ロロロロ 0 、、長日ロロロロ 6 4 午後 2 時 * 工ゾリスの一年 ねんかんへいきんこうどうじかん 工ゾリスの観察をつづけているうちに、わたしは、ふと、 ・エゾリスの一年間の平均行動時間 したせん 、」、つど、つかいー」 じこくへいきん 下の線は行動開始の時刻の平均、上なせだろ、つとおも、つことにしばしばであいました。 、」うどう せん へいきん き あき の線は行動がおわる時刻の平均です。 へいきん ひ 工ゾリスは、秋、ひろった木の実を、こっこっ、葉の下 平均すると、だいたい日の出とともに こうどう 行動を開始しているよ、つです。 こうどうじかん ふゅ みしか や土の中にかくしたり、木のまたにはさんだりします。 行動時間は夏ほど長く、冬ほど短い かずすく カ , ルけい ことがわかります。昼の長さと関係あ くわえ〃にしては数が少なすぎます。もしかしたら、大むか ふゅ こうどうじ じだい るのでしよ、つか。そして、冬は行動時 そせん カんたい あさがた し、エゾリスの祖先の時代には、シマリスのようにたくわ 間帯が朝方にかたよっています。 えるくらしをしていて、そのなごりなのかもしれません。 ふゅ ゆき 冬になると、エゾリスは頭から雪の中にもぐりこんで、 き ちゃんと木の実をさがしだします。それは五回に一 5 二回 しったいなんでしよう。 ぐらいの正確さです。てがかりは、 ) ふゆかつどうじかんたい 工ゾリスの冬の活動時間帯もふしぎです。工ゾリスは、 もっと まふゆかつどうかいし きおんひくそうちょう 真冬の活動開始が、最も気温の低い早朝です。十時ごろに はねぐらにもどって、ねむってしまいます。なぜもっと気 じ、プ、 おんたか こうどう 温が高くなる時刻までまって、行動をしないのでしようか。 ひ そと ふぶきの日には、エゾリスはねぐらの外へはです、一日 しよう 中とじこもったきりです。おそらく、体力をできるだけ消 もうさせないためなのでしよう。 っこ 0 なっ ひる 8 6 せん 午前 4 時 い 974 年 ~ きろく 円 78 年の記録 ) ねん ねん っ ー 2 3 4 5 6 7 8 9 Ⅱに月 じゅう っちなか せい・か ) 、 かんさっ み あたま み なか 力し おお した にち
不斗学のアル / ヾム 63 工ゾリスの森 ■著者 みぎたかひでおみ 右高英臣 ・発行者 岡本雅晴 ■印刷 株式会社精興社 ・写植 株式会社田下フォト・タイプ ■製本 中央精版印刷株式会社 ・発行所 株式会社あかね書房 〒 101 東京都千代田区西神田 3 ー 2 ー 1 電話東京 ( 263 ) 0641 ( 代 ) 1990 年 9 月発行 N D C 489 あかね書房 1 9 9 0 ェゾリスの森 右高英臣 8340 ー 12163 ー 0027 54P 23X195 ( 科学のアルバム 63 ) ・表紙写真 雪の上にたたすむェゾリス ■裏表紙写真 ① ② ④ ③ ◎ 1979 Printed in Japan 著者との契約により検印なし ⑤ ①木の替を走りまわるェゾリスの親子 ②木の上で毛づくろいをする若いェゾリス ③ねぐらから顔をだしたェゾリスの子 ④秋の森でえささがしをするェゾリスの子 ⑤雪の中からみつけたえさをはこぶ工ゾリス ・扉写真 若葉を食べるェゾリスの子 わかば 残雪の拳節、つがいになったェゾリス ・目次写真
『物発」雪の朝、木のえだにうずく まるよ、つにして、 " 、んさを - 食 べる都いエゾリス 北国の森にすむ工ゾリスは、 さむ きひしい寒さとたたかいながら 生きています
おお ちゅうしん おや 大きくするどく , 木の木の上が中心。親にな はだを強くつかめる。 ると地上にもおりる。 まえあし 前足 じゅどう 樹洞やえだのまた。 / 」、 えだや木の皮でつくる。 工ゾリス * 工ゾリスどシマリスのちがい 、い 巣やねぐらの場所 後ろ足 せいカー ) 生活の場所 つめの形 シマリス 後ろ足 小さくて , あまりする どくない。 はつかいどう - もり おな 北海道では、エゾリスとシマリスが同じ森のなかでく らゆうこうせい どうぶつ らしています。どちらも昼行性の動物で食べものもにて いますが、どうしてあらそいかおきないのでしよ、フ。 - もり かんさっ おな おな じかんたい こまかく観察してみると、同じ森で、同し時間帯に活 どう せいかっ , 動しているのに、ほとんど生活の場がかさなりあわない どもことがわかります。 じゅじよう と耒ます、エゾリスはおもに樹上でくらしています。木の まえあし がどめ 「上き芽や葉、なっている木の実を、前足でもぎとって食べま ち地と ちじよう すが、シマリスは、ほとんど木にのばらす、地上を走り まわって、おちている木の実を食べます。 ー ) ゅしよく それに主食となる木の実の種類がちがいます。工ゾリ スのえさは、おもにクルミの実、一方のシマリスのえさ はおもにドングリです。だから、秋のおわり、木の実を ちじよう もとめてエゾリスが地上におりてきても、木の実をうば しあうことはほとんどないのです。 おお ふゅ もっとも大きなちがいは、冬のすごしかたです。工ゾ かつどう ふゅ リスは、冬のあいだも活動しているのに、シマリスは、 いわーよ 木の根もとや岩場のお くにトンネルをほる。 しゆるい あき いつばう かっ
くち 口に子リスをくわえて引越しをする ははおや ちい 工ゾリスの母親。子リスがまだ / 」、さ いうちは , えだからえだへとびうつ おお っていきますが , 大きくなってくる ははおや とそうはいきません。母親は子リス ちしよう を口にくわえたまま , いったん地上 におり , 全速力でかけぬけます。 ・エゾリスの血をすってふくらんだダ しつ - 気ったい ( 実物大 ) 。ーびきの子リスに 7 ひきもついていたことがあります。 くち せんそくリ : く ちち へんか スの食べものの変化です。子リスを乳か い倍 じふん れんしゅう らはなし、自分でえさをさがす練習をさ っ勿 ・ソ、つ。ル 1 〔実せなければなりません。そのため、子リ さいしょ わかは スの最初のえさになる、やわらかい若葉 のある場所に、巣をうっすのです。 ←工ゾリスにとって、肉食のキツネはおそろしい 4 っしよう 敵です。子リスをはこんで地上を走っていると き、しばしばおそわれることがあります。
た。秋のおとずれ ( 八月下旬 ) ちす よもり あさきり おま 森に朝霧がたちこめると、夏はまた / 面・・食 あしあき 一、」地をたくまにおわり、かけ足で秋がやって スる きます。 秋は、エゾリスにとっても、シマリ ス、〉上 ふゅ のせつ ゾ木節です。シマリスは、冬ごもりのしゅ 工ら んびに、ドングリをひろいあつめ、土 わも なか の中の巣にはこびこみます。 走ス 工ゾリスは、えだからえだへととび まわり、木の実を食べつづけます。冬 めつ とあ ごもりをしないエゾリスは、、疋さかい もを 、疋いよ、つ ひかー ) 工、つ 実グつばいあるうちに、栄養を皮下脂肱に して、からだにたくわえるのです 4 物ご あき なっ っち
會成長した子リス。耳の長い毛 ? は夏のあいだものびています。子リス もんし まえあし ↓前足と門歯をつかって , たく みにクルミをわる工ゾリス。 かんさっ 0 観第尾のうごき 工ゾリスやニホンリスの尾は、 長く、毛がふさふさしています。 かれ、らが、つご医」亠まわると医」は、尾 さゆう をたてたり、のばしたり、 左右に ふったりします。尾でバランスを とっているのです。 ■察のポイント ①木の実を食べているとき ②木から木へとびうつるとき ③えだの上を走るとき ④えだでいねむりするとき お 會尾をたくみにふって , えだか らえだへとびうつる工ゾリス。 お かんさっ かんさつおやこ 0 観ー木の実の食べかた ・観親子のみわけかた しよか 工ゾリスやニホンリスは、おち 初夏、子リスがまだ小さいとき ているクル、、、阜」みつけると、ロに は、エゾリスの親子も、ニホンリ くわえて木にのばります。そして、 スの親子もすぐみわけられます。 まえ おお ふゅ すだ 後ろ足だけで、疋だにつかまり、一則 巣立ち後や、冬は、子リスも大き 足と歯をつかって、実をわり、中 くなっていて、・親となかなかみわ 身だけを食べます。 けがっきません。 ■察のポイント ーみわけかたのポイント ①クル、、、ル」はこぶレ小、つす , ①夏でも耳の長い毛がある ( 子 ) しゅんじよす なっ ②クルミをわる順序 ( 図 ) ②夏には耳の長い毛がない ( 親 ) ③顔がまるくふ「くらしている ( 子 ) ③食べるときの、クルミの持ちかた かおほね ④食べかすは、どうするか ④顔が骨ばっている ( 親 ) なっ おやこ おやこ おや おや おや み た くち
クま ~ 力し さを し〈示ナ のき 倶カ い森い森 木に巣あなをほるエゾアカゲラ。五月はこの 森も、野鳥たちでにぎわいます。 かお ←巣から顔をだしたエゾリスの親子。子リスに は、もう毛がはえています。うまれてニ十日 くらいはたっているものとおもわれます。 やちょう おやこ はか みなみカ { わ がっ はる はじめてのであい ( 五月十三日 ) はる 五月、北国の森にも、やっと春がおとす れました。ハルニレやカエデのえだという えだから、芽ぶきがはじまります。 はる 工ゾリスの春のえさは、こうした木ぎの わかめ 若芽です。これらは、やっとありつけた新 せん 鮮なえさです。工ゾリスは体力をとりもど すために、夕方まで活動をつづけます。 コンコンコン。 ちかくの木で、エゾアカゲラが巣あなを おと ほりはじめました。そのときです。音にお い」ゅど、つ どろいたのでしよう。樹洞から親につつ かお いて、あどけない子リスが顔をだしました。 わたしと子リスのはじめてのであいです。 かっきたぐに ゅ、つかた かつどう がっ オしりよく しん
あわゆき 森にふりはじめたラ炎当。ふつ てはきえ , やがて凵月下旬 , 夜 きおん 中の気温が 0 度以下にさがる と , とけない根雪となります。 力、つ一ナしゅん どいカ、 なか かつどう ←ふりつもった雪の中で活動を つづける工ゾリス。おとなの リスのからだも , すっかり長 い冬毛につつまれています。 ふゅー干 やってきた冬 ーしいろそら トえだを寒ざむとした灰色の空 木か / にかざし、そのあいだを木がらしがふきぬ けていきます。 よもり 十一月四日、とうとうエゾリスのすむ森 おおゆき に大雪がふってきました。冬が森をつつん でしまったのです。 もう、どこにもシマリスの姿はありませ っちなか ん。木の根もとや土の中のねぐらにもぐっ てしまったのです。 シマリスとちがって、エゾリスは冬ごも ほそ ) をしません。ねぐらには細くさいた木の 皮をしきつめ、冬毛で身をかため、寒さや うえとたたかわなければなりません。 かわ がっ さむ すがた さむ
力、つ おおゆき ・ 4 日、大雪。子 丿スが、頭に雪を , かぶって、つすくま。 月っていた。 わゆき ・Ⅱ日、森は根雪。 工ゾリスの行動時 そうらはう 間が、早朝から昼 までになった。 1 2 月 月 / ス ・ー日、かたし / 丿 ; 、レニレの冬芽を 食べる子リスを発見。まだ、うえ とのたたかいはつづ ひる 0 0 0 0 0 0 ・ 4 日、子リスが がわ えだのうら側で、 コケを食べていた。 ・おとなのリスも 京ゅげ すっかり夂、毛につ つまれている。 0 0 、 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ドを・ 0 0 0 0 0 0 〉を氷点下度。工 ゾリスは、木の 根もとの雪に頭 か、り , もん \ り・こみ 二 1 だしていた。 つ、 0 0 ・ 7 日、朝 7 時、 一子リスが、深い雪 に一、つ・す・土 6 り・・か わけてはすすんで いく。えさをさカ 一 ~ しているのだろ、つ。 0 0 0 -- ・尋、いみり C ・ あさ 0 0 0 0 0 0 ・森はョにとざされた。 ・灰色の雪雲が、北国の空を おおいつくす。 をきせつやぐ . ・積雪約リメートル。 ・雪のふる森の中を、キツツ キが、せわしくとびうつりな がら、えさをさがしていた。 太・をほじくるごとに、木・の すが雪の上におちた。 ・ミャマカケスが森のおくか 【、らやってきた。 ・クマタカが森の上空をとん でいた。えものをさがしてい るのだろ、つ。 ・ウソ、マヒワが、カッラの 実を食べにきた。 ・イスカが、カラマツの実を ついばんでいた。 ・早朝、雪の上に、さまざま な足あとをみつけた。キタキ ツネ、エゾユキウサギ、ヤチ ネズミなど。冬のあいだも冬 眠しないけものたちだ。 ・冬鳥のオオモズが、この森 にもやってきた。 ・雪の上に、エゾリスの毛が ちらばっていた。クマタカに おそわれたのだろう。 ・キタキツネが、雪の上にう すくまっていた。ちかよって ↓も、つごか - なし どうやら、後 ろ足にけがをしているよ、つだ。