女 - みる会図書館


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1. SFマガジン 1985年11月号

立て、前方の地面を探らせろ。他の者は全員弓の用意。余の合図で「じきにいやでもわかることだ」ファイド卿はそう言うと、車のな かで立ちあがり、後方に呼びかけた。「敵の吹き矢に備えよ ! 」 いっせいに矢を放て」 槍兵がふたり進み出てくると、ファイド卿の車の前に立ち、地面兵士たちはクロスボウを掲げた。隊列はゆ 0 くりと前進し、いま や木立ちから百ャードの地点にまで迫った。〈先人〉たちの白い姿 を探りながら進みだした。ファイド卿はシートにすわった。 が、森の縁で落ちつかなげに蠢いている。そのうちのいく人かが、 「進め」 百ャード離れているにもかかわらず、狙いをつけようとするかのよ うに筒をあげた。その大きな手がびくりと動いた。 全員が緊張し、身構えたまま、縦列はゆっくりと森に向かった。 先鋒のふたりの兵士が槍で苔のなかを漁るうちに、ほどなく酸の壷筒の一本はファイド卿にびたりとすえられていた。見ていると、 葉の一枚一枚に酸の嚢が鈴なりにな 0 たイラクサを張りめぐらふいに筒の先から小さな黒い物体がとびだし、しだいにスピードを を暴き出した。一行は注意深く穴の脇を探増しながら突進してきた。はじめはかすかだったプーンという音 してある落とし穴 が、しだいに大きくなってくる。卿はとっさに風防の陰に伏せた。 り、ひとりひとりが前の者の足跡を歩くようにして、一列縦隊にな 黒い物体は卿を追うようにコースを変え、石がぶちあたるようなビ って迂回した。 ファイド卿のそばは、いまはふたりの甥、スコルフォードと = ドシリという音をたてて風防に激突した。はじき返され、車のフロン ト・カバーの上に落ちたそれはーー蜂に似た、黒くてごっい昆虫だ ウインが固めていた。 「気づいたか」とファイド卿はこわばった厳しい声で、「いまの罠 0 た。ひしやげたロ吻から黄土色の体液をじくじくとたれ流し、蜂 はわれらが先に通ったときにはなかったものばかりだ。やつら、わのような羽を弱々しくはばたかせながら、それは亜鈴のような目で じっとファイド卿をにらみつけた。鎖帷子をはめた手で、卿はそい れらを生かして帰さぬつもりだぞ」 つをたたきつぶした。 「ですが、くるときにわれわれを案内したのはなぜでしよう ? 」 卿の背後ではオオ・ ( チどもがつぎつぎと騎士や徒士に襲いかかっ ファイド卿は苦々しげにロもとを歪めた。「やつらはわれらが ラント城で死ねばよいと思っていたのだ。そうは問屋がおろさなかていた。面頬の隙間から眉間を割られたコーレックス・ファイドⅡ ・ ( タローを除き、騎士たちは鎧に守られて無事に虫たちを撃退し ったがな」 た。が、徒立ちの兵には身を守るものがない。虫どもは体の半分ほ 「ごらんください、やつらは筒を持っております」とスコールフォ ども兵士たちのむきだしの皮膚に突き刺さった。兵士たちは苦痛に 1 ドが一一 = ロった。 悲鳴をあげ、虫を抉りだし、傷口をかきむしった。コーレックス・ 「おそらく吹き矢の筒でしよう」とエドウイン。 7 ・ ( タローは馬からころげ落ち、盲めつ・ほう苔地に駆けだ盟 スコーレフォード・、、 カ否定した。「やつらの発泡ロでは強く息を吹ファイドⅡ したあげく、十五フィ】ト先で落とし穴に落ちた。体を抉られた兵 き出すことはできまい」

2. SFマガジン 1985年11月号

縦列は苔地にくつきりとあとの残る、きたときと同じ道をたど り、森に向かって動きはじめた。ファイド卿は、横手に弟のゲスウ イン・ファイドと従弟のマウヴァ・ダーモント日ファイドを従え て、先頭を進んだ。 半マイルが過ぎ、さらに半マイルを通り過ぎた。森はもうわずか 一マイル先た。頭上では大きな太陽が天頂に達している。強烈な光 と熱とが降りそそいできた。空気にはイ・ハラとタール樹のねっとり としたにおいがたちこめていた。縦隊は速度を落として、進軍をつ づけた。聞こえるのはただ、鎧の鋼がぶつかりあう音と、蹄が苔を 穿つぼそっぽそっという鈍い音、馬車の車輪のきしみだけだ。 ファイド卿は車のなかで立ちあがり、攻撃してくる気配はないか と目を凝らした。木立ちから半マイルのところに〈先人〉どもがち らほらとおり、森が落とす影のなかに潜んでいるのが見える。ファ かかった。棘は鎧もろともマウヴァ・ダーモントⅡファイドの胸を イド卿は彼らを無視し、一定のペースを保って、きたときの道をた貫き、もがきながら悲鳴をあげる彼を馬の背からもぎとって、宙吊 どりつづけた。 りにした。同時に、大鎌の先端がファイド卿の車めがけてとびかか 半マイルが四分の一マイルとなった。ファイド卿はうしろを向い ってくるや、車体を抉った。車は宙に浮かんだまま、うめき声をあ て、全軍に一列縦隊になるよう命じ、また前に向きなおりかけた。 げてぐらぐらゆれた。ファイド卿はふり落とされまいと風防にしが と、そのときであるーー苔のなかにぼこりと穴があいて、弟のゲみつき、体を支えた。 スウイン・ファイドが落ちこんでいくのが見えた。なかを滑り落ち縦隊は停止した。数人の兵士が落とし穴の縁に駆け寄ったが、ゲ ていくような音がしたかと思うと、ぶすりという音が響き、串刺しスウイン・ファイドは二十フィート下で馬に踏みつぶされて横たわ になった馬の苦痛のいななきがあがった。もがき暴れる馬にますまっていた。ほかの者たちはマウヴァ・ダーモント日ファイドをまだ す深く杭に押しこまれ、ゲスウインは悲鳴をあげた。 ゆれている大鎌から引きおろしたが、彼もまた絶命していた。 ゲスウインのとなりを進んでいたマウヴァ・ダーモント日ファイ ファイド卿の肌は憎悪と怒りで粟粒をちりばめたようにそそけた ドは、乗馬を御しかねている間に、馬が勝手に穴を踊り越え、うつ った。きっと森をにらみつける。〈先人〉どもは徴動だもせずに突 かり罠の引き金を引いた。たちまち苔の下から長さ一フィート の棘っ立ったままだ。 だらけの大鎌がとびだしてきて、蠍の尾よりもすばやく獲物にとび 卿は徒士頭の・ハーナードを招き寄せた。「ふたりの槍兵を先頭に ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅱⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ日ⅢⅢⅢⅢ日ⅢⅢⅢⅢⅢⅢ 千六百年前、宇宙戦争の戦禍をさけるため一団の宇宙船の船長た ちは、惑星パングボーンへとのがれ、そこを新たな拠点とした。そ ののち戦争は終結し、パングボーンは忘れられたが、彼らは先住者 さきびと 〈先人〉を森へ追いやり、大城岩を築きあげ、城主による分割支配 体制をうちたて、お互いに征服の争いを繰り返していた。そしてそ の陰には、不思議な力を奮う咒法師たちの姿があった。彼らはその 咒力によって戦闘の重要な一翼を担っていたのである。 そのなかから頭角を現わしたファイド卿はハイン・フス、イザー ク・コマンドアの咒力を借り、熾烈な戦闘ののち宿敵パラント卿を 斃して。ハングボーン全土を統一した。赫々たる戦果をあげたファイ ドの遠征隊はいま、意気揚々と凱旋せんとしていた。 226

3. SFマガジン 1985年11月号

光らせておけ」 ハイン・フスが口をはさんだ。「もういちど〈先人〉と交渉する ことをお望みですかな ? 」 「いや。わが領土をまかりとおるに野蛮人どもの許可を得るのもば 勝ち誇るファイドの遠征隊はパラント城前の荒れ地に集合した。 かげた話だ。われらはきた道をたどって帰るまでよ。邪魔だてしょ 別れのしるしに、ファイド卿は城が二度と彼の侵入をこばめぬよ うものなら、やつらはさんざんな目に遭うことになろう」 う、大門を蝶番から引きちぎるよう命じた。が、千六百年を経たい までも、蝶番は何頭もの馬がいくらカをふりしぼってみてもびくと「それは性急というものではありますまいか」フスはあっさりと言 もせず、門は壁についたままだった。 ファイド卿は黒い眉をさかだててフスを見おろし、「罠にさえ引 ファイド卿はその事実を鷹揚に受け入れ、城の管主に任命された つかからなければ、やつらになにができる ? 泡でも吹きかけるか 従弟のレンフロイに別れを告げた。そして自分の車に乗りこみ、シ ートにおさまると、スイッチを入れた。車はうめき、動きだした。 「忠告やら警告やらはわしの分を越えた役目です。しかしながら、 そのあとから騎士と徒士、ついで戦利品を満載した荷車がつづき、 ひとっ指摘させていただきたい。やつらの自信たつぶりの態度は、 しんがりに咒法師の馬車がついた。 それから三時間、縦隊は苔に覆われた平原を進みつづけた。後方弱さを自覚した者のそれではありません。それに、やつらはどうや やがて前方に、見わら中空の茎らしい、筒状のものを持っておりますが、これは吹き矢 では・ハラント城がしだいに小さくなっていく。 を吹きかけられることを意味しましよう」 たすかぎり西の地平線のゆるやかな曲線を黒々と覆いつくして、北 ファイド卿はうなずいて、「まちがいあるまい。だが、騎士は甲 と南の原生林が現われた。かってはふたつの原生林の切れ目であっ たところは、〈先人〉の植えた木立ちで塞がれており、その部分だ胄に身を包み、徒士は盾を携えておる。ファイド城のファイド卿た る余が、〈先人〉の気まぐれにつきあって道を変えるわけにもいく けが昔からの森林より低く、密度もまばらなしみとなって見えてい まい。たとえひともみして十人やそこらの〈先人〉の死体が出ると る。 木立ちから二マイルのところまできて、ファイド卿は停止を命しても、その点をはっきりさせておかねばならぬー じ、騎士たちの注意をうながした。 ( イン・フスが苦労して巨体を「そこまでおっしやるのでしたら、わしはもののふではありません ゆえ、ずっと後方に控え、道が確保されるまで待ってから森を通る 馬車からおろし、前へ歩きだした。 「万一抵抗を受けるようなことがあっても」とファイド卿は騎士たとしましよう」 5 ちに向かって、「決してやつらのあとを追い、森に深入りする誘惑「好きにせい」ファイド卿は兜の面頬を引きおろし、言った。「進 に屈してはならぬ。隊列にとどまり、つねに罠に対して警戒の目をめ」 っこ 0

4. SFマガジン 1985年11月号

征服の野望をはたしたかにみえたファイド卿一行の前にたちふさがる先人たち・・・ 3 い・寄跡なす者たち く後篇〉 ジャック・ヴァンス 酒井昭伸訳 、 0. 欠ヾ / 、。ト〆宀ー , の / ョ / 岩淵慶造 イラストレー

5. SFマガジン 1985年11月号

☆試験問題【四百円 ( 送料込 ) の発行などがあります。 〒横浜市港北区錦が丘一一 , 原則として十八歳以上の方、そしてなるべく例申し込みは、代金 ( 無記名定額小為替 ) と一緒 小林方「時の会』 に左記まで。 会に出席できる方の参加を求めます。 〒横浜市港北区錦が丘一一ー八小林方 お問い合せは六十円切手同封の上、左記まで。 熊本クラブ新入会員募集のお知らせ 王立学問所入学試験実行委員会 ト第五代会長の就任を機に、そして来たる o ー o 〒謝熊本市近見町一九。三石田雄一郎 ☆アフター・レポートを発行します。現在、予約 セ ozn に向け、このたび大々的に会員を募集する 受付中です。くわしくは実行委まで。 連絡してくださいー こととなりました。 熊本クラ・フ ( 略称は、社会人と第二十四回日本大会のコスチ、 1 ム・ショ ーで林沖をやって大原まり子賞をいただいた者で「ーアフターレポート」 & 「 工大学生で構成された、おしゃべりと宴会を中心と すが、授賞式の写真をお持ちの方、連絡くださグラフティ」発売のお知らせ したサークルです。 さる七月十三、十四日、南国九州でアツーく燃 ①主な活動としては、熊本市内での月二回の例 えた O-OOZ•a-•そのすべてをここに凝集 " " 会、連絡誌「月刊うちわ噺」の発行、年秋に行連絡先〒神奈川県川崎市宮前区野川三〇一一八 +O ー OO Z 2 アフターレポ 1 ト 野川寮小泉卓也 なわれる合宿、そして正会誌「」 体裁 5 判・オフセット 頒価六百円 ( 送料別 ) 無記名定額小為替、送料 星群ノヴェルズ「エデンの産声」発行 1 亠っ 4 内容序文村上栄次 / 創作七篇「エデンの産二百四十円は切手にて —、 0 、Ⅳ ( 愛知 ) #O ー OO Z 2 グラフティ 声」石坪光司、「洪水のあとで」山田博一、 Ⅱ / 3 日ラブ・コメ放談 ( 東京 ) 「 ()5 線上のマリア」井上祐美子、「シュレ 1 デ時間九十分 ( 予 ) 京都フェスティバル 頒価六千円 ( 送料込 ) 無記名定額小為替にて インガーのチョコ・ハフェ」山本弘、「逆ュート ( 京都・十月号 ) ピア」坂本裕子、「白き闇のオデュセウス」立お申し込みは、住所・氏名・希望の品 ( O ー O 0 Z 2 グラフティの場合は、の方式ー・ 川みどり、「流謫祭」小沢淳 はまなこん 4 ( 静岡・九月号 ) を明記の上、左記まで。 体裁判・タイブオフ・二百五十六頁 頒価千二百円 ( 送料込 ) 郵便振替にてお願いし〒福岡市中央区白金一ー四ー二四今崎荘一五 セ ( 新潟・九月号 ) 号松尾方「 O-OOZN<X 係」 ます。京都 6 ー 21210 星群祭事務局 土闇のグイン大祭Ⅱ お申し込み、お問い合せは左記まで。 1 / 1 日 ( 東京・十月号 ) 短歌誌「フロンティア」第十ニ号発行 〒辧京都市山科区音羽野田町七ー五進和山科ハ 工 作品例井辻朱美「竜骨」より イライフ一〇一二信次啓子 時のなみ時のか・せ吹く地球よりほろびてゆきし 骨ながき魚 「虎の年王立学問所入学試験」 ( 愛知・九月号 ) 実行委員会からのお知らせ内容作品 ( 短歌百五十四首、詩一篇 ) 塚田文人 5 / 3 土クリコン祭 ( 東京 ) 「狩神楽」、寺田裕剛「写真帳の少年たち」 八月十九日に行なったイヴェントで参加者全員 ( 自由律 ) 、 h<<C-DOZß-Ä「・ハンドラの函」、神 に配布した栗本薫氏の御挨拶と加藤直之氏描き下 ( 宮城 ) ろしのカラ 1 イラストが入った入学案内書や、試月織「 No Re 三こ、他 ☆今月号にイヴェントの詳細が掲載されてい ・三十八頁 験問題など、残部がありますのでおわけします。体裁判・手書きコ・ヒー e Ⅷないものにつきましては、末尾に記した月号Ⅷ☆受験セット ( 受験票その他、入学案内書・試験頒価五百円 ( 送料込 ) 小為替か現金書留で 皿の = トセトラ欄を御覧ください。 申し込み先〒東京都多摩市落合四ー五ー一ー 問題含む ) 【千百円 ( 送料込 ) 三〇二中村寿二方短歌会 ☆入学案内書】七百円 ( 送料込 ) 2 2 3

6. SFマガジン 1985年11月号

日時十一月三日 ( 日 ) 午後一時より 仮称山形倶楽部新入会員募集 ! 一ニ八頁より統く 場所早稲田大学本部構内十一号館四〇一一教室 東北の僻地山形県にもクラ・フがあった 2 第九回みちのくまつり 入場無料 のです。創立五周年をむかえた当クラ・フでは、県 ・連絡先〒Ⅷ東京都豊島区池袋二ー一〇一〇し内の老若男女ファンを広く募集します。山形 Z<<?-&ÄOCZ も五回目となりました。今回も いのき荘号室徳原八州 県にターンを考えている都会派のあなた、農村 切り口の鋭いコンペンションをやります。 ー 982 ー 8646 の花嫁とクラブは、あなたを待っている ! 日時一九八六年五月三、四日 ( 土、日 ) 完全合 山形市内で週一回例会をしてます。あなたもお 宿制 第ニ回インド映画・秋 気軽にどうそ。待ってますよ ! 日時十月十三日 ( 日 ) ~ 十月二十日 ( 日 ) 会場ホテル二楽荘 ( 仙台市内 ) ◎詳しい御案内は左記までどうぞ。 参加費八千五百円 会場西武百貨店 e * 0 2 0 0 〒馴山形市青野さぎの森一三〇四ー五五 上映予定作品 中村睦美 一フ主催仙台クラ・フ ト☆参加御希望の方は六十円切手を同封の上、左記☆アラビンダン監督作品 まで御連絡ください。 北回帰線 (Uttarayanam) 気 Ⅱ 0CON3 実行委員会発足のお知らせ セ 〒川引宮城県泉市向陽台四ー二ー三〇蛸井潔 黄金のシーター (Kanchana Sita) 第 第三回中四国大会「」開 エスタッパン (Esthappan) 催のため、実行委員会が発足致しました。多方面 クリコン祭のお知らせ ☆シャ 1 ム・ベネガル監督作品 よりスタッフを募集しております。興味のある方 工 来年もまたクリコン祭を開催します。 夜の終り (Nishant) 第 は左記まで御連絡ください。お待ちしています。 日時一九八六年五月三、四日 ( 土、日 ) 攪拌 (Manthan) 〒広島市安芸区中野東六ー八 ー九平原靖彦 会場本郷朝明館 ☆ムリナール・セーシ監督作品 ☆なお、 t<—XOOOZco の日時、会場、参加費 参加費等詳しくは返信用封筒同封の上、事務局ソ 1 ム旦那の話 (Bhuvan Shome) 等、詳細につきましては、正式決定の後お知らせ まで。 飢饉を捜して (Akaler Sandhaney) 致します。 連絡先〒東京都荒川区東尾久一ー二〇ー一三 「い合せ先〒网東京都新宿区新宿一ー一二ー 高橋和久方クリコン祭事務局 藤田ビル四階グル 1 プ現代内インド映画祭 Guin saga FC 『時の会』会員募集中ー 実行委員会 s-ä 0 3 ー 3 5 6 ー 6 7 8 4 現在まで細々と活動を続けてきた私達は、今年 ワセダ・ミステリ・クラブ主催、早稲田祭企画 の春、新制度をもうけて対外的に広く会員を募集 ″ラブ・コメ放談″のお知らせ Ⅱ庸兵隊員各位へお知らせ することになりました。 今年もやりますワセダ・ミステリ・クラブ ! このたび、庸兵隊の第二期住所録を作成するこ私達は、グイン・サーガを研究したりするので といってもイナホコンではありません。若手作家とになりました。ßNOOOZ Ⅱの庸丘員の方はなく、栗本薫氏の構築したこのグイン・サ 1 ガ 一フ御三方をお招きして楽しい座談会を企画しましおよび t<-«ooz ・より参加された隊員のの世界、あるいはキ ~ ラクタ 1 を使 0 て " 遊ぶ。 トた。ゲストは、あのラヴ・ペア・シリ 1 ズが大好方は、至急左記の住所まで各自の連絡先住所を御ことを目的に活動しています。 セ評の岬兄悟氏。レイク、みのりちゃん両シリーズ一報ください。特に住所変更などのあ 0 た方はそ年四回発行の会報『中原街道』、年一回発行の とも絶好調の火浦功氏。少女小説の分野で大活の旨を明確に、第一期の住所録のような不完全な会誌『時の舟』も、会員がもっと増えれば、発行 ト躍、「ガジン誌上にも登場し、近々レ「 1 ドものではなく、正確なものにしたいので、各人と・〈ースが早くなるでしよう。 ・デ・ヒュ 1 の予定もある久美沙織氏。 も御協力あれ、住所録は今年中に発行の予定。 私達は待っています。 日頃から親交のあるこの御三方ですから、どん連絡先〒東京都世田谷区砧七ー一五ー一四 君達の新しい・ハワ 1 を。 なウラ話が飛び出しますことやら : : : 。乞う御期 藤田寿伸 興味をもたれた方は、六十円切手同封の上、左 待 ! 記まで。入会案内書をお送りします。

7. SFマガジン 1985年11月号

とえば、ヒロイック・ファンタジイ。〈グかもしれません。しかしどこかに面白さ、 イン・サーガ〉を栗本薫氏はこのジャンル素晴らしさがあります。それこそ現代の完 ・の集大成としようという意欲を持っておら成された作品も持っていない何かが。既に ・れるようです。なるほどよくできた ( とい名声を確立した古典はそうした読み方をも って受け継がれてゆくのではないでしよう っては失礼かもしれませんが ) 作品と思い か。みなさんはどう思われるでしようか。 ます。しかし、では〈グイン・サーガ〉が cnr-4 も今や相当な数の古典を擁してお ・出た今、もはやたとえば〈コナン・シリー ズ〉は「原点」として敬意を払うためくらり、その数は今も増え続けています。古典 いにしか読む価値が無いといい得るのでしも読まずして、とはもはやいいきれない。 0 コーナー ある人はそうだ、と いい、またある人はト 光世紀の世界三名 ・いやそんなことはない、今もなお十分読むノ 、石原藤夫博士の長年にわたる研究を大成し 価値がある、だからこそ「古典」として君 た決定版資料集。本誌一一五頁参照。 ・臨しているのだ、といっておりました。 レ この話が出た背景には、今や相当の作品 〈野田昌宏出版百冊突破を祝う会〉記念ラ が流布しており、のそのまた一つのジフ - ベルワインセット三名 ・ヤンルが好きだといっても数多くの古典に 野田大元帥の出版百冊突破を記念してつく られた加藤直之氏イラスト・ラベルのワイ ・まで手がまわらないのが現状だ、というこ ン。ロゼと白の二本をセットで。 とがあるのです。しかし、一般には古典も 読まずして、という考えが大勢です。 私自身は、古典は十分価値のあるものと 思っています。原点であるだけでなくそれ 0 以上に。しかしだからといって必読のもの とも思いません。あるジャンルに魅かれ読 工み進めて行く。その時必ず古典への興味は 湧いてくるでしよう。その段にな「て読め はよいのではないでしようか。無論失望す るかもしれません。稚拙な技巧や設定の弱 さなどに、なんだこんなものかと落胆する ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ日ⅢⅢⅢⅢⅱⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ日ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅣ ーオ。ヘラ『トリスタンとイゾル デ』五名 本誌一二七頁でも紹介した、ワーグナーの ーパーオペラのひとつ。カバ 1 、挿絵は天 野喜孝氏のオリジナル。 〈応募要綱〉 はがきに希望の品名を一つ明記し ( 二つ以 上書いた場合は無効 ) 、住所・氏名・年齢・ 職業・今月号で一番よかったもの一つ・その 他マガジンへの希望等お書きの上、左己 トまでお送りください。 セ締切は十月二十五日 ( 当日消印有効 ) 。 ン発表は、発送をもって代えさせていただき ・ ( ワます。 〒川東京都千代田区神田多町一一ー二早川書 、 ( ラ房マガジン編集部「プレゼント・コ そう強く感じたものでした。 ( 〒大阪府茨木市花園二ー一三ー ノ 橋本喜代太 ) わたしの場合、古典が新作の判断基準にな っているような気がします。逆にいえば、古 典にしばられた見方をしているのかもしれま せんが。結局、好きなように読めばいいんで ( 阿 ) すよ。 ペ

8. SFマガジン 1985年11月号

ところで、もし上村や高野を読者と見ると か ? これでは全くのドロ沼ではありませたが、『ゲルニカ 19 8 4 年』はかなり重 どうなるか。これを考えると、僕は眠れなんかー 要な作品だと思いますし、自分の解釈に自 くなってしまいそうなのです。 ま、こんなことを書いても何にもなりは信が持てないこともあって、確認したいと いや、仮定の問題でなく、九章以降、修しますまい。何と言っても自分は存在して思ったわけです。いろいろな方々に失礼が 平やルカなどのキャラクターを除き、一般いるわけだし、存在している以上、生きてあったかもしれません。お詫び致します。 の登場人物は読者と同じ立場に置かれるわゆくほかはないのですから。主観を客観と ( 〒東京都杉並区井草二ー一三ー 白井健司 ) けで、実際、上村や高野は″読者″なのではき違えることなく、イメージの世界に安 す。ーーーということは、二十章での上村や住することなく、 ″前向き″という言葉に 自由な発想が身上のも流行の絶対的な 高野の態度はそのまま読者の読後の態度と寄りかかることなく : : : 気をつけて : 波には抗うことが難しいようで、この『ゲル ーラツ。フしてくることになる : ファンタジイの世界からの脱出、安易な ニカーーー』なども時流に乗った作品とは言え さらに考えれば、作者は上村や高野の行動賛美からの離脱、″ファン″とい ません。しかし、現実はいくら逃避しようと、 ・を描くことによって、読者の逃げ道を閉ざう井戸からの脱出、現実への回帰、主観と 厳然と存在することも確かなのです。 ( 今 ) してしまったのだということに : 客観の完全分離 : : : 。おそらく、が最 結局読者に残るのは深い絶望だけ。″二近の読書の八割方を占める今の僕には、こ ・重思考″的な生き方を否定された場合、現れが最も必要なことなのでしよう。 1 一 = 目 代人はどこまで正気を保てるか、これにつめにも似た気持ちで、こう考えることにし初めてお便りします。今年も日本大 いてさえ作者は修平の狂気と死をもって答ました。 会が終了しましたが、私はそこで「方言と えています。ーー不安定な現実″頭上の赤変なことを長々と書いてきましたが、最フリートーク」の部屋を合宿所でやってい い波〃を見てしまった彼は、自分の安住す後にもう一言。先日、東北大学研のた者です。そこで出ていた話の一つをみな べきイメージ″戦争″を創り出してしまっ Divergence 11 を読んで、『ゲルニカ 19 さんにも考えてもらいたく、筆をとりまし たのでした。 84 年』の評価が低いのに驚きました。確た。 「だからどうしたと言うのだ」 かにとして見れば面白味もないし、作話というのは「古典の価値」とは何か、 ・僕はこう叫ばざるを得ません。前へ進む品として完成しているとも思いませんが、 ということです。、古典の価値は「原点」で ことも、後へ逃げることもできない状況に現実の不安定性と我々の日常的な二重思考あることに在ゑそれだけなのか。それと 置かれて、僕は一体何をすればいいのか ? を描破した点で、非常に重要なのではない も今なお輝きを持っているのか。 「そんなこと言ってないで前へ進め ! 」 でしようか。この作品を単純にに分類当然のことながら、後進はより前に出た ・『夏への扉』などのは言います。しかし、として評価すること自体、無理なものを超えようと作品を書きます。そうし し″前向き″の姿勢そのものが″虚構″でことのように思われます。 てそのジャンルは発展してゆくわけです ないと、一体誰が保障できるのでしよう なんか偉そうなことを書いてしまいましが、そこで古典として残るものがある。た 220

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この間『ゲルニカ 19 8 4 年』を読んだ がかたまって話をしている部屋というのはなすが、まあ少女に後光までつけて神々しい んとなく入って行きにくいですね。あとは、 もんだなーと思いましたね。何かほっとしのですが、なんか″う ~ ん″という感じで かな ? ( 田 ) 酒の勢いを借りるしかない た、という感想をもって読み終えました。 した。読後に精神の平衡を保っためには忘 でもこの話を読んでいる途中で、時間軸れ去るしかないという、この状況。浪人生 のゆがみに追いつけなかったというか、次には少々キツイものです。 この作品、オーウエルの『一九八四年』 元にのまれたというか、筋が追えなくなり 私めは大原まり子さんのファンなので、 ・大原さんの作品が載っていると、やはり感ました。「墓から墓へ」もそうだったんでの影響下に成立したのだと思いますが、テ 1 マは少々違うようですね。オーウエルの すよね。最近速読のクセがついてきたせい ・想文を書きたくなります。で、「時の花 だろうか。これからは二回読もう、 意図があくまでも「超全体主義」の構造を 束」の感想文を書いてみたので読んでくだ と心に決めている今日このごろです。 描くことであるのに対し、栗本氏の意図 ・さい。 ハート・シルヴは、現代の我々の日常を、オーウエルの言 まあ、とにかく驚いたのは、青年が自殺最後になりましたが、児 ーグの「第六の宮殿」はなかなかあう″二重思考んについて描くことだったよ ・するのに電動ノコを使って手首をふった切ア 1 っさりしたロあたりで、気持ちよく読めまうです。言ってみれば、オーウエルが設定 ・るところですね。自殺をするのに電動ノコ を持ちだしてくるなんてのは、大原さんなした。岬兄悟さんの「ターニング・ポインしたファクターの一つを、オーウエルとは ・らでは、ですよ。他人の腕を電動ノコで切ト」は今日子というネーミングから″小泉無関係に現代に当てはめた ( 見出した ) 作 品ということになるでしようか。 ・るっていうのは過去によくありましたけど今日子″を連想して、楽しく読みました。 僕には″二重思考というものが今ひと それではこのへんで。これからも楽しい ね、自分の腕を切るっていうのはちょっと っ理解できないのですが ( そのうえ、オー を提供してください。 なかったんじゃないでしようか。 ー一二ウエルの使い方と栗本氏の使い方が違うよ ・それから最初の方の少年と少女の会話が ( 〒Ⅲ東京都品川区西五反田五ー三 うにも思えるし : : : ) 、『ゲルニカ 19 8 やけに実感があっていいな、と思いまし ー二二斎藤聡 ) 4 年』においては、「そうでなければ困る でた。ああいう受け答えをするいやーな性格 から、そうあるたろう」という考え方とし 大原まり子さんのファンには、男性の方が のガキ : : : いや、少年というのがよくいる 0 多いですね。これはきっと、大原さんの小説て現出しているようです。不安定な現実に んですよね ( かくいう私もそういう少年の が持っ″女性としての感覚に魅かれるからお・ほろげに気づいていながら、安住すべき 一人でした ) 。後半の青年の言葉が二十四 ( 加 ) なんでしようね。 イメージ″平和″を創り出す。この姿勢 歳にしては少々幼ないんではないかな、と は、現代の我々の代表として、二十章で修 気になりましたが、母性愛に飢えた青年を 平の死に何かを見出しながら、自分達の 描こうとしてあえてそうしたのかなあ、な どと想像しました。 かなり古い話題になるのですが、ご容赦″現実″に戻ってゆく上村と高野に、象徴 的に現われていると言えるでしよ、プ。が、 で、結末で少年は少女に抱かれるわけでください。 ダブルシ / ク 幻 9

10. SFマガジン 1985年11月号

・投稿歓迎 宛先は本誌てればーと係 ( 奥付参照 ) 掲載分にはØLL マカジン最新号進呈 ご夫婦でいらっしやってた方も多いようで 一目惚れのハンサムな男性には会うわ、、 ろいろなファンクラ・フの人と話しこむわでししなあ : ・。私も旦那様と二人で大 第二十四回日本大会ーーー ( 古書の部屋で黒のシャツを着ていた三会行きたいリ ″みのや〃で見かけたハンサムさん、来年 ・ 0 Z O —夏まつりに行って人の方、いろいろ教えてくださってどうも まいりました。 ・ ( 一応はい ありがとうございました ) 、もう大変に有大阪で会えるといいな : ・ : なんて節操のない : ・まず最初にお礼を一言 : 意義な大会でありました。 ( 朝、・ハスで矢るんですけど : ホールでの最後のフィナーレ、凄かった ・最初つからハ。フニングがありまして、友野氏の隣りに座ってしまった : 人が新潟まで乗り越してしまったのです。 ただちょっと残念だったのは、夜も十二ですね。感動してしまった。って本当 ・文化会館に行く途中 2 ハスの中で途方に暮時を過ぎると、各部屋ごとにファンクラブにいいですね。 ・れていた私を励ましてくれた隣りの席のの人などが集まって、その人達たけの世界帰りの新幹線でも盛り上がってしまっ 方、通路を隔てたお二人、・ハスガイドのができてしまい、何とも近寄りがたい雰囲て、なんと上野駅で万歳三唱をしてしまっ ・方、添乗員の方、新潟駅に電話をかけると気になってしまうのです。これは私の偏見たい解散するとき″じゃあ、また米年会 ・き五十円玉を十円五枚に交換してくれた かもしれないけど : : : でもやつばり近寄りおうね″″うん、大阪で、それまで元気で 〃見ず知らずの人が、ですよ。なんか 方、それから忙しい中、話を聞いてくださカナカナオ : こ、つこよあ・ : ・ : 来年は十二時過ぎても 0 ・つたスタッフの方々、この場をお借りして女のコが一人で入っていけるような部屋をもう嬉しくって : お礼申し上げます。どうもありがとうござ作ってください。 来年は大阪だリ今からもう心待ちにし いました。 ているのですワ 部屋といえば、今回私の宿舎はグランド 0 0 0 Z のスタッフの方々、本当 : ということで、今回しよっぱなから ・ホテルだったんですが、七人の相部屋だ にどうも御苦労様でした。 ハ。フニングはあったけど、狂喜乱舞の合宿ったんです。これ、すごーく良いですね。 ( 〒東京都稲城市坂浜五五五 o ー 2 ・にも参加することができ、野田大元帥の百自己紹介なんかやって結構楽しく過ごした 関本悦子 ) ・冊記念のワインも買うことができ、神林氏んです。今まで一人か二人だったので、こ が三年連続で星雲賞を受賞するわ ( やったのような相部屋、いいと思うんですけど。 ね ! 雪風リ D ) 、サインはもらえるは、 今回はカツ。フルが多くて羨ましい限り。 女の子に限らず、ファンクラゾの人間だけ ′ , ぐ 0 幻 8