・動物 ・虫 ・植物 全 100 巻 ( 十別巻 4 巻 ) たねから ②モンシロチョウ ⑤ライオン ⑩アサガオ たねまで ⑦アリの世 界 ⑧ニホンサル ⑩食虫植物のひみつ ⑨カプトム ン ⑩野生ウマの生活 ヒマワリのかんさつ 全 ⑩アカトンボの一生 ⑩カエルのたんじよう ①イネの一生 ' 76 国 ⑨高山植物の一年 サ学 の 生 ⑩海のさかな ⑩セ ン校 ウ ⑩野生ゾウの世界 ①サクラの一年 アゲハチョ ケ図 のミッパチのふしぎ @カ のくらし ⑩へチマのかんさつ イ書 ⑩サポテンのふしぎ ⑩いそべの生物 ①トノサマパッタ 児館 ⑩リンゴくたもの ⑩クモのひみつ ⑩ニホンカモシカ のひみつ 童協 ⑨サンゴ礁の世界 ⑩ックシのかんさつ ⑩アシナガバチ 出議 貝 ①キノコの世界 @海 ⑨カマキリのかんさつ の ⑩ムササビの森 @たねのゆくえ ①鳴く虫の世界 文推 まゆから ⑩コケの世界 ⑩カ タッムリ ①カイコ まゆまで 化薦 @ジャガイモ ⑩モリアオガ工ル ①テントウムシ ⑩工ゾリスの森 ⑩クワガタムシ ①植物は動いている 大基 ①シカのくらし ⑩カミキリムシ ⑩水草のひみ つ 賞本 コのくらし @ホタル光のひみつ ⑩ネ ①紅葉のふしぎ ビとトカゲ ⑩へ ⑩ムギの ⑩オオムラサキ 生 ⑩高山チョウのくらし ⑩森のキタキツネ ぎ ⑩ュリのふし 、、色と形の ⑨サケのたんじよう ①昆虫のふしき ①ドング リ ひみつ ①ギフチョウ ⑩花の色のふしぎ ⑩コウモリ ①水生昆虫のひみつ ⑩カメのくらし ・天文 ⑩メダカのくらし ・鳥 ①月をみよ ⑩ヤマネのくらし ④星の ⑩ペンギンのくに 生 ⑩ヤドカリ ⑩太陽のふし ぎ ⑩シラサギの森 ・地学 @星座をさがそう のタンチョウの四季 惑星をみよ ③雲と天気 ⑩わたり鳥のひみつ ⑩星雲・星団をみよう ⑥きようりゆう ①ライチョウの四季 ⑩彗星ほうき星 ⑩しようにゆうどう探検 ①ッパメのくらし のひみつ 生 ⑩惑星の探検 ⑩雪の ⑩たまごのひみつ ⑩火山は生きている ①流れ星・隕石 ⑨ウミネコのくらし ⑩水めぐる水のひみつ 朝フクロウ 塩海からきた宝石 ⑩カラスのくらし ・別巻 ⑩氷の世界 ⑩キツッキの森 夏休み昆虫のかんさつ 夏休み植物のかんさつ ⑩鉱物地底からのたより ⑩モズのくらし 四季のお天気力、んさつ ⑩ハヤプサの四季 少漠の世界 四季の野鳥かんさつ 妛科学のアルバム
水生昆虫のひみつ 〇科学のアルバム 増田戻樹
不斗学のア丿レノヾム 95 水生昆虫のひみつ ■著者 ますだもどき 増田戻樹 0 発行者 岡本雅晴 ■印刷 株式会社精興社 ■写植 株式会社田下フォト・タイプ 0 製本 中央精版印刷株式会社 ・発行所 株式会社あかね書房 〒 101 東京都千代田区西神田 3 ー 2 ー 1 電話東京 ( 3263 ) 0641 ( 代 ) 1991 年 2 月発行 N D C 486 増田戻樹 水生昆虫のひみつ あかね書房 1 9 9 1 著者との契約により検印なし ◎ 1987 M. Masuda, printed in Japan I S B N 4 - 2 5 1 - 0 5 5 9 5 -7 54P 23X19Cm ( 科学のアルバム 95 ) ・表紙写真 タイコウチのふ化 およ ④ ① ・裏表紙写真 ② ③ ⑤ ①水中を泳ぐゲンゴロウ ②タガメのふ化 たいえき ⑤死んだ魚にむらがって食べるゲンゴロウ ④おすの背中に産卵するコオイムシのめす さんらん ③魚をとらえて体液をすうタガメ すいめん ■目次写真 せなか ■扉写真 水面で波もんをたてて会話をするアメンポ めすの背中につかまって泳ぐゲンゴロウのおす。 およ
実験① およ アメンポが池などで泳いでいる ちか のをみつけたら、アメンボの近く に、そっと小や木の葉などを落 としてみましよ、つ。 アメンポは、水面にできる小さ なみあしびんか読かん な波を足で敏感に感しとります。 ちか えさとまちがって、近づいてくる でしよ、つか あまりたきな物をなげこむと、 アメンポはおどろいて、にげてし まいます。 しつけん おん A 針金をむすびつけた音 さをつかっても、実験 ①ができます。 ・・りがね * アメンポをつかった実験 すいめん お みす やカい アメンポは、野外でもっともみつけやすい水生昆虫です。水にう こうどう いているので、行動もよくわかります。 はんのう そこでアメンボにいろいろとはたらきかけて、それにどんな反応 の、つリよく かんさっ をするかを観察すれば、アメンポがそなえている性質や能力をたし みすべ かめることができます。さあ、水辺でアメンポをみつけたら、ため してみませんか。 実験② アメンポは、水面にできる水の みす まくや、水をはしく毛のはえた足 りレっ を利用して、水にういています。 みす あし もし水のまくがやぶれたり、足 みず にはえている毛が、水をはしかな くなったらど、フなるでしよう。 すいめん 水面に、石けん水を何てきかた あし らしてみましよう。アメンボの足 みす が、水をはじかなくなって、水の まくがやぶれてしまいます。アメ ンポはど、つなるでしよ、つか。 じつけん みす せつ みす すいめん すい みす あし 実験③ アメンポは、海れのあるところ おな でも、同し場所にとどまっている ことができます。アメンポは、ま けしき じぶん わりの景色をみて、自分の姿勢を せいしつ たもっ性質があるからです。 もようをえがいた紙つつをつく ようき り、アメンポがはいった容器をか む こみます。はやさや向きをかえた りして、紙づつをぐるぐるまわし てみましよう。アメンポは、どん はんのう な反応をするでしよう。 じっすん すいせいこんちゅう せいしつ かみ かみ
會ゲンゴロウの成虫 ( 体長 3 . 5cm ~ 4 (m) 。陸上の甲虫にに すがた す、、らゆうせいカ、つ た姿をしていますが , より水中生活につこうのよいから だっきをしています。 獲ん ど は メ ち る 虫 . 。 つ 分ゎ 牛勿 水こ し ム ぎ ど 甲 の け 水こ虫第 の て を あ 水ま生 い 虫 : な ら 生の て つ ン / も い 底ー昆え て あ・ れ 昆え て の か の な に 虫 : 体。、 な 食た ・な ま ま 虫か の 液を め と す しこ と カゝ で か つ は べ ま か も お を て ら ま ま て カ お 活弯 く つ の し と カ さ 疋 の メ カ 動 て く れ っ た ロちま ら プ ら ム メ を て 獲 て は ン ト し ) に い ム る 夜や生。、物 い の ム し 行 5 ス す き 獲 て か な、 の 洛お ン つ の 物 ; ち 性 か ト て か な む の な ま 夜 い ら グ の ま て、 ど い ロ か す や す に ま っ 肉 だ で と で ル ま な 水 を す す 状 ; ほ。 同 る 早さ 日 と な 中 き い す な カ 陸上にすむ甲虫 , コフキコ ガネ ( 体長 3 cm ) 。かむロ をもっていて , 葉や花びら などを食べて生きています。 陸上の甲虫のなかまには , 肉食・性のものもいます。 こうら塘う りくしよう たいらよう はな は こうら心う りくしよう たいらよう せいちゅう こうらルう りくし : う にくしよくせい につちゅう こ、つ
あとかき さっえ、 せん 以前、よく水生昆虫をつかまえたり、 撮鞍にでかけていた場所がありました。 ちいき 夜にでかければ、かならすタガメやゲンゴロウがみられる地域でした。ところ 力い第、、つ かある冬に、フド ルーザーがきてたんばを改造し、水路をコンク リートでつ りかえてしまいました。 おも こがた 思ったとおりその年は、 小型のゲンゴロウをのぞき、水生昆虫はほとんどみ なんど ぜん られなくなりました。その後、何度もそばを通ってみたものの、やはり以前の すいせいこんちゅう 、つ 」カい ようには水生昆虫はいなくなってしまいました。機械で植えられたイネだけが あお 青あおと育っていました。 さいきん 農薬や技術の進歩で、最近はよりたくさんのお米がとれるようになりました。 ひ にんげんすいでん でも、それと引きかえに、人間は水田から水生昆虫をしめだそうとしています。 ざっそう さぎよう 力いちゅう すいでん 害虫がいない、雑草のない、作業のしやすい水田。それはにとってはよい ことのように思われます。しかし、水生昆虫のすんでいない境、ぎやくにい えば、すめない珮境が、人にとってほんとうによい境といえるのでしよう すいせいこんちゅうせいかっかんきよう はんだん か。水生昆虫は生活環境のよしあしを判断するてがかりともいえるでしよう。 せわ この本をつくるにあたり、おおくの方がたのお世話になりました。とくにお いそがしいなかを監修をしてくださった高家博成生には、この場をおかりし もう ますだもどき て、心からお礼を申し上げます。 増田戻樹 よる 0 のうやく こころ そだ れい すいせいこんらゆう あ かた すいせいこんらゆう とお こめ すいろ すいせいこんらゆう
てきおう 流水性の水生昆虫の水への適応 流水性の水生昆虫も、もともとは陸上にすんで なるとどれも陸上でくらします。呼吸の方法もち いたが、長い時間をかけて水のあるところへ ひろ 生活の場を広げていったなかまです。ですから、 かいます。えらで呼吸するものや、しりから体内 からだっきやくらしぶりは、海れる水の性質にう てきおう 一に水をすいこみ、直腸のかべにあるえらから水中 まく適応しています。 さんそ たとえばカゲロウのなかまの成虫は、みんなに 一の酸素をとりいれるものもいます。 た姿ですが、幼虫は、種によってすむ場所がこ かわしようりゅう このように水生昆虫は、平地から川の上流まで となり、 つまり水の海れるはやさもちがうので、 さいきん まよひろ からだの形もすこしすっちがっています。 一幅広く匇布しています。しかし、最近では、その かすしゆるい ・、、」ゲがだナの , 巣ナ箭なす一数や種類がめつきりすくなくなってきました。 にイ・ ~ カ抗らゲれにゲのさま ・・・む 3 抵かヒ流どヒす巣」小べ しノ \ っ 9 も 水生昆虫がすくなくなった理訂には、 ) なン , るた食 すいでん に水たポはだポはくて の原因が考えられます。水田でつかわれる農薬が ろ。らッ虫いツ虫てえ こ〔虫ひニ幼あニ「幼れら ころ せんざい とい幼に②のの③の流と たくさんの水生昆虫を殺してしまいました。洗剤 。ラ 2 石。ラ , を 、 ) 、つしようはいすい かわ . やまよすケのすケり・さ はかるまビ ~ 底まビは・えや工場排水などが川や池の水をよごしつづけ、水 りトをの せいこんちゅう ? ザれのくてワいくワ・み〔質生昆虫がすめなくなってしまいました。 流ウさし力やっカ・あ冖物 。かいっ へんか 「ー′な①ロ小をガはをガに〔植 開発による地形の変化も大きな原因の一つです。 すいろ 水路をコンク リートでかためたり、あぜにビニ くさっち ルをかぶせたりしたために、草や土がすくなくな さんらん 産卵したり、さなぎになる場所がなくなって しようリゅう しまったのです。また、上流にできたダムは、流 水性の水生昆虫のすみかをうばってしまいました。 すがた かたら すいせいこんらゆう すいせいこんらゆうみす せいちゅう みす すいせいこんらゆう げんいんかんが みす すいせいこんらゆう すいせいこんらゆう り・′、しよう すいせいこんらゆう らよくちょう みす おお 一一きゅう よ、つよ、つ のうやく すいらゆう
すいせ、、こんらゆう 力、んきよう 水生昆虫がすむ環境。 おお 、、け 大きな池より , たんば おかわ ちい の近くにある小川や小 、、け さな池 , まわりに草が みす しげつている水たまり などに , おおくすんで います。 つはタガメやゲンゴロウなどのよ うに、成虫になってからもおもに 水中でくらしているなかまです。 かんきよう すんでいる環境もちかいます。 メの カワゲラやトンボのなかまの一部 ヒ。虫 , こ上 は、幼虫がれのきれいな渓流に マるす すんでいます。いつばうタガメや カけで ズかの おがわ / Ⅱにもすんでい ~ を ( 、ミみもゲンゴロウは、 ル、一 ~ 。てますが、おもにたんばや池、沼など、 カリし らキ越れのないところにすんでいます。 かマを 差カゅ冬 ほん この本では、タガメやゲンゴロ 虫ミ一姿 昆もの 生子。虫ウなど、成虫になってからもはと 水い右せ成 すいせいこんちゅうせいかっ んど水中でくらす水生昆虫の生活 くキと すマ をしらべてみることにしました。 でカは みズ。虫 あミ成 す、、せいこんらルう すいちゅう よ、っちゅう すいちゅう せいちゅう せいちゅう いちふ
け、、りう すいせいこんらう ・渓流にすむ水生昆虫 せいらう カゲロウのなかまの成虫 ( カワトンボのなかまの成虫 せいらルう すいせいこんらゆう か′ルきよう * 水生昆虫がすむ環境 トビケラの なかまの ようらう 幼虫と巣 カワゲラ のなかま ようい の幼虫 ようらルう ヘビトンボの幼虫 ようらゆう かんきよう 水生昆虫は、すむ環境からも二つのグルー ぬま 分けられます。一つはたんばや沼などのように、 みす ほとんど海れのない水にすむなかまで、これを止 ト「 ( お性の水生昆虫とよんでいます。この本でとりあ げた水生昆虫のほとんどが、このなかまです。 しすいせい 止水性の水生昆虫のおおくは、もともと湿地な どにすんでいました。むかしの印本の平野部に は、いたるところに湿地がありましたが、主食と なる米をつくるようになってから、地はどんど ん水田にかえられていきました。そこで水生昆虫 すいでんめんせきひろ かんきよう は湿地とにた環境にうつりすみ、水田の面積が広 がるのにあわせて布を広げたと考えられます。 かわたにがわ ープは、海れのはやい川や谷川 もう一つのグル すいせいこんらゆう ゅうすいせい などにすむなかまです。これを流水生の水生昆虫 とよんでいます。このなかまには、カワゲラやト ビケラ、トンボの一部などかいます。このグルー よ、つらゆうしだい プは、水中でくらすのは幼虫時代だけで、成虫に ←カゲロウのなかまの幼虫 すいせいこんちゅう こめ すいでん すいせいこんちゅう すいちゅう すいせいこんらゆう すいせいこんちゅう せいちゅう
くうき すいせいこんちルう ・水生昆虫が空気をたくわえる場所 しはるい 種類によって空気をたくわえる場所がちが はね います。羽やからだにはえている毛が , 空 やくめ 気をにがさない役目をしています。図はそ すいせいこんらう しようめん れぞれの水生昆虫を正面からみたところ。 はね ※おもに腹部の下 羽と背中のあいだ 空気 空気 きゅうかん ・ミズカマキリの呼吸管・ガムシの 空気のとりいれ方 の拡大 た かくだい しょっかく 触角はとちゅう からおれまがる。 き気 空 た すいめん △ガムシは , 触角を水面すれ すれに接するようにまげて , そこから空気を腹部にとり こみます。触角には , 水に ぬれない毛がはえていて , すいしよう 腹部の空気のまくと水上の 空気とをむすぶバイプの役 め 目をしています。 しょっかく ケンゴロウ ガムシ がた 一方ボンべ型の種類は、しりからとりいれた空気を、 く、つ医」 からだの一部にたくわえます。種類によって、空気を したかわ たくわえるところがちかいます。腹部の下側のくばみ にたくわえるものもいます。腹部の背中と羽のあいだ やくだ およ にたくわえるものもいます。泳ぐことには役立たない やくだ ちょぞう はね 羽が、空気の貯蔵にはりつばに役立っているわけです。 おな がた ところが同しポンべ型でも、ガムシは空気のとりい れ方がちがいます。頭部と胸部のヘりあたりを、水面 すれすれにおしあげます。すると表面張力がはたらい て、水面に小さなくばみができます。ガムシは、腹部 うんどう を運動させることによって、このくばみから、空気を とりこむのです。 かる それにしても、水より軽い空気が、どうしてにげて きもん しまわないのでしよう。それは、背中や腹部や気門の みす よ蟻本内はめ目ん 毛のおか 。がせせまわりにたくさんはえている水にぬれにくい く、つ でがすけ毛わま みす 管のでいあげ げです。毛糸をそっと水につけると、毛のまわりに空 のものか おな 本のもまでが 1 帙たこの気気のあわがっきます。それと同しことです。たくさん くうき やくめ はや 0 , る一空 目ささは いはの毛が、空気の層をにがさない役目をしているのです。 」吸 , わにてら せなか 呼くあ側えか ※くわしくみると、ガムシは羽と背中のあいだにも、マッモムシ △ は豺の表面にはえたこまかい毛にも空気をたくわえています。 羽空気 空気気門 しょっ力、く コオイムシ マッモムシ 0 いっう すいめん ひ ' うめん そう みす と - っ小 はね きようぶ しゆる、 ふ ひょうめんらようリよく せなか せなか ぶ はね