← 八月。岬にはヒオオキの花が咲きみだれます ノしくらいの雨なら、へいきです がっ みさき あめ 野生ウマの一年ーー : 夏 なんごく なカ 都井岬の梅雨は、南国らしい長 くしとしとつつく雨です。 生まれたばかりの子ウマにとっ きせつ て、一ばんつらい季節です。びし さむ よぬれになり 寒さのために死ん でしまう子ウマもいます くる 苦しく長い梅雨がすぎると、暑 なっ い夏かいっきにやってきます うみ 海からのすすしい風をもとめて、 おか ウマたちは丘のてつべんにやって きます。もっとも、台風がやって 、い、つノて / 、 きて、風速六、七十メートルの 風雨のときは、林に逃げこみます の、 、つ、つ みさき っゅ っゅ はやし あめ かせ あっ よ、つ
梅雨ーー六月になると、長雨がつづきます。ウマた ちは、少しぐらいの雨や風はヘいきです。しかし、生 っゅ さむ まれた子ウマたちにとって、梅雨の寒さはきびしいも のです。弱い子ウマは、たいていこのとき死にます。 夏ーーあつい南国の夏がやってくると、ウマたちは 第三、ま飃がすすしい丘のて「べんにのば「て休みます。アプ 「忘 ( 、第礬【水をのむときは、群れ れつ みす んは一列になって水クレに情 みす 、じでかけます。水クレにつる 」くと、先豌のウ「からし " ノ〉、、を、一 ~ 一 ) ) ゅん番に水をのみ、のみ麝 . , 再、をクおわるとつぎのウマにゆ ど・一い てすります。そして、さきま なにいってたちどまり、み ' んながのみおえると、ふ れつ おか れたたび一列になって、丘 。・をのばってゆきます。 はん なっ よわ がっ あめかせ なっ ひょう一干ん あいしよう ながあめ
オオカ 野生ウマの一年ーーー春 オキナグサの花が咲きはしめる はる と、都井岬に春がやってきます。 芝が芽ぶきはしめると、林のな かで冬をすごしてきたウマたちは、 いくつかの群れにわかれて、どっ と「ばにでてきます。 子ウマが生まれ、群れのなかの はる ボスあらそいかおこり、春はとて きせつ もにぎやかな季節です。 また、おすウマはめすウマや子 まよっ ウマを守るために、ほかのおすと 戦います。群れどうしのなわばり あらそいも、ときにはあります は みさき はやし しゆっさん 五月になると、ウマの出産もおわりちかく、 ′、さ ウマたちはのんびり草をたべてすごします。 オ の が 可彦ツ気第 ら く と で は 20
野生ウマの一年ーー春・ やせい 野生ウマの一年ーー夏・ やせい ふゅ 野生ウマの一年ーー秋そして冬・ やせい しゅうせい 野生ウマの習性・ 群れとポス・ ポスのあらそい やせい 野生ウマのべんじよ・ 日本のウマ・ やせい 都井岬の野生ウマ・ 岬のウマ地図・ せいらよう 野生ウマの成長・ ホスのこうたし・ 4 やせい 野生ウマのちえ・ あとがき一・ みさき イラスト / 渡辺洋二 につばん やせい みさき ねん ねん ねん はる なっ き
・動物 ・虫 ・植物 全 100 巻 ( 十別巻乙巻 ) たねから ②モンシロチョウ ⑩アサガオ ⑤ライオン たねまで ⑩食虫植物のひみつ 界 ⑧ニホンサル ⑦アリの世 ⑨カプトム シ ⑩野生ウマの生活 ヒマワリのかんさつ 全 ①イネの一生 ⑩カエルのたんじよう ⑩アカトンボの一生 ' 76 国 ⑨高山植物の一年 生 ⑩海のさかな サ学 の ⑩セ ン校 ①サクラの一年 ウ ⑩野生ゾウの世界 のアゲハチョ ケ図 ⑩へチマのかんさつ のミッパチのふしぎ @カニのくらし イ書 ⑩サポテンのふしぎ ⑩いそべの生物 ①トノサマパッタ 児館 ⑩リンゴくだもの ⑩ニホンカモシカ ⑩クモのひみつ のひみつ 童協 ⑩ックシのかんさつ ⑨サンゴ礁の世界 ⑩アシナガバチ 出議 貝 ①キノコの世界 ⑩海の ⑩カマキリのかんさつ @たねのゆくえ ⑩ムササビの森 ①鳴く虫の世界 文推 ⑩コケの世界 まゆから ①カタッムリ ①カイコ まゆまで 化薦 @ジャガイモ ⑩モリアオガ工ル ①テントウムシ ⑩工ゾリスの森 ①植物は動いている ⑩クワガタムシ 大基 ①シカのくらし ⑩カミキリムシ ⑩水草のひみ つ 賞本 ⑩ネコのくらし 紅葉のふしぎ ⑩ホタル光のひみつ 受図 ⑩ヘビとトカゲ ⑩ムギの ⑩オオムラサキ 生 ⑩高山チョウのくらし ⑩森のキタキツネ ぎ ⑩ュリのふし 、、色と形の ⑨サケのたんじよう ⑩昆虫のふしき ⑩ドング リ ひみつ ①ギフチョウ ⑩花の色のふしぎ ①コウモリ ①水生昆虫のひみつ ⑩カメのくらし ・天文 ⑩メダカのくらし ・鳥 ①月をみよ ⑩ヤマネのくらし ④星の 生 ⑩ペンギンのくに ⑩ヤドカリ ⑩太陽のふし ぎ ⑩シラサギの森 ・地学 @星座をさがそう タンチョウの四季 惑星をみよ ③雲と天気 わたり鳥のひみつ ⑩星雲・星団をみよう ⑥きようりゆう ①ライチョウの四季 星ほうき星 ⑩彗 ⑩しようにゆうどう探検 ①ッパメのくらし のひみつ 生 ⑩惑星の探検 ⑩雪の ⑩たまごのひみつ ①流れ星・隕石 ⑩火山は生きている ⑩ウミネコのくらし ⑩水めぐる水のひみつ 朝フクロウ ( ⑩塩海からきた宝石 ⑩カラスのくらし ・別巻 ⑩氷の世界 ⑩キツッキの森 夏休み昆虫のかんさつ 夏イ木み植物のかんさつ ⑩鉱勿地底からのたより モズのくらし 四季のお天気力、んさつ ⑩ハヤプサの四季 少漠の世界 四季の野鳥力、んさつ 科学のアルバム
ちち イ・子ウマの年翁の見わけかた、 ほしがります。はしめて乳を飲むときは、目かよ ・・生まれてすぐ・ー・ 尾の話がちぢし 、六かーーー尾が一まだのびきって。 ( ん。 - 、 : く見えないので、をならしておかあさんウマの 一歳ーー・からだのうぶ毛がぬけ、おとなの毛かはを ちぶさ 、第乳房をさがします。 ちち ニ歳ーーー毛はかんぜんにはえかわりま : ) 、つど、つ「第 二か坪もすると、乳のほかに、やわらかい 群れとおなし行動をするよ一つになり しはすこ 三歳 , ー、ーおなじ年のなかまと、カ、ら 芝を少しすっ食べるようになります。一歳をすぎ 四歳以上ーー・もう、 下ても、弟や妹が生まれなければ、やはりウ「の くさ ちち 乳を飲んだり、草を食べます。もちろん、子ウマ は芝草だけでも生きられます。 ちら すうねん 数年まえ、三歳もすぎたウマが、乳を飲んでい つるのを見たことがあります。母ウ「は、大きくな ちち , 孑をたつぶり飲まれてしま、つので、 った子ウマに、 よそ すっかりやせ紐っていました。 群れのなかで は、子どもたちょ はおなし年に生 ' < バ , 「気籌ィまれたものどう しで、なかよく : 当。、笙まれてまもない赤ちゃ " んウマ。 あそ 遊びます。 からだはぬれています。母ウマ なめてかわかしてやります。 おとうと おお
* 野生ウマの成長 ウマの出産期は、春ごろ しといわれています。ところ か、ミサキウマはあたたか とち しゆっさんき まため、出産期も一月から八 月とはばがあります。その 一がなかでも、いちばん多く生 まいねん す。毎年、十五、六頭生ま 生まれたばかりの子ウマ ころ ドは、野大に食い殺されたり ながあめ 梅雨の長雨のときに死んだりして、生きのこるのは十頭ぐらいです。毎年、死 おな かす おお んでゆくウマも同しくら ) しいます。生まれる数より、死ぬのが多いときもある すこ ので、岬のウマは長いあいだのうちに、少しすっへってきました。 じかん 子ウマは、生まれて一時間もすると、歩きはしめます。そして、すぐに乳を みさき なが がっ やけん しゆっさんき がっ がっ と、つ、つ おお よる がっ
呂、之浦 ー・、ひうかなた 日向灘 第↓第一第 ←串問へ といみさきとうだい 都井岬燈台 Li2 やま 扇山 1 らい ・くみんいくしゃ あリあけわん 有明湾 といみさきちす 都井岬地図 たにがわ ・谷川の「水クレ」 ・「タチノヾ」 しるし - ・印ば一〒水レ」のある鷸所 みす あいよう を、大いに愛用しています。 あさひ ウマたちは、朝日がのばると、ね どこの林から、丘にのばり、芝を食 みす みす 水がほー ) ノなると「水クレ」に 出かけてゆくのです。 はやし
* 岬のウマ地図 みさき た、、へ、、よう 太平洋 こまつがつじお ) ぎやま 岬のなかで、ウマたちがよく集まるところは、小松ケ辻と扇山とよばれるふ くさ おか たつの丘です。丘にはウマたちのすきな草がたくさんはえています。しかし、 きけん 危険がせまると、ウマたちは林のなかににげてしまいます。 はやし ) くつもあります。これはウマ オのなかには、「タチハ」とい、つところかし あんぜんちたい たちの安全地帯です。 みす みす 「水クレ」とよばれるウマの水のみ場も、 いゆしせし てけ 殺か たんか しサさら はめし野や ほのて大まウたろ ろ をだマりが んすウ退をまは でみマ治しだ天ー少 ! 落ぉ いよたしし然しち ついちたっ記きすて て場ばがりか今ね . し、ん一つタヒ し所し り物ぢへん まを う作んをた 指してり でった走保ほ定こき してちる護こさた野や よやだ自しをれの大 うらけ動与・うてでに なで車けいすお け生、、をてま そ れき匍にいす わ ばて限ま れ やせい みさき ・岬には野生のニホンサルもいます。 珱、お豆第のきぃ みささ みささ はやし いくつかあります。これは、人間か たにがわ 作ったものです。ウマたちは、谷川 みず みすすく の水が少ないので、この「水クレ」
みさきまきば ねん あきづきはん げんろくねんがっ ミサキウマは、元禄十年八月 ( 一六九七年 ) 、秋月藩が都井岬に御崎牧場を作 ノ、しまちほ、つ あきづきはんぐんば ったのがはしまりです。そのころ、串間地方には、秋月藩の軍馬をそだておぎ まきば なうために、たくさんの牧場があったといわれています。 まきば ひと めいじねんがっ 明治七年十月、都井にすんでいた人たちの手にこの牧場がわたったときには、 と、つ メス一一七頭、オス六頭ものミサキウマがいました。それか、エ在では、わす か五十頭ほどになってしまいまー ) た。 すぎぞうき みさき ぜっぺき たいへいよう 都井岬は、太平洋につきでた、絶壁だらけの半島です。半島は、杉と雑木の 、でおおわれています。 一たわすか、小松辻と、扇 おか 山という丘だけが、「 けばになっています。こん ・なわけで、ウマたちはが * 都井岬の野生ウマ あめかぜ じゅみよう 雨や風にあたってもへいきです。寿命もふつうのウマよりながく、二〇歳すぎ ても、子ウマを生むことができます。 かちく ろ、つじんはなし とち 土地の老人の話では、家畜として使っていたころ、四〇歳まで生きたウマが いたということです。ウマの四〇歳は、人間でいえば、百二十歳くらいにあた ります。 つか はんと、つ ひやく はんと、つ みさき