0 富士山の生い立ち 鷹山 ( すそ野の二蔀 ) みたけかざ人 小御岳火山 ( 2 , 350m ) 御坂山地 やまなしけんかわ しすおかけんカ・わ 山梨県側 静岡県側 みたけかざん まんわんまえ ①小御岳火山の噴火時期 ( いまから約 200 万年前 ) 舌富士火山 みたけかざん 小御岳火山 わんまえ てんけいてきせいそうかさんふ ②古富士火山の噴火時期 ( いまから約 2 万 2 , 000 年前 ) 會典型的な成層火山富士山。火口の位置をかえ かざんはい ようがん ることなく溶岩や火山灰を交ごにふきだすと , 富士山 ( 3 , 776 m ) かざん 美しい円すい形の火山ができる。しかし長い 小御岳火山 ふしさんおや 目でみると , 富士山も親子何代かにわたる火 かさん おお ざんカつどう 山活動の結果 , 現義のような大きな火山に成 せいそうカーさん らよう 長した。ふつうひとつの成層火山では , この かざん ような大きな火山はできにくい。たいてい , かざん げんさい やくま人わんまえ その下に古い火山がかくされている。 ( ①現在の富士山の噴火 ( いまから約 1 万年前よりはしまる ) る ふ 数を あ 基き的ー ば だ ら 美 そ よ ま 本児な な る ま り い き 十 ふ や あ し と 形 だ 万 り ナ形 つ っ た ノ ) の / い い す 年 っ あ た な が よ め い が が だ ク ) て ク ) 場ば円え多鶚 マ 多鶚年き溶 め 噴え け あ と 死し り ( こ 所望す く グ い を ひ ま で い ん : 石・ん を マ 溶 せ 単 の わ ま と で と 火ゕ 後ご 独ぎす 山え 形 性 な ′っ つ 火かっ ん つ の し、 一石・ん た 質与 あ か も 山え の を つ ま て く の に カゞ の の の 成な く の け い ま だ 火ゕ で ば 火ゕ よ 層 す 山え 里碆ま み 形る で か はつ、 あ が す も て よ っ 火ゕふ な の が に 山え く し く っ な な わ ま と は 場ばる ふざ さ に る わ ぇ お 日ヨ 少 ! 所道発 き ヨ : じ な みれ に 0 こ つ つ 叩 て あ か も り な 山え な の な は て る 火ゕ て つ ーっ 山えか 山は 形 か ま れ き ら い わ す だ 数 て ま で き ら と た の の の 取ミす す 万活 に は 形基 き て 基き で つ 初 本す 5 動 は い な は て しかざん うつく みたけかさん 古富士火山 おお かつどう
いまはおだやかに水蒸 おお 気の多いガスをあ ( ナて あさまやま いる浅間山 ( 2 , 542 ) 。 ひとたびおこると , 数 千 m の高さにまっ黒な ふんえん 噴煙をふきあげる。 あさまやま はげしい爆発 2 ーーー戌間山 ぐんまけん なかのけんさかい あさまやま 群馬県と長野県の境にそびえる浅間山も、 は / 、はっ 古くからはげしい爆発を くりかえしてきた ふんえん ので有名です。爆発にともなう噴煙は、数 千メートルもあかり かみなりをともない かざんだん はげしく火山弾をふきとばします あさまやま よ、つかん 間山の溶岩も、やはりねばり気にとん あんざんかん しよ、つかん だ安山岩です。このような溶岩は、その中 にガスをたくわえやすく、そのために大爆 はっ 発をひきおこすのです。 さくらしまあさまやま せんかい 桜島や浅間山では、前回の活動がおわっ かつどう 医」か′ル て、つぎの活動までやすんでいる期間が長 ちか いほど、はげしい爆発をします。地下に、 たくさんのエネルギーがたまるからです。 ゅうめし 」はノ、、はっ かつどう すう 34
・あどがき か一」、つ かざんかんそく わたしが諏訪之瀬島の火口で火山観測をはじめてから、今年でもう十年目に かざん か一」う かざん うちがわ すがお なります。ふもとからながめる火山とはちがい、火口の内側には火山の素顔が ひょうじよう か、ヤっ ひと あります。火口はおこったとき、やさしいときなど、まるで人の表情のように、 へんか たえす変化しつづけています。 か一」、つ 火口をのぞきこんでいると、こわいこともたくさんあります。けれども、火 こう かんどう ロでくりひろげられるドラマは、こわさをはるかにうわまわる感動となって、 か一」、つ わたしを火口にくぎつけにしてしまいます。いまでは、火口はわたしにとって、 なっかしい友だちにみえるのです。 ざんねん じー ) んけい かんそくきぐ 残念なことに、わたしには地震計のような観測器具がありません。そのかわ じぶん カ びんかん かんそくき 、自分の目や耳、鼻、つまりからだのすべてが敏感な観測器のつもりで、火 ざん かざん 山とむかいあっています。これからも、このようなからだを通しての火山との つきあいは長くつつくことでしよう。 ほん すわのせじま かごしまだいがく たかはしてつやくん この本をつくるにあたり、 諏訪之瀬島のみなさま、鹿児島大学の高橋哲也君 かんしゅう とうきようこうぎようだいがく おさかじようよせんせい にはお世話になりました。また東京工業大学の小坂丈予先生には監修をしてい あっ れい しよばうおかざきっとむ ただき、厚くお礼を申し上げます。おわりに、あかね書房の岡崎務さんには、 みどうよう わが身同様にお世話をいただき、ありがとうございました。 あきら 青木章 一九七七年早春 せわ ねんそうしゅん とも すわのせじま め みみはな せわ ーマっ あ 力、」、つ 、」とし つう あおき ねんめ カ
」い力し かざん わるもの 。れ水て雰 災害の面だけからみれば、火山はとても悪者のよ 」所カ下し、部 おん 啾電ち地わの うにみえますが、しつはあたえてくれる因」けいの方 ; 発たま塔 」地らン冷かはるかに大きいのです。 のめビは よ′、しよう かざん ひろ 泉た「真 火山のもっ広いすそ野は、牧場や畑、林野として 」温たタ」写 かざんばい あで 多く利用されています。火山からふきだした火山灰 松にき気る さん てんねん 県マ 3 蒸す は、ちっ素、りん酸、カリウムなどをふくむ天然の 1 = 手グ , 水電 かざんばい : 岩マの発 肥料です。火山灰の土は、手をくわえてやりさえす れば、ゆたかな耕地になります。 冖月〔海 きんぎんどう こうぶっしげん 金、銀、銅などの鉱物資源も、もとはといえば、 かざんかつどう 3 第 火山活動によって地下でつくられたものです。 ねっ むこう力い また、マグマのもたらす熱は、無公害エネルギー ちゅうもく じねつだんぼう として注目されています。すでに地熱が暖房につか 」場葯茜われたり、発患につかわれたりしています。 かざん おお おん 蟻現南の日 るのり 火山のもたらすもっとも大きな因 5 けいは、この生 き」京な冖月 ちきゅっ めいはんえい ぶたい で東と 9 命繁栄の舞台、地球をつくってきたことです。大地 ち地「月カ火 の多くの部は津岩ででき、大気や海は火山がもた 3 大 6 ・喰 すいじようき い」生・かは し〉山」真らしたガスや水蒸気でできているといわれています。 冖新円か火」写 ちきゅう かざん そして、いまも火山は地球をつくりかえています。 わん おお ひりよう めん おお っち かざん りんや
あそさん カ火る 地球の連とっーー阿蘇山 なんばくやく ん煙ま 東西約十八キロ、南北約二十四キロの の炎 あそさんちゅうおう せかいさいだい ロカ火 世界最大のカルデラをもっ阿蘇山。中央 すがた ふんえん 力、」、つ 火口からもくもくと噴煙かあかる姿は、 ちきゅう えん カ中やん くね 地球の煙とつをおもわせます。 さカ 4 そ蘇炭引 あそさん し玉、つかん あ阿山 阿蘇山の溶岩は、三山よりややねば あそさん あんざんがん り気のある安山岩です。しかし、阿蘇山 ちひょう レ玉、つかん ~ ( 一、「ロては、溶 ~ 石を地表にふきだすことはあまり かこ、っちか のありません。火口近くまでやってきたマ まち あか ふんえん とた グマのために、噴煙には赤いほのお ( 火 煙気 えん 炎 ) がましることがあります。 げんざい ひかくてき あそさん カ火か 阿蘇山は、現在では比較的こまめに噴 ちか ナ・・あえん た煙をあげて、地下のエネルギーをにがし 一、、まノ、まっ 二あているので、あまり大発はしません。 あか かえん よる ・おなじ日の夜の火口。赤い火炎 がたちのばるのは , マグマが土也 ちか ひょう 表にミ丘づいているしよう すいし : うき えん とうざいやく は ふん
かざん ひ力い : ! い , 〔ひとたびおこるとたいへんな被害をおよばす火山。むかしから、 かざん 人びとは火山のはかりしれない力をおそれてきました。 ようがん ばくはっふんか かざん 火山によるは、おもに爆発、噴火ででてくる溶岩や火山灰、火 ざんだんかるいし 心山弾、軽石などによってひきおこされます。なかでもおそろしいの ・け - んしよう こうおん カ→ 0 いー ) かざんばい は、火山灰や軽石などが、高温のガスにまし「て海れだす現象です。 一これを熱雲とよんでいます。 はや びようそくすう せんどちか ねつうんおんど り、秒速数十メートルもの速さで、な 熱雲の温度は千度近くもあ とおみち しやめん やま だれのように山の斜面をかけおりてきます。そのため、通り道にあ 、 : にたるものはことごとくやきはらわれてしまいます しよと、つ ねん 一九〇二年、西インド諸島のマルチニーク島にあるプレー火山が ールの町をや 噴火しました。このときの熱雲は、ふもとのサンピエ カ火もとりわ訪冖活のでる いのら まんせんにん ん噴うのさ去す諏山山んわ 一瞬にして二万八千人もの命をうばいました。 い大でこを。か火か火すか ねんあさまやまふんか てんめい につん の灰。い島たな 日本では、一七八三年 ( 天明三年 ) 浅間山の噴火のさいに、熱雲 ん山跡墓はつわ発はこ あっ どしやすいぶん しやめんがんせき 」年カ火のとな活でそ冖活 田島びとなぐが山の斜面の岩石や土砂、水分をまじえて、熱いどろとな「て海れ か化りせ瀬人い島うるすの 〕 ( 文じの之で人よ , とました。ふもとの村では、五百人近くの人が死にました。 ( まわ訪か火む無のてがび き、」う ふんか 」年石す諏噴間い島しん人 このときの噴火は、さらに気候までくるわせ、大ききんの原因に ロ軽たの」年せ頼をげる じよう′トっ かざんばい そらたか のれき間。之動き もなりました。空高くあがった火山灰は、しばらく上空にとどまり たいようひかり 太陽の光をさえぎって弱めたために、不作がつづいたのです。 * 火山の災害ど恩けい ひと ふんか やま いっしゅん ねん ちから ふさく と、つ かざんばい まち かざん
かざんかんそくしよ あそさん 會阿蘇山にある火山観測所。 , こでは火山 かざん 活動によっておこる地震や地形の変化を 力、つどう しらべて , す あ が と る か、 あ も に カゝ す わ 地ち 土と て っ た し に る かざん カつどう 火山の活動をみはっている。 は、 の 噴 が お る 力、 み お を て ク ) れ ら を 火ゕ科かが 学 的 し ら る と よ て い ど の い て ノ ク し て い る よ な も の で す ま た マ グ マ カゞ の ば つ て ん ば ん お り ま す れ は 地ち 下か の マ グ マ カゞ へ よ っ と 噴オれ 火かる 間まな 火かし 努どを 火ゕカ 少 ! 現 火かれ 地ちに 噴科ゕ さあ た と ば 浅を 山 の よ っ な 山え て、 噴え の 月リぇ 表小をす さ し ) 地じ 震 が 大鶚 き く な ら い よ っ に カゞ づ ら て ま し め し そ っ な 山え し ら べ て し で 火ゕ ノくい あ と お そ ろ し ) 火力 で す が 在ミ で - 子・く せカ式、 かざんさいがい きろく 0 世界のおもな火山災害の記録 0 タンボラ火山 ( インドネシア・スンパワ島 ) わん 田年の大噴火は史上最大といわれている。 はくはつおん えんは。う かさん一よい 爆発音はし 700 遠方まできこえ , 火山灰のた めに 500 はなれたところでもまっ暗になっ た。この噴火で 2 , 400 あった山は , 直径 6 深さ 700 の巨大なカルデラとなった 噴火で 92 , OOO 人もの人が死んだ。 ロクラカトア火山 ( インドネシア・スンダ海峡 ) かざんはい 絽 83 ~ 絽 84 年の大噴火でふきだした火山灰は ねん力、ん 70 ~ 80 の言さにのばり , 地球を 2 年間にわ せかいてき たってまわった。このため世界的な気候不順 はくはつ をおこした。このときの爆発でおきた津波は 高さ 20 にもなり , まわりの島じまをおそっ たために , 36 ′ 4 ロ人もの人びとが死んだ。 につは・ん ぶ、くしまけん 磐梯山 ( 日本・福島県 ) めいし ねん 絽 88 年 ( 明治幻年 ) , とっせんおきた水蒸気 ーまくはつ 爆発のために山の 3 分の 2 がふきとばされた。 このとき流れた土砂でⅡの村がうまり 460 人 が生きうめになって死んだ。また土砂で川が せきとめられ , 多数の湖ができた につ : i•ん 椄島 ( 日本・鹿児島県 ) わん 四年 ( 大正 3 年 ) の夫噴火は , 山の中履を ようかん さいて , 20 億トンものラ容岩がでてきた。 , ようカ【ん おおすみはんとう 溶岩は大隅半島と島のあいだをうめつくし , 椄島は陸つづきになってしまった。ふもとの かざんはい 多くの府むらが火山灰でうもれた。 ししようさーーたい ひと ねん ひと If んだいさん わん すいしようき みすうみ しまけん ねん おお ばくはっ とめ湖の一つ , すがた 檜原湖からながめた姿。 會爆発のあとがなまなましい磐梯山。せき はんだいさん
うえ 會火口の上に走るいなすま。これは , ふきあげられた かさんばい 火山灰が落下するとき , かさんばい 発の初期によくみられる。 ばくはっ ふんえん はし いろ かんが 火山灰とすれちがってできると考えられている。爆 新たに火口からふきあがる あら ↓噴煙の色は爆発をかさねるうちにうすくなってくる。 會たびかさなる爆発で火山灰をか かさんはい ぶったふもとの木の葉。火山灰 は爆発のさいにふきとばされる 岩石のくだけたこなや , マグマ かんせき のしぶきからできた岩石のこま かざんばい はくはっ 力、し、 - つ かんせき はくはっ
めいしようカ { んリゅう 明治ラ谷石莎しの一一音 5 。絽 84 年 め、、し ねん ねん ~ 絽 85 年 ( 明治ロ ~ 絽年 ) 。第 / ようがん た、、」、んか なが の大噴火でう充れでたラ容岩は ひかくてき なカー しれるな、 : = ま、 比較的やわらかく , さいに なわをよじったり , かたら たわらをかさねたような形 になってのこった いち 一火山のつくりだした地形 「な球の長い歴史からみると、多くの火山が ちか せいめい 地下からもたらしたいろいろな物質は、生命 はんえい よ、つかん の繁栄の舞台をつくってきました。溶岩や火 ざんばい だいち たいき す・いじよう」 ガスや水蒸気は大気や ' 一一山灰は大地をつくり、 、つみ かんが 海をつくってきたと考えられています。 とち かざん 一三 ~ しかし火山が「く「た土地は、一方では雨 かたち ) ( 一 ' ) 風によってけすられて、形をかえていきます。 やくひやくまんねんまえ しまから約百万年前にたん 諏訪之瀬島は、、 かんか ごなんど 生したと考えられています。その後何度もは ふんか あめかぜ げしい噴火をくりかえし、一方では雨風にさ かたら げんざい らされながら現在の島の形ができてきました。 しま かざんかつどう 島のいたるところに、火山活動によってでき たとくちょうのある地形がみられます。 しよう かせ っぽ、つ ふっしつ っ工、つ あめ
たい : よくはつ あさまやまはくろく おにおした ようかんリゅう ねんてんめい なが ねん 會浅間山北麓の鬼押出し溶岩流。 ロ 83 年 ( 天明 3 年 ) の大爆発のときに流れでた ようかん なカー ねばり気のあるラ容岩は , 冫ルれるうちにごっごっした大きなかたまりになった。 ひし一う力、さんたん かま ↓火口付近のパン皮状火山弾 ↓お釜とよばれる火口の中。直径約田 0 の ようかん ホットケーキのようなラ容岩が横たわる。火 表面から早く冷えかたまるの ロの深さは溶岩の上昇とともに変化する。 で , 表面にわれ目ができる。 おお ねばり気の多いラ容岩に多い。 ら一つけ、、やく ひ : うめん はや ひ : うめん おお ようかん