かぜ 風のいたずら ゆき 雪がやんだあとも、山はしばしばはげ ゆき かせ せきせつ しい風かふきあれ、積雪 ( つもった雪 ) ひょうめん よを表面からふきとばしていきます。 ゆき せきせつ ひょうめん 』ふぶきは、積雪の表面から雪つぶか、 く、っちゅう 、けんしよう 空中にふきとばされる現象です。 ゆき べっゆき とばされた雪つぶは、また別の雪つぶ れをはねとばし、つぎつぎこれをくりか、疋 せきせつ します。こんなとき、積雪の表面には、 おもいかけないもよ、つかてきます ゆき せきせつ はねとばされた雪つぶが、積雪の表面 にふつかり、これをけすったり、ほった ゆき せきせつひょう ぶりするのです。また、雪つぶは、積雪表 めん 會面をかたくかためたりもします。 やま ひょうめん ひょうめん
うひーう 雨氷。気温が高くて風がつよいと , ぶつ かった木ぎをいったんぬらし , それがっ ぎつぎにこおる。そのときとじこめられ くうき うひょう た空気が , 気ほうになってみえる。雨氷 あめ といっても雨がこおったものではない きおん きおん そひょう かたち ←歯プラシのような形をした粗氷。気温が 低く , 風がつよいときにできるため , 氷 つぶどうしのむすびつきがつよく , たい へんかたい 樹氷はの強さや気苡のちがいで、いろい かたちせいしつ ろな形や性質のものができます。 たとえば、気かく飃かよわいときには、 ェビのしつばとよばれる、もろくてくすれや じゅひょう & すい樹氷ができます。 はんたいに、気が蕋くて風がつよいとき かたくこおった雨氷ができます。 また、気か氏く、飃がつよいときには、 粗氷とい、つ、かたくとんがった歯フラシのよ じゅひょう うな樹氷ができます。 じゅひょう 医」り さらに、かわった樹氷として、霧つぶが、 ゆき ふってくる雪もいっしょにのりつけにしてで かたち ゆき きる、雪だるまのような形のものがあります。 これをモンスターとよんでいます。 そひょう 、つひょう
ゆき けっしよう かんさっ ・ふってくる雪の結品を観察しよう。 けっしよう ゅ、 おお 雪の結晶は一、 リ前後のものが多く、大きいものでは け - っしよう おお 五 5 六ミリあります。大きい結晶をみるには、虫めがね かんさっ けんびきよう でもしゅ、つぶんですか、くわしく観察するには、顕妝鏡 をつかいます。 ゆき けっしよう 雪の結晶をみることができるのは、れい度以下のとき どうぐ です。つかう道具は、かならす外気になしませてひやし ておくことです。また、はく息かかからないよ、フに。は観 たいおん だかの手では、体温がったわって、たちまちのうちに結 しよう 日かとけ・てー ) まいます % 手ぶノ \ ろを ) ー ) 年 ( ー ) よ、フ。 * 雪を観察しよう おな ゆき 白くて、みんな同しようにみえる雪にも、いろいろな かたちせいしつ すがた形、性質があることがわかりました。 ゆきぐにひと ちほう 雪国の人はもちろん、あたたかい地方にすむ人も、た ゆきひ じよう ゆき まにふる雪の日や、スキー場へいったときなど、雪をし ゆき つくりみてみましよ、つ。雪はいろいろなことを、わたし かた ゆき かんさっ ゆき たちに語りかけてくれます。さあ、雪を観察して、雪の けんきゅう 一三ロりかけてくれることばを研究してみましよ、つ。 しろ おお むし かんさつ 息がかかったり , たいおん 体温がったわらな 田 ~ 20 倍の けんび ! よう 顕・微鏡 ひと 大きな結晶は , 虫めがねでじゅ うぶん観察でき る。黒い布をは った板にうけて みるとよくみえ かんさつ めの 雪をかためてつ つくえ くった机
ま、ブッ かたひらたかし みやぎけん 一九四三年、宮城県に生まれる。 ざおう しぜんした 子どものころから、蔵王の自然に親しむ。 じゅひょう とくに、冬の蔵王をかざる樹氷のすがたにと 片りつかれ、写真をはじめてからは、樹氷を長 年にわたって撮りつづける。 んめい かいはつけが 一方、文明の開発に汚されない自然を求め ほうろ、つ て、たびたび海外にも出かけ、放浪しながら 写真を撮る。自然の中の人間の生活をテーマ にしたドキュメンタリー作品が多い 在、棒笋雑誌、報道、コマーシャル方面 かつやくらゆう において活躍中。 現住所和葉弗町七六三の四六
やりカ , たけ ひ : うがちけ、、 ←北アルプス槍ヶ岳の氷河地形。大きく ひ : うカー くばんだ谷が , むかし氷河がけすって 、できた谷といわれている。 積雪がゆっくり移動する力でおこる根 まがり。 らから い名卩 3 ー・お ? 第ン第ー こおり ゆき けっしよう 一一一て、雪の結品はだんだんまるみをおびた氷つぶになっていきます。 かたら けっしよう こおり ゆき ゆきししんおも ' ′【氷つぶになって形がくすれた雪の結晶は、雪自身の重みで下へ下 ・ゆき へとしすみ、きめのこまかいしまり雪にかわっていきます。 けっしよう しんせつ けっしよう ふったばかりの新雪は、結品と結品のあいだに九十パーセントも く、つ医」 くうき ゆき 空気をふくみ、しまり雪でも六十 5 七十パーセントが空気です。 ゆき こおり このように雪は、たくさんの空気と氷つぶでできていて、光を乱 ・はんしゃ , ? 反射するので、あのように白くみえるのです。 せきせつ せいしつゆき 積雪はしまっていくあいだに、いろいろな生質の雪になります。 ゆき 雪がしめっているかかわいているか、またやわらかいカカたいカ こおり ゆき は、雪にふくまれている氷のつぶどうしのつながりかたや、空気、 すいんりよう 。 ' 、一水匇の量がきめてになります。 せきせつ じかん へんか ひょうが 積雪や、それが変化してできた氷河は固体ですが、長い時間には、 えきたい 液体のようにふるまいます。 ゆき たとえば、しゃ面につもった雪はしよしょに下へ流れていくので、 そこにはえている木ぎには、たいへんな力がかかります。そのため、 ゆきぐにやま げんしよう 雪国の山の木ぎには、根まがりという現象がおこります。 ゆき せつけい らから たにそこ ひょうが おお また氷河や雪溪の雪は、ひしように大きな力で谷底をけすってい ューじがた くので、そのような谷の断面は、字型にほれています。 めん だんめん しろ ちから した した した ひかり
てかみ ・手紙のでどころは , どんなようすだろう ? 雲つぶ ( 過冷却水滴 ) 過冷却水滴でできた雲 ( れい下 25 度ぐらい ) 雲 - つ : かれ、、 ! を・ : す、、てき ( 過冷却水滴 水蒸気 かれい ! くす、、てき ↓↓晟長して重くな こまかいちりをしん った雪は , やが にしてできる。たい ておちていく。 へんかるいので , ほ とんどおちることな くういている ゆき おく てがみ 雪は天から送られた手紙 ゆき ふってきたばかりの雪を、虫めがねでのぞ いてみたことはありませんか。美しい花のよ うなすがたをしていませんでしたか。そうで ゆき こおり けっしよう す。雪の正体は、氷の結晶だったのです。 じよう / 、、つ さむ ゆき 雪のできはじめは、上空のとても寒いとこ すいしよう医」 ちよくせつこおり ろで、水蒸気が直接氷のつぶになったもので く、つきちゅう す。そのとき空気中のこまかいちりをしんに こおり してできます。この氷のつぶか、つめたくひ にんてかん たな・ん かれいきやくすいてき きと・しれぶやしまね やされた雲 ( 過冷却水滴 ) の中をおちてくる てだ っちとこ おお けっしようせいちょう です水がとの赤のる・ん き 十′し る、 . 氷のも ・えるあいだに、大きな結晶に成長するのです 水れ粋なあで 2 雪るて・いあ ゆき けっしよう きおんしつど カ 卩 ~ らカし力なし 雪の結品は、気温や湿度のちかいでいろい 冷 , おのられにうやど か過はこもぐこんに、灰 ゆき かたらせいらよう のぶかる』度。し〉中〉山ぶろな形に成長します。だから、雪はそれがで る。き気力火っ 空つなな じようノゝっ てがみ オ十ーくノし 上・雲かにカ下よごう きた上空のようすをしらせてくれる手紙です。 しようくう 氷つぶ かれいきャくすいてき し一うはつ 過冷却水滴から蒸発した 水蒸気が氷にくつつき , 雪の結品が成長する。水 きおん 蒸気の量や , 気温のちが かたら いで , いろいろな形の結 晶に成長する。 す、、し一うき しようたい むし なか うつく 0
0 雪の結晶に美しい六花ができるわけ 雪の結晶のもとになる氷晶は , 水 がこおるときの , 性質によって六角 ろっ力、くらう 柱になる。六角柱の氷晶がまいな がらおちてくるときには , 角の部 0 ・分がもっとも空気 . にふれやすいの す、、し : i き で , そこにたくさん水蒸気 . がこお , うして 6 つの角から , りつく。 えだがのびていく。しかし , 実際 きおん には , ・気ラ品や湿度のちカぐいで , も かたら 叫′っとふくざっな形に変化していく。 なせそうなるのかは , まだくわし 0 くわかっていない かたち ゅ」 けっしよう ろっかくけい 雪の結晶が、六角形をもとにした美しい形をしている ことは、すいふんむかしから知られていました。 まえちゅうごく ゆき けっしよう せんねんいしよう いまから二千年以上も前の中国の本には、雪の結品が ろっかくけい 六角形だということが書かれています。 ゅ医」 けっしよう せいき ヨーロッパでは、十三世紀ごろの記録に、雪の結品が せいき てんもんがくしゃ 星型だと書かれています。十七世紀には、天文学者で有 ゆき けっしよう ろっかくけい 名なケプラーが雪の結品が六角形であることに気づいて います。 えどしだい しよっつさの′、に一 ) か いばらきけん一」か 日本では江戸時代に、下総国古河 ( いまの茨城県古河 とー ) つ、ーっ けんびきよう 市 ) の土井利位というとのさまが、顕微鏡をつかってス せつかすせつ ケッチした、 「雪華図説」という本をのこしています。 ゅ医」 けっしよう けんきゅう ほんかくてき カカ / 、て医」 雪の結品の科学的な研究が本格的にはしめられたのは、 なかやうきちろうはくし こんせいき 今世紀になって、日本の中谷字吉郎博士によってです。 じんこ、ってき ゅ医」 けっしよう しつけん しぜん 博士は、人工的に雪の結品をつくる実験をして、自然 ゅ けっしようおな かたち の雪の結品と同し形のものをつくることに成功しました。 りよう しつど すいしようき おんど そして、きまった温度や湿度 ( 水蒸気の量 ) のときには、 かたら けっしよう きまった形の結品ができることをあきらかにしました。 うつく きろく せいこ、つ 、つ
てがみ 天からの手紙のいろいろ けっし : うひとくち 0 雪の結晶ーロメモ 雪の結品のふってくる速度 雪は雨にくらべるとたいへんゆっくりふって くる。ふつう上空でできて地上におちてくる まで , 約 2 時間かかる。しかし , それも結晶 おお の形や大きさによってすいぶんちがう。 大きさまたふってくる は萇さ ( ー ) 速度 ( / 秒 ) 2 : 六花型樹枝状 ) 湿与 度ど 水 ! ーかくはんしう一 蒸ま : 角板状 ! 量 く。・〇 : 柱状 : 廱角板状 る 針状 そら ゆき けっしよう かたら けっしよう そこで空からふってくる雪の結晶の形をしらべれば、その結品が しよう′、、つ 、しよう なかやはくし できた上空の気象もわかるというわけです。中谷博士は、このこと ゆきてん おく ししました。 を、「雪は天から送られた手紙」というふうに、 ちじよう じっさい ゅ、 かんさっ けっしよう しかし、実際に地上で観察できる雪の結晶は、おちてくるまでの る あいだ、すいぶん飃にされてきますから、その繪晶の形が、そく しよう / 、、つ 医」しよっ かんさっ 』度ざに観察した上空の気象だといい きることはできません。天からの てがみ 手紙は、旅をしながらおちてくるあいだに書きつづられたものです。 きおん てきたか てがみ この手紙によると、気温がひかく的高くて、湿度がひしように高 うつく ひく きおん ろっかがた いと、花びらのように美しい六花型ができ、気温がたいへん低く、 ーし ひく ろっかくちゅう けっしよう 湿度も低いと、 小さな六角柱の結晶ができることが知られています。 角柱状 かくは / 、しよう 角板状ー かたら 形 はりし : うけっし : う ①針状結晶 力、くらうしようけっし一う 圄角柱状結晶 3 砲弾集合 しゅしし : うろっか ④樹枝状六花 3 雪片 ( ボタン雪 ) あられ吟 ⑦雨 ー 30 。 C ー 25 ℃ ー 20 ℃ ー 5 ℃ 3 0 3 は たび 30 3 てがみ 0 雪の重さ ふわふわおちてくる雪は , いかにもかるそう だが , 結晶の形や大きさですいぶんちがう。 小さなもので , わすか 0 . 003 ミリグラム , 大 きなもので 0 . 3 ミリグラム。ふつう 0 . 05 ミリ おお グラムのものが多い。直径 3 ミリメートルの あられは匚 5 ミリグラムある。ーミリグラム とは一グラムのし 000 ・分の一 おお 0 0 雪の結晶の数 さかんにふっている雪は , に立方メートルに ほほ万個の結晶がふくまれている。 これを 全部あつめても 0 コグラムぐらいにしかなら しかし , これがつもりつもって , 積雪 になるとたいへんな重さになる。 て ん 0
きほん ろっ ろっかくけい ・六角形が基本になってできる , 六 しっさい 力、がた ゆき けっしよう 花型の雪の結晶。実際には , ふっ てくるまでのあいだに , おれたり きすついたり , くつつきあったり おお していることが多く , このような うつく かたら 美しい形でみることはなかなかむ おんど ろっかカーた ずかしい。同じ六花型でも温度や しつど 湿度のちがいで , すいぶんいろい かたら ろな形がある。 ハ、 おな
こうせっせきせつ * 降雪こ積雪 ゆき いちど ゆきぐに 雪国では、一度ふりだした雪はなかなかやみません。 なが長のりそに がめ量はるぶ但 方暠き気「風くつる ~ 海 雪雲は、たくさんの赴却滴をふくんでいます。この のもい蒸〕節てたく蹶本る すいてきひょうめん な点温れ水き季つにでに日ふ 赴留却水滴は単独でこおるとき、水滴の表面からこおり ビき気る , ただんのが べくすもわいこ みす なか すいてき ら高発かをあは蹶本ん ます。すると水滴の中でまだこおらない水が、おしださ くが・〔蒸しりのを , さ く、っちゅう にん日皿 すいてき よそき気力果 蚤汞でいきし蒸〔結たれるようにして、小さな水滴となって空中にとびちり、 7< ~ 海の多いで ~ 水のは こおり そこでこおりつきます。これが新しい氷のしんになって、 ゆき つぎつぎ雪をふらすのだろうと考えられています。 すいじようき りよう ゆきぐも ゆき 雪のふる量は、季節風のつよさや雪雲をつくる水蒸気 りよう かんけい の量などと関係します。 医」より きせつふう 季節風が、印本海をわたってくる距離が長いほど、た たりようゆき すいじよう」 くさん水蒸気をはこんでくるので多量の雪がふります。 すいじようき たか おんど かいすい また、海水の温度が高いほど、たつぶり水蒸気をふく ゆき んだ雲ができるので、たくさん雪がふります。 と、つよ′、ち・ほ、つ にはんかいがわゆきおお らゆうぶちはう 中部地方から東北地方にかけての日本海側に雪が多い 冬のは、これらの条件にかなっているからです。 かたら ナっしよう ゆき つもった美しい雪の品は、数日もすると形がかわり、 じようはっ 積みるかげもありません。日ざしをうけてとけたり蒸発し たし、へ、、よう にほんかい うつく 、一ま , ん力し しようけん きせつふう あたら かんカ すうじっ