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検索対象: SFマガジン 1984年11月号
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1. SFマガジン 1984年11月号

ネビュラ賞ノウェラ部門受賞作 他の孤児 ジョン・ケッセノレ 村上博基訳 イラスル→ョン天野暑孝 幻 4

2. SFマガジン 1984年11月号

ー特別企画・連載⑩ー THE ENCYCLOPEDIA OF SCIENCE FICTION SF 工ンサイクロべディア ピーター・ニコルズ編 浅倉久志・伊藤典夫監修 福本直美訳 Copyright ◎ Roxby Press Limited 1979 凡 1 . 邦訳のある作品には邦題を添え、未訳作 品は原題 ( または英訳題名 ) のみ記した。 2 . 原題のうちイタリック体で表わされてい るのは単行本、引用符 ( " ” ) でかこんで あるものは短篇。ただし、単行本としては 未刊の長篇や、単行本に他の作品とともに 収められている長篇は、短篇とおなじ扱 3 . 邦題も 2 にならい、単行本は『』で、 短篇ならびにそれに準ずる作品は「」で かこんだ。 4 . シリーズ名は、未訳のものも含めて日本 語で表記し、《》でかこんだ。 5 . 作者名の中には、あえて慣例に従わず、 原音に近い表記をとったものがある。 ( 例 : ヴァン・ヴォート ) 6 . 本文中のゴチック書体は、本事典中に項 目の立てられている見出し語。またポール ド書体の年号は、初版発行年。 7 . 映画および TV ドラマについては、日本 で公開された作品には邦題を「』でかこ んで添え、原題をイタリック体で示した。 未公開作品は原題のみを示した。ポールド 2 刀 ー・ニコノレス P N : ヒ。ータ B S : フ・ライアン・スティフ・ルフォード J C : ジョン・クルート 筆者 8 . コミックは《》でかこんだ。 書体の年号は、本国での製作年。 例 9 . 略語および記号 A S F : アスタウンディング・サイエン ス・フィクション誌、および ( 後 年の ) アナログ誌 F&S F : ファンタジイ・アンド・サイ 工ンス・フィクション、 TWS : スリリング・ワンダー・ストー リーズ誌 NW : ・ワーノレズと : アンソロジー 圜 : 版による題名の異同 : 加筆 國 : 改訂版 團 : 短篇集、またはひとりの作家による 長篇のオムニぶス版 : 複数の短篇を加筆改訂し、長篇のか たちに統合したもの 新 : 戦前にしか邦訳のない書名 叨 : 抄訳 ① : 原作はおとな向きだが、わが国への 紹介にあたってジュヴナイルに翻案さ れたもの。いわゆる再話 % はじめ からジュヴナイルとして書かれた作品 は①指定されていない。 * : 訳註 : 参照 J G : ジョン・ガスタフスン D P : ディヴィッド・フ。リングル

3. SFマガジン 1984年11月号

リⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ聞ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ川ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅧⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ 1 Ⅲ 点の長篇では、主人公が不思議な発見をす るたびに彼の正気が問われる。リチャード ーのお加 ug ん ( 1967 ) で は、外界からの意志疎通は、内側では狂気 と見える。ディヴィッド・ R ・ノくンチの M ( 関連作品團 1971 ) では、未来 のサイボーグたちが要塞にたてこもる。ジ ョン・フ・ラナーの The gg イ 0 ( 1969 ) では、人種間憎悪が浸透した近未 来状況の中で、パラノイアは土地に根づ き、当然のことと見なされている。ロジャ ・ゼラズニイの《真世界》シリーズで は、擬似スーパーマンの大一族がたがいに 陰謀をめぐらせ、、、真世界 / / は、どこかそ の先にある到達不能の現実の影にすぎない ことが、くりかえし明らかになる。アルジ ス・ / くドリスのⅡ 0 ? ( 1958 ) では、金 属の仮面をつけた謎の男が味方のアメリカ 人なのかソ連のスパイなのか誰にもわか らない。同じくパドリスの石 c ん I 襯 as ( 1977 ) は陰謀をたくらむ側に立ち、ひそ かに人間社会をあやつる男をヒーローに仕 立てているが、手つきは少々ぎこちない。 / ーマン・スビンラッドの『鉄の夢』 The 0 れ D 4 ( 1972 ) は AS F における / ラノイアのパロディであり、アドルフ・ヒ トラーの筆になる剣と魔法小説になりすま している。ジョン・ T ・スラデックの T ん M 〃〃 e たん“ ( 1970 ) は、アメリ 力に見られるパラノイアを諷刺の標的の一 っとしている。フィリッフ・・ホセ・ファー マーの《リノく一ワールド》シリーズ ( 78 年 初頭の時点では未完 ) は、なにか非情な実 験の過程で、全人類がどうやら再生させら れたらしく、背景には陰謀と策略の匂いが 濃厚にただよっている。ロ / く一トノエ イとロバート・アントン・ウイルスンの 刀ん襯切い ! ( 3 巻 1975 ) では、近代政治 史が、たいがいにかみあう陰謀の連続とし て、目もくらむほど複雑かっ不条理、しか テーマを打ちだした三つの小説は『宇宙の 眼』刃 the Sky ( 1957 ) 、 C オんみゆ Moon ( 1964 ) 、そして最も 迫力のある『パーマー・エルドリッチの二 つの聖痕』 The Three & な 4 地 ~ 記襯刃なん ( 1964 ) である。ディッ クの長篇群を読んで驚かされるのは、その 心理ドラマにこもる濃密な情感、現実に対 する変幻自在の、どちらかといえば傲慢な 姿勢である。それでいて語り口には一種の T / agg どイ 0 ″ジョン・プラナー 落ち着き、さらにはウィットさえあり、そ れが作者自身の正気に疑念を抱かせず、フ。 ロットを狂気のふちでさまよわせる余裕と なっている。 1960 年代から 70 年代にかけてのパラノイ アの記念碑的作品には次のようなものがあ る。 T V シリーズ『フ。リズナー No. 6 』 The ぞ r な 0 れ ( 1967 ) では、ひとりの政 治犯が何者かの手で翻弄されるが、その手 段はますますグロテスクになってゆく。ク リストファー・ホダー = ウィリアムズの数 23 XI

4. SFマガジン 1984年11月号

けて行った。そうしたパーティによくあるように、そのあつまりも 性的あてこすりの交換会に堕し、どれもうわべは本気でないのた が、底に疑惑があり、相手を傷つけたい気持ちがあった。ファロン ホステス はついワインを飲みすぎ、女主人に向かって、あるいはキャロルに かんして、いわずもがなのことをいっては即座に後悔した。帰りの 車のなかではふたりともおし黙っていたが、玄関ドアをしめたとた んに喧嘩だった。どちらも大きな声こそ出さないが、彼がきみなん てまるで尊敬できないといい、彼女があなたの節度のなさにはほと ほと厭気がさしたといい そのしすかないい合いでけっこう事は足 りた。三年間でたがいに、責め合いが上手になっていた。最後は仲 なおりして、睦み合った。 そのあとファロンは眠りのふちによこたわって、今夜の出来事は ばかげているが、笑えることではないそと・ほんやり考えた。どこか おかしいのだ。 ワインのなごりで頭が痛かった。またキャロルのにおいがのこっ ていた。ひどく空腹で、甲板の明るい日ざしのなかにふらふら出て 行くと、めまいを覚えた。間違いない。現実だ。もう目は覚めてい る。どちらを向いても、海は平坦で空漠たる広がりを見せていた。 船は軽風を受けてかすかに揺れながら進み、早朝なのにすでに暑か った。エンジンの音はきこえず、震動もなかった。ファロンはこま ぎれの印象をひとつの条理にまとめることができず、唖然と目をみ はるばかりだった。どれもみな、穏やかな海に浮かぶ往時の帆船の イメージにつながるものばかりで、頭がっげる今いるはすの場所に くらべると、どれも狂気のさただった。 男たちはのびをして朝の光のなかに出て行くとすぐに、仕事にか かっていた。みなくすんた色のシャツに、キャンヴァス地のズ・ホン 薹【 ~ ー 6 っム ジョン・ケッセル ト、 KesseL の定石の一つに、タイム・スリップという。ハターンがある。 現代人の主人公が、なにかの原因でいきなり過去の世界へ送りこま れ、慣れない環境にとまどいながら、さまざまな経験を重ねていく というもの。その代表的な一例に、・スプレイグ・ディ・キャン 。フの『闇よ落ちるなかれ』 ( 一九四一 ) がある。 このケッセルの作品も、一見そんな感じでスタートするが、実は そうでないことがしだいにわかってくる : これ以上の種明かし をするのは解説のエチケットに反するので、もどかしい書き方にな ク ってしまうが、お許しねがいたい。背景のリアルな描写といし とにかくひさしぶりに ライマックスの白熱した哲学的議論とい 興奮を感じさせてくれたカ作であゑ誌八一一年九月号に発 表された。 ジョン・ケッセルは、一九七八年にガリレオ誌にデビューした若 い作家で、もちろんこれがはじめての受賞。一九五一年ニューヨー ク州バッファローの生まれ。最初は天体物理学者志望だったが、 : テンソル解析で落ちこ・ほれ、同時に文学に誘惑された」とい う。物理学の修士号と、英文学の博士号を持ち、カンザス大学で作 文とを教えている。デビュー後、おもに & 誌に軽い作品 をいくつか発表していたが、この受賞を契機に大きく活躍の場がひ ろがったようである。最近はジェイムズ・パトリック・ケリー ( 本 誌の八一年八月号に「勇気という名の恐怖」という短篇が訳出され ている ) との共作が多い。ポストンの大会で ) 一レベーターの中 で出会ったのが、共作のきっかけだとか。 ( 浅倉久志 )

5. SFマガジン 1984年11月号

日ⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅧⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅧⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ も誰も聞きいれてくれないというテーマで ある。例としてはフレドリック・ブラウン の「さあ、気ちがいになりなさい」 "Come and Go Mad" ( 1949 ) があげられる。そ こでは巨大な知性をもつ ( アリの ) 集合精 神によって地球が支配されていることが判 明する。真実を暴いた主人公は容赦なく狂 気へと追いやられる。アメージング・スト ーリーズ誌は 1945 年から 47 年にかけ、ある 小説シリーズをのせることによって少なか らずその部数を伸ばした。リチャード・ S ・シェイヴァーによるそのシリーズとは、 事実に基づいていると称して、われわれが いかに地下の悪いロポットによって完全操 作されているかを明らかにしたものであ る。 シェイヴァー流の陰謀説は擬似科学の宣 伝者たちのあいだでは非常にポビュラー で、彼らの多くは科学者のあいだに自分た ちの発見をもみ消す陰謀があると信じてい る。それはマーティン・ガードナーの の〃 e Sc 化 ( 1952 ; 國異イ 5 れ d 記 c / い切 / ん 4 襯 Sc れ c 1957 ) や、後のジョン・スラデックの T んに cry 4 ( 1973 ) によって証明さ れている。スラデックの著作には擬似科学 そのものとパラノイアとのあいだの関連に ついて多くの興味深い観察がある。もっと ポビュラーな擬似科学教団の中には、われ われは秘かに空飛ぶ円盤によって監視され ていると信じるグループや、人間は異星人 の干渉の結果進歩したという、 ェーリヒ フォン・デニケンの信念に追従するグルー フ。もある。 誇大妄想と被害妄想をミックスした魅惑 的な SF のサフ・ジャンルには迫害されるス ーバーマンものがあり、特に A ・ E ・ヴァ ン・ヴォートと関わりが深い。彼の全作品 中に含まれる体系的な陰謀説は、おそらく 他のどんな SF 作家のそれよりも大量だろ VI Ⅱ う。著名な例として『スラン』 S れ ( 1940 ; 1946 ; 國 1951 ) そして『非 A の世界』 The 幵 % r 颪 ( 1945 ; 國 1948 ; 改 1970 ; 圜 The Ⅳの・研″ II - み ) があげられる。 後にヴァン・ヴォートは L ・ロン・ハバー ドのダイアネティックス運動に参加した が、その魅力の一端は誇大妄想と被害妄想 のミックスにある。 ド自身はパルフ。 S F の中でもっとも迫力のあるパラノイア 小説の一篇おどの・ ( 1940 ; 1957 ; 團厖 4 だ & 73 , て″の・に Sky の表題作の一 っとして 1951 ) を書いている。この小説は パラノイア的であり、同時にパラノイアを 扱ったものでもある。これは二通りに読む ことができる。精神病の殺人者の症例報告 と見てもよいし、また悪魔のあやつりの証 明ともとれる。どちらにしても、典型的なパ ルフ。雑誌文体の見かけの陳腐さを通して、 目を見はるほど恐ろしい幻想の連続が描か れている。 "Typewriter in the Sky" ( 194 のもまたパラノイア的幻想を扱った ものだが、こちらは楽しさに重点がおかれ ている。 もうーっの主要なパラノイア・テーマの 変型として、形を変えたりそれ自身寄生体 として人間に取り憑いたりする異星人の脅 威を描く小説がある。どちらにせよ、その 異星人がわれわれそっくりに見えるのが恐 怖である。これはパラノイアのまさに核心 から来たイメージである。友人、恋人、両親 さえも不可解な他人、憎しみに満ちた危険 人物に見え、殺さなければならないという 発想である。現実ではこのような幻想はし ばしば殺人を招くが、 SF においては気の 抜けるほどありきたりである。最も知られ た初期の例はジョン・ W ・キャンベル・ジ ュニアの「影が行く」 "Who Goes There ? " ( 1938 ) だが、この種の小説の全盛期は 50 年代である。これはいわゆる冷戦時代で、 アメリカ人は、共産主義者とホモセクシャ 264

6. SFマガジン 1984年11月号

うだったら、誘いにのろうと心に決めた。 一彼が先に立って進んでいく通廊は、幅が広く、天井が高く、どこ までもつづいていた。エネルギーが安かった時代の建物だ。ワシン トンでさえ、こんな光熱費のかかる世界に住む者はほとんどいな カらんとしたこの邸 、。非常に質素な装飾がほどこされていたが、 ; の大きさのせいで、簡素な様子はいっそう強調されていた。絨毯か ら天井まで剥き出しの空間がひろがり、その空間はほ・ほ四十フィー ふさわ トごとに、少なく見つもっても何百万ドルはする ( それに相応しく 展示された ) ごく簡素な芸術品によって途切れていた。ざらざらし た桜の木の台座にのった千年以上昔の、飾り気のない、完璧な白い 磁器の鉢。銀箔の上に張られたシルク・スクリーンに染め出された 鮮やかな色彩の雪道の写真。誰かが歩いただけで、はかなく消えて しまいそうな時間帯に撮った写真だ。直径一メートルの水晶球。そ のなかでは、不減のシャーラ・ドラモンドが踊っている。立体写真 技術の出現以前冫 / こ彼女は演技をやめてしまっていたから、これはコ ン。ヒュータによる高価な再構成にちがいない。密閉された小さなガ ラスの箱には、この世で最初につくられた真空彫刻がおさめられて いる。ナカガワの伝説的なスターストーンだ。急ぎではない客は、ぶ らぶらと芸術品を観察しては、次の作品にぶつかるまで黙想にふけ りながら、かなりの距離を歩いていく。ドロシイのように急いでいる 客は、驚きに充ちた刺激をさほど頻繁に受けるわけではないので、 えとく 芸術品を無視して通るコツを会得するにはいたらない。・ との作品も ドロシイの注意を引き、彼女の思考のなかに入りこんできた。それ らは、本質的に、また所有者の富を如実に示すことで、彼女の思考 を乱した。のんびりしているにせよ、急いでいるにせよ、自分の邸 を動かぬこの老人に会おうとすると、卑屈にならざるをえない。ド スパイダー・ロビンスン S トミ 3 ・ 0 、 ~ き ス・ハイダー ( 蜘蛛 ) などという名前が本名であるはずがない。以 前、高橋良平氏に、・・カリーの編だったか、・ ほくの持ってい ない作家名鑑を見せてもらったとき、その中にはじめて聞く名 前を見つけて目をむいたことがある。「え ? 何だ、このポール・ ロビンスンという男は ? 」答えはいわすと知れた話だが、ふしぎな ことに、以後いろんな資料にあたっても、この本名を見たことがな そういえば界には過去にも、親にもらったエドワード・ ミルトン・ウォルドーをあっさり捨てて、シオドア・スタージョン ( 蝶鮫 ) という奇態な本名を持つようになった作家がいる。 ( アメ リカではこういうことが以外に簡単にできるらしい ) 。スパイダ 1 ・ロビンスンもそのロだろうか。 一九四八年ニューヨーク生れ。七三年のデビュー以来、ジョン・ ・キャンベル新人賞、ヒ、 ーゴー賞一二回、ネビラ賞一回の受賞 歴を持っ実力派。七八年のダブ ル・クラウンに輝くノヴェラを長篇 化した、ジーン夫人と合作の『スタ . ーダンス』が早川書房からハー ドカ・ハーで出版されている。 「憂鬱な象」はアナログ誌八一一年六月号に発表された。読みおえて しまうと設定の無理が見えて、まさかという気分になるが、これが 世界大会というあのお祭りの会場で大受けした理由は納得でき る。楽屋落ちも含めて、後半にふんだんにとびだしてくる現代の事 伊がとにかく楽しいのだ。 ( 伊藤典夫 ) 2 3

7. SFマガジン 1984年11月号

ものか、とも思う。さきほど触れたジュヴナこの「ベスト」に収められた各篇はソフィス毎月刊行五〇年代のソノラマ文庫から イル性というのは、各人の意志にかかわらずテイケートされたセンス・オプ・ワンダーをは、ヴォネガットのキルゴア・トラウトのモ 訪れた〈事件〉により、登場人物たちが〈成味わわせてくれる。マッケナ「秘密の遊びデルになったスタージョンの『影よ、影よ、 む 長〉する、ということである。以前、は場」、ラフアテイ「町かどの穴」、ウイルスン影の国』が出た。情感が喪われたアイデア・ 集になっているのが残念。〈奇妙 ーグ「憑きもス を夏休みの少年たちのもの、といったことがあ「世界の母」、シルヴァー・ ( 、 るが、やがて秋を迎え学校へとかえってゆくの」、ジョーンズ「時間機械」が収中のベスな味〉がオトシ話になってしまった。スター 穫 ことは、少年たちにとってはまたひとっ〈大ト 5 か。ただし、〈オービット〉シリーズ全ジョンのアイデア作家としての面は、充分楽 人〉になってゆくことだ。はいつも、何体をみた場合、やがて刊行される下巻も含めしめる。 の て、これが「オービット」なのだ、と思って ものかとのファースト・コンタクトであり、 それをとおして登場人物が″成長の儀式〃をは間違いになるだろう。この「ベスト」に収最後は、青心社の『ホラー & ファンタシイ められたのは、あくまで編者ナイト好みの作傑作選 1 』で、かの″ウィアード・ティル 終える、というパターンをとることが多い。 ズ″誌からのアンソロジー。おすすめ本だけ 大人への階梯を自らすすんでの・ほるのではな品である。ハーネスのワイド・スクリーン・ く口ック作品を含め、宇宙小説などはオミッれど、どうしていつも国書刊行会の企画とぶ く、他者の介入によって迎える、そんな他カ / 本願的なところがある。を読むこと、セトされている。これは希望なのだが、たぶんつかるのでしようかねえ。 ンス・オ・フ・ワンダーを味わうことは、少年下巻に附されるであろう解説には、「オービ 『ビーストチャイルド』 Beastchild / デ ット」収録作品リストなどを付けて、このア にとっては大きな、大人にとってはささやか ンソロジ ー・シリーズ全体の俯瞰が見渡せるイーン・・クーンツ著 / 榎林哲訳 / 二四〇 な、日常生活の冒険なのではないだろうか。 ようにしてほしい。 頁 / 一一一〇〇円 / 文庫 / 東京創元社 0 ・カ ・『聖堂都市サーク』 0 ミミ / テリー 『ザ・ベスト・フロム・オービット』の上巻 カト・ヴォネガットの『デッドアイ・デ 1 著 / 宮脇孝雄訳 / 二九三頁 / 一二六〇円 / 文 が出た。六〇年代から七〇年代の海外を 語るうえで、よけてとおることのできないのイック』は、彼の最新長篇。″祖国の中性子庫 / 早川書房 『ザ・ベスト・フロム・オービット』 TJ ミ が、デーモン・ナイト編集のオリジナル・ア爆弾で滅びる運命にあるアメリカの小都市・ ンソロジー ーズの「オービット」だ。 で、変人・普通人がコミカルに織りなす時の Best F きミ 0 ~ 、 / デーモン・ナイト編 / 流れのタベストリー″で、ヴォネガットは浅倉久志・他訳 / 一一九四頁 / 一九〇〇円 / 四 スティル・アライヴ・アンド・ウル あい変わらず健在だ。ゆっくりと利く毒を六判並製 / ー社 『デッドアイ・ディック』 D 0 ミし ~ 盛り込んだコミック・ノヴェルの書き手と 0 して、ヴォネガットは、、 ヴォネガット / 浅倉久志訳 / 二八 しつも娯しみを与 / カート・ えてくれる。ただ、アイロニーの裏の痛ま六頁 / 一四〇〇円 / 四六判上製 / 早川書房 しさがどこかにいってしまった中庸さを感・ 『影よ、影よ、影の国』望ミミ . ヒミトさ じてしまうのは、こちらが彼の作品になれ 0 、 ~ TJ ミ 1 まミ I / シオドア・スタージョン すぎてしまったせいか。甲斐・ハンドじゃな著 / 村上実子訳 / 一三二頁 / 四一一〇円 / 文庫 ト・フォ いけれど、・フロークン・ / 朝日ソノラマ ートを売りものにし セール、″破れたハ 『ホラー & ファンタシイ傑作選 1 』大瀧啓 9 裕編 / 一一三六頁 / 九八〇円 / 四六判並製 / 青 てなんてね。 心社

8. SFマガジン 1984年11月号

0 ◎ル ' 83 年ヒューゴー / ネビュラ賞特集 ヒューゴ賞ノヴェラ部門受賞作 ネビュラ賞ノヴェラ部門受賞作 1984 SF マガジン ⑩祈り 他の孤児 ⑩憂鬱な象ーー ①特集解説 ①引き潮のとき 創星記 く連載第 6 回〉 。被書空間 0 マ不レラ・グリーン・スリーヴス 平田真夫 ジョアンナ・ラス 冬川亘訳 ジョン・ケッセ丿レ 村上博基訳 ス / イダー・ロビンスン 風見潤訳 小川隆 ヒューゴ賞ショート・ストーリイ部門受賞作 タトラデン支配層との会見は近づく く連載第 22 回〉ーー眉村卓 川又千秋 石盤の文字の意味するものは・・ 星雲賞を独占した作者の野心作 ! 神林長平 工ゾコン SF コンテスト入選作品 The following stories are reprinted with permission of the owner, fo 「 which acknowledgement is here gratefully made : Souls by Joanna RussO 1982. Another 0 「 phan by JOhn KesseI 01982 by Me 「 cury Press. 表紙イラストレーション : 鶴田一郎扉・目次イラストレーション : 佐治嘉隆表紙 : 2 色べージレイアウト : マッセルカンパニ 本文イラストレーション : 金森達 / 山進岩淵慶造 - 吾妻ひでお / 加藤直之 / 天野喜孝 / 佐治嘉隆 / 横山宏 / 錦織正宜

9. SFマガジン 1984年11月号

ペット探偵、 非情の日 ンヤック・ヒギンズ / 村社伸訳 シャーロック・ポーンス —に奪われた万ポン ジョン・キーン ドの金塊を追えー・・丨ー英国情 レ 木村順子訳 剌の密命をびてアイ ランドに飛んだ男の闘い ペット全盛の見代にあら 巨匠会心の冒険アクション われた、 定価三四〇円 専門の私立探物 ) ワ い大人の仕事かと悩み なか、らも、一眠にくれる」夫 カ 女を助け、身勝手な飼い ビザンチウムの夜 を第′、王に激怒する。ペット叟 アーウイン・ショー ャ 小泉喜美子訳はを 査の体験的ハウッウ篇っ だ一人力ンス映画祭を訪 子定価四ニ〇円 ( を . / れたかっての名プロデュ の 〒壥サーの寂しさと誇り。 都会ゴリラの季節 - ト説の名手が男の生きざま ジョージ・・シャラー を洗練されたタッチて謳 - フ 定価五六〇円 庫乗れない方舟 定価三四〇円 〈ルイジアナ物語⑥〉 文 ( リオット先生奮戦記上・下 愛と死の大地 ジェイムズ・ヘリオット定価各四〇〇円 モーリス・ドニュジェール / 三輪秀彦訳 ジニアとクラーレンス カ絶地上から消えた動物 地、 の波瀾の生渊もついにその ーグ定価三ニ〇円 ート・シルウア 慕を閉じご。万ごな時代の に吹きの中、後継者たちの、 おかしなネコの物語 し」る旦 2 は ?. 感動の第 6 巻′ 定価四二〇円 亡 乾信一郎 定価三六〇円 定価ニ四〇円

10. SFマガジン 1984年11月号

四位「フレインチャイ ジョゼフ・・ディ レイニ 説五位「しるしを残し て」会 TO Leave a a 弄当キム・スタ ロビンスン ノリー・ 六位「他の孤児」ジョ ン・ケッセル 〈ベスト・ノヴェレッ 受賞作「火守り」コニー ・ウィリス 二位「ナイトライフ」 "Nightlife" フィリ ゴ ス・アイゼンシュタ 三位「ポーンの手」 "Pawn's Gambit" ティモシー・ザーン 四位「アキラ」 "Aqui ・ la ソムトウ・スチ ャリトクル 五位「車」・フルース・スターリング 〈ベスト・ショートストーリイ〉 受賞作「憂鬱な象」スパイダー・ロビンスン 二位「スール」・・ル・グイン 00 を紅 0 第 CO 訂 SH R 度第 三位「水上スキーをした少年」 "The Boy WhO 「 ate 「 skied ( 0 FO 「 ever" ・テイプトリー・ジュニア 四位「ス。ハイダー・ローズ」・フルース・ 社él 〃 co れ i “ S 盟戒れ 0 スターリング 五位「マイクのアイク」 = 一 kea ( ( he 一・ ke" ハワ】ド・ウォルドロツ。フ 〈ベスト・ドラマ〉 受賞作『プレードランナー』 二位『スター・トレック 2 カーンの逆 襲』 三位『@ 』 四位『ダーク・クリスタル』 五位『マッド・マックス 2 』 〈キャンベル新人賞〉 受賞者ポール・ 0 ・ウィリアムズ 二位リサ・ゴールドスタイン ディヴィッド・ 四位ジョゼフ・・ディレイニー ーゼル 五位サンドラ・ 六位ウォーレン・・ノーウッド 〈ジョン・・キャンベル記念賞〉 ing ・フライアン・オールディス フィリツ。フ・・ディック記念賞 受賞作『ソフトウ = ア』 S 、、 8 e ルーデ イ・ラ、カー ◎世界幻想文学大賞 ベスト長篇『痩軅の = フト』、 the 7 4