作家 - みる会図書館


検索対象: SFマガジン 1985年1月号
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1. SFマガジン 1985年1月号

返るのも無理はな、。 気に「大山 2 」へと盛り上り、それに体制へのジョーンズとやりあうハゲ頭の兵士とか、潜水 どうやらこれで問題は解決したらしい。途中痛烈な皮肉をこめた「コーダ」をつけて終ると艦から乗りこんできたナチの士官を煙に巻く黒 いう構成は、やつばりプロの仕事だなあと感心人の船長とか、実に個性のあるいい役を作って で止めて冷さずに「レイダース』が最後までち ゃんと見れるようになった。 させられる。 いるのがよくわかる。 私は英語のヒャリングが駄目だからよくわか そこで完成したのがこの構成・シーン割り表とくに、注目すべきはそのテンボの配分であ る。 である。 らないのだが、エジ。フト人に変装しているアメ 左端はスタートからの時間を示す。秒どころ最初の一時間、南米からアメリカの大学、ネリカ海兵隊 ( ? ) の男が朗々と歌を歌いながら 。、ール、カイロと比較的ゆるやかなテンボでき遠ざかっていく港のシーンなんそも実にいし かフレーム・ナイハーまで読み取れる放送用 > の番地みこ、こよ、 しかし、こっちが本当に知りたいのは、ス。ヒ ナし冫 ( し力ないから概算だが、 たものが、砂漠の後半から急にテンボアップし ル・ハーグがこの映画を作りたいと考えついた時 てきて、あとは一気におわりまで持っていくあ 全編一一三分である。 たりは見事としか言いようがない。 から、こんな風にまとまるまでに彼が一体どん な道筋をたどったのか、なにを切り捨て、どん しかし、こうして図化してみると、各シーン面倒なことはロで一言うよりも表を見て戴くほ うがわかりやすいが、いろいろな仕掛、たとえな要素を新しく入れたか ? 知りたいのはその の配分が見事に計算されていることがはツきり わかるだろう ? 航跡なのである。 ば活劇部分、サスペンス、グロ、脇役、笑い メカ、凝り具合などといった要素の配分も、ス だから、この映画の台本の第一稿が読めた 猛烈な「喰い付き」、「間奏」、グッと清洌な ネパールの「山 1 」の立ち上りから「中山」のペース・オ。ヘラを書こうとしているキミには大ら、そしてこの完成台本とをつき合せて検討す ることができたら、これがなによりも強力な勉 いに参考になるはずだ。 カイロへ入ると、もうあとは息もっかせぬテン 強になるのだが・ : ボでサハラ砂漠の「大山 1 」、船室の色模様が脇役なんそも、こうして整理してみるとい、 キラリと光る短い「スケルツオ」をはさんで一んだなあ。ナチの新型機の下でインディアナ・ ・のめ送 ー′ 6 ロ十ー・カ ネ元の″ ダ大生一 ク田験カ マ野受ッ 〇 、らのテた か本スし ~ 則社日りま 直ス、守き りラへおて 切グと“れ 締ダものら 7 緊急速報 ! 60A 収 0 、、日本の受験生諸君ガ、無事に 合格されますように /

2. SFマガジン 1985年1月号

主要都市 ( とりわけロサンゼルス ) がスモ ッグにおおわれたロンドンと経験を分かっ ようになるのは、それからさほど後のこと ではない。もっともペンシルヴェニアやオ ハイオの工業都市は、 19 世紀からひどい公 害問題を抱えていたのだったが。 1950 年代に入っても、 SF において真剣 に考慮される汚染源は、ただーっしかなか った、放射性廃棄物である。広島の原爆や ビキニ環礁の核実験による残留放射能の影 廃棄物投棄に関する社会の一般通念に警 染料中のヒ素、水道管の鉛、等々。 めた。すなわち、壁紙に使われるある種の ふれた所での危険がしだいに認識されはじ たと思われる。そしてほどなく、よりあり て、社会の感受性を大いに高める力になっ の物語は、環境中に潜む有毒物質に対し 大破壊とその後、 ミュータント ) 。これら ける最も恐ろしい局面の一つとなった ( による環境破壊が核戦争後のシナリオにお 響が広く知られるようになり、放射能の毒 『沈黙の春』レイチェル・カースン 267 告を与える S F 小説は、 1950 年代になって ようやく現われはじめた。 C ・ M ・コーン ゾルースの「暗い潮を刈れ」 "Shark ShiP" ( 1958 ) はとりわけ極端な例である。ジェ イムズ・ホワイトが軌道上の廃棄物の危険 性を描いた小説 "DeadlY Litter" ( 196 の は時の経過につれて変質し、巧みな寓話と 化した。しかしながら、この問題が非常に 鮮明に焦点に入って来るのは 1960 年代初め のことである。その大きな原因となったの は、一冊の本、レイチェル・カースンの 『沈黙の春』 The & ん厩だ g ( 1962 ) の出版である。この本が示している主な論 点の一つは、全く新しいタイフ。の公害、す なわち生物によって分解されず、生体内で 致命的にまで濃縮される傾向のある化学物 質による公害が始まっているということだ った。これらの物質ーーーとりわけ有機塩素 化合物ーーーは、たんに猛毒であるばかりで なく、いったん生成されると、生化学反応 では無害な物質にまで分解することができ ないため、永久にわれわれと共にあるので ある。 DDT は、かって殺虫剤として広く 使われたものだが、カースンの本で攻撃さ れている主な標的の一つとなっている。 P BB は、最近ミシガンの一部住民と大量の 家畜の汚染原因となった化合物だが、これ も同じ系統のものである。こういった新た な脅威の認識は、きわめて急速に SF に吸 収され、事実上一夜にして近未来のシナリ オの標準的特色となった。 この問題を脚色した初期の著名な作品の ーっに、シオドア・ L ・トーマスとケイト ・ウイルヘルムの T ん Clone ( 1965 ) が ある。汚染物質が自然発生的に生命を持 ち、あらゆる有機物を自分の構成物質へと 変化させて巨大な無定型の固まりになると いう恐怖小説である。問題となる論点のい くつかを、リアルに扱った作品にはハリイ ・ハリスンの『人間がいつばい』」 XIII

3. SFマガジン 1985年1月号

ヒングリーの Up れんツ s ! ロナルド ( 1956 ) 、アーサー ケストラーの T ん住 Agc 乙 0 〃 gi ツ g ( 1951 ) 、ティヴィッド ・カーフ。の 0 e ( 1953 ; Escape / 尾の、レナード・エンゲルの T んに ー 0 だ記 4 の〃 e ( 1947 ) 、エマニ ュ =- ノレ・ S ・ビラーとジェイムズ・ノく一口一による 0 / the ル。だ記 ( 1957 ) などが ある。オーウェルの著書が以上の中では群 を抜いており、最も強烈で最も影響力が大 きい。それ以後書かれたオーウェル亜流の ディストヒ。ア小説は数え切れないくらい多 ミッチェルの T ん いが、ェイドリアン・ お 0 g ″のツ ( 1970 ) やアラン・シリトーの 『ニヒロンへの旅』 7 ' “な / ん〃 0 れ ( 1971 ) などが含まれる。この二冊には他 の多くにない特長があり、むやみにオーウ ェルの後を追っているわけではない。 近未来を舞台にするが故に、単に慣例と して政治小説となったものも多い。そうい ったものの中には、原子力の政治的な利用 を扱ったヒ。ーター・ジョージの『破減への 二時間』 7 , 0 0 ″加 D00 襯 ( 1958 ; 癶記ん広映画『博士の異常な愛情』の 7 ・ & れ g 00 らの・ . ・胤 02 7 ea d & 眇 ー 0 な y 切 g 4 れ d 侃℃訪に召 0 襯ろ , 1964 の 原作 ) やユージン・ L ・パーティックと J H ・ウィーラーの『未確認原爆投下指令』 4 〃 - S 可、 ( 1962 ) 、そしてウィリアム・チ ェンパレンの癶記れ″ ( 1964 ) など がある。アメリカでの政治的陰謀を扱った 他の作品にはリチャード・コンドンの T ん 3 」イの炻ん観 - / 4 れ Ca れ d 4 ん ( 1959 ) 、フレッ チャー・ネイベルの / g Ca 〃ゆ Da て , ( 1965 ) 、イエジ ー・コシンスキ の『預言者』 Being T ん尾 ( 197 の、アレ ン・ドルーリーの CO 〃尾 ev ん , Come 7 ℃ ( 1973 ) などがある。映画でも同様に The ' 5 4 立 ( 1967 ) や『合 衆国最後の日』 7 〃 / g ' s ん 4 立 G んの襯ツ g VI ( 1977 ) のようなものがいくつかある。 上記のカテゴリーにうまくおさまりきら ないような他の政治的主流文学 S F には、 ト・コンクエストの A 科 % 鑽 D ( 1955 ) 、小松左京の『日本沈没』 ・ラングの 4 ( 1973 ) 、オリ / ( 1971 ) などがある。 主流文学の政治 S F における興味深く、 また、けっしてめずらしくないテーマとし て、人種的偏見と人種間の争い、とりわけ 274 ff'he N こ科ての・ ( 1892 ) のような、まった 点であった。もっともキング・ウオレスの 般的だったのは黒人を人間以下たとする観 しては異例なものである。もっとずっと一 秩序の回復を可能にする。これは 19 世紀と 力の諸種族がヨーロッパの崩壊の後で再び こでは、興味深いことに、未来のアフリ の The ス召な ( 英訳 1859 ) である。 最も初期の作品の一つはヘルマン・ラング ついては後述する ) 。このテーマに触れた 白人と黒人との争いがある ( 黄禍論小説に 『ニヒロンへの旅』アラン・シリトー

4. SFマガジン 1985年1月号

私はマーティン & タトルの「翼人の掟』き娘 ! 」と叫ばれ、これが呪いとなって本しがみついたのが白鳥の曳く乗物。この白 が大嫌いだ。主導権を握っていたに違いな当のことを話すことが出来なくなってしま鳥がまた何と、アナスタシアという王女の いリサ・タトルの、女としてのナルシシズ った。さあ大変、国王はこの悪いいたずら魔法をかけられた姿なのだ。白鳥は一一人の ムと虚栄心が、おぞましいまでに前面に押の主を捜しまわったが全くわからない。や助けを呼びに飛び立とうとするのだが、森 本 し出されていたためである。同様の傾向がて時が過ぎて、・フロンウインはりつばなで狩りをしていたジゾシー少年ジャックが けれども嘘しか言えない娘に成長しこれを矢で射てしまう。幸い白鳥の命に別 良は、女性の手による作品には大なり小なり 見られるものだが、ここまで正面切ってやた。そんなある日ーーちょうどアルゴニア状なく済みはしたものの、当分は飛べず、 られると我々男にとっては寒気がする。せと隣のア・フレマ 1 ル国が戦争を始めた頃、・フロンウインたちは少年共々川の領域から めて主人公の女性だけは可愛くあってほし彼女は母親から、外界の見聞を広げるため脱け出せなくなってしまった。こうして川 いものだ たとえ男顔負けの剣士であっ に、いとこのキャロルを連れて旅に出るよに流されて四人はいっしか海へ : : : と思っ たとしても。 たのもっかの間、今度はサイレンの唄に捕 えられて、人魚や海蛇の住む岩礁へと導か ことファンタジイの新作 れる。キャロルの魔法の心得のおかげで命 を読むにつけろくな作品 は助かったとは言え再び動けない運命とな に出会わない。シャーロ った。そうこうするうちに沖を通りかかっ ット・ストーンの CI ミ 0 、、 た船が、やはりサイレンの唄に引かれてや of 、ミミ、 ~ ぶ、 ~ はレ′ って来る。彼らも海蛇の餌食と思いきや、 スビアン・ポルノ、・、 この船の連中が一枚上手で海魔共を大あわ てさせた末、両者で和解が成立。プロンウ インたちもこれに乗じて、ようやく恐しい はムダ文章の羅列、・ 海域を脱出できたのである。 ・マカヴォイも今二つ さて、この船に乗っていたラスペリー女 。そんな中でエリザベス・スカー求ロう薦められた。母の本心は、この戦雲の折王から、・フロンウインの呪いについて魔女 ウの第三作にあたる本書は、主人公の王女せめて娘だけは無事に : : : との願いからのベル・ハーガならわかるだろうと言われ、彼 に可愛げもあり、快適なテンボのおとぎ話ことだった。 らは海を越えて南の国へ・ : 。やっとのこ で楽しませてくれた。 ただ、″キャラ こうして王女・フロンウインと、多少魔法とでベル・ハーガに会ってきくと、その呪い クターの不在という根本的欠陥があるにの使えるキ 0 ルの冒険の旅が始まるのだを解くには未知の国ミラゲ = ア〈行かねば はあるが : が、ここから先は悪く言えば御都合主義、ならぬと言う。しかし、ミラゲニアは地図 良く言えばローラーコースタ 1 式連続活劇のどこにも載っていない魔法の国だったの である : ・ ( 例のごとく ) 架空の国アルゴニア。王女がスタートするわけである。 として生まれた・フロンウインは、洗礼の儀まず早速に、一一人は川の精にだまされて 川の中へ連れ込まれ、おぼれそうになって SØNNER—-a 呪われた王女プロンウイン℃〃町〃を〃加 工リザベス・スカーポロウ E / レ a 比物 sca 比「 0 リ g わ 3

5. SFマガジン 1985年1月号

とつけん 前でイグノシを待ちかまえた。ゃぶれた王者の特権によって一騎打た。次の瞬間、私の胸はククアナ国のさまざまな驚異の光景に対す どうけい ちの相手をへンリ 1 ・カーティス卿にえらんだ。卿によって息子のるあつい憧憬の念でみたされた。 にゆう スクラッガを殺された恨みもあったのだ。 砂漠からふりあおいだ、雪をいただく二つの高峰 : ″シ・ハの乳 ごう しかしカーティス卿は豪勇無双ぶりを発揮し、戦斧をふるってた房″の壮観。その山をこえて初めて目にした古代の街道、ソロモン だの一撃でツアラの首をはね飛ばしてしまったのだ。ククアナ国を街道も、おどろくべき眺めだった。岩を切りひらいて作った幅十五 おおっていた暗雲は晴れ、かってウムボパという名で私たちに知らフィ ートものなめらかな道が、原野をよぎってまっすぐにつづいて とう けいこく れていたイグノシは正統なるククアナの王位についた。 いるのだ。ふかい渓谷の上には、みごとな石づくりのアーチがかけ しかし″夢″のなかでは、最前も悩まされたとおり、ツアラが勝られていた。すべて二千年前の古代人がやってのけたことである。 た。カーティス卿、グッド大佐を殺し、イグノシをもたおし、私そして、ソロモンのダイヤモンド鉱山をまもるように宝窟の前に ちんもく 自身に迫って来る。 いつも、その斧が頭上にふり下ろされる寸そそり立っていた三体の″沈黙の像″。へ・フライの神々を模したと ゅううつ 前で目が覚めるのだった。 思われる。男性像が二つに女性像が一つで、神秘な憂鬱さをただよ わせていた。 これはいったいどういうことなのか ? そして私たちを恐怖でふるえ上らせた″死者の部屋〃。それはク ククアナ国へのなっかしさが、同じ夢をくり返し見させるのかフ びよう だがそれならば、なぜ私たちが殺される悪夢となって現われるのクアナ国代々の王の墓廟ともいうべきもので、宝窟の手前にある一 しよう しにがみ 室であり、鐘乳石をきざんで作られた巨大な死神の像の回りに、テ ープルをかこんで王たちの遺骸がなかば石化しつつ坐っていた。カ たしかに、私たちがかの地を訪れたことにより、おびただしい死 者が出た。数万のたくましい戦士たちが死に、ツアラ王も、その片ーティス卿が首を切り落としたツアラも、みずからの首を抱いてそ 腕の魔法使いだった妖婆ガゴールも死んだ。そしてグッド大佐を慕こに坐っていたのだ。 っていたあの美しいファウラタも。 そして、洞窟の奥でついに見たダイヤモンドの原石の、なめらか ソロモン王の秘宝がおさめられた大洞窟に私たちを封じ込めような石鹸のような手ざわりと、にぶいきらめき。 かれい としたガゴールは、厚さ五フィートもの岩扉に蛙のようにおしつぶすべては華麗な夢のようであり、同時に私の胸のなかでは、生々し へだ された。ファラウタはその危急を私たちに報らせようとし、ガゴー い現実であった。一万マイル以上も隔てた遠くにありながら、時が ルに胸を刺されて死んだ。 経つにつれ、いっそうその生々しさが増して来るようにも思われた。 私は溜息をついた。 ファウラタの骨は、今もつめたい石床の上で、永遠の暗黒に包ま れてねむっている筈である。 不安が、おぼろな黒雲のように胸の奥から湧き上がって来た。 きよう ククアナ国に、可、 : ・とっぜんつよい郷愁がこみ上げて来て、息がつまる思いがし イカ異変が生じているのではないか ? わが友イ イサスシ 8

6. SFマガジン 1985年1月号

ハヤカワ文庫 NV 謀略山脈 ジェフリイ・ジェンキンズ / 工藤政司訳 南アフリカの銅山、て、恐る べき陰謀を企む男。調査を 始めた四人の男女に死の危 機が迫る ! 壮大な自然を 舞台に仕田ノ、冒険アクション 定価四ニ〇円 潰えた野心 ( 上・下 ) アルベルト・モラウィアー / 千種堅訳 〈モラヴィア傑作選⑤⑥〉 青年ビエトロをめぐる女達 の様々な策略と欲望 九三〇年代ローマのプルジ ョワ社会を描く野心大仁 定価下客四ニ〇円 1 黒海奇襲作戦 殺し屋ダラカン 〈月刊〉 ダグラス・リーマン クロード・クロツツ 神様は手話ができるの ? 先天性難聴のわが子に トマス & ジェイムズ・スプラドリー 山室まりや訳 のために手話を習ってくれ 0 たおばあちゃんが死んだ。 「大国の神様は手話ができ ンは心配する。 るの ? 」 力を合わせリンの難聴と闘 第う家族の愛と勇気を描く感 定価五〇〇円 。し動の手記 四歳にとって人生とは ジョイス・メイナード LL z 中失われた私 発 文 ワ カ ャ 定価六八〇円 ある少女のシベリア日記 シルヴァ・ダレル フローラ・・シュライバ 定価三六〇円 定価三六〇円

7. SFマガジン 1985年1月号

アンナ 「アンナ リロイが大きくなったらーーこの子が大きくなったら : 明日。 「この子が大きくなったときにはーー」 いつも、今日のつづきとしてそこにあると信じて人々は生き、そ ふいに、リーは絶句した。 して もう、まちがいようはなかった。 ( アンナ ) しずかな、かすかなーーけんめいにこらえているすすり泣き。 調整技師のアンナ。シティと、この惑星全体の生態学的トラ・フル リーは、ゆっくりと身をおこし、あかりをつけた。 を、調整するための仕事だ。このところ忙しくて : 妻はうたれたように毛布をひきあげて、顔をかくしてしまった。 ( ええ、おとといからは早いのよ。もう、残業はしなくていいの。 しかし、リーはたしかに見てしまったのである。アンナは してもしかたがなくて : ・ : ・ ) アンナはリーの声をききながら、暗がりで、一人しずかに涙を流 疲れきった顔で、おそく帰ってきていたアンナ。すみきった、愛 しつづけていたのだ。 にみちた、悲しい瞳。 暗がりで : シティに幽霊がたくさんあらわれて ( どうしたんだ。アンナ ) 突然リーは数日まえの〈ンの話、そのときは、気にもとめなかっ リーは、そのことばを、ロに出すことができなかった。 何かがゆるやかに、かれのまぶたにふれ、何かを見せようとしてたことばを思い出していた。 ( われわれの住環境ってのはきわめてもろいもんだよ。快適な温 の工孤児 2 虜囚野默 庫 イイ一部作っいに完結 , ワ ・円カ ・ストールマン著 価 定 宇佐川晶子訳 定価田 0 円 3 6

8. SFマガジン 1985年1月号

0 一異 音楽の魔術師デヴィット・ボウィーの『スペイス・ オディテイ』。それに私達のアルバムを一一枚 : ハムも好きだけれど、やはり決定的な名作は『ス あれは今を去るこを x 年前。私は、当時すでに 衰退の一途をたどっていたグラム・ロック ( ああペイス・オディテイ』だろう。 なんて美しい響ぎ ! ) にしつこくウッツをぬかす『 2001 年宇宙の旅』をモチーフに作ったアル 素朴な女子高生であった。頭の中は、マーク・ボ・ハムなのだろうけれど、このレコードを聴くたび ランやらデヴィッド・ボウィーやらコックニ いう名の地獄にとらわれてゆく者の歌という具合 レベルやらニューヨーク・ドールズやらのとばすうボウィーの声を聴くたびに、映画のワン・シー である。 。ヒカビカの星でイッパイだった。そんな中で、デンが、頭の中にパゴーン ! と広まってしまい どちらかといえばファースト・アル・ハムは 気もくるわんばかりのしじまの中の果てることの ヴィッド・ボウィーは当時私の co の先生だっ た。『異星の客』や『一九八四年』や『地球幼年ない孤独を思って、思わず頭がくらくらしてしまのヘヴィな部分、闇の部分を感じさせる直線的な アル・ハムだと思う。そしてセカンド・アル・ハムの 期の終わり』を彼は見事なまでに音像に変える魔う私の青春であった。 ビカビカしたり、くらくらしたりしている女子『カルナヴァル』は、プラッド・ヘリ的な幻想や、 術師だった。今でこそ万人ウケする品の良いエン タティナーになってしまったけれど、あの頃の彼高生は長じて・ ( ンドを結成、めでたくもアル・ ( ムカート・ヴォネガット・ジ、ニアの軽妙さ ( もち は、まさしく魔術師だ 0 たのだ。当時のどのアルを作ることにな「た。もちろん、 0 〉クを通じ A ろんそれはオプラートだけれど ) が主役にな 0 て 養われてきたへの興味は失われることなく ' くる。そのものズ・ ( 東バ東 ウス 月ャ 0 の感性の裡に根をおろし、当然のことながあ第第 . ,. 人「。ータ・ー ( 活動の面においても大きな影響を及・ほした。 5 」という曲もある 貶日ジッ 自己紹介がわりに自分のアル・ ( ムを紹介しし、うめたて地の非人 岡月日 まうが、まずファースト・アを ( ムの『的工場地帯を夢のワ ス宿 0 ーランドにした 』 ( そうそう書き忘れてたけど・ ( ( 一ドの名前もー第 報 / 月ルイ新 日者ー / ゼルダ ) 。「真暗闇」という曲では、アーマゲド て、「ンビナートを遊情 8 京 / イオ 7 ま 月屋テ・ ンがテーマになり、「ロポトメイア」という曲で イ に変化させてしま一 日古スタ一新 ウ は、教師や親や総理がコントロール・ロポット う・身につけた。 ポ / 幻名エル 5 料 し、彼らを攻撃するが、気付いてみると恋人まで そなわけで第一回、阪月フゼ宿の コ大に日・「新一、 イ ヴ クは もがそうでありもしかすると自分も、というわけⅢは「私の半生にお デでアイデンティティそーしつ、という歌である。 ける ロックにつレ日島月ッ′、 ~ 佰 っロ広にロし新 また、未だに私のお気に人りの曲であり、ゼルダ う感じになセ 月 日京ン・京号 の代表曲でもある「と・ら・わ・れ」は、自分の てしまたのでし 内部に住むもうひとりの人格に動かされて日常と ・ O<OI—IO YO-) ー >< ・出産当日の朝まて原稿を書いていた驚異の冊、小嶋さちほです。今はただただ息子のリオ君とハイつに乗って遊びたいっ 月嶋 0 ちほ 0 TZELDA] ゼルダ p エ一匚 PS ( 28PL ・ 42 ) こ 0 刀三凵ハ TCARNAVAL 」ゼルダ p 工 ILIPS ( 28P 「 64 ) は R N Å A [ Ⅱ [ 0 ム 4 / み . て・れ Q 0 れ c

9. SFマガジン 1985年1月号

■ SF パソコン入門講座 ハソコンがひろげる Q の夢 \ASlR0[0ßY 第 10 回 内藤淳一郎《光世紀》星占い 協力 : ハード SF 研究所 今月は新年号なのて星占いて遊んて みト - フ 生年月日と今日の日付を入力すると、 あなたの運命を定める星と今日の運勢 が表示されるしくみだ なんだ、ただのコンピュータ占いの と田 5 われるかも 簡略版じゃないか しれないが、そうてはない。 あなたの運命を決める星ーーーそれは 《光世紀世界》にぞくする由緒正しい 実在の星なのだから : 本プログラムては、太陽から近い距 離にある有名な六つの星をえらんてみ 星の名称のほかに光世紀番号やスペ クトル型、太陽からの距離なども表示 される。 星の数をもっとふやし、 、ハイオリズ ム曲線などと組み合わせてみるのも面 白いだろ、フ 一九八五年はどうなるかー ーあなたも《光世紀》星占いの フログラムを作ってみたら ? セイ第ナイ コ 0 セイウラナイ LCCe ま 46 工リタ。アスサ・イアッロンセイ K2 力。夕ま 6.8 コウ本フ アナタノまツ LCC9948 。 - ナート。セイ H5 力、、タ 5.9 工コウネン アナタ薈ョつ ツクウノッ ? メカライツ。ケ。フセカイ レマセフ アナタヨつ イフセやノチョククやキラウクルオソレカ、、アリ ? ス トランス本・ - トサレルカ ` ツ Ready R ・はリ 1 《光世紀》星占い回答例 - ① 《光世紀》星占い回答例一 2 )

10. SFマガジン 1985年1月号

とばを切った。 「つづけなさい」 「つまりですね、どういうものか、それがわたしには信じられるん です。よくわからないんだが : : : 」 「いいから、つづけて」 「ええと、どういうものか、その悪夢の世界が現実世界のようにな ってきてるんです」ラニガンはいったん間をおいたが、それから堰 を切ったようにしゃべりはじめた。「いっか目がさめると、わたし はその阯界にいる、その世界こそが現実になり、いまある世界は夢 になってしまうんじゃないかと」 彼は目線をうっし、この気ちがいじみた啓示をサン。フスンがどう 受けとめたか見ようとした。サン。フスンが動揺しているにしろ、そ一フ れは顔にはあらわれていなかった。左の人差し指のくすぶる先端を パイ。フにかざし、泰然とパイプに火をつけている。人差し指の火をオ 吹き消して、サン。フスンよ、つこ。 冫しナ「なるほど。それで ? 」 「それでとは ? それがそうなんです。すべてなんですよ ! 」 藤色の絨毯に、二十五セント貨ほどの大きさの斑点が現れた。斑 点は黒ずみ、盛りあがると、みるみる小さな木に生長した。木は果ス 実をつけている。サン。フスンは紫色のくだものを一つもぎり、にお いをかいでデスクにおいた。そしてラニガンをきびしく悲しげに見 つめた。 「その夢の世界のことは前にも聞いている」 ラニガンはうなずいた。 「それについて話しあいもしたし、その原因もたどり、きみにとっ てそれが持つ意味も分析した。この数カ月で、きみがなぜ悪夢への 野 恐怖から自減の道を歩んでいるかわかったと思ったが」 〔☆☆ , 。め ☆ 銀河乞食団〔 1 〕 、るさと 謎の故郷消失事件 定価 280 円 銀河乞食軍団〔 4 〕銀河乞食軍団〔 2 〕 宇宙コンテナ救出作戦宇宙翔ける烏を追え ! 定価 320 円 定価 300 円 銀河乞食軍団〔 5 〕銀河乞食軍団〔 3 〕 留曽ゴンサレスの逆襲銀河の謀略トンネル 定価 360 円 定価 340 円 八ャカワ文庫 JA 、 ~