ぐんまけんまえばしし 一九四六年、群馬県前橋市に生まれる。 とうきようのうぎようだいがくそっぎよう 婦ムロ 一九六八年、東京農業大学卒業。同年より きんむ 群馬県の農業高校に勤務。 きようしよく 鈴教職のかたわら、主に植物の運動をテーマ きらよう じつけんかんさっ にした実験、観察をおこない、その貴重な記 ざっ 録写真が注目されている。ほかに、作物と雑 そう 草の関係や、作物や雑草のライフ・サイクル も研究している。 第二十二回ニッコールフォトコンテスト科 とくせん 学写真の部で「植物の運動」が特選。 在、科学雑誌や百科事典などで、多数の 植物生態写真を発表している。 しもさどりらよう 現住所群馬県前橋市下佐鳥町一三一
春をまっックシ ゆきふゅ ちゃいろ 早春の野山は、まだ雪や冬がれの茶色いマ ントをきています。でも日ましにあたたかく はるちか プをなる日ざしは、春か近いことをしらせます。 ちは、つ ックシの芽ばえは、地方によって差があり はつか ます・かオしオし ) サクラの花がひらく二十日 くらいまえからです かわ どて ど、つろ 三月はじめ、雪の下では、春をまってたく 川の土手や道路のはし、野 ~ い「てかれ しよくよっ くさ くさ さんの植物たちがねむっています。 草をそっとはいでみましよう。かれ草のふと きろく ぐんまけんまえばしし ※この本のかんさっ記録は群馬県前橋市のものです。 んの下でツクシの子どもがねむっています。 くさ ←三月七日、かれ草をとりのぞいてみました。 おや、ツクシのそばには、えんびつのしん 大きい芽がツクシの子どもです。そばに ほそ かお のような小さく細い芽も顔をだしていますよ。 さながあることにも気をつけましよう。 おお がっ がつなのか した はる そうしゅん のやま は
み め 胞子をまきおえたはちは , 水をた さんいれた / ヾケツにつけて , 底か じゅうぶんに水をすわせます。あと はノヾケツの水をへらしてやります。 スギナの芽が一 2 om になっ たら , / ヾケツからとりだして , じようろで水をやります。 ックシとスギナのカレンダー 3 月おわりごろックぐンら シがのびはじめ , スギー ナもそばに芽ばえる。 みす そこみす しゅうぶんに水をすわせたら、バケツの底に水を二 5 三センチい れて、その中にはちをいれます。雨があたらないように、ガラスを たいし、つ 二バケツの上にのせ、太陽のあたるところにおきます。とちゅうで、 ちゅう ヾケツの水かなくならないように注意しましよう。 しゅうかん とおか すな ひょうめん みどりいろ 一週間から十日くらいで、砂の表面は濃い緑色になります。四十 にち せんようたい 五 5 六十日でコケのような前葉体が成長して、ところどころから、 め スギナの小さな芽がでてきます。 はりのようなスギナが一センチくらいになったら、バケツからだ まいにちうえ みす して、毎日上からしようろで水をやります。すると、スギナはどん どん大きくなります。 さあ、みなさんも胞子からスギナがそだっていくようすをかんさ 、「「、 ~ い、 ( 「物 ~ 0 ' 「し、記を「け《まし、う。 4 月なかごろックシ カくかれて , スギナがの 4 月おわりごろスギ ナの草むらに / 、 / ヾチの 成虫をたくさんみる。 せいらゆう お 5 月スギナが青あお としげり , ハ / ヾチの幼 虫がスギナを食べる。 おお ちルう うえ みす なか 7 月地下ではツクシ の赤ちゃんがたん生。 大きさ約一。 お 1 0 月地下のツクシの 赤ちゃんは約 7 ノヾチがさなぎになる。 1 1 月スギナがかれは じめる。地下のツクシ は約一くらい。 12 月スギナのかれた かれ草の下で , ックシ の子どもが春をまっ。 あめ せいらよう た はる ぐんまけんまえばし このカレンダーは , 群馬県前市の 記録です。地方によって差があり , おなし地方でも , 場所や年によって かんとういなん 多少差がでてきます。関東以南では , ックシがかれてしまってから , よう やくスギナが芽ばえてきます。
・動物 ・植物 ・虫 全 100 巻 ( 十別巻乙巻 ) たねから ②モンシロチョウ ⑩アサガオ ⑤ライオン たねまで ⑩食虫植物のひみつ ⑦アリの世 界 ⑧ニホンサル 全 ⑨カプトム シ ⑩野生ウマの生活 ヒマワリのかんさつ ①イネの一生 ⑩アカトンボの一生 ⑩カエルのたんじよう ' 76 国 ⑨高山植物の一年 の 生 ⑩海のさかな サ学 ⑩セ ⑩サクラの一年 ン校 ウ ⑩野生ゾウの世界 @アゲハチョ ケ図 ⑩へチマのかんさつ のミッパチのふしぎ ⑩カニのくらし イ書 @サポテンのふしぎ ⑩いそべの生物 ①トノサマバッタ 児館 ⑩リンゴくだもの ⑩ニホンカモシカ ①クモのひみつ び ) ひみつ 童劦 ックシのかんさつ ⑨サンゴ礁の世界 ⑩アシナガバチ 出議 貝 ①キノコの世界 ⑩海の ⑨カマキリのかんさつ ①たねのゆくえ ⑩ムササビの森 ①鳴く虫の世界 文推 ⑩コケの世界 まゆから ⑩カタッムリ ⑩カイコ まゆまで 化薦 @ジャガイモ ⑩モリアオガ工ル ①テントウムシ ⑩工ゾリスの森 ①植物は動いている ⑩クワガタムシ 大基 ①シカのくらし 水草のひみ ⑩カミキリムシ つ 賞本 ⑩ネコのくらし ①紅葉のふしぎ ⑩ホタル光のひみつ 受図 ⑩ヘビとトカゲ ⑩ムギの 生 ⑩オオムラサキ ⑩高山チョウのくらし ⑩森のキタキツネ ぎ ⑩ュリのふし 、、色と形の ⑨サケのたんじよう ⑩昆虫のふしき ⑩ドング リ ひみつ ①ギフチョウ ⑩花の色のふしぎ コウモリ ①水生昆虫のひみつ ⑩カメのくらし ・天文 ⑩メダカのくらし ・鳥 ①月をみよ ①ヤマネのくらし ④星の 生 ⑩ペンギンのくに ⑩ヤドカリ ⑩太陽のふし ぎ ⑩シラサギの森 ・地学 ②星座をさがそう のタンチョウの四季 惑星をみよ ③雲と天気 ⑩わたり鳥のひみつ ⑩星雲・星団をみよう ⑥きようりゆう ①ライチョウの四季 ほうき星 ⑩彗 星 ⑩しようにゆうどう探検 ①ッパメのくらし のひみつ 生 ⑩惑星の探検 ⑩雪の ⑩たまごのひみつ ①流れ星・隕石 ⑩火山は生きている ⑩ウミネコのくらし ⑩水めぐる水のひみつ @フクロウ ⑩塩海からきた宝石 ⑩カラスのくらし ・別巻 ⑩氷の世界 ⑩キツッキの森 夏休み昆虫のかんさつ 夏休み植物のかんさつ ⑩鉱物地底からのたより ⑩モズのくらし 四季のお天気力、んさつ 少漠の世界 ⑩ハヤプサの四季 四季の野鳥かんさつ " 科学のアルバム
不斗学のアノレ / くム 54 ックシのかんさつ ■著者 すすきまさはる 鈴木公治 ー発行者 岡本雅晴 ■印刷 株式会社精興社 ・写植 株式会社田下フォト・タイプ ・製本 中央精版印刷株式会社 ■発行所 株式会社あかね書房 〒 101 東京都千代田区西神田 3 ー 2 ー 1 電話東京 ( 263 ) 0641 ( 代 ) 1990 年 9 月発行 N D C 476 鈴木公治 ックシのかんさつ あかね書房 1 9 9 0 ◎ 1977 Printed in Japan 著者との契約により検印なし 8340 ヨ 2154--0027 54P 23X195 ( 科学のアルバム 54 ) ・表紙写真 春風にさそわれてのびるツクシ ( 前橋 4 月 7 日 ) ■裏表紙写真 ③ ① ② ⑤ ④ ①夕日の中のツクシ ②茎から放状にえだをだすスギナ ③はかまにつつまれたツクシの赤ちゃん ( 前橋 9 月 19 日 ) ④しまもようがとくちょうのスギナの気孔 すいてき ⑤水孔から水滴をだすスギナ ー扉写真 かんそうしたときのツクシの胞子 ■目次写真 しめったときのツクシの胞子 はうし
・あどがき ほんおび ックシの子に、そっと息をふきつけてみました。すると四本の帯が、くる おび くると子にまきっきました。でも、しばらくすると帯はまたのびてきました。 その動きは、まるで動物のようだなあとおもいました。 葉体を水の中にいれてみました。しばらくすると、小さな精子が虫のよう みずなか に水の中におよぎだしました。植物なのに、水の中をおよぎまわる虫をつくる なんて、ふしぎだなあとおもいました。 七月にスギナの根もとをほってみたら、そこにはもう小さなツクシの赤ちゃ しろ んができていました。かたいはかまの中の赤ちゃんは、まだまっ白でした。飛 年の春を想像しながら、わたしはツクシの生にふれたような気がしました。 しかくされています。ものこそ言えない ックシには、生のひみつがい「ば、 ックシですが、春颶にふかれて筆のような頭をふ「ているのは、き「とわたし たちに一一一億年の生のひみつを書きつづ「ている姿なのでしよう。 この本をつくるにあた「て、千葉大笋理笋部教授の西田誠生に修と指導 ほんしょ なか こんちゅう かんてい たまどうぶつ をしていただきました。また、本書の中にでてくる昆虫の鑑定には、多摩動物 公園の矢島稔先生、東京都立大笋の雌良生にお世話になりました。埴後 しよばうおかざきっとむ じよ・けん に、あかね書房の岡崎務さんには、終始あたたかいはげましと、助言をいただ もう すすきまさはる きました。みなさまに心からお礼を申し上げます。 鈴木公治 がっ どうぶつ こころ しよくぶつ みすなか むし
土や砂をいれた植木ばちを しようどく ふかしがまで消毒します。 っ * スギナをそだててみよう のの ックシの胞子をまいて、スギナをそだててみましよう。 ら底ら よう ックシがのびるまでに、つぎのものを用意してください すか。 にまやす うえき 径いみま 植木ばち、カラス板、バケッ、ふかしかま、名ふだ 直かあぎ そこ ・つちすこ うえ はっ金さ ちを , ふ はちの底につぶ土を少しいれて、その上にふつうの土 ばのはで 耒もな〉片をいれます。このとき、はちの上から二センチくらいま 植のあは破 っち うえすな で土がくるようにします。そして、その上に砂を一セン チくらいいれます。 ぶんしようき こんどは、これをふかしがまにいれて、約三十分蒸気 っちすな でむします。これは土や砂の中にましっている虫のたま ごや、カビをころすためです。むしおわったら外にだし、 ひえたらックシの胞子をまきます。 ックシを手にもって、はちの上二十 5 三十センチのと あたま ころで、ツクシの頭をたたいて胞子をまきます。おわっ ひ たら、名ふだに日つけをかいて、はちにさしておきます。 そこ つぎに、はちの底からしゅうぶん水をすわせます。上 みす ちゅう からは水をかけないように注意してくださし 、。胞子がな がれてしまいます。 ら一つけ、、 胞子をまくときは , むら なく平均してまきます。 へいきん て みす やく そと むし うえ っち
しそん ちカけい むせいが スギナは地下茎や無性芽でも、しゅうぶんに子孫をふ よわぜんようたい 一葉体をわざわ やしていけるのに、なぜかんそうに弱い則 しそん ざっくってまで、子孫をのこそうとするのでしようか。 ゅうせいせいしよく しったんおすとめすの細胞にわか 0d 、有性生殖のときは、 ) 000 一 中んは っしょになることによって、子どもか 8 。、れて、それらがい のぶ内 もん円す うまれます。ですから、そのときのかけあわせによって、 かのうせい ~ 、いろいろな性質をもった子どもがうまれてくる可能性が " 下養り〉鏡、 あるわけです。 ち地榮あび微 ののて顕、 ばあい モんえの なかには、寒さやかんそ、つに強い子どもができる場合 ィさわん ` かんきようじようけんわる もでてきます。そうすれば、環境条件が悪くなっても、 ャたたん ンはカで をと確をのこして、生き 0 づけることができます。 ん艮 ち也 ラ ラ なか せいしつ さむ つよ
スギナの地下茎のから別の地下茎がのび 3 て , そのつけねがふくらんでいます。 にも養・分がたくさんたくわえられています。 ↓スギナの地下茎からとった無性芽を土の中 を やがて芽がでてきます。 にうめておくと , の ろ ろ 方弩 り 方彎 を て い な モ を イ 芽・め で 地ち つ く い 植 ス を モ や て も 下か た い ス 物 た を・ っ 性の も る グ く や ギ ふ 茎ギ だ ま 有粤ば 生 よ が も フ わ ナ し オ ぇ や ナ っ 芽め と ぇ だ て の る ン も と 生 ば 茎ュ 中 て け オ 地ち胞彎 有粤精殖 ! 花 ま 地ち が リ ぇ で や と 下か子し に フ 性子し と を 変 た 下かて ス 子し な が 茎 カゞ の い で 生 は 茎き 化ヵ茎 孫 い さ カゞ く て れ に 子し で 殖受 か 栄ま い っ 孫 て き ス で 精まま せ 養 い す ふ 種 ギ た お ま い を ヨ ーっ す し す 生も も ウ や 子しナ く す い て ふ ガ す 植に て の て と と 球 : ツ ね な も 物そ い 地ちる し す ク を よ 根え ス る ードか むま ど の だ の ん な が つ っ 週茎性す が ン ナ の く そ あ で ど む て 間 2 か 芽が に の 胞弩 れ り も い で カゝ ら と そ い 力、 つ つ 子こ子し て ま ま 艾く ら で きき ら 由圧む い れ お、 子 す が す ど か の ま 十 ば っ も す て 日か芽が小こか 月リん が 葉を 部ふ い ま ン も を さ っ イ本をの く す 切き な で 新小をャ ガ 養 る な す れ し と さ マ イ 分オ と も・ く と ようぶん 50
ちかけい っち 下 , スギナの地下茎を小さく切って , 土 の中にうめておくとやがて芽をだします。 くわはたけ ←左 , 桑畑にびっしりはえたスギナ。スギ ナはたいじするのがやっかいな雑草です。 僮を部ぶ は 生い は な さ び ま る す き か で し 環 2 っ も ス た の て ナ竟 キ、 つ い で ス の け ナ 生い は す り 比ひ か ナ の ぇ て き 地ち較 ? い き 地ちゃ る つ が 下か的 っ き た 下か て 田た づ 茎 ひ 茎か と も や ん よ け を か 畑 っ み い が ク ) い 兀鶩も て 発き を つ に き の 達 の き よ て は っ っ け ま も た さ の ひ そ 雑ミせ す せ を と や の る 草言ん ぐ で る と に 地ちの ギ さ そ と 疋 地ち く 上 で ナ て 下か れ の の す き 茎 よ た が て い い め て が 農 億をま て 地ち分オス ぐクじふ 年す 下かを ギ 地ちな く の 小をナ も で 力、 の 會スギナの地下茎があつまっていると , アスフ アルトやコンクリートの道路のわれ目からも らから 芽ばえてきます。その力にはおどろきます。 ひだり ざっそう