ジョン - みる会図書館


検索対象: SFマガジン 1985年1月号
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1. SFマガジン 1985年1月号

しよもっ グノシは、善き王としてかの国を治めている筈である。外敵という王国を求めて″という書物を英訳したものである。 。フレスター . ジョンというのは、、 しうまでもなく十字軍の時代か ものがほとんどいないククアナでは、内乱さえ起こらなければ、国 ら、東方のどこかに王国を築いていると信じられていたキリスト教 民は平和に暮らして行ける筈であった。 : ・これはその虫の知徒の王の名である。 しかしその王国が危機にさらされている。 らせではないだろうか ? 最後はインドにその王国があると信じられていた。その国はさま サファイア、めのう、黄金がふん 私はいっしか紅茶を飲みほしていた。ペッドをかえりみたが、意ざまな驚異にみち、エメラルド、 みつ 識は冴えてしまって、もう寝つけそうもなかった。 だんに産した。乳と蜜が流れる河があり、サラマンダー ( 火とか げ ) と呼ばれるふしぎな生き物もいた。 ・フレスター っ 0 ・ジョンの宮殿は黒檀の屋根、 聖職者 ( あるいは。フレスビター ) 黄金の礙風、赤めのうの門、水晶の窓、象牙の円柱でつくられ、め 農園の見回りをすませてから、かわいがっているアイリッシュ・ のうを敷きつめた中庭があった。 しやく セッター犬のチャカとカフアを連れて、牧場の回りにある森へウズ 王はさらに七人の王候、六十二人の公爵、三百六十五人の伯爵に ラうちに出かけた。私の日課のたのしみの一つである。 かしづかれ、その軍隊はただちに一万の騎兵と十万の歩兵とが動員 チャカとカフアは、 いうまでもなくズールの偉大な王たちの名出来たという。 だ。ロンドンで買い求めて来たこの二頭の猟犬は、血筋もよく、み インド、あるいはカタイ ( 中国 ) にあると信じられていたその王 ゆいいつむに ごとな毛並みをしており、いまや私を唯一無二の主人とみなしてい 国は、東方の地理が明らかになるにつれ、アフリカへとその期待が こ 9 移された。広大無辺なその大陸のどこかに、それがあると信じられ 大と主人との関係は、世のなかでもっともすばらしいものの一つたのである。 だろう。とくにイギリス人にとってはである。ハリーと離れている それはあるいはかのイスラエルの失われた十二支族の末裔だった 今、家族そのものともなっていた。 かも知れない。 いまその二頭の犬が、居間のソフアにくつろいでいる私のかたわ当初、エチオ。ヒア、あるいはテイイ ( クツーにある王国がそれだ らに寝そべって、本を読む私の顔を交互に見上げている。私のおだと考えられたが、そうではないことが明らかになり、、 カくて謎の王 やかなたたずまいに、安心したかのように両脚のあいだに頭を埋め国のあるべき場所は、さらに大陸の南方だと考えられるようになっ るのだった。 きこう 私が読んでいたのは、、 しわゆる稀覯本の一つで、十八世紀のスペ要するに、ディアスのこの書物は、六百年にわたるプレスター ″。フレスター イン人神父ロドリゴ・ディアスが書いた、 ・ジョンの ( 聖職者 ) ・ジョンの王国の伝説とその追求の成果を、丹念な考証 こ 0 こくたん まっえい

2. SFマガジン 1985年1月号

の人柄を問題にしているんだよ」 惑いたく 「いささか、変わったようですね。あの陽気でお洒落ずぎだった以私は贅沢な女です、とたぶん彼女はいったのだろう。王者の暮ら 前のグッドではないようだ。 : : : 何かにとりつかれているかのようしをさせてくれる男性としか、結婚はいたしません。それにふさわ しい財産がお出来になったら、もう一度求婚なさって下さいまし 「そう。そこが問題なのだ」 しゅん しやく カーティスは、一瞬わずかな吐息をついたかに見えた。 もちろん君も知るようにグッドはただの海軍予備役軍人で、爵位 「彼の弱点が女性にあることは知っているだろう ? よくいえば恋もない。例のダイヤを売った金の残りと、地主だった父親からの遺 愛至上主義者、わるくいえば浮気者だ。いままでも、女性での失敗産が少々あるが、とうてい伯爵夫人の虚栄心を満足させるには足ら たいえき を何度かくりかえして来た。海軍を退役させられたのも、じつは女ないだろう」 性にからんだトラブルが原因でね。 「 : : : そこで、グッドのあたまには、あのソロモン王のダイヤが浮 かんだ」 彼の恥となるので、これまで君にも話したことはなかったのだ 、刀 私はしずかにいった。 ところでジョン・グッドは、半年ほど前から、また新らしい恋愛「そういうわけですな ? 」 にふけり始めた。今度彼が恋に落ちた相手は、・ ス。フロフスキー伯爵カーティスはうなずいた。 りこん 夫人という女性でね、夫と離婚した女性だがオーストリアからこ「その通りだ。 : : : 彼は何としてもダイヤを手に入れるつもりでい しやこう のイギリスへやって来て、たちまち社交界の花形になってしまつる。ガトリング銃を持って行くなどといい出したのも、その決意の あら 表われなのだ」 私も、内心溜め息をついた。 私も二、三度会ったことがあるが、たしかに美しい女性だ。だが おう とげ 美しい・ハラには往々にして鋭い棘があるものだ。 ・ : この伯爵夫人美しく、しかも心に棘をもっ女ほど危険な存在はない。そして男 とりこ きけん もなかなか一筋縄ではいかない女性でね、何人もの男を虜にし、あというものは、みずから火に飛び込む蛾のように、危険な匂いのす やつってはたのしんでいるのだ。 る女に惹かれるものなのだ。 哀れなグッドもその一人だ。しかしジョンは、自分がいわば夫人その種の女は、男を破減させるどころか、ひとつの国をもほろば なぐさ の慰み者の一人だとは気づいていない。自分だけが真剣に夫人を愛すことがある。歴史のなかの多くのエビソード が、それを証明して し、夫人もまた愛してくれているものと信じている。 いる。どうやらグッド大佐は、その危険な罠にすつぼりとはまり込 ついにジョンは、一週間ほど前に求婚したらしい。夫人は、あかんでしまったらしい らさまにノーとはいわなかったが、一つの条件を持ち出したらし「それで、あなたとしてはどうするつもりなのです、〈ンリー ? 」 こ 0 しゃれ

3. SFマガジン 1985年1月号

「では、君も同じ夢を見ていたのかな ? 」 つな そのいには答えず、私はつづけた。 「夢のなかで、あのツアラとイグノシとの大決戦に立ち会ってい る。もちろんじっさいにはイグノシ軍が勝ったのだが、夢のなかで 1 海峡からの舌ビラメ、つめものをしたキジのロースト、 はツアラが勝つのです。イグノシ軍をふみにじり、ヘンリー : : : あ 鹿肉のステーキといったすばらしい食事のあと、私たちはダイニン なたも、ジョンも彼の手にかかって殺される。そしてこの私にもお グルームの隣りにあるスモーキング・ルームに移ってくつろいだ。 ビロード張りのソフアやアームチ = アが置いてある小さなラウンジそるべき斧をふりかざして襲いかかって来るのです」 ふたりはふたたび顔を見合わせた。 である。 「これはふしぎだ」 かたわらのテー・フルに・フランデーグラスを置き、詰めたばかりの グッド大佐がふかい息を吐いた。 ・ ( イプに火を点け、椅子にゆったりと坐り直すと、私はいった。 「じつにわれわれも同じ夢を見ているのだ。イグノシが死に、ヘイ 「さあ : : : 話を聞こうじゃありませんか」 丿ーや君も殺される。 ・ : そして、自分もまた殺されようとすると 食卓では、アフリカでのすばらしかった狩猟の思い出ばなしに終 始していた。カーティス卿は本題にふれようともしなかったのであころで、目がさめるのだ」 る。 「偶然の一致ということはありませんかね」 私はいった。 カーティス卿とグッドはちらりと顔を見合わせた。かるく咳払い すると、カーティス卿は唇をひらいた。 「私たちにとって、ククアナの思い出はまだ生々しい。夕食に食べ 「君は、虫の知らせというやつを信じるかね、アラン ? 」 たものの消化がわるければ、わるい夢を見ることもあり得ますよ」 オカルティスト 「さあ、私は神秘主義者ではありませんからね。自分の目や耳でた「しかし三人が同じ夢を何日もつづけて見ることはあり得ないだろ しかめられるものしか信じる気にはなれないが : : : 」 「虫の知らせというものが夢に現われる場合もある。私とジョン カーティスはおだやかにいった。 が、毎晩同じ夢をくりかえし見ているとしたらどうだ ? そこには 「そこには何かの意志がはたらいている。何者かが、はるかな距離 何らかの意味があるとは考えられないかね ? 」 と時間をこえて、私たちに何かを伝えようとしているとは考えられ 私は、とっぜん胃のあたりにしこりが出来たように感じた。 ないだろうか ? 」 「 : : : それは、もしかしたらアフリカの夢ではないかな ? あのク 「その何者かとは、 いったい誰です ? 」 クアナ国の ? 」 「もちろん、イグノシだよ」 そっちよく カーティス卿はうなずいた。その目が興奮にかがやいて来た。 グッドはずばりといった。海軍軍人らしく思ったことを率直にい まいばん んだい 2

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ー特別企画・連載⑩ー THE ENCYCLOPEDIA OF SCIENCE FICTION SF 工ンサイクロべディア ピーター・ニコルズ編 浅倉久志。伊藤典夫監修 大野万紀訳 Copyright ◎ Roxby Press Limited 1979 凡 例 9 . 略語および記号 A S F : アスタウンディング・サイエン ス・フィクション誌、および ( 後 年の ) アナログ誌 F& S F : ファンタジイ・アンド・サイ 工ンス・フィクション註と TWS : スリリング・ワンダー・ストー リーズ誌 NW : ・ワールズ誌 ラ ] : アンンロジー 圜 : 版による題名の異同 圍 : 加筆 國 : 改訂版 : 短篇集、またはひとりの作家による 長篇のオムニバス版 第 : 複数の短篇を加筆改訂し、長篇のか たちに統合したもの 前 : 戦前にしか邦訳のない書名 : 抄訳 ① : 原作はおとな向きだが、わが国への 紹介にあたってジュヴナイルに翻案さ れたもの。いわゆる、、再話〃。はじめ からジュヴナイルとして書かれた作品 は①指定されていない。 * : 訳註 : 参照 1 . 邦訳のある作品には邦題を添え、未訳作 品は原題 ( または英訳題名 ) のみ記した。 2 . 原題のうちイタリック体で表わされてい るのは単行本、引用符 ( “” ) でかこんで あるものは短篇。ただし、単行本としては 未刊の長篇や、単行本に他の作品とともに 収められている長篇は、短篇とおなじ扱 3 . 邦題も 2 にならい、単行本は『』で、 短篇ならびにそれに準ずる作品は「」で 4 . シリーズ名は、未訳のものも含めて日本 語で表記し、《》でかこんだ。 5 . 作者名の中には、あえて慣例に従わず、 原音に近い表記をとったものがある。 ( 例 : ヴァン・ヴォート ) 6 . 本文中のゴチック書体は、本事典中に項 目の立てられている見出し語。またポール ド書体の年号は、初版発行年。 7 . 映画および T V ドラマについては、日本 で公開された作品や、ビデオ等のソフトが 発売された作品には邦題を『』でかこん で添え、原題をイタリック体で示した。未 公開作品は原題のみを示した。ポールド書 体の年号は、本国での製作年。 8 . コミックは《》でかこんだ。 筆者 ・ステイプルフォード B S : フ・ライアン ー・ニコノレ . ズ PN : ヒ・一タ J C : ジョン・クノレート J G : ジョン ・ガスタフスン 279

5. SFマガジン 1985年1月号

ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ聞Ⅲ ものでないとすれば、作者が一般大衆の偏 見を共に分かち合う傾向があるからだとい える。それ故、 1920 年代と 30 年代の間に は、黄禍論に関する作品が数多く現れた。 M ・ P ・シールはこの種の作品を世紀の変 わり目からずっと書き続けてきた。後にサ ックス・ローマー冫よフー・マンチューもの で大成功を博した。ファシストの悪玉は第 二次大戦の間支配的であった。冷戦の間 は、集合精神の物語がポビュラーになっ た。これは巣組織がソビエト・ロシアの社 会組織のアナロジーに見えたからである。 アメリカのジャンル S F は、とりわけョ ーロッパにおいて、その政治的ナイープさ を強く批判されてきた。政治的態度は未来 社会の形式によって言わず語らすに表明さ れるのだが、ジャンル S F においてはこの 社会の政治形態というのが、 1929 年の大恐 慌以後合衆国においてさえかなり時代遅れ となった自由放任〃資本主義を、ひどく 単純に投影したものとなる傾向があった ( 経済学 ) 。スペース・オペラはたとえ何 千年の未来を舞台としようとも、その政治 的態度はふつうどこかの青年商工会議所に 似合ったようなものだった。 E ・ E ・、、ド ック″スミスの作品はどちらかといえばこ の種のものだった。初期のパルフ。作家で、 明らかにわざわざ自分の政治的立場を考え るということまでした ( とはいってもその スタイルのぎごちなさを克服することはで きなかったが ) のは、スタントン・ A ・コ フ・レンツである。彼の長篇 T んど Su 幵 % r ( 1928 ; 1949 ) と丑イ翩Ⅳの・ ( 1935 ; 1957 ; Ca 翔 s 月 0 , ) で は、異なった政治形態の競い合う長所につ いて、比較的オーソドックスな議論が多く 見られる。 アイザック・アジモフの《ファウンデー ション》シリーズでは、滅びつつある銀河 帝国の辺境にいくつかの異なった政治形態 VIII を作り上げた ( 未来の帝国というコンセフ・ トが、星々の距離を越えて機能するシステ ムとしての帝国主義という本来ありそうも ないものにもかかわらず、いかに強烈にジ ャンル S F 作家たちのイマジネーションを 拘東しているかということは大変興味深い 問題である ) 。しかし基本的には、彼もま た自由貿易と資本主義に信仰を置いている ように思われる。しかしながら、このかな りパターン化したジャンル S F の政治的態 度が、その作者たちによって何も考えずに 受け入れられていると思うのは間違いであ る。それはしばしば熟慮された上でのこと だった。そのひとり、ロバート ランドの、、客観主 ンラインは、ェイン 義〃哲学を概説した作品、著名なものとし てはス厩襯 ( 1938 ; 短縮版 1946 ) や The 0 ″厩〃切ん ad ( 1943 ) 、み〃 as Shrugged ( 1957 ) などから、非常に明白な影響を受 けている。アスタウンディング誌の編集長 だったジョン・ W ・キャンベル・ジュニア に関しても、おそらくこれは事実だっただ ろう。彼のエデイトリアルではいつも右翼 的な政治姿勢を打ち出していた。この問題 全般に関しては社会ダーウイン説の項で詳 細に論じられている。こではハインライ ンやさらにはキャンベルでさえも、ファシ ズム的と非難されているにもかかわらず、 彼らの政治姿勢はむしろロマンチックな、 自由論的個人主義だったと指摘すれば充分 だろう。ハインラインは中央集権的な政府 を憎んでいるが、それは彼が他からの干渉 なしで自立できる開拓者の精神というもの を非常に好んでいるためである。ハインラ インの支配者像は、非常に単純にいえば、 最もタフな者一一支配する能力が最も大き な者なのである。もちろん不幸だが当然の 結果として、弱い者は敗れ去る。 この素朴な個人主義の賞賛と平行した根 強い保守的傾向は、ジャンル SF の最も著 272

6. SFマガジン 1985年1月号

ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ川ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ日ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ聞 くあからさまに憎悪を剥き出すものはま れだったが。人種分離政策の未来につい て、南アフリカの作家の手で何篇かの小 説が書かれてきた。ギャリー・アリガムの 。ィー T End ( 1961 ) は人種分離 政策賛成であり、アーサー・ケッ - ベル = ジ ョーンズの幵研 e れ S 襯 4 な GO い ( 1947 ) と アンソニ ディーリヤの The 4 立 D 朝・ 0 れ ( 1959 ) は反対である。 しかしながら、黒人と白人の人種間の関 係に関する大半の小説はアメリカ合衆国を 舞台としている。 T ・シャービー・ホッジ の T ん一ん」イ 0 が s 召・イにれ ( 1915 ) は 親黒人的で、最後にはアフリカの黒人がア メリカの白人に勝利し、ユートピアを築 く。社会的テーマについての何篇かの SF が黒人作家によって書かれている。ジョ ン・ファイファーは工クストラボレーショ ン誌 1975 年 12 月号の "Black American Speculative Literature : a Checklist" で その例を紹介している。そういった作品の ーっはジョージ・サミュエル・スカイラ の召 c た 0 」ぞの℃ ( 1931 ) で、 こでは 白人になろうとする黒人たちを刺し、上 手な化粧によってその偉業を成し遂げるも のの、馬鹿馬鹿しい結果に終わるという物 語となっている。 黒人と白人の関係を扱った SF 小説は、 しかしながらその圧倒的多数は 1950 年代と その後、高まりゆく公民権運動の成功の余 波の中で書かれたものである。このテーマ に関するアメリカ人作家の作品には、黒人 作家によるものとして、ウィリアム・メル ヴィン・ケリーの AD ~ 広厩 D 襯襯夜・ ミラーの The Siegc ( 1959 ) 、ウォーレン・ 可丑だん辮 ( 1964 ) 、ジョン・ A ・ウィリ アムズの The 」れ一ん 0 CI イ / は襯 ( 1967 ) および Sons 可、のの S の 可・んんこ ( 1969 ) と Ca 4 B 〃〃 ( 1972 ) 、サム・グリーンリーの『反逆のゾ 2 7 3 ルース』 The S, 勲 00 た幵 0 Sat by 〃尾 D00 だ ( 1969 ) などがある。白人作家によるもの としては、エドウイン・コーリーの『星条 旗に唾をかけろ ! 』 & 6g6 ( 1969 ) 、ジョン ・ジェイクスのお c た切 7 ' / 〃 ( 1970 ) 、 マック・レナルズのお Man's お・イ e 〃 ( 1972 ) に始まる、主として北アフリカを 舞台にしたシリーズものなどがある。奇妙 なことに、何人かのイギリス作家は、合衆 国を舞台にして人種問題を扱った近未来小 説を書いている。例えばジョン・ブラナー の The Jagged 0 〃 ( 1969 ) やアラン・ シーモアの T ん CO 襯切 g S f• - De 立け / 0 れ に U 襯・イ & 確な 4 ( 1969 ) などである。これに関連した映画としては Ⅱ 7 ・〃尾 lo 〕〃 ( 1970 ) があり、そこ では白人の偏屈者が突然黒人になって、そ うして生きるすべを学ばなければならなく なる。 このテーマでイギリスを舞台にした小説 は数が少ない。例としてはマーゴ・ベネッ トの The 0 れ g Way 召“た ( 1954 ) があ こでは未来の文明化した黒人アフリ カから野蛮化したイギリスへ探検隊が送ら れる一一一アメリカ人のアリス・ M ・ライト ナーは後に非常に良く似たテーマの The の可、 the の加 s ( 1969 ) を書いた。他 にはロバート・ペイトマンのⅡク〃 The ー枦ん 7 ぉ幵々厩 ( 1963 ) 、クリストファー フ。リーストの″ g ″ e 工の・ 4 Dar れ切 g I の ( 1972 ; のの・〃切 g イ米 ) などがある。 主流文学の政治 S F は普通その政治的嗜 好が明白で、しばしば論争的であり、時と して露骨なほどそうであるのに対し、ジャ ンル SF の政治的態度はあいまいだという 傾向がある。これに関して S F メロドラマ の悪玉に関する研究が、しばしば良い理解 を与えてくれる。それによると、これらの 作品には軽率な偏見があり、それが故意の VII

7. SFマガジン 1985年1月号

川ⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ ! ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ 別のものになり得たかということを示し、 それは一般的にいって未来をますます変わ りばえしないものと見ることの多いこのジ ャンルの中では、むしろほっとするような 意見であった。 ハインラインからパーネル へと続く進歩の道筋とは全く離れた所に 興味深い未来の政治シナリオを作り上げた 他の作家としては、ジョン・フ。ラナー、マ イクル・ムアコック、フレッド・ホイル、 アルジス・パドリス、フランク ー・ジャコ ト、セシリア・ホランド、マリ ーらがいる。政治という点については、 ジャンル S F は大人になったのである。 二つの作品が、普通でない角度から政治 にアフ。ローチしている。ジェイムズ・ティ フ。トリー・ジュニアの "The Peacefulness of Vivyan" ( 1971 ) は政治的背信行為の 心理学的研究であり、 J ・ G ・バラード の『残虐行為展覧会』 The みな。 c / 刃ん / 房行 0 〃 ( 関連作品集 1970 ; んっ の Na 第記襯 : 刃第 0 USA 米 ) が部分 的に扱っているのは、即時的コミュニケー ションの現代において、いかにして政治的 恐怖のイメージが、比較的平穏な日常生活 を送るわれわれの脳裏に入ってくるデータ の一部となるかという事である。そのた め、精神的な面で、われわれはみな大変な 政治的暴力の世界に生きており、そのこと がわれわれの日常生活にも反映していると いうのである。そこには、われわれがより 残忍になり、感情を高めるためにさらにも っと異様な刺激を必要とするかも知れない という危険がある。 S F 映画も政治的テーマを無視してきた わけではない。しかし一般的にいえば、 のテーマはあまり洗練されないやり方で扱 われてきている。 1950 年代におけるごく少 数の政治的 SF 映画は、むしろナイーフ。な 理想主義を示していたが、その内の二本、 『地球の静止する日』 The Day / E の・ / ん 269 & 00d & 〃 / ( 1951 ) と The 27 / ん Da 、 y ( 1956 ) には、異星人による明らかに不道 徳な政治的恐喝が描かれており、監督はそ れを認めているのである。 1960 年代後半に はいくつかの政治映画が、若者文化の操作、 あるいはそれによる操作にからんで製作さ れた。『傷だらけのアイドル』ん g ( 1967 ) 、 G のづ - 、 ( 1970 ) などである。も っと最近の映画での政治的主張は、『ロー ラーポール』 0 〃夜必記 I ( 1975 ) のように 『 2300 年未来への旅』 冷笑的であるが、 っ g のん盟 ( 1976 ) のように空虚なもの となる傾向がある。 イギリスやアメリカのジャンル S F は社 会主義の政治システムにはあまり考慮を示 さなかった。従って、ソ連や東欧の SF に 目を転じるのは興味深い。ストルガッキー 兄弟は、 S F のメタファーをどちらかとい えばソビエト体制の諸相を遠回しに批判す るために使ったが、彼らは決して資本主義 の愛好者というわけではなかった。最近彼 らは当局とある種の和解に達したらしく、 彼らの作品は ( 1977 年現在 ) ソ連内での通 常の出版が再開された。ューリイ・ダニエ ルとアンドレイ・シニヤフスキーの場合は 和解に達さず、現在彼らは亡命中である。 スタニスワフ・レムの政治諷刺は複雑であ ュートヒ。アの要素は確かに含まれては いるが、政治的絶対主義は皆無に近く、し ばしば見られるプラックなグロテスクさ は、西側の読者の多くが共産圏の SF に必 須のものだと考えている大人しい楽観主義 とは、際立って異質なものである。確か こういう楽観主義は多くの作家ーーーイ ワン・エフレーモフを代表として一一に見 られるものだ。しかし現在も過去も、ウラ ール・マヤコフスキーやヨゼフ・ネス ヴァードノミを始めとするソ連・東欧の作家 たちの多くは、その諷刺において、共産主 義者のステレオメイフ。として簡単に捨て去 XI

8. SFマガジン 1985年1月号

グレアム・全巻 ラヴ・ユー・メイク ( 上卞一クリーン全集 ピⅡルズ プラウン & 、ケインズ / 小林宏明訳 アメリカて大ベストセラーとなった本書 は今世紀最大のロック・クループ、ビー トルズを内側から描いた話題作。長年彼 らと共に働き親交を結んだ著者が初めて 明かす″ビートルズのすべて″決定版 ! ン ョ 一イオ草原に生きる一バ食 , シ プライアン六ートラム / 小野さやか訳定価一三〇〇円 ク 「よせ何度も交尾する 「なせたてがみかあるのか ? 」「食物は ? 」オ のか ? 」アフリカ・セレンゲティでライオンを調査研究した動物学 1 内な 小原秀雄 者か素朴な疑間に答え、野生の者の全てを語る。監偐 ン * 2 スタン、フール特急北村太郎訳 こは戦場だ丸谷才一訳 チイヌとネコがやってきた、 * 4 英国が私をつくった野崎孝訳 ジョン・ペイリング / 増井久代訳子定価一四〇〇円 ャ 拳銃売ります加島祥造訳 ? ・イヌの 「集 , はどんなも * 5 ネコは本当にツメをといでいるのか のか ? そうした問いに答えようとして、動物映画製作者である著 * 6 、フライトン・ロック丸谷才一訳 山とカラー 者は、イヌとネコを飼い始めた 0 《 E YOU MAKE 定価各一五〇〇円 ( 四六判上製本 ) る

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よ z 眉村卓、川又千秋、和田武、草上仁、チャンド 六百円ラー マレック / 特別企画「現代 四月号 漫画考」藤田尚 / ふくやまけいこ 眉村卓、栗本薫、神林長平、野田昌宏、ライ・ハ は . 一言 、ワトスン / 新連載「・ハソコン入門講座」 十月号 六百円 の 内藤淳一郎 / めるヘんめーかー 第十回ハヤカワ・コンテスト発表 、た塒 六百円〈高飛びレイク〉百五十枚一挙掲載 ! 火浦功 五月号 「祖父たちの戦争」 ( 二百枚 ) マレイ・ラインス眉村卓、川又千秋、内藤淳一郎、ディック、オー ルディス、エクランド、ウルフ、ふくやまけいこ るこいさ眉村卓、神林長平、森下一仁、岬兄悟、大原まり いっ下 十一月号 六百円 て以にせ子、久美沙織、御厨さと美 ヒューゴ】 / ネ・ヒュラ賞特集ロビンスン、ラ れ年庫合 六百円ス、ケッセル さ一在問六月号 載りのお 眉村卓、川又千秋、神林長平、平田真夫、福山庸 新連載「創星記」川又千秋 掲よ外で 眉村卓、神林長平、火浦功、水見稜、飛浩隆、ラ治 に号以ま こ新れ係フアティ、ディクスン、御厨さと美 こ最こ売 十ニ月号 六百円 六百円「ハイ・フリッド・チャイルド」百枚一挙掲載 ! 七月号 眉村卓、川又千秋、神林長平、野田昌宏、大原ま大原まり子 一九八四年 り子、草上仁、スタージョン、ペイリー、レナル眉村卓、川又千秋、岬兄悟、難波弘之、ヤング、 ・ハズビー / ″星海企業株式会社″社員募集要項 / 一月号 六百円ズ、御厨さと美 福山庸治 特別インタビュウ〈ジョン・・フラナを、そ 六百円 七月臨時増刊号 して世界を語る〉 ・ローダン読本 眉村卓、今日泊亜闌、鏡明、大原まり子、ヤン グ、 ・、ソクナンバーが欲しい人は : 中篇一一篇ダールトン、シェ】ル / 新作短篇三篇 ハリスン、ワイナー、坂口尚 / ス・〈シャル対談中島梓鏡明 / ーダン百 最寄りの書店に御注文下さい。時間はかかり ニ月号 千円科、ローダン・グラフィティ ますが、送料はかかりません。 創刊一一十四周年記念特大号 ◆近くに書店がないという方は、小社の通信販 八月号 六百円 眉村卓、光瀬龍、栗本薫、野田昌宏、梶尾真治、 売係へ直接注文して下さい。送金の方法として ヴォネガットは語 鏡明、神林長平、大原まり子、岬兄悟、水見稜、特別インタビュウ〈カート・ は、現金書留、切手、郵便振替《東京 6 ー 4 7 草上仁、アシモフ、テイプトリー 、ビショッる〉 799 》のいずれかを御利用下さい。図書券で 眉村卓、川又千秋、梶尾真治、笠井潔、谷甲州、 ・フ、ペイリー、ラッカー、めるヘんめーかー の代用は不可です。 殿谷みな子、・フロック、ディヴィッドスン、ライ ◆送料に関する詳細は、お手数ですが、小社ま 三月号 六百円ンスター、ふくやまけいこ でお問合せ下さい。 眉村卓、栗本薰、神林長平、火浦功、殿谷みな なお、御注文の際には、住所、氏名をどうか 9 六百円 子、マーティン、モレッシイ / 「″一九八四年″九月号 お忘れなく。 グイン・サーガ外伝百枚】挙掲載 ! 栗本薫 に考える」中島梓 / めるヘんめ 1 かー

10. SFマガジン 1985年1月号

日常的な日々の中にふと忍び込む予兆ーー精妙な筆致で描かれる破滅の断章。 滅びの風 型 ? 第こ一ツ三 ション佐治嘉隆 イラストレー 48