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1. SFマガジン 1983年1月号

さて、一般にファンクラ・フには″会寄贈を、この私がうけることになるの ファン 費″がっきものであるが、 このていどのことにおどろくような人結婚相談クラブ″にかぎっては、そんな 二〇〇組が二〇〇冊ずつ重複すると四 ものは不要である。 もいないと思うけれども、この新クラ・フ 万冊寄贈されることになる。 ″余った 不要であるが、そのかわり、 の目的というのがじつにすばらしいので 一〇年たっと四〇万冊だリ ある。 図書類″を寄贈するーーという義務すごい どのようにすばらしいのかというとー : 、結婚成立したカツ。フルに課せられる数年で図書館なみになる。 のだ。 収納場所については、その一部を古書 結婚は男にとっても女にとっても人生ふつうファンは図書やイラス店に売って、そのお金で土地を買って建 トやテー。フやその他的なものをたく物をたてればよい の墓場である。楽なものではない。 とにかく、それまでアカの他人だったさんもっている。 みんなが「ああめでたいめでたい」と 二人が、同じ屋根の下で生活するのだ。 それらのコレクションは、ファンどう一一一一口っているうちに、し 、つさい資金なしで 相互に。フライバシ ーがなくなるのだ。そしが結婚することによって重複し、余る いつのまにか膨大な図書を集めた大 であろう。二人が同じものを所有してい 図書館ができあがるのだ。 れも一生つづくのだ。 ることが多いだろうからだ。 したがって、性格がよほど整合してい もちろんこれは広く世界のファン ないと、むずかしい問題がおこる。 とくに、本格好きは本格好き、ファンのために開放される。 タジイ好きはファンタジイ好きーーーと 問題が発生しても、それがトラブルに どうですフ おめでたいアイディアでしよう ? まで拡大しない夫婦というのは、一般にの中でも同傾向の好みをもつ人どうし 価値観が一致しているほか、趣味が一致がカツ。フルになるだろうから、よけい重 ( もちろん離婚したって返却はいたしま していることが多い。 複図書などが出る筈である。 せん。なおこのアイディアは、かんべむ つまり、ファンは tn ファンと結それを会長に結婚のお礼として寄贈すさしさんが、・ほくのインデックスを買っ 婚するほうが、そうでない人と結婚するるのだ。 てくれていたほど熱心な #-q ファンの女 よりも平和な生活が送れるのである。 会長はなろんこの私である。 性と結婚したために急に蔵書が増えたと ちょっと計算してみよう。 ファン結婚相談クラブ〃というの いうばなしをもとにして考え出したも は、そのような鋭く人類愛的な問題意識仮に一年に一〇〇組のカツ。フルが結婚のです ) のもとに、ファンどうしをムリャリ するとして、その各組が一〇〇冊ずつ余 という目的をも 結婚させてしまおう ったとする。 った会なのである。 すると、一〇〇 x 一〇〇で一万冊の 0- 」 0

2. SFマガジン 1983年1月号

明。対立候補はニューヨークにフィ ン」 ( 留守宅のクリスタル夫人が印刷し ラデルフィアという強敵だが、この発送していた ) でにつとめ、こうし 8 氿南北戦争はぜひ南軍に勝ってほしい て日本ファンダムの存在が世界に知られ 気がする。ひとつには、彼女が一日ることになったのである。 人 がかりで案内してくれた近郊の戦跡その数年後、前出の トリン・フル夫妻ら の そ 公園の展示館などで、わたし自身何の発起でワールドコンに招かれ、さっそ となく当時の南部十三州に感情移入 くアル・フカーキへ表敬訪問を果たしたわ 簽ま第をい第ッ 3 ・ネ・、 ) させられてしまった、そのせいもあたしたちを、タケット夫妻は近郊の。フェ 次月るだろう。 ・フロ・インデアンの村やロスアラモスの 博物館へ案内してくれた。今年のニュー ト前・一家とメキシ「行きは従「て二度目の訪問にな ツの「」のことるわけで、本当に何もかもがなっかしか ケ宅 っこ 0 よケ ニューメキシコ州アルブカーキの年次大会「 0 z — 0 0 z 」は一 左タ ファンダムの顔役ロイ・タケット氏九六九年にアル・フカーキを訪れたドナル の人がらをひとロで表現するなら、 ド・ウォルハイム氏を、ロイをはじめ、 健全なるアメリカ市民の典型といっ最初の「ファンサイクロペディア」を出 彼女に電話したフォーリイが、「初対面たところだろうか。わたしよりひとっ年したジャック・ス。ヒア氏や、いまは故人 でも見つけるのは簡単、いちばんきれい長で、ふたりの娘さんがともにうちの娘となった大コレクターのウィリー な人をさがせばいい」と教えてくれたのたちより一歳ずつ上で、しかも一、二年フ氏など同地のがかこんで会食し も、半分は本気だったかもしれない。 ずつ早く結婚している。いわばわが家と たのを第一回としてスタートしたもの 夫君のラマー・ウォードロン氏といっ は相似形の家庭である。 で、毎年ワールドコンの一週間前の週末 しょに「ヴィジョンズ」というコミックス そしてこのロイが、ほかならぬ日本フに開かれ、世界大会へいくオ 1 ストラリ のファンジンを出しており、この七月に アンダムの「発見者」なのだ。二十一年アのファンが立ち寄るのが慣例になって 彼を委員長として同地で開催された「コ 前、岩国基地に駐留していたタケット曹いる。今年も ( 米豪交流ファン ミックス & ファンタジイ・フ = ア」は四長のお便りが本誌の「てれ。ほーと」欄に基金 ) で招かれた・ヒーター 千人をあつめる大成功をおさめた。同市載り、数人の日本人ファンがそれに答氏はじめ三人が出席、・ ( ネルやスライド は八六年のワールドコンにも立候補を表え、彼が自分のファンジン「ダイナトロ ・ショウや宿舎のウインロック・インで

3. SFマガジン 1983年1月号

) 石原博士の硎究黜@ イ 石原藤夫一・《な 文ほどではないが、比較的簡単にファンじめてファンの前に顔を出したのもこの 会である ) ジンが出せる。 おめでたいアイディア また、最近できた ( できつつある ) まあ、以上のようなことがかけ算とな ″古典研究会″というのも面白い って、ファンクラ・フの数がどんどん増え 會津信吾氏ほか数名の人たちが中心にな 日本年鑑の一九八二年版をみるているのだろう。 クアツ。フする しかし、その林立するファンクラ・フのり、横田順彌氏や私が・ハッ と、おどろくほど多くのクラ・フの名 なかで、きわめてユニークなクラ・フがど形をとることになると思うが、いずれ活 が並んでいる。 のくらいあるかというと、ざんねんなが躍を開始すればュニークで有意義なクラ じつに大変な数である。 ・フになることだろう。 もともとファンというのは三人集らそう多くはないような気がする。 ということ 私自身が興味をもっクラ・フとして比較もうひとつ、私が顧問をしているクラ まれば何かやってみよう ード研究所というのがあ 的ュニ 1 ・クなのは、大宮信光氏が中心と になる習性をもっている。 る。 また、最近の若い人たちの傾向としなっている″フ科会〃である。 て、小グルー。フで楽しなことがはやって大宮氏を筆頭にすでに何人かの人材を研究所凵 もちろんクラ・フの名称にすぎず、べっ 出している。 ( ちなみに田中光二氏や山田正紀氏がはに建物があるわけではないが ( あったら に印刷技術が進歩したので、英 物理学者は〃ジョイスみがお好き ? イラストレーション宮武一貴 1 ー 70

4. SFマガジン 1983年1月号

■今月で加藤直之氏の「竜の絃」が最終回を迎え 子フィン稜」之情 ! 薰獏 ました。物語の途中で終了した感がありますが、 なモニイ見史安載 7 編集後記 御心配なく。単行本化の際には素敵な結末を用意 本枕みシズゲ水達野満 2 発大カ物Ⅷ 栗夢谷アラ・ 申ニ一一三一三三 = 一一 = 一三 - - = 三 = - 三一三三一三 = 三一三三 = 三 = 三三一三ニ三 = 三一三一一一 = 三一ミ「亠 , 》 QA 」の一」し J 予 ) 亠 , 0 フル・カ一フーの声打・本で」目 船リ読 殿・ゼル 宙メかⅢ マガジン、今年の臨時増刊号″グイン・サ見得するまで、いましばらくお待ちください。 ク 宇アほ ーガの世界″は、おかげさまで大変好調で、買い 年々、ファンの催しは増加の一途。アメリカ 一のの」 っ均座 ザヤ・ 曲そこなう人が続出するのでは、と嬉しい心配をしのように毎日どこかで大会が開かれている、 子インラ一田講 Ⅲています。まあ、考えてみれば一人の作家で増刊という日がくるのも間近か。というわけで「今月 う安門 , も ⅶ号をまるまる作ってしまうということ自体、画期のイベント」の新設となった次第です。ま 」学 念野林原 的なことでしよう。なにしろ、再録は一切なしず、ネタが尽きることはあるまいとは思うのです ア O 奇Ⅷ 告讎矢神大 ーで、しかもコラム等は極力押さえて、ポリューム が、ファンの皆様の奪闘に期待します。 級Ⅷ の。ハランスは、一普通号よりも小説が多いくらいで ところで、先日、チャンネル肥を回すと映る某予 の初 曲すから。 テレビ番組で、可愛いいギャルに囲まれた伹和田号刑 昌」 ① Ⅲ次く ただ、毎年のことですが、増刊号をやるたびに氏を目撃。レギ = ラー司会者とのことですが、う 田ア 測編集部は戦場のようなさわぎ。終ってみれば反省らやましいと思う心は別にして、全国のファンが 号卓仁悟仁回ル デⅧ の山、ということになるのは恒例となってしまい次作を待っていることもお忘れなく、とやっかみ 2 村下兄上 第ワ 室ロⅧ ーましたが。 ( 池 ) 半分で言ってしまったのです。 眸眉森岬草 究クⅧ ところで、もう御覧になったでしようか、「新鋭■先月号、臨時増刊号、そして今月号というつけ ド一アユ 研イⅶ レ サⅧ 曲書下ろし / ヴェルズ」の広告を。もちろん、こ入る隙を与えないスケジ = ールの終焉ももう眼と ア Ⅲれは以前「書きおろしシリ ーズ」として発表鼻の先。しかしながら、この下版間近という時点 ヾン のエ 集 イや 聞されたものです。これは、日本史に新たな一で、あろうことか風邪をひいてしまい、不覚にも 家ク博Ⅷ 目宏雄 丱頁を書きくわえることのできる企画であると信じ己れの甘さを痛感させられることとなりました。 説 - 育昌文作載ッ原「 瀬田中浦・・鋭連ミ石」 回ています。ラインナップにある作家のファンの方さて、今月号、 , 難波弘之氏の「サイ・ファイ・ く光野田火新新コ「報Ⅷ ロはもちろんですが、まだ一度もこの八作家の作品セット」は、氏が小説で本誌に登場ということで を読んだことのない方も、是非読んでください。 休載となりました「コラムとは違った氏の一面を ーマガジン一九八三年一月号 ( 第一一十 回将来、界を支える作家たちの飛躍の瞬間に、 ( 田 ) お楽しみ下さい 四巻一号 ) 昭和五八年一月一日印刷発行 いまあなたは立っているのです。 ■朝晩の冷えこみに負けて、小生も先日風邪をひ 発行所東京都千代田区神田多町一一の一一郵 今月登場の難波弘之氏の作品はいかがでしたで いてしまいました。鼻声で出社した小生を待って 川早川書房東京 ( 二五一 D 三一 しよう。いわゆる芸能人の片手間とは違います。 いたのは、「寄るな、うつる」の非情な言葉、し 一 ( 代 ) ()n マガジン編集部・ダイヤルイン 圸なにしろ、安倍能成賞受賞で、日本で最初に かし、そこは根が奥ゆかしい小生、しつかりと諸 東京 ( 二五一 l) 三一一七発行人早川清 で文学賞を受けた氏の作品です。充分にお楽しみ先輩方にお裾分けをしてしまい、次の週にはあち 編集人今岡清印刷所誠友印刷株式会社 国いただけたことと思います。 ( 今 ) こちで、ゴホンゴホンという音が : ( 加 ) ド三三一三一一三三子三三一三一一一三三三一一 - 三一三一三三ニ三一三一一三三 = 三 = ミ三 = 三三 = ミ「

5. SFマガジン 1983年1月号

アッション、モデル、つまりマスコミや流行産業じたいが、病気に的にではなく、もっと直観的、動物的な憧れの対象らしいのだ。 冒されているんですよ。古いことを言うようですけど、この世界に 宣伝マンにしてはやけに知的な大里の口から生霊だの怨念だのと はとてつもない毒が潜んでいます。夢破れ果て、名声も地位も財カ いう単語が飛び出してくると、なんとなく似つかわしくない。 よそ も得られなかった歌手やタレントやスタッフや作曲家、弱小。フロの 「あの男なんですがね。他所でも不可解な現われ方や消え方をして 怨念が渦巻いています。昔売れていたが、今はおちぶれているなんるんですよ。密閉したスタジオの・フースで歌入れをしていたら音も ていうのは、まだましなんです。売れたくても売れなかった芸能なく隣に立っていてギョッとしたとかーー・・、本人は当然ヘッドフォ 人、浮かびあがろうとしてもとうとう浮上できなかった。フロダクシ ンをして歌っていたわけです。陶酔して目をつむってて気づかなか ョン、一度も脚光を浴びることなく消えていった作曲家、大学を出ったようですが、スタジオの守衛さんもあの男がいっ通ったのか不 て十年間もタレントの付人をやらされて放り出された社員。数えき思議がっていた、というんです。ここではなんと新人の作曲家に化 れないくらいの悲劇があります。でも、本当は誰の責任でもないんけていました。ご丁寧に忘れ物までしてったそうですよ。アシスタ です。こういう職種を選んだからにはそのくらいの危険負担は覚悟ントが気がついてすぐ追いかけ、ちょうどエレベーターの扉が閉ま してないと。でも、そんなにできている人間ばかりはいないものでりかかったところをボタン押して開けて、忘れ物ですよ、と言おう す。やつばり、成功しなきや愚痴の一つも出る。騙され蹴落とされとしたら、もぬけの殻。誰もいなかったそうです」 れば恨みも抱く。人が出世すれば嫉妬もする」 「お化けだっておっしやるんですか、そんな馬鹿な」 大里の講釈は延々と続いたが、不快ではなかった。にもかかわら「たとえば、ですけどね、難波さん」 ず、妙な胸騒ぎは続いていた。 と、大里は一呼吸してから言った。 「突飛な話なんですがね : : : 」 「あまりにも強いエネルギーを持っているために現実社会に干渉し と大里は突然、きまり悪そうな表情をした。 てきて痕跡を残してしまう幽霊、という仮説は、どうですか ? 」 「難波さんに、生霊は存在すると思いますか、なんて尋いたら馬鹿大里の顔は真剣そのものだ。 にされるだろうなあ」 そういえば、歌手の大高真利子にホテル、で生霊に襲われた話を聞 「生霊 ? 」 いたことがある。彼女にはちょっと危険な悪魔つぼい雰囲気があ 。 : ージシャンをはじめ、音楽業界人はなぜかみなやオカる。それに誘われてか、異常な男のファンが多いのは事実だ。 ルトがお好きた。そういう話をすることによって、日頃の悪業が浄しかし、まっ昼間ホテルの自室の壁からファンの男の生霊が飛び 化されると思い込んでいるのではないか、と思えるほどだ。ドラッ 出してきて真利子を襲ったなんていう話は到底信じられなかった。 グや宗教に凝るのと根は同じような気がする。ファンや、幻想その後、そのファンの男は思いつめた揚句自殺している。何も死 6 文学の読者が宇宙や神秘学に抱く興味とは明らかに違う。決して知ぬこたあないだろうにと思うのは、異常なファン心理を知らない人

6. SFマガジン 1983年1月号

中の九十。 ( ーセントはコミックスのファ のそのまた裏話の 日 ンだといっていた」「それは事実とちが たぐいをいくつか 月 う」といった押し問答の一幕もあった。 聞かせてもらっ お茶のひと区切りに書庫を見せてもら た。フォーリイ顔 て ったが、その一画を近松ものや川端・ 負けの冗談好き 書 島作品などの英訳二、三十冊が占めてい で、車のナンパー もフォーリイと同 たのにはちょっと驚かされた。訳題をみ 史 て内容をいうと、「よく知ってるのね」 ン とあべこべにほめられてしまった。写真 ノ こころよく撮影を ぎらいで有名なのに、 許してくれたのも、嬉しい驚きだった。 「アメリカの外からたずねてくれたのは ン 女史のことー ア あなたがたが最初です。折があったらま ホー・フ・サウンドからオランドーまで日光の眠り猫の額もあった。生きた猫がた寄ってください」暇を告げたとき、ノ ートン女史はわたしたちにそういってく は車で約四時間。お茶どきに二時間ほど六匹ーー・こちらはかなり騒々しくかけま お邪魔しただけだが、そもそも会えたのわっていた。 はカイル夫妻がいっしょだったおかげで着くとすぐカイル夫人と女同士のおし ある。しかし、ひとり暮らしの気むずかやべり。彼女がつくっているノートン作 のほうで触れたパヴレット夫要のこ しい老婦人という先入観は、会うと同時品のインデックスに関する質疑からは にあっさりくずれた。伝えられる年齢よじまって、やがて南北戦争時代の裏面史と、八四年大会の立役者である りずっと若くみえるし、身ぎれいで美人の話などーーーふたりともまるで自分で見のプルース・ベルツ氏やミルトン・ス で、とても印象のいい人なのだ。家の内てきたような口ぶりに聞こえたが、これティーヴンス氏のこと、日本製アニメ・ パッテン氏のこ 外もきれいに手入れがゆきとどいておはわたしの貧弱なヒアリングのせいかもファンの元締フレッド・ となど、紹介したい人はまだいつばい り、エレガントな生活ということばがびしれない。それからワールドコンのこ ったりの感しだった。壁の飾り棚には無と。女史がファンの前にほとんど顔るのだが : : : もうべージが尽きた。 慮数百の猫の人形や置物。入口の脇にはを出さないのは、どうやら周囲にファン ぎらいの友人がいるためらしく、「、 ート・アダムスがワ、ールドコンにくる連 。こっこ 0 柴野拓美のアメリカ (DLL 情報

7. SFマガジン 1983年1月号

から何か尋ねられたり、写真を送ってくれださったことに、先日のこともあわせて、 文通させていただいていること、が出てく るんだと不思議に思われたんじゃないでしと頼まれたりしたら、できる限りのことはあらためて ( 大きな声で ) ありがとうござ いました。 か。・ほくにはあんなに何度も彼のこと・してきましたが、私の方からの質問やお願 これからも御夫妻との、そして矢野さん いは控えてきました。 を書いておきながらと。実は、矢野さんの 感動しつばなしの二日間でしたが、そのとの出会い ( これが本当の出会いなのだと ことを彼にお便りしたのは、あれが二度目 思って ) を大切にしていこうと思います。 中でも一番うれしかったのは、あの書斎の でした。行 耐に、大会に参加してお会い 矢野さんの新作小説が出るのを楽しみに 写真を見せてもらった時でした。私はずつ したことは書いたことがありましたから。 と、『フライデイ』を贈っていただいた後待っています。 矢野さんともおっきあいしてるんですよ かしこ。 、、 A 」よ田む お元気で。 もずっと、あの方にとって私は「その他大 と伝えれば喜ばれるかもしれなし 柴山裕見子 十月十二日 いました。でもそれでは、私はあなたの友勢」のうちの一人にすぎないのだろうと思 い続けてきました。「写真を壁に貼ってあ 達の友達なんですよと売り込むことにな 矢野徹様 ります」というのは何年か前に教えてもら 返事を催促していることになるような っていたのですが、奥様の写真の隣に私の 気がして、私にはできませんでした。私と ( 註。ハインラインの最新作『フライデ ・、貼ってあるのを見たときは、ものすごい しては、矢野さんの名前のお力を借りるよ ショックでした。もうあれ見ただけで、泣イ』の扉に、その作品を献げた相手の女性 り、あくまでもただの一ファンとして書き き出してしまいそうでした。どうしてこん名がずらりとならんでおり、その最後に柴 続けたかったんです。 なによくしていただけるのか、いまだに不山さんの名前がのっている。この人のすば 二度目のお便りで「お手紙はうれしい らしいファンレターのおかげで、これほど 思議でたまりません。 ・ : 今は手術を受けた後で直りつつあるとこ のレスポンスをおこす翻訳者はと、こちら 矢野さんに対してもファンの域を出ては ろで、本当によくなったら本を書こうと思 の信用も増したわけだ。まこと、読者・フ ならないと思い続けてきました。ただ、お っている : : : そうしたら、返事はできなく アンはお客さま、お客は神さま。お礼の言 会いした時にはもっと気軽にお話がした なるだろう」という意味のことをいわれ、 ファンレタ 1 を出したい方は、 思っていることを口にできるようにな葉もない。 「御返事はいりません。それよりも早くよ くなって、ご本を書いてください」とお答れたらと願っていました。本当は今度の神ぼくの訳書のどれかのあと書きに、かれの えしてからは、もう二度とお手紙はいただ戸行きでそうなったらいいなと、ちょっぴ住所がのっています ) けないものと思ってきました。その後、年り期待していたんです。 これまでいろいろ失礼なことをいった に一、二通ずつ届くようになっても、その たびごとに、ああまたいただけたと大喜びり、してしまったりしてきたような気がし ます。それでもおっき合いを続けてきてく でお礼の手紙を書きました。でも、むこう ◇ ◇ ー 07

8. SFマガジン 1983年1月号

、ミ三 くト乙 1 S - F マガジン月臨時増刊号 ーークイン・サーカつ世界 小説 ( グイン・サーガ外伝 ) : 氷雪の女王 ( 400 枚 ) ・カローンの蜘蛛・風の白馬・樹怪・湖畔 にてインタビュー : 栗本薫グイン・サーガ を語るグイン・サーガ簡易人名事典グイ ン・サーガ教養講座ファングループ紹介 読者のおたよりコーナー等 定価 650 円 早川書房 5 2

9. SFマガジン 1983年1月号

・柴野拓美のアメリカ SF 情報 1 ティなどで。フログラムに華「 0 Z — 0 0 Z ・凵」 をそえていた。日本のファンもそうやっ のあとシカゴに発つ前の二日 てロイの友誼に報いることができるとい 間を利用して、ジャック・ウ リル男 いのだが : ・ : たぶんまだ無理だろう。。ヒ ィリアムスン夫妻を訪問する「〕歎 トよ , ) 伊 0. ッ左氏日 ーターはこのため二カ月の休瑕をとってことができた。じつは昨年デ アル 2 きたという。どだいわが国とは国情がちンヴァーで氏と会いそこねた ・イ一つ / ・月 がいすぎるのである。 ことをロイへの手紙に書いた のがきっかけで、では車で連 蜘嬾「会たド一 れていってやろうということ Ⅳ着イ れリヴの になったのだが、気がついて みるとウィリアムスン教授の そ 。シ人 , お宅のあるポーティルは ・【家・夫後 同じ州内でも西端のテキ 、ルシィ一 サス州境に近く、アル・フこ ( を誓 . ( インカシ ロ プカーキから簡単に日帰り のきく場所ではなかっ イ・ーワ で た。タケット夫妻にはとんだお手数アムスン・サイエンス・フィクション・ 斎 ライ・フラリー 」がある。大きな部屋の壁 書をかけてしまったことになる。 町はずれにある住み心地よさそう三面を埋める図書の数は約七千冊。そこ 氏 なお宅、広い書斎、。フリント部だけには氏自身の著書のほか親友だ 0 た ( ミ Z O ルトン & ・フラケット夫妻の遺著全揃 ( あ ム 3 日本製の大型ワー。フロシステム、一 ア月 リ月と二月に出る予定の近著のことならゆる版の ) もおさめられている。中央 ど、書きだすときりがないが、さての棚とロッカーには雑誌約七千五百冊と ・れ近所のレストランで昼食のあとまず研究論文約一千点が保管されているとい クま ッこ連れていかれたのは、先年退官され 特別コレクション専属のふたりの女 ジにた東ニ = 1 メキシコ大学の図書館だ性司書に「われわれはウィリアムスン教 った。その特別コレクション室に教授のファンだ」というと、即座に「わた 8 授の寄贈による「ジャック・ウィリ したちもそうだ」というはずんだ答が返 0

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・ハッチと、二十か所の ながらも、それを避けることができないほどあわれなスビ 1 ドだと『マンモス』には十二か所のエア・ロック 貨物用 ( ッチがある。貨物用の ( ッチは船内からでなければ開くこ いったら事実に近い そして、何事か事故が起れば、それはそのたびにそれまで全く経とはできないが、一般用の ( ッチは外部からでもあけることができ る。「だめだ。どこもあかねえよ。あいていれば調査員をたのむは 験したことのない新しいできごとであり、原因たった。 ず、ねえじゃねえか」 工務員の ( ミが舌打ちをもらした。たしかにそうだ。 船団ベガサスで、船団を編成する輸送船『マンモス』が、乗組 ハッチがあかなくなっているのを」 「監督官はたしかめたの ? 員を失ったという報告を《カランコ工代》で受け取ったリトル、、 ( ラ 「たしかめましたよ」 は、三十時間後に、船団ベガサスに追いついた。 「それで何も手を打たなかったの ? 」 七十二隻からなる船団は、三つのむれを形作って《カランコこ アビアは肩をすくめ、両手を開いた。 近傍の小惑星帯をかわし、大圏航路を慣性飛行しつつあった。 いかなる呼びかけにも全く応じなくな 0 た『「ンモス』は、慣性「あの船の中には人りたくないね。それに私には船団監督官として の責任もあるし。この船のことばかりかまっちゃいられない」 航法のままに、船団から離れることなく僚船とともに航行してい ェシュティはくちびるを鳴らした。 「調査員。この船は幽霊船なんだ。この船の中に入るときっと何か こんな船はもう よくないことが起きるよ。引きかえした方がいし 廃船にしてしまった方がいいんだ」 このハッチを焼き切ってください。以前、この船に幽霊が ◎定価 48 円 / 隔月刊 / ⅱ月加日発売 日本 tOLL 年鑑 が生活になったから、をさ 土 呆 0 わって生きたい。プラスチックみ〔 1982 幇新〕 殴年度全メディアの活動を代田 たいな「の本」はいかが ? 一望の下に収録した画期的年鑑。 日田 活字・視覚・聴覚メディアに加 特集ディックにくひったけ ! 全邦訳作品解題 / ディ ; 論 / 大討論会 え、 300 余のファングループ新刊 コミックス、ドラマ、ミュージック、サイ を詳細に収録。ファン必携。 ◎新刊レヴュー / メディア・レヴュー】ムーヴィー 5 判 216 頁 「 LL のほほん」・「たのしい (J) LL 批評」 「。、ラレルワールド通信」 エンス / 連載ェッセイ】′ 東谷 定価 2 円 / 連作小説「べナレスのマッサージ師」 / コラム】「エレベーターの正しい乗り方」他情報満載 本 3 好評発売中 3 2