ー ) てその 文明の死滅には、ひとっとして同し形のものはない。 原因について想像することも困難だ。 徐々に、 だが確実にやって来る気候の変化。その変化の阜さと、 ( グ . 生物の機能の適応との徴妙なすれ。社会の変化が自然にもたらす影 響とその不可逆性。そして戦争と、極めて稀なことだが、他大体の 生物の侵入と破壊。さらに、文明それ自体破滅を指向していた ~ としか思えない原因不明の袞弱と死。そのまか、何とも説明のつか それらを、ひとつにしめくくることのできる方程式はない フセウの報告より に厚セでい組物中 補いウ七あ頭はをに円 の のの力しにも脳部 生物装よよ離のに丈がっ 物ー体置 . うみれモ収ご夫でて円 はを→ながた、デめなきい筒 が 収外えサ . ルら金をた型、 うそ・め皮・つゲ - でれ属二白の 、たれてを一てイあたの本骨胴 も よい持「ぎラろ電外のと体 。系と製がと基持 、だ ろ軽ぞかで思置そ、・本 快 = のれ出わはの体的た か、 0 重、ら、会れ、、代をにそ - ? = →あいはった頭サ、支。同の 体、た。蓋をえし物 を外骨しる形体 内い本 ( 第形 ぐ 作、、、めでの、占 ~ ' を。 ~ かロ ら , 。、にで姿めろ内どッ れ ー。きがてう部思、カ て、体た 内分フた円骨たの た
たが、どうやらそれは間違いだったらしい」 「スニが話してくれるわ ! 」 レムスは嬉しさで頬を染めた。グインはカギをとり出してつぎつ 「いいから隠れていろ、じやじゃ馬姫どの」 ぎにあてがってみていた。 グインは吠えた。 「これだ」 「くそーーセムどもは火をつけながら上ってくる。奴らはサルの親 唸るように声をたててカギをさしこむ。一枚岩の扉がゆっくりと戚だからな、城壁をつたってでもおりられるだろうが、俺たちは、 ひらくなり、中からリンダがとび出してきた。 ここでむし焼きになるかそれともーー来た ! 」 「おお、レムス ! 」 セムの一群がついに、塔のてつべんまでかけの・ほってきたのだ。 「リンダ、リンダ ! 」 スニは前へ出て仲間を迎えようとした。 : カーー先頭の数人を見た 一卵性双生児であるこのパロの真珠たちにとって、最も耐えがたとたんに、キーツという金切声をたててグインたちのうしろへとび こんでしまった。 いことはすなわちひきはなされていることたったのだ。リンダとレ ムスはやにわにひしと抱きあい、二度と何ものにもひきはなされま「どーーーどうしたのよ、ス = ! 」 いというかのように、何度も何度も腕に力をこめて接吻しあい、互 スニは早ロでまくしたてる。 いを涙にぬれた目で見つめあった。グインはその間に目を光らせて「どうしたというの ! 仲間が助けにきたのよーーー話をして、わた 室の中へふみこんだ。 したちは味方たといって ! 」 「ヒィー ! 」 「ムダだ。このセム人の娘は、あいつらは自分たちラク族の仲間で たちまち甲高い悲鳴がおこる。リンダはレムスをおしやって室にはない、敵対するカロイ族のやつらだと云っている」 とびこみ、グインのふりかざした剣を両手で制止した。 「グイン ! 」 「ちがうの、ちがうのよ、スニよ、 。いい子なの、あたしたち友達な リンダは一瞬おどろきに、そのことばの重大ささえも感じとれず のよ、だめ ! 」 口に手をあてた。 「友達だと ? 」 「グイン、あなたセム語をわかるのね ! 」 「ス = は癩伯爵につかま 0 たのよ。あのセム人たちはス = を助け出「うむ、どうもそのようだな。ところで、これでたぶんわれわれの しに来たのだわ。ス = がぶじだとわかればかれらも、わたしたちの運もここまでたそ。その娘がいても役に立たず、下からはセムの大 生命まではとろうともしないのにちがいないわ」 軍とすべてを焼きつくす火、そしてモンゴール軍は全減ーーという 「そいつはどうかな」 ことは : : : 」 グインは吠えるように云った。 「グイン、危い ! 」 「子供たち、うしろにさがっていろ。奴らがの・ほって来る」 いきなり射かけられた矢をグインは間一髪で払いとばし、 246
ARTüST ① 安田切 A LA CA りこしだてっジ多こ 憧 にもだ分思たで れ S なまはの、と様れ七 なの。野う七、 いでじが最も化は〇 F るでも全六〇何 の語め現近、す S 年 との かはち体人年が でるてわは現なれ F 代 ぃ魅 もなろのを代言 ワリス・フォスは 、にいれイ況わばでは うカ 知いん流選のい そはるてラはち、も多 ク ) ク ) * れかこれび S た 70 年代 SF アートに つ れこよ、スそ、当例様 がひ なられをだ F い はのう S トん S 然外化 、は理しアの 確 つ 。結ど解て一か 今小な F ・な F こでの 大影響を及ばした 実 回さとアフ・生アれは時 に そ果こし、トと ーツやーをな代 はなこ のとにてその言 恐るべき画描きだ。 あ置 省欄ろトクさト包いと 節しもものなえ る大 略でがのだしもん はて公らアかば さはあ方のい多でそわ ・か認おーか オよ せスるがイも様いしれ し、も 勘たさうチらそ うの てべの小ラの化るてる 弁よれとス、の も一だ説スですパ、け 願ったいトこ多 らスがをトはるツ中れ た対 おたようをれ様 うが、侵雑な。ケ身ど とす うもうわ核は化 。足そ略誌くも一が 。のなけにとし える 空とをが彼七すも球 味に眩トやでメラば をし見ほの〇だぎ、を わこと暈、は一 われこにのたなジク小 飛たたと絵年がなそ手 せまろ襲挿といにの説 ん馬だんはに 、かれ玉 で鹿けど、ひこ てでがわ絵えか満に つはに 、れなばもち都し く いででだ べとこたあと れあ S たんイして市て るか充っーりでのくっ るま F よかアれいとも ! い分たパのでまて 宇わが一異とあでい もりのうをンなる星ア い宙か く才いる質る のそイな見・いしシ はうラ気てミけ、なモ や船るそツがよ イ な言ス分いラれ絵どフ 、がものクイい 冫缸ラ こ煙の異のギよ かっトにる一どのはの を・ス うをだ様表リ本 ったでなとのピほい 欠ト た感はっ何ラうか銀 いモっさ紙ス題 いが 。覚不てとゴネもに河 たあ っクたはににこ たを思くも一一こも帝 たモ。ひ使現人 説クズとわわる とリ議る言メジれそ国 モた 明吐ン眼れれ えアな。えンのはん チと でいグそるる一 なガ作 S なや ャし 21st Century Foss/Dragon's Dream はてリれの。九 地にといス品 F イク にて 目 S の調ろ響・イ若だけパかかウりトこ手ク倣る形形あ細たに不方た流不 こ格もは線正 す F でだといをアラ干イら一現つい当個、そのは者よこを状る部 べアきつに 。受レス低ギれ・在た宀時性ジ、絵パがうのと 。をリ彼れ好なず型確 ほ缶は的ムアでン続にフ。缶そ明アはがにくのでの き一事たか けグトいリるリこ たザをよスくアのど船みな・ン埋サ出なオて船れ瞭リこク空巨宇実そ 現トでイく 象界あギ 。ともにテれリに大宙にし 点ン見うにらリーだばん画バガめーしるス だにりリク がダるだくいズ派 の い、描ィまス浮で船スり 。かな風ースら ろ影、スリ う従くので・んあがマを 出ーと。ら一ムは りとにン . れプーイ絵 、来こあのフでり、一免 う響イのス てと、たべ般と / をに変ズマてッ時ギは 。をギ S ・ ょにとる S ォい、全トれ きいデだる化もイ 描かわとッいクはリた 与リ F フ くくついキたスイスち りなで巨 F スるし体にな てつイ、としい 視い見大イののかを宇い えスアオ おたー最アてう一 の異てっーくをギのま 覚グ事さラ登だもよ宙 りアン近メい で様きたやら中リ S ち ての一ス 。信く空っ 、一・のリる派リ 全なてとーい心ス F 圧 にロにス場 いみトの るな界出 じ眺間ま 然形いこアでにのア倒 なチェアカがとア アテ成とトだ 区をるろイあほペー的 とらで現 ッスしいがっ らめをり かスリメで、いリ 別しがはムるとートな いずはは れわ疾 なトスリのそうズ ヒ。ク遂う見た う、近、 なた駆従 かにやカ熱れ名ム がた、各・。んパ界人 ーなげ概逃 点世年や いすし来 お少ボの狂で称 っ馬デ々ホいどーに気 ル非た念し要 で界最や もし一 S 度もがス ほとてな か鹿ビかワま す流のをてす くはを 注の大低 し影ル F はまっー なでユなイでのツ模得 る線で、いる ど途いら 8 2 ド CENTURY 2
わけでもない。 ・ほくはーー・まだ肌にメラニンの満ちているぼくは、漂白された偏 一方、 ( ム・タムジの死体は彼の仲間に届けるため除いておかれ屈者や黒い顔の子供たちでいつばいの地表人になるのか ? た。ニ = ミサンの地表人が残る乗客のリーダ 1 となり、彼らはヌル それよりは、ジャンガウル号で最高のマストへと登り、空気嚢発 ンデア船長の逮捕下で船室に閉じこめられていた。 生器を甲板へと投げすてて、自らをカの及ぶ限り深い宇宙空間へと そして、生きのびた・ほくたちはイルカラでの激しいジグザグ走行投げ出すほうを選びたい。 に備えはじめた。この旅での最も困難で危険な場所、三重変光星近理論的には、非常に筋力の強い船員なら、船の重力の鎖をうち破 辺だ。手不足で、ヌルンデアは利用できるあらゆる人員を使った。 り、宇宙へ跳び出せることが可能だという。もっとも、これまでそ ・ほくの裁判は旅の終りまで持ちこされた。その間は、任務を果たさんなことをしたものはだれもいない。スカイ・ヒーローなら、そん ねばならない。・ほくは船隊で最高の索具係の一人なのだー なきちがいじみた行為はしないだろう。 そして、その後は、その後は : だが・ほくは、自分の傷ついた脚をたんねんに治療している。大し ぼく、アランダ族のジリツは、乗客を殺してしまったのだ。それた傷ではないが、いつも清潔にし、当番のときにはつねにその筋肉 も、この両手を使って。 の状態がよいかどうか試している。・フラルク港に着くまでには、こ 相手は殺人者であり、武器を持ち、もしぼくから逃れたら、もつの傷は完全に癒っていることだろう。 とスカイ・ヒーローを殺していただろう、などという点もここでは まだこんなに若いのに地表人になるって ? 乗客を殺したスカイ 考慮されない。 ・ヒーローだって ? もう最愛の女が夢幻時界へと去ってしまった きっと刑罰を受けることはないと思う。だが同時にきっと、二度男だって ? とスカイ・ヒーローとしての航海はさせてもらえないだろう。 ジャンガウル号で最高のマストの頂上の帆桁に立っと、足もとに 罐詰肉たちは恥入りながら目的地へと運ばれていく。ぼくたちは星風をはらむ光の帆が感じられる。頭上には漆黒の闇と無数の輝点 ・アラバマを巡るコーレイ港で彼らを降し、その処遇につい が拡がり、他の光子帆船が宇宙のどこかへ囁くように静かに滑り出 ては不面目なまま立ち去らざるを得ないだろう。そこの地表人たちして行くのが見える。果して・ほくはマストを降り、港へ戻り、連絡 が彼らの処遇については決めるからだ。 艇に乗って、ユラコシの地表へと還るべきなのだろうか ? そして、ユラコシに着いたら ? ぼくは陸に上げられるだろう。 非常に力の強い船乗りは、船の重力を断ち切って、宇宙の深淵へ ・フラルク港〈送られ、 = ラ = シの地表〈と連絡艇で降される。そこと永遠に族だっことができるという。そのとき、き 0 と彼は夢幻時 で、かわいそうなプン・フラーマを見つけ出して、彼女にウルワイド界へと還るにちがいないのだ。 とミラレジの最期を告げねばならない。 で、それから ? 208
トーラス、辺境、ヴァラキア、遠いクムまで、ありとあらゆるなましみ、いまにも外れんばかりだった。 牢番は辺境なまりのガラガラ声でちょっと待てと怒鳴った。 りの声が、のどもかれよと叫びつづけた。 その声は、暗い廊下に佝僂の牢番が、のたりのたりと、しかし彼「いま、出してやっから、ドアからはなれてるだ」 としてはできる限り急いで姿をみせるに及んですさまじいまでに大「牢から出しても、あのくされ城主のところへつれてゆく気なら、 ここでサルどもに頭を叩き割られた方がマシだ ! 」 きくなった。 豹人はその頭のつくりのために、くぐもってきこえる大声で怒鳴 「カギをあけてくれ。ここを出してくれ ! 」 牢番が歩いてゆくたびにその階のなかで悲鳴のような哀願の合唱 「それよりも俺の大剣を返せ ! 俺にも、あの / スフェラスの前人 がおこる。 それへ、いちいち、牢番は戸をカギ束でどやしつけて怒鳴った。類どもと戦う権利をくれ」 「駄目だ。駄目だ。でかい声、出すでねえ、やかましい。伯爵さま「そんなことは云われてねえ」 から囚人をおっ放していいなんどいうご命令は出ておらんでな。出佝僂の牢番は頑固だった。彼はちょこちょことかけよって重い鉄 の輪で腰につるしたカギたばでドアをあけたが、いそいでうしろに してやるわけにやいかねえ」 「だがこのままではみすみすセムのいけにえだ ! そんな悠長なこさが「た。グインが咆哮をあげて、とびだしてこようとしたから とを云っている場合か ! 」 「待て ! これが目に入らぬか ! 」 「とにかく、あけろ ! 」 牢番がそのうしろに逃げこむと黒騎士たちがすばやく前に出た。 「ならねえ。出して、黒い塔にうっせちゅう命令もらったのは、。 ( その手にはそれそれ大槍が握られ、その穂先は豹人ののどや胸にふ ロの子どもと豹あたまのばけもんたけだ。ならねえ、ならねえ」 口々の、狂ったような罵声や哀願にもかまわず、数人の騎士を従れんばかりだった。グインはおどすようにうなり声をあげ、パロの えた牢番は、そのまま多くの扉の前を通りぬけて、グインたちをと王子はそのたくましい腰にすが「てかれらを説得しようとこころみ こ 0 じこめてある室まできた。 「このさわぎが耳に入らないのか。グインならひとりで黒騎士一個 ハロの聖なるアルドロス三世の遺児レムス 豹頭の戦士グインと、 王子も、他の囚人たち同様に叫びたて、戸を叩いていた。レムスは小隊ほどにもあたるはたらきをすることができるんだ。砦がセム族 狂「たように姉の名を呼びつづけ、グインはその巨大な ( ムのようの手におちてしまえば皆死ぬばかりーーグインに剣を返して ! 」 「囚人の身でそのような心配はいらぬ」 な手で扉を叩き、ゆさぶりつづけていた。扉は決して破れぬよう、 一枚石でできていたのだけれども、グインの手がゆさぶり、そのお誇らしげに騎士のひとりがこたえた。 どろくべき巨体が体あたりをかけるたびに、扉のちょうつがいはき「お前たちは伯のご命令どおり、黒い砦〈地下通路をとお「て避難 236
止していた。真中の脹れた部分は直径三百メートル位あったが、そた : : : 」 オ 1 ジュールはダリオがなぜ、花に肩入れしたか、その理由をや の中心は黒ずんで、時折りその頭脳部に、陰惨な知性を示すように っと理解したのである。 電子光が点減する。それは、プレスレット型音声器に反応していた。 〈今では : : : 奴の気持ちがわかる。君たちは、素晴しい生命 : : : 存 花は、金しばりにあったように硬直した。 オージ = ールは遠方からその巨大な機械をみとめ、自分のプレス在だ〉 レットを操作した。照準して、構えた。彼は、その機械が屠殺兵器 星のささやきが、天上の音楽となって交響した。 であることを知っていた。 ローエングリンは時が満ちたのを知り、宇宙を越える旅に備えた。 人間は減んでも、人間が造った物は生きていますから。 被告は起ちなさい。 彼は怒鳴ろうとしたが、その時、逆風であることに気がついた。 もだ 花の中の花、花の王たる王よ。汝きたりて黙したまわじ。 声がとどかない。彼は強勢形の信号に変えたテレバシーで呼ばわっ まわり はやて こ 0 火、その御前に物を焼きつくし。暴風、その四周に吹きあれん。 汝麗しきの極みなる花園より光を放ちたまえり。 〈伏セロ、花ビラ ! 俺ノ火線ニ立ツナ ! 〉 花狩人口ーエングリンに対する花刑法廷を再開する。 新星の輝き。方向の異なる二つの颱風の旋回が重なり合い、莫大天体の調和音が法廷を祝福し、その判断を称えた。ローエングリ なエネルギーとともに内側に崩潰した。二キロ射程で撃った最大出ンはゆっくりと振り向いて、運命と顔を合わせた。 力の〈渦動〉は、放散することなく一点に収束した。インプロージ 第六衛星テオレマは、今や、天球の半ばを占める厖大な光のかた ョンがおさまった時、あの巨大な紡錘体は消えていた。 間一髪伏せた花は、熱波には襲われすに、〈渦動〉が屠殺兵器をまりだった。その表面はガラスのように透きとおって、中から夢幻 分解した際の衝撃だけに、はじきとばされていた。花はよろよろと的な光がトロトロとこぼれている。草原は脱色され、白い、輝く霧 につつまれて、もう天と地の境の見分けがっかない。 起ちあがった。そして、オージュールに心の声で礼をいった。 オージュールは声を失って、光芒の中に立っローエングリンを凝 〈アリガトウ。市民・ ( ラジュデーラ。アナタハ花ノ生命プ救ワレ 視めた。ロ 1 エングリンのからだまでが、ガラスのように透明にな : アナタハ全テノ花ト、蜜ト花粉デ結・ハレル〉 オージ 1 ルは沈黙の中にたちつくした。心の中に滲みいるようってゆく。その中心に、炭火が燃える色をした、ギラギラする裸の に拡がる、広大な花の内宇宙。彼は今、ダリウスが知ったのと同じ心を、彼は感じていた。暗黒のヴェールを脱ぎさった、それがロー エングリンの真の魂だった。 世界に立っているのだ。 「不思議だな。同調しない一一人のテレバスが、危急の際に交流できやがて、衛星テオレマの中に、もうひとつの、更に巨大な炭火の 5
いや、・ほくには光子帆船が、ずっと昔地球のほんとの海を往き来それなら、あの娘はあの罐詰肉の一人と結婚したも同然だわい していた快速帆船によく似ているかどうかわからない。あるいはそ ! 」そして、こう言いながら、ウルワイドじいさんはその説教によ り、自分の肌の白さを思い出してしかめ面をしたことだろう。・ほく れが、うねり続ける潮の上に颯爽と立っ力強い大型帆船の船体や、 四角い帆を縫って塩を含んだ大気の中へ高くのびていくマストなどは彼を抱きかかえる。彼はぼくの顔を両手ではさみ、まるで黒さを を、持っているのかどうかも知らない。たぶん、船長のヌルンデア少しでも彼のメラニンの抜けた細胞に吸い込めはしないかというよ なら、こうした事について何か教えてくれるだろう。彼は歴史や法うにぼくの頬をこする。そして、ため息をついて、こうつぶやくの だ。「もうすぐ、わしは・フンプラーマといっしょになる。そして、 律、慣習などに通じているから。それとも、もっといい方法は しおまえはミラレジとともに帆船を操り、あの娘はおまえにアランダ いや、これは駄目だ。少しわれを忘れてしまった。ウルワイドじ、 さんは、もう何も答えてくれないんだ。 の血すじを伝え、おまえの後を継いで帆船を操るようになる美しい ウルワイドは行ってしまった。・ほくたちの現代風の考えからすれ息子や娘を生んでくれることじやろう」 ば、彼はたんに死んだと記されるだけだろう。ずっと昔の宗教ならそう、ウルワイドは・ほくを羨んでいた。ぼくたちは太陽の風に乗 ・ほくたちアランダ族とクナビ族は。・ほくたち数 天国のことを、あるいは再生のことをもぐもぐと告げることだろる船乗りだった う。だが、船長のヌルンデアなら : : : 彼なら、ウルワイドの運命に千人はひとつの世界を持っていて、そこコラコシには年老いて″漂 ついてまた別に何か言うべきことを持っているかもしれなしを 、。・まく白″された人々が住みつき、宇宙に向うにはまだ小さい子供たちの たちの民族の慣わしでは、ウルワイドは夢幻時界へ還ったと言うに世話をしていた。一方、他の連中、宇宙のはげしい放射線を防いで きまっているからだ。 くれるメラニンを豊富に肌に持つぼくらは、全人類から選ばれた存 ・ほくは古くからの言い伝えを尊重はしている。どんな天国や、業在となるのだ。 の車輪の作用よりも、夢幻時界のほうが信じられるといっておこ ・ほくたちほんの数千人だけが、甲板やマストで星々にほとんど無 「ジリッ」ウル う。でも、現実に信仰するつもりはほとんどない。 防備になりながら動き回り、光子帆船を操ることができた。だれも ワイドじいさんはよく言ったものだ。「おまえは、自分の祖先や民がこの能力を羨んでいた。星から星へと鉄の箱に閉じこめられて運 族の伝統というものへの敬意がまったく欠けとるな。ほんとに、おばれ、不体裁できしみそうな宇宙服を身に着けたときしか外へは出 まえとおまえのクナ。ヒ族の分身デュアはどうなることやら考えもつられない人々 : : : ・ほくたちならセーターにズボンというスタイルで かんわ、 、つこ、プン・フラーマとわしが何のためにこの綺麗なミ 出られる。片脚に止められた片手ほどの大きさの空気嚢発生器のお ラレジを育てあげたと思うんじゃーーーアランダ族のことに何の注意かげで、宇宙の深淵でもこのように生きながらえる知りうる限り唯 一の生きもの、それが・ほくたちだった。 も払わず、マレインを単なる装飾としか考えず、チュルンガもろく 母なる惑星地球の時代、・ほくたちの祖先は地理的な偶然で隔てら に読めない、怠けものの現代人に嫁がせるためか ? ームイム カルマ 3
意がこみ上げ、そのあげくに : : : 。すると自る姿が映った。カ瘤がぐっと盛り上り、満身 その男は正真正銘の不眠症だった。 然の成行きで、眠っている無抵抗の私が殺さの力を込めていることが分った。全身でもが 普通は不眠症だ不眠症だと騒いでいても、 きながら、手はますますその力を強めてい れる羽目に陥ると、こういうわけなんです」 知らぬ間に二、三時間はうつらうつらしてい るものだが、その男は入院してからの三日間「しかし君、それは妄想だろ。そうでなけれ ば、未来のしかも君が寝ている間に起こる出茫然と立ち尽していた私たちが、はっと正 というもの、完全に一睡もしていなかった。 そのために眼窩は窪み、頬はこけ、痩せ細っ来事がどうしてそんなに詳しく分るんだね」気づいた時には、首に鮮かな痣を残して、彼 「それは : : : 」男はしばらく沈黙し、やがてはすでにこと切れていた。 て危険な状態に陥っている。 きっと私を見据えて云った。「五日ほど前、 私がなんとも言えぬ気持ちで男のやせこけ 一刻も早く眠らさなければならなかった。 聞いてみると、眠気がないわけではないと私自身が前の私を殺したからです。今度は私た体を見降していると、脈のないことを確か めていた医者が突然のけそって驚愕の声を上 云う。むしろ睡眠欲は普通にあって、だからが次の私に殺される番なんです」 こりやダメだ、と私は思った。狂っているげた。「みや、脈が戻った」 眠くて仕方がないのだが、眠ると間違いなく か、もしくは狂いかけている。この妄想を治「寄蹟だ ! 」 殺されるので必死に堪えているのだそうだ。 誰ともなくそう呟き、全員の目が男の首に どうやら強烈な強迫観念におかされている療するには大変な時間がかかるたろう。今は とてもそんな余裕などなかった。 釘づけになった。みるみるうちに、青黒い痣 ようだった。その強迫観念を取り除く以外に とにかく一時的にでも眠らせることが先決がうすれていくのである。同時にーーーはつは 完全な治療法はないだろう。私は尋ねた。 つはっという苦しげな息使いが復活し、かさ だーー私は大量の睡眠薬投与、催眠術などの 「で、君はいったい誰に殺されるんだね」 かさの皮膚がしめり気を帯びてきた。体全体 「私です。私が眠っているともう一人の私が手段を弄して、彼をなんとか眠らせることに の筋肉が急速に盛り上り、落ち窪んでいた眼 成功した。 やって来て私を殺すのです」 窩が正常に戻り、蒼ざめていた頬に赤味がさ さて、何か起こるだろうか。 私が顔をしかめたのを見て、男は慌てて云 淡い期待とともに、私と同僚の医者数人はした。三十分もたたぬうちに、男は完全な健 った。「いや。気が違っているわけじゃあり ません。眠ったら本当に殺されるんです。ま彼のべッドを円環状に取り巻き、何かが起こ康体に戻り、安らかな寝息さえたて始めた。 「これはいったい、どうしたことだ」 ず、私が眠ったとたんに、もう一人の私がどるのを息をひそめて待った。 私たちは呆然とし、頭をかかえた。 と、突然、彼がびくりと体を顫わせ、思わ こからともなく出現します。この世に二人の 私が同時に存在するのは矛盾ですよね。そのぬ素早さで両手を真上に突き出した。ぐっと 翌朝、彼は晴れやかな顔つきで目醒め、病 ためかどうか、お互いにどうしても相手の存のけそる私の目に、彼が突き上げた両手をク室を見回して云った。「ここはどこですか」 「精神病院です」 在が許せない気持ちになって、むらむらと殺ロスさせ、自分の首に十本の指を食い込ませ ・今月の入選作・ 「不眠症」 岳 田 0
をふりまわし、眼を見ひらいて演説を始めていた。 いて題覚なのか」 そして一瞬沈黙し、じっと空を見あげた。 「世広のひじけは、かそよりた視債からとこきりしらすことがうみ ほれる。樹はそれをうめほらなかった。去有の述見にそらぐりまれ叫んだとき頭の中に、別の何かがうかんだと気づいたからだっ た。それをこちらの言葉でいうならば、風が吹く冬の空の下、じっ て、うみほろうという測点根がよかぎれなかったのだ。くっえたい ま、樹はそぐはりをもがめ、世広をうみほっている。なれときの中と膝をかかえてうずくまっている老いた乞食の姿なのである。 彼は、人が詩と呼ぶものの一節を思い出し、つぶやいてみた。 鋭線は、すなわち語段の快敏点だ。樹の基海法はそれにうめほれ、 世広をこそひじけさす。型相的幽象は、瞬電上にそれをたりだらし「こそなれた哀衰をさめはれて、たるかげいた糧衣をほさかけなく める」 とも、びあのれるのか : : : 」 遠くからサイレンの音が聞こえてきた。その音で彼は、頭の中に涙がじわじわとうかび、ついで玉となって頬に伝い始めた。泣き 何かがうかんできたのを知った。それは普通の言葉でいえば劫火、ながら彼は言った。 轟々と燃えさかる地獄の炎なのだった。 「平承上の世広にとどしれて、やまそれる精耳は淡枯の望仏をうち 「鬼怪の人存波は、えらぐりかけて在帰する。険魔の悔暴に有欽はてらずっている。 ない。殺火の放欲は姦食の淫耕たりえない。世広は樹のひらどりに望仏は聖貴映であり、かまそれば、ささのりしらす愛影守なの おいて、基海法にまさがる馬豚の望純、規泥の絶危なのだ。世広だ」 よ、こそひしけろ」 彼は頭をかかえ、その場にしやがみこんだ。 彼は横断歩道の端に立ち、交又点中央の事故現場と、アスファル 「基海法の闘悶乱白が、平承上の安無静緑をよこそねようと、はら トの上に横たえられている若い男の死体を指さして絶叫した。 これぐっている。裂消の断元が、こりちぐねるべくやまがらせる」 そして、人の言葉でいうならば猛烈な頭の痛みを感じて歩道上に 「賤豚群は単記公をとどまかせろ。民具伯は猛濁の聴睡をましとど まかせろ。樹は基海法によりもたがれ、魔責をはさぐる」 転がり、のたうちまわって悲鳴をあげだした。 「うわあああああっ」 大声で笑い出し、死体をさしていた指を、周囲の者全員を示すご とくぐるりと動かした。 警官が到着し、そのうちの一人が彼に近づいてきて声をかけた。 「い、い。あえあ、いつあい、おおいあおあ ? 」 「減崩の当乱は快至の宝得だ。ぐれの・ほる毒狂彩に、こそがれつづ める陰罪巻だ。凶も凶も凶も凶も」 その言葉は、彼にはこう聞こえていた。 「あああおうあいあ、あういおあ。おえおお、あああおうあいあ 救急車が到着し、若い男の死体を担架に乗せて運び始めた。彼は それを見つめ、眼をぎらぎらさせて叫んだ。 「ぐれのぼる毒狂彩にこじあかし、たまそれる点独の在出がかかめ彼は顔をあげ、頭を両手でかかえたままこたえた。 9 7
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