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検索対象: SFマガジン 1983年4月号
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1. SFマガジン 1983年4月号

る。それが当然なのかもわからない。連邦中核星域には快速定期便生れて育った世界だから、なっかしくないといえば嘘になるけれ 網が張りめぐらされており、それはもつばら頻繁に行き来する連邦ども : : : 正直なところ、愉しい思い出は、そう多くはなかった ) 経営機構のメイ ( ーを運んでいる。宇宙旅行らしい宇宙旅行を望む彼が生れ育ったのは、タトラデン最大の都市ウイスボアである。 人々のためには、それほど速くはないが快適な居住環境と行き届い両親はウイスボア州の貧しい農場を捨ててウイスボア市に出て来た たサービスを売りものにする観光船がたくさん就航しているのだ。 ものの、ウイスボア市でもうまく行かなかったらしい。彼がものご 多少強行軍でも時間が貴重な者のために快速定期便網があるのであころついた頃には、もうふたりはいなかったが、両親を知っていた って、それが連邦経営機構の中核星域をひとつにする作用を果たし人の話では、父も母も頭の回転が速く、それだけに孤高狷介で他人 ていた。連邦の中核部とは、単一の星系を中心にした多重円ではなを馬鹿にする一面があったようだ。それが災いして父は動務先の同 く、何十もの星系ひとつひとつを構成部分とする総合体なのであ僚に殺され、しばらくしてから母も病気になって亡くなったとい る。だから見方によれば、この快速定期便網そのものも経営機構のう。そういう性格どうしだったから、父と母と、そしておそらくび 一部といえるだろう。そして、初めてこの種の定期便に乗ったときとりつ子の彼との結びつきは、きわめて強かったのであろう。父を には戸惑いと畏怖をおぼえたキタも、今ではこれをふつうのことと失った母は、気力がなくなってしまったということも、彼は聞い 感じ、ごく自然に乗客の一員になり切れるようになっていたのだ。 た。今の年になって彼は思うのだが : : : おそらく父にしても母にし キタは、リクライニング・シートを倒し、目を閉じた。寝不足なても、与えられた環境に合っていなかったのではあるまいか ? も ので、少し眠っておくつもりであった。 しも自由に才能を発揮してそれで当然とされ、はたの賞賛を浴びる ・カ・ : どうしても考えてしまうのである。 立場にいたならば、大成功していたかも知れないのだ。社会の下積 みの身では、まわりが素直に認めてくれないようなタイプの才を持 自分は、出身世界のタトラデンの担当司政官になる。 っことは、しばしば不幸につながるようである。父と母はそうした 出身世界の担当を命じられた司政官はキタが最初なのではない、 と、 自分たちの運命に、最後までさからおうとしたのかも知れない。 ハイドーランは止ロげた。 とはいえ : : : そんなことをさせるについては、みなそれなりの事ウイスボア市の公営の施設に入れられた彼は、ず。は抜けて良く出 情があったようだ、ともハイドーランはいったのだ。 来た。それだけに自尊心も ( 親譲りだったのだろう ) 強かったが : : ・そうした彼は、学校や社会で随分と痛めつけられたのである。植 つまり、タトラデンには、出身者の自分が赴任しなければならな いや、植民世界ゆえにであろうか、タトラ 民世界でありながら : い事情が存在することになる。 何があるのだろう。 デンには名家とか門閥といったものが歴然とあって、勢力を誇って 彼は、タトラデンでの記憶を呼びさまそうとした。 いるのだ。ごく初期の植民者たちのリーダーであった家や、特別な あそこを出てから、もう十年以上になる。 事柄で名声を得た人間の子や孫、金持ちなどが、力を持っていた )

2. SFマガジン 1983年4月号

・安田均のアメリカ SF 情報 っているのが他ならぬマッキンタイア自オペラの体裁をもっている。 つなぐはすだった ( ちか頃はすぐ思考が 身だろう。彼女の初期は『ドリーム題名のダウンビロウとは惑星の名前 脇道へ入って困ります ) 。 それにしても、著名作家が″スタスネーク』をはじめとして、いかにもウまたの名をベルの惑星とも言う。小説の イルヘルムらの後継者たるべき作風だつ出だし十ページほどで、チェリイは背景 ー・トレック″小説を書くのが最近はや っている。そもそものジェイムズ・・フリ た。しかし、それは現在ではまったく中となる二十一世紀から二十四世紀にかけ ー・トレッての、人類の宇宙への発展とその支配を ホールドマ断し、新作と言えば″スタ ッシュに始まり、ジョ ン、そしてこのヴォンダ・マッキンタイ ク″小説二点だけだ。そして彼女がこのあっさりとまとめてしまっているが、そ ア、果てはあのイアン・ワトスンまで書二作で、シリーズの中心人物たる二人、れによるとこうなる。 二十一世紀初頭、太陽系に宇宙ステー カークとスポックを殺している ( 少なく きはじめたというから驚きだ。 ションを築き、資源の開発を行なってい 特におもしろいのはマッキンタ デスティ た地球人類は、やがて止めようもない本 ィアで、・ほくの感触では、この人 能から、他の恒星へと足をのばしてい を境にしてそれ以前と以後の女流、 最初〈ソル・コーポレ 1 ション〉と 作家の特徴が変わったのでは ないかと思える ( つまり、彼女のレ ~ ' 、レ呼ばれていたそれは、〈地球連合〉と名 ゴ 前を変え、他星系は新たに探査され、宇 ー・ネビ、ラ受賞作『ド飫ト ( 【臥ド 一宙ステーションが建設され、開発され、 リームスネーク』 Dream S 。 。スその間に定期的な輸送船が飛びかうよう 以前・以後である ) 。それ以前は、 になる。最初の九つの星系には知的生命 たとえば女流作家といって目につ は発見されなかった。そのうちベルとい くのはル・グイン、ウイルヘルム、 う名の船長によって発見された星系に、 テイプトリー、 ラスらであり、間題意識とも殺そうとした ) のは、やはり何らか ・テーマ性を前面におしだした人がほとの屈折した心理が働いていると見るべき茶色い毛だらけの知能程度の低い霊長類 が棲息するのがわかる。ベルは資源の豊 んどだった。ところが、マッキンタイアではないだろうか。 その点、チェリイあたりになってくるかな星だった。やがて人類は、このベル より後の世代となると、 O ・・チェリ と恬淡としたものである。彼女の昨年度の惑星 ( ダウンビロウ ) 軌道上に築いた イ、ジョーン・ヴィンジというように、 そうした点は影をひそめ ( あっても後退ヒ = 1 ゴ 1 賞受賞作『ダウンビロウ・ス宇宙ステーションを足場に、もっと遠く し ) 、冒険小説・ス。へオペ・ファンタジ テーション』 00E ~ ~ ow S 、ミ ~ ・ 0? ~ ( 198 一 ) の星々へも足を伸ばすこととなる。 ここで一つの問題が起こる。もう地球掲 イの要素が中心を占めはじめる。そし ( 早川書房より刊行予定 ) は、政治的や て、こうした点をいちばん鋭敏に感じと りとりを中心とした典型的なスペース・本体からベル以遠の世界は遠すぎるの

3. SFマガジン 1983年4月号

計士、そしてこれは経済管理長であるといった具合にわかってしまとになろう。 うのだ。信じ難いことではあるが次のことも経験的事実である。か しかし少数派となったヒト派は自分たちの主張を変えなかった。 の非常に臭くて破裂を伴った人間狩りのときに、部隊の指揮官で群彼らは本当の少数派であった。たが金星人は民主主義者ではなかっ 衆を指導できるような者はお世辞にもほとんど見当たらなかった。 た。つまり多数派が少数派に自分たちの意思を強制するということ しかし、指揮官の中には素晴しいルーレット博打打ちゃ鳥類学者、がないのである。だいたい″強制″などというものからして、科学 上手な玉突き師や肉屋、優れた数学者などがいたのである。ひとり 的なものは別にして、彼らは知らなかった。従って総評議会が少数 として自分にふさわしい仕事をしていた者はいなかった。ひとり派のために、残された数十年間に四十億程度のヒト類の運搬に十分 の者、しかも彼は数十万平方キロメートルの地域のおよそ六千万の な旧式の光子ロケットを使用させることになったのは当然であっ 住民の指導者であったのだが、この雄がその地域の大指導者になっ た。ヒトをアルフア・ケンタウリ系の無人ではあるが、豊富な植物 た理由というのが、彼の前任者で、やはり指導者としては不適格界を持った惑星、正確にはそのひとつの大きな大陸に運ぶことが決 の大指導者の甥であったからだ、ということまで判明したのであまった。そこなら新生活を始めるに当たって、最少の順応能力と精 る。この頬髭を生やした老紳士は能力から一一一口えば補助野大捕獲員が神的努力があれば十分であったからである。 せいぜいであった。こんなことはまったく原始的な動物である単細地球人の退避移住実行準備のために、総評議会の三十一人からな 胞生物の社会においてさえ、余りにもあり得ないことのように思わるヒト派のメン一 : ーは地球に向けて出発した。電離層を通過したの れたので、金星人たちは最初テレフレノグラフのワイヤーがどこかは大洋上であった。成層圏を通過したのは高シラ山の天頂点であ で故障を起こしたのではないかと思ったほどであった。ところが詳った。 細な多くの調査記録によって、指導者たるべき ( 下等動物の間での 話である ) ヒトが目立たない地下の部屋で石炭をくべていたり、笑 いたくなるようなちゃちな道具で土を掘っていたりしている事が証以上のことは部内資料として編集部に報告するものである。これ 明されたのである。これらすべてをもとにして反地球党は、ヒトはを公表することは私には奨められないー もつばら概念思考のためーー視野が狭く、ホモとの共存には不 記者は撃墜された機械の残骸近くで発見された″フレノグラフ〃 適当で、他の動物に比して何の役にも立たず、高等動物社会の調和の組み立てと、そのワイヤー聞き取り作業に電気技師たちと共に参 を危険におとしいれるものであると断定した。科学や芸術のたぐい 加する機会に恵まれた。正直言って、この″ワイヤー〃とか″再生ん が存在することは確かではあるが、これらの学者や芸術家たちは、 とかいった表現は正確ではない。 フレノグラフには実に詳細な図が 己が精神的活動とかいわれているものを通じてよりも、地球が復活添付されていたので組立てはむずかしくはなかった。これがどんな 6 する時の原油としての方がはるかに多くのエネルギーを供給するこ所に行き着いたとしても誰にでも容易にこれを″聞き取れる″よう おとこ ばくち

4. SFマガジン 1983年4月号

いのだ : いから、一目見ればわかるはずだったーーしかし、ついに見つから なかった。その跳び虫はもし望むなら、鋭敏な嗅覚を使って、いく なおも夢想にびたっていると、ヒューヒュー空気のもれる音がし 0 らでも彼から身を隠すことができる。 た。生きたエアロックがし・ほんだのである。三頭の戦士が近づいて マーニイは、戻らなかった。はかりきれない時間がすぎた。彼はきた。怒りの悪臭はなかった。三頭はゆっくりと注意深く進んでく また眠った。それからもう一度飛行種の室へ戻った。戦士が警固にる。さからおうとしない方がよいことがわかった。一頭ががっしり 立ち、食物には目もくれず、彼が近づくと、ノコギリ状になった巨した顎で彼をくわえあげ、運んでいった。 大なをむきだした。彼らは今にも彼を八裂きにしそうに見えた。 戦士は彼を飛行種の室へ連れていき、警固された坑道へ導いた。 攻撃フェロモンの悪臭が霞のように、かすかにあたりにたなびいて坑道の末端には新しい大きな室が切りひらかれていた。そこには黒 いた。戦士の体にはどんな種類の共生生物の姿もまったく見えなかい斑点の入った白い肉塊が思いきり広がっていた。薄く斑点がつい った。一種類だけ、戦士にたかる巨大なダニがいたのだが、そのダ た中央の塊にはロが一つと眼柄の先についた二つの濡れそぼった限 ニの姿もなかった。 が輝いていた。眼の上の毛の密生した隆起からは蔓鬚が電線の東の 彼は自分の室に戻って考え、待った。マーニイの死体は廃物坑のようにたれさがり、のたくっている。蔓鬚の先はプラグに似たビン 中にもなかった。もちろん、何物かが彼女を食べてしまったという クの肉塊で終っていた。 、 - 彼女の体は宙にうか こともありうる。残ったフ = ロモンを静脈から取り出し、飛行種の蔓鬚の一本はマー = イの頭蓋を貫いてした。 , 室へ侵入を企てるべきだろうか ? 彼はマーニイかそれともマーニび、ロウのようにぐにやりとしていた。眼は見開かれているが、焦 イの残された一部が、跳び虫の殺された坑道のどこかにまだあるの点は合っていない。 ではないかとにらんだ。あの坑道は自分でまだ探険したことがな もう一本の蔓鬚が突然変異した働き手の脳室につきささってい 。彼の探険していない坑道は何千とあるのだ。 た。その働き手はまだ幼虫の青白い体色をとどめていたが、シワが 彼は優柔不断と恐怖とでポオッとなっていた。もし、なにもせず寄って歪んでおり、人間の唇そっくりにヒダの入った唇をもってい に、おとなしくしていたら、そのうちにインヴェスターが到着する た。ロの中には舌のようなものもあったし、歯のような白い出つば だろう。マーニイの死について、土星評議会に好きなことを報告すりもあった。眼はなかった。 ればいい。遺伝子さえ持ち帰れば、だれも文句は言うまい。彼女を それはマーニイの声で話しだした。「キャ。フテン・ドクター・ア 愛していたわけではないが、敬意はいだいていた。しかし、自分のフリール : 生命や党の投資を儀牲にするほどではない。彼は長い間、土星評議「ガリナ : : : 」 会のことを考えたことがなかった。そして、評議会の存在が彼をし「わたしはそういう名前ではありません。わたしのことはスウォー ゃんとさせた。自分は申し開きのできる決断を下さなければならなムと呼んでください」

5. SFマガジン 1983年4月号

インヴあけておくというのもきわめて異例のことだった。彼は不安になっ ターが彼をおろした地点である。理屈に合わぬことだが た。「食物をくれる人のあとを追うんだ。匂いをさがすんだ」 エスタ , ーは必ず契約を履行するーー・・彼が恐れていたのは、インヴェ スタ・ーがいっか到着し、しびれを切らして、彼を残したまま行って跳び虫は一方の壁にそって、あまり気のないようすで匂いをかぎ しまうということだった。もちろん、インヴ = スターには待ってもだした。跳び虫は彼が食物を持っていないのを知っていて、直接の らわなくてはならない。マーニイがしばらくの間彼らの相手をして報酬がなくては、なにをするにも気が乗らないのだった。ついに、 時間をかせぎ、その間に彼が育児室に急いで発育中の卵から生きた片方が匂いを見つけたか見つけたふりをした。天井を横切ってたど 細胞を取り出すという手はずなのである。卵はできるだけ新鮮であり、坑道の開口部へ入っていった。 るにこしたことはない。 アフリールには見捨てられた室を見回すのは困難だった。赤外線 そのあと、彼は食事した。前房の一つでキノコを頬張っているが十分でないのだ。彼は跳び虫の後について跳ねていった。 と、マーニイが手なずけた二頭の跳び虫が彼を見つけた。「何がほ戦士のうなり声と、跳び虫の窒息したような金切声が耳をつんざ しい ? 」彼は跳び虫語で尋ねた。 いた。坑道口から跳び虫が漂って戻ってきた。裂けた頭部から丸い 「食物くれる人、よくない」大きい方が埓もなく前脚をふるわせな粒になった体液が噴き出した。跳び虫はとんぼがえりをうちなが ら、向かい側の壁にぶつかってへナリとつぶれた。すでに死んでい がら、そう金切声をあげた。「動かないよ。眠ってないよ」 「動かないよ」片割れが言った。そして、うれしそうにつけ加えた。 た。「今食べるか ? 」 もう一頭の跳び虫も悲しみと恐怖に悲鳴をあげながら、間髪をい アフリ 】ルは二頭に食物をいくらかわけてやった。彼らは食べたれずに逃げ出した。アフリールは坑道の縁に着地し、膝を深く曲げ ものの、本当の食欲からというより、習慣から食べているという感て、惰力を吸収した。怒り狂った戦士が放っ悪臭がツンと匂った。 フェロモン濃度が高いので、人間にも嗅ぎわけられるほどなのだ。 じだった。嫌な予感がした。「わたしを彼女のところへ連れてい け」と彼は命じた。 十頭あまりの戦士があと何分かのうちに、いや、何秒かのうちに、 二頭の跳び虫は小走りに駆けだした。 / を 彼ま易々と二頭の後を追っ加勢に駆けつけてくるだろう。怒りにもえた戦士の後ろでは、働き た。働き手の群れの中を器用に縫い、身をかわしながら。彼らが連手たちとトンネル掘りたちが岩を動かし、セメントで固めているの れていったのは、坑道網を数マイル行ったところにある飛行種の室が聞えた。 だった。二頭はそこで止まったが、困惑して、「消えちゃった」大怒った戦士一頭なら鎮めることもできるかもしれないが、二頭、 きな方が言った。 いや二十頭となっては手に余る。彼は室の壁を蹴って、出口を抜け 室はからっ・ほだった。アフリールはこの室がからっ・ほなところをた。 見たことは一度もなかったし、これほどのスペースをスウォームが彼は跳び虫の片割れを捜したーーー普通の跳び虫よりはるかに大き ー 07

6. SFマガジン 1983年4月号

〕イトレーション・加藤直 今回から、私はワード・プロセサーという例の ことをぬかすだけで、さつばり埒があかない。マ十二分にもっている機種ーーという意味で ( つい 仕掛けを使ってこの原稿を書きはじめた。 ニ = アルをひっくりかえして、やっとのことでなでに、セールスマンの熱心さという意味でも ! ) まだまだはじめたばかりだし、それに、これは にかそれ風のことが書いてあるのを見つけだし私の判断は間違っていなかったと、今もかんがえ 前から薄々感じていたことなのだけれど、要するて、作業メ = = ーの補助メ = = ーの障害復旧メ = てはいゑ多分、わが日本テレワークで将来数十 にコン。ヒューターというやつはまだまだ未熟で、 = ーのなんとかで、やっとの事で、そのなんとや台も酷使される事になるのもこの機種の筈だ。 私みたいな手前勝手でアホな人間の為にツールとらの解除とかができる始末である。要するに、な ( ちなみにこれは、東芝のトスワード 7 と して奉仕してくれる域にはとても達していない事にかてめえのしでかしたドジの後始末をこっちに同じ製品である ) それで、私の判断は間違ってい がはっきりした。ドジなんだね工 : : : 要するに。 おしつけているらしいのだが、人間をコケにするなかったとは考えているのだが、要するに・ハ力な そんな言いかたをすれば、二宮のご隠居こと柴のも大概にしやがれと言いたくなってしまうではんだねえ , コン。ヒューターを一い、つやつは : 野拓美などは、コンビ = ーターが悪いんじゃな ないか。これがリースでなくて私の買いとりな 、悪いのは、そんなバカで融通のきかないコンら、とっくにマサカリで真っぷたつにされている 例えば、この文章をカナ文字で入力すると自動 ビューターを設計した人間の方なのだと、すぐ機所だ。 的に漢字まじりの文章に変換してくれるのだが、 械の弁護にまわるのだろうが、考えて見るとよ まあ、それはさておき、なんによらず、機種をまず、濃い莵が旨く胃かない。 。ある日、私が仕事にかかろうとスイッチを入選定するという作業は、自衛隊のジ = ' ト戦闘機彫 0 て汚くとこんな豚出も娜い変換をケロリと れると、突如 O に、″ この文書は使用中ででも台所のトースターでも、大いに悩ましく、かや 0 てのけて平気な顔をしているのである。これ す″などというメッセージが現われる。いっこ、 ったのしいもので、私も、どこのワープロにしょ は同音同義語の選択モードに大きな問題があるよ どこのどいつが、挨拶もなしに、俺のフロッピー うかと、三か月にわたって、七転八倒の苦しみをうにおもえるのだが、まア、しかし、考えように を使っていやがるのかと、だれだって思う。とこ エンジョイした。 よっては、コンビューターというやつは、やつば ろが、プん殴ろうが蹴とばそうが、向うは″ファ そしてその結果、ゼロックスのワー。フロにきめり、大変に賢いのかも知れない。この当て字のユ イルの使用中解除をやれ″とかいう訳のわからんた訳だが、最もパランスのとれた機能を、それも ニークさをごらんなさいー とても我々みたいな 野田昌宏の センス・オフ・ ワンターラント 3 ノ ますます緊迫の度をえる シャトル打ち上ナ苅状旦、 今回はなんと / お伝えしてし

7. SFマガジン 1983年4月号

なかったから」 問をあびせた。 アフリ ールは肩をすくめ、「あっちではわたしもたいてい裸だ 彼はうなずいた。「出発前にきみの警告がとどいた。今着ている よ。温度が一定なら、ポケット以外、服には用がない。今、道具を 一張羅とポケットの中の小物だけだ」 彼女は彼をためっすがめつ見て、「土星の輪ではこのごろこんな二、三身につけているが、どれも大したものではない。われわれは 改造人間だから、道具はここにある」彼は頭をたたいた。「ところ のがはやってるの ? 思った以上の変りようね」 アフリ ールは自分の金襴のコートを見て笑いだした。「これは党で、服をしまっておけるような場所はないかね : : : 」 彼女は頭をふった。ゴーグルごしに彼女の眼を見ることは不可能 の方針だ。インヴェスターの連中はいつも大きな取引きのできそう な人間をえらんで話をしたがる。今ではシ = イ。 ( ーの代表は、みんだった。表情はほとんど読みとれない。「最初のミスだわ、ドクタ ここにはわたしたちの場所なんてないの。メカニストのエージ なこのての服装さ。メカニストの奴らには大きく水をあけてやっ た。彼らはあいかわらず例のナッパ服だからな」そこで彼は言葉を = ントも同じミスをした , ー・ーわたしもそれとおなじミスをして、あ とぎらせた。彼女の機嫌をそこねたくなかったからだ。ガリナ・マやうく命を落としかけた。この星にはプライヴァシーとか個人の所 ーニイの知能指数は二百に近い。これほど明晰な頭脳の持ち主は、有という観念が欠けているんだわ。ここは巣の世界よ。もしすこし 男でも女でも、気まぐれで精神の安定を失いがちになる。個人的なでも自分のための場所をとり、道具を置いて寝ようとしたら、 空想の世界へひきこもったり、余人にはうかがい知れない策略と合あなたは邪魔者になり、敵になってしまう。二人のメカニスト ・ラボにしようと 理化の網の中にまよいこんだりする。しかし、高知能はシェイバー 男と女よーーーは空室を占領して、コンビューター がメカニストとの文化闘争のために採った戦略である。ときに不利したけど、戦士たちが扉を破って、二人を頭から食べてしまった。 な点は生じても、その方針に固執せざるをえない。以前には、知能設備の方は清掃屋が食べたわ。ガラスも、金属も、みんな」 アフリールは凍りついた徴笑をうかべて、「それだけの設備をこ 指数二百以上の超知性を育種しようと試みたこともあるが、コロニ ーを脱走するものがあまりにも多いので、党は育種を停止したのこまで運ぶのは、相当高くついたろうに」 マーニイは肩をすくめた。「あちらはうちよりもお金持よ。機械 もあるし、鉱山もある。彼らはわたしを殺しに来たんだと思う。ス 「わたしの服のことを考えているんでしよ」とマーニイは言った。 こっそり 「たしかに斬新な魅力はあるよ」アフリ 1 ルはニッコリしながら言ウォームの戦士が暴行を見とがめて騒ぎださないように、 とね。彼らの持ってきたコン。ヒ = ーターは、わたしよりも短い時間 「これはマ = の糸で織ったの。持ってきた衣類は去年のトラ・フルので、跳び虫の言語をマスターしてしまったわ」 時に共生の清掃動物に食べられてしまった。いつもは裸で通してい 「しかし、きみは生き残った」とアフリールは彼女の気をひきたて た。「きみのテー。フや報告は興味しんしんだったよーー特に、装備 たんだけど、あまりなれなれしくしすぎて不愉快な思いをさせたく

8. SFマガジン 1983年4月号

の探知機たった一台の値段はあの巨大な装置三つ合わせたものより を行っている等々。計器達は もう一度強調する。計器達はであ 高いんですよ。ちょっと中を御覧になればプリント回路や半導体、特るーー友軍機の型と標識を " 知っている。のだ。仮にこの半球に、 殊な結晶や稀金属でできているのがわかると思います。芥子のひと敵機が侵人しようとしてみるがよいー・ あるいは出発地と目的地・ この 粒ほどもない。 ( イ。フが見えるでしよう。それでおわかりいただける航路を知らせてなかったり、航路をはずれた旅客機でもよい と思います ( わかるって ? いや、感じられると言うべきだろう ) 。電機装置は直ちに警報を発する。警報っ・ っこ、隹に、何に知ら このまったく見栄えのしない慎み深い小さな箱に、どれだけの労力せるのだろうか ? 監視サービスに警報を発するのはもちろんであ が費され、それがいかに素晴しい任務を遂行できるかということを」る。しかしまず第一に他の機械システムに警報を発するのだ。自動 ー地はまた同時に一万の変化を記録し、告知し、二秒とた防空システムはまず録音テー。フに吹き込まれた七か国語と国際航空 たないうちに解析する能力を持っているということも言っておきた協定による信号ですべての周波数を使ってその航空機との接触を試 。当半球における一万の変化。これはこちらに集中攻撃をかけてみる。こちらのコンタクトに応じてこなかったり、 くるかもしれないミサイル群や航空機群の数を恐らくはるかに越え待されるような返答をせず、こちらの命令に従わない場合には、シ るものである。監視・処理計器群は敵機が仮に五千機編隊で攻撃をステムはその不服従機の前後に照明弾を一一一回威嚇発射する。それか しかけてきたとしてもひとつの単位として扱うが、もし編隊が分裂らやはり威嚇のためではあるが、戦術ミサイルを機の近くに発射す すれば、その分かれて方向を変史した部分を別個に追跡するのだ。 る。最後に検討と決定に要する十秒の時間をおいて ( データを o ー そしてもしーー例えばーーー五千機のうち一機を撃墜したとしよう。 とー基地のものと照合した後 ) 目標の質に応じて選択された その機は墜落を始める。計機群はさらに編隊を追跡し続けるが、墜ミサイルで撃墜することになるのだ。よく考えた方が身のためであ 落しつつある機のデータも正確にはじき出し続け、やがて墜落地占 る。サイスネティックスが敵機の材質・大きさ・高度に合わせて必 の座標を知らせてくれるのだ。 要なミサイルを選択し、地下二十階の深さから高速リフトで的確な 軍事的な理由によって、記者がー基地の活動について見聞 ミサイルを運搬し、特殊ベルトで発射台まで運んで行く。そして標 し、かっ理解できたものについてもここで詳しく報告するわけには的の方向を見定めてから発射命令が下されるのだ。狙いを外すなど . し、力 / - し 、よ、。とは言うものの、よろしければ、多少はこの醍醐味を読ということはないし、あり得ないことである。 者諸氏にも味わっていただきたい。もちろんー基地の半球では 記者はこれに関することだけでも容易に一冊の本を仕上げること 毎日航空交通、空軍演習、個人のスポーツ飛行などが行われている。 が可能である。読者はだと思うのではないだろうか。だが機械 計器群はいち早く監視装置を。フログラムする。これとこれは旅客機の類についてはこのぐらいで十分としておこう。 フライト・フラン で、これとこれはスポーツ機で、どこそこを離陸し、飛行計画どお というのも、ここでも本当に興味深いのは機械ではなくて人間だ りに飛行しており、出発地と目的地の空港と規則どおりに無線交信 からである。これらの機械も人間が作ったものだ、ということだけ 巧 8

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引 ll ⅢⅢⅢⅢⅢ目ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅧⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅧⅢⅢⅢ川ⅢⅢ 初期短篇が集められている。 The 7 の , M ” ( 1955 各誌 ; 統 1961 ) は、ガン独 特の暗く重苦しいが、概して印象的なス タイルで、現実感覚を腐蝕する総合的な緊 張解放手段に支配された社会を描いてい る。『不老不死の血』 The 1 襯襯。 4 な ( 1955 ー 60 各誌 ; 統 1962 ) は、ガンの最も 著名な作品である。ある一団の人びとが突 然変異によって不死となり、やがて集合的 にカートライトの名で呼ばれるようにな る。彼らの肉体条件が輸血によって他人に 伝えられることがわかると、不死性を獲得 しようという無理もない願望にかられた普 通人に追われて、彼らは身を潜めねばなら なくなる。病院を舞台にした描写が、迫真 性を強めている。この小説をテレビ映画化 したのが T ん e 1 襯襯 0 を ( 1969 ) で、そ の成功にあやかって、 1970 年にテレビ・シ リーズ『不死身の男』が製作され、それを さらにガンが T ん 1 襯襯 0 れを ( 1970 ) の題 でノベライズした。 ガンの第二の成功作『宇宙生命接近計 画』扨 The 石立 e ” ( 1 8 ー 72 各誌 ; 統 1972 ) は、星々からの電波メッセージを 走査する電子工学的聴取装置の建設と、そ れにつづく百年の待機期間を描いたものだ が、ェヒ。ソード的な構成が効果を上げてい る。ガンのどことなく気むずかしい文体 ( それがうまくいった場合は、驚異のこも った憂愁ともいうべき感覚を呼びおこす ) が、この長い探究が生み出す複雑な組織内 の欲求不満や報償を、巧みに強調してい る。事実、ガンの強味は、ストレスを負っ た管理機関と管理者たちの分析的な描写に あるように思える。彼の最良の作品は、し はしばなにかの組織か、それとも協力せざ るを得なくなった人びとの集団を舞台にし ている。女性はこれらの組織の至高目的か ら概して排除されており、星々に到達する ために男性が払わなければならない議牲か 23 こうしたとき らしりごみすることが多い。 おりの欠点にもかかわらず、ガンは彼の選 んだ主題と形式をみごとに活用しており、 特に最近の作品は、来たるべき人類のさま ざまな危機をどう管理するかについて、考 えさせるものを持っている。 ハガード、サー・Ⅱ・ライダー 〔 J C 〕 HAGGARD, Sir H(ENRY) RIDER ( 18 浦一 1925 ) イギリスの役人、弁護士、農事専門家、 作家。 1912 年にナイト爵を受けた。 青年時代、ハガードは南アフリカの植民 地政府に六年間勤め、そこで彼の小説の題 材の多くを吸収した。第四作の『ソロモン 王の洞窟』 King S 房 0 襯 0 が s M 切 ( 1885 ) で一躍名声を得たあと、『洞窟の女王』 She ( 1887 ) でさらにそれを上回る成功を おさめた。これらの物語は、写実的なアフ リカ生活の細部に、強いファンタジイの要 素 ( 失われた世界、不死、再生 ) を結びつ けている。考古学的、人類学的 S F と見な すこともできる。ハガードは、遺跡、古代 文明、原始の慣習に惹かれていた。また、 心霊術という擬似科学に対する関心では、 プノレワー リットンやマリー・コレリのよ うな同時代の作家と共通している。 ドの文章はときとして無器用だが、彼はす ばらしいストーリーテラーで、力強い想像 力と、記憶に残る英雄的な人物を創造する 才能を持っている一一たとえば、ズールー ・アムスロポガアスがそれで、彼の青年時 代は傑作 Na ぬ the し ( 1892 ) の主題に XI

10. SFマガジン 1983年4月号

川ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅱⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ日ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ間 ホールドマン、ジョー HALDEMAN, JOE (WILLIAM) ( 1943 ー アメリカの作家。ギャラクシイ誌に発表 した最初の短篇 "Out of Phase" ( 1969 ) 以来、 S F 界に少なからぬ衝撃を与えつづ けている。物理学と天文学で理学士号を取 得したのち、大学院で数学とコンビュ ー科学を専攻。召集されてベトナム戦争に 戦闘工兵として参加、そこで戦傷を受け た。この科学的背景と軍隊経験の両方が、 彼の小説に大きく反映している。ポケット ・フ・ツクスネのハウス・ネーム、ロバー ト ・グレアム名義で、彼は SF との境界線的 な二冊のスパイ小説、″ド s 侃 , g ( 1975 ) とⅣて ( 1975 ) を書 き、自身の名義でノン SF 長篇Ⅳの・の・ ( 1972 ) を書いた。 しかし、ホールドマンがとつぜん注目を 浴びたのは、『終りなき戦い』 T 眦だ ル“ ( 1972 ー 4 ASF; 統 1974 ) が批評家 と一般読者の両方から賞賛を博してからで ある。この長篇は、短篇 "You Can Never Go Back" ( 1975 ) とともに のシリーズを構成しており、そこに描かれ る未来戦争の兵士の生活は、ロバート ・ハインラインの『宇宙の戦士』 & の・訪ゆ T 。加 ( 1959 ) に描かれたそれと対照 的であり、ある意味でそれに対する反駁と なっている。『終りなき戦い』では、戦場 となっているほうぼうの惑星への旅に、時 間の歪みが関係するため、兵士たちは、自 分たちがそれを守るために戦っているはず の文明から、完全に疎外される運命にあ る。しかも、もしあまりにも大きなジャン フ。をした場合は、時代遅れの武器で敵と交 戦しなければならない危険もある。彼らの 根なし草の境遇は残酷であり、彼らの戦友 愛はシニカルに操作されている。この長篇 は、デイトマー賞、ネビュラ賞、ヒューゴ 259 ー賞を獲得した。 ホールドマンの第二の成功作は『マイン ドフ・リッジ』 M 切れ idge ( 1976 ) である。 この小説の技法は、献辞にジョン・ドス・ パソスとジョン・フ・ラナーの名があること からも、すでに暗示されている。ストレー トな叙述、報告書、いろいろな本 ( 中には ここに描かれた事件からはるかにあとで書 かれた本もある ) からの抜粋、図表などを 巧妙に組み合わせた構成で、『マインドフ・ リッジ』は、もともと社会描写の迫真感を 高めるために案出された技法を、根本的に は宇宙叙事詩であるものに適用している。 そこで主役をつとめるのは、絶減した神に 近い異星種族がある惑星に残していったテ レバシー増進おもちゃ、複雑な形態の物質 瞬送機、他の恒星系への植民に関する興味 ある論議と、もうーっの異星種族である。 の異星種族は明らかに非友好的で集合性を 持つが、最後には万事がめでたくおさまる。 ホールドマンは、短篇「三百年祭」 "Tricentennial ” ( 1976 ) で二度目のヒュ ー賞を受けた。ジョン・ヴァーリイや ラリイ・ ーヴン ( 彼はホールドマンに影 響を与えた一人に思えるが、ホールドマン の長篇のほうが、より緊密な構成を持って いる ) と並んで、ホールドマンはハード S F の一種のニュー・ウェーフ・派を形作って いる。彼らのテクノロジー支配の未来観 は、それ以前の作家たちのものよりも、は るかに複雑である。 〔 J C 〕 その他の既訳作品ーー編者として『 S F 戦争 10 のスタイル』 & 4 のⅣの・ No 」の℃ ( 乞 1977 ) ハミルトン、エドモンド HAMILTON, EDMOND (MOORE) ( 1904 ー 77 ) アメリカの作家。 1946 年から彼の死まで リイ・プラケットと結婚していた。 E ・ E XIII