みぎたかひでおみ ぎふけんたじみし 一九四三年、岐阜県多治見市に生まれる。 そっきよう 日本大学芸術学部写真学科を卒業。その後、 よ、つどう 高報道写真家木村一、熊切圭介の両氏に師事。 げんざい しせん 現在、フリ ーの写真家として〃人間と自殃 らようわ との調和〃をテーマに、自然界の山ふところ さっえいらゆう ししようゆた で撮影中。その詩情豊かな作品は、多くの人 びとの感動をよび起こしている。 らよー ) よ 主な著書に「ウミネコのくらし」「エゾリス の森」「キツッキの森」 ( 共にあかね書房 ) があ る。そして現在「キタキツネ」を撮影中。 現住所北海道旭川市神居町雨紛五号 自宅岐阜県多治見市池田町七の一八一
ぶんぶ せかい 0 世界のライチョウの * 日本のライチョウ ライチョウのからだっきは、どこかニワトリ ちじようせいかっ ににています。それは、どちらも地上生活をす もくぞく るキジ目に属する鳥だからです。 しゅうで、二十六種類のライチョウが知 ほっきよくちほ、つ られています。それらのほとんどが、北極地方 ちかそうげんしんりんなかせいかっ に近い草原や森林の中で生活しています。 い一は′ル ひやくまんねん ヾチ日本アルプスのライチョウは、二百万年ほど よっ、ったいりく 一フまえひょうがき 方の大陸から、陸のつながっ ゾ前の氷河期に、ヒ につん た日本にわたってきたものと考えられています。 につぼんれっとうたいりく ひょうが」 やがて氷河期が去り、日本列島は大陸と海で ちじようせいかっ 切りはなされました。地上生活をするライチョ 強」より きた たいりく ラウは、長い距離をとぶことができす、北の大陸 にもどれなくなりました。 在、印本には、北海道にすむ工ゾライチョ 、一ほ , ん ラ ウと、印本アルプスにすむライチョウの二種類 ッカいま亠 9 ソゲンライチョウ かんが うみ しゆるい
* 氷河期ど - フィチョウ そうげんしんりんなかせいかっ ライチョウのなかまは、ほとんどが草原や森森の中で生活しています。日本 こうざん アルプスのライチョウは、なぜ高山にすむようになったのでしよう。 じだい さむきこう につんひょうが 日本に氷河がみられた寒い気候の時代には、日本アルプスのライチョウも、 へいちせいかっ 平地で生活していたにちがいません。 さむ ちきゅう ところが、地球の気候がだんだんあたたかくなるにつれて、寒さにあうからだ どう きた ちほう つきのライチョウたちは、おわれるように北の地方に移動していきました。 ちはうおお ほっきよくけんちか 今でも、ライチョウのなかまか北極圏に近い地方に多いのは、そのためです。 どう どう こうざん きた しかし、北への移動のかわりに、寒さがのこっている高山へと、高さの移動 をしたものがいます。そうして生きのこったライチョウ、それが印本アルプス にいるライチョウたちです。 こうざん ルふきんをさ力し 、 ) に、針葉樹 印本アルプスの高山は、ばっ二千五百メート こうざんそうげん ひく しんりん の森林から、せたけの低いハイマツなどがはえる高山草原にかわります。 き、」、つ しよくぶつ ほっきよくけんちか こうざんそうげん やまちょっじよう く、この高山草原は、植物も気候も北極圏近くの草原によ 山の頂上までつづ ふゅ い」ほ , ん くにています。日本アルプスのライチョウが、冬でもほば二千四百メートル きた ちほうそうげん こうざんそうげん きんまでしかおりてこないのは、高山草原が、北の地方の草原とおなしように、 そうげん ひょうがき 氷河期の草原とにているからでしよう。 こうざん さむ ひょうがき 氷河期のきびしい寒さがのこっている日本アルプスの高山、そこでひっそり さむ せんひやく 」ほ . ん せんひやく そうげん しんようじゅ い ~ ほーん
ぶんぶ ・ライチョウの分布と気候 こうざんそうげん 高山草原・ツンドラ地 ねんへいきん 年平均 0 ℃以下 しんようしゆりんたい 針葉樹林帯 ねんへいきん 年平均 0 ℃以上 こうようしゆりんたい 広葉樹林帯 日本アルプス のライチョウ 【コ 日生い 工 み に ゾ ら 本き お フ れ 0 こ ーっ 工ゾライチョウ る も い イ ーっ や チ 、工 ョ ゾ 平 ら る れ ウ フ 地ち フ す は イ の イ チ 森チ ョ 林 ヨ 海 3 、ウ い で ウ ま 道で く の す ら で も 寒 て 河が ひょうがき ↓日本アルプスの白いみねには , いまも氷河期の世界がある。 地ち気き の 候 森 フ 生い と オ木ん オくし オ木ん 生林 石 ウ が な 活弯 て ま で ま き す る 北 カラフトライチョウ 2500 1500m 日本アルプス のライチョウ を気 はつかいどう
* もくじ - こうざんゆき 高山の雪どけ・ 2 なわばりあらそい・ 6 きゅっあい 求愛のダンス・ 9 あたらしいっかい ) ちゃ 茶かっ色のたまご・ ひなのたんじよう・ ひなをまもる・ ぎ傷・ ひなの成長・ こうざん」・あき 高山の秋・ いろ こうざん 色づく高山・ はっゆき 山は初雪・ ふゅ な力い夂、とのたたかい・ 3 はる 春はもうすぐ・ 日本のライチョウ・ ひょうカ」 氷河期とライチョウ・ ライチョウの一年・ やま にっぽん しよう しよく せいちょう ねん 田田
0 あどがき 日本アルプスのどこか に、ライチョウかいるとは聞いていました。そのライ めまえよこ ゅう チョウが、わたしの目の前を横ぎって、タやみのせまるハイマツの中に消えて であ かんどう やまごや いったのです。本物のライチョウに出会った感動で、山小屋にもどっても、し ばらくは胸がドキドキして落ちつかなかったのをおばえています。 がくせいじだい なつやまとざん 学生時代の夏山登山のその日以来、わたしは、ライチョウをたすねてなんど たてやまれんばうのば も立山連峰を登りつづけてきました。 しかし、ライチョウたちには、わたしのことが気になるのでしよ、フか。なか まえ しぜん なかわたしの前に自然のままのすがたをみせてはくれませんでした。 そんなある日、一羽のイヌワシが、とっぜんライチョウをおそい、峰を越え て運びさりました。一瞬のことなのでしようが、わたしの耳の奥には、はげし はおと こえ い羽音と鳴きさけぶ声がいつまでもこだましつづけました。 ふと気つくと、静まりかえったタぐれの中で、なかまのライチョウたちがな にごともなかったよ、つに、またえさを食べはじめていました。このとき、はし きりさめ めてライチョウのほんとうのすがたをみたような気がしました。そして、霧雨 かん の中で、さわやかななにかが、ひろがるのを感していたものです。 みぎたかひでおみ 右高英臣 むね ほんもの しゅん ゅう みみおく なか みね
・動物 ・虫 ・植物 全 100 巻 ( + 別巻乙巻 ) たねから ②モンシロチョウ ⑤ライオン ⑩アサガオ たねまで ⑦アリの世 界 ⑧ニホンザル ⑩食虫植物のひみつ ⑨カプトム シ ⑩野生ウマの生活 ヒマワリのかんさつ 全 ①イネの一生 ⑩アカトンボの一生 ⑩カエルのたんじよう ' 76 国 ⑩高山植物の一年 の 生 ⑩海のさかな サ学 ⑩セ ン校 ①サクラの一年 ウ ⑩野生ゾウの世界 のアゲハチョ ケ図 ⑩へチマのかんさつ のミッパチのふしぎ @カニのくらし イ書 @サポテンのふしぎ ⑩いそべの生物 ①トノサマパッタ 児館 ⑩リンゴくだもの ⑩ニホンカモシカ ①クモのひみつ のひみつ 童協 ⑩ックシのかんさつ ⑨サンゴ礁の世界 ⑩アシナガバチ 出議 ①キノコの世界 @海の貝 ⑨カマキリのかんさつ @たねのゆくえ ⑩ムササビの森 ①鳴く虫の世界 文推 @コケの世界 まゆから ⑩カタッムリ ⑩カイコ まゆまで 化薦 @ジャガイモ ⑩モリアオガ工ル ①テントウムシ ⑩工ゾリスの森 ①植物は動いている ⑩クワガタムシ 大基 ①シカのくらし ⑩カミキリムシ 水草のひみ つ 賞本 ⑩ネコのくらし 紅葉のふしぎ ⑩ホタル光のひみつ 受図 ⑩ヘビとトカゲ ⑩ムギの ⑩オオムラサキ 生 ⑩高山チョウのくらし ⑩森のキタキツネ ぎ ⑩ュリのふし 、、色と形の ⑨サケのたんじよう ⑩昆虫のふしき ①ドング リ ひみつ ①ギフチョウ @花の色のふしぎ ⑩コウモリ ①水生昆虫のひみつ ⑩カメのくらし ・天文 ⑩メダカのくらし ・鳥 ①月をみよ ①ヤマネのくらし ④星の 生 ⑩ペンギンのくに ⑩ヤドカリ ⑩太陽のふし ぎ ⑩シラサギの森 ・地学 @星座をさがそう のタンチョウの四季 ⑩惑星をみよ ③雲と天気 ⑩わたり鳥のひみつ つ ⑩星雲・星団をみよう ⑥きようりゆう ①ライチョウの四季 星ほうき星 ⑩彗 ⑩しようにゆうどう探検 ①ッパメのくらし のひみつ 生 ⑩惑星の探検 ⑩雪の ⑩たまごのひみつ ①流れ星・隕石 ⑩火山は生きている ⑩ウミネコのくらし ⑩水めぐる水のひみつ @フクロウ ⑩塩海からきた宝石 ⑩カラスのくらし ・別巻 ⑩氷の世界 ⑩キツッキの森 夏休み昆虫のかんさつ 夏休み植物のかんさつ ⑩鉱物地底からのたより ⑩モズのくらし 四季のお天気力、んさつ ①砂漠の世界 ⑩ハヤプサの四季 四季の野鳥かんさつ 科学のアルバム