一九三〇年東京に生まれる。中学時代から 晃写真に興味をもち、のちに毎日新聞社に入社。 は - つどう かつやくざいしやらゆう ~ 。報道カメラマンとして、活躍。在社中、報 道的な角度から生物写真を多く手がけ、毎日 グラフ、サンデー毎日、カメラ毎日等に、す みりよう ぐれた写真を発表し、読者を魅了した。 たいしゃ 一九六三年、毎日新聞社を退社し、フリ ライセンスのカメラマンとして、動物写真の ていひょう 第一人者の定評をかちえている。 そくせき その足跡は、アフリカ、インド、オースト ラリア等世界各地にわたっている。 主著に「カメラ動物記」「ライオン」がある。 現住所東京都中野区本町五の一一〇の四
科学のアノレ′くム 17 野生ゾウの世界 ■著者 いわこうとくみつ 岩合徳光 ■発行者 岡本雅晴 ・印刷 株式会社精興社 ■写植 田下フォト・タイプ 中央精版印刷株式会社 ■発行所 株式会社あかね書房 101 東京都千代田区西神田 3 ー 2 ー 1 電話東京 ( 263 ) 0641 ( 代 ) 1990 年 9 月発行 ◎ 1972 Printed in Japan 著者との契約により検印なし NDC489 岩合徳光 野生ゾウの世界 あかね書房 1 9 9 0 54P 23X19Cm ( 科学のアルバム 17 ) 8340 ー 1 21 1 7 知 027
・動物 ・植物 ・虫 全 100 巻 ( 十別巻乙巻 ) ⑩アサガオたねから ②モンシロチョウ ⑤ライオン たねまで ⑩食虫植物のひみつ ⑦アリの世 界 ⑧ニホンサル 全 ⑨カプトム シ ⑩野生ウマの生活 ヒマワリのかんさつ ①イネの一生 ⑩カエルのたんじよう ⑩アカトンボの一生 ' 76 国 ⑨高山植物の一年 生 ⑩海のさかな の サ学 ⑩セ ①サクラの一年 ン校 ウ ⑩野生ゾウの世界 @アゲハチョ ケ図 ⑩へチマのかんさつ のカニのくらし のミッパチのふしぎ イ書 @サポテンのふしぎ ⑩いそべの生物 ①トノサマパッタ 児館 ⑩リンゴくだもの ⑩ニホンカモシカ ①クモのひみつ のひみつ 童協 ックシのかんさつ ⑨サンゴ礁の世界 ⑩アシナガバチ 出議 貝 ①キノコの世界 ⑩海の ⑨カマキリのかんさつ ①たねのゆくえ ⑩ムササビの森 鳴く虫の世界 文推 @コケの世界 まゆから ⑩カタッムリ ⑩カイコ まゆまで 化薦 @ジャガイモ ⑩モリアオガ工ル ①テントウムシ ⑩工ゾリスの森 ①植物は動いている ⑩クワガタムシ 大基 ①シカのくらし 水草のひみ ⑩カミキリムシ つ 賞本 ⑩ネコのくらし ①紅葉のふしぎ @ホタル光のひみつ 受図 ⑩ヘビとトカゲ ⑩ムギの 生 ⑩オオムラサキ ⑩高山チョウのくらし ⑩森のキタキツネ ぎ ⑩ュリのふし 、、色と形の ⑨サケのたんじよう ⑩昆虫のふしき ⑩ドング リ ひみつ @花の色のふしぎ ①ギフチョウ ①コウモリ ①水生昆虫のひみつ ⑩カメのくらし ・天文 ⑩メダカのくらし ・鳥 ①月をみよ ①ヤマネのくらし ④星の 生 ⑩ペンギンのくに ⑩ヤドカリ ぎ ⑩太陽のふし ⑩シラサギの森 ・地学 星座をさがそう のタンチョウの四季 @惑星をみよ ③雲と天気 ⑩わたり鳥のひみつ ⑩星雲・星団をみよう ⑥きようりゆう ①ライチョウの四季 ⑩彗星ほうき星 ⑩しようにゆうどう探検 ①ッパメのくらし のひみつ 生 ⑩惑星の探検 ⑩雪の ⑩たまごのひみつ ①流れ星・隕石 ⑩火山は生きている ⑨ウミネコのくらし ⑩水めぐる水のひみつ 朝フクロウ ⑩塩海からきた宝石 ⑩カラスのくらし ・別巻 ⑩氷の世界 ⑩キツッキの森 夏休み昆虫のかんさつ 夏休み植物のかんさつ ⑩鉱物地底からのたより ⑩モズのくらし 四季のお天気力、んさつ 砂漠の世界 ⑩ハヤプサの四季 四季の野鳥かんさつ 科学のアルバム
ひやくねん 0 0 ・あとがき どうぶつえん ばんにんきもの ゾウは、動物園でも、一番の人気者です。絵本や童話にも、しばしば、えが かれていて、日本でもすいぶん親しまれています。大きなからだ、やさしそう せいか′、 な目、おとなしい性格ーーーーそのようなゾウは、みなさんも大好きでしようね。 おやこ あいじようふか なかま ゾウは、親子の愛情が深く、仲間どうしで助けあい、けっして争うことがな てきあら ゅうかん せいかっ じぶん く、自分たちをする敵が現われたときは勇敢にたたかいます。ゾウの生活に みなら は、わたしたち人間が見習わなければならないことが、たくさんあるようです。 しかし、人はゾウに対して、これまで、どんなことをしてきたでしよ、つか。 ちきゅうじよう すうひやくまんとう かす むかし 百年ほど昔には、地球上のゾウの数は、数百万頭をこえていました。ところが、 とうなん まんとう 今ではアフリカに数十万頭、東南アジアに五万頭がいるにすぎなくなりました。 、つ ぞうげ たか 狩猟をたのしむために、あるいは象牙をとって高く売るために、人間は、た ころ むけいかく しぜんかいはっ くさんのゾウを殺してしまいました。無計画な自然開発のため、ゾウのすむ場 と くさき カ や 所がだんだんせばめられ、食物としてたいせつな草木が刈り取られ、焼きはら かな われてきました。ゾウは、今や、ほろびようとしています。悲しいことです。 ふかゆ、つじよう ちじようさいだい どうぶつ ほろびようとしている、地上最大の動物ゾウに対する、深い友情をもって、 しやしん つづ わたしは、ゾウの写真をとり続け、こうして一冊の本にまとめてみました。み あたたかめ しぜん いわごうとくみつ なさんも、盈い目と心で、自然のゾウを見てあげてください 岩合徳光 しゆりよう につーん すうじゅうまんとう こころ しよくーもっ した たす えほんどうわ さつほん おお だいす あらそ
アフリカゾウ 大きさ 体高 = 3 ~ 4 m ぜんらよう 全長 = 6 ~ 7 m 重さ 5 ~ 胸と腰がもりあがっている。 背中の形 頭 たいらになっている。 かくけい 耳三角形。 アジアゾウ 大きさ 体高 = 2.5 ~ 3 m せんらよう 全長 = 5 ~ 量さ 4 ~ せなかかたら 背中の形まるい。 頁こぶがふたつある。 ちい 耳小さく四角形。 おお おも む かくけい 0 じよう一 f さき 上下がっきでている。 鼻の先 うえ さき はな 鼻の先上だけがつきでている。 みじか キ / ヾ短い。めすはみえない。 長い キバ 下くちびる 長くたれさがっている。 ひづめ 箭寔 = 5 後ろ足ー ー 4 たれ下がっていない 下くちびる ひづめ 前足 = 4 覆ろ跫 = 3 ~ 4 先言 ウ 出でア リ 中 の た は ゾ 鼻カ 央弩両碆 の 大ア ば ま ま と 種 つ 現 上舅 け ゾ は あ ば た 耳 き フ す ウ 類いア 在ミ が の 形カ で 下げ り の へ し 体をで フ し ) 物 が 鼻も 形す に は リ が カ 地ち を ん 丸き 出で さ 角 な の ち ゾ 球 た ア の カ 取と い 先言 ン 形 で く く 形ウ 大鶚 ゾ 上舅 カゞ い ふ つ み 出でア る っ ら を き の て た ウ で に の っ ゾ 正舅四 す と す 耳 な て に つ 面 角 ? が ウ い な ま ば ち を は ア ん が あ す に ま か ア が 比ひ の つ ン で だ す で り て フ い 較 て が で ア ら ひ し、 き な は ン し ま 鼻カ し ア ま 見みて ウ ゾ ア ア て が よ す ゾ ン す そ 力、 ら の め の ウ フ み まえあし あたま 0 52
0 第ゾウの長い鼻は、上くちびると鼻が発 、ったっ 達したものです。バネのように、のびちぢみ はしませんが、まいたり、のばしたりできま をす。しようずに物をからめ取り、人間の手と みず はなあな おな も同じような働きをします。また、鼻の穴に水 つをすいこみ、ロにそそぐこともできます。 おと とお みみおお 0 耳大きな耳は、遠くの音をすぐに聞きわ けます。うちわのように飃を送「たり、虫を 手はらいのけることもできるのです。 もんし 門歯が大きくなったもので、敵を倒 ・キバ ぶき のすための、りつばな武器です。めすよりも、 會おすのはうが長いキバをもっています。 くちなか はな はたら くち みみ もの おお うわ てき はな たお
* ゾウのからだ 0 アジアゾウのからだ おどろ 大きなからだをしたゾウは、動きがにぶいように見えますが、いざとなると、 驚くほど、すばやく動きますし、すごいスピードで走ることもできます。から かくぶぶん だの各部分も、ちゃんとした生活ができるように、くふうされているのです。 おお せいかっ
らようしよく のし地 わて たもは みち′ にち かわいけ みすの 水飲み場 ( 川や池など ) で , みす 親字よく水あび。 おや ゾウのリ 日とゾウの道 せん 午前・ 嶄し飲み場と , 草木の 0 をもとめて , す るとこ ずしい「移動する。 字ゾウのまわりをうろっく ライ茅ン。おすゾウがキパ き , いならう . あさ い日中は , 木かげで立っ たままひるねをする。 いどう る夜 ちルう ひる えさの鞏をて歩く 歩いたあとは , ゾウが できている。 ある 午後 ゆうカ { た 夕方
・ゾウの墓堺 したい ゾウの死体は、めったに発見されることが しありません。そのため、死ぬ時期がせまった 、ををを存 / ウは、ひとり、むれをはなれて、どこか秘 〕函第当既ま みつ 密の場所で、こっそりと死ぬのではないかと、 ひと しん むかし 昔から人びとに信じられてきました。 ひみつ さが 一」 ~ 第一 ) ゾそのような秘密の場所「ゾウの墓場」を探 おお るし出そうと、多くの人間が努力しましたが、 を 1 。をな墓場を見つけることができれば、たくさんの 第、、つ - け - おおがねも 、。、 , 、 3 一説象牙を、ひとりじめにでき、たちまち大金持 會ちになれるでしよ、つね。 でも、ゾウの墓場などは、しっさいに存在しないことがわかりました。 したい ど、つなってしま、つのでしよ、つか。 それでは、ゾウの死体は、いオし びようき ひじように年をとったり、病気やけがでからだが弱ったりして、むれといっし もり こ、つどう ょに行動をとれなくなったゾウは、たったひとりで、静かな森のなかや、かよい したい なれた水飲み場に行って、そこで死んでいきます。そして、死体はくさり、ゾ ほね ウの骨はもろいので、すぐにくすれて、あとかたもなくなってしまうのです。 みずの はかば そんざい はつけん はつけん ) りよく
わか の十二、三オになると、ゾウはもう、りつば せいちょう 4 「一房 0 おなおとなだと【えます。しかし、まだ成長は おお すとまっていす、からだの大きさと体重は、そ ~ 生のあとも、少しすっふえていきます。 かぞく ねんれい この年令になると、おすは家族からはなれ、 』外むれのまわりで生活するようになります。 ろう が働きざかりといえます。それ以上になると、 よわ ちゅうしん いミゾゾウのむれは、めすの老ゾウが中心になっ せんとう いこています。移動するときに、むれの先頭をき きけん るのもめすの老ゾウです。もし危険がせまっ たら、あとについてきたおすたちのむれが、 てきふせ せんとう , 「、こ耳かわ「て先頭に立「て、敵を防ぐのです。 , ッきまた、おすの老ゾウのなかには、むれをは 、第い , を會なれて、ひとりで生活するものもあります。 はたら 4 」いりよく どう ろ、つ せいかっ ろう せいかっ ろう いじよう たいしゅう