家でクリーニング : 洗濯の文化 家で洗濯をすればすぐきれいになるもの、多少のお金はかかってもクリーニング店に出 せばきれいになるものは問題ありません。クリーニング店に出すほどではないけれど、家 で洗ってもきれいにならす、はてはクリーニング店で断られるもの、これらをなんとかき れいにするには、酸にアルカリ、漂白剤に研磨剤などをあれこれ使って、危険すれすれで なんとかしなくてはなりません。プロは、危険をおかしてまで手間と暇をかけることはし ません。そこに、主婦が腕を振るう余地があります。ことに、近ごろはこのような衣類が 多く、先々は、、 しよいよ増えそうな傾向にありますからオモシロイというわけです。 一方では、簡単にきれいにならないなら捨ててしまう、という気風も増えています。西 欧の主婦が、プロとかわらぬほどにきれいに洗濯をするのを見ると、文化の差を思わない
う話です。浴室の暖房も換気も出来るのです。 ところが、ホテルや団地のユニットバスならいざしらず、三・三平方メートルの浴室に 取り付けるともなると、たいそう物足りないもので、暖房も寒くない程度です。 メーカ 1 名は Shinko とあるだけ、使用説明書も何もありません。値段は十四万円でし た。とにかく身許のよくわからないものは使いたくないので、設計事務所に頼んで、配電 図や特徴・用途を書いた紙のコピーをもらいました。事務所でもこれ以上はわからないと いうことです。なるべく安くなんて頼んだ覚えもなく、ナショナルにも日立にも筋の通っ たものがあるのにとすこぶる不満でした。 建設省の委員会で、いわゆる大手のゼネコンの部長クラスの方二十人ばかり、その他建 築学者などが加わったとても勉強になる委員会に出席しました。このときとばかり不満を 投げつけたところ、大方の建築家は、二十四万円出さないと無理ではないかという意見で した。中途半端が何よりきらいな私が、厄介なものを抱えてしまったと思いました。 このほど、うちの近くのお宅が改築をされ、床暖房に泡の出るお風呂、お茶室もあれば 将来息子さんと同居できる二世帯住宅、もうこれ以上は望めないという家が出来ました。 新宿区の公報にもきれいな建築物とちょいと出て、遠くから見物人もくるというお宅です。 1 0 8
けておくだけで、しっとり仕上がるのですから、宣伝ひとつで人心をとらえることも難し くありません。実際に汚れはとれなくても、一見きれいそうに見えますし、消費者も「確 かに洗って干したのだからきれいだ」と思うはすです。 ドライクリーニングに出したとしても、衣料は完璧にきれいになるわけではありません。 でも、ドライクリーニングの場合は、油性の汚れはきれいに落ちますし、人工汚染布でそ れがわかります。 いろいろ試している、っちに、サンスターのドライアップには、他のメーカーの洗剤液と はちがう働きがあるのに気がっきました。溶けた汚れは雷雲のように、竜が天に昇るよう に、目に見えて落ちます。家中のコップでいろいろな洗剤を集めて水溶液を作り、そこへ 耳かきで計量した米ぬかを入れ、その状態を見ました。サンスターのドライアップそっく りなのは、花王の台所用洗剤モアでした。サンスターのドライアップが掃除に効果を上げ たのは、何か特殊な溶剤の働きかもしれません。 ドライアップを冷水に溶かして十五分間浸け込んでウ 1 ルがきれいになるのは、アトピー 性皮膚炎にステロイド剤を使うと、病気はどんどん悪化しているのに、症状が軽くなるの と似ている気がします。ウ 1 ルには汚れが次々と残っても、ふつくらと仕上がる、これを
リ度をあげてみました。これで半年やってみてあまり効果がないので、今度はメタ硅酸 ソ 1 ダを入れてみました。まあ、これも目立ってパッときれいになりませんが、入れない よりはましではないかと思、つよ、つになりました。 そこで、洗う前にマジックリンやレンジルックというような汚れ落としをスプレーして 洗ったところ、まあ、なんともきれいに洗い上がるではありませんか。今までも、部分汚 れを落とすのにチョイと使ったことはありますが、全体にスプレーするのは初めてです。 まったく、今まで何をしていたんだろうというほどきれいに落ちました。以来、洗う前に ひと手間かけて、スプレーしてから濃縮洗剤・漂白剤・メタ硅酸ソーダで洗うことにして、 やっと満足しています。 そもそも、私は液体洗剤が好きですが、世の中全体が濃縮洗剤一辺倒になってくると、 自分の好きなものだけで洗っているわけにもいかなくなりました。それに、液体洗剤もだ んだん入手難、中性のエキセリンとかアクロン、モノゲンなんかを買ってきて、アルカリ 性にして使うなども、ときにはしなくてはならないのが現状です。 なんだか近ごろ、うちのご近所の洗濯物も、昔に比べて薄汚れがしているみたいに思い ます。央晴の日に「まあきれい、なんて働きものの奥さん」と、思うような干しものに出
布のほうはというと、ライオンの洗剤で洗ったものは、明らかに汚れがとれていましたが、 サンスターの洗剤で洗ったものは、見た目には変化していないように思いました。つまり、 「洗ったー」という感じはサンスター、本当にきれいになったのはライオンでした。 そこで、サンスターのドライアップを使ってウール洗いの常識に従い、ぬるま湯を使っ てネットに入れたセータ 1 を手早く押し洗いにしてみたら、人工汚染布はとてもきれいに なり、仕上がりはふつくらとしていました。 また、ドライアップで大掃除をしてみたら、マジックリンやルックもまっ青、というほ どに汚れがよく落ちました。というわけで、洗浄力もすぐれているし、仕上げ剤も心をこ めて作ってあるのに「冷水に溶かして十五分間浸け込むだけで、万事よろしい」といって います。そして、この洗い方では人工汚染布がきれいにならないということも、メーカー はプロ中のプロなのですから百も承知だと思います。 そこで、私のひとりよがりではいけないので、数人に声をかけて使ってもらいました。 そのうち人工汚染布を持つのはただ一人です。その結果、「仕上がりがヌメヌメとして不 自然だ」という声がありました。「もう少しさつばりして欲しい」「液に手を入れたときの ヌメリがいや」ということでした。メーカーとしては、洗剤を冷水に溶かして十五分間浸
いシミで、いつもきれいにしておくのはとてもたいへんですが、生き甲斐の一つともなれ ばまた話は別です。テープルクロスは、次亜塩素酸ソーダを加えた洗剤で、二週間に一回 洗っていればいつもきれいになっているはずです。たまに汚れても、煮洗いをすればよい のですが、百三十五 x 二百十センチというサイズの麻は、かなりかさばるので、それこそ ヨーロッパの煮洗いなべでなくては煮ることが出来ません。そこで、約六十度のお湯と漂 白剤で頑張るほかありません。 先年、ちょっとアメリカへ行って留守にしたら、テープルクロスに大きなシミかついて いました。息子も主人も「知らないよ」といいますし、もう帰ってしまった家政婦さんに 電話をするのも気の毒と思い、茶しぶだろうと判断しました。茶しぶには塩素系より酸素 系の漂白剤がよい、 というヨーロッパの話を信じて、浴槽に六十度の湯を入れ、過炭酸 ソーダを溶かして十時間ほど浸けました。そして、引き上げるときの楽しさといったら、 それこそ「ウキウキワクワク」です。でも、引き上げてみたら前より濃いシミとなり、そ の上シミの数も増えているではありませんか。酸化による褐変現象でしようか。「さあた いへんーこんなはずではなかったと、大急ぎで塩素系で漂白し直したら、きれいに落ちて しまいました。以来、私の塩素系漂白剤への信頼はさらに増しました。花王生活科学研究
いると思います。もしかしたら、歯科医学は他の医学よりさらに進歩したのではないかと 思います。今の子供は、赤ちゃんのときからガーゼでロの中をきれいにしてもらい、その あとふつ素塗布などでムシ歯はほとんどない子もいます。 歯プラシは、ときどき塩素系漂白剤の液にひと晩つけておくと、やはり翌朝はスッキリ ときれいになっています。歯プラシの漂白なんて考えてもみませんでしたが、やはりやっ てみるものだと思いました。 今まで、歯のすき間用の小さいプラシや、デンタルフロスも使いましたが、何種類もの 歯プラシを使うと、このような小道具は必要がないように思います。今まで、年に一回は 歯科医に用事がありましたのに、もう長い間、年賀状だけのご挨拶でごぶさたしています。
わけにはゆきません。日本人がどれほど洗濯が下手かというと、話にならないほどです。 西欧では、掃除と洗濯が下手というだけで離婚が成立するといわれるほどです。西欧の女 性は体力もあり、高温で洗う洗濯機やアイロンの能率のよさ、硬水でもきれいになるよう に配合された洗剤の能力もあると思います。洗剤でとれない汚れは、プースターという増 強剤を使い、これらを使い分けて徹底的にきれいにしなくては気がすまないのです。それ があの美しい仕上がりになると思います。アメリカのスー ーでたくさん売っているプー スタ 1 が日本にあったら、もう少し洗濯物が美しくなるのではないかと思います。 まあ、日本にはもっと美しく仕上げたいという意欲が足りないこと、現状で十分という 満足感があるせいでしようか。本当はそんなものではないのですが、そのためにいろいろ やってみた私の経験をご紹介します。
限ります。 掃除機というのは、株と同じように相場があって変動しているもの、安売り店で一流 メーカーのポット型のものを買えば間違いありません。うちに今あるのは、東芝、サン 、三菱、ナショナル、いずれも一万五千円から八千円。もちろん、紙袋処理、袋に殺 虫剤をつけたものなど必要ありません。ダニは吸い込まれた瞬間につぶれてしまいます。 さて、じゅうたんの手入れも時代と共に、というより掃除機の性能によってかわってき ました。ます、掃除機をかけるだけで十分きれいになります。部分的に粘着テープをころ がすのもきれいになります。何かこばしたときは洗剤拭き、水拭きで対処できます。かっ ては、電気掃除機と手動掃除機を併用しましたがそれは電気掃除機の働きが情けなかった からで、一万円台でこんなに使いやすくなると手動掃除機は出番がなくなります。 うちのじゅうたんは、三年に一度は水洗いをしてもらうためにプロに頼んでいました。 今は、大もいなくなりましたし、掃除機と粘着テープだけですませています。
ようなものが出来て、その粒は少しずつ大きくなり、握ると手の平で痛みを感じるほどに ば、つしよ、つ なりました。多分、芒硝 ( 硫酸ナトリウム ) の結晶だったのでしよう。その後、ゲンプ シャンプーが発売されて使いましたが、やはり色と臭気はかなりすさまじかったように覚 えています。 それから戦争になって、モノゲンも石けんも消えてしまい、家でいわし油で石けんを作 ったり、いろいろのことがあって、やがて一九五六 ( 昭和一二十一 ) 年ころにライボンと いうのが台所の汚れ落としによいと聞いて使いましたが、当時の私は汚れさえとれればな んでもよかったのです。それまでアワビの殻にみがき砂 ( クレンザ 1 ) と粉石けんを混せ たものを入れ、カメノコだわしでこすって満足していました。その粉石けんを、ライボン にかえただけでした。もっとも、その少し前に洗濯にワンダフルという粉末の合成洗剤 を使い始めていました。従来の粉石けんより「なんでこんなに高いのだろう ( 約二倍の値 段 ) 、でもなんとすすぎ水がきれいなんだろう、なんてきれいに仕上がるのだろう」とは 思っていましたが、 ワンダフルをモノゲンにつなげるには至りませんでした。まあ、そん なことはど、つで , もいい《焦 旨、本在住の子育てと翻訳業に忙しいおかみさんでした。 ライボンにみがき砂を混ぜるとアンモニアの臭気が出ます。モノゲンのあの臭気に似