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検索対象: あの世の話 (文春文庫)
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1. あの世の話 (文春文庫)

118 江原そうは思ってない方は、そうでないと思う。でなければ、ヨーロッパだ とか宗教の違う国はどうなるんだろうかというふうになりますでしよ。ですか ら、それはやはりすべてが想念ですね。 やはり、死後は墓に行くと思えば墓に行くし、お盆に帰ってくると思えば帰 ってくるんですね。 佐藤現世、生きているときの考え方がまだ続いている。 江原ええ。死後の世界は季節感もないんですけども、それなりに冬だと思え ばオー ーを着たりコートを着たり、いろいろと霊も衣装がえをして出てきた りしますから。 佐藤あらア、そうですか。 江原ええ。みんな霊というのは白い着物を着て出てくると思っているようで すが、とんでもないです。その人が生前一番好きだった着物を着て出てきたり、 あとは、冬だと思えば重いコートをはおって出てきたり、さまざまっくって、

2. あの世の話 (文春文庫)

で、そういう話を聞くと、みんな、それと死後の世界というのと同じだと思 いましてね、そんなに気持ちのいいところなら、死んでも怖くないわとか、死 ぬのがひところは布いと思ってたけれども、もう、そういう気持ちがなくなっ たわとか言っている人がいるんだけれども、私はもしかしたら、その気持ちの しい美しいところは道中に過ぎない。扉の向こう側つまり死後の世界と道中と は違うんじゃないかっていうふうに思うんですよ。それは今、ちょっとごっち やにして安心している人が多いんじゃないか、どうなんでしようか ? 江原臨死体験の場合には、大体花が咲き乱れて美しい景色の中で天女がいて 川があって、その向こうで人が待っているというような体験をする人と、あと、 もう一つありましてね。 もう一つのほうは真っ暗やみの世界で、とにかく暗やみばかりが続く筒のよ うな中に入っていると、そういう方と二種類に分かれるんですね。 その暗やみの中に行った人はこのような恐ろしいところは行きたくないと言

3. あの世の話 (文春文庫)

変わります。 佐藤だから、やつばり霊能者が全能っていうわけじゃなくて、こう一一一一口われた からっていって全面的に信じるっていうのも危ないですね。 江原危ないです。やはり、スポーツ選手だとか何でもそうでしようけど、体 調によりけりでいい成績も出せればよくない場合もありますから。それはもう 霊能者も同じです。 方 ですから、霊能者を職業とする場合にはそれはとても布いでしようね。やは っ り、できないときにはできないとお断りできるような環境に自分を置かないと の 曲がった方向に行ってしまうと思います。 困 佐藤そうですね。そこがやつばり難しいところですね。相手が、何でもわか る人だと思っていると思うと、すみません、わかりませんとは言いにく 私、今でもかわいそうだったなと思うのは、スプーンを曲げるというのがは やり始めたときのあの少年がね、朝日新聞のカメラマンや記者の前でそれをや

4. あの世の話 (文春文庫)

佐藤そうそう。そう思いますね。 江原そして、それも与えられたもので、ただおなかを痛めたかどうかの差。 いずれにしても、肉からは肉しか生まれないわけで、魂から魂ですから、授か った経路は違ってもそれをわが子と思って、というよりも、それがわが子なん ですよ。ですからそのように育てれば世の中もっとよくなるはすです。 佐藤日本人より外国の人のほうが、そういう考えはあるんじゃありませんか。 生 日本人は考え方が確実に狭いですね。 報江原ええ。昔、私なんかは知らない時代ですけれども、子供ができないから 魵追い出されてしまったお嫁さんの話だとか、よくありますね。 それこそまた物質主義的価値観でありまして、やつばりその辺、日本人は特 え 教 に反省しなければいけない点があるんじゃないでしようか。 章

5. あの世の話 (文春文庫)

備えるということも大事です。 また、それだけでなくて、やはり、死後の世界があるということを知ったな らば、やはりその生き方というのはどういう生き方なのであるかということを、 やはりもっともっと考えていかなければいけないと思います。そうしますと、 この世の価値観というのは大分変わってくると、私は思うんですけれども。 佐藤そうですよね。 江原やはり、最終的には、この世の中がどうなれ、 。しし力とい , っこと ) 亠丐 , ん ますと、物質主義的価値観からいかに遠のいていけるかということが大事です。 物質的価値観のもとでは、自分というものが肉であるとするならば、自分以外 は他であることになります。他であるということは、人のものを取ってでも自 分のものを得ていきたいという考え方につながっていく。それを、やはり霊的 価値観に移しかえるということが、ほんとうに世の中を幸せにする、また、自 分自身を幸せにする道だというふうに、私は考えます。

6. あの世の話 (文春文庫)

えるとあしざまにあいつはだめだとか、インチキだとかって一言うのは、あれは 私、いけないと思いますね。 江原特にテレビがそうですよね。テレビは必ずその結果を仮定した上でやり ますでしよ。ですから、このようにしてくれなければ困るというような。 佐藤やらせですか ? 江原ええ、やらせをしてでもやってほしいと。そういうような依頼というの 方 はさまざまあります。ですから、私はテレビが大嫌いです。 っ 大体が無理難題ばかり言います。美空ひばりや石原裕次郎の霊をおろして、 の マイクを持って歌ってほしいとか平気で言います。 困 佐藤それをやつばり断れない方もいらっしやる。 江原そうでしようね。やはり受け入れる側の知識が全くないのと、あとはや 章 る側のはうも。テレビに出る霊能者自体があまりよくない人たちが出始めるこ 順とがよくあるわけですね。そういったことを妥協しても自分を売ろうと思う人

7. あの世の話 (文春文庫)

っちゃいましたけども、その小田晋さんって、やつばり独特な容貌をしておら れますでしよ、あの方、声もね。だから、じゃあ悪霊ですかね、ついているの 江原あの番組でも言ってましたけど、やつばりあの方自身は犯罪の心理学を やっていらっしやるんですか。 佐藤そう。 方 江原ですから、いろんな殺人犯とかに会ってますからというふうにおっしゃ ってましたね。私は、そういうものが憑依することはなくとも、感応はすると 思いますね。 困 佐藤でも、小田さん自身はなんでもないんですか ? 霊 江原要するに、憑依しているんではなくて感応していればやつばりそうです 嶂ね。ですから、たとえはよくないかもしれませんけど、精神病院の先生など、 わりと精神病的になりやすい人もいますでしよ。

8. あの世の話 (文春文庫)

す。要するにものも見えるし、自分も動けるしと。そうなったときに、自分は 死んでいないと思うわけです。まだ生きていると思うんです。 佐藤やつばり電車が走ったり、人が歩いたりしているのが見えているんです 江原そうです。しかし、気がついてもらえないし、自分が一生懸命に話しか けても無理です。または壁もすり抜けるでしようし、おかしなことがたくさん あると思うんですけど、しかし、自分自身で死んだという、また死後の世界が あるということを自覚できないんです。死んだら無になると思ってきた人です からね。 よく墓場で幽霊がでます。それというのは、死後、人は墓場に行くものだと 思っている人がいらっしやるんですね。 それは死んだという自覚があって、自分は死んだと、であれば墓場に行くん だと。それで、墓場で長い間こう坐っているわけです。でも、いつまでたって

9. あの世の話 (文春文庫)

れず、魂からは魂しか生まれすという一一 = ロ葉そのものだと思います。やはり、魂 からは魂しか生まれないと。それはつくと思います。 逆に言うと、親は子供を支配してはいけないわけですね。そうすると、世の 、らっしやると思います。 中のことで、それに当てはまる方がいつばいし 子供が持てない親の苦しみがわからないだろうというようなことをテレビで 言ってましたけど、でもそれはやつばりゆがんだ考え方だと思います。 佐藤ええ、私もそう思いますね。 江原もっと広い考え方を持つべきだと思いますけどね。 佐藤ええ。幸せになる権利があるとかというふうに言いますけどもね、子供 が与えられなければ、やつばりそれを受け容れるべきだというのが私の考えな んです。受け容れて別の幸福を築けばいいんですから。 江原子供が欲しくてもどうしても授かれない身体なら、やはり、代理母より 親のない子供をいただくべきだと思います。

10. あの世の話 (文春文庫)

佐藤そういうのは、薬や何かで治療しないで、心霊の治療をすれば治る ? 江原ま、、 台ると思いますね。治ると思いますし、それは年数によります。 患ってから何年かかっているか。ですから、病気と同じで、かかった年数だけ かけて治すというふ , つに思ったは , つがしし 、と思います。 霊をとったとしても、すでに霊によって体を著しく傷つけられたり、精神を 傷つけられたりしている場合がありますから。 方 佐藤ノイローゼというのはどうですか。ノイローゼもやつばりそういう憑依 っ の場合が多いですか ? の 江原多いですね。ノイローゼは多いですね。特に多いのは分裂です。分裂は 困 やはり憑依現象、憑霊体質の人は大体そうなりやすいです。 霊 佐藤躁うつ病というのはどうですか ? 江原躁うつ病もやはり憑依体質が出すものですね。それが、全く憑依かって 言うと、そうとも限らない。憑霊体質が非常に強く出た場合には、感清の起伏