巣の移動 がっ 五月二日、カッラの根もとの巣には、 も、つキタキツネはいませんでした。どこ すかほかの場所へ移ったのでしようか。 五月七日、もとの巣からやく二百メー トルはなれた場所に、二ひきのキツネが とお いるのを、遠くからみかけました。 つぎの日、こんもりと土のもり上がっ た場所から、とっぜん、子ギッネをくわ えたキツネがとび出してきました。 すうふんご おな 十数分後、また同しキツネが、子ギッ ネをくわえて走り去っていきました。三 どめ 度目のときです。前を走るキツネを追っ すて、ぎこちない足どりのキツネがとび出 していくではありませんか かん わたしに対して、きけんを感したので しようか。またしても、ほかの場所へ巣 うつ 會を移したよ、つです。 ・みぎ ・ひたり がっ あし うつ っち ひやく
しゅうかん 一週間なにも食べていないと思われる子ギッネ 不安な一週間 がっ は、空腹にもかかわらず、もの音ひとったてま 六月二日、朝からのはげしい雨は、昼すぎ せん。 には小ぶりになりましたか、巣にキソネのい きずついた足をひきずるように歩くめす親 るようすはありません。つぎの日もそのつぎ うつ おな の日も、やはり同しです。ほかの場所へ移っ ふあん たのだろうか。わたしは不安になりました。 ちか がっ 六月八日のダぐれ近く、やっと一びきの子 かお 巣から顔をのぞかせました。 ギッネが、 しゅうかん でも、この一週間、めす親のすがたはあり ません。もしかしたら、死んでしまったので ー ) よ、つカ 六月九日午後二時、森の斜面をあえぎなが おや らおりてくるめす親をみつけました。よくみ ほんある ると、左足二本で歩いているようです。 ようやく巣の前まできたとき、子ギッネた おや ちかとび出してきました。しかし、めす親は クオッとないて子を巣の中にいれると、その ( . いを耋ままうつぶせにたおれてしまいました。 あし おと おや がっ ひだリあし 一 2 うか・な あさ り、つ まえ なか しやめん あめ ひる