ぶんぶ 0 クヌギの分布 クヌギの分布は , シイやカシなどを しようようじルりんぶんぶ ふくむ照葉樹林の分布とほばかさなっ ています。 * クヌギのふるさど あわった、一 わった、一 こううりん 熱帯・亜熱帯 降雨林 熱帯・亜熱帯 モンスーン本木 照葉樹林 サノヾンナ・ ス - テ・ツフ。 らくようこうようじルりん 落葉広葉樹林 じようょ ( しんようじルりん 常緑針葉樹林 らくようしんようじルりん 落葉針葉樹林 砂漠 クヌギ林 わった、、 あわったい ⅢⅢⅢⅢⅧⅡ しようようじル叮ん 0 ※「篇作以箭」 ( 佐木高明著、 1971 年 ) に 掲載の図を一部改変。 瓔在、印本で野生のクヌギが生えているのは、岩手、 山形県より南の、あたたかい地方です。しかし、軒 県には生えていません。 らようせんはんとう 外国では、朝鮮半島、中国、、イノ 、。、ールに布してい ねったい こうざん かんたい ますが、寒帯や高山、それに熱帯には生えていません。 こうして布をみると、クヌギは、人類の生活しゃ きこう おんだん すい温暖な気候のところに生える植物のようです。そ おお みちか のため、大むかしから人類にとっては身近な木で、 ろいろなことに利用され、切られてきたことでしよう。 、い ねん クヌギのドングリは、冬をこして二年めにしゆくし さむ さむ ます。でも、寒いのがきらいなクヌギが、寒い冬をこ してドングリをつくるとい、つのは、すこしおかしいと おも ねったい 思います。もともとは、冬のない、しかし熱帯でもな ちほ、つ い地方が、クヌギのふるさとだったのでしよう。 うんなんしよう 中国の雲南省は、冬はあたたかく、夏はすすしい 一年中、春のようなところです。このあたりが、クヌ ギのふるさとなのかもしれません。 ちゅうこく ねんしゅう よ、つ しんるい ちゅうごく しよくぶつ なっ
を第 3 ) 1. 、 い , す はやし ←葉がしげり , うすぐらくなった夏のクヌギ林。 下草には , ほとんど日がさしません。キノコ えんない やギンリョウソウ ( 円内 ) など , 日光がなくて も生きていける植物たちが生える季節です。 めは 會春にドングリから芽生えたなえも大きくなり ました。しかし , クヌギ林が葉でおおわれる と , 光があたらす , かれるものもでてきます。 なかには大きく育つものもありますが , ほそ くてひょろひょろです。また , 農家の人が林 の手入れをするときに , 下草といっしょに かりとられてしまうこともあります。 はる ひかリ ひと はやし 26
はる ・春のクヌギ林の地面をいろどる花 冬のクヌギ林は、空をおおう葉がありません。下 は、春のやわらかい日ざしか、い 草のササなどをかりとって、手入れのゆきとどいた 落ち葉の下に手を 林では、地面によく日かあたり、 ばいにさしこみます。 いれると、とてもあたたかです。 落ち葉の下で冬をこしたドングリ こんなクヌギ林では、春になるといろいろな花が くさ さくねん さきます。地面の下で冬ごしをしてきた草の花です。 の、芽生えもはしまります。昨年の 秋に、落ちてすぐ根をだしたドング 花キミや蓮いす く③カウをなむや さ , トヨ粉でをレ リは、芽や茎をのばしはしめます。 にウブチ花発み実ミ 活もスす ~ 也ノモはどだてで リたきなまくす伊 年い茎 なでの 林ルきさま ・姿ギ ( に春かかこうそ ヌ②花な動かよカ 一、ク , のキの「活」虫いウ のレロドチの / 昆」多ド ンドす きミシモハ。虫かン さスムリナ・「昆で〉・花 当をド①ジキ じをは は。冬を は生し呶生 芽ば 、 . てをば 、 : を秋は葉 一 - 冬のや はやし はやし しめん : : やし はる あき はる 、い A
新緑のクヌギ林 ( 五月上旬 ) わかば 花かさきおわると、クヌギの若葉は、い っせいにのびはしめます。 花がさいているあいだは、颶でち 0 た花 ←粉か、めしべにつくのをしやましないよう に、まっていたのでしようか。葉はきゅ、つ みどり つつまれます。 / 、き 春に芽生えたドングリも、ぐんぐん茎を はんば - らいをイ のばし、本葉をひろげます。 ふゅ また、冬のあいだに、ほた木をつくるた めに切られたクヌギの切り株からも、芽か 新緑のクヌギ林。このころは日ことに新しい - ・なみどリ 葉がひろがり 、林は、もえるような若緑で光でてきて、葉をひろげます。このような芽 ひかリ あか 丿かかやきます。林の中も、明るい緑色の光 しいます。 にみちあふれ、ワラビなどがのびてきます。生、疋ん」、 / ひこば、 / と ) みどリいろ あたら ー」′んリよく はる はやし はやし かっしようしゅん かふ
* もくじ 国東半島のクヌギ林・ 2 落ち葉にまもられて ( 十ニ月 ) ふゅ ・ 8 冬をこすドングリの子 ( 一月 ) かっげしゅん がっ 芽がふくらむころ ( 三月下旬ー四月 ) がっちゅう クヌギの花 ( 四月中 5 下旬 ) 新緑のクヌギ林 ( 五月上旬 ) たま 花や葉にできたふしぎな玉 ( 四月 5 六月 ) しようりよく」しゅ らくよ、つ 常緑樹のドングリとその落葉 ( 五月 ) がっ カシやシイ類の花 ( 五月 5 六月 ) ・ ドングリの生長 ( 六月 ) むし クヌギ林に集まる虫 ( 六月 5 八月 ) がっしようしゅん 大きく育ったドングリ ( 八月 5 九月上旬 ) ・ 色づきはじめたドングリ ( 九月 ) がっげしゅん じゅくしたドングリ ( 九月下旬 5 十月 ) ・ いろいろなドングリ ( 九月ー十月 ) がっ ドングリのゆくえ ( 九月下旬 5 十月 ) ゆき 雪のクヌギ林 ( 十ニ月 ) ・ くにさきはんと、つ しんりよく おお ばやしあっ そだ ばやし せいちょう ばやし ばやし がっしようしゅん がっ がっ かっ がっげしゅん がっ かっ がっ がっ がっ がっ がっ がっ がっ かっ がっ がっ 十五年めことに切られるクヌギ林・ クヌギのふるさと・貶 らゆうはいカ ふうはいか 風媒花から虫媒花へ・ ドングリころころ・ ドンクリの林をひろげたのはだれ ? : ドングリのなかま調べ につばんふんか 日本の文化を育てたドングリ・ あとか去」・ ねん はやし よしたにあきのリ イラスト / 吉谷昭憲 かみやまひろみつ 神山博光 むかいなかまさ わたなへよ、つし 渡辺洋二 そだ ばやし
・ 3 ・を宀ナ 第を ) はのは葉 ー士旦 「葉る古 本すたろ のでつ「 ) ヘロカ 方リ林も月 イら地 3 樹っ 5 す . 〔葉り読年ま ~ ダ九朝照 毎り スいむにわ る , 多く面もか れのふし地木れ ら冖雨をのハ大 みでど林の に・ , 暖な、生林か やを、気類原生と 羅 ~ 島菻シイ 半生やジは葉し 、冪・。国のカス落と : : やし はんらい
い雪のクヌギ林 ( 十ニ月 ) こすえでは、ことしの春に て実をむすんだドングリの子が、 ふゅめ 、刀夂、芽といっしょに、春をまっ 、用ています。 ゆき 雪の下では、秋に落ちたド ングリが落ち葉にくるまって、 はる 春をまっています。 い / ノ / え呈示 つ日取 はグ ~ すドに メすず クこらか のをかう てみし、 林しにで ギだどる メをなせをネ クわ艮ミ にズを い雪秋ネ 2 冬 はやし はやし あき はる かっ はる
ぎじゅっ じようりよくこうようじルしようようじゅりんたい 常緑広葉樹 ( 照葉樹 ) 林帯 らくようこうようじルりんたい 落葉広葉樹林帯 しんようじりんたい 針葉樹林帯 ドングリの分布とアクぬき技術のちがい かわっ ・加熱してアクをぬく みす 〇水にさらしてアクをぬく 0 0 0 そだ * 日本の文化を育てたドングリ につばんぶんか 0 ゆ ナラ類のドリングは , 湯でにな いとアクがぬけません。カシ類の みす ドングリは , 水にさらすだけで , アクがぬけます。 ぎじつ さいきん アクぬきの技術は , 最近までつ たえられてきましたが , その 2 と ぎじルっ おりのアクぬき技術のちがいは , じようりよくじしようようじル 常緑樹 ( 照葉樹 ) のドングリと , 落 ようじゅ ぶんぶ 葉樹のドングリの分布に、ふかい かんけい 関係があります。 0 0 0 ドングリのなるナラ類や、カシ、シイ類の木は、 すみ の、つぐ まきや炭としてつかわれたり、農具や家具につかわ ひと れるなど、人びとの生活をささえてきました。 クヌギの葉を食べて育っヤママュガのまゆは、重 、とイ」いりよう せんリよう 要な煢の材料でしたし、諟斗やその木の皮は、染料 として利用されてきました。 いなさくのう そればかりではありません。ドングリは、稲作農 せん 耕が発達する以前には、た ) しせつな食糧でした。 いまから一万三千年前ごろから、地球の気渋があ ひょうが 力いめんたか がり、氷河がとけて海面が高くなりました。それま よ おん お夫 で大陸とつながっていた印本は、海にかこまれた温 山 き、】う 暖な気候になり、ドングリのできる林がひろがりは どき につばんれっとう 冖月 しめました。ちょうど、そのころ日本列島で土器が 」年 ) 誕生しました。縄土器です。 ア ドングリのなかには、シイのようになまで食べら す図 原 れるものもありますが、たいていはアクがあり、そ のままでは食べられません。そこで、日本では、ド よ、つ はったっ た た せいかっ そだ うみ はやし しよくりよう かわ き た
くにさきはんとう はやし 0 国東半島のクヌギ林の利用のしかオ 十 五 また 15 年くらい よぶんなひこば 年 たっと , ほた木 えの芽をまびき め 用に切りたおし ます。 ます。 に ひこばえでできたクヌギ林 切き なん : 要ん ひこばえのときは , 何本も芽 ら がでてきますが , ほた木用には , れ ふつう , よぶんな芽を切りとっ る は・ん て 1 本にしたてます。 ク は・ん ひこばえは , 1 本の木から枝 ヌ がでるのと同じことですから , ギ よわ 何代もつづけると , 木が弱るこ 林ド ともあります。そのときは , 近 くでドングリから芽生えたなえ △切りたおしたほた木に , シイ △クヌギのドングリを畑にまい が大きく育ちます。 て , なえを育てています。 タケの菌をうめこんでいます。 ら し ら 国 ば そ ま ら め 国 セ 五 現東ミれ ク れ 切き ぇ い れ て ク ク ) に 東ミ ン 年 ヌ と 在こ半 ま ヌ た る て ド の 半 は 島与何 2 す チ く 十 芽めギ ギ に ン な・ の ク 島与 は 秋 は 切き メ ら の 代を 五 が は り ヌ で ク も リ を ほ の 栄ミ 手て ま ギ は 後ごま お は 育第 ヌ 何え 切き ト で た っ 入。、す わ 養当 を に す っ て 木ぎギ 十 し ノレ 林ド代を り が た て は の は れ あ ま で も か が 国を 山 足た 木き た ら じ り す と に 木ぎ く の ひ た よ 植うす ら ひ の 亠そ しこ ′つ 月だ ち 適ー ば 車侖ゆ か ほ つ て す ば り ま し っ ド 疋 た も ぶ た ぇ 株絮 あ が し ん す た ち 木ぎ 直 の 用当 グ の カゝ て て て と 芽め ら ( 又け だ た び い 住ぃ て し は ま ま を る す 五く ひ す て 生 わ す す 畑 の は 5 切き切き長 が ドングリから育 ったなえ。 4 わん 5 年めからドン グリをつけます。 15 年めくらいで 下草をかって手 ほた木用に刧り 入れをします。 たおします。 はやし めは おお や ね ん
あとかき 廴のクヌギに、ことしは、たくさんドングリがなりました。コナラにもドン ねんまえ グリがなりました。五年前に、ドングリをまいたものです。 さっえい しつは、そのころから、この本のためにドングリの撮影をはじめたのですが、 ばやし さっえ、 よてい さっえい ひとっせん いつも撮鞍していたクヌギ林が、ある日突然、切りたおされて、予定の撮影が できす、かっかりしたとい、つよ、つなことも、何度かありました。 また、そのあいだに、北海道から中まで、いろいろなドングリの林をみて うんなんしよう かんこくやま まわりました。中国の雲南省にもいきました。韓国の山にものばりました。 いろいろなことかわかりました。ドングリについて調べることが、どんなに おお むつかしく、大きな仕事であるかもわかりました。 はあい じだい どんな植物でもそうですが、とくにドングリの場合、古い時代から生きてき ちきゅうれきし じんるい れきし た植物だけに、地球の歴史だけでなく、人類の歴史までがきざみこまれていて、 もんだい ぎもん きようみ 興味ある問題や疑問が、つぎつぎにひろがってきます。 ′、に癶、、は , んとう ぶたい この本では、国東半島のクヌギ林を舞台に、ドングリの世界のほんの一部を しよう力、 紹介したにすぎません。それでも、みなさんがドングリを手にしたとき、ドン れきし おも カカ′、 グリの歴史や科学に、想いをよせるきっかけになればと願っています。 この本は、多くの方がたのご協力でできました。この場をかりて、ご協力い もう しゃぼう ただいたみなさまに、お礼を申しあげます。 埴沙萠 しよくぶつ しよくぶつ おお らゆうごく かた きようりよく はん ばやし なんど しら せかい きようりよく