おな 同じなわばり内の岩堺で休む、ハヤプサ ( 左 ) とハクセ みき キレイ ( 右 ) 。 、よしよう ちきゅうみさき うみ ←ハヤプサがすんでいる地球岬の海は、またとない漁場 とり です。魚をとる鳥たちもやってくるので、ハヤプサは ぶね えさにこまらないのです。しかし、つり船かひんばん にやってくる日は、ハヤプサは狩りができません さかな 、 !. ィ′ラユ ) イトのケぞッ 會ハヤプサのなわばり内で繁 殖するオオセグロカモメ。 ふゆ だ、、ふぶん 冬になると , 大部分は , 東 ほくちはう 北地方など , 南の方へわた っていきます。 ちきルうみさき ←夏の地球岬の燈台。この ーも」はわたり鳥の中継点です。 らルうけいてん ひだリ はん みなみ どり
ウ そくりようざん ちき物 i みさき 0 地球岬と測量山付近でみられるおもな鳥 一年中 ヒョドリ オジロワシ ノ、キ、・マシコ ウグイス シジュウカラ キビタキ アカゲラ キレンジャク オオセグロカモメ ヒレンジャク アカ / 、ラ ヒ / ヾリ クロガモ ウミウ ホオジロガモ ホオジロ ウミスズメ ハクセキレイ コチドリ ツ / ヾメ ウミアイサ カワラヒワ ノ、キ、・マシコ モズ キジバト ミズク スズメ コムクドリ コ カッコウ アトリ ムクドリ ッグミ キクイタダキ ホオアカ コ丿レリ コヨシキリ ねん 132 種を確認 ( 昭和 55 年 ~ 57 年 ) ちきゅうみさき * 地球岬の鳥たちどハヤプサ わんしけう ちき心うみさき 地球山甲 ホオジロ オオセグロカモメ ハヤプサ わん みささ ′んしよく ハヤプサが繁殖するのにうってつけの地球 きな問題があります。 岬の断かいにも 陸地からは人間がちかづけない断かい絶べ きのつづく岩場に、つり人が船でちかついて す くるようになったことです。ハヤプサが巣を うみどリ つくるくらいですから、このあたりは海鳥が おお 多く、とうぜん魚や目 ( も豊富です。 おお こまったことに、つり船が多く出る時期は ハヤプサの子存ての時期とかさなります。早 朝からダ方まで、じ場所で糸をたれるつり 人のせいで、ハヤプサがおちつきをなくして、 巣をすててしまう心配もあります。さらに、 つり人がすてるゴミも、 ( ャプサの生自」霑 を悪くしています。 もうひとつ、心配なことがあります。地球 岬の ~ 石場が、ロッククライミングの訓 して利用されはしめたことです。これもハヤ ちう ひと みさき す さかな びと ちき 2 う ちきう
と、つ当ようかい・」く 一九四九年、北海道に生まれる。東京外国 語笋笋完橋了。企、醂訳家、ナチ = ラ かつやく リスト、動物写真家として活躍。日本野鳥の 会会員。 ちよしょ 著書に「クマゲラのいる島」「エゾシカの ひげき 「エゾシカは 悲劇」 ( いすれも大日本図書 ) 生きてい ( 新日本出版社 ) などがある。 現住所北海道虻田町洞爺湖温泉一二〇 いとうまさきよ まったただのり 伊藤正清先生 しんにつてつむろ よっかいどう 一九四八年、北海道に生まれる。新日鉄室 こころざ せいたし : んきゅう らんっと 蘭に勤めたあと、ハヤプサの生態研究を志し、 どうふっしやしんか どくりつ 動物写真家として独立する ちょうるいほこれんめい こはんやらよう 印本野鳥の会、日本鳥類保護連盟、日本鳥 しょぞく 学会などに所属。 しやしんしゅう だんかい 写真集に「ハヤプサーーー断崖の狩猟者」 ( 山 と渓谷社 ) がある 現住所室蘭市みゆき町三ー一一ー九みゆき荘 しゅリようしゃ
ちきゅうみさき 早春の地球岬 ほっかいどう せいてつまち ここは、製鉄の町で有名な、北海道 室蘭市の南のはすれ、な筆です。町 癶チ表。【」のの中心から、わすか一 5 二キ 0 メート みさきいったい こいへいよ、つ ル。太平洋につきでた岬一帯が、日本 はんしよくち かすすく でも数少ないハヤプサの繁殖地です。 ちきゅうみさきふきん 岩だなから、キョッ、キョッとハヤ 三月の地球岬付近。高さ百メートルの断がい ちきうみさき ごえ か、五キロメートルもつづきます。地球岬の プサのめすのあまえ声がきこえてきま 〃チキュウ〃は、アイヌで断かい絶べきを立思 味する〃チケウェ〃がなまったことばです す。おすが、とってきたえものを、め すにプレゼントしているのです。 あちこちのなわばりで、このような 行動がみられるようになると、春もま ふゅ ぢか。きびしい北国の冬もおわりをつ ねん げ、ハヤプサの一年がはじまります。 がっ ひやく きルうみさき 地球山甲 そうしゅん こうど、つ 医」たた \ に ゅ、つめい はる につ要ん
ちきうみさき りようざん ふゆ むろらん みさきふきん 會地球岬から 4 キロメートル , 室蘭の町はずれにある測 まち / ヾトをもとめ , 町の上空にまでやってきます しようくう まち 海をわたるえものの鳥がいなくなると , ハヤプサはド うみ 量山のわきをぬけるハヤプサ。冬がちかづき岬付近の うえ うみ ←海の上で , せいちょう おや 成長したわが子を , なわばりから追い出そ あき げつ やく うとするめす親。巣立ちから約 4 か月 , 秋もふかまっ こうけ、、 た 10 月になると , 毎年 , このような子わかれの光景か みられます。はじめのうち , 子どもは追い出されても , おや すぐにもどってきます。めす親は , 子育て最後の仕事 おな なんにち とばかり , 何日も同じことをくりかえし , やがて子を 追い出します。 まいねん そた 34
4 * もくじ そら おう 空のスピード王、ハヤプサ・ 2 きゅうこ、つかしゅう・けき 急降下襲撃・ らようりば ハヤプサの調理場・ 8 ちきゅうみさき 早春の地球岬・ 2 いわ 岩だなの上の産卵・ ひなのたんじよう・ ひなの成長とえさになる鳥たち・ すだ 巣立ち・ じゅんび ひとりだちの準備・ ハヤプサとなわばり内の鳥たち・ カ はじめての狩り・ せいこ、つ カ ハト守りに成功 あき 秋のおとずれと子わかれ・ ふゅどり いのち 冬鳥で命をつなぐハヤプサ・ ワシ・タカのなかま・ 4 にっぽん 日本でみられるハヤプサのなかま・鮖 ちきゅうみさき とり 地球岬の鳥たちとハヤプサ・ そっしゅん せいちょう うえさんらん とり とり
きた あき 會秋の地球岬の燈台。冬はもう目のまえ。北 みさき からやってくる冬のわたり鳥が , 岬の上を 通過するのもまぢかです。 とうたい ちきゅうみさき つうか 秋のおとずれと子わかれ きたぐにあき 十月の声をきくと、北国の秋はかけ 足でとおりすぎていきます。 「ゲエー、ゲエー」 しよう / 、、つ わかどり 上空をみると、噂きさけぶ若鳥を、 おや めす親がしつこく追いかけています。 いよいよ、子わかれです。 す休す 、わかどり でお 一人まえに成長した若鳥は、たとえ MJ か おや わが子とはいえ、親にとっては食べも きようそうあいて がめ のをうばいあう、新しい競争相手です。 駕カ 地球岬付近の断がいには、五もの わか おっ ハヤプサのつかいがすんでいます。こ をの きようそうあいて てサ ( 育プれ以上、競争相手がふえてもよいとい 字ャ うほどには、えものはいないのてす あし いちにん かっ しよう せいちょう あたら
ハヤプサのつがいは、 夂、をいっしょにすこし ます。一方が死ぬまで、 つがいははなれること がありません。 ちきゅうみさき * 地球岬のハヤプサの一年 ちきゅうみさき 地球岬の断かいにすむハヤプサたちは、どのような 一年をすごすのか、もういちどみてみましよう。 おすからめすにえさの 小鳥をプレゼント。 おすからめすに、空中 ′一うど・つ でえさをわたす行動が みられます。 つがいでなかよく海上 を飛ぶのもこの季節。 なわばりにのこったおす おや おや んいし第う 親とめす親は、海上にえ さとなる鳥がヘると、町 の上空にやってきます。 そこで、ドヾ ノトやスズメ を海の上に追い出して、 おそったりします。 11 月 1 0 月 親 若鳥 若鳥が一人まえに おや なると、めす親は 自分のなわばりか ら追い出します。 第 ( イ 自分のなわばりとえさ をもとめて、海上をわ わかどり たっていく若鳥。 わたりのとちゅ 、つで、自分より 強い鳥をおそい、 反対に攻撃をう わかレ一り けて死ぬ若鳥も います。
おおかた 會冬になると , 大型のワシ・タカ類であるオ ちきうみさき ジロワシも南下してきて , 地球岬をとおり ます。 おや ちき確うみさき ←なわばりにのこった親のハヤプサ。地球岬 しせんかい から自然界のしくみをみまもりつづけます。 北え追ぉ低 2 、 り は み・ み 海 2 北え鳥 フ く に カゝ ハ な し の 国で の ら よ み め た 叩ら フ る し ヤ く も を は れ 水手 っ ク ) ロ卩ら プ な る は 長旁を ハ て へ に ーっ 番ヤ わ な み っ た わ ノ ) い つ プ る も ぐ た 夂ま す 人ん 夂な た た と 生い . 第す の サ ら り が ぐ 具き み ーっ 鳥 重 3 よ き プ て が の っ 姿え地ち た な て わ い 地ちハ な、 つ ヤ は た ち き 球 ヤ ま た に て 田お 岬け の も り 山甲 と ま プ り き サ ツじ、も ま 鳥 す 疋 自し の サ 色舅 ゆ を ま ク ) て 然芫 海 の く カゝ の し で て の き 数挈先言す ん な す の と : イ了か 三三ヨき ま し . 夂わ め は の す く・を 自し ど ふゅどり 39
ちきゅうみさき 地球岬のハヤプサの一年・ ばんにん しせんかい 自然界の番人、ハヤプサ・ あとかき一・ わたなべかすお 構成 / 渡辺一夫 イラスト / 森お むかいなかまさ わたなべようし 渡辺洋一一 こう ねん