シん イせ だ出か みずそこ みす をあ 春になり、水がぬるんでくると、水の底 とうみん みす 水や、水ぎわのどろの中で冬眠していたカメ かつどう てか たちは、目をさまし、活動をはしめます。 め温 さき気 水中で冬眠していたカメは、水当がセ氏 十五度ぐらいになると、水面にうかひあか ってきて、呼吸をするようになります。 クん しかし、冬據からさめてまもないころは、 きま かつばっ すいおんひく てき まだ水温が低いので、カメは活発には動け で出て にで出 しらません。水中をゆっくり移動したり、水面 をか こきゅう かお 谷水 晃とから顔を出して呼吸をするくらいです。 につこ、つよく えさをさがしたり、水中から出て日光浴 まき気 か癸をしたりするのは、水かセ氏一一十度をこ もメ 春ガえるようになってからです。 すいめん はる とうみん 冬眠からさめて はる すいちゅう なか すいちゅう すいめん どう すいめん
さんらん ハ月ごろになると、クサガメは産卵 きせつ の季節をむかえます。 らゆうるい ハ虫類のなかまは、生まれたときか しんか りくせいかっ ら陸で生活できるように進化しました。 かんそう 卵も乾燥にたえるからをもっています。 みすべ ふだんは、水辺や水中でくらしてい るカメも、ほとんど水中から出ないス ッポンも、産卵は陸上でおこないます。 さんらん ちか みすべ 産卵をする場所は、水辺に近いとこ おお みすべ ろか多いよ、つです。ときには、水辺か さんらん ら、かなりはなれた畑などに産卵する とちゅう さん・わん ゅ、つかた こともあります。このため、途中で車 産卵のため陸にあがったクサガメのめす。上陸がタ方か よる おお かいてき おも ら夜にかけて多いのは、外敵から身をまもるためと思わにひかれたりして、死ぬカメもいます , れます。産卵は、雨天でも晴天でもおこないます。なお、 クサガメやイシガメは、秋に交尾をすませています。 しようり - ′、 産卵の季節 たまご がっ きせつ さんらんりくじよう よこナ すいちゅう すいちゅう くるま
・水底を歩くクサガメ。一見のろまにみえる カメも、水中ではとてもすばやく動きます。 カメのなかまは、 きようりゅう 恐竜がさかえていた大むかしから、 あまり姿をかえることもなく、 いまも生きつづけています。 どんなくらしをしているのでしよう。 ある すがた おお
0 クサガメのおすとめすのみわけかた ちい カメが小さいときは , おすとめすの区 別はむずかしくてわかりません。しかし , おお 大きくなったカメでは , 尾の長さや太さ , こうもんそうはい 肛門 ( 総排せっこう ) の位置などでみわけ そとカ、メ ) られます。肛門が甲らより外側にあるの うちかわ がおす , 内側にあるのがめすです。 おお とくに , おすとめすが同じくらいの大 きさだと , 尾の太さだけでだいたい区別 がつきます。太い方がおすです。 ・クサガメのからだ ( おす ) 目視力はよく , 水中では はん 半とうめいのまくでおおわ れます。 く めす おす 小さな せなかの甲ら 耳 外耳はなく こまくがあります。 すいらう せいそうせいし 精巣精子をつ るところ。 ほ・うこ つ はな 鼻のあな くちばし皮ふがカ たくなったもので , 歯はありません。 そうはい 総排せっこ ゆびあいた ゆび 前あし指と指の間に小 さなみずかきがあります。 腹の甲ら すいらルう 副 ( うこう水中ではこの 部分から酸素をとりいれて 皮ふ呼吸をしています。 ゆひ そとがわ うしろ足外側の指にはつめ がなく , みすかきが発達して います。 ・すんでいる場所でちがうカメの足の形 イシガメ 池や川にすみ , 陸にもあがるな かまは , 足の指がはっきりわかり , 指の間には , みすかきもあります。 陸にだけすむなかまは , 足が太 かたら いほ、うのような形です。つめはわ かりますが , 指の一本一本はあま り区別がつきません。 海にすむカメのなかまの前足は , ポートのオールのような形で , う しろ足は , ひれ状です。 まえあし 前足 首劜足 うしろ足 0 海にすむカメ スッポン まえあし 前足 かわ 0 池や川にすむカメ 0 陸にすむカメ うしろ足
みす ~ 、 春に地上へはい出し、水辺でくら しはじめたクサガメの子どもは、夏 になると、およぎも、つまくなります・ につこ、つよく 陸にあがって、日光浴もよくするよ うになります また、うまれたときはやわらかだ った甲らも、かたくなってきます。 しかし、すべての子ガメが、順調 に成長できるわけではありません。 ちしよう 地上ではカラスやイタチ、水中では ザリガニなどにおそわれることがあ ります。また、食べものがとれすに、 、 ~ 2 「【 ~ 靃・成長がおくれてしま、「も 0 も〔ます。 會アメリカザリガニに食べ られるクサガメの子ども。 およぎつかれたり , おば れたりするときけんです。 ←死んだ魚を食べるクサガ メの子ども。子ガメは , おもに魚や虫などを食べ ます。 さかな さかなむし 子ガメの成長 はる ちしよう せいちょう すいちゅう しゅんちょう なっ
あき 秋の日ざしのもとで , 甲らほ、し をするクサガメの子どもたち。 これらの子ガメは , 春に出てき たものですが , 食べものの量な・。メ蕓 せいらよう どで , 成長に差があります。 はる 秋になると、クサガメの子どもは、甲らの やく やく 長さは、うまれたときの約二僵、体重は、約 五にもなっています。 やがて冬が近つき、気がさが「てくると、 一クサガメの親も子どもも、食べものをほとん につこ、つよく どとらなくなります。ときどき、日光浴をす るだけです。そして、水がセ氏十度よりさ チ ' ' 、に、、かると、ほとんど水面に出てこなくなります。 カメには、あつま 0 て冬する性質かあり ます。たくさんのカメのいる池などでは、秋 のおわりになると、おす、めすのカメがあっ まり、冬まえに、水中で交尾をします。 しかし、子ガメたちかどのようにして冬 するのか、くわしいことはわかっていません。 オカ あき すいめん たいじゅう あき
カメの食べもの クサガメやイシガメは、動物質のものも、 しよくぶっしつ わコ「つ 。で植物質のものも食べる、雑食性ですが、ど よコ匀 - メいちらかというと、動物質のものがすきです。 カよ すいちゅう 物サも クと 陸上では動きのおそいカメも、水中では ノ季や、餐 ~ 意外と動きは速く、ザリガ = や小魚、水生 こんちゅう みすくさ ゴカ昆虫などをとらえて食べます。また、水草 しようどうぶつ 會 ( や死んだ小動物なども食べます。 にノ、しよくせい みすそこ スッポンのなかまは肉食性で、水の底の ちか だンどろなどに身をかくし、近くをとおる魚な 阯ポ しスどをおそいます。 くる かせ カメには、歯かありません。しかし、し み身ち まえあし えさを にまようふなくちばしと前足をつかい の , ちぎって食べることができます。 さかな りン、じよう どうぶっしつ ざっしよくせい どうぶっしつ さかな
不斗学のア丿レノヾム 90 カメのくらし ■著者 ますだもどき 増田戻樹 0 発行者 岡本雅晴 0 印刷 株式会社精興社 写植 株式会社田下フォト・タイプ 0 製本 中央精版印刷株式会社 0 発行所 株式会社あかね書房 〒 101 東京都千代田区西神田 3 ー 2 ー 1 電話東京 ( 3263 ) 0641 ( 代 ) 1991 年 2 月発行 N D C 487 増田戻樹 カメのくらし あかね書房 1 9 9 1 著者との契約によリ検印なし ◎ 1986 M. Masuda, printed in Japan I S B N 4 ー 2 5 1 -0 3 5 9 0 - 6 54P 23X19Cm ( 科学のアルバム 90 ) ・表紙写真 水中をおよぐクサガメ。 ・裏表紙写真 ③ ④ ⑤ ① ② ①アカウミガメの上陸したあと。 さんらん ②産卵、あなをうめるアカウミガメ。 ③産卵中のクサガメ。 ④卵のからをやぶって出てきたクサガメの子。 ⑤スイレンの葉の上で目羌浴をするイシガメの子。 ■扉写真 いちもくさん 海にむかって一目散にかけていくアカウミガメの子。 ・目次写真 草のおいしげつた湿地を移動するクサがメ。
みす なか あたま ←水の中から頭だけ出したクサガメ。 どくうき すうふんかん 一度空気をすいこむと , 数分間 , 水 なか の中にもぐっていることができます。 みす はな てま も呼 カメのなかまは、陸でくらす力メも、 かわうみ ノトっ当」 のだ出 メを池や川、海でくらす力メも、みんな空気 ガ鼻 をすいこんで、肺で呼吸をします。 る ~ 面 おお 多くのカメの鼻のあなは、頭の先たん てき ま、つ せん 、つえ つど むきや先たんの上の方についています。水面 あたませんふだ から頭を全部出さなくても、鼻のあなだ ノ、、つ」 け出しておけば、空気がすえます。 ポてが すいちゅう スとぎす また、ほとんど水中でくらす力メのな ぐっよで くびなが よじおれ景 には、スッホンのように、首か長くな てはかい はなさき しンすしつこり , 、 鼻先がのびているものもいます。 た出ポまら ひるま いけぬま をッしず ・なう出めスッポンは、昼間は、たいてい池や沼の ・あうをは なか のつ”鼻の どろの中にかくれ、長い首をのばし、目 鼻ふめ目す と。てた出 はなさき め目ン らと鼻先だけ出して呼吸しています。 きゅう 肺で呼吸する は あたません は すいめん
9 月 あまりえさを食 - 0 , 、、 ~ なくなります、ぐ / 2 月 1 2 月 1 0 月 池の底などで冬眠します。 たくさんカメのいると ころでは , おすとめす があつまり , 冬眠まえ す、、らう に水中で交尾をします。 早くふ化したもののなかには , その はや 子ガメがどこで とうみん 冬眠するか , く わしいことはよ くわかっていま せんが , 水の底 おも と思われます。 ます。 せいら一うきろく クサガメの子どもの生長記録 ( 1984 ~ 85 年 ) ( イ ) ( ハ ) 個体 つきひ 月日甲らの長さ重さ ( 9 ) 甲らの長さ重さ ( 9 ) 甲らの長さ重さ ( 9 ) ' 84 年 40 38 6 月 26 日 53 7 月 23 日 57 8 月 5 日 63 9 月 6 日 63 10 月 1 日 ねん れん クサガメの子どものふ化直後の大きさ , 重さ ( 1984 年 ) (mm) おも 個体甲らの長さ重さ ( 9 ) 佃体申らの萇さ重さ ( 9 ) 33 34 33 33 30 33 31 32 34 31 33 32 33 32 33 31 34 33 31 34 ( ロ ) おも おも サシスセソタチッテト 5 0 5 0 5 5 0 5 0 0 5 【 0 0 一 0 0 0 【 0 0 5 0 0 2 0 1 っ乙っ 0 4- っ ") O 、 1 【 0 つ」ワ」 ・ 1 つ」っ 0 っ 0 フ」【 0 0 1 上 LO 【 0 8 3 8 11 つなつな 8 2 8 【 0 一 L.n ' 85 年 11 月 3 日 75 36 . 5 47 . 5 74 48 68 さんらんし このときのクサガメの卵は , 産卵時で直径約 40 叫 かまえ やく ふイヒ 3 日前もほとんど同じでした。 重さ約 10 , らよっけいやく