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検索対象: 科学のアルバム シカのくらし
42件見つかりました。

1. 科学のアルバム シカのくらし

・あとがき もりある 夏、シカをさがして森を歩くと、目にあせがはいってきていたくなります。 しろ 冬、シカをおって山にのばると、足はかしかみ、はく息はまっ白です。 やまある 十キロもあるレンズのついた三脚を、かついで山を歩くと、三脚が肩にくい ある あし こみ、足はばうのようになり、もう歩きたくないとおもうこともしばしばです と医」 であ じぶん ところが、そんな時でもシカとばったり出会、つと、自分でもふしぎなくらい びんそく 敏速な動きでシカにレンズを向けているのです。しかし、ファインダーにはい ったシカにピントかあい いざシャッターを切ろ、つとすると、シカは、まるで とき その時をまっていたかのように、 にげてしま、つことか多いのです あし おも そしてまた、ばうのような足をひきすり、重いカメラをかついで歩くことの くりかえしがはしまります。もちろん、なぐさめてくれるものなど、なにもあ さっえい りません。写せなかったくやしさだけが、つぎの撮影への意欲となります。 さつほん そんな気持ちで撮りつつけてきたシカも、こうして一冊の本にまとまると、 くる おも 苦しくてつらかったことも、少しすっ楽しい思い出にかわろうとしています。 おお かた せわ この本を出すにあたって、多くの方がたにお世話になりました。なかでも、 きんかさんとう とうたけおせんせい 金華山島のシカについて、いろいろご教示してくださった伊藤健雄先生、それ げんこ、っせいり いしカわ に、原稿整理をてつだってくださった石川みな子さんに、心からお礼を申しあ ますだもどき げます。 増田戻樹 ふゅ なっ うご ほん うつ やま きやく あし おお こころ きやく かた よっう

2. 科学のアルバム シカのくらし

につん ・日本にすむシカ ッシマジカ対輛にすむ。 皐になって発見された ため , あまりくわしいこ とはわかっていない。 は・ 1 け人 北海道 * ニホンジカの分布 はん L ”う ヤクシカ屋久島にすむ。 本州のシカより小形。 はっカ・、、どう、い 工ゾシカ北海道に・ド、 おお すむ。日本で最も大 つのおお きなシカで , 角も大 きく , 大陸にすむシ 力にいなかま。 につばんかくち むかしは、日本の各地にシカがすんでいました。 しか でんせつ 閠わ華 地名に〃鹿 , という字がっかわれていたり、伝説 し四金 やる 闌たやむかし話にシカかよくでてくるのも、シカと人 笨「公あ カ , 桑れ 間のかかわりあいか古くからあったからでしよう。 ウむも かいはっ やま ュす力 しかし、乱獲されたり、山が開発されたりして ホ」九」島 いまでは、野生のものはごくかぎられ 数がヘり ちいき た地域でしか、その姿をみることができません。 日本にいるシカをまとめて、ニホンジカとよん ちいき おお でいますが、すんでいる地域によって、大きさが ほっかいどう すこ 、ヘ / 」少しすっちがいます。一番大きなシカは北海道の けらまれっとう やくしま 工ゾシカで、屋久島のヤクジカや慶良間列島のケ もっとちい 慶の」念 ばあい どうぶつきんえんしゆるい い縄笨」然 いつばんに、動物は近縁の種類の場合、北に ) も天 力す形くはど大きく、また、せまい島にすむものほどト につばんれっとう なが ラ〔列よさいといわれています。日本列島は南北に長く、 ケま間カ しようけん しまぐに しかも島国です。これらの条件がかさなって、ニ ホンジカにも、大きさの差が、つまれたのでしよう。 かす おお らんかく おお ふる すがた ばんおお なんばく きた

3. 科学のアルバム シカのくらし

一度、胃の中にいれたえさを、もう一度口にもどしてか しいます。シカは、反すう みなおすことを、〃反すう〃と ) どうぶつ をする動物としても知られています。 くち シカの胃は、四つのへやにわかれています。ます口から おお はいったえさは、第一の胃にいきます。第一の胃には多く しよくぶつ げんせいどうぶつ のバクテリアや原生動物がいて、えさ ( 植物 ) にふくまれ しよう - カ ぶんかい ているセルロースというせんいを分解し、消化しやすい物 質にかえます。 つぎにえさは、第二の胃におくられます。第二の胃では、 小さなかたまりにします。そして、 、疋さを小さくくたき、 くち えさはふたたび口にもどされ、かみなおされます。かみな 、つ・あん おされたえさは、第三の胃にいき、さらにこまかくくたカ で。す上せ かす反 , ま れてから、第四の胃にいきます。この第四の胃で、えさは 」突し 3 骨にあ しようか、き くカ 消化液のはたらきによって、はしめて消化されます。 さ雰鱶多し歯 つねてき をのの犬 このように、反すうは、常に敵からねらわれる草食動物 。さカ物や あんせん あんせん 〔胃えジ」動し歯 にとって、いそいで食べて、安全なときに、安全な場所で、 ンる」 一てホすに くりかみなおすという、べんりなしくみなのです。 〔第いニを・ごゆっ ←ウマの頭の骨。上あ ごに門歯と犬歯があ ります。 はね けんし 門歯 * シカのどくちょう 2 けんし 反すう はん どくち そっしよくどうふつ ふつ

4. 科学のアルバム シカのくらし

, 。 ~ 子どもがおすの場合 , めすとおすはわか ちい よく年の早春には , 小 4 を、 れて , また男リべつ の群れになる さな角がはえる ねん よく年の 2 月 よく年の 5 月 どもがめすの場合は , いを” , ノマそのままめすの群れに 1 くわわる 會冬にみつけた 2 才くらいのおす ジカ。すでに・母ジカとわかれて , おすジカの群れにいました。 をいなド ねん 1 む がっ む 1 1 月 結婚のあと , めすはおすとわかれる カーっ 5 月 む おすはめすの群れに はいってきて , 数頭 字どもをつれてめす ・の群れにもどる はは 子どもが少し 生長すると , つれて歩く せ、、らよう ある ふくろづの ふくろ - プの 袋角の生長がとまり 夏のあいだ袋角が せいらよう どんどん生長する 角質化していく せ、、らよ 1 む おすの群れは , ばらばらになる カ , つ 1 1 月 時 、宅フどろあびをする 角つきあい おすはどくとくのしぐさをする 結婚のあと めすをもと おすはめす めて鳴く とわかれて くらす 上くちびるをめくりあげる し 9 時 時 し 6 時 タ田 53 0 時

5. 科学のアルバム シカのくらし

ま発嵭な発嵭 た情 : の情ぅ 発嵭期きで期き 情うの、を 期、お・かむ = , ー 以、、す・らか 外 3 : だだえ のけがた おがよお・ すおごす・ もこれジ しなてカ まいし、 せ、まど んめ・すろ はどび しろを まあし せびた んはあ こうどう はつじようき 発情期の行動 十月にはいると、おすジカは これまでにはみられなかった、 こ、つどう かわった行動をとりはしめます。 たとえば、ぬれたどろを全身 じめん にあひたり、 地一囲にによ、つ阜」ふ じぶん りかけ、その土を自分のからだ こうどう にぬりつけるといった行動です。 だから、この時期のおすジカ のからだは、ひどくよごれてお どく 独とくなにおいかします でも、このにおいか、めすをひ やくめ きつける、たい せつな役目をし ているようです ぜんしん 28

6. 科学のアルバム シカのくらし

・りて カけ毛 シの のお尾 んと だりす ふしま きけんをしらせる合図 きんかさんと、つ 金華山島には、肉食の野生動物はいま ちほ、つ やせいか せん。しかし、ほかの地方では野生化し よわ た大などが、おさないシカや弱ったシカ りら を、おそうことかよくあります。 キュン , のち するどいさけび声をあげながら、目の きオ。 とかす たさま まえを、シカの群れが走りぬけていきま じかち んけ毛だ 力し めした。どのシカも、しりの白い毛をさか を白く んのよ だてて、きけんをしらせあっています。 けお尾も きとで にんげん 野生のシカは人間をみると、きけんな 動物だとおもってにげていきます。 どうぶつ やせい やせいどうぶつ しろ

7. 科学のアルバム シカのくらし

おお ↓きけんをかんじてにけるシカの群れ。白い毛をさかだてるのは , しりをより大きく , しかもくっきり 近くにいるなかまたちに みちか とめだたせて , 身ミ丘にきけんカ丘づいたことをしらせるためだ といわれています。たまたまシカが一頭でいるときでも , にげ はんのうてき るときは本能的に毛をさかだてます。

8. 科学のアルバム シカのくらし

わかぎ ↓若木がない森のようす。下草や木の芽ば えが食べつくされてしまうので , 森には 若い木がそだちません。 したくさ おね 川もあ 金華山島には、多くの尾根や谷があり っす しまめんせきやく ふめ ちこちに海れています。島の面積の約八十パーセン げんせいりん うえしま てき れす トは原生林です。その上、島には敵になる舟食の野 せいどうぶつ つは 生動物はいません。シカがはんしよくするには、こ じハ外す しぜんかんきよう ま苡ま の上ない自然環境のようにみえます。 り一節し かす いき季動 しかし、シカの数がふえつつけた結果、シカのく がの行 ふしせん ・すん婚に いくつかの不自然なすがたがみられるよう ・め』結っ きんかさんとう あき ・すま「リ になってきました。たとえば金華山島では、秋以外 ・← 9 、つは にも、おすとめすがいっしょの群れにいるのがみら ち・ほ、つ , ′れますし、また、ほかの地方ではみられない大きな 群れになっていることもあります。 しよくぶつ しんこく そればかりではありません。島の植物にも深刻な えいきよう しんめ わかば 影響がではしめています。シカが新芽や若葉を食べ わか つくしてしまうので、若い木がそだたないのです。 わか つぎの世代をひきつぐ若い木がそだたないと、やが もり げんざい て、森に木がなくなってしまいます。現在でも、木 そうげん かそだたないで、草原のままの場所が、島のあちこ ちにあります。 をい うえ きんかさんと、つ せだい おお しま / 、お おお し力し

9. 科学のアルバム シカのくらし

ちくひ らち ↓乳をのむ子ジカ。子ジカが鼻で母ジカの乳首をつつくと , それがしけきになっ あいす ひく ちち て乳がよくでます。母ジカが「クウー」という低い声の合図をしたとき , びよう力、ん しゅにゆう みしか しかん もらえます。授乳の時間は短く , 一回がわずかに数田秒間です。 はは はは 乳を ちち

10. 科学のアルバム シカのくらし

はは なか くさ ジカは、ふつう子どもをしげみや草む らにのこしたまま、えさを食べにいきます。 くさ しげみや草むらにのこされた子どもには、 ジきけんかないのでしよ、フか。 しげみにじっと、つすくまっていれば、か やく すがた らだのはんもんが、敵から姿をくらます役 くさ と目をしてくれます。また、このころの草む くさ・ たか らは草たけが高く、そこに子ジカがうずく まると、どこにいるかわかりません。 こ、つどう 群れの行動についていくだけの体力が、 くさ まだないうちは、子ジカは、しげみや草む ほ、つあんせん らでじっとしている方が安全なのでしよう。 ははおやじゅにゆう 母親は授乳のとき以外、子ジカからはな よる れていますが、夜はすっといっしょです。 てき し力し たいりよく