てはきみの世界である»-«・ 3 をも破壊してしまうからだ。きみ「・ 3 こ ーいたアキャマ参謀は、精神病院で亡くなられたと聞い は、われわれの地球のみならず、きみの地球そのものをも救ってくていますがね」 れたわけた」 参謀はしぶい顔をして、話を続けた。 ・ほくは疑問をお・ほえて尋ねた。 「ワー。フ航法にもどるが、問題は、ワープしてどこに出現するか 「が亡命を承知したらの場合ですが : : : 亡命できるような相手国が、それそれのコースを最初に飛ぶ場合、まったくわからないこと があるといわれるのですか ? 」 なんだ。ところが宇宙海賊は、その危険を一回だけおかしてみた。 そんなに遠くへ出現するつもりはなしにた : : : そして、出現したの 参謀はうなすいた。 がアンドロメダ星雲中にあるここの太陽と同型の恒星の近くであ 「この地球上にはよ、・、 : これまでの情報によると、アンドロメ り、その恒星系になんとも奇妙な″浮かぶ群島惑星″を発見したん ダ星雲中にある″浮かぶ群島惑星″が、その候補地だな : : : 」 「アンドロメダ星雲 ? この銀河系宇宙内に於てさえも、知性を持だな。その惑星の詳細については、あとで情報士官に説明させる : ・ : 主要な点だけをいうと、まったく物理的には考えられんことだ、 った生命のいる恒星系を発見した実績はまだまだ少ないというの に、アンドロメダ星雲に亡命するというのは、どういう意味なんで平べったいせんべい状に海洋が広がり、そこに島がいくつも浮いて いる。だから、ま横から見ると長い棒に見え、ま上から見ると、巨 「秘密、秘密で馬鹿げているように思われるかもしれないが : : : 短大な円盤に見えるらしいんだ」 く説明すると、フジオ・イシハラ博士の大発明・大発見によって、 夢物語と思われていた″ワープ航法″なるものが実現できるとわか った。五年前のことた。この実験はどのような危険がともなうかが がその″浮かぶ群島惑星″へ逃げた場合に備えて作戦会議がお わからないので、実行はためらわれていた。ところが秘密は洩れるこなわれたが、艦隊はおろか大きな軍艦を使っての行動も、まず不 ために存在するようなもので、宇宙海賊ニ ミツツの一党がそれを盗可能と考えられた。作戦行動を開始する前にはできる限りの情報を み、実験をおこなった。これもが裏にいたんだな」 集めなければいけないが、その惑星以外にはまったくわかっていな 「ワープ航法ねえ : : : それにイシハラさんが、それを。さすがあい し、その惑星のこともそう詳しくはわかっていないのだ。もしア ンドロメダ恒星系に、あるいはアンドロメダ星雲全体にわたる連邦 「ほう、同名のかたが・ 3 におられるらしいな。ここにいるき政府のようなものがあるとすれば、まず外交関係を結び、それから みと同姓同名の男は、どうしようもない馬鹿で大酒飲みだがね」 交渉を始めるべきだが、それにはに先まわりされる恐れがある。 と、 いってアキャマ参謀はにやりと笑った。 そうかといって、艦隊といわないまでも、この巨大な戦艦ヤマトが ・ほくもにやりと笑っていいかえした。 乗りこんでいったりすれば、それこそ大宇宙戦争が始まる恐れがあ 8 3
のも、トパーズシティのダウンタウンた。 「さて : : : 」頃合いを見はからって、アラベルは言った。「そろそ ラメールは独立した惑星国家ではない。地球連邦の委任統治領と ろ始めませんか ? 」 いうことになっている。一応、自治権を持ち、行政府もあるが、議 「いーわよ」 会はなく、むろんそれに付随する立法権も与えられてはいない。い あたしはうなずいた。 ってみれば、半人前の国家というところだろうか 「もう、わたしの提出したレポートをお読みになられたと思います理由はラメールが、賭博の惑星として開発されたからである。公 が、念のためにわたし自身がひととおり、この事件の経過を説明い営私営を問わず、全土に設けられたカジノは、その数約五万。もぐ たします。よろしいですね : : : 」 いうまでも りの店も含めれば、軽く十万台にのってしまうだろう。 そう前置きして、アラベルはゆっくりと話しはじめた。それは、 なく、それらカジノが一年間に観光客から吸い上げるかねは、莫大 次のような内容だった。 なものになる。地球連邦は、これをラメール六に対し、連邦四の割 ことは標準暦で、今から九十四日前にさかの・ほる。 合で徴収している。連邦にとって、ラメールはドル箱なのだ。ドル その日の早朝、ここ惑星ラメールのトパーズシティ郊外に広がる箱をむざむざ手放す政府よよ、。 。オしこれはどこの惑星国家でも同じ リゾート海岸として名高いエメラルドビーチに、ひとりの男の水死だ。現在、銀河系全域には三千をこえる惑星国家が形成されている 体が打ち上げられた。 が、そのうちの二百余の国家が委任統治領としてギャイフル惑星を ラメールは、おうし座宙域に属する恒星デルリックスの第四惑星管理し、六百四十余の国家が各種の鉱業惑星を保有している。この で、一般に″大宇宙の宝石んと呼びならわされている美しい星た。 立場は、カジノがかねを生みつづけ、鉱山が貴重な鉱物を産出する 実際、暗黒の宇宙空間に浮かぶ青緑色のラメールをひと目見れば、限り、永久に変わらないことであろう。 誰もがその形容を、むしろ控え目なものと思うのである。 話が少し横道にそれてしまった。元に戻そう。浜辺に打ち上 なぜ、ラメールはこれほどに鮮烈な輝きを持つのか ? そのカギげられた水死体だ。 海にあった。ラメールには数千にの・ほる細かい島々をのそくと、 水死体は、五十五から六十歳くらいの老人だった。肩と腰に裂傷 大陸と呼べるほどの広い陸地は、たたのひとっしかないのだ。海陸があり、からだの右半分に打撲のあとがあった。人為的なものでは 比は、実に十七対一。この世にも美しいラメールの輝きは、海によない。船遊びをしていてョットから落ちたのか、それとも小型の航 って、つくりだされているのだった。 空機で不時着し、脱出に失敗したのか、類推はいろいろできたが、 そして、その唯一の大陸 , ーーポロホス大陸の西海岸に、ト。 ( ーズ いずれにせよ事故により遭難したことは、ます間違いのないところ シティはあった。人口百二十六万五千。ラメール最大の都市であだった。そして、当然のようにト。、 ーズシティ市警も、そう判断し る。あたしたちの泊まっているアルタネラ・ラメールホテルがあるた。
ーから、そのエアカーが、昨夜の騷動の主役を演じた星系警察本部理由はまだわからぬが、バムが本当に事故死したのかどうかをた 長官専用機とわかったのは、その日もタ方になってからのことであしかめ、遺留品を求めているのに違いない。その遺留品とは、当 然、あの宝石の事だろう : ・ しろぎすな : まったく危ね工ところだったが : はじめは、又八がそのモク老人を白沙へ連れてきて、なんとかく 又八は、そのおンポロ貨物船の操縦席で遠ざか 0 ていく惑星・星わしい手掛りのかけらたけでも入手してから・ーーとムックホ , ファ 涯を見つめながら心の中でつぶやいた。 は考えていた。しかし、状況がここまで緊迫してきたとなるとそう : どんな用事があったのか知らね工が、もう、この、モクとか ロケ松、コンの三人に向かって、 もならす、彼は、。ヒーター いう爺さンはなんの役にも立つまい : ロールが着地する前に。ハムを脱出させて錨地に上り、とにかく〈ク めいどのかわら ハトロール艇からさらい出した当初から、もうかなりおかしくな ロバン大王〉で〈冥土河原〉星系へ向かえと命じた。モクの口から、 ってたが、官邸で、 / ム、刀 / 。、トロール宇宙艇の墜落事故で焼死しなにか役に立つ情報が得られたら、高次空間通信系を使 0 て送るか た″と聞いたとたんから、もう完全に駄目になったのである。 らーーと彼はつけ加えた。 こんな奴は前に何度も見たことがあるが、ます、二度と回復する そんな訳で、彼らをのせた連絡宇宙艇が〈金平糖錨地〉へ上って こたアないとされている。 きたとき、錨地ではすでに緊急出港の準備作業が大車輪で進められ もう死人も同然だ : ・ ていた。煌々とした灯火の下で、彼らを乗せた連絡宇宙艇はびたり 副操縦席にベルトで縛りつけられているモク老人は、ぼんやりと と接岸した。 眼をあけたまま、身動きひとっしない : しろきすな 乞食軍団が専用錨地をもっている〈金平糖錨地〉は、白沙の軌道 よりすこし外側にある同名の小惑星群にあり、ラグランジュ点では ないが、星系内諸天体の引力が微妙にからんで形成されるよどみ点 しろきすなほしのはて 又八が、モク老人と共に、星涯市第二宇宙港から無事脱出に成功にあり、事実上、白沙、星涯双方の惑星との位置関係が不変なの しろきすな した という連絡を白沙の基地へ入れてきたのとほ・ほ同じ頃、白で、〈淡雪〉、〈小倉〉に次ぐ第三錨地として星涯船籍の船も利用 沙の衛星軌道で待機していたパトロール宇宙艇の編隊は一斉に行動していた。 を起こし、降下軌道へ進入した。 この〈金平糖錨地〉は、二百メートル前後の細長い小惑星塊を十 乞食軍団の計算儀の外插軌道は、あきらかに彼らがこの基地へ向個ほど字型に並べ、移動気密路や電力・通信ケー。フル、空気・水 かっていることを示していた。 ・蒸気パイプなどをまとめて通した共同管、さらに貨物車輛用レー のはて 第・ ほしのはて しろ ほしのはて
東銀河系の西北部ーー ほしのふるみやこ かって王政期の首星系であった〈星古都〉こんにち東銀河連邦の ほしのかわら ほしのみやこ ほしのうみ 政府が置かれている〈星京〉、そして〈星湖〉、〈星河原〉など、連 邦のおもな大星系をつなぐ主要ルートからはるかにはなれた、へん びな自治星系のひとつである。 ほしのはて 人呼んで〈星涯〉。 この時代、星系の首都の置かれている惑星はその星系名で呼称す るならわしになっていたが、この星系は、典型的な型惑 ほしのはて 星であるその星涯を主惑星として都合十二個の惑星からなってい ほしのはて た。大気をもっているのは主惑星の他にもうひとつ、星涯のすぐ内 しろきすな 側に就道をもっ比較的小さな白沙があったが、主惑星の方が豊富な 資源に恵まれ、連邦の基準で考えても中の上といったレベルの工業 しろきすな 社会を形成しているのに対して、白沙の方は、赤道地方の気温が高 過ぎるせいもあってか、鉱物資源や森林資源に恵まれているのに人 ロはごく少なく、どう見ても僻地のイメージを拭うことができない その西半球、そんな木材や鉱石の集散地であるいくつかの町、そ のどれからも百キロは確実に離れた、山裾にかかる平野の端の一本 道。 少女がひとり歩いていた。 読者の皆様へ 私はもうずいぶん前からーーよく考えてみると小学 生の頃からーーーこんな話をぜひ書いてみたいものだと 思って、主人公はこんな人物にしよう、脇役にはこん なことをやらせようと、いろいろメモをつくったりな んかしてきたのですが、いざ、書き出してみたらもう 苦しいのなんの : 予定の枚数は登場人物の紹介と状況設定だけで終っ てしまい、あとどれ位つづくのか、およそ見当もっき ません。 あまりにも書きたいことがたくさんあって、なにし ろキャプテン・フューチャー、オットー、グラッグ、 サイモン・ライトを、〈スターウルフ〉のケインやデ イルロと共に銀河辺境星区で暴れさせ、そのうちにジ ェイムスン教授やシャンプロウやミンガの処女も噛み 込んでくるーーーみたいな話なのですから、苦労もひと しおです。 なんとか : : どうぞ・ : : ・よろしく : : : おねがいしま す。 野田昌宏 8
ル等々でつなぎ合わせた、ごくささやかなものである。この字型出力の慣性駟動ニンジンを搭載している。 の根元から下へさらに四つほどの小惑星が伸びて字を形成してい て、星系軍や連邦宇宙軍専用となっているが、この部分はほとんど錨地は埠頭へ横付けとなった〈クロバン大王〉を中心にして、沸 きかえるような活気にあふれていた。 使われていない。 内湾ともいうべき字の内側には、五つほど小さな小惑星塊がた反動推進材として使われる微粒子状の氷工は、なにしろ急な話 てに浮いており、これを境標として錨地内における船舶の航進を時で満タン二〇〇〇トンの手配はつかず、とりあえず五〇〇トンを搭 載し終ったところ。 計回りに規制していた。 〈星海企業〉の専用錨地は、左 2 番と呼ばれる一三〇メートルの細補給品の方は、生鮮食料・飲料水など、〈外洋サービス〉をさっ きからせッつきッばなしにせッついて、間もなくはしけがやってく 長い小惑星を割り当てられている。 錨地ーー・とはいっても、その巨大な岩塊の中には快適な気密構造る段取りになっていた。人工蛋白生成槽や水耕タンクは稼動度七五 区劃がいくつも作られ、事務所、整備工場、倉庫、ポンド、居住区 % で、まあ、乗員もすくないし、我慢しなければなるまい。 劃などとして機能しており、船も横付けが可能で、事実上は埠頭も気になるのは機関部だが、主機はよいとして四基ある核融合炉の 同様なのである。 方は、例のごとくすべて快調である訳もなく、三番機の出力が五 0 % 減、一番機も。ヒーク値がすこしフラついて不安だというが、今回 だいじようぶ ペイロード 一〇〇トン級、 ) 全はペイロードもゼロに近いし、ロケ松ッあんが行くんなら大丈夫、 連邦運輸公社の規格等級でいえばⅡ級 ( 中距離星間貨物宇宙船 長一〇〇メートル、地表発進型の中型貨物宇宙船〈クロバン大王〉ま、なンとかだましだまし跳んでちょうだいな・ーー・と〈星海企業〉 ヴィクト ~ ・ = ーゴーの〈ノート " ダ、 ) は、船齢こそ古いが、〈銀河乞食専用錨地の一切をとりしきってるお富婆アは、事務所の長火鉢で煙 フラッグ・シッ・フ 軍団〉の旗艦である。乾重量一〇〇〇トン、ペイロード九〇ト管の刻みを詰め替えながらケロリと言ってのけた。 アイス・ワ / ロケ松達とのつき合いの古さ、核融合エンジン整備の腕前からい ン、〈氷〉を噴射材とする反動推進エンジン、高次空間航行は消 シ / グ・エンジン 去機関とタイム・エーテル推進方式を使っている。地表発進だけけば、ほんとに五十過ぎてても不思議はないんだが、その肌のな に限定すればこれでよいのたが、乞食軍団の場合、おもに惑星・星めらかさ、おッばいの膨らみ具合からいくと、これはもう到底二五 うえ のはて 涯や他星系からの貨物を衛星軌道上の泊地や小惑星群の錨地で積みより上には見えね工というのが錨地でも基地でも定説になってい おろしたりすることが多く、こうした地表外港湾では、高温・低温る。 双方の噴射推進方式が、他船や港湾施設に損傷を与えるーー・という「それにしても婆ア、転移系統の方も、鏡効果がポイント 5 で臨界 あっち 理由で規制される場合もあり、現にこの〈金平糖錨地〉もそうなのたアひどいや、へたすると高次空間から帰ってこれね工そ」とロケ で、彼らがこの船を入手してから、港内操船用の補助機関として小松はチェックリストに眼を通しながら言った。 フルタンク アイス・ワ / 7
はしのはて んでいるバムに気がついた。 河系の辺境星域方向に対しては〈星涯〉から三跳躍点でぶつつり、 あとはもう自力航法で行くしかない。 「加速を絞れ、女客が乗ってるのを忘れてた」 そこで ビーターがレ・ハーを戻した。 めいどのかわら はしのはて 一瞬、体が浮き上るような感覚がおそった。 その〈星涯〉星系から〈冥土河原〉星系までの道のりは、かって ほしのみやこ ほしのふるみやこ の王都〈星古都〉と連邦の首星系〈星京〉を結ぶ主要航路一号線、 しろきすな 宇宙船〈クロバン大王〉は一・五の加速で惑星・白沙から離れ東銀河連邦目抜き通りの約三倍にあたる距離である。 時が時だし、事が事だから、ムックホッフアがこうと肚をくくり ていった。 さえすれば、運航経費に眼をつぶって、そのまま一気に跳べないこ 東銀河系内の諸星系を結ぶ航路は、連邦政府の運輸省宇宙航路統ともない距離ではある。 しかし、これがその、冥土河原などという不吉な名前がくつつい 制局によって設定され、その通航頻度による等級に応じて然るべき てる理由でもあるのだが、この星域には、東銀河の中心部では到底 保安管理が実施されていた。 考えられぬ程の密度で巨大な星の燃え殻が無数に浮かんでいるので 星系から星系へ つまり、光年レベルでの航行には、当然なんらかの高次空間航法ある。 それたけではない。 が使われるわけで、方式によってはひとッ跳び、それも、理論上と ないしはそれに近いーー天体の重力波が微妙に これらの暗黒 はいえ瞬間的な移動も可能なのだが、三次空間換算で跳躍距離が二 倍になれば運航経費が十倍になるというのは常識とされており、従からみあってつくるよどみ点の発生も桁違いに多く、ここに大小無 って金に糸目をつけぬ軍・官・公・金持ち以外は、星系と星系の間数の小惑星があつまって無気味な諸島をつくっている。そしてこれ らの形成する質量がまた、重力波として跳躍航行の航法計算に大き を五回とか十回とかにわけて跳躍するのが常である。 な影響を与える訳である。 連邦政府によってさだめられた〈星系間航行法〉やその運用細則 スダー・チャ この重力波というやつがまた、東銀河の中心部ならば、極めて精 により、星間宇宙船の跳躍する地点や降りる地点は、すべて星 図に指定されており、航路標識や天象情報サービスなどの航法支援密な質量点分布マップや重力波チャートが作成されているから、こ 施設が完備し、万一の際の応急修理・救援・補給が可能な小惑星スのソフトをアクセスすることによって、ほとんど自動的に航法計算 テーションも、それそれの地点から程遠からぬところにちゃんと配へ組み人れが可能である。 ところが辺境星域となればそうよ、 置されている。 おまけにその相互干渉の複雑さは桁違いときている。 ところが、そんな至れりつくせりの結構な宇宙航路も、やっと ほしのはて 〈星涯〉あたりのへんびな星系までで、それよりも北側、つまり銀そのうえ、航路統制保安部の定期掃海がされている訳でもなし、 5 8
第 4 れ 婦女暴行だろうが 近親相姦だろうが おそれぬ覚悟で ってまいります なんの こっちゃ わかりました 流刑囚は / / 、その犯罪の ランクによって五つの 惑星にふりわけ られていた 流刑星系カドミール いっからそう呼ばれる ようになったか 言金はすでにない その第三惑星 ふう
えらいことである。 「うふふ、ふはは、ははは、あはは、えへへ、ほほほ : : : 」 地球連邦宇宙軍と連合宇宙軍、それに近在の惑星国家の宇宙軍が ふたり揃っての大爆笑になった。 協力して、住民の一斉脱出が、すぐさま始められた。 「ひはは、きやはは、うほほ、はヘへ、ぶふふ : : : 」 歴史に残る大工クソダスになった。 なかなかおさまらない。 あたしたちがムギに、過酷なまでの折檻を加えたことは言うまで 「げはは、ふほほ : : : 」 もない。もっともそこはクアールのこと、三日の絶食以外のスツに そのうちにあたしは、ユリの笑い声がおかしなものに変わってい はまったくこたえた様子もなかった。ええい、くそ ! ゃなやった。 ることに気がついた。 ラメールは、その後、七か月以上にわたって全土が噴火しつづけ 「あはは、あはは、あはは、あは、あは、あは : : : 」 た。数千度のマグマが、なかなか冷えずに地上を埋めつくし、文字 うつろな一本調子の乾いた笑い声だ。 どおりの火の海になった。これはもう火山なんて生やさしいもので ふと、目と目が合った。 はなく、火球である。直径一万キロの火球だ。 笑い声が、熄んだ。 ″大宇宙の宝石″と謳われ、″銀河系の至宝″と呼ばれた美しい惑 結局、気も狂えないのた。 星は、さほどの時を経すに、煮えたぎる溶鉱炉の惑星と化したので 「アラベルに ! 」 ある。 あたしは叫んだ。 幸いにも、あたしたちの機転で、脱出計画が比較的早く組まれ、 「宇宙軍が先よ ! 」 死者は全土でわずかに三千六百二十一人ですんだ。 ュリも叫んだ。 しかし、この降って湧いたような災害で、約七億二千万人の住民 大あわてで、アラ・ヘルと宇宙軍に連絡をとった。 が帰るべき故郷を失った。かれらは、いすこかへとさすらっていく ラメールはもう、ためなのた。助からないのだ。 この惑星は スペース・スマッシャーは、地殻に対して制限を設けられないで作流浪の民となったのた。 マリーネをはじめとする辺境星団の各惑星は、これら難民のおよ ールの全土に撒き散らしたのである。 動し、例の共鳴波をラメ その帰結は、言うまでもなかろう。惑星の地殼崩壊、マグマ層のそ二十パーセントを受け入れてくれたという : ・ 活発化である。打てる手はただひとつ、惑星全土の住民を、たたち エンゼル〉の に他星へ避難させることだけだ。ためしに〈ラブリー 作中において、クアールに関しましては、・・ヴァン・ コンビュータで計算したところ、標準時間で、千時間以内に避難が ヴォクト作『宇宙船ビーグル号』を参考にいたしました。 完了しなければ、相当の被害が予想されるという答が弾き出されて 作者。 6 きた。
る。 規模の宇宙戦争がおこるか予想もっかないのだ。 それに平行して、なおもの全経歴に関する調査が続けられてお 参謀のひとりはいった。 「こちらは、進入してゆく宙域でどのような攻撃に出会うか見当もり、の幼時体験に地震で地下室に閉じこめられたことがあるから つかないのに、はこちらの宇宙艦隊のみならず、全地球連邦軍のか、まっ暗になることを異常に恐れ、眠るときも明かりをつけたま まにしていることがわかった。 装備を、研究中のものもふくめて知っているのですからな : : : 」 「ひとり情報部員を忍びこませてはあるが : : : 」 トーゴー元帥はぼつりとそういっこ。 「だれをです」 「閣下、緊急情報が入りました」 「いってもかまうまい、この中にもスパイがいるようでは戦いに勝参謀の声に元帥はうなずいた。 てるはずもなかろう : : : レア姫だ」 「何か ? 」 「レア姫 ? 」 「正確度未確認ですが、ただいま、アンドロメダ星雲連邦外務省の 「この地球に残っている数少ない君主制国家の姫君でね、冒険が大名で通信が人りました : : : キ】シーなる地球人の当宙域への逃亡事 好き : : : 珍しいお姫さまなので、つけられた仇名がレア姫なんだな件については、当方はいっさい関知しない。ただし、貴銀河系の宇 : ステーキの好みからではない」 宙艦隊あるいは巨大艦艇の当宙域への侵入は許可できない : アキャマ参謀の机の上で、シグナルがびかりと光った。 「自身が出したものかもしれんな。小さな艦なら、宇宙海賊で迎 「なんだね、アキャマくん ? 」 撃できるというわけか : : : もしも本物だとすれば : : : 」 ・ほくはロを出した。 「閣下の出された亡命勧告ですが、キーシーは承知しました。ただ し亡命先は明らかにせず、支援部隊を率いて逃亡。ただいま行方不「閣下、・ほくの分隊を出撃させてください。小さな船で結構です。 明となっていますが、船籍不明の貨物船が一隻さきほどワープした コーダとリコ、ほか八人の女性の弔い合戦です」 報告が入りました。確率八十。 ( 1 セント以上で、アンドロメダ、浮元帥は首をふった。 かぶ群島惑星と思われます」 「その申し出はマルカム・ X からもあった」 トーゴー元帥はうなすき、最初の命令を発した。 「 X は生きていましたか ! 」 「第一警戒態勢に入れ」 「・フンガ・プンガ島で、わが情報部が保護したんだ。ならいいの 太陽から冥王星までを半径とした球の表面、その全体にわたってだが、戦闘訓練ができておらん。きみがわが地球の人間ならいい 百隻の電波望遠鏡艦が展開するのだ。がその惑星あるいは恒星系が、・ 3 出身のきみにそこまで危険なことは頼めんからな」 ・ほくは首をふった。 ・星団系とどこまで友好関係を結んでいるかによって、どれほどの 30 ー
つかない。手荷物は何も持っていないようだが、・ へつに言う事も思した。 いっかす、駅長は老人に向かってお座なりに言った。 「訓練風景はもちろん村の皆さんに見ていただきますよ」 「お発ちで ? 」 「それはたのしみですな」 「いえいえ、相棒が着きますもんでな、ホッホウ ! 迎えにやって駅長は本当にたのしみだなーーと心の中でつぶやいた。 きました」 やがて上り列車が進入してきた。 「今度の下りですな」 銀色に塗装された円筒形に近い二十両編成の客車は自動的に扉を 「左様、左様、ホッホウ ! しかし、この空の青さ ! 星涯という開いたが、降りたのはほんの五、六人。 のは結構な惑星ですなあ」 小さなスーツケースをさげた又八の姿はすぐにわかった。 「御商売で 「ハインツ ! 」和尚はとんでもない声をあげた。「待っとったそ、 「ええ、まあ、商売と申しますかな」老人は陽気に言った。「曲馬ホッホウ ! 」 団をやっとりましてな」 ハインツと呼ばれて又八はちょっととまどったようだったが、す 「曲馬団 ? 」駅長はけげんな顔をした。 ぐにギンギラな和尚の姿に気がっき、ニャリと笑いながら大股で近 づいてきた。 「左様、わたしはハインケル東銀河曲馬団の支配人でして : : : ホッ ホウ ! 」 和尚はオー ーに又八と握手をかわし、駅長に向かって銀色のシ 「はア・ ルクハットをちょいとさしあげ、につこり挨拶してから改札ロの方 「まア、まア、おたのしみ、そのうちにいし 、ものを見せて進ぜますへ歩きだした。 よ」老人はオー ーに片目をつむって見せた。「その節は、特別に 「ひといき入れる間もなしに、御苦労だのう」 御招待いたしましよう」 「まったくだぜ」又八はくすぐったそうな顔をした。 「こんな小さな村でやるんですか ? 」駅長は狐につままれたような つい先日、完全な痴呆状態となってしまった謎の老人モク共々、 ほしのはて 顔をした。 星涯市の第二宇宙港から鮮やかな脱出をやってのけた又八は、打ち ランデヴー 「興行を打っーーと申しますと、いささか誤解が生しますが、この合せ通りに小惑星〈弘安〉で迎えにきたジミーと会合し、乗ってき 鳥の木村の静かな環境をお借りして、団員の訓練をやらせていただた買いとったばかりのポロ宇宙船はそこに乗り捨てて、ジミーの連 しろきすな こうかと考えましてね。 絡宇宙艇に乗り替えて無事に惑星・白沙の基地へ帰投したのだっ 村長さんも大いにのって下さいましてね」 「なるほど」 もちろんその前から、星涯市の〈星海企業〉出張所は、甚七の指 駅長は、これでこのへんな老人の正体がわかったーーという顔を図によって買取り契約が終ったばかりの貨物宇宙船を何者かに乗り ほしのはて ほしのはて 0 9