5 8 5 べヒスツン うろことうろこの間の皮膚は弾力性 があり , よくのびる。頭骨と下あこ は可動性の鱗骨と方骨を介してつな がり , 左右の下がく骨も前端が離れ ているので , たいてい口を大きく開 くことができる。胸骨と四肢がなく , ろっ骨が可動性なことも大きな食物 をのみこむのに適する。舌は細長く , 先が二つに分かれ , ひらひらと口か ら出し入れする。これは主として空 中にただようにおい粒子を , 上あご にあるヤコプソン器官 ( 臭覚器 ) に送 るためで , においをかいでいるので ある。マムシ類のはおには大きな穴 があるが , これは温度の感受器で , マムシは温血動物の体温をこれで感 受して反射的にかみつく。 シキへ ビ類のくちびるにある穴も同じもの である。 ヘビの骨格 / ニシキヘビの類は獣や鳥をまち ビが神の先駆 , あるいは神の異形と は神経毒で , / ハプやマムシの毒は ぶせして , かみつき , 同時に体でま なって人間を訪れるという考えはく常 出血毒である。また毒牙には , その きついて締める。獲物の脈拍のある 陸た風上記 > の「努賀砒咩」の話 前面に細いみぞがある溝牙 ( 例コ 間はしだいに力を加えるが , それが にもみえ , 「蛇むこいり」「蛇女房」の プラ ) と , 注射針のように管になっ 止まるとゆるめ , 頭からのみこむ。 た管牙 ( 例ハプ , マムシ , / がラガ 昔話は各地に多く流布している。ま 大きな子シキヘビはプタやヤキ、 , 小 ラへビ ) がある。毒ヘビは一般に体 た水や池 , 沼のぬしをへビであると 形のシカなどをまるのみにするが , し , これをまつって雨ごいをする俗 が太く短く歩行がおそいが , アフリ その後は 1 ~ 2 週間もしっと動かな 信も多くみられ , 出雲の海浜部では 力のマンバのように体が細長く走る い。 / ヤマカがシはカエルに力、みつ 旧暦 10 月の「お忌み荒れの日」に海 のが速く , きわめて危険なものもあ き , 殺さないでそのままのみこむ。 る。毒のないへビにはしばしば巨大 蛇を海神としてまつり , 拝む風習が / マムシその他の毒ヘビはネズミな なものがある。しかし皮の長さはた みられる。また白蛇を家の神とし どにかみついてすぐ放す。毒を注入 て神聖視する土地も多い。一方 , 山 いへんのびるのであてにならない。 されたネズミは , 遠くへ逃げてから 陰地方では「とうびよう」といって これまで知られた最大の記録は北米 死ぬか、 , マムシはネズミのにおいを のボアか・ 5.5 rn , アフリカのイワニシ ヘビをつきものとする迷信が少なく たどってあとをつけ , 死んだネズミ キヘビか、 7.5m , 南米のアナコンダが ない。なお中国のく捜神記 > や怪異 をのみこむ。 / ウミヘビの類の毒牙 こうした日本の俗信の原 小説には , はロの奧にあるので , 人間にはほと 9 m , マライのアミメニシキヘビカ { 型と思われる話が多く見いだされる。 9.6 m で , おそらくこれくらいがおの んど危険がない。毒ヘビの毒腺は , おのの種の大きさの限度であろう。 / ( 別刷 ) は虫類 だ液腺の変化したもので , 毒には神 〔小池〕 へびいちご〔蛇苺〕原野や道ば 最大の毒ヘビはキングコプラで 5.5 m 経中枢を侵す神経毒と内出血を起こ に達する昔の話に巨大な海蛇があ たにふつうなノヾラ科の多年草。長い させる出血毒がある。 / コプラの毒 るが , 実際のウミヘビはいすれも小 茎は地をはい , 葉は 3 小葉で長い柄 ヘビの頭骨。上はロを閉したところ , 下 形である。ヘビは多くは卵生である がある。春に葉腋から 1 個の花をも は開いたところ。ヘビのロがい部や上カ { っ柄を出す。花には緑色のがく片 , カ { マムシ , アオハプ , ガラガラへ く部の骨は細長くて自由に動くようにな 副がく片 , 黄色の花弁がそれぞれ 5 ビなどは卵胎生である。ヘビの寿命 っており , 方骨も可動的に鱗骨とつなが 枚ある。花後に果托は球状に肥大し についてはあまり資料がない。アナ り , さらに鱗骨も可動的に後頭部とつな て果実となり , 表面には赤色の小果 コンダが 28 年間動物園で生きていた がるので , 口を大きく開くことができる のが , 最長の記録であろう。〔今泉〕 がちらは、る。毒はないが無味で食用 にならない。高山に自生するシロバ 〔民俗〕ヘビと俗信 , 宗教 , 神話と ナノヘビイチゴなどは芳香があり , の関係は諸民族の間にきわめて豊か に見いだされる。ヘビを霊魂的に考 食用となるが異属である。〔大井〕 えて崇拝する場合と , 悪霊として排 。べヒスツン B e h i s tun イラン西 斥する場合とがある。前者はヘビを 音に , ケルマンシャーの東方約 35km の 冥府 : いの番人 , 水の神 , 農業神 , 守護 村。 この街道沿いの岩山のカヾけの , 神あるいは医術や呪術の象徴と考 地上から 150m の面に , ダリウス 1 える場合であり , 未開社会で多く見 世の功績をたたえた碑文 , 浮彫図が いだされるヘビのトーテムなどは多 刻まれている。浮彫りは王か、神アフ かれ少なかれこれらの観念にむすび ラ・・マズタ、、に守られて反乱者がウマ ついたものである。後者では諸民族 の神話に見いだされるヘビ殺しの話 がその例である。またく旧約聖書 > で はヘビがエデンの園での禁断の果実 の誘惑者となっていることから , イ スラエルではヘビを忌むべきもの , 堕天使とする観念が継承されている。 日本でもヘビは俗信や伝説 , 昔話 の中で大きな役割を占めてきた。へ 毒腺 毒のないへビ 上は毒ヘビと毒のない ヘビの頭部比較 ( いす れも皮膚などを除去 ) 。 毒のない一、ビの歯はみ な同しような大きさで あるが , 毒ヘビには上 あごに特別大きい毒牙 が 1 対ある。毒牙には , いちばん左に示すよう に 2 種類あって , 左が 管牙 , 右が溝牙である。 下はヘビの骨格。ヘビ だからもちろん四肢の 骨はないが , 胸骨もま たなく , さらに , 脊つ い骨とろっ骨の数がひ ヒように増加している 毒ヘビ 方骨 上がく骨 ヘビイチゴ 上がく骨 花 果実 隅骨ーー 4
ピアリー 2 7 4 かなピアノ音楽はみられないが , 印 ひいがわ斐伊川中国山地に発 象派的作風で独自のピアノ曲を書い し , 島根県内を北流し宍道い湖に注 たドビュッシーや , いっそう知的な ぐ川。流長約 84km 。流域面積 1066 冷徹さをもってピアノ的特性を生か km2 。古くは簸川とよばれ , 八岐大 しているラベルの名は忘れられない。 蛇 : 豸をのの神話で名高い。かってその 2 ( ) 世紀のピアノ音楽では , 十二音技 下流部は著しく乱流していたが , た 法によるシェーンベルクの作品やソ びたびの洪水でしだいに東流し , 16 連のプロコフィエフ , ショスタコビ 39 年の洪水以後はは、流路が定まった ッチ , ハチャトリアン , またハンガ 上流の花コウ岩山地では古来砂鉄の ヒイラキ リーのノヾルトークらが重要である。 色調を示す . 日本では秩父 2 ち古生 採取が行なわれ , そのため上砂の流 なお先端的な実験的音楽としてジョ とそれに続く古い中生層の中にひ 出が激しく , 下流部の河道は天井川 ン・ケージのプリペアドピアノがあ く分布し , 結品片岩の地帯にも類仕 となり , その形成した簸川平野はし るが , これはピアノの弦の間に木片 , ののがあるが多くは変成作用に ばしば洪水に悩まされた。 〔門村〕 竹べら , くぎ , ゴムなどをはさんで ひいらぎ〔柊〕山地に自生し , り石英片岩に変わっている。かたし ピアノの音を変質させて新奇な効果 庭園にも植えられるモクセイ科の常 ので鉄に激しく打ち合わせると火 を求めるものである。 緑樹。高さ 3 m ばかりでよく枝を分 を出し , 古来発火具に用いられた。 モーツアルトにしても , べ 現在では , 割れ目が少なくち密な ける。葉は卵形で縁に数個のきょ歯 べンにしても大作曲家であるととも のは陶磁器用のミルの内張りや玉 があり , その先は鋭いとげになるが , にすぐれたピアニストであったが 〔岩生〕 老木ではとげのないものもある。秋 に用いられる。 19 世紀後半以来 , 演奏専門の大家が に白色の小合弁花を開きよい香があ ひうちいし火打石発火具の 現われた。 2 ( ) 世紀にはノヾデレフスキ る。雌雄別株。材はち密で堅いので 種。古来の発火法には摩擦法によ ノレビンシュティン , コノレトーら 印材 , そろばん玉 , 将棋のこまなど 火鑞と , 衝撃法による燧などが 多くの大家がおり , レコード , 放送 をつくる。クリスマスの飾り物に使 るが , 燧のはうが簡便であるため , などにより , 一般にもひろく知られた。 うセイヨウヒイラギは全く別のヒイ の普及は主婦たちの労苦を大きく 減した。日本ではすでに古代から、 ラキ、科の植物である。 〔佐竹〕 ひいらぎヒイラキ、科の魚。千葉 が行なわれていたことがく古事記 ビアリー Robert Edwin Peary 県でギチ , 浜名湖でネコナカセ , 堺 やく日本書紀〉によって知られる。 1856 ~ 1920 米国の北極探検家 , 海 でネラギ , 淡路島の福良でネコクワ それは火打石に火打金を打ち合わ 軍軍人 , 最初の北極点到達者。 1886 ズなどという。背びれ 8 棘 : よ 16 軟条 , 年以来数回グリーンランドを調査 , て火花を出し , 火口に着火させオ しりびれ 3 棘 14 軟条。体は卵形で側 探検したのち , 北極到達をめざした。 ものである。火打石は燧 , 燧石 , 磬 偏し , ロは大いに伸出させることが も書かれた。 これを地方では「か 1898 ~ 1902 年の探検で北緯 84 。 17 ' に できる。食道を取り巻く発光腺に発 いし」などともいう。火打石には 達し , 05 ~ 06 年には北緯 87 。 ()6 ・ , 極 光バクテリアが共生して発光する。 リントのはか , メノウ , 水品 , 石嶼 点まで 30()km の地点で引き返したが , 全長 14cm の小魚で , 本州中部以南の なども使われた。火打金が関東地 - 方 ツ ()8 ~ 09 年の 4 回めの探検はエノレズミ 沿岸 , 内湾に多く , 川をさかのは、る で「ひうちがま」とよばれるのは , ア島の北端に基地をおいて北進し , 初め不用の鎌 : などを利用したた第 こともある。ひれのとげが鋭いので 09 年 4 月 6 日ついに極点に達し , 往 ネコナカセなどとよばれるのである であろう。のちには鍛冶職人が竹 復 53 日で基地に帰った。これに対し るようになり , なかでも甲冑ぅ が , 肉は美味である。 〔安田〕 米国の探検家 F. A. クックはほは、 1 年 冶の明珍うが作ったものは有名て 前に北極点に到達したと自称して争 ひいらぎなんてん中国 , 台湾 , ある。火口は婀とも書かれて「ほそ ったが , ピアリーが最初の到達者で ヒマラヤ地方原産のナンテン科の常 くす」などともよばれ , 朽ち木ある 緑低木。葉は奇数羽状複葉 , 小葉に あることが立証され , 彼は少将に昇 いはガマ , アサなどの消炭粉末カ はヒイラギに似たとげがある。花は 進した。 〔青山〕 われたが , 近世になると燿硝うな 早春に咲き黄色で総状 , 葉心から数 ビアリストク Biatystok ポー どを加えて点火を早めるくふうをし 本立って 3 月に咲き , 熟した果実は ランド北部の都市。人口 120800 ( 19 た商品が出回った。火打石 , 火打 6 の。また北部地方の繊維工業 ( とく 黒紫色で白粉におおわれる。晩秋に 火口など火打道具一式を入れる火羽 は葉がいぶし金のように紅葉して美 に毛織物 ) の中心。そのはか , 紡織機 袋 , 火打箱などはたいせつな生活 しいので , 庭木やいけ花用として植 械 , 木材 , 醸造 , 皮革 , 食品工業な 具で , ことに農本すではマッチはぬお どの工場がある。市の起原は 14 世紀 えられている。近縁のホソノヾヒイラ ると使えないというので銭入れ , ギナンテンは葉が細長く , 花は 9 月 初めで , 1795 ~ 1807 年はプロイセン バコ入れ兼用に長く愛用した。火才ー 領 , ついでロシア領となり , 1919 年 に咲く。いすれもとり木 , 6 月のさ 燧ヵ・岳と尾瀬沼。燧が 石と火打金を打ち合わせて人や物を し木 , 秋の種まきによって繁殖する。 ポーランド領となった。住民の多く 岳は右から爼嵓 ( まな 浄化する「きりび」の風習は , 今て いたぐら ) , 御池岳 , かユダヤ人であったが , 第二次大戦 〔浅山〕 柴安嵓とならぶ。尾瀬 も行なわれる。 中 , ドイツ軍のためにひしような人 ひうちいし燧石 , 火打石フリ 〔礒員〕 沼は南ろくにあり , 東 的損害をうけた。 〔渡辺一〕 ひうちがたけ燧ガ岳福島県 ント , チャート ( 学名 ) ともいう岩石の 岸に長蔵小屋 , 北岸に 西端にある火山。標高 2346 m 。洪れ 一種。肉眼でははとんどその粒を見 ビーアーレ p R / ノヾプリック・ 沼尻小屋があって , 後 分けることができす , 顕微鏡でかろう リレーションズ 者から頂上まで 3 時間 ヒイラギナンテン して見芬けることができる程度のこ まかい石英粒 , あるいは玉髄 , タン パク石などの集合体からできている かたくてち密な岩石。化学成分はほ とんどケイ酸 Si02 で , 海水中に溶け ていたケイ酸分 , あるいはプランク トン , 放散虫が海底に堆積凝固して できたもの。純粋なものは白色だが 微量の鉄などを含むことが多く , そ のため紅紫 , 赤 , 緑 , 黄 , 灰などの 花の拡大 ヒイラギ ピアリ
ハクチョウ 1 0 6 ウは全身が黒色である。日本にはオ 音楽チャイコフスキー。 1877 年 オハクチョウが冬鳥として渡来する クワ大劇場で J. ライジンガー振イ が , おもに北海道や東北地方に多く , よる初演は失敗したが , 95 年プ それより以西ではごくまれである。 とイワノフの振付によるべテル 青森県東津軽郡平内町小湊 , 新潟県 グのマリンスキー劇場で成功し , 北蒲原郡水原町瓢すよ湖は大群の渡来 後各国でもっとも上演回数の多し 地として有名で , 前者は特別天然記 レーの一つである。 / ( 別刷 ) バ 念物 , 後者は天然記念物に指定され 〔あら筋〕遠く湖のみえる城内で , 王こ ークフリートの成年を祝う舞踏会が開ツ ている。遠浅の海面や制沼などの水 る ( 第 1 幕 ) 。工子は魔法使いのためハ : 上にすみ , おもに水草を食べる。ホ ョウに化せられたオデット姫を愛したが いう場所代を出させる。寺銭で生活 ーン , ホーンと低音で鳴くが , 海面 2 幕 ) , 魔法使いは娘のオディルをオ - に群集するときにはかなりやかまし するばくち打ちの出現は江戸中期か ト姫の姿に変えて王子の花嫁に決めて一 い。日本に渡来するものにはオオハ らで , 天領や寺社領は無警察状態に う ( 第 3 幕 ) 。しかし , 最後には王子は冫 クチョウのほか , やや小さいハクチ 近かったから , この地方でことに盛 ット姫と結はれる ( 第 4 幕 ) 。 〔秋ー ョウがあるが , これはごくまれにし んになった。場所代を寺銭というの ′ヾクテリア / 細菌 かみられない。また近ごろ皇居のお もこれに由来する。当時の農村で貨 ′ヾクテリオファージ bacter 堀で繁殖しているものは , コブハク 幣をうるのは年に 1 ~ 2 回であった ph ag e 細菌に寄生する / ビー チョウという欧州に多い種類を飼い が , 生糸や絹織物を副業とする地方 で , 単にファージともいい , 大 ならしたものである。 は貨幣収入が多く投機的であったか 〔内田〕 腸チフス菌 , ブドウ球菌 , 結核 〔伝説〕白鳥は一生歌わないが , 死 ら , ばくちにふける農民が多かった どの各種の細菌に寄生するものえ ぬ前にだけ美しい声で歌うという伝 上り、 l•l ( 群馬県 ) や甲州 ( 山梨県 ) はこの れぞれ存在する。宿主細菌に対を 説が西洋にあり , 転じて作 ( 曲 ) 家が死 ような条件が重なっていたので大親 ファージの作用を時間的に追っス ぬ前の作品や演奏を白鳥の歌という。 分が現われ , 房総や東海道でも盛ん くと , 宿主細菌への吸着と侵入 , になった。ばくち打ちには親分 , 子 シューベルトのく白鳥の歌 > は , 彼 ァージの増殖 , 宿主細菌の崩壊と の死ぬ年の作曲になる歌曲 14 編を友 分 , 三下奴 ! たがある。親分はなわ ァージの放出という段階をくり 人たちが集め , この伝説に付会して 張りをもち子分を養うもので , 金持 す。ファージはオタマジャクシク 命名したもの。白鳥処女伝説は天人 ちでばくち打ちになったお旦那ば うな形状を示し , 頭部と尾部にク の少女が白鳥になって地上に舞いお くち打ちが , 金づかいがよく , 子分 れて , 外殼はタンノヾク質 , 頭部に り , 羽をぬいで水浴していると , 人 オキシリポ核酸から構成され , も多くてはぶりがよかった。有名な親 間 ( 多くは若い男 ) が羽を見つけて隠 に遺伝子が存在している。その 分の / 国定忠次 , 大前田英五郎 , 黒 す。ふたたび白鳥に戻れなくなった を溶かすに至るしくみは , ヒトク 駒勝蔵 , / 清水次郎長 , 日柳燕石 合のビールス感染の模型となり , 少攵は男の妻になるが , 隠してあっ などはお旦那のはうである。三下奴 た生物のタンパク質 , 核酸の合 た羽を見つけてまた天へ帰っていく。 はまだ親分から子分の杯をもらって 程を知るうえの有力な研究材料と アジア , 欧州 , アメリカ・インディ いない新参の見習で , 半年から 3 年 のうちに子分になる。子分の杯は「し アン , アフリカなど世界中に分布し れている。 〔田可 はくとう白陶中国で殷代に ている伝説だが , 発生の地は不明。 よっぱい酒」ともいい , 塩 , 米 , タ られた白色の土器の一種。純良グ 日本では羽衣伝説として伝えられる。 イの目玉 , カレイなどを杯に入れて 上 ( カオリン ) を高火度で焼いた 天人の少女が化する鳥の種類は地方 飲み , 親分に絶対服従を誓う。江戸 で , 河南安陽で発見されたのが気 によってさまざまで , 日本ではツル , 時代には領主権か・分かれていたため , 器形は罍訂酒器 ) , 觚こ ( 高杯 ) , ばくち打ちはとらえられそうになる マジャールやギリシアではハト , ア ( 台付きのさら ) などで , さまざま と他領へ逃げこんだ。一方 , 幕府は メリカ・インディアンではがチョウ などとなる。 / ( 別刷丿飼い鳥 / ( 別 文様をもつ。これらの形や文様に 寛政 , 享保ごろ郡代 , 代官の下に 刷 ) 鳥類 俗に八州まわりとよぶ関東取締出役 時盛んであった青銅器の模写で , 「小池〕 はくちょうざ白鳥座夏から初 銅容器と同しく儀礼用につくられ を設け , 他領にもふみこめる権限を ものである。 / 陶磁器〔春月 秋にかけて天頂付近をかざる星座。 与えた。またばくち打ちの何人かを はくどう白道月が天球上を 午後 8 時の南中は 9 月 25 日。バビロ 岡引っとして使って協力させたが , ニア , アッシリアでは鳥の形と見 , 彼らは二足のわらしといってけいべ る道。白道は黄道に対して平均 5 。 8. アラビアでは「めんどり」ともよん ( 実際には 4 。 59 ・ ~ 5 。 18 ' の間に変化 っされた。 〔田村〕 でいた。ギリシア神話では , ゼウス る ) ほど傾き , そのうえ , 白道と はくちょう〔白鳥〕ガンカモ科 がスノヾルタ王足レダのもとに通うた 道との交点は絶えす黄道上を逆回 に属する大形の水鳥。その種類は少 めに変身したハクチョウの姿といわ ( 月の運動とは反対の方向 ) に移動 なく世界に 7 種類いるだけで , 多く れる。。 , 凡ァ , , の描く大きな十字 は名の示すように全身純白であるが , 白陶。 ( き ) 竜雷文の罍 ( らい , 酒器 形はノーサン・クロス ( 北十字 ) とも 南米のクロエリハクチョウはくびが いう。。は / デネプ ( めんどりの尾 ) 黒く , オーストラリアの / コクチョ という 1 等星 , 滝はアルビレオ ( め んどりのくちばし ) という有名な二重 ハクチョウ 星。 61 番星は惑星類似の天体が発見 されているので有名。網状星雲 ( 別刷 星雲参照 ) や北アメリカ星雲など散 光星雲や暗黒星雲も多く発見されて いる。白鳥座 A という電波星は 2 億 光年のかなたの 2 個の小宇宙の衝突 〔草下〕 したものとされている。 はくちょうのみずうみ白鳥の湖 Le Lac des Cygnes ノヾレー作ロロ。 4 幕。台本べギチョフとゲルツェル , ノヾクテリオファ は多くの種類があり これは結核菌のファー ジである ( X3300 ( ) ) オオハクチョウ
らせん状になっている。ある葉か その上の葉までたどっていくとき , を半周する場合は , % 葉序という。 る葉からその上の葉までに % 周す ときは % 葉序という。 このように て , % , などの葉序がある。 葉の形の変化〕植物は種類によっ 生育に適した場所が異なっていて の形にも変化がみられる。たとえ , 高山植物のツがザクラの葉では : の表面に厚いクチクラがある一方 , 孔が葉の下側に作られるすきまの 一面だけに限られている。このため 界の空気はすきまと気孔を通らな れば葉のなかの組織まで到達でき これは高山の強い日光や風か 植物を守るのにつごうがいい。葉 本来 , 光合成を行なう器官である 冬芽を包んで保護する働きをも 鱗片のように , 本来の働きを失っ 別の働きをもつようになる場合も い。花のがく片 , 花弁 , おしべ , しべも本来は葉であると解釈され いる。葉の変形のはなはだしいも は変態といわれ , 工ンドウの巻ひ , サポテンの針はその例である。 食虫植物の葉は光合成も行なうが , 、さい動物をつかまえて消化吸収す 能力をもつ。葉が異常な状態を示 ときは奇形とよばれ , もともと単 である葉が二又に分かれることも 例であるが , 班葉はもっともふつ 、の奇形である。ジンチョウゲ , マ サキのようにふ入りの部分の葉肉細 包にクロロフィルがない場合がもっ とも多いが , 表皮細胞とさく状組織 胞の間に空気がはいっていて , つ部分が白くみえるものも多く , ュ キノシタ , カンアオイはこの例であ このほかホトトギスのように葉 つある部分の細胞に色素が含まれる にめに班葉となるものも多いし , ム ラサキカタバミのように葉のある部 の表皮細胞が他の部分の表皮細胞 よりも大きくなっているためにふ入 6 9 2 ・ 1 ・ 2 ・ 3 で表わすが , この歯式の横 線の上は上あごの歯 , 下は下あこ の歯を示す。これは片側だけである から , これらの数字を全部加えたも のの 2 倍 , つまり 32 がヒトの歯の数で ある。横線を書くのは , 動物によっ て上下で異なることがあるからであ る。ほ乳類の分類では歯式が一つの 重要なかぎとされる。 2 , 3 のほ乳類 の歯式をあげると , サルはヒトと同 = 32 であり , イヌは しく一 2 ・ 1 ・ 2 ・ 3 3 ・ 1 ・ 4 ・ 2 = 42 , ネコは = 30 , 3 ・ 1 ・ 4 ・ 3 0 ・ 0 ・ 3 ・ 3 = 32 である。しかし ウシは 3 ・い 3 ・ 3 ほ乳類でも例外的に歯がみな一様な 形をしていることがあって , そのと きは歯式が成り立たない。 たとえば 歯をもつクジラ類がそれである。ま た歯は鳥類を除いてどの脊つい動物 にもあるといえるが , 下等のもので は歯が何列にもなっていて , しかも 形によって上記のような歯の種類が 分けられない。そして系統発生から いうと , サメやェイなどの軟骨魚類 の皮膚にあるうろこの一種が歯の起 こりと考えられる。 〔乳歯と永久歯〕さてヒトの歯に話 を戻すと , さきに記した歯式は永久 歯のものであって , 永久歯のまえに 乳歯がはえることは周知のとおりで ある。ヒトの乳歯は上下左右それぞ れ切歯 2 , 大歯 1 , 乳きゅう歯 2 ( 合 計 20 ) である。乳きゅう歯は形の上 では大きゅう歯にはなはだ近い。乳 歯はふつう生後 6 カ月たってはえは しめ , 生後 2 年ではえそろう ( / 育 児 ) 。満 6 歳で最初の永久歯として 乳歯列のすぐうしろに第一大きゅう 歯ができ , 次いで乳歯がしだいに抜 け落ちて , そこに永久歯の切歯 , 大 歯 , 小きゅう歯ができる。第二大き ゅう歯は 12 歳ごろ第一大きゅう歯の うしろにでてくる。その後方に第三 大きゅう歯ができるのは 15 ~ 24 歳こ ろであって , これはとくに智歯ご ( 俗 に親しらす ) とよばれる。智歯はヒ トでは退化の傾向が著しく , その全 3 ・ 1 ・ 3 ・ 1 3 ・ 1 ・ 2 ・ 1 部がでそろわない場合がはなはだ多 い。永久歯のうちで乳歯の抜けたあ とにはえてくるのを代生歯といい 乳歯がなかったところにはえるもの を加生歯という。後者は大きゅう歯 を意味する。このように歯がいちどは えかわることはけっしてヒトだけで なく , たいていのほ乳動物で起こる。 〔歯の構造〕 1 本の歯についていう と , 歯肉 ( 歯齦ともいう ) を貫いて 外に現われている歯冠と , がく骨の 離れていて , その次の歯との間に大 やネズミのように切歯だけが前方に その前後にすきまがあるし , ウサギ 動物では大歯がはなはだ大きいため , りしたときは話が別である。多くの もちろん歯を抜いたり , 歯が抜けた こにもないのはヒトの特色である。 んでいる歯の間に大きいすきまがど して , 壁によって分離している。並 は , 歯そうのへこみもその数に相当 カ { いくつかに分かれているところで みであって , 大きゅう歯のように根 ある , 歯根を入れるための深いへこ うというのは上がく骨と下がく骨に けださないようにできている。歯そ 3 本に分かれており , 歯そうから抜 本でまれに 2 本 , 大きゅう歯では 2 ~ 本であるが , 小きゅう歯はふつう 1 っている。歯根は切歯や大歯では 1 小さなでこほこのある平たい面をも では食物をすりつぶすのに適した り」の形にとがっており , きゅう歯 は「のみ」の形であり , 大歯では「き 種類によって異なっていて , 切歯で 根とが区別される。歯冠の形は歯の 歯そう ( 槽 ) のなかにはいっている歯 葉脈の例。左はチョマ ウ ( 二又脈 ) をしめす ( 平行脈 ) , 右はイチョ ( 網状脈 ) , 中はタケ りにみえる場合もある。 〔原〕 は歯無脊つい動物にも食物を いみ砕くためにかたい器官をもつも つは少なくないが , ふつう歯といえ よ , ヒトを含むほ乳類をはしめ脊つ い動物にひろく分布するかたい , 骨 つような器官をいう。その働きは食 吻をかみ砕くことにあるが , 二次的 こ闘争の武器や仕事の道具にもなる。 〔歯の種類と歯式〕歯にはその形に につて切歯 . 大歯 , 小 ( 前 ) きゅう歯 , & ( 後 ) きゅう歯の別があり , ほ乳類 つ種類によって , その数が決まって 、る。切歯は門歯 ( 俗に前歯という ) ヒもよばれ , いちばん前方に並ぶ。 の次に大歯 ( 俗に糸切歯という ) が らり , その後方に小きゅう歯 , 次い 0 大きゅう歯がある。 ヒトの歯では , 上下左右それぞれ , 刀歯 2 , 大歯 1 , 小きゅう歯 2 , 大きゅ う歯 3 である。歯式では , これを 葉のいろいろな形とつき方 第い \ 物 針形てのひら形 へら形 卵形長だ円形倒卵形三角形披針形 円形 だ円形 ( サルスペリ ) ( スイレン ) ( ケヤキ ) ( クヌギ ) ( モッコク ) ( ポプラ ) ( キョウチクトウ ) ( クロマッ ) ( カエテ ) ( トペラ ) 単葉羽状複葉 2 回羽状複葉 掌状複葉 三出葉 互生 ( ュリ ) 対生 ( アオキ ) 輪生 ( ヤエムグラ )
フランス 5 1 6 の現地軍の反乱をきっかけにドゴー せたセヒ、ニエ夫人やフランス的恋愛 くボノヾリー夫人〉を書いたフロべール ルが再登場し , 第五和制憲法が制 心理分析小説の典型的作品である によって完成され , ゴンクール兄弟 くクレープの奧方〉を残したラファイ 定され , 今日に至った。 〔木村〕 ドーデ , く女の一生 > やすぐれた短編 ェット夫人も重要な存在である。ま を多く書いたモーパッサン , 写実主 フランスの文学 フランスの文学 ( 補 ) たフランス語で書かれた最初の哲学 義をさらに自然主義にまで押し進め カエサルのがリア征服で伝わった 1950 年代に「アンチ・ ラテン語はのちしだいに変質 , 民衆 書く方法叙説 > で近代哲学の父とな たゾラなどによって受け継がれた ロマン ( 反小説 ) 」また 化し , ロマン語の時期をへてフラン 彼らに共通な現実嫌悪いの精神は , ったデカルト , 0 、ンセ > その他で独 ( 新しい小説 ) 」という ス語として普及定着した。フランス 特な熱情的神秘主義を吐露したパス 一方では時代を同しくするく悪の華 > 名のもとに注目され始 語による最古の文学作品は諸種の聖 カルは文学史上でも見落とすことが の退廃派詩人ポードレールやベルレ めた新しい文学形式は , 者伝 , く口一ランの歌〉 ( 11 世紀末 ) が ーヌ , ランポー , または象徴主義詩 できない。 17 世紀末から 18 世紀初め 今日では無視できない 代表する武勲詩だが , これとほは、並 にかけて反復された「古代 , 近代優 の完成者マラルメのラジカルな現実 影響を多くの国の文学 行して宮廷文学としての騎士道恋愛 劣論争」で古典主義理論は深刻な打 に与えている。純枠な 否定になって現われ , 世紀末的色彩 もの」の世界の客観 物語が 12 世紀を中心に開花した。 撃をうけ , デカルト的な批判的合理 はドレフュス事件の混迷を背景に色 的 , 視覚的な記述とと 主義精神は自然科学の進歩 , プルジ くトリスタンとイズー > くオーカッサ 濃く当代の文学をいろどる。このよ ことばによる伝 ンとニコレット > などはその異色作 ョア階級の実力向上ともあいまって うな風潮に対してアナトール・フラ 達への不信 , 時間的 , である。一方 , より現実的庶民的な しだいに時代の主流となり , 専制政 ンスやプーノレジェ , ノヾレスらはそれ 空間的再構成の試みな 風刺文学は 12 ~ 14 世紀に成立した物 治の根幹をゆすぶるようになる。そ ぞれの立場から反対し , とくに / ヾレ ど , 多様な傾向を示し 語群く狐つ物語 ) に代表される。中 の新しい時代精神をもっともよく代 スの神秘主義的愛国主義は当時の青 ながら , この文学は伝 統的な小説形式の拒否 , 世的恋愛論議 , 人生哲学的寓意趣 表するのがデイドローを中心とする 年に強い影響を及は、したが , やがて 参加ーの拒否などに 味は前編をギョーム・ド・ロリス , 百科全書派で , これにはポルテール 20 世紀にはいってジッド , おいて一致しておリ , 後編をジャン・ド・マンか・書いたくは・ プルーストらに代表される新しい文 やルソーをはしめ当代のもっともす その直接の源流はカミ ら物語〉 ( 13 世紀 ) を生み , 長く支配 学精神がこれと交替する。 20 世紀文 ぐれた学者 , 文人が協力した。ポル ュのく異邦人〉の文体 的な影響をは、した。中世末期には 学の開拓者であった彼らの影響力は テールは啓蒙主義精神の具現者とし に見いたすことカぐでき 民衆的な宗教劇や教訓劇 , ファルス て晩年には時代を代表する全欧的存 くジャン・クリストフ > で多くの読者 る。おもな作家にアラ ( 笑劇 ) が全盛をきわめた。泥棒詩人 ン・ロプ・グリエ , ナ 在となり , ルソーはのちに百科全書 を獲得したロマン・ロランのそれと タリー・サロート , といわれる最初の個性的な叙情詩人 派とたもとをわかったがく新エロイ ともに今日なお消滅したとはいえな シェノレ・ビュト ビョンの活躍も中世末の 15 世紀後半 ズ > くエこ一ル〉く告白録 > などで いが , 第一次大戦を契機におこった クロード・シモンらか・ である。イタリアとの接触を通じて ロマン主義文学の熱烈な先駆者 , 鼓 ダダイスム , 超現実主義の詩運動は あげられる。 16 世紀にはフランスにもルネサンス 吹者の役割を果たした。くマノン・レ 新しい文学精神をさらに徹底させた の波が押し寄せ , 宗教改革の機連と スコー〉のプレポや , くボーノレとビル ものであり , これらの詩人のなかか あいまって混とんたる激動期を迎え らはのちに共産主義に転したアラゴ ー > のベルナルダン・ド・サン ン・ る。奔放豪快でしかも驚くべき博識 ピエールも彼と並んで英国のリチャ ン , 工リュアールらカ { 現われた。ま に満ちた奇書くガルガンチュアと / ヾ ドソンの影響を受けたロマン主義 た行動主義文学の実践者マルローも ンタグリュエルの物語 > の作者ラブ 者である。一方写実風な小説として ジッドの社会参加的一面の影響から ー , 宗教改革のもっとも激しい一 スペイン風なわるもの小説の伝統を 出発してこれを発展させた 1 人であ レ 面を代表して熱烈な著作活動を行な 継ぐルサージュのくジル・プラース > る。くチボー家の人々 > を書いたマル ったカルノヾン , くフランス語の擁護と があり , 劇ではマリポーとポーマル タン・デュ・ガ、一ノレも , カトリック 作家として異色の活躍を続けている シェをあげねばなるまい。またくべ 顕彰 > ( デュ・べレー 1549 ) に代表 ルシア人の手紙 > を書いた法律家 , される若い詩人たちの国語顕彰運動 モーリャックもこの世代の作家とし て注目に値する。第二次大戦中のレ を指導し , 詩作のうえでもその理論 政治哲学者モンテスキューも文学史 を実践して清純な叙情詩を書いたロ ジスタンス文学をへて戦後はサルト から逸することができない。大革命 ルを中心とする実存主義文学が注目 とナポレオン戦争の動乱をへて , や ンサーノレ , フランス・モラリスト文 を浴びたが , 彼と決別後不慮の死を 学 , 近代懐疑主義 , 合理主義の重要 カゞて初めは亡命貴族文学の形をとっ な基石の一つとなったく随想録 > を たロマン主義文学が開花する。シ・ヤ とげたカミュの業績とともに今後の 残した穏健中庸の思索家モンテー 研究を要する課題であろう。〔小島〕 トープリアンとスタール夫人がその 原動力だったが , 彼らの影響下に出 ュらがこのフランス・ノレネサンスを フランスグ ) 発した次代のロマン主義者たちはか 代表する。 17 世紀にはいると , 形式 演劇その他 ならすしもシャトープリアン風な貴 〔演劇〕フランスの演劇はます宗教 の洗練と完ぺき , 内容の精細と優雅 を誇るフランス古典主義文学のはな 族的回顧趣味に追随しなかった。若 劇と俗劇の形で 12 世紀ころにはしま きロマン派の領袖 2 引 , 天オ詩人と ばなしい隆盛が , プルポン王政の絶 り , 宗教劇は 14 ~ 15 世紀には聖母奇 して出発したユゴーはのちに熱烈な 跡劇 , 聖史劇のような大規模のもの 頂期 , 宰相リシェリューによるアカ 共和主義者となってくレ・ミゼラブル > デミー創設などにみられる文芸擁護 になる。俗劇も風刺的寸劇や狂言か その他の人道主義的作品を多く書き , 政策を背景としてもたらされた。演 ら発展し , 15 世紀半ばには中世ファ ルスの典といわれる 0 、トラン先 劇におけるコルネイユ , ラシーヌ , 叙情詩人ラマルチー - ヌも 1848 年二月 モリエールの大作家のはかに , ボア 革命政府では外相をつとめた。く赤と 生 > が書かれ , 当時の庶民生活をい ローはく詩学 > を著わして古典主義 きいきと表現した。 16 世紀中ごろに 黒 > くパルムの僧院 > で冷徹な恋愛心 宗教劇の上演が禁止され , 悲劇作家 理論を整理体系化し , ラ・フォンテー 理の分析を行なったスタンダールも , ガルニエたちは古代演劇模イ放の傾向 ヌは童話風な物語詩くラ・フォンテー くカルメン > くコロンノヾ > などで知ら ヌ寓話集 > ( 12 巻 ) を書いてもっとも を強く示し , 一方ファルスはイタリ れるメリメも , フランス・リアリズ 親しまれる国民詩人となった。また ム文学の祖として作品群く人間喜劇 > ア喜劇の手法をとり入れ , 近代喜劇 散文家としてはフランス・モラリス を残したノヾルサックも , 晩年にすぐ へと脱皮していく。 17 世紀になると トの本領をもっともよく発揮して痛 一致の規則」に準しつつ偉大な れた農民小説を書いた女流作家ジョ 烈な人間性批判の書く箴言集 > を 古典主義劇作家たちが多くの傑作を ルジュ・サンドもロマン主義から出 書いたラ・ロシュフコー , 同じくくカ 生みだした。コルネイユ , ラシーヌ 発しながら単なるロマン主義者に終 などは人間の情念と心理 , 性格や意 ラクテール > を著わしたラ・プリュイ わらなかった人たちである。 19 世紀 ェールがおり , 書簡文学で令名をは 後半の主流となる写実主義文学は 志の対立を通じて普遍的な人間像を
ヒョウンウ / 巻き緒啄 ーー掛け緒木 オオヒョウタン 軸 下 中回し 一文字 本紙 露 上 風帯 平等院鳳凰堂 掛け物の各部分の名称 雄花 果実 雌花・ 〔春川〕 わって経師屋などという。 の名称のなごりが , 現在職名にも伝 寺院に専属して主任者となったとき るのがおもな仕事であったからで , これは古くは経巻を仕立て あった 師というが , 大経師物こということも る。表装をする工人を表装師 , 表具 い絹裂でふちどっただけのものであ ただ両側を細 地題 , 中回しがなく , われるもので , 一文字はあるが風帯 , 用いられるものは「明朝表装」とい 装」といわれる。南画や書幅によく るのが仏画の表装形式で , 「本尊表 に八双金具とよぶめつき金具を用い な裂地を用い , 軸頭やひも付けなど ている。この真の表装によって華麗 装」といわれ , 本紙脇に筋がはいっ 中軸に用いられるものは , 「真の表 り広くないもの。仏画など三幅対の 装」とよばれるもので , 両脇があま も多く用いられる形式は「行 : よの表 質のとくにいいものを使う。もっと 裂地を吟味し , 一文字と風帯は同 り , 上には風帯を下げることが多い。 といい , さらにその上下に地題をと 文字澱しがあり , その周囲を中をゆ回し 基本形式としては , 画地の上下に でも独自の発展をとげた。掛け物の が著しく発達し , その影響から日本 ので , 中国では宋代以後技法 , 形式 画の保存 , 鑑賞のため行なわれるも と。装演 , 表具ともよばれる。書 物 , 巻子 , 帖よなどにしたてるこ ひょうそう表装書画を / 掛け 〔川村〕 手術しないですむ場合が少なくない たが , 現在は早く治療を受ければ , 手術がほとんど唯一の治療法であっ 3 7 2 ひょうたいおんがく標題音楽 program music の訳。器楽曲に名を つけ , 標題の内容を強く暗示しよう とする音楽。 / 絶対楽に対立する もので , 絶対音楽が音の純粋な組合 せ ( 形式 ) からなりたつのに対し , 標 題音楽は , 風景 , 物語 , 特定の気分 などを音楽内容として表現しようと する。声楽曲や声楽のはいった器楽 曲は , ことばによって , 描こうとす る概念がすでに明確に現わされてい るから , とくに標題音楽とはよばな い。標題音楽の流れは , 14 世紀ころ からヨーロッノヾ音楽にみえるか・ , 最 初は鳥の声を模倣したり , 聖書の物 語をソナタにするなど , 単純なもの が多かったが , 18 世紀末の古典派時 代から , 19 世紀のロマン派にかけて , しだいに複堆な心理状態をも標題音 楽として扱うようになる。べ べンにはく戦争交響曲 > というウェ リントンの戦いを描写した音楽があ るが , のちにはく田園交響曲 > で , 単なる田園の描写以上に , その気分 まで現わそうとした。とくにロマン 派時代は , 文学との関連性が強いと ころから , 多くの標題音楽が作られ 。く幻想交響曲 > や < ロメオとジュ た リエット > を書いたベルリオーズは , その代表的な作曲家であり , リスト に始まる交響詩は , ・定の形式に とらわれない自由な標題音楽的表現 方法を特色とした。 〔秋山〕 びようたいそう美容体操均斉 のとれた美しい肢体をつくるのを目 的とした体操。運動によって筋肉の 発達をうながし , 関節の機能を完全 にして身体の運びや動作を美しくし , 皮下脂肪のつき過ぎを防ぎすっきり した肢体をつくろうとするものであ こうした意味での体操は以前か る。 らあったわけであるか、 , 1954 年 N H K ( 日本放送協会 ) が美容体操の名で放 送を開始してから , 一般的な名称と なった。家庭で行なうにはテレビ , ラジオなどから適当に採用するのが よいが , なわとび , 水泳 , テニスな どの運動も美容上効果的である。ま た全身体操のほか , 局部的な身体の 欠点をだんだんなおすための矯正体 操を織り込むとよい。胸を豊かにす るためには胸筋を発達させるように 胸を張る運動をするとよく , 腰を美 しくするには腹筋をひきしめるよう , 腕立て伏せや , 上半身を回す連動が 適する。 〔中村〕 ひょうたん〔瓢簟〕夏のたな作 り , かきね作りに喜ばれるウリ科の つる性一年草。ふつう大果のオオヒ ョウタンと / ト果のセンナリヒョウタ ンが作られている。植物学上は / ュ ウ力、、オの変種であり , 全草軟毛にお おわれ , 葉と対称に出る二つに分か れた巻ひげにより他物にからみつい てのびる。花は雌雄同株で白色 5 弁 の合弁花が夏の夕方に開き , ガの媒 介により雌花に実がなる。栽培は 月上旬にしきまきするか , 本葉 2 3 枚のうちに定植する。炭疽をん病 どに弱いので輪作と種子消毒を励 し , ポルドー液を散布する。また ビガラスズメが葉を食害するので ヒ酸鉛液で防除する。果実は中ほ でくびれ , 苦味が強くて食用にな ないか、皮か・たいへん堅いので塾 たものを水につけて果柄を腐らせ 果肉をとり出して酒器など容器と て利用する。この容器を古くから「 さご」ともよんだ。ひしやく ( 柄 も昔ひさごをたて割りにして用い ことに由来する名称という。九州 五島列島ではこれで水をくみ , 対 . では穀物をすくうのに用いて「は : とよんでいる。形に応して球形の のは炭入れ , タノヾコ入れ , 円筒形 ものは「ふくべ」と称して酒器の冫 か糸巻のわくにも用いられた。ま 古来中空のひさごは神霊の宿ると ろと考えられ , 祭祀こいの具や神楽省 の採物齠としても用いられた。 〔浅山・ ひょうてん氷点一定の圧力 もとで氷を加熱すると , ある温度 加えられる熱は氷から水への相変イ にのみ使われ , 氷がとけ終わるま そのままの温度に保たれる。逆に を冷却するときも完全に氷になる で同じ温度に保たれる。この温度 前の場合に氷の融点 , あとの場合ー 水の凝固点というが , これらを氷 . 、 ともいう。 1 気圧のもとでの水の 点を温度目盛の基準の一つとして 0 ℃と定めている。常温より低い凝慥 点 ( 融点 ) をもつ物質ではその凝固 . 占 をその物質の水点ということもある 一般に不純物を含む溶液の氷点は糾 溶媒の氷点より低くなる。溶媒のオ 点を Tm , 融解熱をんとし , 溶媒 1 ()OO g に分子量 M の濬質をな : g 溶かした場論 の氷点降下温度を」 Tm とすると , れらの間に , M=((). ( ) ( ) 1986T れ 12 / ん ) w / 」 T,n の関係がある。分子量の測気 はこの関係式を用いて行なわれるこ とが多く , これを氷点降下法という 〔古賀〕 びようどういん平等院京都府 宇治市所在。天台宗最勝院と浄土 浄上院が輪番制で管理する。藤原軒 鳳凰堂の名は , この翼を広げたよう リの影響があるものと考えられる。 均斉と変化をもった建築で , 寝殿造 その両端を前面に突出する。美しい る中堂をおき , 左右に翼廊をのばし 池を前にして , 中央に本尊を安置す 鳳凰堂は宇治川の水をひいた大きな 鎌倉時代 ) , 鐘楼を残すのみである。 にあい , 現在は鳳凰堂 , 観音堂 ( 釣殿 る。その後諸堂が建てられたが兵火 られているのは , この阿弥陀堂であ 成した。 こんにち鳳凰齲堂の名でし に本堂ができ , 習年阿弥陀堂が 通の別荘を寺としたもので , 1052
1 6 4 れはシダの雌性の胞子葉 ( 大胞子葉 ) ャクナゲの属名アンドロメタ、、は , そ す鼻前庭 ( 鼻興の内部 ) というとこ の上に大胞子嚢がつくのと同しやり のかわいい花をキ・リシア神話の同名 で , 太い毛 ( いわゆる鼻毛 ) がは 方で , 裸子植物の実花葉は胞子葉と の美姫になぞらえたものである。ま いる。それよリ奧は固有鼻腔と」 相同なものといえる。したがって花 たシプリベジウムは , ビーナスのは れるかなり大きいへやである。 粉嚢をつける雄花はシダの小胞子葉 きもの ( スリッパ ) という意味で , そ にいうと鼻前庭と固有鼻腔を合オ の奇妙な形を女神のはきものに見立 と相同である。 たものが鼻腔である。鼻腔は左イ てたものである。和名の中にも , タ このようにみてくると , 胚珠を生 分かれている。その間の壁は鼻吽 する被子植物の心皮はシダの大胞子 力の飼育の秘草を恋人にもらしたた とよばれて骨と軟骨がその f-- 台宿 めに鷹第匠の兄にきられた弟の哀話 葉と , おしべは小胞子葉と相同とい している。鼻腔の外側は凹凸 : に由来するオトギリソウ , 非運の戦 うことになる。したがって進化学的 , こには上中下の三 んでいて , に考えてみると , 花とは実花葉すな 国大名佐々成政と淀君の伝説にま 鼻甲介がある。これらは前後の丿 わち胞子葉が茎の頂端に密集して生 つわるクロュリなど , ま・たグビジン にのびた高まりで , いすれも外 したものと定義することができる。 ソウ ( ヒナゲシ ) のように中国の項羽 から突出している。中鼻甲介と したがって , シダの大胞子葉 = 裸子 と美人の悲話にまつわるものな 甲介は大きくて鼻腔の底にほは、、 植物の雌花 = 被子植物の心皮 , 大胞 ど , 伝説 , 民話に関係した花が少な しているが , 上鼻甲介は小さく 子光 = 胚珠 , 減数分裂して作られた くない。また国や民族の歴史 , 伝説 , めになっている。嗅ド覚のよく 大胞 f ・ = 胚嚢は細胞 , それが発芽し 風上に結びついて生まれたものに した多くの動物では鼻甲介が複 た雌性前葉体 = 胚嚢。また , シダの / 国花があり , それぞれの国を象徴 形をしている。また鼻甲介が境 小胞子葉 = 裸子植物の雄花 = 被子植 している。さらに季節の順に咲く花 り , 鼻のなかを空気の通るいく 物のおしべ , 小胞子嚢 = 花粉嚢 = 葯 , を並べて / 花暦が作られ , 1 日の時 の道が区別される。下鼻甲介と 小胞子 = 花粉 , 雄性前葉体 = 花粉管 刻の順に咲く花を並べて花時計が の間が下鼻道 , 中鼻甲介と下鼻 とみることができる。このように花 作られている。 の間が中鼻道である。鼻甲介と鼻 の定義を拡大してみると , 花をもっ 〔花の利用〕花壇を作り , はち植え はみな骨が基礎をなし , その上 ているものは被子植物や裸子植物ば にし , またいけ花や切り花にして , 膜がおおっている。鼻腔の後方に 多くの人が花を楽しんでいる。日本 かりではなく , シダにも花があるこ いん頭の上部が大きい口 ( 後鼻孔 でも昔からサクラソウ , キク , ナデ もって続く。鼻からはいる空気は とカぐわかる。たとえばヒカゲノカズ ん頭に達し , ラの胞子葉穂 , スギナの胞子茎すな こで凵からの飲食 シコ , アヤメなどはひろく栽植され と交差したのちにこう頭にはいり わちックシの胞子穂などは , 胞子葉 ていたが , 明治以後には欧原産の 気管をへて肺に達する。 / 呼吸 が密生した頂生の器官なので , りつ カーネーション , スイートピー , チ ばな花である。石炭紀に繁茂した化 〔鼻腔の粘膜と機能〕鼻椌粘膜に リップ , マーがレット , ノヾフ 石シダである鱗木 ( レピドデンドロ 呼吸部と嗅部の二つが区別できる イリス , フリジア , キンセンカ , ユ ン ) , 封印木 ( シジラリア ) なども同 ヒトでは前者が鼻腔の大部分を占 リなどカ { はいってきてひろく栽培さ し意味で花をもっていた。したがっ れ , 大規模な温室 , ビニルハウスで 後者は鼻腔の天井に近い内外両側 て , 花をもっという理由で被子植物 促成栽培され , また暖かい地方では の上部を占めるにすぎない。 1 ) 嗅部 と裸子植物を顕花植物とし , シダ以 露地植えにして大量に栽培され , 大 こにはにおいをかぐことをつか 都市の市場に出荷されている。花の 下の植物を隠花植物と分類するのは , どる神経 ( 嗅神経 ) が分布する。そ 厳密には誤りで , このような分類法 利用の大部分は観賞用としてである てこの部分は粘膜が少し黄色を帯 は現在では行なわれていない。 カ { , ノヾラ , ジャスミン , ノヾイオレッ てみえる。鼻腔の天井には篩板と ト ( ニオイスミレ ) などの花からは工 〔花と伝承〕千差万別の色と形をも うふるいのように多数の穴をもっ つ花はあるときはその明るく美しい ッセンスを抽出して天然香水の原料 骨の板が , 頭がい腔と鼻腔の間を 姿ゆえに多くの人に愛され , 無言の とし , また , ごく一部ではあるが , てていて , その板のすぐ上方にあ・ 思いを託する / 花ことばとなって好 カリフラワー , アーチチョーク , プ 嗅球は大脳半球の一部であるが ましい人にささげられ , あるときは ロッコリーの花は西洋野菜として用 こから嗅神経が多数の束をなして , そのあやしい姿ゆえに無気味がられ いられ , 日本でも昔から菜の花 ( ア 篩板の穴を通って嗅部に達する。い て , 不吉なできごとを連想させた。 プラナの花 ) づけ , サンショウの花 部の上皮のなかににおいの刺激を・ ' またある花はその奇抜な姿ゆえに神 芽のつくだ煮 , サクラの花の塩づけ , けとる感覚細胞がたくさん存在し一 話や伝説と結びつけられた キクの花のひたし物や酢の物などが たとえ いる。細長い細胞体で , その中ほ 賞味されている。 / ( 別刷 ) 花 / 園芸 で核のあるところか・ふくれている。 ばスイセンの属名ナルキッススはキ、 ュリの葯の横断面の一 部。左半分は若い葯で , リシア神話の美青年 / ナルキッソス / いけ花 〔西田〕 細胞体の外方端は上皮の表面に達ー 胞原組織のなかに花粉 はな鼻顔の中央にある三角形 に由来し , ヒアシンスの名はアポロ てここに短い毛をもっている。内 母細胞ができている。 の高まりでピラミッド型をしている。 すなわち結合組織のはうへ向かっ - ンに愛されたスパルタ王子ヒアキン 右半分は成熟した状態 その高さや全体の形や鼻尖芫の向き トス Hy a c i n th ( ) s に由来し , ヒメシ のびる細胞体はごく細くて , これフ で , 裂開部より , 花粉 ぐあいが人純により , また個人的に そのまま嗅神経の神経繊維に続く。 粒がでるところである も異なっていて , 美醜を大きく左右 その点からしてこれは神経細胞自 - している。解剖学的にいうど , 「は が上皮のなかにあるとみなされて、 なすし」が鼻背で , その下端が鼻尖 , る。この形式の感覚上皮は無脊つ、 上端が鼻根 , 「はなのあな」は外鼻孔 , 動物で多くみられるもので , した冫 それを上外側から境する「こばな」 ってヒトにさえこういう原始的な が鼻翼である。鼻の高まりがしつか の感覚器が残っていることはおも りしているのはその内部に骨と軟骨 ろい。嗅部の上皮にはにおいを感 - る神経細胞のほかにそれを支持しイ があってささえているからである。 護している細胞がある。また上皮 ( 表面をおおっている皮膚には脂腺も 下の結合組織の層には腺が発達し 汗腺もよく発達している。また顔面 いて , その分泌物が上皮の表面に の横紋筋の一部がここに付いている いた刺激物を洗うと考えられる。 ので少し動かすことができる。 呼吸部鼻腔の枯膜は嗅部を除けー 〔鼻腔の構造〕外鼻孔をはいるとま 0 0 0 0 〇 0 0 0
ビョウ マッガ・一ジのい へ向かって行なう 足では , 足首からひざ ザグにマッサーージする。 は手首へ向かってジグ 描きながら , 手の甲で け根に向かって小円を 手の指では指先からっ 矢印の方向に行なう。 あまりカを入れないで 手の中指と薬指を用い , 顔のマッサージは , 両 顔のマッサージ 手の指のマッサージ ろいろ 手の甲の マッサー ノ 、ン 足のマッサージ ルカリ性のものをつける ( / クリー ム / 化粧水 ) 。 2 ) マッサージ皮膚 をいつまでも健康に保っために行な う。指の摩擦や振動などの刺激で , 皮下組織の血液やリンパ液の流れを よくして皮脂の分泌を適度にするか ら , 疲労を早く回復させ , 皮膚をい きいきとさせる。脂肪膚 , 乾性膚ど ちらにも効果的である。指を動かす 方向は筋肉の流れに沿い , 下から上 に , 内側から外側へと行なう。目 , ロはそれぞれを中心にして円を描く ようにする。なでるように軽く摩擦 するか , 軽くたたくかであって , 刺 激を与えすぎると逆効果になるので , 皮膚に暖かみをおびる程度 ( 2 ~ 3 分 ) にとどめる。なおマッサージを行な う前には皮膚を清潔にし , 蒸タオル で蒸したり , 手のすべりをよくする ため油性クリームをつけたりする。 済んだらクリームをよくふきとり , さらに化粧水でふいたあと , 栄養ク リームをつけておく。マッサージの 効果をいっそう強めるためにパッ クを行なうのもよい。 / ヾックは週 1 3 6 4 2 回くらい。マッサージやノヾック の直後は化粧はしない。 この一よ力、 , 赤外線を照射して血行をよくするこ とも行なわれている。 〔メーキャップ〕年齢 , 場所 , 服装 などによって化粧法も異なってくる。 日常の化粧はあっさりと皮膚に負担 のかからぬものがよく , 若い人は皮 膚の美しさを生かした単純な化粧が ふさわしい。一般的な化粧法として は , ます順序としては , 顔のよごれ を落とし , 次に下地をしようすに整 える。ふつうは油性クリームでふい たあと , 荒れ性膚や中性膚には乳液 を , 脂肪性膚にはアストリンゼント ローションをよくすり込んでおく。 次に下地用のクリームをつけるが最 近は液体のファンデーション ( 下地 用おしろい ) が多く使われる。少量 を額 , はお , 鼻 , あごなどに点々と つけてむらなくのばす。その上にペ ースト状のほお紅 ( 固形のものより 自然の血色にみ、える。固形の場合は おしろいをつけた上にはけでつける ) をつける。目の下中央からこめかみ に向けて三角形には、かすのがふつう であるが顔の形によってつけ方をく ふうすると顔だちがひきしまる。ほ お紅の色は口紅と同系色を用いるの が原則である。次におしろいをはた き , 化粧水でおさえる。部分的な化 粧のおもなものは次のようである。 1 ) まゆ顔だちに合わせ , 流行によ って形は自由であるが , もっとも変 化をつけやすいものである。原則と しては下の図のような位置におさめ るようにする。はみ出したむだ毛は 毛抜きで抜き , 不足分は描きたす。 まゆのうすい場合は黒 , 茶 2 色のま ゆ鉛筆を重わて使うと自然にみえる。 修整化粧のいろいろ。まゆの長さの決め方は , 小 鼻と目がしらを結ぶ線の延長上にまゆがしらを決 め , 小鼻と目しりを結ぶ線の延長上にまゆしりを 定め , 余分の毛は抜き , 不足分は描き足す。アイ シャドーのつけ方は , 目の状態によって異なるが 目の側に濃く , 離れるにつれてしだいにばかすよ うにする。ほお紅のつけ方は , 顔形によってちが うが , 上下 , 外側をは、かすようにする。練紅を指 アイシャドーのつけ方 上くちびるの山形をなだらかにしロしりを上げる らくちびるを厚くしてロしりを細める。丸形なら ら上くちびるの山形をはっきりさせる。長方形な ちびるを角ばった感じに厚みをつける。三角形な 山形を強調しロしりを上げる。逆三角形なら下く す紅筆で棆郭を描く。角形の顔なら上くちびるの つけ方は , 顔形やくちびるの形から判断する。ま でつけたのち , おしろいをつけるとよい。口紅の はればったい目 小さい目 目じりの下がった目 っきすぎた . 目 まゆの長さ の決め方 角形 くちびるの 形の修整 離れすぎた目 顔形によるほお紅 三角形 小さいくちびる ど 逆三角形 大きいくちびる 目玉の出た目 口紅のつけ方 長方形 厚いくちびる 目じりの上がった目 丸形 薄いくちびる 2 ) 目現代の化粧のポイントとな ている。目を大きく印象的にみ ためにはアイラインを入れる。 にはまゆ鉛筆を細くとがらせて描 か , マスカラ ( まっ毛墨 ) を使う。 下のまっ毛の根もとにごく細く描 入れ , 目しりではそのときどきの 行によってはねあげたり , まっす に伸ばしたりする。濃い化粧のと はまっ毛にマスカラをつけたり , けまら毛をつけたりする。次にア シャドーをは、かして , 目の効果を めるが昼間の化粧にはくどすぎぬ う注意を要する。 3 ) くちびる目 同様ポイントとなる部分である。 紅は棒紅 ( リップスティック ) が多 使われる。ますくちびるの湿りを ってから紅筆につけてくちびるの 郭を描いてからその中を塰りつぶ 指先でよくのばして紙でおさえ , 分の紅を取り除いておく。形を整 るには内側または外側に 1 ~ 2 mrn 度に修整し , 内側にする場合は , のつかないくちびるの部分におし いをつけて目だたなくする。夜は . を完全にふきとり , オリープ油 , 性クリームなどをつけ , 指の腹で ッサージして荒れを防ぐ。 / 化粧 〔毛髪の美容〕毛髪の美容法は , 膚の場合と根本的な相違はない。 す清潔を保ち , 頭皮の栄養補給に とめることである。 1 ) 洗髪頭皮 毛髪を清潔にし , 頭皮のマッサー によって皮下の血行を高め , 新陳ィー 謝を盛んにして毛髪につやを莎え 洗髪剤を使う普通洗髪法と , 毛のし たんでいる場合に行なうオイルシ丿 ンプー法とがある。ふつう洗髪は : 度洗いすることが必要で , 洗剤の戔 分でだいたいのよごれを落として すぎ , 残りの半分でもういちど洗 - とよい。オイルシャンプーは洗髪し まえに植物油を頭皮にすりこんで [ ばらく時間をおき , 油のよくしみこ んだところで洗髪剤を使って洗う。 いすれの場合もすすぎを完全にす凄 ことがたいせつである。洗髪後は 油をよくすりこんでおくのを忘れ ようにする ( / シャンプー ) 。 2 ) プ i ッシング髪のふけやよごれを払し 落とし , 頭皮の新陳代謝を盛んに 毛の発生を促し , 毛髪につやをもオ せ , かたい毛をしなやかにする効爿 がある。方法は , 毛を分けながら 膚をすくいあげるように , プラシぞ 持つ手を回転させつつまんべんなく かける。回転は 30 ~ 40 回 , 朝晩 2 巨 行なうとよい。またさらに効果を目 げるにはマッサージをするのもよし 1 ( ) 本の指を毛髪の中に入れ , 指の月 - で小さく円を描きつつ頭皮を摩擦 つけてする。 3 ) 特別な手入れ毛う の先が折れたり , また分かれた枝目 などは , 髪を少しすっとり分け堅く よしって , 飛び出した毛先をはさノ
写真 竹村嘉夫 円や線のみごとな図形をいろどる植物プランクトン。成体 の名からは想像もつかないような形で , 複雑な変態の過程 をたどる動物プランクトン。生命の母とよばれる水の中で 食物連鎖の底辺をささえるプランクトンの種類は , きわめ て多く , その姿態も千差万別である。 1 ~ 3 および 6 は動 物プランクトンで , その他は植物プランクトンにはいる。 1 はパフンウニの幼生 , 2 はイボニシという巻貝の幼生 , 3 は橈 ( とう ) 脚類のエウカラヌスの幼生 , 6 はミズクラゲ の幼生である。植物プランクトンの王者は , なんといって もケイ藻類であるが , 5 のコスキ / ディスクス , 7 のリゾ ソレニア ( ツツガタケイソウともいう ) はその代表といえよ う。 4 のクラミドモナスは , べん毛を有する単細胞生物で 植物としては緑藻類に , 動物としてはべん毛虫類に属する プランクトン 1
プタイ 4 5 9 ぶたい舞台歌舞 , 演劇などの 激に増加し 19 38 年には 114 万頭 ( 沖縄 演じられる場所。一般に劇場の客席 除けば 99. 7 万頭 ) に達したが , 第 に対するものであるが , 野天の組舞 次大戦中から戦後にかけて飼料事 台ややぐらなどもそうである。日本 青切迫のため激減し 4 6 年には 8. 8 万 では , 伝説にあるアメノウズメノミ 頃になった。しかしその後は飼料事 コトが天の岩戸の前で伏せたおけの 青好転と食肉需要の増大に伴い飼養 上で舞ったのが最初の舞台という 頁数は増加の一途をたどり , 53 年に とになるが , 洋の東西を問わす , 歌 ま 99 .4 万頭に達し , 65 年には飼養農 舞 , 演劇の発祥が神事と結びついて 豕数 701560 , 飼養頭数 3975960 とな なってきているが , その場合でも , いるように , その舞台は神殿の階段 った。飼育の盛んな地域は関東地方 背景や照明 , そして舞台のふんい気 茨城 , 群馬 , 埼玉 , 神奈川 , 千葉 やその庭に設けられた野天のやぐら に適した色彩のものが用いられ , 舞 などにはしまり , それが神事や宗教 の各県と , 北海道および新潟 , 静岡 , 踊やオペラなど , 様式の支配する舞 〔正田〕 台では , さらにいっそう絢爛の効 的行事から独立して屋根をもっ劇場 愛知などの諸県である。 果がはかられる。しかし衣装は装置 〔豚肉〕食用と加工の目的によりふ の形式のもとに整えられるのは , い すれも近世以後のことである。舞台 や照明と同様どこまでも舞台効果の う右上図のように区分される。豚 技術の分化発達もそれからのことで , ためであるから , 演技者に演しやす 肉の色は淡紅色がふつうであるが部 舞台装置も , 背面の幕に絵を書いた 立によっては灰紅色を呈している。 く , 踊手に踊りやすく , 歌手に歌い やすく作られてあることが必要で , 脂肪は白くて堅く , 筋肉中にも散在 書割りや , あるいは劇場の空間をそ この点でバレー衣装に絢爛の効果と するが多くは脂肪層をなしており , のまま使って , 象徴的な樹木その他 あわせて簡略化した様式がくふうさ その量も他の肉に比べて多く , この の飾りものを置いただけのものから , れていることも , 舞台衣装の性質を 脂肪から得た豚脂を / ラードという。 「二重」といわれる補助舞台を使っ 豚肉の風味は飼料に含まれる油脂の 端的に示しているものといえよう。 て , 家や建築物や丘陵などを組み上 性質が著しく影響するので , と殺前 げる複雑な舞台に進み , ことに 19 世 またたとえば , 歌舞伎のく京鹿子娘 道成寺 > の白拍子の衣装が , 何枚も 少なくも 1 カ月間は良質の脂肪を含 紀後半以後は , 自然主義の作風の風 靡びとあいまって , 舞台装置はいよ む飼料を与えて体脂の良化をはかる。 重ねて着たーっーっが帯の間にさし 世界のプタ飼養頭数 オレイン酸を多く含む飼料 ( しよう 込みになっていて , 踊りのあいまに いよ精細を加えるのである。しかし ( 単位千頭 ) 油かす , 油かす , さなぎ , 魚粉など ) 黒子 ! ろが衣装の上下を引けば一瞬に 一方 , 20 世紀になってからは , 写実 国名 頭数 を与え続けたプタは脂肪が軟性とな して衣装がわりになるというのも , の反動として , 美術の抽象化や超現 世界総計 55350 ( ) り , これを俗に水豚第といって好ま 実化の傾向とも対応して , 抽象的な 衣装の効果をみせるくふうの一つで 中国 ( 除台湾 ) あるといえよう。舞台化粧もまた オプジェばかりのような舞台や , ま れす , とくにハム , べーコンには適 連 69900 ったく装置を欠いた照明の効果だけ 舞台照明の明暗の下で効果のあがる しない。と殺用として適当な年齢は 米 国 58883 にたよった舞台など , 象徴主義 , 様 よう誇張されるのが当然で , まゆ墨 , 生後 8 カ月から 1 年ぐらいのものが フ・ ラジノレ 52941 式主義 , 構成主義 , 立体主義 , 表現 口紅などは強調するように塗り , ま 西 ドイツ もっともよく , 雌プタはうまいが雄 16869 メ キシコ 12079 主義それぞれの立場から新しい舞台 プタはがいしてますい。子プタは肉 ぶたや目しりには目ばりを入れて大 ポ ランド 11653 きくみせたり , 各部に陰影を施して に水分が多くて香味も乏しく , 老豚 様式の創造が行なわれた。メイエル ランス 908 ( ) フ ホリド演出のく堂々たるコキュ〉の 立体感を出すようにくふうする。と は肉繊維が堅くてますい。豚肉の死 東 ドイツ 8045 装置で , 幾何学的な構成物の中央に くに鼻を高くしたり形を変えたりす 後硬直の時間は春秋の気温で 8 時間 注 FA ( ) 統計 ( 1964 ) ある風車が , 主人物の感情の高揚に るためには練り物を用い , 顔のやせ 前後であるから , この時間を経過し 応してはげしく回転する趣向などは , た俳優が豊頬うにみせるためには てから食用すべきである。豚肉の成 構成主義舞台の一例である。また「回 奧歯とはお肉の間にふくみ綿を入れ 分は脂肪の有無で大差があり , 100g たりもする。化粧料にはドーランを り舞台」は今日の電動以前から人手 当りのカロリーは , 普通肉で 145Ca1 , で動かされて場面転換の効果をあげ 用いる。また役に応して , 髪を顔料 多脂肉で 408Ca I である。オレイン酸 で染めるほか , 髪形によっては「か の含有量が多いから牛肉より柔らか てきたものであるが , 最近ではそれ が 2 重のせり上げになって舞台の平 つら」を用いるが , 歌舞伎では江戸 く融解点も低いのでハム , ソーセー 面より上にせり出すものや , このせ 時代の初期にかつらの使用を禁しら ジ , べーコンのような冷肉料理でも り上げを 2 重 , 3 重にいくつも備え れ , 女方は手ぬぐいふうの布をかぶ うまく食べられる。ビタミンとして つけた舞台などがあらわれ , さらに って頭部を隠した時代もあった。と は BI の多いのが特徴で牛肉の 15 倍で 古代の円形劇場や半円劇場に似た形 くに舞台効果という場合 , 舞台の聴 ある。料理法としてはとくに中国料 のものに複雑な機構を備えつけた舞 覚的効果とだけ考えられがちである 理において発達していて , その種類 が , 銃声とか電車の騒音とかの音響 台の出現によって , 従来の劇場舞台 も内容も豊富である。 / チャーシュ の定型は打ち破られつつあるともい 効果はいうまでもなく , 築地小劇場 ー ( 叉焼。焼き豚 ) , トンポーロー ( 東 える。舞台照明も舞台の効果を上げ 坡肉。豚の角煮 ) , シューマイやチャ 第 1 回公演のく海戦〉で砲塔の装置 が敵弾を受けて解体していくところ ォズなどの肉あんなど日本でもひろ るうえに重要なものであるが , 野天 や , 歌舞伎のく地震加藤〉の舞台面 く作られている。西洋料理では牛肉 では太陽光が固定した照明源となる。 がつぶれる効果なども , 同し舞台効 についで肉料理の材料とされていて , 同し固定した照明でも , 能などの場 果の仕事に分類される。さらに舞台 ステーキ , カツレッ , ソテー 合のように , 演技者が面の顔の向き スト , シチューなど種類は多い。ま をすらして光線の効果を変え , 表情 豚肉の部位ど適する料理加工 た / / 、ムや / べーコンなどカ日工品の の変化を示すこともできるが , 灯火 部位適するおもな加工品と料理 利用も盛んである。料理法によって の発達により照明が独立した技術と 使用する肉の部位が異なるので例を ヒレ ステーキ , カツレッ , ロースト なるに及んで , 自然の昼景や夜景の あげると右下表のようである。日本 ローース ノ、ム , ステーキ , カツレッ , さまざまなニュアンスから , さらに ロースト , ゆで煮料理 料理では特別な豚肉料理というもの は主人物の心理やその場のふんい気 もも肉 ハム , ロースト , ひき肉料理 はないが , 野菜とともに煮たり , 汁 を盛り上げるにふさわしい人工的な ばら肉 べーコン , ひき肉料理 , 煮込 とすることが多く , 豚の水たきやみ 色彩を豊富に作り上げるようになっ 料理 そづけなどもしられている。 / 肉料 た。舞台衣装もまた , 演技者の役に 肩肉 ハム , ひき肉料理 , 煮込料理 理 / 臓物料理 応して写実的なものを用いるように 〔川島〕 しレ - ′背ロース・・ もも肉 ばら肉 : 肩肉 . 0 豚の食肉区分