ひとりだち とおで がっ 九月二十日、それまでなん回も遠出をしていた子 おや かえ キツネか、とうとうめす親のところに帰ってこなく なりました。ひとりだちしていったよ、つです。 ほかの四ひきの子ギッネも、それから六日の間に、 つぎつぎと草原から去っていきました。めす親のけ こそだ がや、おす親が子育てに協力しなかったせいか、成 長がおくれてしまいました。そのため、ほかの巣の 子ギッネよりも、やく一か月もおそい旅だちです。 するどい目つきでえものをねらう子ギッネ。で も , 視力はあまりよくないといわれています。 ちょう そうげん きようりよく げつ 力し たび あいた
まえ おや 會ノヾッタを追う子ギッネ。ひとりだち前の子ギッネは , めす親からあまりえさをあたえられ ないせいか , しきりに昆虫をとらえて食べます。これが , 狩りの練習にもなります。 こんらルう れんい ) う
落ち葉のべッド 木の葉がちると、森はみと おしがよくなります。わたし にちしゅうもり はまた、一日中森を歩き、子 ギッネを追いつづけました。 おと ある 音もたてすに歩く子ギッネ がお は、めいわく顔でわたしをふ りかえります。落ち葉をふむ あしおと わたしの足音が、えささがし のしやまになるのでしよ、つ。 すこ そこで、少しはなれて、ゆ ある こんど つくり歩いていると、今度は 子ギッネをみ、つしないそ、つに なります。わたしは、ぬれた 落ち葉に足をすべらせながら、 追いつづけました。 ひとりだちしたキツネには、 きまったねぐらはなく、 つか あし
、行ま一食」所 のすの , ば場 。。しネまねらた たかべ やキしの③・・食す ① , を【物んやま んらいー・植ふのー かん , た ②はたったわ 古ん動まじべが あたら 朝霧の森で かえ 子ギッネのひとりだちとともに、めす親も巣に帰っ ノてこなくなりました。そのうえ、森は霧にとざされ、 子ギッネたちをみつけるのは、とても困黽です まくそうち そこでわたしは、キツネのふんをさがして、牧草地 ーっり ある なか と、つ や森の中を歩きまわりました。キタキツネは、石や倒 木のわなど目につきやすい場所に、ふんをよくします。 であ 新しいふんがみつかると、あすこそ子ギッネに出会え るよ、つにと、いのるよ、つなきもちになるのでした。 あたら
* もくじ きそく あし 不規則な足あと・ 4 どう 巣の移動・ 8 てあ 三回目の出会い・貶 チツネの成長・ 「や . あん 不安な一週問・ なっそうげん 夏の草原で・ ひとりだち・ あさぎり 朝霧の森で・ 落ち葉のペッド・ おやこ さし力し 親子の再会・ 冬のえささかし・ においのマーク・的 生と死、そして新たな出会い あ毟がき・ こうせいきようりよくやましたよしのぶ 構成協力 / 山下宜信 : 、〔一劦カ東京大学北海道演習林 森林動物研究室 ありさわひろし は \ 、有澤浩 、、、わたなべようし ト / 渡辺洋一一 かいめ しゅうかん 36 51
ンにト第「 ? ノしウ 生と死、そして新たな出会い せつめんのこ 雪面に残るキタキツネの活動のあとは、 あし 足あとや尿だけではありません。みはらし のよい日だまりには、直径四十センチメー ゆき トルぐらいの雪のくばみかあります。キッ ネが休んだあとです。また、深さ一メート ゅ」 ルをこすななめのあなをほり、雪の下にう すもれたえさを、ほり出したりもします 足あとを追っていると、キツネの死に出 会、つことがあります おやそた キタキツネは、親に育てられている間や びようき 一 ) 、つつ、つに ) ひとりだちの時期ー こ、病気やけが、交通事 おお 故などで多くが死んでいきます。そして、 それらの時期をぶしにすごしたキツネをま さむ ちうけているのが、冬の寒さとうえ、それ に人間の銃やわなです。 こうしたきけんをのりこえたキツネたち 新しいいのちをはぐくんでいくのです あし やす あたら によう かつどう あいた