0 あどがき モンシロチョウなら、みんな、よく知っています。ですから、「なんだ、モ しいます。でも、めすらしくな ンシロなんかめすらしくないよ」と、だれでも、 いために、かえって、よくみていない知らないとい、つことはありませんか ? しすう せいかっ この本は、モンシロチョウの生活をしようかいしたものです。しかし、字数 すく にかぎりかあり、書きのこしたところも少なくありません。 ですから、この本を読まれたら、こんどはあなたがしっさいにモンシロチョ ウを調べる番です。アオムシは葉をどのくらい食べるのか、さなぎになる場所 はどんなところか、調べるテーマはたくさんあります。 しゃ こんらゆうしやしんか さとうゆうこう この本を作るために、昆虫写真家の佐藤有巨さんから、一部の写 A ) 、つきようカくナ、 - こ、、 ーしオしカくせいつがくきようしつきたのひでお 真を貸していただきました。また、東京学芸大学生物学教室の北野日出男さん にも、協力していただきました。、いからお礼もうしあげます みのる 矢島稔 しん しら きようリよく ほんつく こころ やじま
おしまい。たべられてしまいます。 びようき てき モンシロチョウでも、百個のたまごのうち、病気で死んだり敵にたべられて せいちゅう しまうものがはとんどで、成虫になるのはたったの二、三びきです。 はんのわすかしかチョウになれないのは、病気や敵のた ・寄生するハチ めだけではありません。 医」せいは、つ ミリノ \ 、らいのトさなノ アオム、ンコマュバチという寄生蜂がいるからです。四 さんらんかん チです。このハチは、においでアオムシをみつけると、とびかかって産卵管を さしこみます。アオムシのからだにたまごをうみつけるのです。とくに、 と三令のアオムシがねらわれます。 たまごをうみつけられても、はしめはアオムシのからだには、かわったこと みつか よ - っちゅう はおきません。ところが、三日くらいたっとたまごかかえり ハチの幼虫はア たいえき オムシのからだの中で、体液やしばうをたべて大きくなります。 といっても、アオムシが成長するのにひつようなところはたべません。アオ ころ ムシのからだの中でそだっているのですから、アオムシを殺しては、しぶんも オた アの きせい ひやくこ せいらよう ・アオムシコマユ / ヾチ の幼虫のふ化 ようらルう おお びようき てき せいちルう の成虫 49
* チョウの飼いかた チた チョウのたまごをみつけたら、葉っぱごと切りとり 葉っはがしおれないようにするためです。 幼虫は、シャーレーか飼育びんにいれ、 上にこまかいあみのふたをしておき びようき ます。葉っぱからでる水分でなかがしめりすぎると、病気になりがちです。紙を かんそうざ、 下にひき、乾噪剤を少しいれると、ちょうどよくなります レとっちゅう 幼虫が脱皮するときには、糸をはって動きません。むりに葉からははすさな よ、つらゆう しよ、つにしましよ、つ。なお、幼虫をあたらしい葉にうっしたいときには、かわ かしたふでのさきで、すく、つよ、つにしてとります。さなぎになるころには、は そい木のえだを入れておきます。成虫になったら、ロをはりなどでのばして、 みす うすいさとう水 ( 十パーセント以下 ) かはちみつをのませます。 へん少なくなります。 と、つきよう 東京では十一月にはいるとモンシロチョウのすがたかみられなくなります。 かっ ところが、九州の南では、十二月にはいってもまだみられるのです。 よ、っちゅう まかいあみ かっ みなみ 力、みした 紙を下にしく アオムシ せいらゆう なぎ 木のえだ みす 水にさしておきます。 チョウのロ はちみつか 火、レ」、つ・水
チョウはおしゃれ。花のみつをすったあと は、ひげのそ、つしをします。たまごを、つむた こ、つび め、めすはおすと交尾をします。よるは、地 めんにちかいはつばにとまって、ねむります チョウの生活 せいかっ ・交尸 0 ねむり
モンシロチョウみつけた・ 2 」まごカか、んる・ 6 よう虫のからだ さなになるまで チョウのたんじよ、つ・ シロチョウのなかま・ アゲハチョウのなかま・ タテハチョウのなかま・ シジミチョウのなかま・ 2 ほかのチョウ・ ひるまとぶガ・ ほかのなかまたち・ おそろしいてき・ せいかっ チョウの生活・ チョウの目・ くち チョウのはねとロ・ * もくじ め
・交尾をことわるメスのチョウ。 きろく たいぐん うみわた すうまん 九州では、数万びきものモンシロチョウの大群が、海を渡っていった記録が かっ ) つついた あります。一年のうちでも、五月から六月ごろ、雨が三日くらい このことはよくおこるそうです あとの晴れた日に、 ちか なお、とまっているメスにオスが近つくと、メスが腹を上に立てることがあ ります。これは、交尾がおわっているというあいすです。 ナノハナ ヒヤクニチソウ 成虫は食草の上にたまごをうみます。だから、たまごから しよく、、つ ようらゆう ・幼虫の食草 かえった幼虫は、えさをさがす必要はありません。 よ、つらゆう 幼虫のたべものは、アプラナ科のキャベッ、コマツナ、ダイコン、カフなど よ、つらゆう せいらゆう しよく、、つ ダイコン がっ ョメナ あめ ひつよう ・モンシロチョウのとぶ時問
やしまみのるせんせい 一九三〇年東京に生まれる。中学時代から かんさっ こんらはう 昆虫の観察をはしめ、野山を歩く。東京学芸 としまえんこんらゆう そっきよう 矢大学生物学科を卒業。一九五七年豊島園昆虫 たま 一九六一年東京都多摩動物公園 をつくり おんし にうつり昆虫園を設立。一九七八年から恩賜 かんきようしよう すいぞくかん 上野動物園水族館館長。昆虫の生活と環境条 けんさ 2 う かんけい 件との関係を研究しチョウ、ホタルなどを主 に調べている 4 つよしょ おもな著書に「昆虫の生態図鑑」 ( 小学館 ) 「昆虫の生きる世界」 ( 文化出版局 ) 「たのし い昆虫教室」 ( フレーベル館 ) や「アリの子ッ ク」 ( ポフラ社 ) 「昆虫ってなんだろう」 峰書店 ) などがある
ダイコン プ カ コマツナ ようちゅう 幼虫が たべる草 さ の葉です。ナズナやイヌガラシもたべます。 このほか、セイヨウフウチョウソウ、キンレ ンカ ( ノウゼンハレン ) などもたべます。 ようちゅう この中でも、キャベツは幼虫のいちばんす きなたべものです。 スジグロシロチョウの幼虫は、おもに、イ ヌがラシなどの野生のアプラナ科の葉をたべ よ、っちゅう ます。モンシロチョウの幼虫は、畑のキャベ ツやコマツナをよくたべます。 せかい モンシロチョウが世界しゅ、つ、いろいろな ウ ソ ウ 場所でみられるのも、野生のものだけでなく、 ョ にんげん力しリよう さくもっ ウチ ョウ 人間が改良した作物をこのんでたべたからで セ ーしよ、つ しっちゅうせいらよう たまごからかえったばかりのアオムシの長さは、約二、、 0 幼虫の成長 虫めがねがなければ、よくみえません。アオムシは脱皮する おんど ど たびに、どんどん大きくなります。へやの温度を二十度から二十三度くらいに にち おお して、そだてましよう。十六日くらいで三センチくらいの大きさになります。 さなぎになるのも、もうすぐです 7 イヌガラシ ナズナ キャ - べツ むし おお 0 0 なか よ、っちゅう だっぴ やく
・モンシロチョウをはじめてみた日 * モンシロチョウの一年 春になれば、日本しゅうのモンシロチョウは、い っせいにとびたつのでしょ 4 つは、つ ちほ、つ え、あたたかい地方とさむい地方では、モンシロチョウのとびた つ日が、たいへんちがっています。 九州の南や、四国の南のはうでは、二月の りめめ なかごろには、モンシロチョウのすがたをみ わじじ おはは ほっかいどう さっぽろ ののの ることができます。ところか、北海道の札幌 月月月 っ 0 4 L.n △十 x では、五月にならなければみられません。 上の地図は、モンシロチョウがはしめてす つき がたをあらわした月です。 月月月 九州のようにあたたかいところでは、一年 つなっ 0 CO おや に六回以上も、たまごから親になります。東 はつかいどう さむ 北や北海道のように寒いところでは、二、 回しかありません。 一年で、いちばんたくさんモンシロチョウ がみられるのは六月です。八月になると、食 、、つ きせいほうおお 草かへったり、 寄生蜂が多くなるので、たい はる きゅうしゅう きゅうしゅう ねん しよう みなみ かっ かっ みなみ がっ がっ と、つ
たいらよう ・アオムシの体長と頭の大きさ なん アオムシのからだで固いのは頭です。この頭のはばをはかれば、だいたい何 たいせき いちれい れいようちゅう 令かがわかります。五令幼虫の頭のはばは、一令の約七倍。体積にすると、約 ひやく 五百四十倍にも大きくなるのです。 よ、つらゆう ごれいようちゅう アオムシは五令幼虫の終わりになって、葉をたべ 0 さなぎから羽化まで なくなると、からだがすきとおってきます。そして、 さなぎになる場所をさがして、瞬きまわります。 しかん くち 六時間くらいして場所がきまると、こんどは口から糸をだして、その場所に おなかのさきをしつかりとつけます。つぎに、からだのまわりに糸をかけます。 約三十分、二十回くらい糸をかけます。 にち ぶんかん それから、一日たっと脱皮がはじまります。四分間くらいで脱皮がすむと、 幼虫は頭のとがったさなぎにかわります。からだのなかでは成虫になるための やく 1 4 日 あたま 13 日 1 2 日 おお かた あたま あたま あたま 0 . 56 せいらゆう だっぴ やく