瀬戸内 - みる会図書館


検索対象: 坊主の花かんざし(一)
5件見つかりました。

1. 坊主の花かんざし(一)

女の浮気 瀬戸内晴美さんの『談談談』という対談集に、野坂昭如氏との「なぜ夫婦なのか」という対談 が出ている。その中で瀬戸内さんが、日本の一夫一婦制度は形式は保っているが、内部は崩壊し ている、男は外で女を作り、それ以上に妻は浮気をしているというと、野坂さんは、 「ほんとうですか ? 」 と驚いている。 瀬戸内「知らぬは亭主ばかりですよ」 野坂「そういう浮気をする奥さんにぼくはどういうわけかめぐりあえなくてたいへん残念で 瀬戸内「十人のうち七、八人はしてますよ。普通の家庭の奥さんがすごいですよ」 ん 野坂「そんなにチャンスがあるのですか」 物瀬戸内「声をかけてごらんになったら、野坂さん」 野坂「ぼくはある時期、人妻にとても憧れていたけれど、どうも最近、人妻というのはうすぎ たないという感じが先に立って」

2. 坊主の花かんざし(一)

佐野洋かわいい目撃者 ( 解説・戸塚文子 ) 島尾敏雄夢の中での日常 ( 解説・清水 佐野洋優雅な悪事 ( 解説・清水谷宏 ) 清水一行虚業集団 ( 解説・武蔵野次郎 清水一行首都圏銀行 ( 解説・権田萬 司馬遼太郎歴史と小説 影 ( 解説・上田三四二 ) 清水一行重役室 ( 解説・川鍋孝ケ 芝木好子面 ( 解説・瓜生草造 ) 清水一行投機地帯 ( 解説・宮野 芝木好子巴里の 芝木好子女の橋 ( 解説・秦恒平 ) 清水一行小説兜 ' ( しま ) 町 ( 解説・清瀬茂 に英雄・生きるべきか死 ( 解説・村松暎 ) 清水一行同族企業 ( 解説・清水欣一 柴田錬三良すべきか ( 上中下 ) 柴田錬三郎度胸時代 ( 解説・横尾忠則 ) 清水一行動脈列島 ( 解説・権田萬み ( 解説・武蔵野次諏 ( 解説・尾崎秀樹 ) 清水一行神は裁かな 柴田錬三郎生死の 柴田錬三郎大 将 ( 解説・藤本義一 ) 城山三郎華麗なる疾走 ( 解説・尾崎秀 柴田錬三郎図々しい奴 ( 解説・奥野健男 ) 瀬戸内晴美おだやかな部屋 ( 解説・川 柴田錬三郎地獄の館 ( 解説・磯員勝太郎 ) 瀬戸内晴美女の海 ( 解説・著 柴田錬三郎曲者時代 ( 解説・尾崎秀樹 ) 瀬戸内晴美吊駅のある駅 ( 解説・秋山 節 ) 瀬戸内晴美ひとりでも生きられる ( 解説・嶋岡 島尾敏雄われ深きふちより ( 解説・川 島尾敏雄島の果て ( 解説・粟陣則雄 ) 瀬戸内晴美幻花 ( 上下 ) ( 解説・馬場あき子

3. 坊主の花かんざし(一)

男のおでこが自分のロの上あたりにあるのは好ましくないというのである。 この厳密さは特売品のセーター、下着、あるいは大根ゴボウを買うときの厳密さと同じである。 「背が低いといっても、胴長か足長かで、またおのずから様相が違って来るのではないの」 と私が質問したら、彼女は一言のもとに、 「あの人は足の長い人でした」 といった。すでにチャンと見てあったのだ。 しかし彼女の浮気への志はまだ衰えていない。彼女は瀬戸内晴美さんの熱烈なファンなのであ る。瀬戸内さんが同対談の中で、 「現在の結婚制度は女が男に養ってもらっているから形を保っているのであって、女が働いて生 活能力を持つようになれば必要がなくなるんじゃないでしようか」 といっているのにいたく同感し、 「女は他の能力を男たちによって奪われていたのですよ。出産や育児だけが女の能力だというの はとんでもない偏見です」 という言葉にも感激した。 だが感激するのはいいが、四十歳も終り近くにいる彼女には、テレビを見ては出演者の批評を している以外にこれぞという能力がないのである。 能力なき者が瀬戸内説に感動した。そうだ、そうだというが、実際には何も出来ない。出来る

4. 坊主の花かんざし(一)

田瀬戸内「そういう感じを与えること自体、内部が崩壊している証拠ですよ。一夫一婦制という のは皮肉な見方をすれば亭主が女房にだまされて養わさせられていることではないですか」 野坂「人妻の方も、自分の浮気がばれては困るという意識はあるんでしよう」 瀬戸内「このごろはばれても平気というのが多くなりましたね」 野坂「それは例外的じゃないんですか」 私はこのくだりを読んで、思わずクスクス笑ってしまった。 野坂さんは「日本中年男」の代表者のような感じでそこにいる。人妻の十人のうち、七、八人 さわ が浮気をしているなんて、そんなこと、たとえ本当であったとしてもそうスラスラと爽やかな語 調で語ってもらいたくないという不機嫌がそこにはある。それが日本中年男の代表者たるところ なのである。 ところでこのお二人の対談を持ち出したからといって、私はここで夫婦論をぶとうというわけ ではない。 女はいかにクソ真面目か。 というのが今日の随想のテーマなのである。というのはこの対談を読んで、ある女性が突如、 奮起したのだ。 「そうなの : : : そうだったの ! みんなやってたの ! 十人のうち七人も八人もやってたの ! 」 彼女は叫んだ。彼女の夫は浮気者だったのだ。

5. 坊主の花かんざし(一)

瀬戸内晴美終 りの旅 ( 解説・嶋岡晨 ) 筒井康隆馬は土曜に蒼ざめる ( 解説・事林信彦 曾野綾子リオ・グランデ ( 解説・鶴羽伸子 ) 筒井康隆国境線は遠かった ( 解説・稲葉明雄 あるいは酒で ( 解説・山野浩一 曾野綾子片隅の二人 ( 解説驫羽伸子 ) 筒井康隆 いつ。はいの海 曾野綾子海抜 0 メートル ( 解説・岡宣子 ) 都筑道夫暗殺教程 ( 解説・著 怪奇小説という ( 解説・色川武夫 曾野綾子アラブのこころ ( 解説・吉村作治 ) 都筑道夫 題名の怪奇小説 曾野綾子人びとの中の私 ( 解説・鶴羽伸子 ) 津村節子葬 ( とむらいめ ) 女 ( 解説・進藤純孝 目〈 ( 解説・広部英一 高井有一夜明けの土地 ( 解説・松原新一 ) 津村節子玩 高井有一蟲たちの棲家 ( 解説・小坂部元秀 ) 栃折久美子モロッコ革の本 ( 解説・山田宗睦 りの春 ( 解説・三木卓 ) 富岡多恵子ニホン・ニホン人 ( 解説・谷川俊太郎 田久保英夫奢 立原正秋雪の朝 ( 解説・古屋健二 ) 富岡多恵子壺中庵異聞 ( 解説・田中美代子 田中小実昌乙女島のおとめ ( 解説・長部日出雄 ) 豊田有恒・ ( チャカマに落ちる陽 ( 解説・星新一 田辺聖子愛の風見鳥 ( 解説・中山あい子 ) 豊田有恒地球の汚名 ( 解説・武蔵野次郎 お聖どん・ ( 解説・小松伸六 田辺聖子 ( 解説・難波利三 ) 豊田穣撃墜ーー空戦記 アドベンチャー ( 解説・小木曾新 津島佑子童子の影 ( 解説・寺田博 ) 豊田穣撃沈ーー海戦記ーー ( 解説・太田孝 辻邦生モンマルトル日記 ( 解説・源高根 ) 豊田穣出撃ーー決戦記ーー