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検索対象: 国民百科事典4
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1. 国民百科事典4

1 4 3 シンカ 周知のとおり , 進化論には環境へ の適応を一義的と考えるか二義的と 考えるかによって , 二つの流れがあ る。生物が環境ないし生活に適応し ていることは , 生物進化をみとめる きばの発達した動物で かぎり , 容認しないわけにはいかな は , いすれもそれに相 い。もちろん生物は無用なものもも 応して , 下あごの骨が っている。それは生物が進化の歴史 はりだし , きばを収め るポケットカ { できる を背負っている以上 , やむをえない ( 左 ) 。ほ乳類の祖先と ことであろう。またある生物の特殊 考えられる , は虫類の な生活への適応は , 一般的な不都合 あごでは , 方骨と関節骨 を招いているかもしれない。たとえ とで関節しているが ばアリクイの前肢には強大なつめが ほ乳類では鱗骨と歯骨 あり , アリづかをこわすにきわめて っち骨あぶみ骨 とで関節し , 連続性がみられる ( 右 ) 有力な道具となっている。しかし歩 行にさいしてはつめを内側へ折りま 形成を説明するには十分であると考 集団としての変化が問題になる。 げ , ョチョチと歩くほかない。しか えられている。少なくとも根本的な の立場にたった集団遺伝学は , ーっ しこれは , よくいわれるように単な 弱点は存在しない。しかし , 種の進 る奇形といいきってよいかどうかわ の突然変異が集団内に生じた場合 , 化すなわち小進化 ( 種下的進化とも それがどのような運命をたどるかを からない。しかも適応かどうかは , いう ) に対して , もっと大きなグル 研究した。その結果 , 選択はやはり 形態だけをみていてもわからないの ープ ( 科 , 目 , 綱 , 門 ) の進化すなわ 適応価の高い変異個体の生存価を高 であって , 思わぬ器官が適応的に利 ち大進化 ( 種上的進化ともいう ) にな め , 種集団の変化をもたらすことが 用されていたりする例も多いし , ま ると , 問題はむすかしくなる。 た H. コットによれば , 魚のしま模様 明らかにされている。そのもっとも 〔大進化〕大進化においては , 体の も体の全形をは、かすという適応的価 代表的な例は , シャクトリガの一種 にみられる工業暗化型であろう。 値をもっている。このような適応が 構造プラン ( 体制 ) そのものが変わって しまう。突然変異は一定の骨をなく のガ、の正常型は白いはねをもってい どのようにして獲得されたかについ したり , 器官の形を変えたりはする て , 上述の二つの立場が生する。 るが , 英国の工業地帯でその暗化型 が , 新しい器官をつくりだすことは ( 黒化型 ) が発見された。この暗化型 第 1 は / ラマルクの流れをくむも ないといわれる。新しい器官や構造 はすすでよごれた工業地帯で急速に の ( ラマルキズム ) であって , 環境の の生成を特徴とする大進化が , 突然 作用によって生物の形態がそれに応 ふえていき , 正常の白色型を駆逐し 変異で説明可能だろうか。 じていろいろに変わっていくという ている。そして実際に工業地帯では , この問題 の解答はまだ得られていない。無脊 暗化型のはうが鳥の攻撃などに対し 考えかたである。主として比較解剖 つい動物の大部分の門の起原が , 化 て適応価が高いようである。この例 学的な研究から , ラマルク自身は生 が一つのモデルとなって , 多くの突 石ではさぐれぬ原生代のやみの中に 物が環境の要請に一たえてもっ要求 消えていることも , 問題の解決をよ が新しい適応的器官を生するといっ 然変異型の増殖の経過が解明されっ けい困難にしている。場合によって この要求なるものは少なくと つある。 しかし突然変異は多くは劣性形質 は , ヘッケルが考えたのとは反対に も実証的なものではなかった。 胚発生の初期における発生過程の変 第 2 の立場は / ダーウインがとく としてあらわれる。そこで , より一 化が , 大進化をうみだしたのかもし 般的な場合において , 生じた変異は に飼育栽培生物の変異と人為選択か とにかく , 比較的起原の新 ら得た着想にもとづいて提出したも すぐ正常集団の中に消えてしまい , れない。 種は安定のまま保たれる。しかし , しい脊つい動物の諸グループの出現 ので , 環境とは無関係な変異が自然 なんらかの / 隔離が行なわれた場合 選択 ( 自然淘汰ドともいう ) によって の経過をみても , 新しい構造プラン えりわけられ , 適応的価値のあるも には突然変異遺伝子をへテロにもつ をもつ生物の出現は , その後の小進 個体 ( 変異はあらわれていない ) どう 化的分化とは比較にならぬほど , 困 のだけが残ると説く。この考え方は , しの出会う確率が高まり , 遺伝的に 難であったことはうかがえる。小進 その後いくたの曲折をへたが , けっ ホモとなって突然変異が表現型にあ 化と大進化をはっきり区別する説も きよく突然変異現象の発見により新 あり , 両者に本質的な差異がないと たな支持を得て , / 突然変異が環境 らわれるチャンスがふえ , 選択がは 海産甲殼類等脚目にみ する説もあるが , 進化の分子的基礎 とは無関係に生じ , それに自然選択 たらきだす。このような隔離のもっ られる形態の適応放散 がはたらいて進化か・おこるという , とも顕著な例は , 島や洞穴における いわゆるネオダーウイニズムの形で ものであって , 島ごと , 洞穴ごとに 一般に採用されている。 特産種が存在することは , この隔離 突然変異という不連続的変異の導 の効果として説明される。隔離は生 入により , 進化における不連続性は 理的であることもある。なんらかの 理解できるようになったが , 定向進 理由で正常のものと繁殖期のちがう 化はいぜんとして説明されえない。 小集団が生したとき , その中でおこ さらに , 自然選択のおこりかたをみ る突然変異は固定されやすい。 ていると , 選択はむしろ変わった変 いすれにせよ , 突然変異は環境と 異を取り除き , 種の形態を安定させ , どの集団においても , は関係なしに 従来のままに保つようにはたらいて その変異に特有な確率 ( たとえば 1 ( ) いるとも考えられる。すなわち夕、、一 万匹に 1 匹 , 1 万匹に 1 匹など ) で ウインか、考えたのとは逆に作用して おこっている。そしてその存続が , いる傾向すらみえる。 隔離条件によって支配され , さらに 〔集団遺伝学から〕 / 種とは集団的 環境との関連における適応価によっ なものである。したがって種が変化 て選択をうけて , 結果的に進化をお する場合は , 個体の変化ではなく , こすのである。今日この理論は種の ウインタテリヴム ( ほ乳類恐角目 ) は虫類のあこ 方骨 0 イ / ストランゼウィア 耳小骨 鱗骨 自一ま

2. 国民百科事典4

5 2 1 迦は悟りをひらいたのち , ミがタ、、ヤ きまることになる。混合液体の沸点 ( 鹿野苑や ) にいき , かって修行を と組成の関係は上左図の A B C 線の ともにした 5 人の修行者を教化して ようになる。ところが沸騰して生し 最初の弟子にした。これによって最 る気体の組成は , 液の組成とは異な 初の僧伽が成立したが , さらにすべ っていて A D C 線のようになり , A B ての比丘の集合体である教団そのも C 線を沸点曲線または液相線 , AD C のも僧伽とよんだ。比丘の教団では , 線を凝縮曲線または気相線という。 いろいろの儀式が行なわれており , 温度んではろという組成の液と d と 儀式によって必要な人数が異なって いう組成の気体とが平衡になる。し いたが , どんな儀式でも 4 人以上で たがってこの温度では一昆合液体より H ッ 0 C2H50H 0 ま H50 日 ないと行なわなかった これは中国 02 も窒素の割合の多い気体を生するか 96 、 0 % 20 % 1 、 00 % 20 00 % を ら , 残る液は酸素の割合が増し , し でも守られていたようである。中国 工デ・ノレアノレコー ) レど水の 酸素ど素の系の状態図 たがって沸点はだんだん高くなり および日本では , ふつう比丘を僧と 系の状態図 液の組成と沸点は B A 線 , それに対 よび , 比丘尼を尼とよび , 両者を総 応した平衡な気体の組成は D A 線に もそれぞれ皇帝に直属し , さらに皇 称して僧尼といった。日本に仏教が 沿って変化していく。窒素の多い気 城司を中心とする直奏権をもった督 伝来した当初 , 僧はすべて外来人で 体部分だけを集めて液化すれば , 液 察網が全国に張りめぐらされた。地 あったが , やがて僧尼の数がふえ , 体酸素と液体窒素の混合物から , よ 推古朝の 624 年には僧尼を監督する 方行政は , 大きくいえば , 路→り、 l•l →県 という系列であったが , 路には「漕 , り酸素の多い部分とより窒素の多い ための僧正 , 僧都村が官によって任 部分に分けたことになり、 , このよう 憲 , 帥の三司」として転運使 , 提点 命された。しかし , 日本仏教の僧伽 な分離操作は分留とよばれて工業的 刑獄 , 都部署 ( 総管 ) という財政 , 司 が正式のものになったのは , 754 年唐 法 , 軍事の各長官を任命し , 州でも にもひろく行なわれている。 僧鑑真によって東大寺に戒壇が築 ある組成で沸点が概大または極小 知州と通判とを並置して権限の集中 かれ , 正式に授戒が行なわれてから となる場合がある。このような場合 のことであろう。日本の僧伽は , 国 を防いだ。また県の役人にいたるま でも , 中央の科挙の試験を通ったも 家権力の保護のもとに出発し , やが に分留によって終局的に得られるも ので固めた。その膨大な傭兵ミ 3 、軍隊 のは極大点または極小点に相当する て各宗派に分かれて , おのおの違っ た制度や階級をもって現在にいたっ と官僚機構をまかなっていくため , 成分であリ , それを越えた先の組成 た。これはインドや南方仏教諸国に 農村の両税 ( 唐代に始まった税法。 のものではない。工チルアルコール はみられないもので , 僧伽の精神か と水の混合物はその例で , 薄いエチ 所有田上額に応する地税と , 資産度 らいえば変則的なあり方といえるで に応する戸税を基本とする。春秋 2 ルアルコール溶液を分留だけで水を あろう。 回徴収 ) , 都市の屋税 , 地税のほか , 含まない純アルコールにすることは そう宋中国史上の代表的統一 商人に対する商税や , 茶 , 塩 , 酒 , このような , 沸点の極大ま できない 王朝の一つ ( 960 ~ 1279 ) 。唐末五代 鉱産物 , 輸入品などに対する専売税 たは極小となる組成の液体混合物を に続く。金によって華北を奪われ徽き を発達させ , 紙幣制度も発達をみた。 共沸混合物という。ェチルアルコー 宗 , 欽宗の皇帝父子まで連れ去られ 3 代の真宗のとき , 五代以来北辺 ルと水の共沸混合物はアルコーールか・ た靖康の変 ( 1126 ) ののち , 王室は を脅かしていた契丹族の遼が侵入 96. ( ) % の組成のものである。 / 蒸留 この以前を北 揚子江南に移ったが , し , 漉淵の盟約によって講和はで 〔相変化〕相の変わる過程 , すなわ 宋 , 以後を南宋という。 きたが , 宋は毎年多くの銀 , 絹 , 茶 ち相変化には二つの種類が区別され 〔政治の概観〕唐代末の節度使の割 ている。 1 ) 第 1 種の相変化圧力 , を歳幣として遼に送ることとなった。 拠から / 五代十国の分裂時代をへて , 組成を定めたとき変化の起こる温度 これは結果的には大部分を民間貿易 五代の後周の世宗のころには中国再 が明確に定まっているもので , 融点 によって取り返していたが , 国家財 ( 液相固相 ) , 沸点 ( 気相 : 液相 ) , 統一の機運が現われていたが , 世宗 政にとってはやはり負担であり , 4 変態点 ( 固相 : 固相 ) などがその例で 代の仁示ごろから西北辺に / 西夏が の没後 , 禁軍 ( 近衛兵 ) 長官として強 興起し , 契丹と連係して侵攻を開始 大な勢力を有した / 趙匡胤が推 ある。第 1 種の相変化のさいには , するや , 軍事費の膨張はついに財政 融解熱 , 蒸発熱などの転移熱が / 潜 戴されて , 汁京開封府を都として 宋朝を建て , 太祖となった。この太 を赤字に追い込んだ。 6 代の神宗は 熱の形で現われる。また密度その他 祖と 2 代の太宗は , 前代以来の中央 / 王安石を登用して , 新法とよは、れ の物理化学的性質が不連続的に変化 する。 2 ) 第 2 種の相変化鉄などの 集権政策を徹底化し , 節度使 , 鎮将 る徹底的な財政改革を行ない , 軍糧 などの軍閥を解体して , その幕府を 穀物をはしめとする政府の物資買上 強磁性体の磁気の発生消滅 , ロッシ 州 , 県の地方官庁に吸収し , 軍事権 げ ( 糴買 ) に寄生して中間搾取を行 ェル塩などの強誘電体の分極の発生 のすべてを枢密院の長官である枢密 なう大商人層をおさえ , また傭兵禁 消滅 , あるいは合金における超格 - 了 使 ( 軍令 ) と , 殿前司 , 侍衛馬軍司 , の生成消滅などにみられるもので , 軍をへらして保甲法などの民兵主義 侍衛歩軍司の 3 司 ( 軍政 , 指揮 ) とに 相の変化がある狭い温度範囲で行な を復活し , 支出軽減をはかって財政 われ , 密度その他の性質が連続的に 集め , 地方軍隊 ( 廂よ軍 ) は単なる労 建直しを策した。王安石はその政策 推進のため , 制置三司条令司という 働部隊として , 精兵はすべて禁軍に 変化する。転移の潜熱は現われす , 強力な権限の役所を新設し , 編入した。地方の警察権も巡検使な 一派の その代わリにこの付近で比熱にス形 どを通して集権化し , 中央 , 地方を通 官僚 ( 新法党 ) で行政の要路を固めた の鋭いヒ。ークが現われる。それでス して行政機構を多元化し , 権限分割 ので , 当然保守派 ( 旧法党 ) の反撃を 転移どもいう。また第 2 種の転移温 うけ , 財政建直しはある程度成功し 度をキュリー点という。 や相互督察などを行なうことにより , 〔斎藤泰〕 すべてが皇帝によって一元的に統轄 たものの , 搾取強化の非難を浴びた。 そう僧原語はサンスクリット 新法によって打撃をうける特権的豪 され , 中間の統轄者は置かないとい の samgha で , 僧伽韆と音訳し , 衆 , 商やそれと結託する官僚 , 宗室などは う方針がとられた。すなわち中央で 和合衆と意訳する。釈迦に時代のイ 保守派と結び , 神宗が没すると政変 は , 宰相同平章事のほか , 参知政事 , ンドでは 4 人以上の比丘 ~ の集団を さしたが , 中国では 1 人の比丘でも 枢密使 , 三司使などがそれぞれ多く を起こし , 7 代哲宗時代は旧法党の 僧とよぶようになり , これが日本に 天下となって , 新法は廃止された の副使以下の官属を従えて , 民政 , 軍事 , 財政を分担し , 司法監察など しかし 8 、代の / 徽宗時代には新法の も伝わって現在にいたっている。釈 圧力一定ー 圧力一定 00 78.37 四 5.8 , 78 ヨ 7

3. 国民百科事典4

タイキ 6 0 1 引力をふりきって地球から逃げるこ 〔成層圈下部の風〕中緯度では一般 る。成層圏の上限近く高さ 70 ~ 90km とができるので , この高さを脱出圏 的に , 対流圏では高さとともに西風 には日没後夜光雲とよぶ銀色または 青白色の雲が現われることがあるが , または逸出圏ともいう。実際には超 が増し , 圏界面付近で西風が極大と 高空では太陽からくる短波長放射線 その原因についてはまだよくわかっ なり , それから高さとともに弱くな がかなリ強く , 気体はイオンと電子 ていない。成層圏の温度の分布は , り , 2()kr れ付近ではほとんど 0 になり , 圏界面で極小を示したのち約 50km で に分かれ , 地球磁場にさまたげられ それ以上では冬にはふたたび西風が てなかなか逃げ出せない。磁場の作 極大となり , 成層圏の上限で最低気 増してゆくが , 夏には東風が増す。 温となり , それより上 : では気温はす 用が重要な役割を果たしているので , 1 月には北半球の西風の強い場所 ( ジ 大気のいちばん外側は磁気圏ともよ っと上昇している。成層圏に起こる ェット ) は南下して北緯 30 。付近にあ 特異な現象に「音波の異常伝搬」と ばれる。 / ( 別刷 ) 地球 り , その強さも平均して 50 m 以上と 〔標準大気〕大気の状態は変化しや いわれるものがある。火山の爆発な なるが , 7 月にはジェットは北上し , すいが , 各高度の気温 , 密度などの どきわめて大きい音は音源から数十 東風帯が 30 。以北にまで及ぶ。南半球 平均状態を示す標準大気をきめてあ km 先まで伝わり , その外側では聞こ では現象は夏と冬が逆になっている。 る。高さ 3()km までのは前からあった 〔成層圏上部および電離層の風〕 30 えないが , 10()Okm 以 E 離れるとまた が , 最近人工衛星の軌道の変化やロ 聞こえる区域が現われる。この現象 km より高いところの風はロケットに は成層圏の約 50km の高さにある暖か ケットにより観測された密度などを よる直接観測 , 音波の伝搬 , 流星の もとにして , 7()0km までの超高層標 い気層によって反射された音波が異 航跡や夜光雲の運動から推定される。 準大気の案も提出されている。 大気は太陽や月の引力 , 太陽の熱 常に遠方で聞かれるためであり , の現象を使って逆に高層の気温を推 〔夜光〕暗夜の空の明るさは , 大部 作用により潮汐運動をしており , 定することもできる。また大気中に 分は E 層大気の発光のためで星の光 地上気圧の変化として検出される。大 高速度で侵入してきた微小な天体が だけではない。発光にあすかる大気 気潮汐理論から推定される E 層の風 高さ約 15 ( ) km くらいまで突入し , 大 は 10 ( ) km で秒速 25m , 15 ( ) km では秒速 ガスは , 酸素 , 窒素およびナトリウ 気の密度が比較的大きくなるにつれ 167m , 20()krn では秒速 641m に達す ムである。発光層の高さはだいたい て摩擦により熱せられて発光したも オーロラの出現高度と同程度で 80 ~ る。一方 , 地磁気の日変化は電離層 のは / 流星であり , その多くは地上 30() km と考えられる。夜光が太陽ェ における潮汐振動による運動に起因 に落下する前に蒸発してしまう。 / 成 するという理論から , 電離層の E 層 ネルギーに原因をもっことに対して 層圏 の風速が計算できる。 は異論はないが , その発生機構につ 〔関口〕 4 ) オゾン層大気中にはごくわすか いては一致した見解はない。 のオゾンが含まれているが , その大 〔オーロラ〕おもに極地方の上空に 部分が存在している高さ 3 ( ) ~ 50km の みられる発光現象で 10 ( ) ~ 1000km の 範囲をとくにオゾン層という。オゾ 高さに現われる。 / オーロラ ン層全体に含まれるオゾン量は標準 〔大気の大循環〕大気は太陽に熱せ 状態に換算して 2 ~ 5 mm の厚さにす られ , 地球の全表面にわたって大規 模に流れつづける。この循環は / 大 ぎないが紫外線を吸収する性質が強 気環流とよばれる。 く , 太陽光線の 29 ( ) 0 オングストロー ム ( Å ) より短い波長の部分は , オゾ 〔対流圏の平均状態〕地上では海陸 ン層でことごとく吸収されて地上に の分布によって気圧配置が支配され 到達しない。オゾンは 20km より上層 ており , いわゆる細胞構造を有する。 で太陽紫外線の作用で生成されるが , 中高緯度では冬季大陸は著しく冷や され , 相対的に海洋は暖かいので , その分布は高緯度ほど多く , また季 大陸には寒冷な高気圧が形成され , 節的には中緯度以北では春に板大 , 秋に極小となる。成層圏内の垂直運 海洋上に独立した低圧域が生する。 夏には大陸は海洋より過熱されて低 動によりその垂直分布も変化し , 夏 気圧となるのに対し , 海洋は比較的 に比べ冬のはうが低いところにオゾ ンが多くなる。このような分布と変 冷たくて高気圧が発達する。これら 化は大気の大循環と密接な関連があ 季節による大陸および海洋上の高低 り , 気象学の重要な問題の一つであ 気圧の発達に伴い季節風が発達する。 すなわち冬は大陸高気圧から海洋に る。また , オゾンは地表から出る赤 外線を吸収して , 地球から外部空間 向かって吹き出し , 逆に夏は海洋か ら大陸に吹きこむ。日本付近では冬 へ熱を逃がさないはたらきをしてお り , とくに 50km あたりの高温層はオ 季シベリア高気圧から北西または西 寄りの強い季節風が吹き , 夏は北太 ゾンの分布から説明することができ 平洋高気圧の発達により南よりの弱 る。オゾンの変動と , 成層圏や対流 い季節風となる ( / 気候 ) 。一方 , 対 圏の気象変化の間に密接なつながり 流圏の上層では地表とは様子が違っ があることは以前からよく知られて ており , 冬季大陸の高気圧はまった いるが , 成層圏下部の空気の運動が くなくなって冬夏とも中緯度から極 オゾンの変動を支配していることか にかけて北極を中心とした渦 ( 低気 ら当然のことといえる。 5 ) 電離層 6 ( ) ~ 5 ( ) ( ) km ぐらいの高さ 圧 ) になり , 熱帯地方ではいくつか の電離圏には / 電離層とよばれるい の細胞状の高気圧になっている。 くつもの層があリ , 地上からの電波 のため , 中緯度以北では西風 , 熱帯 地方では東風となっている。 を反射したり吸収したりする。 成 層 〔ジェットストリーム〕熱帯圏界面 6 ) 外圏電離圏より高いところを外 圏といい , ロケット , 人工衛星など と極圏界面の切れ目付近には西風の によリ急速に観測が進んできた。高 きわめて強い部分があり , / ジェッ さ 1 ( ) ( ) ()km ぐらいでは大気粒子は地球 トストリームとよばれている。 大気圏の構造。点々で 表わしたのは各電離層 で , 電波の反射の関係 を示した。左下すみの 白い部分は昼間で , 黒 い部分は夜間。 E , D 層は夜間に消滅する。 下層の破線は , 高度に よる大気圏の温度変化 人工衛星のロケット 宇宙線 ラ オーロラ km 500 450 400 350 ・ 30 ひ : : ・ 250 20 5 ノ / 40 60 80 川 0 ー 80 ー 60 ー 40 ー 20 0

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タイ オン・ 5 9 2 ℃で午前 ( ) 時 3 ( ) 分から午前 2 時 3 ( ) 分 である。そして , 1866 年にはチュー までに最低を示すことがもっとも多 ビンゲンの C. 工ーノレレカ { 現在のもの とはは、同様な水銀最高体温計を考案 , い。全経過を通しての平均体温は 使用した 37. ( ) 6 ℃ , 平均動揺範囲は ( ). 92 ℃であ 〔体温計と体温測定〕体温はます正 る。 / 基礎体温というのは早朝 , め ざめたときに床の中で測定した体温 確に測定されなければ臨床上ではな んの意味もなさない。体温計は検定 のことで , 食事や運動といった要因 を受けたもので , その誤差範囲は土 がはいらないので臨床上利用されて ( ). 1 ℃でなけれは、ならない。通常体 いる。体温は季節の変化によっても 温計の水銀だめのないはうの先端に 多少変動する。すなわち夏季には高 検定の印と , その月日が刻み込まれ く , 冬季には低い傾向がある。体温 ている。家庭では , 検定をしたもの の調節機構か発達していない小児で 2 3 であれは・メーカーはどこのものでも はこの傾向が強く , これによる夏季 ( たいてい環境の温度よりも高いの よい。また体温計によって 30 秒計 , の体温上昇を小児夏季熱とよぶこと で温血動物ともいう ) 。これに対し 1 分計 , 3 分計 , 5 分計といった呼 もある。また女子では月経の前期に 称があるが , 感度がいかによい体温 て , 無脊つい動物や , 魚類 , 両生類 , 体温が高い傾向がある。この傾向の 計でも , 測定する部位の温度が一定 は虫類などでは , 体温が内外の条件 強い女子ではいわゆる月経前熱とい に左右されるので , これらの動物を となるのに時間がかかるので , 体温 った状態を示すことがある。このよ 変温動物という ( 温血動物に比べる 測定上ではあまり意味はない。通常 うに体温は各人の身体条件によって , と冷たいので冷血動物ともいう ) 。 体温を測定する腋窩ド ( わきの下 ) で 正常の範囲でもかなりの変化や動揺 恒温動物はさまざまな体調節機能 は , どのような体温計でも 10 分間は があるので , 各人に固有の体温を平 をそなえている。体内における熱発 挿入静置しなければ正確とはいえな 常のときに測定しておかないと , 徹 生のおもな場所は , 心臓をはしめと 熱があるかどうかは判断しにくいこ い。腋窩温の測定は体温計の水銀だ する筋肉や肝臓 , 腎臓などで , 逆に とが多い。発熱は体温の調節機構が めの部分が腋窩のもっとも深いとこ 呼吸 , 発汗 , 排出などで外界に熱を なんらかの障害を受けたときに起こ ろにいくようにさし込んでから , 腋 放散している。体温調節には神経系 るものである。発熱の経過は疾病の 窩を完全に封鎖するように腕を斜前 ならびに種々のホルモンが関与して 診断にはきわめて重要な役割を果た 下方に約 3 ( ) 。の角度にさげ , 他方の おり , 暑さに対しては , 皮膚の血管 すものであり , 通常 1 日 4 回の検温 手でひしの関節を軽く押えて保持す の拡張 , 発汗や呼吸の促進などで熱 をグラフに記したものを体温表とい る。通常はこのようにして測定した の放散を盛んにする。寒さに対して い , 青線で連続して体温曲線あるい 温度を体温といっているが , 身体の は , 皮膚の血管を収縮して放熱を防 は / 熱型という。熱型は感染症など 各部位がすべて同一の温度に保たれ ぎ , 筋肉活動を盛んにして熱発生を 比較的一定に の診断に重要であり通常病院では入 ているわけではなく 促進するはか , 皮下脂肪の肥厚や羽 保たれているのは身体中心部の温度 院患者にはかならす体温表を作る。 毛などの発育などによって熱の放散 〔体温調節機構〕体温を一定に保持 であるが , それも臓器によってはつ を防ぐ。無脊つい動物には特別の体 しようとする機能は体温調節機構に ねに等温であるとはかぎらない。腋 温調節機能はないが , 高等なこん虫 窩温はこの身体中心部温度とはは、並 よって行なわれているが , それには や魚類などはかならすしも外界の温 行的に変化し , 測定法を正確にすれ 温熱を産生する量と , 温熱を放故す 度と体温は一致しない。モンシロチ ばもっとも安定した良好な体温値を る量とがつねに等しくならなければ ョウは気温がある程度より下がると , うるので , 一般に体温を代表してい ならない。 1 ) 熱産生温熱を産生す 盛んに飛び回り , 筋肉活動によって るわけである。次によいのは直腸温 る機能を化学的調節といい , 体内の 体温を上げる。社会生活を営むハチ ( こう門から 6 em 以上さし入れる ) , 代謝過程が密接な関係を有する。中 類では , 暑くなると巣の回りに水を ロ腔温 ( 舌下中央部にさし入れる ) な 等度の仕事をしている成人男子では まいたり , はねを動かしたりして巣 どで , これをもって体温を代表させ 1 日約 25 ( ) ( ) CaI のエネルギーを要す が過熱するのを防ぎ , 低温になれば ることもある。そこで体温の上下を るとされているか、 , このエネルキ、一 ぎっしり集まって , 自分の体温で巣 判断するときには測定部位と測定器 は摂取した食物中の栄養素が , 化学 の温度を上げるものがある。〔大滝〕 具および測定法を一定にしなければ 的変化に伴って発する化学的エネル ならない。また体温を測定するとき ギーに源を有する。熱産生の著しい ヒトの体温 体温と疾病との関係は古くから知 には身体条件もできるかぎり一定に 臓器として筋肉と肝臓があげられる。 産生したエネルギーの中で約 20 % が られ , キ、リシア時代にヒボクラテス しなければならない。運動 , 食事 , 機械的仕事に利用されるが , 他は熱 は手のひらで触診して体温を推測す 入浴などののちはさけ , 静かにねて ることにより , 発熱を診断したとい に転化されて温熱の産生に利用され しばらくしてから発汗のない状態で 検温しなければならない。通常 1 日 る。 2 ) 熱放散温熱を放散する機能 われる。しかし , 体温に関するしっ かりとした基礎的研究が始められた に 4 回検温する場合は早朝食前 , 午 は理学的調節といい , 主として皮膚 , 前 10 ~ 11 時 , 午後 2 ~ 3 時 , 午後 8 ~ 呼吸器 , 消化器 , 泌尿器を介して行 のは , 発汗の原理に関した方面 ( マ なわれ , 皮膚を介するものが最大で ルヒ。ーギら ) も , 体温計に関した方 9 時といった時間に検温を行なう。 ある。主として皮膚の神経性反射 , 面 ( ガリレイら ) も 17 世紀以後のこと なお体温測定には熱電温度計や抵抗 温度計など ( / 温度計 ) を用いること 血管運動神経性調節 ( 皮膚血行の増 恒温動物の標準体温 ( 単位℃ ) 減による皮膚温の変化など ) によっ もあり , それぞれ特性を有する。 鳥 ほ 乳類 類 〔体温変化と正常体温〕体温は ] 日 て運営されている。発汗は相当大き ノ、ヤプサ ウマ 37.8 4 ( ). 5 な放熱力を発揮するもので , 1 cc の の中でつねに周期的変動を示してお プタ ヒノヾリ 41.5 39.7 汗が蒸発すれば (). 58Ca1 の熱を奪う り , 夜間には低く動揺少なく , 昼間に カラス ヤギ 42.8 40. ( ) は高く動揺に富む。正常人の日変化 ので , 1 / の汗が蒸発すると , 他の スズメ 39. 9 42. 1 ヒッジ 条件を除外すれば , 体温はおおよそ の最高体温は 37.8 ~ 37.2 ( 平均 37.52 ) ト インドゾウ 36.5 40. 6 2 ℃であり , 午後 1 時半から午後 4 時 12 ℃引き下げられる計算となる。 ネコ 39. 41. 5 ニワトリ イヌ 39.0 41. 5 までに最高になる場合がもっとも多 の化学的と理学的の体温調節機構を がチョウ ウサギ 39.5 41 ・ 3 い。最低体温は 37.1 ~ 36.0 ( 平均 36.6 ) 体温調節中枢が統括して , 円滑に体 。 C 40 ヘビの直腸内の体温 - 環境の温度 36 32 28 24 シキヘビの 体温環境温度 29 28 31 4 月 1 4 日 30 3 月 25 26

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ショクプッ 9 8 性のある食品業種に対しては許可制 生活をするものもあるので , 絶対的 体はさらに偽足を出して行動し , ま な区別とはいいがたく , 菌類はやは がとられ , その施設の構造 , 設備に ったく動物と違わない生活を営む。 一定の制限が設けられたり , また食 り植物として扱われるのがふつうで したがって動物学では変形菌を菌虫 品の製造加工法に対して基準が設け ある。 類として原生動物門中の 1 綱として 2 ) 植物の体の細胞は 2 次的に原形質 られたりしている。さらに食品その 取り扱っている。同し原生動物門中 ものあるいはこれに添加する添加物 から分泌されたセルロースを主体と の植物性べん毛虫類として動物とみ した細胞膜をもつが , 動物の細胞に ( 人工目・味 , 色素 , 防腐剤などの化学 なされているミドリムシは , 細胞膜 的合成品 ) に対しても成分上の規格 はない。組織によっては細胞膜は厚 がなく , 体の前端に 1 本の長いべん が設けられたり , 使用制限などがな くなり , 細胞間の連絡は細胞膜にあ 毛をもって水中を遊泳し , 眼点をも されていてその検査か、行なわれてい いた小穴を通る原形質糸で保たれる って光を感し , 暗所に生活すると徹 る。またこのようなことは食品その にすぎなくなる。したがって細胞間 生物や有機物を食べて消化し , まっ ものばかりでなく , 食品をいれる容 の物質交流は植物ではゆるやかとな たく動物であるが , 明るいところに 器 , 包装にまで及んでいる。そして り , 動物のように激しい連動を行な 生育するものはクロロフィルがあり このような実務は都道府県知事が任 うためのエネルキ、一源を急速に細胞 光合成を行ない , 環境が変わるとペ 花の断面 命した食品衛生監視員およびと畜検 から細胞へと運搬しにくいし , さら ん毛を失って厚い膜をかぶって体眠 査員によって行なわれている。なお に外界の刺激の伝達もさまたげられ , 状態にはいる。植物学ではこれを当 輸入食品の検査についても , 主要な このため , 植物には動物にみられる 然植物であると考え , ドリムシ植 港に国の食品衛生監視員が駐在して ような神経系がまったく発達してい 物門を設けている。このように下等 いてその実務に当たっている。しか ない。しかし堅い細胞膜があるため , な生物については植物とも動物とも し以上のような行政上の諸対策は消 環境の変化には耐える能力がある。 つかぬものが少なくない。生命の単位 費者としての各家庭の食事の調理段 また生殖細胞は厚い膜でおおわれ , である原形質のかたまり ( 細胞 ) があ 階にまでは及んでいないから , 家庭 胞子になって長期の乾燥や高熱にも って , それが外からエネルキ、一源を 葉の断面 とくに主婦の食品衛生に対する知識 耐えることができる ( / 細胞 ) 。 なんらかの方式で取り入れ , そのェ の普及とその実践ということも食品 3 ) 植物の生長は茎や根の先端にある ネルキ、一一源を呼吸によって分解して 衛生の立場から重要なことである。 生長点や , 茎の形成層など特定の分 活動エネルギーをうるという生命の / 食用色素 〔松井〕 裂組織だけに細胞分裂が起こり , 細 様式は , 原理的には動物 , 植物とも しよくぶつ植物生物を二つに 胞を積み重ねるようにして行なわれ 同しである。エネルギー源の摂取方 分けたとき , 動物と対比される生 る。したがって分裂組織に変化が起 法で動植物の相違が生するのである。 被子植物の体の構造。 物群を植物という。 〔細胞の生活相〕前川文夫は 1947 年 こると , それ以後に作られる植物体 根 , 茎 , 葉の三つの栄 〔植物の特徴〕典型的な植物として , は変わった性質のものとなる。たと に原形質が外界から物質を摂取する 養器官からなる。断 えば , 生長点のコルヒチン処理によ マッ , タケ , ウメなどの種子植物と , さいに生理的に重要な意味をもっと 面でみると , 根と茎は 典型的な動物としてイヌ , サル , キ って植物の倍数体が比較的たやすく 思われる細胞の界面膜の性質をとり 放射相称たが , 葉には つくり出されることでもわかる。 ジなどの脊つい動物と比べるとき , 背腹性があって区別さ あげて , これを細胞の生活相と名づ れ , 生長の方向につい 植物と動物を区別する形質として次 方 , 動物では発生のはしめに嚢胚を け , 次のように類型化した 1 ) ビー ては根と茎で逆である のようなものがみつかる。 作り , 成長にさいしては体のどの部 ルス相原形質の徹細な小塊で , 内 1 ) 植物は / クロロフィル ( 葉緑素 ) を 分においても細胞分裂が起こって細 部的な分化はみられす , 界面に膜の 胞が増殖する。 もち , 気孔からとりいれた炭酸がス 分イヒはみられない。ビールスやノヾク 以上のように典型的な動物と植物 と根から吸いあげた水を材料として テリオファージか、これにはいる。純 光合成を行なってデンプンを作る。 の間にははっきりした区別がつけら 粋に生物であるかどうかに異論もあ また無機の窒素源からアミノ酸やタ れるが , 植物を種子植物から , シダ , るが , 少なくとも自己増殖という生 ンパク質を合成するなど , 自家栄養 コケ , 菌類 , 藻類と下等な分類群へ 命現象を呈するので , ふつう生物に の性質をもっているのに , 動物では とたどり , また動物も原生動物まで 加える。 2 ) アメーノヾ相細胞膜をも 有機炭素源 , 有機窒素源しか利用で 下にたどると , 植物とも動物ともつ たす , 細胞界面には流動性に富んだ かぬ生物に出会う。たとえば変形菌 きないという他家栄養の性質をもつ。 原形質膜をもつ。形は一定しないで したがって植物のなかでも菌類は他 類は有膜の胞子を作って繁殖する点 原形質膜を変形させることにより運 家栄養であり例外なので , これを特 動する。アメーバ で植物として扱われているが , 生活 変形菌がこれに 別な生物群と考えて , 生物界を動物 , 史の一時期にはアメーバ状の変形体 はいる。 3 ) べん毛相細胞界面には 植物 , 菌類の 3 界に分ける人もある。 細胞膜がない。ある程度原形質膜が となり , クロロフィルをもたないの しかし明らかに高等植物であるネナ で腐生的な他家栄養で生活するはか かたく , 変形しにくい。原形質の一 部をゲル化して外に細く突き出し , シカズラ , ギンリョウソウ , ャッコ に , 微生物を変形体中に取り込んで ソウ , ッチトリモチなどのようにク 消化する。これは明らかに動物の「食 べん毛を作る。べん毛藻類 , ミドリ ロロフィルをもたす , 寄生 , 腐生の ムシ類 , 遊走子 , 精子などがこれに べること」と同し現象である。変形 はいり , とくに生活史の出発点であ ラウンケルの分類した植物の生活形 A ~ D は地上 25crn 以上に冬芽をもっ地上植物 る雄性の生殖細胞 ( 精子 ) にこの相の で , E ~ F は地上 25cm 以下に冬芽をもっ地表植物。 G は地表に接して冬芽 : をもっ半 ものが多いので , べん毛相は原始形 地中植物。日 ~ ーと K ~ N は冬芽が地表以下にある地中植物。 J は冬芽をもたす種 態に近いものと考えられる。 4 ) 包膜 子を地表に布して越冬する夏生一年生植物。いすれも , 白い部分は冬には枯れる 相細胞界面に保護するための後生 質として細胞膜を分泌する。細胞膜 自体は生命に直接関係ないが ために形態進化がもたらされる。原 形質を外界からへだててしまうので 悪い環境に耐えることができる。し かし一方では運動性をまったく失う。 べん毛相が悪環境のため包膜相にな ったとも考えられる。単細胞の有膜 の植物がすべてこれにはいる。以上 茎の断面 30 0.25 っ 4 - っ ) 0 0 N

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センイコウ 4 8 7 羊毛 アマ もめん アクリロニトリル ナイロン テトロン アセテート サラン ている。輸出面では綿製品は後進国 得られない独自の製品を創造できる。 い業にわたってかなりの期間続い の自給化に災いされて伸び、脳み , 米 さらにナイロンを例にとってみても ている。ところがこうした過剰生産 国のような先進国も輸入規制を行な の傾向の中でも , 合成繊維だけは発 原料のカプロラクタムの生産コスト ってきている。毛製品は戦後高級化 展している。ビニロン , ナイロンの が従来の方法に比べて 5 ( ) % 以下に低 したため , 先進国にも輸出しており , 下する見込みであり , またイタリア 量 : 産は 1949 年に開始されているか、 合成繊維も期待がもてる。天然繊維 技術の導入による新繊維プロピレン 今日ではポリエステル , アクリル系 の登場も新しい躍進である。 2 ) 戦後 は 55 年から原綿 , 原毛など原料の価 の合繊部門さえ量産に入り , さらに 復活した紡績 , 織物などの設備機械 格革命といわれるはど原料価格が低 プロピレン系の企業化がみられる。 〔戦後の技術革新〕 1 ) もっとも著し の近代化は 1951 年以降著しく , 紡績 下し , 一面では合成繊維との対抗力 いのは合成繊維部門である。原料は では連続自動紡績機といって混綿か をつけているが , 国内的には綿紡 , ら練篠までを 1 工程で処理する巨 石油 , 石炭 , 天然ガスなどでセルロ 毛紡 , 麻紡 , スフ , レーヨン関係の ース資源を必要としないし , 重合ま 大な国産巨人機も出現 , 粗紡 , 撚糸 , 生産と設備過剰が続き 55 年以降行政 精紡の各段階の機械も高度化され , 勧告による操短が設備格納の形で広 たは後処理のやり方で天然繊維では 繊維の性能ど お もな 鑑別法 ホ。リ塩化ビ ポリエステノレ ポリ塩化ビー ホ。リアクリロニ ン - 尸イロノ ヒ第 リデン系繊維ニル系繊維系繊維 トリル系繊維 5. ( ) ~ 6. 4 1.5 ~ 2.6 ビスコースレーヨン おくン・べノレグ、 各純繊維の横断面の顕 徹鏡写真 ( 約 4 5 ( ) 倍 ) ビニロン 乾強度 1 乾湿強度比 2 乾伸度 3 ( % ) 18 ~ 2 4 15 ~ 3 ( ) 16 ~ 3 ( ) 2 5 ~ 35 27 ~ 4 8 15 ~ 25 比 重 1. 5 ( ) 1.32 1.3 9 1. 17 1. 38 1. 33 ~ 1. 4 5 1.54 軟化点 ( ℃ ) 26 ( ) ~ 3 い ( 川 ' ( 縮 200 ~ 230 17 ( ) で分解 , 1 ( ) ( ) で硬化 , 12 ( ) で黄変 , 60 ~ 7 ( ) 2 3 8 ~ 240 1 9 ( ) ~ 2 3 2 濬融点 ( ℃ ) 26 ( ) 35 ( ) ~ 4 ( ) ( ) 燃焼 濬融前に分解 3 ( ) ( ) で焦げる 26 ( ) 2 ( ) 0 ~ 21 ( ) 13 ( ) で分解 15 ( ) で分解 日光の影響 4 強度低下 , 変 わすかに変色はとんど変やや強度低下ほとんど変化強・度低下がみ強度低下 , 染強度低下 , 強度低下極少 , 強度低下極少強度低下 , やや変 色せす やや変色 する 化しない 変色せす しない 色性弱まる られる 黄変の傾向 屈曲および 強 ( 屈曲 ) 弱 ~ 強 強 摩擦強度 弱 ( 摩擦 ) 膨潤し , 強度 ケン化する ほとんど変 濃液に多少侵はとんど変濃液と煮沸で濃液では強度 セリシンは瀋濃液で分解 , 黄変するが強 アルカリと カセイソー 分解 , 希液に低下 , 希液に 解 , フィブリ 度不変 化なし される 化なし 希液には侵さ 低下 ダで膨潤す の反応 は抵抗性大 は抵抗性大 ンは一部侵さ れる るが損町し れる 虫には抵抗性抵抗性あるが完全に抵抗性完全に抵抗完全に抵抗性完全に抵抗完全に抵抗性 虫およびカ 完全ー こ抵抗性虫には綿より 虫には侵され , 虫に抵抗性 ビに対する カビで多少変 がある 性がある がある あり , カビに 性がある がある がある 弱く , カビに カビには抵抗あリ , カビ 抵抗性 色 は侵される は抵抗性あり 性あリ に侵される 注意を要す サラシ粉 , アセトン , シ ホルマリン アセトン , アセトン カセイソーーダ硫酸 カセイソーダ , フェノ・一ノレ , 濃硫酸 , 塩酸 , オキシフル , 濃塩酸 , 硫酸 ン - た一 - , フェ フェノー - ノレ , ギ酸 , フェ ギ酸 硝酸 ノール , 氷酢 フェノーーノレ ノー . ル 引火しやすく すすの多い炎濬けながら弱 燃焼による 融解しながら 縮みつつ煙を 融解してカ・収縮しながら 塩化ビニリ ヒりしりと縮縮れながらく 燃えやすく 鑑別法 紙を焼くにお あげて燃え特 ラスのよう デンと同様 , を出して燃えい炎を出してれながら速く すぶるように紙を焼くに 酢のにおいが 溶けもろい黒 いがし , 白く 塊となる。特収縮速く黒特有の気が燃え , 黒くて燃え , 髪やっ燃える、絹と し , 手でつ一 ; : 有の気がし , なかたい玉 おいがし 柔らかい灰がせる黒い玉が かたい黄かっ 有の塩素を塊は手でつ となる あり , かたい かたい塊となめを焼くにお似ている 柔らかい灰 少量残る 残る 色塊となる 発する ぶれない 玉となる いカ { する る を少し残す 注 ビニロンのみステープ′レ その他はフィラメント。 1 ひつばり切れる強さ。 2 ぬれたときの強さの変化。 3 ひつばり切れるときの伸び。 4 日尢の直射に長時間 ( 約 10 ( ) 時間以 上 ) さらしたときの変化 2.7 ~ 3.7 4. 2 ~ 6. ( ) 1.7 ~ 2.3 3. ( ) ~ 4.9 1. ( ) ~ 1. 7 2.5 ~ 4. 6 4. 3 ~ 5.5 84 ~ 92 7 7 ~ 85 6 ( ) ~ 64 50 ~ 52 76 ~ 96 7 ( ) 1 ( ) 0 10 ( ) 18 ~ 33 1.70 150 ~ 18 ( ) 2 8 ~ 3 8 1. 14 18 ( ) 2 1 5 17 ~ 26 1.26 ~ 1. 30 22 ( ) ~ 23 ( ) 25 ~ 35 1.3 2 強 強 やや強

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タイキ 6 0 0 るので , その組成はさらに複雑であ 第 1 表大気の組成 ( 量の 変化しないもの ) る。たとえば水蒸気の分解から H O や H 0 2 の存在も可能であり , 酸素も 容積比 空気に対 分子量 その多くが解離されて自由な状態で する比重 存在するらしい。 78. 09 ( ). 9673 28. ( ) 2 〔大気中の不純物〕大気中には上述 ( ) 2 20. 95 1. 1 ( ) 56 32. 00 した成分のほかに A 0.9325 1. 379 39. 94 いろいろの不純 C 0 2 1. 529 0. 03 44. ( ) 物が含まれている。 1 ) 水蒸気が凝結 N e 0. 00182 0. 674 2 ( ). 2 または昇華してできた水滴 ( 雲や霧 ) , 0. 1368 H e 0.000524 氷品 , 2 ) 海水のしぶきやその蒸発後 CH4 16. 04 0.00014 0. 55 に残った塩化ナトリウム , 塩化マグ K r 2. 818 82. 9 0. 0001 ネシウムその他の塩類 , 3 ) しんあい 0. 00005 0. 0696 2. ( ) 2 N20 土壌 , すす , 流星じん , 火山灰 , 4 ) 微 0. 00005 1. 52 44. 02 200 250 300 350 X e 0.000008 4. 42 13 ( ). 2 生物 , 下等植物の胞子類などである。 気温 ( 。 K ) 〔大気の成層〕大気はその高さによ 第 2 表大気の組成 ( 量の 気圧ご高度から計算した値 変化するもの ) り性質も変化するので , いくっかの ロケットの先端の圧力から計算した値 ラジオゾンテの観測 部分に分けられるが , これを大きく 成分 生成源 地上の容積比 一音波から計算した値 分けると下層から順に対流圏 , 成層 ( ) 3 紫外線 1961 年米国の気象衛星タイロス 1 圏 , 電離圏 , 外圏となる。対流圏は S02 工業 0 ~ 1 X 10-6 号が打ち上げられてから / 人工衛星 地上から約 12km ( 中緯度 ) まで , 成層 N02 工業 による気象観測が発達した。雲の分 圏はその上約 80km まで , 電離圏は 800 C H 20 生物 , CH4 の酸化 不確実 布の連続的撮影 , 台風の追跡などが km まで , それから上は外圏となる。 1 2 工業 1 ( ) ー 4g / m3 以内 可能になり , 天気予報への貢献も大 しかしこのような気圏の分類や名称 海水の飛まっ 1 舮 4g / m3 程度 N a C ー きい。またレーダによる観測も活発 は , さまざまな意見があってまだ統 NH3 工業 で , 降雨域 , 雷雲の移動 , 台風の位置 一されたものではなく , 第 3 表にそ 工業 や進路の観測などが行なわれている。 の一覧表を示してある。 〔大気の組成〕大気中にはいろいろ , 大規模な天気変化が起こる 1 ) 対流圏中緯度では地上約 12km の とい、し、 の液体や固体などの不純物が含まれ ところである。 高さまでが対流圏であり , 成層圏と ているし , また部分的に特殊な気体 2 ) 圏界面対流圏と成層圏の境を圏 の境界を圏界面という。対流圏では が含まれていることもあるが , 自然 気温は高さとともに 1 km につき約 6 界面といい , その高さは極地方では の状態の空気は一定の組成をもった ℃の割合で低下する。このような気 おおむね 8km , 赤道地方では 18km ぐ 混合気体である。第 1 表は乾燥空気 温の垂直分布は大気が比較的不安定 らいの高さにある。赤道側の圏界面 中 , 組成の変わらないものを示して で対流が起こりやすいことを意味し , では , これを境にして成層圏内では 空気が水蒸気で飽和しているときに いる。このほかに比較的微量にしか 高さとともに気温は上昇し , したが 含まれておらす , またその組成も季 は対流が起こり , 水蒸気を上空に運 って圏界面の気温が最低 ( ー 60 ~ ー 70 節や場所で変わる成分がある ( 第 2 表 ) 。 んで凝結を起こさせる。その結果 , ℃ ) となるが , 極側の気温は等温がい これら成分の中のおもなものは , 高 , 雪 , 雨を生し , 凝結のさい放出 くらか下がり気味で , 気温の減率の さ約 70km までは絶えす上下の混合が 変化が急変する面として定義される。 される潜熱は空気の運動エネルギー 行なわれているためにほとんどその 赤道側の熱帯圏界面と極側の寒帯圏 となって風を吹かせる。このような 組成が地上付近と変わらないと考え 天気変化は対流圏に起こる固有な現 界面は連続したものではなく , 日本 られている。それより上空では , 重 象である。地表面から 2 m ぐらいの のような中緯度では , 夏は熱帯圈界 量の大小によって拡散分離されて組 気象現象は , とくに微気象とよばれ 面が現われ , 冬は寒帯圏界面が多く , 成は変わると考えられ , またこのよ 春秋には両方の型が同時に現われ , 農業方面で重視されておリ , 2 m うな上層では太陽紫外線に強く照ら 2 km は地面の摩擦や海陸の分布など いわゆる二重圏界面が存在する。圏 されるためその光化学作用や衝突に 地形の影響を強く受けて , その気象 界面はこのように緯度や季節によっ よって分子が破壊されたり生成され は複雑である。 2 km 以 E を自由大気 て変わるだけでなく , 気象状態によ っても変わり , とくに上層の高気圧 第 3 表大気圏の分類一覧表 内では高く , 低気圧内では低い。 提案者 チャブマン フロ ン , ーヾンドノレフ トラ ゲノレゾン 北岡童海 グッテ・イ 3 ) 成層圏成層圏は全般には当初考 ( 1952 ) い 954 ) 高さ えられて名づけられたように , 等温 大気 (km) で成層をしているのではなく , 低緯 川 ( ) 0 以上 外圏 外 圏 外部 最外層 度地方では気温は上層ほど高く , 組 大気 成も 7()km ぐらいまではほと・んど変化 800 ~ 10 ( ) ( ) 温度圏 超圏 中間圏 圏 しない。成層圏内には 21 ~ 30km の高 40 ( ) ~ 8 ( ) 0 原子層 電 離 さに「真珠母雲」という鮮明な美し フェア ) 電離圏 F 層 150 ~ 400 い色彩の雲が現われることもあり 電離圏 電離圏 E 層 8 ( ) ~ 150 ひしように高いところまで水蒸気は 存在するが , きわめてわすかしか含 上部混合層 50 ~ 8 ( ) 成層圏 中間圏 イヒ 子圏 上部成層圏 まれていないため , 対流圏における ( 中間圏 ) ( メゾスフェア ) ~ 50 内部 成層圏温暖層 35 ような降水現象は起こらす , また成 32km 下部成層圏 等温層 圏 ( 成層圏 ) 成 層 成層 12 ~ 35 大気 層圏内の熱経済を考える場合には水 蒸気に比べて炭酸ガスやオゾンによ 8 ~ 12 対流止面層 る放射や吸収を無視できない。また 移流層 この内部における大規模な水平運動 接地層 や垂直運動は , 後述するように大気 底層 0 ~ 0. ( ) 02 の大循環に重要な役割を果たしてい に 0 0 成分 、、き叟 ( 0 ~. 0 80 高 さ 60 音波 ( 5i 。 km 40 20 0 400 巧 0 大気中の気温の高度分 布。ロケット , 流星 , 音波 , ラジオゾンデな どの観測あるいは計算 による値で , ( ) 内は 数値の求められた緯度 こん跡 こん跡 ( 1950 ) い 950 ) ( 1952 ) ( 1952 ) 層 逸 出 圏 大気 外圏 ( サーモス 層 電 外大 外部対流圏 成 層 大 気 対 流 圏 対 流 圏 対 圏 対流圏 対沸圏 流 対流圏

8. 国民百科事典4

7 1 7 あり痛みが強い。全身症状としては 弟子 > など , 文芸作品にも深い影響 対しても多くの場合この関係が使用 を与えた 頭痛 , 不安 , ときに意識の混濁がみ 〔児島〕 されるが , アは気体の定圧比熱と定 タンニン られる。幼児や老年者に多い。一見 tannin 単一な物質の 積比熱の比で , そのイ直は 1. 7 ~ 1. 3 で 重症にみえるが . , 多くは平均 6 ~ 1 ( ) 名ではなく , 渋味をもつ一群の植物 ある。また弾性ゴムのように膨張係 日で全治し , 皮膚の赤いはれの去っ 成分で , 生皮を革に変質させる作用 数が負のものでは , 断熱的に引きの たあとは落脣して治癒する。細 をもつ物質をタンニンと総称する。 ばすと温度か、上がる。量子力学では , 菌の侵入門らしいところが見あたら したがって広義にはなめし作用のあ 体積のようなパラメータを無限にゆ る無機塩 ( おもにクロム塩 ) も含まれ , ないのがふつうである。治療にはサ っくり変化させる場合断熱変化と 有機物質も植物成分に限らすフェノ ルファ剤や抗生物質が有効である。 〔石田〕 ーール類ことに多価フェノール誘導体 たんのう胆嚢肝臓の右葉の下 もこの中に含まれる。収れ % 性をも タ・ントン Georges Jacques 縁に位置し , 胆嚢管に接続したセイ Danton 1759 ~ 94 フランス革命 ち ( 渋い味 ) , ニカワにこの溶液を加 ョウナシ形の状の臓器 ( 長さ 8 cm , における主要な政治家の 1 人。 1785 えるとゼラチンを沈殿させる。多く 容積 4 ( ) ~ 7 ( ) c c ) で , 中に / 胆汁を貯 ~ 91 年王室顧問会議の弁護十 , 90 年 の重金属塩 , アルカロイド類と沈殿 蔵する。空腹時に胆汁は胆嚢に集ま 物を作る。水 , アルコール , アセト コルドリエ・クラブを創設 , 翌年ノ り , 水分を失って漸次濃縮され数倍 リ自治体の検事補となり , 92 年 8 月 ンなどにとけやすく , 弱い酸性を示 の濃度となる。胃からの酸性の食物 川日事件による革命的コミューンの 消化物が十二指腸内にはいってくる し , 工ーテル , クロロホルム , 石油 と , それに刺激されて反射的に胆光 形成に参加 , その直後法務大臣に任 工ーテルなどにとけにくい。タンニ 命 , 同年 9 月国民公会議員に選出さ 胆汁が十二指 ンの植物界における分布・はきわめて 壁筋の収縮が起こり , ひろく , 高等植物のほとんどすべて 腸に排出される。胆嚢はこのように れて山岳党 ( ジャコバン ) に属した は多少含有し , 藻類 , 菌類 , シダ類 公安委員として恐怖政治のもとでジ 胆汁の貯蔵と排出を行なう器官であ などの下等植物中にも見いだされる。 るが , 胆光造影剤を服用して X 線検 ロンド派打倒と内乱弾圧を強行した 査でその形態や , 収縮能力などをみ か、 , やがてダントン派とロベスピエ 植物体の部位としては , 樹皮中にも ール派の対立が表面化し , 94 年 3 月 っとも多く , 材 , 根皮 , 地下茎 , 葉 , ることができる。また十二指腸ゾン 31 日逮捕され , 処刑された。大胆な デで分泌される胆汁を採取するとき 果実などがこれに次ぐ。果実や種子 能弁で大衆をつかんだが , その性格 は , 硫酸マグネシウム液の注入刺激 の場合は未熟のものに多く , また傷 はロベスピエールの「清廉」と対照 害部 , 虫瘻を部 ( 五倍子 ) にとくに多 で濃厚な胆汁が排出されてくるが , これは胆嚢内の胆汁で B 胆汁といい 的であった い。タンニンのおもな用途はなめし 〔木村〕 たんなトンネル丹那トンネル これを調べると胆嚢内の病気を知り 用で , ケプラチョ , ワットル , チェ 国鉄東海道線の熱海 ~ 函南絵間で , スナツツなどが多く用いられる。 うる。また B 胆汁が欠如しているの も胆嚢の病変を物語るものである。 熱海火山の火口壁を横切るところに インキ製造には五倍子 , 没食子タン また / 胆石は胆嚢にもっとも多い。 設けられた , 全長 7804 m におよぶ長 ニン , 薬用には五倍子からのタンニ ン酸およびカテキュータンニン , 染 いトンネル。火山を横切る断層帯を なお一般に魚類やほ乳類などの脊 通過し , わき水が異常に多いため , つい動物には , 強い苦味をもっ胆汁 料にはタンニン酸 , ガ、ンビール , 日 工事の困難をきわめた点で , 世界に 本ではシイ , ヤマモモ , シャリンノヾ の貯蔵所としての胆嚢があるが , な 知られている。 1918 年工事に着手 , イ樹皮タンニン , 漁網用塗料として かにはこれを欠くものもある。たと この間に 104 名の マングロープカッチ , カテキューな えば偶てい類 , 鯨類 , ゾウ , 一部のげ 34 年完成したか , 〔南〕 っ歯類には胆嚢がない 死者を出している。山北経由 ( 現名 一部のクマ どが用いられる。 の胆嚢は薬用 ( / 熊の胆い ) にされる。 たんねつへんか断熱変化外部 御殿場線 ) に比べ 11. 5km 短縮された との熱のやリとりなしに物体の状態 〔高谷〕 はか , けん引車両数および列車速度 / 肝臓 たんのうら檀ノ浦香川県高松 を変化させるときこれを断熱変化と が飛躍的に増大し , 東海道線の輸送 市に含まれる / 屋島の東を流れる相 いう。熱を通さない ( 断熱的 ) 材料で 力が強化された。 193 ( ) 年の北伊豆地 引川の河口付近をいい , 壇ノ浦とも できたピストンで気体を圧縮すると 震による断層でトンネル中心におい 書き , 屋島浦ともいう。 1185 年 , きの変化は断熱変化の一例である。 て東ロと西口とが相対的に約 2.5 m 通常の物体を断熱的に圧縮すると温 の食違いを生した。現在でもわき水 ノ谷の戦いに敗れた平氏とこれを追 がかなり激しく , これに対処するた 度が上がり , 膨張させると温度が下 う源氏との間に行なわれた屋島の戦 めの水抜坑がトンネル延長の 2 倍に がる。とくに気体における温度の変 いの古戦場で , 平氏はこの戦いに敗 もおよぶ長さに達し , シールドエ法 , 化は日常の現象にもよくみられ , 空 れ , 長門壇ノ浦 ( 現在下関市に含ま 気ポンプをイ吏用するときに筒の温度 セメント注入その他多くの新エ法が れる ) に逃げのびて最後の一戦を試 くふうされ , 鉄道技術の進歩をうな が上昇するのも断熱圧縮によるもの みるがこれにも敗れ , 滅亡する。平 がした。東海道新幹線が通る新丹那 とみられる。また大気中の空気が上 氏の総門跡は現在塩田の中になって トンネルは全長 7959m , 工費約 36 億 昇すると , 圧力が低くなり膨張する いるが , 那須与市の祈り岩 , 駒立岩 , 円で 1964 年 1 月完成した。 ので温度が下がる。大気の上層はど 義経の従者佐藤継信の墓などの史跡 〔千葉〕 温度が低くなるのもこのためで , がある。高松市より電車 , バスの便 たんにしよう歎異抄浄土真宗 がある。 の僧唯円 ( 1222 ~ 89 ) が残した師親 〔高重〕 れにより大気中の水蒸気が凝結して 鸞黷の語録。 1262 年ごろ成立。 1 巻。 たんのうらのたたかい壇ノ浦の 雲を生しる。また / フェーン現象も 親鸞の死後に現われた異説を批判し 戦い 1185 年 , 長門がの壇ノ浦で行 これによる。 ながら真宗の安心咎の正義を伝えよ なわれ , 源平争乱に終止符をうった 断熱変化が , 無限にゆっくり行な うという動機から書かれたので , われ , 熱力学でいう準静的変化 ( 可 戦い。屋島の戦いに敗れて海上に出 の名がある。序文 , 本文 , 後序 ( 総 た平氏は , 退路の山陽 , 北九州地方 逆変化 ) であれば , 工ントロヒ。ーは 括 ) の 3 部からなり , 親鸞の信仰体 一定である。すなわち断熱可逆変化 が源範頼の制圧下におかれていたた 験が驚くべき信念をもって吐露され とはエントロピーが一定である変化 めに下関に退き , 文治 1 年 ( 1185 ) 3 ている。親鸞研究の第一の書物とし ということになる。理想気体の断熱 月 24 日 , 壇ノ浦で , 義経の率いる源 氏の軍と水軍による最後の一戦を試 て重んしられてきたばかりでなく , 明 可逆変化では , 絶対温度 T と体積 v , 治以降すぐれた思想の書として再評 一定 , 7 ' V / みたが , 潮流の方向変化などがわざ 圧力 P の関係は pv ) ・ わいし , 平氏は総くすれとなった。 一定でなえられる。実際の気体に 価され , 倉田百三の / く出家とその ダンノウラ

9. 国民百科事典4

1 4 2 ビーグル号周航において , 彼が親し 類の心臓の形となる。次いで心、房が ものの形態をとって発生するという く観察した生物地理学的な諸事実で 2 分し , 両生類ないしは虫類的形態 ことはない。魚類 , 両生類 , は虫類 あるといわれている。彼は島の生物 をとる。は乳類的な形に達するのは , にそれぞれ類似した段階があるにす 相がその近接している大陸ともっと 発生開始後 2 カ月めである。 ぎないのである。この類似は , これ も類似しており , かっ島特産の種類 こん虫の発生においても同様なこ らグループの胚どうしを比較したと を含んでいること , 大洋中の島には とがみられる。こん虫の成虫は三つ き , もっといちしるしくなる。すなわ コウモリをのぞけば上着のは乳類が の胸節に 1 対すっ 6 本の肢をもって ち , のちに G. デ・ビーア ( 1899 ~ いないことなどを観察した これら いる。ところか、卵内の胚には , 節足 が指摘したように , 動物の胚はその の事実は創造説では説明がつかない。 動物の基本型同様 , 体のほとんど全 一連の祖先の幼生に類似した段階を 島特産の奇妙な種が島ごとに存在す 体節に各 1 対すつの肢が生し , つい 次々に経過して発生するのである。 るけれども , それは近くの大陸にい で腹部のものが退化して , 6 本の肢 このデ・ビーアの法則はきわめて るものと同しグループに属している。 をもつ幼虫として生まれてくる。チ ひろく動物界にあてはまる。しかし , 島の条件の中に孤立した祖先形が , ョウやガの幼虫などでは , 腹部の肢 この法則にそぐわぬ場合もないでは 大陸のものとはちがう進化の歩みを は退化せす , 機能的となって , 多肢 ない。 たとえば双し類の一部の幼虫 のいも虫としてふ化する。この場合 , たどったと考えるはかはない。島に ( うし ) は , 頭も肢ももたぬ点で , 腹部の肢はさなぎになって初めて退 よくみられるはねのないこん虫も , ん虫の中でもむしろ特殊なものであ 化する。 風の強い島の条件に適応して進化し るが , 胚の時代にもいっこうに肢が 発生におけるこのような現象は , てきたものであろう。 あらわれない。各体節に肢をもっと ヘッケルにより , いわゆる「生物発 いう祖先の形態は , 個体発生の歩み R. ジャンネルは洞与穴こん虫の例 生の基本則」あるいは「反覆説」と から完全に消滅してしまっているわ について , この間の事情をよく考察し して表現され , 進化のうらづけに役 けである。そのためであろうか , 植 ている。洞穴には目のない種類のこ だっこととなった。ヘッケルの考え ん虫がたくさんいる。その多くはゴ 物の葉の上にすんでいてアプラムシ によれば , いろいろの動物は個体発 を捕食するヒラタアプの幼虫や , 歩 ミムシ , アリッ、カムシ , シデムシな 生の過程で「その系統樹をはいのば どであるが , 洞穴外に住むものと同 いて寄主に到達するある種の寄生ハ る」 , すなわち「個体発生は系統発生 じ科 , しばしばさらに同じ属に属し ェのプラニジウム型幼虫などでは , ( 系統の歴史 ) をくりかえす」という ている。しかも洞穴外にも軽度から 肢とはまったく関係のない突起やひ 高度に目の退化した種類がおり , 洞 ことになるのである。 だが腹部表面に生して , 肢の相似器 しかし実際にみてみると , これは 穴内のものはこのような種がかって 官となっている。 ごく大ざっぱな意味でしか正しくな 乾燥をのがれて洞内に逃げこみ , ま けれども , 比較発生学が進化の事 いことがわかる。いろいろな点から すます特殊化の道を歩んだのである。 実の強力な証拠となること , ならび みて , は乳類がは虫類から発したも オーストラリア大陸における有袋 に可能な系統 , 類縁関係を示唆して ヘッケルの生物発生の のであり , さらには虫類は両生類か 類の適応放散の例は有名である。 基本法則はいろいろ問 くれることはたしかである。軟体動 題はあるが , 発生の初 ら , 両生類は魚類からという系統が の大陸がユーラシア大陸から分離し 物と環形動物との類縁も , フジッポ めはみなよく似ており , たどれることにまちがいはない。し た当時 , 有胎盤類はまだ生していな が特殊な進化をとげた甲殼類である 発生が進むにつれて縁 かし , ほ乳類の胚が順次に魚類その かった。そこでオーストラリアには ことも , その胚と幼生の発生をみて 遠いものからだんだん もの , 両生類そのもの , は虫類その 古代有袋類が進出すべき広大な生活 初めて容易に理解しうるものとなる。 違った形になっていく 場所が存在していたのである。いく 比較形態学や比較発生学にも不連 つもの種が生して , 新しい生活場所 続性がみられるが , これは古生物学 へ入りこんでいった結果 , 今日オー におけるものよりはるかに深刻であ ストラリアには , 有袋類という共通 るように思われる。 こには有名な の特徴をそなえたまま , カンがルー あごの関節の例だけをあげておこう。 からフクロネコ , フクロモモンが , は虫類のあごの関節では , 頭がいの フクロモグラにいたる実にさまざま 鱗骨につらなる方骨と下がく骨の一 な種が分化するにいたっている。ひ 部をなす関節骨とが接続している。 とつの基本的体制が生活に応して分 一方 , 中耳の中には魚類における舌 化していくこの適応放散の過程こそ , がく骨の変化した 1 本の耳小骨がは 進化そのものではないだろうか。な いっている。ところカ { ほ乳類では , お念のためいっておくカ { , 有袋類は 方骨と関節骨は発生の途中で発達を イモリ 有胎盤類より原始的ではあるけれど やめ , 中耳の中にはいって舌がく骨 も , 後者の祖先ではない。もうーっ とならび , あぶみ , きぬた , っちと うしてまった 興味ぶかいことは , いう 3 個の耳小骨連鎖を形作る。そ こであごの関節は , 鱗骨と歯骨との く別個に生したはすのフクロモモン ガは真のモモンカ・と , フクロモグラ 直接の接続によって形づくられるこ は真のモグラと , それぞれまったく とになる。この二つの構造の間には , よく似た形態をもつにいたっている 中間型はありえない。そしてこの変 ことである。生活ないし機能に応し 化は急激にかっ突然に完了したにち たこの適応集中の現象も , 進化の事 がいない。最初のは乳類は食物をか みくだく必要があっ ) こし , またゆっ 実をものがたるとともに , 適応にお ける形態の必然性をも示唆するよう くりした漸進的変化がやっと適応し に思われる。 て新しい聴覚器官が機能を始めるま 進化論 での長い間 , つん一よでいるわけには これで進化の事実とその問題点に いかなかったのだから。進化のなぞ ついては , 不十分ながら概略をつか は , この化石になりえない変化のう このような まえたことと思う。次に ちに秘められているように思われる。 進化はどのようなしくみによって実 〔生物地理学的証拠〕 Ch. ダーウィ 現されたか , という問題にはいろう。 ンの思想の根底を形づくったものは , シンカ な吮ゴゞ トカゲ 一き工まーをつをを・ ツノサメ ウサギ

10. 国民百科事典4

スイミンサ 2 3 8 律神経系が関係する反射は , 眠って 物電気の発生が伴っているから , れを導き記録した / 脳波は , 脳細胞 いるときにも働いている。全般的に ミ の活動の強弱 , すなわち意識のレベ みて , 自律機能は眠りによって副交 ルあるいは目ざめと眠りの状態の客 感神経系の活動が高まった状態にな 観的のめやすになる ( 第 3 図 ) 。 っている 0 〔人工的な眠り〕自然の眠りは , 前 〔眠リはなせ起こるか〕眠りは生体 に備わっている生命のリズムであっ 視床下部の活動が弱ま 述のように さ て , 脳細胞の疲労回復の過程にはか ったために起こるが , 催眠剤によっ て人工的に眠りを起こすこともでき ならない。それでは , このリズムは 幼呶 る。 / 催眠剤は主として網様体に作 どんなしくみで作られているか。か 目ざめる前に眠りが深くなる型 , で っては , 脳に疲労物質や催眠ホルモ 用して , その活動を弱めて眠りを起 ある。このの違いは習慣や日常の こす。また低いサイクルの電流を視 ンがたまリ , それが眠りを起こす原 生活環境の違いによってできたもの 因と考えられたが これは実験的に 床下部付近に通して , 人工的に眠り であるが , 宵型のほうがむしろ健康 否定されている。嗜し眠性脳炎の脳を を起こすことができる。ソ連で発案 的な型といえよう。 病理組織学的に調べたオーストリア された電気睡眠法である。なお , 病 〔眠りと身心の機能の変化〕眠りの の L. マウトナー ( 184 ( ) ~ 94 ) や C. v. 的なこん睡または麻酔状態は , 視床 特徴は意識の消失である。脳の病気 ェコノモ ( 1876 ~ 1931 ) は , 脳幹の音 5 下部か網様体の機能が障害されてい によるこん睡でも , 麻酔薬による麻 分に目ざめの中枢と眠りの中枢があ ることが原因である。 / 脳〔時実〕 酔でも同しように意識が消失するが , ると想定した。すなわち , 間脳と中 すいみんざい睡眠剤 / 催眠剤 眠りがこん睡や麻酔と違う点は , 自 ずいむしニカメイチュウ ( 二化 脳の移行部に目ざめの中枢があり 然に目ざめることと , 強い刺激で目 その前方部に眠りの中枢があって , 虫 ) の俗称。メイガ科に属する小 ざめさせることができることである。 この二つの中枢の相互拮抗作用に さな灰白色のガで , 幼虫がイネを枯 意識の消失は , 精神機能がなくなっ らす大害虫なので , とくに幼虫をさ よって目ざめと眠りのリズムか・作ら ている状態で , 周囲の環境の変化 , れるという説である。その後 , スイ すことが多い。幼虫は育ちきると体 すなわち感覚刺激に対する感受性が 長 2 cm くらいになり , 幼虫のままわ スの W. R. へスは , 視床と視床下部の 消失または低下し , 知覚 , 思考 , 判 前部に眠りの中枢を , 視床下部の後 らの中で越冬する。早春さなぎにな 断 , 感情などの機能も消失し , した 4 月ころ第 1 回めのガ ( 成虫 ) が 部に目ざめの中枢を想定したが がってそれに基づく意志の発想も起 の考えはマウトナーやエコノモの想 出る。苗しろの葉褻に卵塊を産み , 幼 こらす , その結果 , 運動反応がなく 定とほは、一致している。 虫はイネの髄に食い入って育ち , 6 こオしらグ ) 一 このように , 筋肉連動は起こ つの中枢説に対して , 米国の神経学 月ころ第 2 回めの成虫が出る。年 2 らなくなるが , 同時にまた筋肉の緊 者 H. W. マグーンは脳幹の中心、音にに 回出る地方が多いので , ニカメイチ 張も , 眼輪筋などの特別な筋肉を除 ある網様体という特殊な神経構造の ュウの名があるが , 近似種に年 3 回 いてはすべてなくなっている。眠っ 活動に , 目ざめと眠りの生理学的し 出るサンカメイチュウがあり , これ ているときには , 以上のような感覚 くみを考えた。そして , 網様体の活 もイネの大害虫である。このはか , と運動の機能 ( 体性機能 ) の低下また 動は , そこへ流れ込む感覚信号の多 メイガ類の幼虫には草や花の髄に食 は消失のほかに , 自律機能にも変化 少によってきまるという。すなわち , い入るものが多く , それらの幼虫を が現われる。物質代謝は基礎代謝の 感覚刺激が強くて網様体の活動が高 ズイムシと俗称することも少なくな 値よりも低下し , 体温も下がってく まると意識のレベルが上がって目ざ い。 / メイが 〔長谷川〕 めてき , 感覚刺激が弱まって網様体 る。呼吸運動はおそく深くなってい すいもの吸い物わん吸い物と る。・こ、臓の拍動数や血圧は , 目ざめ の活動が低くなると意識のレベルが 日 . 本料理のこんだてには欠 もし、し、 かせぬものである。汁と実 ( わんだ 下がって目民りにはいるというのであ ているときよりも 20 % ぐらい低下す ね ) とからなり , すまし吸い物とみそ って , 目ざめの中枢だけを網様体に る。また , 眠ると血液の体内分布の 想定したのである。しかし最近の研 吸い物とあるが , ふつう吸い物とい 状況が変化してきて , 手足や胴体の 究によって , 以上の二つの説を折喪 えばすまし吸い物をさし , みそ吸い 血管は充血し , 反対に内臓の血管は したようなしくみによって , 目ざめ 物は / みそ汁または単に汁とよばれ 貧血する。脳の血行は変化を受けな る。こんだての品数が 5 品や 7 品に い。腎臓の流血量が減少するために と眠りのリズムか・作られることか、明 尿量は昼間の % ~ % に減少し , その なると吸い物も 2 種類供することが らかになった。すなわち , リズムの 多く , ふつう酒のさかなとしてすま ほか , 涙やだ液の分泌量も減少する。 形式は視床下部で行なわれ , 視床下 し吸い物を , 飯の菜としてみそ吸い これと反対に , 汗の分泌はかえって 部は網様体に働きかけ , それによっ 盛んになり , 軽い筋肉運動をしてい て起こる網様体の活動の強弱によっ 物を取り合わせる。 9 品のこんだて になるとこのほかに小吸い物を加え るときぐらいの発汗がある。血管運 て意識のレベルが変化し , その結果 , 動反射やどう孔の光反射のような自 目ざめと眠りの交替が起こるという 小吸い物は小さなわ ることが多い 目ざめ んやつば茶わんに手軽に作る吸い物 しくみである。視床下部におけるリ いないが , 視床下部の神経細胞に含 いいコンプのだしだけの軽い風味で まれている物質の周期的な変化によ 植物性のわんだねを少量入れるだけ : ミコ である。蒸し吸い物は品数の多いこ るものであろう。視床下部は自律神 んだての二の膳か , 懐石料理の強 深い眠り 心臓血管機能などの自律機能を調節 肴なとして供せられるものでアナゴ しているから , その活動の弱まりに やハモのかば焼きなどコクのあるわ んだねに青い野菜などを添えてすま よって起こる眠りには , 当然いろい ろな自律機能の変化が伴うはすで , しを注ぎ熱く蒸したものである。ま うが , わんだわを豊かに盛りつけた 活動の高まりを示す変化が起こって ーマイクロポルト亠 吸い物といえる。 いる。 〔作り方〕すまし吸い物はだし汁を 第 3 図目ざめど眠りの脳波 〔眠りと脳波〕脳細胞の活動には生 成虫 てイム . ー