不斗学のアノレ / ヾム 53 火山は生きている ・著者 あおきあきら 青木章 ー発行者 岡本雅晴 ・印刷 株式会社精興社 ・写植 株式会社田下フォト・タイプ ・製本 中央精版印刷株式会社 ・発行所 あかね書房 1 9 9 0 火山は生きている 青木章 N D C 453 1990 年 9 月発行 電話東京 ( 263 ) 0641 ( 代 ) 101 東京都千代田区西神田 3 ー 2 ー 1 株式会社あかね書房 54P 23X19 。 m ( 科学のアルバム 53 ) ■表紙写真 いすおおしまみはらやま 溶岩をふきだす伊豆大島三原山 ようがん ■裏表紙写真 ① ⑤ かえん ふんえん ② ③ ④ あそさ人なかたけ ⑥ ◎ 1977 Printed in Japan 著者との契約により検印なし 8340 ー 12153 ー 0027 ①火炎ましりの噴煙をあげる阿蘇山中岳 すわのせしまおたけ ②噴煙をあげる諏訪之瀬島御岳 さくらしまみなみたけ せきわっげんし : う ③赤熱現象をおこした桜島南岳 A 火口 に、、がたイ 4 やま すいし : うき ④はげしく水蒸気をあげる新潟焼山 ⑤カルデラに水をたたえた周 せいそうかさん めあかんだけ ⑥成層火山の雌阿寒岳 ( 左 ) と阿寒富士 ( 右 ) ー扉写真 噴煙をあける桜島南岳 ・目次写真 諏訪之瀬島御岳火口
かざんかんそくしよ あそさん 會阿蘇山にある火山観測所。 , こでは火山 かざん 活動によっておこる地震や地形の変化を 力、つどう しらべて , す あ が と る か、 あ も に カゝ す わ 地ち 土と て っ た し に る かざん カつどう 火山の活動をみはっている。 は、 の 噴 が お る 力、 み お を て ク ) れ ら を 火ゕ科かが 学 的 し ら る と よ て い ど の い て ノ ク し て い る よ な も の で す ま た マ グ マ カゞ の ば つ て ん ば ん お り ま す れ は 地ち 下か の マ グ マ カゞ へ よ っ と 噴オれ 火かる 間まな 火かし 努どを 火ゕカ 少 ! 現 火かれ 地ちに 噴科ゕ さあ た と ば 浅を 山 の よ っ な 山え て、 噴え の 月リぇ 表小をす さ し ) 地じ 震 が 大鶚 き く な ら い よ っ に カゞ づ ら て ま し め し そ っ な 山え し ら べ て し で 火ゕ ノくい あ と お そ ろ し ) 火力 で す が 在ミ で - 子・く せカ式、 かざんさいがい きろく 0 世界のおもな火山災害の記録 0 タンボラ火山 ( インドネシア・スンパワ島 ) わん 田年の大噴火は史上最大といわれている。 はくはつおん えんは。う かさん一よい 爆発音はし 700 遠方まできこえ , 火山灰のた めに 500 はなれたところでもまっ暗になっ た。この噴火で 2 , 400 あった山は , 直径 6 深さ 700 の巨大なカルデラとなった 噴火で 92 , OOO 人もの人が死んだ。 ロクラカトア火山 ( インドネシア・スンダ海峡 ) かざんはい 絽 83 ~ 絽 84 年の大噴火でふきだした火山灰は ねん力、ん 70 ~ 80 の言さにのばり , 地球を 2 年間にわ せかいてき たってまわった。このため世界的な気候不順 はくはつ をおこした。このときの爆発でおきた津波は 高さ 20 にもなり , まわりの島じまをおそっ たために , 36 ′ 4 ロ人もの人びとが死んだ。 につは・ん ぶ、くしまけん 磐梯山 ( 日本・福島県 ) めいし ねん 絽 88 年 ( 明治幻年 ) , とっせんおきた水蒸気 ーまくはつ 爆発のために山の 3 分の 2 がふきとばされた。 このとき流れた土砂でⅡの村がうまり 460 人 が生きうめになって死んだ。また土砂で川が せきとめられ , 多数の湖ができた につ : i•ん 椄島 ( 日本・鹿児島県 ) わん 四年 ( 大正 3 年 ) の夫噴火は , 山の中履を ようかん さいて , 20 億トンものラ容岩がでてきた。 , ようカ【ん おおすみはんとう 溶岩は大隅半島と島のあいだをうめつくし , 椄島は陸つづきになってしまった。ふもとの かざんはい 多くの府むらが火山灰でうもれた。 ししようさーーたい ひと ねん ひと If んだいさん わん すいしようき みすうみ しまけん ねん おお ばくはっ とめ湖の一つ , すがた 檜原湖からながめた姿。 會爆発のあとがなまなましい磐梯山。せき はんだいさん
火山は生きている 0 料学のアルハム
0 不斗学のアノレノヾム 火山は生きている 青木章 あ力、ね書房
かいしよう 4 」い・カし 海上からみる諏訪之頼島は、大海にうかぶ かたち クジラのような形をしている。そのからだ ふんえん しっカ , ん からは噴煙や溶岩をふきあげる。島のもっ たか おたけ とも高いところが御岳 ( 七九九メートレ。 すわのせしま かざんはくふつかん 生きた火山博物館、諏訪之瀬島 あお うみ 九州の南海上に、青い海とサンゴ礁に かざんとう すわのせじま かこまれてうかぶ火山島、諏訪之瀬島。 とうだい この島には「東シナ海の燈台」とよばれ、 かつどう かざん もう長いあいだ活動をつつけている火山 4 わ」十・ があります。島の中央にそびえる御岳が その山です。 おたけふんか 御岳の噴火は、規ばこそ小さいですが、 ふんか につばん さかんに噴火をくりかえす、日本でもっ かつばっ かざん とも活発な火山の一つです。 しま かざんかつどう この島では、火山活動によっておこる " けしよう めすらしいエ象をたくさんみることかで かざんはくぶつかん 丿 ) きます。それは、生きた火山博物館です。 しようり ) 、 では、島に上陸してみましよう。 きゅうしゅうみなみかいしよう やま ひがし ちゅうおう すわのせしま しよう
* もくじ かざんはくよっかん 生きた火山博物館、諏訪之頼島・ 6 か , 」、つ しすまりかえった火口・ 8 ていきびん うごきだした定期便・ 力、 ) 、つ - は′、、はっ 爆発ーー火口のそうじ・ てぐち ひらかれたマグマの出口・ よ、つカん ふきだす溶岩・絽 かお ふたたびやさしし彦 ( 地底からのたより・ かざん 火山のつくりだした地形・ すわのせじま
・動物 ・虫 ・植物 全 100 巻 ( + 別巻乙巻 ) たねから ②モンシロチョウ ⑤ライオン ⑩アサガオ たねまで ⑦アリの世 界 ⑧ニホンサル ⑩食虫植物のひみつ ⑨カプトム 全 シ ⑩野生ウマの生活 ヒマワリのかんさつ ⑩アカトンボの一生 ⑩カエルのたんじよう のイネの一生 76 国 サ学 の 生 ⑩海のさかな ⑩高山植物の一年 ⑩セ ン校 ウ ⑩野生ゾウの世界 ①サクラの一年 ⑩アケハチョ ケ図 のミッパチのふしき カニのくらし ⑩へチマのかんさつ イ書 ⑩サポテンのふしぎ ⑩いそべの生物 ①トノサマパッタ 児館 ⑩リンゴくだもの ⑩ニホンカモシカ ⑩クモのひみつ のひみつ 童協 ⑨サンゴ礁の世界 ⑩ックシのかんさつ ⑩アシナガバチ 出議 貝 ①キノコの世界 ⑩海の ⑨カマキリのかんさつ ⑩ムササビの森 たねのゆくえ ⑩鳴く虫の世界 文推 まゆから ⑩コケの世界 ⑩カタッムリ ⑩カイコ まゆまで 化薦 @ジャガイモ ⑩モリアオガ工ル ①テントウムシ ⑩工ゾリスの森 ⑩クワガタムシ ①植物は動いている 大基 ①シカのくらし ⑩カミキリムシ 水草のひみ つ 賞本 ⑩ネコのくらし 紅葉のふしぎ ホタル光のひみつ 受図 ⑩ヘビとトカゲ ⑩ムギの ⑩オオムラサキ 生 ⑩高山チョウのくらし ⑩森のキタキツネ ⑩ュリのふし ぎ 、、色と形の ⑨サケのたんじよう ⑩昆虫のふしき ⑩ドング リ ひみつ ①ギフチョウ @花の色のふしぎ ①コウモリ ①水生昆虫のひみつ ⑩カメのくらし ・天文 ⑩メダカのくらし ・鳥 ①月をみよ ①ヤマネのくらし ④星の 生 ⑩ペンギンのくに ⑩ヤドカリ ⑩太陽のふし ぎ ⑩シラサギの森 ・地学 @星座をさがそう タンチョウの四季 惑星をみよ ③雲と天気 わたり鳥のひみつ つ ⑩星雲・星団をみよう ⑥きようりゆう ①ライチョウの四季 星ほうき星 ⑩彗 ⑩しようにゆうどう探検 ①ッパメのくらし のひみつ 生 ⑩惑星の探検 ⑩雪の ⑩たまごのひみつ ①流れ星・隕石 ⑩火山は生きている ⑨ウミネコのくらし 水めぐる水のひみつ @フクロウ ( ⑩塩海からきた宝石 ⑩カラスのくらし ・別巻 ⑩氷の世界 ⑩キツッキの森 夏休み昆虫のかんさつ 夏休み植物のかんさつ ⑩鉱物地底からのたより ⑩モズのくらし 四季のお天気力、んさつ ⑩ハヤプサの四季 少漠の世界 四季の野鳥かんさつ 科学のアルバム
ようかん すかた 火山は地球内部の のぞき窓です 火口の底からは、 地球の鼓動、 地球の息吹が きこえてきます。 ・火口の底に姿をみせた溶岩。はげしく ふきだすガスやほのおは , 地球の生き ていることをおしえてくれる。 ( 桜島 み : みだけェイカ、 南岳 A 火口 ) ちきゅう かさん かこ、っそこ ちきゅう ちきゅうない こど、つ
・あどがき か一」、つ かざんかんそく わたしが諏訪之瀬島の火口で火山観測をはじめてから、今年でもう十年目に かざん か一」う かざん うちがわ すがお なります。ふもとからながめる火山とはちがい、火口の内側には火山の素顔が ひょうじよう か、ヤっ ひと あります。火口はおこったとき、やさしいときなど、まるで人の表情のように、 へんか たえす変化しつづけています。 か一」、つ 火口をのぞきこんでいると、こわいこともたくさんあります。けれども、火 こう かんどう ロでくりひろげられるドラマは、こわさをはるかにうわまわる感動となって、 か一」、つ わたしを火口にくぎつけにしてしまいます。いまでは、火口はわたしにとって、 なっかしい友だちにみえるのです。 ざんねん じー ) んけい かんそくきぐ 残念なことに、わたしには地震計のような観測器具がありません。そのかわ じぶん カ びんかん かんそくき 、自分の目や耳、鼻、つまりからだのすべてが敏感な観測器のつもりで、火 ざん かざん 山とむかいあっています。これからも、このようなからだを通しての火山との つきあいは長くつつくことでしよう。 ほん すわのせじま かごしまだいがく たかはしてつやくん この本をつくるにあたり、 諏訪之瀬島のみなさま、鹿児島大学の高橋哲也君 かんしゅう とうきようこうぎようだいがく おさかじようよせんせい にはお世話になりました。また東京工業大学の小坂丈予先生には監修をしてい あっ れい しよばうおかざきっとむ ただき、厚くお礼を申し上げます。おわりに、あかね書房の岡崎務さんには、 みどうよう わが身同様にお世話をいただき、ありがとうございました。 あきら 青木章 一九七七年早春 せわ ねんそうしゅん とも すわのせじま め みみはな せわ ーマっ あ 力、」、つ 、」とし つう あおき ねんめ カ
きよだい ようこうろ よる ←巨大な溶鉱炉のような夜の火口の ようカ ' ん たいち 内部。溶岩がふきだし , 大地がで かざんだん きる。ふきあげられた火山弾や溶 りうせい 岩の破片は , 流星のようにあたり そと にふりそそぎ , ときには火口の外 すうよう へとびちる。噴火は数秒おきに 一日数千回におよぶことがある。 ふんか にちすうせんかい かざん 力、えい よる ↓夜の火山の上空をいろどる火映。 力、えい 火映はマグマのかがやきが , 火口 げんしよう しようくう ふんえん 上空の噴煙にうつってみえる現象。 しせんとうたい ひがし まさに東シナ海の自然燈台 ふさわしい。 しようくう