イ「

6. SFマガジン 1978年10月号

同じだと思うが ) アイディアの奇抜さが増大し、やがて天才的な頭脳を持つよ ( 今や知能が増大したために同じ普通人 や、既製のアイディアをいかにひねるうになる。ネズミのアルジャーノンも同としての立場からの ) 同情、そんな互い か、を競っているたけの小説ではすでにじ知能亢進手術を受けていたが、あるに矛盾する感情の奔流が、みごとなまで ネタ切れになるし、読者もあきてしま日、狂ったようになって死ぬ。手術に致に描きつくされ、読者はそれがてだと承 。五十年代後半の衰退期はそんな命的な欠陥があったのだ。主人公も同じ知していても魅せられ、感動せすにはい られない。 ところに原因があるのではないだろう運命をたどるのか ? : : : いくら筆をつくしてみても、やは こうして粗筋を書いても″ずばぬけと、 か。小説はやはりストーリイの面白さと 同時に、その質的な高さをも目指すべきた″ものではないし、全篇を主人公の手り読んでもらわなければ、わからないた レ である。 しい、いや、 記だけで構成した点も特に目新しくはなろう。 小説を読み い。だが、本書の良さは別なところにあたければ、とにかく読んでみてくださ 5 前置きが長くな「てしま 0 たが、『ア としか言いようがない。決して損は ルジャ 1 / ンに花束を』である。一読するのだ。作者ダニエル・キイスの筆力、 れば強烈に印象に残って、忘れることが技巧、それに読者の心の琴線に触れる物しないのだから。 ( 『アルジャーノンに できないという ()0 がある。として語造り。たとえば主人公の知能が段々高花東を』 / 著者日ダニエル・キイス / 訳 のアイディア、技巧、完成度などに関わくなっていくところ。最近よくあるビル者Ⅱ小尾芙佐 / 四六判上製 / 246 頁 / Y980 / 早川書房 ) りなく、ひたすら感性にうったえかけるの外壁にとりつけられた透明なエレベー 、まるでそれに乗 のだ。たとえばクラークの『太陽系最後ター って外の景色を見てい の日』や・フラッドベリの『霧笛』あるい はヤングの『たん。ほ。ほ娘』など。もちろるようにグング・ン世界・・ " ん『アルジャーノンに花束を』もそうが変わり、拡がってい だ。ヒュ 1 ゴー賞を受賞した短篇のほうく。 作者の筆力、技巧 , ・ ( 第一 をはじめて読んだ時、不覚にも涙滂沱とに自在に操られ、主人 な 0 てしま 0 た思い出がある。今、長篇公に感情移入し、物語一 化された本書を読んで同質の、しかもずに没入していってしま ~ を ~ っと厚味のある感動に打たれた。 涙を流すかどうかは読者の考え方、感あるいは主人公が別 じ方だからどうでも、 しいことだが、それれた父や母をたずねあ。第、 を別にしても『アルジャ 1 / ン 』はてる場面。白痴である《〔 ( 自分を捨てた肉親への 優れた小説だ。 白痴の青年が手術を受け、次第に知能恨み、なっかしさ、 ー翻訳権独占一 ネビュラ賞受賞作品 外科手は白痴の青年をま才へと変 させたが、 ~ 燾悲的な運命の中に芽生え た愛と友情を細な感性で描いた名作 ! 早川容の 5

7. SFマガジン 1978年10月号

思いだす。結局、皆があのディレクター 恋人を訪ねて旅する青年、彼につきまもさしつかえあるまい。覚醒時に認識す ばかだね、と言い出したら、その人はデとう謎の刑事、やがて出会った彼女の一る〈現実〉に依拠しているようで、どこ イレクター役のコメディアンだった。 族をめぐって奇妙な幻想劇をくりひろげか質を異にする夢の世界 : : : 目をこらし ともあれ、彼にとっては、ありとあらるタイトル・ストーリイ : : : 海ガメの調てディテ 1 ルに踏みこめば踏みこむほ ゆるパタ 1 ンの中こそが、もっとも生き査にとある海岸へやってきた青年と〈大ど、どんどん現実感を喪失してしまうよ 生きと自由に泳ぎまわれる場所なのだろ人の女でも少女でもない、不思議な性をうな、そんな世界 : : : それでいて〈現 ヒ う。しかし、ファンのひとりとしては、備え〉た九歳のマリノとの物語『海へ一実〉より以上に生々しいリアリティがそ もちろん荒熊雪之丞も金大事包助ももっ歩を』 : : : その他、再び旅行者をめぐるの質に内包されているような : : どてつに 石と続けて読みたいけれども、そろそろこ幻想『海の城』、『島』 = = = そして現実も言葉で捉まえづらいそんな地帯を、殿 5 の〈んでちょ 0 とだけ真面目な顔もみせと時間がたたみこむように変質して主人谷みな子は実に優しい、それでいて残酷 てくれないかな、という気も、しないで公をそこにまきこむ『暑すぎる一日』のな文脈で、やんわり原稿用紙に写しとっ もないのである。 ( 『謎の宇宙人』全五篇を収める : : : さて、この作物をどてしまっている。 / 著者Ⅱ横田順彌 / 四六判並製 / 230 う伝えればいいのだろうか。 〈「秘かな楽しみ」としてこれらの作品 頁 / ¥ 780 / 早川書房 ) カフカ : : : 倉橋由美子 : : : ルイス・キを書きました〉とあとがきで言う殿谷み ・ : 別役実 : : : そして尾崎翠 : ・ な子。そして〈彼女がときたま持って来 などなど、さまざまな 殿谷みな子Ⅱ著 作家の名前が、行間か 「求婚者の夜」 らぼつりぼつりと浮か び出る。そして、そう ' 川又千秋したそれそれの宇宙の、・、 引力がわだかまってい第 ちょっと古い出版 ( 昨年の二月刊 ) なる場所に、殿谷みな子 ~ のだが、なんともいい感じの幻想小説集という才能のありかが ( ・一 ( ~ 〕を・ なので紹介してみたい。全く未知の作見つかるのだ。 者、しかも得体の知れぬタイトル『求婚夢 : : : そう、これら、 ~ 一 . 」ハ 者の夜』 : : : それほど期待も抱かずべラ五篇は、正に夢の宇宙 ペラと読みはじめたのだけれど、二頁ほの雰囲気に色濃く支配、 どでふわりとその世界のとりこになっされている。ほとんど一 . 夢そのもの、と呼んでー ( ・第ーー " を】・、■、編 ( 一をを・・ ( ・′【 に汚濁に充ちたく都をし見果てぬく故 を求めて彷う年がまぎれこん 0 ぐ 超現実の界 ~ 、・、硼 ) 春びルと不安をにを 讚明な抒情とユーモアをたたえた筆致で描 0 爆ロマン五編。著者 ) 品集。 , い 3 の朝当れんカー社、安徳 00 円当 '

8. SFマガジン 1978年10月号

ヘラクレスの冒険 アガサ・クリスティー ボアロのクリスマス アガサ・クリスティー 第三の女 アガサ・クリスティー 恐怖の研究 工ラリイ・クイーン 帝王死す 工ラリイ・クイーン 悪魔のいる天国 星新一 奇妙な妻 眉村卓 宇宙救助隊幻 80 年 光瀬龍 わが赴くは蒼き大地 田中光ニ 影の影 慣村卓 征東都督府 光瀬龍 星からの帰還 スタニスワフ・レム 闇の左手 アーシュラ・ K ・ル・グイン 中継ステーション クリフォード・ D ・シマック 薔薇の荘園 トマス・バーネット・スワン キャプテン・フューチャー いだ で怒 重版情報 本し の何 。当 ハヤカワ・ミステリ文庫 感た きやたわ ハヤカワ文庫 いさ ち家 SF/JA/NV/NF 当内 の敢 たを っそ の考 す力 にけ はな 人奥 んだ に制 は女 話性 めあ 説や か制 、明 。ま いは つら 気か 分ナ すと たみ持感 る然 わな には いら 彼か いれ え戒 る心、 。は だけ ど何 すれ ばめ レ知 る はな は責 毒れ い制 剤みあわ 化カ のも い分 別い 手あ 物る たみ でと な地 、と 有だ客な彼彼 Y460 Y400 Y380 Y280 Y380 Y280 Y340 Y320 Y340 Y280 Y380 Y420 Y380 Y340 Y340 な ん も な の よ コ は を 重 ね る そ の 手 は 温 か け す ん だ 本 意 の ワ イ の 名 と し て い る り に い近を い あ . る 観 不ぼ明 く ら も何と が言を 思わさ いなが な と カ : る と き ぼ ら に 何 し と リ 0 よ き 今 で は 本 気 で 警 戒 し て の 自 心 を 説お し 求 自 心、 と う よ り 用 カ ; る か し、 う う るす当 0 く ら いよ 。彼な は 思 お カ : あた彼た話 シ ら族勇 と ほ ん の ん た だ の し、 い ら い の ま に か ん 失 せ て る っ い わ め し て い の 力、 ク ス リ ど な の し く 聞警 - ー 1 力、 た く な 、ん消 じ や な と ち だ っ の 、ね あ な 0 よ だ わ わ スノ お に か そ う な ん で す も の と ば ら し し、 見 つ る は る く な で し う 用 意 て あ る のあす ら い の よ や お 子 さ ん た ち れ ら お ん ん り く な ん で も よ解 女 解憐任 の も っ 目 、着止 く で し よ う た ち の理る 彼すは る カ : る に は 声 出 の め ん 彼 は た き て を き と 剤 ア コ したが い に はだた く ら な い う き でさ球脱使 ら う ん で 。すこ ルふ恥 ル気も ポ ノ ラ し た ち を 本 に た 見 て る の た し ち 女 だ か く ど 。力、 ー 1 り た し、 暗黒星大接近 Y380 謎の宇宙船強奪団 Y300 時のロストワールド Y320 輝く星々のかなたへ Y320 宇宙囚人船の反乱 Y340 工ドモンド・ハミルトン 東京神田多町 2 ー 2 早川書房 振替東京 6 ー 47799 207

9. SFマガジン 1978年10月号

ん。だいたい身よりのない奴の方がええわ。能力だのとののしったあげく、山下が愛してると言うそしたら、山下の奴が言いよった。悪魔がでて のない奴もええ。金のない奴もええ。恋人はいるたら、鼻先でせせらわらいよった。あんたとは遊くるの、待ってたんや。わては天使なんやけど、 奴の方がええ。しかも、ごっつう好いてる方がえびや、他に結婚しようと思ってつきあってる男が神さんが悪魔つかまえてこい言うて、うるさく言 えわ。恋人にふられるいうんを最後の仕上げに使いる、誰があんたみたいな能なしの貧乏人と本気わはんねん。でも偶然に悪魔と出会うのを待って うんや。気が減入っている時に、これは効くからでつきあうか : : : やて。山下の肩にとまって聞い探しまわってても、ノルマがきついから、らちあ なあ。山下は、条件に全部おうてる。これのがしてて、あんまり可哀相で涙がでてきたわ。ほんのかへん。それで考えて、ダメ人間になりすまし、 たら仲間にわらわれるわ。 蚊の涙ほどやったけど。おまけに、山下の頬っぺ悪魔がでてくるの、待っててん。これでやっと、 幸子が来よった。ほんなら、蚊にでもなって近た叩きよった。隣りのアベックがびつくりして、 ノルマがはたせるわ。 くへ寄って、別れ話するように魔法をかけたろ。 こっちを見たほどの音がした : ・ 条件に合いすぎる奴やから、ちょっとはおかし 薬のフタに手えかけよった。いよいよ決心していと思っててんけど : 。しかし、天使が悪魔だ いつ見てもみじめな三畳の間やな。壁はくずれんな。ようやく、わいの出番ゃ。ちょっと暑いけまして、ええもんやろか。ほんまに、どっちもこ てるし、それを隠してるピンナップも黄色おなつど、黒マント着て、上品なムードで行こ。やれやっちも / ルマ、ノルマいうて、せちがらい世の中 てる。敷きつばなしのフトンが湿気ふくんで、変れ、これでノルマが達成できるわ。 になったもんやなあ。 な臭いしてる。インスタント・ラーメンの臭いも 混じってる。ドン・フリ洗ろたらええのに、こびり この世には神も仏もないんやろか。こんなひど ついてしもてるがな。 い話、聞いたことないわ。 こんな部屋のまんなかで、汚いフトンの上にあ山下いう、うってつけのサラリーマン、半年余 集要綱 ぐらかいて、無精ヒゲはやして、目の下にクマつりもつけまわして、やっと絶望して自殺しようと ・応募要領四百字詰原稿用紙八枚 くって、深刻な表情で睡眠薬の・ヒン見つめてる男するまでに追いこんだ。そこで契約とるために、 っちゅうんは、ほんまに哀れさを絵に描いたみたわてがさっそうと姿を現わしたんや。たいがいの 0 応募方法原稿に住所・氏名・年齢・職業 を明記、封筒に「リーダーズ・ストーリ いやな。正味、気の毒な奴っちやで。仕事はない奴は、煙とともに突然現われた黒マントのわいを イ応募」と朱筆の上郵送のこと。べンネ わ、金はないわ、頼る者はおらんわ、惚れとった見て、びつくりしよるわ。ところがこの山下、ニ ームの場合も本名を併記してください。 女にはふられるわ : これで絶望せんかったタアと笑いよった。気持ち悪かったなあ。ひょっ なお、応募原稿は一切返却しません。 ら、おかしいで。傍で見てるだけでも、首くくりとして、気が狂ったんちゃうかと思った。しもた とうなるわ。うらまんといてや。これも / ルマのことしたなあ思いながら、でも、一応、契約の■応募資格一切制限なし。ただし、作品は 商業誌禾発表の創作に限ります。 ためやねん。 話、もちだしたんや。そしたら、ほんまに嬉しそ それにしても、幸子という娘。よくもまあ、あうに笑 0 て、わてのこと、つかまえよ 0 た。なんー賞品金一封。 れだけえげつないこと言うて、別れられたな。わ・ほ、わてが頼りないいうても、悪魔の端くれでつ■掲載作品の版権は早川書房に帰属いたしま す。 ての魔法のせいもあるやろけど、本心もだいぶませ。人間なんかにつかまるわけがあらへん。とこ ざってんのとちゃうか。能なしだの、甲斐性なしろが、つかまってしもてん。 6

10. SFマガジン 1978年10月号

」 - - 三三ニ三 - 三一三 : 三三 = 三 - - 三 - 三三一 - 三 - 三 : 三 - 三三 = - 三三 - 三一 - 三 - 一 - = - 三 - 三 : - = 込旧ま、現代育、のつの亠のり , ~ 刀」一小 1 ) ← ~ 、もの して、自信をもっておすすめします。評論は面倒 編集後記 くさくて、と言うむきも、是非お読みになってく ・こさい い臨「消減の光輪」がついに最終回を迎えました。 さて、恒例のヒューゴー・ネビュラ賞特集は、 Ⅲ三十三回にわたった、千五百枚をはるかに越える今年から十月号だけとなりました。しかし、その Ⅷ大長篇です。 かわりというわけでもありませんが、安田均氏に 数年前から、の浸透と拡散ということが言詳細な解説をお願いしました。 いわれていました。読者の飛躍的な増加とともに、 十月号のラスト・ 冫かかっている現 叩そう言われる機会も多くなってきたようです。そ在、同時に臨時増刊号の準備も進行中です。ファ ーして、プームがやってきました。このプーム ンタジーからハ 1 ドまで、さまざまなタイプをと のおかげで、たしかにはいちはやくマスコミ りそろえてあります。御期待ください。 ( 今 ) 凵の寵児になり、オモチャからゲーム、ファッショ■早朝。東京へ向う新幹線の車中。読者の皆様よ ⅱンにまで影響を及・ほしたわけです。しかし、最近り一足早く大長篇「消滅の光輪」を読了。爽快な のプームの中核となっている「スター・ウォ読後感に浸っていました。が、ふと原稿を頂いた ーズ」にしても、根本にあるのは決して現代ときの情景を思い出して、しゅんとしてしまった ーの最新の成果とはいえません。もちろん、私自身のです。二年九カ月にわたる連載。その最後の原 なんのかんのと言いながら、嬉々として映画稿を抱えて、改札ロ越しに拝見した眉村氏のご様 を見るわけですが、にとって過去の財産であ子は、旅立っ我が子を見送る父親のように淋しげ ーることは明らかです。 でした。そして無慈悲な編集者は、気づかわしげ 実際、というのは現代性を売り物にしなが な目差しを振り払うようにして、そそくさと立ち いら、内容的にはひどく保守的ではないかという批去ったというわけでした。ーー常に全力を傾注し 判が、プームをきっかけとしたアンチ発て近来にない大河連載を終えられた氏に、心から 言にみられます。一九三〇年代を中心に栄えたスの敬意を表したいと思います。 ( 池 ) ペース・オペラから映画をつくれば、それも当然ー『アルジャーノンに花束を』が好調な売行きと 社すぎるほど当然でしよう。 のこと。感動して読んだこともあって喜びもひと しかし、のコアともいうべき作品はつねにしお。「人生」を感じる作品がやはり必要なんだ マガジン一九七八年十月号 ( 第十九巻十 生みだされ、つねに新しい世界を切り拓く努力はとの思いあらたです。 ( 松 ) 号 ) 昭和五三年十月一日印刷発行発行所東京 Ⅷ忘れられていません。 ・ストーリイ⑩いろいろな場面がコマ都千代田区神田多町二の二郵皿早川書房 眉村氏の「消減の光輪」は、そうしたへの 落としのように次々と過ぎていった。それは私東京 ( 二五四 ) 一五五一 ( 代 ) 発行人早 扉執念のひとつの現れではないでしようか。 川清編集人早川浩印刷所誠友印刷株式会社 の記憶が甦った過去ではなかった。 今月号に掲載しましたカルロ・。ハゲッティの評 アメリカ S F の新星 160 枚 ジョン・ヴァーリイ 「残像」 新鋭競作 「続・反在士の鏡」 川又千秋 「清太郎出初目式」 梶尾真治 田中文雄 「窓のない家」 牧村高雄 リーダーズ・ストーリイ出身の新人登場 ジェイン・ヨーレン 匡珠玉のファンタジイ 好評連載 「宝石泥棒」第 11 回 山田正紀 「宇宙叙事詩」 光瀬龍十萩尾望都 「日本 SF こてん古典」「私を SF に狂わせた画描きたち」「スターシッフ。・ ライプラリー」「ファンジン・ア・ラ・カルト」ほか読物満載 ! 次号予告 1 9 7 8 年 11 月号 232