2 3 6 1.9 , 圧縮強度 90 ~ 150kg / cm2 ) で一 少減するとしても構法としては著し く経済的になる。 2 ) 璧式構造柱 , のほかあわコンクリートやガスコン 折板構造の 梁を設けす , 壁体の組合せによって クリ トなどか・つくられている。 壁と屋根 鉄筋コンクリートの鉄筋の端には 11 部の荷重をささえ , 水平力に耐え 鉄筋とコンクリートとが一体となっ るものであり , 間仕切りの多い住宅 , て働くように , かぎを付け , 鉄筋を アパートなどで平面計画上比較的大 継ぐときには鉄筋の径に対して 25 ~ きな壁体をとりやすい場合に適して 4 ( ) 倍以上重ねなければならない。鉄 おり , 鉄筋量を節約することができ 筋の端部をコンクリートに埋め込ん る。 3 ) ラーメン・壁併用式構造壁 で引き抜けないようにするためには , の一部を柱 , 梁とみなしてラーメン 径の 40 倍以上埋め込むことを原則と 解法を行なうもので , 水平力は原則 薄い紙でも , それに するが , 応力の小さい場合には減少 から大別して一体式構造と組立式構 として壁に負担させる折衷式構法で まかい折リ目をつける される。鉄筋の量は構造計算によっ 造とに分けられる。一体式構造は建 ある。いわは、耐震壁式ラーメン構造 とある程度曲げに抵抗 て決定されるが , 計算上必要ない場 を璧式構造に接近させたものといえ 設現場において構造物の鋳掣を仮わ できるし , 風のよう 合でも安全を考慮して一定量の鉄筋 くでつくり , 一体として鋳造するも る。 4 ) シェル構造柱 , 壁 , 梁など に啝直に立てて用いる を入れるのがふつうである。法規で の概念を捨てて , 卵の殼や員殼のよ ので , 従来の鉄筋コンクリート造は と上から押されても側 ほとんどがこの方式にはいるもので は , 柱の主要な鉄筋はコンクリ うに一体となった薄い膜で空間をお なから押されても抵抗 できる強い支壁となる。 ある。組立式構造はあらかしめ柱 , おう形式の構造で別名を曲面構造と 断面積の 0. 8 % 以上で , 4 本以上と 折板構造の力学的原理 梁あるいは床 , 壁などの建築構成要 もいい , 大いに自重を軽減すること し , 帯筋を 3 ( ) cm 間隔以下で , かっ主 はこれと同しもので , が可能である。シェル構造にも多く 筋小径の 15 倍以下とすることが定め 素を分解加工し , これを架構式構法 図は東京世田谷公会堂 によって組み立て , あるいは接合部 の種類があり , 円筒状シェルや H P られている。また , 主要な梁は複筋 の折板による壁と屋根 だけを現場打コンクリートで固める ( 双曲放物面 ) シェルが建築物に適用 とし , 肋筋を梁せいの % 以下の間隔 を図解したものである 方式である。万代ぺいなどもこの構 に配置するよう規定されている。鉄 この構法は 法の応用とみてよい。 筋コンクリート構造における主要な PS コンクリート構造との結びつき 鉄筋はなるべく部材の周辺に配置す によっていっそう長所を発揮し , 今 るのが効果的であるが , あまり周辺 後建築生産が工業化され , 工場生産 にかたよるとコンクリートの付着カ 方式が導入されるにつれて逐次発展 が減少し , 外界の影響を受けて腐食 していくものと考えられる。 を早め , 耐火性を失うので , かなら 邯の殼のような , シェル構造による上屋 す一定のコンクリート被覆を保たな 次に一体式の鉄筋コンクリート造 ーれを「かぶり」 を架構の形式によって分類すると , されている。 5 ) 折板構造平面板を ければならない。 ラーメン式構造 , 壁式構造 , ラーメ と称し , 壁 , 床では 2 cm, 柱 , 梁で 互いにある角度をもたせて連結し , ン・璧併用式構造 , シェル ( 殼 ) 構造 , は 4cm, 基礎は 6cm 以上必要である それ自体で一つの構造体としたもの 折板構造に分けられる。 1 ) ラーメン とされている。鉄筋コンクリート造 である。折板構造はシェル構造とと 式構造外力を主として柱 , 梁に支 もに , 従来困難視されていた鉄筋コ 床スラブ , 屋根スラブは梁と一体に なり , 架構のわい曲を防止する重要 持させる方法で , 骨組の接合部をで ンクリートによる大はり間架構を可 きるだけ剛にしたものである。この な構造体である。ふつうは梁で周辺 能ならしめるもので , その発展が期 構造は , 擘体を骨組とは無関係に柱 を固定されたスラブとして設計され 待されている。 〔材料と使用法〕鉄筋コンクリート るが , スパンが大きくなると , 一方 間にはめ込むか梁に懸吊をよさせる帳 に用いる鉄筋は J I S の「一般構造用 向または井げたに小梁を組んで床フ、 壁式と , 骨組と鉄筋コンクリートの ラブをささえ , あるいは小梁上に根 圧延鋼材」の規格に合格し , かっ降 壁体を協力させて水平力の一部を璧 太付きの床スラブをかけて , 床スラブ 伏点 24kg / mm2 以上のものである。 に負担させる耐震壁式とに分けるこ の自重 , 鉄筋量を軽減するくふうが 般に丸鋼を使用するが , 付着強度を とができる。 a. 帳壁式純粋ラーメ 試みられる。特殊な場合として極度 増すために特別の断面をした異形鉄 ン式ともいうべきもので , 壁体の配 に空間を利用するため梁せいの節約 筋を使用することもある。コンクリ 置が骨組に制約されないから平面計 を目的として床スラブを厚くし , 柱 トはセメントペーストで砂 , 砂利 画を行なううえでは望ましい構法で 上部をひろげて床スラブをささえ , を固めたもので , セメントペースト あるが , 地震のある地域では骨組の 梁をいっさい設けない方法があり 負担を大きくし , 実用的価値を失う の濃度によって著しく強度が変わる 無梁スラブ構造とよばれている。床 ばかりでなく , セメントの品質 , 砂 , おそれもある。 b. 耐震壁式壁体は スラブに大きな応力の生することは 砂利の品質や純度などによっても影 柱 , 梁と一体化して建物の剛性を高め , まれであるが , 局部的に集中荷重や 響を受ける。セメントは J I S で規定 柱 , 梁の応力を減し , 断面の減少に 衝撃を受けることがあるからあまリ されたポルトランドセメントを用い 役だつので , 空間構成の自由度は多 薄くすることは危険で , ふつうは 1 ( ) るのがふつうであるか、 , 高炉セメン ~ 13cm である。壁は床スラブと同様 ト , シリカセメント , フライアッシ に骨組の補強として重要な役割をに ュセメントなどを利用する場合もあ る。砂 , 砂利は骨材とよばれ , いす なうことができるから構造上は柱 , れも酸 , 塩 , 有機物を含ます , 粒度 梁と一体に打ち上げることか望まし にむらのないものが望ましい。ふつ いが , 建物の使用上あるいは施工法 う , コンクリートの比重は 2.3 内外 上 , 帳壁としてあとから取り付けら で圧縮強度は 90 ~ 2 ( ) ( ) kg / cm2 のもの れることもある。壁厚は外壁で 12 ~ が使われるが , 鉄筋コンクリート構 15cm , 内壁で 9 ~ 12cm とされること 鉄筋コンクリート造の内部 造を軽量化するために , 軽量コンク カヾ多い に木造 , 鉄骨などの造作を取り付け リートの研究も進められている。現 るためにはあらかじめコンクリ 在一般に使用されている軽量コンク ートはキとして火山レキを骨材と に受材としてアンカーポルト , 木レ する軽石コンクリ ト ( 比重 1.4 ~ ンガ , インサートなどを埋め込んで テッキンコ 鉄筋コンクリート造の 一般に梁 , 住宅では , 柱などでラーメンを形 これを骨格とし たラーーメン式構造 ( 左 ) カ ( 使用されるが , 2 , 3 階程度の小規模な住宅 では , 璧と床または屋 根スラブで構成した壁 式構造 ( 右 ) でも十分で ある 屋根スラブ 木造床
2 4 4 られて , 人々に親しまれたと伝えら 給国から輸入国に変わり , 鉄鉱石の ルが用いられる。鉄骨構造の柱は大 れている。また 88 年にはスノヾン ( は 約 40 % を輸入している。ソ連には世 別すると , 単一の形鋼または鋼管を 界一の大量の鉄鉱石が存在する。鉄 り間 ) 約 60 m の天竜川鉄橋が英人技 用いる単一柱と , 形鋼 , プレーートを 鋼業における新しい形態として / コ 師の設計で鋼で完成している。日本 結合した組立柱とに分けることがで ンビナートないし関連巨大企業間の きる。組立柱にはプレートを全体に 最初の鉄骨構造建築とされているの 提携の動きが強まっている。鉄鋼・ 通したソリッド柱 , 形鋼をプレート は 95 年に東京数寄屋河岸に建てられ ではしご状につづったはしご柱 , 形 化学の企業間における生産技術体系 た 3 階建の秀英舎印刷工場である。 鋼をプレートやアングルで斜めにつ 〔特色と用途〕鉄骨構造の特色は耐 の合理化 , 組織化を基盤としたコン づったラチス柱の各種がある。梁は ビナート的結合が形成され , さらに 震的で不燃性を有し , 適当な保護に 鉄鋼・機械部門間の提携が促進され 単一梁と組立梁とに分かれ , 後者は よって耐火 , 耐久性をそなえ , 大規 ようとしている。 さらにプレート梁 , 格子梁 , ラチス 〔雀部〕 模な構造が可能であることである。 てっこつけんちく鉄骨建築形 梁およびトラス梁に分かれる。 また組立や解体が比較的容易であり , 〔各部の構造〕基礎には軽微な場合 鋼や鋼板を素材として骨組を構成し 素材自体が工場で大量生産されるも た建築のことで , その構法を鉄骨構 は無筋コンクリート , 大規模の場合 のであるから , 建築生産を工業化す 造と総称する。形鋼には従来使用さ は鉄筋コンクリートが使用される。 るための構法として大きな期待を寄 クインポストトラス れてきた肉厚のある熱間圧延鋼材と , 床スラブ ( 版 ) は鉄筋コンクリートで せられている。しかし鉄骨それ自体 としては高熱に対して抵抗力がなく , っくなれることが多く , 鉄骨に固定 熱間または冷間で圧延された帯鋼ま 比較的高価であり , 重量も鉄筋コン たは鋼板を冷間で成形した肉厚の少 させるには , 鉄筋を鉄骨に溶接する ない鋼材とがある。後者を軽量形鋼 クリ トよりは軽いが木造よりは重 方法が一般に行なわれている。壁に フィンクトラス とよび , それを素材として構成する は軽量で取付けの簡単なものが選ば ことに現行法規に基づいて耐火 当縮カ 的な構造にしようとすれば , 工費に 構法を軽量鉄骨構造と称する。 れ , 工場倉庫などの場合は石綿板や 鉄が構造用の部材に用いられはじ おいて鉄筋コンクリート構造と大差 鉄板をアンカーポルトで取り付ける めたのは 18 世紀末からで . 1770 年イ がなく , むしろ細部のおさまりに無 ことが多い。居住性を高めるには鉄 ングランドの製鉄業の中心地コール 理を生しがちである。したがって一 鋼モルタルなどが用いられ , 壁ノヾネ 平行弦トラス ( プラット式 ) プルックデールでセノヾーン川に全鋳 般事務所建築などに単独に用いられ ルにはプレキャストコンクリート板 , 鉄製のアーチ橋がかけられたのを構 石綿板 , 木製パネルなどが使用され ることは少なく , 主として大はり間 造材への応用の最初とみることがで るが , 各種材料をはり合わせて耐火 , 構造 , 軽量構造物 , 高塔 , 大はり間 きよう。 1801 年には英国のワットと 耐久 , しや音 , しゃ熱などの特色をも の小屋組 , 梁などに用いられること 平行弦トラス ( ハウ式 ) たせた , サンドイッチノヾネルが有望 ポールトンが , マンチェスターで鋳 が多い。鉄骨構造の長所短所と鉄筋 視されている。また自立したコンク 鉄の柱と梁とをはしめて有効に連 コンクリート構造のそれとは互いに 三角形のような単位形 相反する要素が多いが , これらを併 リートプロック壁やレンガ壁などは 結したといわれるもめん工場を設計 をいくつもつないで形 成される構造をトラス 用すると耐震 , 耐火 , 耐久性を有す 耐震力が弱いので補強が必要である。 し , また同しころ英国の造船技師で , 材はすべて圧 とし、し、 あり橋梁 3 よ技師であった W. フェアバ る大はり間の高層建築を経済的に構 開口部は防火性を考慮してスチール 縮カか引張力をうけ , ーン ( 1789 ~ 1874 ) が練鉄の経済的 , 成することができる。この構法は鉄 サッシが用いられるが , 防火性を必 曲げの力はうけない。 筋鉄骨コンクリート構造とよばれ , 要としない場合は木製建具も使用さ 科学的使用法を開拓した。 19 世紀に ふつうの屋根や橋のほ 今日のビル建築ははとんどこの構法 れる。屋根は取付けが簡単で軽いも はいって製鉄技術が改良されるとと とんどは平面トラスで のがよい点から鉄板または石綿板 , によっている もに , 橋や建物の鉄材も鋳鉄から練 - E の - 二つの型 . カゞ用いら あるいは木製野地板の上のかわら棒 れ , 大きな架構ではフ 〔各種の構法〕鉄骨構造には木構造 鉄に , さらに 19 世紀末には鋼にかわ インクトラスカ { 用いら ぶきなどが多い。屋根をささえる鉄 っていった。日本では , 1868 年 ( 明 と同しように , 柱に水平材をかけわ れる。平行弦トラスは 骨が耐火材で被覆してない場合には , 治 1 ) に長崎や横浜で鉄の橋がかけ たしていくド式構法 , 個々の部材 橋によく用いられる 火事のとき鉄骨は高熱によって変形 をトラスに組み立てていくトラス式 して残るので , いっそ軽い可燃材を 構法 , 鉄筋コンクリート構造におけ 使用して焼却し去ったほうがよいと るものと同しラーメン式構法がある。 式構法における柱や梁はトラス架 されている。 〔川上〕 構として組み立てられる場合が多い。 デッサウ De ssau 東ドイツ中 部 , ハレ県の都市。人口 92510 ( 1960 ) 。 鉄骨構造の骨組の構成は形鋼 , 平鋼 , 棒鋼のリべット接合 , ポルト接合 , ムルデ川カ { ェノレベ川に注入する少し ヒ。ン接合または溶接によるものであ 上流に位する水陸交通の要地。 17 世 トミミ って , 鋼材には木材のように材質の 紀初めからアンハルト・デッサウ領 主の居住地であった。ュンカース航 むらや乾燥による収縮などがないの 空機工場をはしめ近代的重工業が発 で , 構成にあたって力学的にあいま いな要素の入り込む余地が少なく , 達していたが , 第二次大戦で町の大 安全確実な骨組をつくりうる。 部分は破壊された。戦後 , 車両 , 機 械 , 化学薬品などの工場も復興 , 工 鉄骨構造は断面補強が容易であり , ルべ河畔フォッケローデの発電所は 補強を目的とする部材としてはカバ ープレート , ガセットプレート , ス 完全オートメーション装置を誇って チフナーなどがある。カ / ヾープレー いる。 1925 年 / ノヾウノ、ウスか、この地で 〔藤本〕 トとは部材継手に用いる添板と , 部 再発足し運動をすすめた。 テッサリア The s sa li a ギリシ 材断面増強のために添える増板との ア北東部 , ェーゲ海岸の県 ( ノモス ) 。 ことである。ガセットプレートとは 面積 13973km2 , 人口 695385 ( 1961 ) 。中 柱と梁の取合せ , トラス部材相互の 心はテッサリア平原で四方を山で囲 仕口に用いて節点に集合する部材を まれ , よく耕され , ギリシアの穀倉 リべット接合するための鋼板をさす。 である。小麦のほかオリープ , タバ スチフナーとは梁の座屈に対する補 コ , 果実 , 野菜などの栽培が盛んで , 強として , 上下弦材の間に入れるウ 牧畜も行なわれる。主要都市は主都 エプ補強材のことで , ふつうアング テッコッケ 原カ \ 引張り 平面トラスのいろいろ キングボストトラス ガセットプレート カ / ヾー プレート フラン、ン アングル 鉄骨材の接合。上はが セットプレートとよば れる鋼板を用いて , 節 点に集中する部材をリ べット接合したもの 下は部材継手の添板に カノヾープレート , 梁の 上下の弦材にフランジ アングル , ウエププレ ト補強にスチフナー を使って接合したもの ウエプ プレート スチフナー
テッキンコ 平面ラーメン のいろいろ 2 3 5 から饋鉄の使用などがみられたにも 構法の学術的研究に取り組んだ。ケ なる二つの材料が協同して外力に抵 かかわらす , 前 7 ~ 前 6 世糸己ごろに ーネンは鉄筋コンクリート製の梁嵭に 抗し , 全体としてきわめて有効な構 なってはしめて鉄の製練が行なわれ , ついて研究し , 引張応力を鉄筋で受 造材料となるのは , 2 材料の間に次 主要な道具の材料となった。ョーロ け , 圧縮応力をコンクリートで受け のような性質が成立しているからで ッノ、・ロシア南部からシベリアの一一一 るように両材料を配置させるべきこ ある。 1 ) 鉄は空気中ではさびるけれ 部にまで広がった遊牧民族のスキタ ども , アルカリ性のコンクリートの とに着想し , 87 年に鉄筋コンクリ イ人は , ベルシア , カフカズ方面か 中に埋め込んだ場合にはさびないこ ト梁の理論的計算方法を発表して今 ら鉄を受け入れてスキタイ式鉄剣な 日の応力計算の基礎をつくった。フ と , 2 ) 鉄筋とコンクリートとの付着 どをつくった ・方 , インドではイ ランスの F. エネビクは , 肋をは筋およ 強さの大きいこと , 3 ) 鉄筋とコンク ンダス河谷に栄えた古代文明が没落 び折曲げ鉄筋の使用について特許を リートとは温度に対する膨張係数が し , 新しく力、、ンジス川とジュムナ川 受け , 鉄筋コンクリートの進歩に大 はとんど一致しており , 一定限度内 の中間地域に文明の中心が移ってか きな貢献をした。建築構造として最 では弾性係数比が定数となること。 ら , 前 2 千年紀の終わりごろにはし 初に使用されたのは床スラブ ( 床版 ) 次に鉄筋コンクリートの利点と欠 めて鉄製品が現われた。しかし , 鉄 に対してであり , 次いで梁 , 柱へと 点をあげると , 1 ) 利点構法が耐震 , 器時代が始まったのは , 前 1 千年紀 発展して適用規模を順次拡大してい 耐火 , 耐久的であると同時に , E に った。これらはいすれもレンが造の の前半から前 5 ( ) ( ) 年ごろになってから 述べたように各材料の特徴を発揮さ 6 中国では西周の崩壊した 璧や鉄骨造における木造床 , 木製梁 せ , 材料を経済的に使用するような であった 梁と柱を節点において のち , 東周時代にはいってから , す 合理性を備えているので , 他の構這 に代わる半恒久的な耐火材として活 剛に接合して構成され なわち前 8 世紀以後になって鉄製品 材料を使用する場合に比べて , 多く 用されたものであった。その後 , 鉄 る長方形の骨組で , 主 が普及しはしめた。日本に農耕と金 の場合 , はなはだ経済的に構造物を 筋コンクリートに対する理論および として曲げによって外 属器が伝えられたのは , この東周の 実験的研究が進むにつれて柱 , 梁な っくりうることが指摘される。また 力に抵抗する構造がラ 終わりごろであり ( 前 3 ( )( ) 頃 ) , 弥生 どの部材の接合部を完全に剛にする 鉄筋コンクリートは , 製造技術上こ ーメンである。アーチ 文化が鉄製品と青銅製品とを同時に いわゆる剛節構造を実現させるため れによってどんな形のものでも , 仮 の場合は曲線形で曲げ のはかに軸方向の力に 受け入れたと考えられているのは当 には , 従来適用されてきた鉄骨構造 わくさえ組めば欲するようにつくる よって外力に抵抗する。 然であろう。しかし日本で鉄の製練 ( / 鉄骨建築 ) に比較して鉄筋コンク ことができるので , 構造物の形状 , ふつうの鉄筋コンクリ が行なわれ , 鉄器がひろく用いられ リート構造によれは、きわめて容易な 寸法などが材料の市場寸法に制約を トの構造はだいたい るようになったのは , しつに古墳時 ことか、確かめられ , 今日でははとん 受けることがないこと , すなわち手 ラーメンである。図の 代 ( 4 ~ 7 世紀 ) のことであった。青 どすべての構造物に適用されている。 工業的建築生産の技術に適合してい 1 は 1 層 1 スノヾンの 銅器が鉄器に代わったということか・ , 日本にはじめて採り入れられたのは ることが喜ばれてきた。 鉄筋コンク 本的ラーメン , 2 は 3 どういう意味をもつかといえば , 生 ヒンジフーメン , 3 は 明治末年であるが , 1923 年の関東大 リートは以上のようなすぐれた長所 2 ヒンジラーメン , 4 産力の増大と戦闘力の強化がますあ 震災などの試練をへて , 耐震構造と を有する。 2 ) 欠点強度に比して自 は吹抜け部分をもっラ げられよう。農業の面では鉄製の犂 : , しては欧米の手法以上に合理的な設 重の大きいことで , このため適用範 ーメン , 5 は大県がラ 芹蒭の普及によって , 森林の伐採や 計が行なわれるようになった 位におのすから限度がある。たとえ ーメンで構成されてい 耕作が能率的になり , かんがい設備 〔構造と特色〕鉄筋コンクリートは ば , 鉄筋コンクリート構造は耐力が る。 6 の形式はビル建 仮わくで部材の鋳県をつくった中に や揚水設備が改善された。また交通 強大であるから , 外力を柱 , 梁に負 築によくみられる。た だし図のは平面ラーメ 用具 ( 舟 , 車など ) は完成され , 石や コンクリートと鉄とを一体になるよ 担させ , 空間の自由な構成を生みだ ンで , 実際は立体ラーー 木に対する加工は容易となって , ・文 うに打ち込んでつくるが , その構造 すことが可能となり , 地震の少ない メンとなるのがふつう 化全般が急速にひきあげられた。と 原理の特色は , 部材に働く引張力を 地方においては十数階に及ぶ高層建 くに鉄製武器 , 馬具 , 戦車などの登 鉄筋に負担させ , 圧縮力をコンクリ このような場合 築も実現できるが , 場によって , 軍事技術は著しく発達 ートに支持させるところにある。コ には構造物の自重そのものも膨大な した。鉄製品によって武装された軍 トは圧縮強度が大きいから ものとなり , 加えるに外力のいっさ ンクリ 隊は , 青銅製品に守られた文明国を 圧縮材としては経済的な材料である いを骨組に負担させるときは柱 , 梁 H P 曲面とはハイノ、ポ が , その引張強度ははは、圧縮強度の 粉砕することができた。鉄の使用は , の断面が大きくなって使用上の障害 リック・ . ・ヾラボロイド 人類の歴史にとってまさに驚くべき にすぎない。したがってコンクリ をきたす結果ともなる。また , 基礎 曲面の略で , 日 P ンエ 変革であったといえる。それ以来現 ートを引張力に抵抗する材料として も複雑になるためにかならすしも経 ルは上からの荷を受 けたとき , 曲面上の引 代までの人間生活は , 鉄の利用とい 使用するのは適当でない。一方 , 鉄 済的な構造とはなら・なくなる。日本 つはり合う力と曲面周 う点においては共通する性格をもっ は引張強度はひしように大きく のような地震国では , 鉄筋コンクリ 辺の押し合う力とのっ ているのである。 〔芹沢〕 れに引張力を受けさせるためには単 ートの限界は , 柱間隔 6 ~ 7 m , 階 りあいが生しる。日 P に棒の形で使用することができるの てつきんコンクリート鉄筋コン 数 5 ~ 6 階 , 階高 4 ~ 5 m までで , 曲面は図のように直線 ート鉄筋で補強した / コンク で , 引張力に抵抗する材料として使 これを越える場合には鉄骨構造を卞 母線群で簡単に構成さ リートのことで , 外から働きかける 用するにはもっとも経済的な材料で れるので , 鉄崩コンク 体とし , その補強として鉄筋コンク トの日 P ンエルは 力に対し , 鉄とコンクリ トとカ { 一 ある。このような両材料の性質の長 ト造を援用するいわゆる鉄骨鉄 リ 最近多くの建物に利用 所を組み合わせ , 短所を補い合った 体となって作用するものをいう。鉄 筋コンクリート造による。 されはしめた。引っぱ 筋コンクリートを発明したのはフラ ところに鉄筋コンクリートの構造原 〔各種の構造〕鉄筋コンクリー る力には細い鋼材でた ンスの J. L. ランポーで , 185 ( ) 年に鉄 理の妙味がある。また鉄筋コンクリ よってつくられる構造は , 生産ち式 えられるから肉の薄い 網で補強したコンクリートの小船を トの一種で近年しだいに普及して 構造体をつくるに適す 造り , 55 年のパリ博覧会に出品した いる P S コンクリート ( P C ) は , 上 またパリの植木師である J. モニエは 記の構造原理をいっそう発展させた 61 年にセメントモルタルの植木は・ち もので , 鉄筋の代わりに高強度の鋼 を鉄網で補強することを発明し , 線 , 鋼棒 , 鋼索などを用い , の方法を水そうに応用することに成 あらかしめ引張力を与え , 引張側の 功 , さらに改良を加え , 格子状に鉄 コンクリートにも圧縮力が残るよう 筋を配置するモニエ式工法を考案し こし , 荷重が加わったときに , コン て専売特許を得た。その後 , この特 クリートのひび割れが生しないよう 許権を買い取ったドイツの G. A. ワイ こしたものである。このようにコン スは M. ケーネンらと共同してこの トと鉄という性質の大いに異 クリ ( アーチ ) 3 2 0 ■・ 0 0 ■・ 0 4 5 縁に沿ったカ HP 曲面の原理 支点、 支点 直線の母線群 各区画でのカのつりあい 対角線方向での 力の・つりあい
テ・ンプン C H 2 ( ) 日 CH20 日 CH20H C-H-OH CH20H CH20H ロ CH20H CH20H CH2 OH C 日 2 CH2 CH20H ロ′くクチン デンプン分子の構造。 アミロースは D ーグルコ ースカ { 30 ( ) ~ 50 ( ) 個重召、 した鎖状分子 , アミロ ′、クチンで : よ 5 ( ) ( ) ~ 1 ( ) ( X) 個重合して枝分かれし , 球状分子になっている デンプンの顕徹鏡写真 ( 約 10 ( ) 倍 ) 。左から貝殼 状のジャガイモ , 卵形 のサツマイモ , コムギ , 多角形のトウモロコシ ある。 3 ) てんぶら油一般にてんぶ ら油として売られているものは大豆 油が主体であるが , 本来はかおりも 味もよいのでゴマ油が使われる。た だ , 油のきれが悪くべとつくのが欠 点で , それを補う意味でカヤの実油 やサラダ浦を混ぜて軽く揚げるのが 近来の傾向である。ツバキ油やオリ ープ油もよいが高価である。 4 ) なべ と火かげん温度を一定に保っため になるべく大きめで地の厚い底の平 らな鉄なべ , または銅なべにスズを ひいたものがよい。火かげんは , 初 め強火にするが , 油にころもをふり こみ , その瞬間にさっと散る程度が ェビや魚を揚げる適温で 18 ( ) ℃くら ころもが沈みかけて散るのは野 菜を揚げる適温で , 17 ( ) ℃くらいで ある。油の表面から薄煙が立ちはじ めるのは過熱である。 5 ) 揚げ方のコ ツころもの中へ材料全部をつけこ ます , ーっすつつけて揚げ , 油なべ にはいつばいに材料を入れす , 油の 温度が急激に下がらないようにする。 浮いた揚げ玉は網ですくい , なべ底 にはよごれた沈殿物がないようにす る。イカはころもが固まる程度で引 き揚げ , アナゴは強火でからりと揚 げる。かき揚げはだんごのようにか たまらないように注意する。 6 ) つけ 汁と薬味てんぶらのつけ汁は「て んつゆ」とよび , ころものおもいて んぶらは濃いめの汁 , ころものかる いてんぶらは淡味の汁を用いる。淡 味の一例として , 汁は 5 人分でだし カップ 2 杯 , 淡ロしよう油大さじ 4 杯 , しよう油大さし 2 杯 , みりん大 さし 2 杯 , 砂糖大さじ 1 杯の割りで 0 0 3 4 2 合わせ , ひと煮立ちさせる。薬味に はダ、イコンおろし , おろしショウが を用い , 工ビやイカはレモンと食塩 で食べてもよい。 / 揚げ物〔柳原〕 でんぶんデンプン ( 澱粉 ) 葉が 緑色の植物体にひろくみられる高分 子の / 炭水化物である。つまりプド ウ糖がたくさん結びついた多糖類で ある。 〔生成〕デンプンには 2 種類ある。 1 ) 同化デンプン緑葉植物が空気中 の炭酸がスと根から吸った水を原料 として , 太陽のエネルキ、一を使って 葉緑体の作用で合成したもの。これ らは葉の細胞の中に , 直径川 ( ) ( ) 分の 1 mm 以下の小粒子としてたくわえら れ , 夜になって植物体の各部で利用 されて , 夜明けには消失する ( / 光 合成 ) 。 2 ) 貯蔵デンプン根 ( サツマ イモ ) , 茎 ( ジャガ、イモ ) , 種「・ ( 稲 , 麦 , トウモロコン ) などのなかに大量 にたくわえられているもの。これは 同化デンプンよリかなリ大きく , 100() 分の 1 mm ないし % mrn ぐらいで れらの根 , 茎 , 種子が発芽するさいの 養分として利用される。動物にはこ のようにして , 無機質からデンプン のような有機質を作る能力がない。 そこで貯蔵デンプンは人類の食糧お よび工業原料としてひしように重要 である。 〔デンプン粒〕植物の細胞中にある デンプンは , すべて特有な位状構造 がみられる。これをデンプン粒とい う。その形や大きさは , 原料植物に よって違うが 一般に根茎および鱗 茎 ( カンナなど ) のデンプン粒は , 大 形で , 大小の差が大きく , イネ科植 物の種子のデンプンは小形で形がそ ろっている。 〔構造〕デンプン粒を構成している デンプン分子はブドウ糖 ( D ーグルコ ース ) が重合してできたものであっ て , 単一のものではなく , 重合度の 違う種々の同族体の混合物である。 一般式は ( C6HI 。 05 ) 。。・ H20 で示さ れるが , 2 種の構造の分子 , すなわ ちアミロースという長い鎖状の分子 と , アミロペクチンという枝分れし た分子の混合物である。アミロペク チンはデンプンの約 8() % を占め , そ の分子構造中の一部の鎖状部分がそ ろいやすく , デンプンの結晶構造の 原因となっている。アミロースはふ つうデンプン中に 2 ( ) % 含まれるが 0 0 0 0 9 もち米 , もちトウモロコシのような ものにははとんど含まれない 〔性質〕デンプンは白色の粉末で , 味やにおいがなく , 水には溶けない 比重は 1. 62 ~ 1. 65 で , 水中に沈むと ころから「澱枌」と名づけられた デンプンに熱湯を加えるか , または 水を加えて熱すると , デンプン粒は ふくれてのり ( 糊 ) ができる。この温 度はデンプンの種類によって異なり ふつうのデンプンでは , ジャガイモ デンプンがいちばん低い温度で透明 なのりになるが , 小麦 , 稲 , トウモ ロコシなどの子実のデンプンはのり になる温度が高く , でき . たのりは不 透明である。デンプンにヨード・ヨ ドカリ溶液を加えると青色 , 紫青 色または赤かっ色に着色する。これ をヨード反応といい , デンプンの検 出に重要な反応である。天然の生デ ンプンを X 線で見ると , きれいな結 品構造をしていることがわかる。 れを滝ーデンプンというが , 熱を加え ると , この結品構造はこわれて住ーデ ンプンとなる。。ーデンプンは味がよ く 消化率も高い。米やパンを食べ るときに熱を加えるのは , ーデンプ ンを。ーデンプンにするためである。 ふつうのデンプン食品を。化するに は , 水分 3 ( ) % 以上で 1 ( ) ( ) ℃に 2 ( ) 分以 上熱すれば十分である。いちど。化 したデンプンも , 水分を含んだまま で冷たくなると , またーデンプンに 戻る。これをデンプンの老化という。 老化は水分 3 ( ) ~ 6 ( ) % , ( ) ℃のときに もっとも起こりやすい。米飯を保温 バンを焼いて査 したり , 蒸したり べるのは , できるだけ化を遅らせ たり , あるいはふたたび。化するた めである。デンプンを酸または糖化 酵素で分解すると , 95 % までブドウ 糖に分解される。またデンプンの酸 分解を途中で止めると , 35 ~ 45 % 程 度のブドウ糖と 45 ~ 35 % の / デキス トリンの混合した水あめができる。 デンプンを麦芽で分解すると , 5 ( ) ~ 6 ( ) % の麦芽糖と 2 ( ) ~ 25 % のデキスト リンの混合した麦芽あめができる。 〔製造〕デンプンは緑葉植物ならば いすれにも含まれているが , 工業原 料となるものは同化デンプンではな く貯蔵デンプンである。しかもデン プン含量が多く , 集荷 , 貯蔵が容易 なものが用いられるので , その種類 は限られる。日本ではサツマイモ , ジャがイモ , / ト麦 , トウモロコシカゞ 主原料で , 1963 年には約 9 ( ) 万トンが 生産されているか、 , そのうち北海道 ではジャがイモか・主原料とされてい る。米国ではトウモロコシデンプン ( コーンスターチ ) が大部分をしめて いる。ドイツ , オランダではジャが イモデンプン , インドネシア , 南米 ではカッサノヾデンプン ( / タピオカ ) が代表的である。デンプンを作るに は , ます原料植物の細胞膜を破り ,
日本人のなかで民族差をもつのは / アイヌであるカヾ , はとんど固有文 イ匕を失い , 日本人に同化している。 日本に居住する外国人は朝鮮人を最 高とし , 中国人 , 米国人の順である。 日本に居住する外国人の大部分を占 める朝鮓人は , 1911 年ごろから労働 者として流入しだしたもので , 第一 次大戦以後急増し , 第二次大戦のと き労務者として強制移住させられた ものもあって , 戦争終結当時は総数 1 ()O 万人をかぞえた。戦後の外国人 を戦前に比べると , ソ連人 , 英国人 , ドイツ人が減少し , 中国人 , 米国人 , カナダ人の数か・ふえている。日本の はとんどすべての住民は日本語を話 す。アイヌはアイヌ語をもつが , 日 常語として用いるものははとんどい ない。在日朝鮮人の大部分は , 朝鮮 吾と日本語を使用している。なお , 沖縄の琉球語は内地方言に比べて ひしように変わっているか・ , 日本言五 と同系であることが明らかである。 / 日本人 / 日本語〔小池・尾留川〕 〔地体構造〕日本列島は環太平洋造 山帯の一部を形づくる大海底山脈の 上部だけが海上に現われている弧状 列島である。大陸の縁海は浅いが , 外側の太平洋側には弧に沿って曻本 海溝 , 球海溝が延び , 深さ 6000m を越える。日本アルプスの山々は日 本海溝底から 1 2 ()()() m にも達する高 さにあり , 日本列島はヒマラヤ山脈 に匹敵する大隆起体といえる。現在 の日本の基本的な地体構造は古生代 末 , 中生代の造山運動をへて , 中生 代末にほは、完成したと考えられる。 この造山帯に沿って火山帯 , 地震帯 か走り , おもな火山だけでも 150 を 越し , これらの火山は山地をさらに 高めている。この地帯では噴火爆発 , 地震 , 津波の災害が起こ・りやすい。 弧状の海底山脈は樺太 , 北海道か ら九州に至る本州弧 , 北海道から千 島に延びる千島弧 , 九州から台湾に 延びる琉球弧と , マリアナから七島 を経て本州弧に合する七島マリアナ 弧からなる。中核となる本り弧は中 央日本を横断する / フォッサマグナ によって地体構造上 , 西南日本と東 北日本とに分かれる。地溝帯の西縁 は糸魚川誌いから姫川 , 松本盆地の 西縁 , 諏訪盆地 , 釜無川 , 赤石山脈 の東縁を通って静岡に至る糸魚川静 岡構造線で境されるが , 東縁は火山 噴出物でおおわれて西縁のようには 明白でない。第三系からなるこの地 溝帯の両側には中生代以前の地層か らなる赤石山脈と関東山地とが相対 している。 1 ) 西南日本大竜川上流 から豊川の谷を通り , 渥美半島 , 紀ノ川 , 吉野川の谷を経て九州の八 代に至る大断層帯の中央構造線に よって内帯と外帯とに分かれる。赤 石地帯 , 紀伊 , 四国 , 九州地帯を含 む外帯の地質は典型的な帯状構造を 6 2 7 示し , 中央構造線と同時代に起きた いわゆる佐川造山運動によって紀伊 , 四国 , 球磨ーなどの褶曲山地が造 られた。中部地帯 , 中国地帯 , 瀬戸 内陥没地帯 , からなる内帯には花コ ウ岩がひろく露出し , 第三紀の火山 体か、これをおおっており , これらの 間に古生界 , 中生界の地層が残され ている。瀬戸内海は陥没によってで きたが , その陥没帯は , 大阪平野 , 京都 , 奈良 , 近江盆地から若狭か 湾に延びる。 2 ) 東北日本西南日本 と違って中央構造線のような地質的 境界は見られないが , 古期山地の東 帯と , 新生界の発達のよい西帯とに 分かれる。古生界 , 中生界およびこ の時期に噴出した火山岩からなる東 帯の古期山地は , 東樺太 , 北海道胴 体部 , 北上 , 阿武隈 , 八溝気など の地塊に分裂している。西帯は札幌 低地帯 , 奧羽脊梁地帯 , 南北に並ぶ 多くの盆地列からなる中央凹地帯 , 渡島芒ま半島 , 出羽越後地帯からなる。 西帯は新第三紀以後の地層と鳥海火 山帯 , 那須火山帯などの第四紀の火 山におおわれる。冫疑灰岩 , 集塊岩が 多く , 安山岩 , 石英祖面岩を伴い , また地下資源が多い。 〔地形〕列島には多くの弧状山脈が 入りくんでおり , 火山帯 , 地震帯を 伴って地殻運動が激しく , 大部分は 山地だが , 盆地や小平野が入りまし って複雑な地形を示している。さら に激しい侵食作用が働いて複雑さを まし , 傾斜は急で , 河川は短く , 土 壌は薄い。川の中下流には河岸段丘 がよく発達し , 海岸は出入の多い岩 石海岸が多く , 沈降によるリアス海 岸は三陸 , 紀伊 , 瀬戸内 , 西四国 , 北九州に多く , 隆起を示す海岸段丘 は北海道 , 東北 , 佐渡 , 能登や太平 洋に突出した半島 , 南四国などに多 い。風が強く , 砂の多い海岸では東 北裏日本や鳥取 , 鹿児島の吹上浜な どのように大規模な砂丘が発達する。 1 ) 平野日本の平野は扇状地 , はん らん原 , 三角州あるいはそれらが隆 起した隆起扇状地 , 河岸段丘 , 隆起 三角州 , 海底が隆起してできた海岸 平野などの河成 , 海成の小規模な堆 積地形である。代表的な平野は濃尾 , 関東 , 新潟 , 石狩の諸平野であり , 低地では自然堤防 , 人工堤防以外は 低湿で , 改修前の河川は蛇行をうし , また多くは天井川になっている。木 曽川下流の輪中地域は日本のポルダ ーといわれる低地で , 古来水防に努 めてきた土地であり , 江戸川 , 荒川 下流では地下水のくみ上げによって 地盤沈下の災害を起こし , 海面下の 上地か・みられる。洪水が多く , その くりかえしが平野をひろげてきた 多くの治水工事によっても地形の変 化を生しているが , 一部の施設は河 床を高め , ますます洪水の危険を大 きくする。伊勢湾台風 ( 1959 ) でみら ニホン れたように低湿な地域では洪水 , 高 潮などの災害を受けやすく , とくに 湾奧の地盤沈下地域にその危険が大 きい。日本の平野と欧米の平野との 違いは , 日本では氷河の影響を受け す , また , 火山や洪水の影響で , 土 壌の発達がよくないことである。 2 ) 山地地体構造を反映して特色ある 配列を示す。北海道は胴体部と渡島 半島部に分かれる。胴体部の知床し 半島から大雪山に続く火山群は千島 火山帯の延長 , 中央の盆地列は樺太 の幌内川 , 鈴谷川の延長に当たるの に対し , 半島部は東北地方西帯の延 長である。本州冐ヒ東部では三つの隆 起帯と二つの凹地帯がある。西の凹 地帯は南北に並盆地列であるが , 東の凹地帯は阿武隈川 , 北上川 , 馬 淵ミち川の続く谷で , 東北縦断交通の 幹線である。西南日本では二つの隆 起帯とーっの陥没帯が東北日本と同 様 , それぞれ島弧にル行して走り , 表裏日本の気候差を生し , 横断交通 を妨けている。このうち , 中国 , 阿 武隈 , 北上の山地は高原状で牧場に 利用される , : 頼戸内海に続く凹地帯 の中には多くの地溝盆地と地塁山地 が並ぶ。もっとも高く険しい中部で は , フォッサマグナ以西に三つの隆 起帯が島弧に直交していて , 谷が内 陸へ深く入りくんでおり , 高く険し いが , 峠によって表裏日本が結ばれ ている。火山は東北日本と九ヨに多 い。火山は風景美や温泉を恵むが , 噴火爆発は人畜作物に被害を与え , 一部の温泉は酸性の水を流して農業 や水産に被害を与える。また , 浮石 質の火山レキが堆積し , 南九州のシ ラス台地のような侵食を受けやすい やせた土地をつくる。 〔土壌〕日本の土壌には地殻運動 , 山くすれ , 火山活動 , 多量の雨など の影響が大きい。湿潤な北方や高冫翁 地では酸性上壌が多く , 山地では土 壌が薄く , 未風化で母岩の性質に支 配されるものが多い。寒帯から温帯 にかけて湿潤な地帯に属する日本列 島には , 北からポドソル ( 灰白土 ) , かっ色森林土 , 赤色上の 3 種が分布 する。北海道の針葉樹林帯には , 表 土が灰白色であらいポドソルが発達 するが , 強酸 1 生で , 農地には適しな い。本州北部は弱ポドソル化地域と , かっ色森林土地域の漸移地帯である。 本州中部にひろく分布するかっ色森 林土は暗かっ色または黄かっ色で , 表土は弱酸性で , 畑地として利用さ れる。赤色上は四国 , 九り・日に見られ , 表土は厚く , 表層はかっ色であるが , 下層はだいだい色または赤かっ色を なし , 強酸性で作物の成育はわるい。 このはか , 潟完や沼の多い低湿地に は , 泥炭上や眤炭の分解が進んだ黒 泥上など , 地下水の影響の強い上壌 がある。沖積土はほとんど水田に利 用され , 肥えているが , かんか・い用
い気顰・尠糶、 ダをな第なノ を . ドウロ 4 4 6 道路 ( 補 ) 1963 年に建 設省は 1980 年度を目標 とした国土建設の基本 構想をまとめた。それ によると , 80 年度まで に全国の道路交通の混 雑を解消 , 西ョーロッ パなみの道路状態を実 現することを目標に 約 23 兆 9000 億円を投資 する。その結果 , 名神 高速道路 , 東名高速道 気送管 / 信電話 路 , 国土開発縦貫自動 車道路 , 自動車専用道 市街地道路の断面 路など幹線自動車道路 約 67()0km の整備 , 国道 , 地方道など一般道路の 差があれば 3 % のこう配という。道 ものである。その決め方は道路の種 装用に処理して粗骨材あるいは細骨 93 % 舗装 , 東京 , 大阪 , 類 , 設計区間内の自動車の将来交通 路構造令では道路の種類 , 地形など 材と混合して路上に敷き , 締め固め 神戸 , 名古屋の都市内 量および道路の存在する地域に応し によって最大のこう配を 3 ~ 10% の て表層としたものである。これには 高速道路 440 km および て , 第 2 表のように第 1 ~ 5 種まで 範囲で指定している。道路の横断こ 7 大都市の街路の整備 , アスファルトコンクリート舗装 , シ の区分がされている。道路の形状を う配は直線部では水平であることが その他が達成される見 トアスファルト舗装 , プレコート 込み。この構想の第一 決めるのに心要なものは , 線形 , 縦 望ましいが , 横断こう配をつけて凸 マカダム舗装 , 歴青マカダム舗装 , 歩として , 1964 ~ 68 年度 断こう配および横断こう配 , 幅員 , 形にしてあるのは排水のためで , 路 表面処理式 , 浸透式などがある。 5 ) にわたる第 4 次道路整 面の使用材料によって 1. 5 ~ 5 % の 視距 , 交差などである。線形とば平 プロック舗装道あらかしめ適当な 備五カ年計画が発足 , 面的にみた道路の形で , 問題になる 範囲で指定している。道路の幅員と 材料でプロックをつくっておいて , 4 兆 108 億円の投資規 のはとくに曲線部である。道路の曲 して考慮しなくてはならないものは , それを舗装個所に敷いたものがプロ 模で事業が進められて 線部に用いる平面曲線としてはふっ 車道 , 歩道 , 路肩 , 分離帯 , 駐車帯 , いる。 ック舗装である。一般に工費が高く う円曲線を使用する。その他直線部 なお , 高速自動車国 待避所 , 電車軌道 , 側溝 , のり敷き 自動車の走行にはコンクリート系や 道としては , / 名神高 と曲線部あるいは半径の異なる二つ などである。これらのものを全部備 歴青系のほうが適しているので特殊 速道路 ( 小牧 ~ 西宮 190 えた道路ははとんどない。またーっ の円曲線間を連絡する特殊な曲線と なところにしか現在は用いられない。 ) が 65 年 7 月完成 , 中 して緩和曲線がある。円曲線のなか のものが 2 種以上の用途に用いられ 例としては歩道 , 電車の軌道敷き , 央高速道路 ( 東京 ~ 富 には単曲線 , 複合曲線 , 背合曲線 , ることもある。一般に自動車の速度 踏切などである。プロックとして用 士吉田 93 ) , / 東名 反向曲線が含まれる。緩和曲線は自 が大きくなると安全のために車道の いられるのは木塊 , 石 , レンが , コ 高速道路 ( 東京 ~ 小牧 345km ) カ { 工事・中のはか , 幅は大きくする必要があり , 最低は 動車が直線部から曲線部にはいる場 ンクリートプロック , アスファルト 国土開発縦貫自動車道 運輸省車両規則で定められた車両の 合 , 逆に曲線部から直線部へ出る場 プロックなどがある。 建設法による中央 ( 富 最大幅 2.5 m に 10 % の余裕をとって 合はハンドルの操作上 , また遠心力 〔道路設計〕道路を通るものは , 自 士吉田 ~ 小牧 260 ) , の変化の状況からも曲線半径を漸変 1 車線 2.75 m とされている。道路の 動車 , 荷車 , 馬車 , 自転車 , 人など 東北 ( 東京 ~ 青森 670km ) , させることが望ましく , このような であるカ { , このうち道路の設計にも 主要構造部を保護しまた車道をいっ 中国 ( 吹田 ~ 下閃 520 ) , 条件を満たすために考えられたもの っとも大きな影響を与えるのは自動 ばいに使用することができるように 九州 ( 北九州 ~ 鹿児島 320km ) , 北陸 ( 新潟 ~ 大 車である。そこで道路の形状 , 構造 路端寄りに設けられた帯状の道路の である。緩和曲線には 3 次放物線 , 津 560km ) の 5 自動車道 の基準を定めるには自動車の大きさ 部分を路肩という。道路の幅員とは レムニスケート , クロソイド曲線な の基本計画がきまった や速度の基準が必要である。車両の この路肩の部分を含めた道路の幅で どがある。曲線部を自動車が走る場 ( 65 年 10 月 ) 。また同建 大きさについては , 運輸省車両規則 ある。自動車が安全に走るためには 合 , 遠心力が自動車に作用する。そ 設法による四国 ( 徳島 によって車両の長さ 12 m 以下 , 幅 2.5 適切な平面曲線や縦断曲線があって の遠心力によって自動車がすべらな ~ 松山 240 ) , 北海道 m 以下 , 高さ 3. 5 m 以下 , 重さ 20 トン も , ある程度見通しがきかないと危 いようにするために , 道路は曲線の ( 函館 ~ 稚内 550km , 函 館 ~ 釧路 320 ) の 2 自 以下 , 最小回転半径 12m 以下で 3 台 険である。この見通距離を視距とい 内側に傾けたこう配をとる必要があ 動車道と , 関越自動車 い , 危険を伴わない程度の視距を安 以上の車を連結しないこと , また連 る。これを片こう配という。また自 道建設法による関越自 全視距という。道路と道路 , 道路と 結車両の全長が 25m 以下であること 動車が曲線部を曲がる場合 , 後輪は 動車道 ( 東京 ~ 新潟 320 鉄道が交差する場合交通の安全を図 と定めてある。次に速度に関しては , 前輪より内側を通り , その結果自動 ) , 東海北陸自動車道 道路交通法施行令によって最高速度 るため特別な処置を講ずる必要があ 車の通過する空間は直線部より広く 建設法による東海北陸 が , 自動車の種類に応じて , 毎時 60 る。危険を防ぐためにも交通能率を なるので , 曲線部の道路幅はひろげ 自動車道 ( 一宮 ~ 礪波 180 ) が調査中 , 九州 下げないためにもすべて立体交差に から 25 の範囲で決められている。 る必要がある。道路の縦断方向に 横断自動車道建設法 ( 長 ただし高速自動車道には前述の範囲 う配があると自動車交通に対して種 することがもっともよい。しかし現 崎 ~ 大分 230km ) と中国 とは別に最高 , 最低速度が決められ 種の障害が起こる。上りこう配では 状ではすべてを立体交差にすること 横断自動車道建設法 ている。これらの点を考慮し , 将来 自動車の速度は減少し , 燃料の消費 は経済上また街路などは性質上不可 ( 岡山 ~ 境港 140 , 広 のことも考えて , 日本では道路を新 量は増大しまたタイヤのすり減りが 能で平面交差のところも多い。 島 ~ 浜田 9() ) が 65 年 激しくなりあまり急になると上り得 設または改築する場合に , その構造 〔路体構造〕道路の路体の構造は上 に公布された。そのほ か , 首都圏 , 近畿圏 の技術的基準として , 道路構造令が ない。下りこう配の場合速度が増加 から表層 , 基層 , 路盤 , 路床 , 地盤 の交通事情を解決する っくられている。この道路構造令に すると考えられるが実際は運転手が となっている。道路は表層や基層だ ため , 首都高速道路公 よると , 道路を新設しまたは改築す プレーキ距離の増大に備えて速度を けで , 荷重に耐えるものではなく , 団 , 阪神高速道路公団 る場合の目標は , 20 年後における設 低下させている。したがって樅断こ 路盤 , 路床 , 地盤も一体となってそ が国の道路整備計画に 計区間または単位区間の自動車交通 う配としては , 上りこう配はトップ のやくめを果たすものである。地盤 基づきハイウェー網つ 量を考慮して行なうと明示されてお ギャのままで適当な速度で上ること は天然の状態のものである。路床は くりに取り組んでいる。 り , 一般国道 , 都道府県道 , 市町村 ができ , 下りこう配はプレーキをか 路体の土台と考えうる部分で , 盛土 けすに安全に下ることができる程度 道にまで適用されることになってい 部においては盛土の一部 , あるいは のこう配が望ましい。縦断こう配は , る。規定されている項目は道路の設 盛土が低い場合は盛土と下の地盤の 水平距離と両端の高さの比で示す。 計上必要な道路の形状 , 構造 , その ある範囲までが路床と考えられ , 切 たとえば 18 m の水平距離に 3 m の 他防護施設 , 待避施設などにいたる 取部では地盤そのものが路床となる。 歩道 下汞マンホール = ガス 電話 高庄電線 地下鉄トンネル 水管 ガス管 水道管 道管
進展する地球科学 核表面での反射を利用して核の大きさや位置が 推定された。ところが地震波には , このはかに エネルギーのほとんどが表層の地殼の中を伝わ っていく周期 20 ないし数十秒の特殊な波があり , これは P 波や S 波に比べてたいへん遠くまで伝 わる。これが表面波とよばれる波で , これを分 析すると , その伝達経路にそっての地殼 ( ある いはマントル上層 ) の平均的な様子が情報として 与えられる。 57 年からはしまった / 国際地球観 測年には , 環太平洋地震帯の中のところどころ に、表面波記録用の電磁式地震計がおかれた。 第 4 図はそのさい筑波観測点へ太平洋底をわた ってくる表面波の経路を示している。経路につ いた数字の意味は , ( ) が最も海洋的な厚み 4. 5 くらいのうすい地殼構造を示し , 7 は厚み 20 くらいの大陸性の地殼構造に対応し , 1 はその中間の程度を示している。また , 安山岩 線と書かれている鎖線は , その東側では火山の 噴出岩が海洋性 ( 玄武岩 ) で , その西側ではそれ が大陸性 ( 安山岩 ) であることを示す。 7 ) マント ル対流もともと地球内部の熱源は放射性元素 の崩壊熱で , 放射性元素はおもに花コウ岩に集 中されているから , 花コウ岩を欠く玄武岩質の 海底から出る熱流量は花コウ岩の大陸地殼から のそれよりも少ないだろうと予想されていた。 ところが英国の E. C. プラードらの実測により , 海底でも大陸と同程度の熱の流出があることが わかってきたため , 大陸では直接地殼から熱が 出るが , 海底では薄い地殼の下でマントルの対 第 5 図地球の内部の層状構造 流があって , マントル全体にうすく分布した放 射性元素の出す熱が上へはこばれてくるのだろ うという説が生まれた。また海底には , マント 尾根には , 大西洋中央海嶺でその典型的な事例 り , 海溝は対流が下へ吸いこまれる部分にあた ル上層のしくみに起因すると思われる地磁気の ると考えている ( 別刷裏側の図 ) 。 6 ) 海底地殼 が発見されたように , 尾根にそって深い谷が刻 異常や , 1000 をこえるような大断層が発見さ まれ , その谷の真下では地震がさかんにおこる 地震探査法による海底地・殼構造の研究も進み , れ , 海底の地殼の下の複雑な動きを示している。 50 年代には米 , 英の学者によって太平洋 , 大西 こと , この深く刻まれた谷からは他の場所の平 さきにのべた海底山脈の成因や , そこでの異常 均熱流量 ( lcm ? あたり毎秒 100 万分の 1 カロリー ) 洋の海底地殼構造の実体がはは、明らかになった。 に多い熱流量を説明する自然な考えとしてマン の 2 ~ 8 倍もの多量の熱が地球の外に逃げ出し これは海上で爆薬を爆発させ , それによる音波 トル対流説がみとめられてきた。マントルは固 ていること , また . 逆に , 太平洋のアカプルコ の伝搬を測定して海底の地殼構造を推定する方 体と考えられるが , 非常に長い , 地質年代的な 海溝のような海溝における熱流量は平均のし 法である。これらの結果 , 海底地殼ははとんどが 時間の尺度でみれば , あめのように流動でき , かないということもわかってきた。今日多くの 5km くらいの薄さの玄武岩の層であリ , 大陸地 1 ℃ / km の温度こう配のもとで毎年 l()cm くらい 学者は , これらの海底山脈の下がつぎにのべる 殼が平均約 30km の厚さで花コウ岩質の多いのと の流速をもつ数千くらいの規模の熱対流があ マントル対流のわき出し口にあたり , 異常に多 全く異なることがわかった。地震の震源から発 ると仮定すれば海洋底での平均熱流量が説明で 生する弾性波には p 波と S 波とがあるが , これ い熱流量はマントルの上昇流ではこばれ , この きる。さきにのべたようにこの対流がわき上が らは従来とも地球の内部をさぐる手がかりとな 流れが両側に分かれる力でひつばられてできた るところに海嶺や海止ができ , 火山活動が盛ん 割れ目が中央海嶺の尾根にみられる深い谷であ り , 第 3 図のように P 波の核のなかでの屈折や で , そこの異常な高温はマントル内の対流以外 では維持されないと考えられている。そして , 第 6 図マントル対流 地殻にぶつかる上向きの流れは二つに分かれ , 地殼を二つに裂き , 割れ目をつくり , この割れ 目がひろかるにつれて海洋が大きくなり ( たと えば大西洋 ) , 対流に浮かんで漂移する地殼 , つ まり大陸はだんだん離れていく ( 第 6 図 ) 。その 間にあとから生まれた火山島は , コンべヤにの って進むように漂移する大陸を追って連なって いく。別刷裏側の図で赤い破線で示した海底山 こうして割れ目に直交して形成される。 脈は , 昔ウェゲナーがとなえた大陸移動説は , 移動の 原因となる物理的な機構がわからなくて説得性 を欠いたが , マントル対流説は , 他方で古地磁 気学による大陸移動の立証とともに , 大陸移動 のしくみを説明する強力な理論として登場して いる。なお別刷右上図で示した / 地磁気の原因 を示す図は地球ダイナモ理論によるもので , 地 磁気のエネルギー源は核内の放射性元素の崩壊 熱であり , 核の対流と核内の磁場と電流の相互 〔吉村〕 関係で地磁気が維持されるとする。 ( 酸性 ) 花コウ岩、、、 5 km 玄武岩、、 ( 塩基性 ) ( 超塩基性 ) カンラン岩 MgzSi04 ( オリビン ) 十 MgS i 0 3 ( 輝石 ) 上部マントル 地 モホロビチッチ 不連続面 の深さ 地表力、ら ( 対数目盛 ) 圧力増加 ース ) による鉱物の MgO ( ペリクレ 相変イヒ ト ) S ℃ 2 ( スティショ / ヾイ 下部 ・マントノレ Fe 十 S i 遷移帯 ( 流体 ) 十 ー ~ ク 0 不連続面ーー グーテン 35 い 11 400KE 山ハ 海ハ火山 大 陸 大 陸 海 海底山脈 溶岩 マントル対流 震源
3 4 1 テンフ。ラ ものは , 米国のコーネル大学が 1963 2 ( ) ( ) 0 分の 1 ないし 1 億分の 1 の範囲 年未に完成した , プエルトリコのア にわたり , 高価な商品の計量や理工 レンポ電離層観測所にある直径 3 ( ) ( ) 学の研究用まで多種がある。支点お m の巨大な固定式ノヾラボラアンテナ よび両端には鋼 , メノウ , 人造宝石 で , 地上の凹地を利用してつくられ などの刃および刃受を用い , つりあ たものである。日本では東京天文台 いはふつう指針で見る。高級なもの こ直径 1 ( ) m , 北極に向けた軸のまわ はライタ、、ざおを設け , 指針の代わり りを回転する赤道儀式パラボラアン に光てこを用いる。とくに精密な用 」廴仕切熱板 テナがある。受像機や記録装置は , 途のものは , 体温の影響を避けるた 電波工学的な用途に用いられるもの めいっさいの操作を遠方から行ない プロイラー 〔下保〕 とまったく同しである。 また分銅に対する空気の浮力の影響 2 次空気孔 を除くため真空そうに入れることも てんび天火調理用のかまどで ある。最近は計量能率を高めるため あるオープン。 ven の一種で , 家庭で げるもので , バカガイの柱 , 小工ビ 左は熱せられた空気が 分銅を自動的に加除し , 振動を早く 仕切熱板によって側方 は移動の自由な小形のものや , / レ 類 , シラウオなどが用いられる。大 に流れて循環する形式 減衰させるダンパを設けた構造のも ンジの下部に備えつけられるものが 衆的なものにはアジ , タイショウェ のてんび。右は熱源が のが多くなった 多く使われる。オープンとよぶのは , 〔小泉〕 ビなどがある。野菜は水分の多い葉 はは中央にあって仕切 でんぶ田麩魚肉で作る加工食 固定した大形のものをさし , ノヾン・ ~ ヾつ 菜類は不向きなのではとんど使わな 熱板によって熱気が内 品。タイ , タラ , イシモチ , ヒラメ , 菓子を焼いたり , 焼物 , 蒸物 , 煮物 ンジン , ゴボウ , ハス , サッ 部にこもり , 下部には カナがシラ , カツオ , サバ , プリ を調理するのに使われる。魚焼用 , プロイラー ( あぶり焼 マイモ , タマネキ、 , ノビル , アサッ 室 ) カ { ついている サワラ , 工ビ , カニ ホタテガイな パン焼用など専用のものもある。家 キ , 新ショウガのような根菜類 , ナ 庭用の天火の構造は電気 , ガス , 石 どを蒸して骨や皮を除き , 水でさら ス , さやインゲン , さやエンドウ , 炭など熱源によって異なるが , 一般 して脂肪を去ったのち , 圧搾して水 シシトウガラシ , 穂ジソ , マタタビ には箱形で密閉されるようにできて 分を去り , 肉を砕き , よくもみはぐ の実 , ぎんなん , オリープの実 , たけ いる。熱源は下部にあることが多く , して繊維状としたものをしよう油 , のこやキノコの類 , シソの葉 , キク 対流によって内部に置いた食品を周 食塩 , 砂糖 , 香辛料で調味する。塩 の葉 , モミジの新葉 , カキの若葉 , 囲から加熱するが , 上下また左右に 乾魚を用いる場合は , 塩抜きのため ツノヾ , ウド , ワラビ , アサクサノ も熱源を設けることがある。ふつう 水づけしてもどしてから使う。原料 リやこんにやくなども用いられる。 火熱調節器が取り付けられ内部の温 は肉質カ功、たく脂肪の少ないほうが ただし , これら野菜のみを揚げた場 できばえがよい。飯にふりかけたり , 度を変えられ , 温度計や排気孔も取 合は / 精進揚げとよび , てんぶらの にぎり飯にまぶしたり , 料理の色ど り付けられている。内部は幾段かに 場合は魚に対する色彩や味覚の取合 りに使い , 保存性もある。〔川島〕 区切られ , てんパンや , なべを置く せ程度に季節の野菜を少し添えるの テ、ンプシー William Harrison ようになっている。 か、ふつうである。 ノヾン , ビスケッ ト , カステラなどを焼いたり , ロー Dempsey 1895 ~ 米国のボクサ 〔料理法〕 1 ) 下ごしらえ工ビは頭 スト ( 蒸焼き ) やグラタンをはしめ各 通称ジャック。 1919 年 7 月ジェ と背わたをとり , 尾の 1 節を残して 種料理に利用される。放射熱による ス・ウイラードをノックアウト ( K 皮をむく。指先でェビの腰をそらし ため , 焦げつくことなく火が通り , 0 ) して世界へビー級チャンピオン ておくと揚げてから曲がらない。キ 熱の損失は少ない。 となり , 26 年 9 月ジーン・タニ 〔金井〕 ス , ハゼ , アナゴは背開きにし , 中 敗れるまで 10 ( ) 万ドル試合の主役と てんびようしたい天平時代日 骨と腹骨をとる。メゴチは松葉開き , して世界ボクシング界に君臨し続け 本文化史上の時代区分で , 白鳳と弘 キ、ンポは背開きにして , とげのある 仁の間 , 聖武天皇の天平年間 ( 729 ~ た 。パンチの強さと勇壮な試合ぶり 背びれと中骨をとる。 2 ) ころもの作 749 ) を中心に , 奈良時代全般をさす。 で有名。生涯の正式記録は , KO 勝 リ方小麦粉は薄カ粉を用い , 使用 いわゆる天平文化を創造した時代で , ち 52 , 判定勝ち 1 ( ) , 引分け 5 , 反則 する前にふるいでふるっておく。粉 仏教では鎮護国家思想の傾向が強く , 勝ち 1 , 負け 4 , KO 負け 1 , 無判 の分量は水 1 に対し 1. 2 , つま . り 20 諸国に官営の造寺 , 造仏が盛んに行 定 2 である。 % 増くらいとみてよい。カップ 1 杯 〔下田〕 なわれた。東大寺と大仏の造営はそ てんぶら天麩羅日本の代表的 半の水に卵黄 1 個をときはぐし , の頂点を示している。文学では , 前 な揚げ物料理。語源については諸説 れに粉カップ 2 杯を加えて木ばしで 代の叙事詩から叙情詩に移った時期 があるが , おそらくボルトガル語の 軽く混ぜ合わせる。いくんかたま で , 山部赤人 , 大伴旅人 , 山上憶良 , テンべロ ( 調理 ) やスペイン語のテン りの残る程度がよく , 粉を練りすぎ 大伴家持らの歌人を輩出した。し プロ ( 寺 ) のなまったものだろうとい たり , とき水の温度が高いと「あし かし , この時代の特徴は美術史にお われる。室町時代末に渡来したいわ ( 麩質 ) 」がでて , べたついたころも いてもっとも発揮された。 これには ゆる南蛮料理の一つと思われるが , になってしまう。とくに夏にはとき 当時の世界的強国であった唐の文化 当時のてんぶらが現在のものと同し 水に冷水を用い , 水を入れることも の影響を強く受けた とも大きいが , であったとは考えられない。てん」 : 上ざらてんびん目盛板 一面それを消化して , 日本的な独創 らは江戸時代以来江戸で流行し , 江 指針 性を築きあげた時代でもあった 戸前のてんぶらとよばれたが / 奈良時代 〔春川〕 は東京湾でとれる新鮮な小魚やェビ てんびん天秤てんびんざおを の姿揚げが一般のしこうに投して人 中心、でささえ , 両端にさらをつけ , 気をよんだためである。したがって , 一方に分銅 , 他方に品物を載せてっ てんぶらの特徴は尾のついた小魚を りあわせ , 質量を測るはかり。人間 使うことで , 切り身の魚は用いない。 がもっとも古くから用いた計煢器で 〔材料〕魚貝類ではマキ ( 30g 前後 あリ , また現代ではキログラム原器 のクノレマエビの称 ) , シノヾ工ビ , キス , を比較するてんびんなどは , 各種測 ハゼ , メゴチ , アナゴ , ワカサギ , 定器のうちでも最高の精度のものに 若アユ , ンヤコ , イカ , ギンポ , ド 属する。能力は 1 ( ) 0 kg ~ ( ). 5 g , ・精度 ジョウなどが用いられる。かき揚げ ( 能力と測定可能な最小量との比 ) は は小さな材料をひとまとめにして揚 ガスてんびの構造 排気孔 排気孔 - たな網受 てんノくン たな網 仕切熱板 焼き や 十 ガス コック 焼き網 上ざら ふれ止め 調節ねし 支柱 矢羽
長く続くと十ばっとなる恐れも生す る。また夏になると台風の発生がし だいに多くなり , しかもそれらが日 本へ近づいてくる。 一般には 8 月の 末から 9 月にかけてもっとも多く襲 来するが , 年によってかなり異なる。 台風は日本の気象の重要な特色で , また大きな災害を伴う。くわしくは ロ風の項を参照されたい 〔秋の気候〕 9 月になると太平洋の 高気圧が衰えて東方海上に後退を始 め , 一方 , 大陸の高気圧が強まって , 日本の南岸沿いに前線ができやすく なり , ちょうど 6. 月の梅雨のように 天気のぐすっくことがある。この長 雨を「秋霖設う」というが , この時期 については決定的でなく , 年によっ ても顕著に現われるときと現われな いときとがあり , また早くなったリ おそくなったりする。だいたいの秋 霖のはじまリは 9 月 11 日前後 , 明け は 1 ( ) 月 1 ( ) 日前後である。 1 ( ) 月になる と大陸の高気圧がさらに発達して移 動性高気圧がひんはんに通るように なる。この移動性高気圧の中では風 戸数 : 千戸 ) が弱く , 晴れで , 日中は暖かくなる が , 夜間は冷えこみ , 北日本や高冫翁 地では IO 月の初め , 九州でも 11 月の 末には初霜が降りる。春と秋とは同 しような気圧配置となるが , 秋は春 に比べて空気が澄んでおり , 仲秋の 1 . ( ) ~ 1 . 5 名月などの行事があるのは , 春は冬 1 . 5 ~ 2 . ( ) の乾燥した期間が続いたあとなので , 2 . ( ) ~ 2 . 5 じんあいが多く空気が濁っているが 2 . 5 ~ 3 . ( ) 秋はしんあいが少なく空気が澄んで 3 .0 ~ 5 . ( ) いるからである。 11 月にはいると , 冫翁たい季節風が日増しに強くなり , 大陸高気圧が発達し北日本ではしだ いに冬に近づく。 〔気象災害〕以上は日本の四季の移 り変わりであるが , 日本付近は低気 圧が発生したり発達したりしやすい 場所になっておリ , とくに春と秋は この場所が東シナ海から日本にかけ て存在するため , 高気圧や低気圧の 通過がひんはんである。しかも夏か ら秋にかけては台風の襲来があり , 冬には裏日本に大雪があるので , 雨 量は中緯度における世界各地に比べ てとくに多い。また雨量が多いばか りでなく , 台風のときなどでは , 山 間部において一雨 6 ( ) ( ) mm をこえる大 雨もあり , 大雨による災害もひじよ うに多く , 集中豪雨ということばが 一般化している。しかし日本におけ る災害は大雨ばかりでなく , 複雑な 地形とあいまって南北に長いこと , さらに四季の変化の著しいことなど から災害の種類が多い。とくに世界 ーの大陸の東岸にあり , しかも世界 一大きい太平洋に面しているため , 冬と夏の季節風は顕著であり , また 台風の発生数が他の地域の熱帯低気 圧に比較してはるかに多いことがと くに災害を多くする大きな原因とな っている。そのうえ , 山の多い地勢 6 3 1 がいっそう雨や雪を多く降らせ , し かも河川は急流が多いので , 大雨が 降ると洪水や山くすれを起こしやす い。また四面が海に囲まれているた め , 高潮や激浪などの害も多くなっ ている。しかも国土が狭ぐ , 人口の 密度が大きいため , 尺寸の土地をも 利用し , いつけん人の住むのには不 適当と思われるような場所にまで人 が住んでいるため , 異常気象による 被害は予想以上に大きくなる。この 冷害 , 霜害 , 十害 , 風雪害 ほかに 火災 , 雷災なども毎年大きな被害額 にのばる。なお , 日本各地の気温 , 降水量については気候の項目を参照 第 3 表産業別国民所得 55 年 , 64 年は川億円 1934 ~ 36 年は 1 ( ) ( ) 万円 年次 項目 国民所得 第一次産業 第二次産業 第三次産業 1934 ~ 36 i4372 2854 ( 19.8 ) 4426 ( 3 ( ). 8 ) 7 ( ) 98 ( 49.4 ) 1955 6718.9 153 ( ) . 5 ( 22.8 ) 2 ( ) 34 . 4 ( 3 ( ). 3 ) 3179.3 ( 47.3 ) 6744.2 1964 2 ( ) 522 . 5 2592.3 ( 12.6 ) 8155.3 ( 39 . 7 ) 99 ( ) 8.5 ( 48.4 ) 2 ( ) 656. 1 されたい 〔鯨井〕 国内国民所得 14378 注経済企画庁発表による。括弧内は 構成比 ( % ) ・ で , 1 ( ) アール当り収量は増加してい いて , だいたい作付面積は減少傾向 雑穀 , 工芸作物は , 少数の例外を除 総収量では不変のものが多い。芋類 , あるが , 1 ( ) アール当り収量が増加し , 麦を除けば , 作付面積は減少傾向に ダカムギをはしめ , 麦類は , ビール る。これに反して , 小麦 , 大麦 , 収高もわすかながら低下してきてい ール当り収量も減少傾向を示し , 実 しかし , その年をピークにして 1 ( ) ア 万トンを越えるはどの水準に達した。 実収高であり , とくに 62 年に 13 ( ) ( ) 年間にわたって 1() ( ) ( ) 万トンを越える 量も著しく伸び , 1955 年以来連続 11 稲 , 陸稲ともに作付面積も反当り収 ふえている。作目別の消長では , 水 は減少しているが , 果樹園が大きく もに減少している。樹園地では桑園 面積をはしめ畑 , 草地 , 採草放牧地と 田と樹園地とは増大しているが , 総 ような変化をみせている。つまり水 い。農用地の種類別面積は第 4 表の とくに最近 1 ( ) 年間の変化はめざまし 大戦前とは著しく異なっているが , ( 1965 年現在 ) 。今日の農業は第二次 ロ 3011 万人 ) によって営まれている 用地の上で , 総農家 566 万戸 ( 農家人 % に相当する 5555 千ヘクターールの農 〔農業〕日本の農業は , 国土の 15.1 農林・水産 〔若林〕 のとるべき道であろう。 業化を進めることが今後の日本経済 二重構造を解消しながら , 重化学工 物価問題を解決するためにも , この けてきている。労働力問題 , 消費者 消費者物価がこの数年間上昇をつづ 小企業製品の値上リをひきおこし , 細企業では賃金の上昇が農産物や中 よって吸収することができるが , 零 大企業では賃金の値上りを合理化に 不足からその賃金が上昇しているが , えなし、。 ことに最近の若年労働力の ( 単位千ヘクタール ) 第 4 表土地種類別面積 ニホン 経営耕地規模 別農家数 ( 単位面積 : ヘクタール , Ⅱ産業・経済・政治 産業構造 産業には多くの種類があるが , ふ つう便宜的な区分の方法として , 第 一次産業 ( 農林水産業 ) , 第二次産業 ( 鉱工業 , 建設業 ) , 第三次産業 ( 運輸 , 通信などの公益事業 , 商業 , 金融業 , その他のサービス業など ) の三つに分 類される。日本の産業をこの方法で 分類して , 1964 年度の国民所得とそ の中で占める割合をみると第 3 表の ようになる ( ただし海外からの純所 得ー 0.7 % ) 。また同年度の就業構造は , 全就業者数 469 ( ) 万人のうち 26 . 4 % が 第一次産業 , 31 . 5 % が第二次産業 , 42 . 1 % が第三次産業に従事している。 〔重化学工業化〕所得構造からみた 第一次産業の比重は 1956 年に戦前を 割り , 以来第一次産業の比重は低下 をつづけ , 第二次産業が急速に上昇 した。国民所得の総額は 1955 年度を 基準にして 64 年度には 3 倍強に増加 したが , 第一次産業は約 1.7 倍にす ぎないのに対して第二次産業は 4 倍 に増加した。第二次産業中でも鉱業 や繊維産業は停滞しており , 1 人当 り生産性の高い重化学工業が発展の 主動力をなしている。重化学工業化 は , 第二次大戦後の財閥解体 , 農地 改革 , 労働運動の再発足などで市場 拡大の基盤をつくったことにもよる が , そのおもな原因は , 技術革新とこ れにともなう設備の合理化 , 近代化 による点が大きい。民間の設備投資 は 1955 年の 77()() 億円から 64 年の 4 84()0 億円にまで膨張した。また技術 革新はテレビ , 電気冷蔵庫 , 自動車 , 化学製品 ' などの晋及で消費革命をひ きおこし , 重化学工業製品の市場を 拡大した。重化学工業化は産業構造 の高度化にともなう必然的傾向とも みられるが , 政府もこれを推進した。 これは貿易の自由化 , ひいては資本 の自由化に備える布石でもあった。 〔二重構造〕日本では第二次大戦前 から大企業と農業 , 零細企業が併存 して , 二重構造を形成してきたが , 戦後の急速な重化学工業化は大企業 を中心に展開したものであって , そ の格差是正の道を歩んできたとはい 第 5 表 面積 3 未満 都府 2 38 59 156 4 ( ) 7 945 954 8 ( ) 8 954 1131 北海 48 12 12 9 17 14 12 22 5 . ( ) 以十 注 1965 年。く第 41 次 農林省統計表〉 1955 5915 2851 2 ( ) 12 292 1960 5913 294 ( ) 2018 322 1965 5555 2943 1755 393 く第 4 1 次農林省統計表 ) 注 草地。採 草 , 放牧 する山林 76 ( ) 633 464 こよる 田畑樹園地 耕地
4 7 7 窪川まで延びた。窪川から土佐佐賀 市は市場の所在地 , 商工業の中心地 , まで延長された 20.7km の路線は支線 寺社教会や官庁の所在地 , 軍事上の の中村線である。主要列車ははとん 拠点などの機能をもつが , これらの どが高松から直行するため , 本州と 機能がいすれも農村的でないことが 高知県を結ぶ重要な路線であリ , ま 目をひく。要するに都市は / 村落に 対比される集落の類型で , 農漁業を た沿線には金刀比羅宮 , 大歩危韶 , 主とする村落に対して非農村的であ 小歩危の名勝 , 竜河洞などの観光地 り , 村落に比べて居住人口の量と密 〔伊崎〕 とざんてつどう登山鉄道登山 度が大きく , しかも住民は社会的文 客の輸送を目的として作られた鉄道 化的に異質であり流動的である。生 で , 急こう配の地形に建設すること 産集団と消費集団は分化し , 職場と が多いので , 一般の鉄道車両では昇 / すまいとが分離する傾向が強い。 降できないような急こう配を採用せ 〔都市の分類と構造〕都市の機能は ねばならない場合が多い。そのため 時代によっても地域によっても異な 軌道 , 車両とも特殊な構造や装置を る。歴史的分類としては , 封建都市 必要とするものである。その構造 , は城下町 , 市場町 , 宿場町 , 港町 , 型式から大別すれば次の 3 種がある。 門前町 ( 神社を中心に発達した町を 1 ) 粘着式ふつうの鉄道のように車 とくに鳥居前町という ) などの分類 輪とレール面との粘着力によって運 がある。このように都市の機能によ 転するもので , 軌道 , 車両とも一般 って現代の都市をみると , 政治都市 , の鉄道のものと大差ないが , プレー 商業都市 , 交通都市 , 港湾都市 , 宗 キ装置に特殊なものを備えている。 教都市 , 保養都市 , 観光都市 , 鉱業 粘着式で運転可能なこう配は IOOO 分 都市 , 衛星都市 , 工業都市 , 学園都 の 115 ~ 145 といわれている。日本の 市などに分けられる。都市の住民の 埋立地などで , ふつう , 商工業地 , 箱根登山鉄道がこの例で , その最急 主体を占める産業人口で分類すると , 下級住宅地として利用される。東京 こう配は 1000 分の 80 である。 2 ) 歯車 工業都市 , 卸小売都市 , 商工業都市 , の山手と下町とは典型的である。西 式軌道の中央に敷設した歯形のレ 欧のように中世からの都市が地震や サービス都市 ( 観光都市や保養都市 ) , ールと , 車両に取り付けた歯車とを 火災に破壊されすに残っている場合 交通都市 , 鉱業都市 , 水産都市など かみ合わせて運転する鉄道で , 歯レ がある。また生産都市 , 流通都市 , は , 狭い迷路をもつ旧市街のまわり ールの形状に種々あり , その考案者 に規則正しい新市街が建設され , そ 消費都市に分類する考え方もある。 の名をとってマーシュ式 , リッゲン 英国の経済学者 C. G. クラークは産業 の外部に工場や従業員の住宅地がつ バッハ式 , ストルプ式 , ピーター式 , を第一次産業 ( 農林水産業 ) , 第二次 くられる。広野の中に伝統にとらわ ロツへル式 , アプト式などとよんで 産業 ( 鉱工業 ) , 第三次産業 ( その他 れることなく建設された米国の都市 いる。もっとも進歩した型はストル の各種産業 ) に分けて , もっとも消 は , 土地の経済価値と資本の効率を プ式およびアプト式で , 最急こう配 費的な第三次産業が盛んに行なわれ 直接に反映した同心円の構造をとる IOOO 分の 250 前後まで可能である。 る都市はど現代的な都市であると述 ことが多い。中心部は最高の地価を 日本でも 1893 年以来 , 信越線横川 ~ べている。都市形態からの分類もあ 補償する高層建築が並び , 小面積で 軽井沢間 1000 分の 66.6 こう配区間に り , 街村型 , クモの巣型 , 碁盤目道 最大の利益をあげうる事業が集中す アプト式を使用していたが , 1964 年 路網型 , 不規則型などがあげられる。 る。これカ { ビジネスセンターで , 会 から粘着式にかわった。 3 ) 鋼素式 社や銀行の本店 , 高級商店街などが 都市の内部構造についてみると , 山 索道または / ケープルカーともいわ 密集するが , これに接して官庁街 , 手 upper town と , ド田」・ down town れ , 車両にロープを結び付け , 山上 新聞 , 放送社 , 鉄道駅や港湾などから との対照が目だっ。山手は台地 , 自 の駅にあるドラムにより車両をつる、 なる地帯がある。この外に軽工業や 然堤防 , 海岸段丘に乗った地域で , べ式に上下に運転する鉄道で , 粘着 商工業が混在し , その裏町が中下流 ふつう高級住宅地であり , 下町はデ 式や歯車式では運転できない急こう の住民の暮らす地帯であり , その外 ルタ , 扇状地下部 , 山ろくの湿地 , 配線に使用される。 〔鷹司〕 とし都市もともと都市という ことばが , 王宮所在地を示す「みや こ ( 宮所 , 都 ) 」と , 市場を示す「い ち ( 市 ) 」との二つの語から成立して いることでわかるように , 都市は政 治的中心としての意義と商業的中心 としての役割とをもっている。中国 の都城は政治中心地であり , 鎮は商 業と交通の要地に発達した都市であ る。都市を意味する英語のシティー ci ty , フランス言吾のシテ ci téは , ラ テン語のキウイタス civi tas からき たものであるが , 本来の意味はロー マ都市国家をさしていた。欧州の都 市名の語尾につけられている一 f 。 rd , -furt,-burg,-pur などは , 要害の地 を意味し , タウン town ( 町 ) は , かき に囲まれた集落を意味した。日本の 城下町は政治的中心であり , 宿場町 や市場町は商業的な都市である。都 登山鉄道 ( アプト式 ) 。 軌道の中央に敷設され たラックレール ( 上 ) に 機関車のラックホイー ル ( 下 ) がかみ合う 都心広場 ( アゴラ ) を中 心に整然と広がる古代 都市。図は列柱廊に囲 まれたアテネのアゴラ , 左の長い建物はアッタ ロスの列柱廊。列柱廊 の階下は店が並んでい た。右手前はゼウスの 祭壇。右側奧の円塔の ある建物は議事堂。中 央の建物はオディオン