死者 - みる会図書館


検索対象: 仏事のイロハ
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1. 仏事のイロハ

葬儀と中陰 尸 6 の救いのお目当てであると言えましよう。死 を目のあたりにして悲しみにくれる私たち は、如来さまのこうしたお救いの確かさ、有 難さを深く味わわねばなりません。それが浄 土真宗の葬儀の大切なところでもあります。 ところで " 引導 ~ とは元来、死者を対象と するのではなく、〃生きている人″を仏道に 引ホ 引き導くことでした。したがって、すでに りの境地に達しておられる仏さま、もしくは 菩薩ならばこそできるおはたらきと言えま おそ しよう。それが、死者に対する畏れもあり「迷 わず成仏してくれ」との願いから、 " 死者 ~ を対象に使われるようになったのではないか と思われます。 なお、 " 導師 ~ という言葉ですが、浄土真 宗ではあくまで法要・儀式を執行する上での 指導的立場の人という意味です。 ◎導師 ( 寺院住職 ) が死者に「引 ト導を渡し」たり「浄土へ導く」 イのではない。 ー◎すべて阿弥陀如来のおはたらき で浄土に生まれる。

2. 仏事のイロハ

「何もないのにお仏壇を買うと、死人が出 ねてみたところ、お年寄りはたいていの人が めいしん 知っていて、あるおばあさんなど「やめときっ る」とい、つ迷信があり、気にする方かいるよ 、つです。 " 何もない ~ とは、前項の「誰も死 て言っているのにお仏壇を買うもんだから、 んでいないのに」という意味です。 買ったとたん誰それが死んでしまって : ・」と これも、お仏壇が " 死者をまつる所 ~ とい 真顔で話し出したものですから、こちらもひ う誤った認識から生まれたものです。 、間にムロってよかっ とこと「死ぬ前に買えて すなわち、死者をまつるためのお仏壇を安 たですね」と言っておきました。 置するのですから、死者がいなければ困るわ 実際、お仏壇を買わなかったばかりに、 けです。そこで「お仏壇を先に買うと、入る も後海されている門徒さんもいるのです。 たんらく べき死人が出る」という短絡的な発想が生ま その奥さんは、ご主人が「お仏壇を安置し れてきたのでしよ、つ。 たい」と願われていたにもかかわらす〃死人 たす 先日もお寺の集まりでこの迷信について尋 か出る ~ との迷信を気にして、お仏壇を買う 購入の時期

3. 仏事のイロハ

がんもん 葬儀の司会進行は、近ごろではほとんど葬 確かに他宗では死者に法語・願文を与えた かっ り、喝を入れたりする儀式があり、葬儀の重 儀社の方がするようになり、決まり文句を交 えながら実に手際よく式を進めます。 要なポイントになっているのですが、浄土真 しかし、そうした使い慣れた言葉が必ずし 宗ではそうした " 引導 ~ の儀式・作法は一切 も実際の葬儀の内容に合致しているとは限ら ありません ( 式の前に導師が三帰依文を唱え かみそり す、特に浄土真宗の場合、ふさわしくない表 ながら、剃刃を当てるのは「おかみそり」と 現が少なくありません。 いう仏教徒になるための儀式です ) 。 と言うのも、私たち凡夫をお浄土に引き導 「お導師より引導を渡していただきます」 がわ という表現も、そんな一つです。この " 引導 ~ くはたらきのすべては、阿弥陀如来さまの側 とは「死者をお浄土などの唐りの世界に引き にあるからなのです。人 ( 導師 ) が人 ( 死者 ) 導く」という意味で使われ、導師がそれを行 をお浄土に導く力は残念ながらありません。 、つと受け取られているよ、つです。 それだからこそ、またすべての人が如来さま 引導を渡す ?

4. 仏事のイロハ

わけで、だからこそお寺は葬儀を引き受け、 のっと み教えに則って儀式を行うのです。言いか えれば、遺族はそのお寺の門徒になるという ことなのです。ですから、何よりも遺族の方 たちが、悲しみを縁としてみ教えを聞かなけ ればなりません。けっして葬儀がすんだから ″おしまい ~ ではなく、むしろ〃出発点 ~ で あるわけです。 お寺を決め、葬儀を依頼するということは それだけ重要な意味をもっているのです。 もし、故郷などにお寺があり、先祖のお墓 もあるということなら、まずそのお寺に連絡 をとり、葬儀の相談をすればよいでしよう。 陰 中 そして、今住んでいる近くの同宗派のお寺を A 」 儀 召介してもらうなり、適切な指一小を仰いで下 葬糸丿 わすら いずれにしろ、お寺との関わりは葬儀や年 忌法要だけではなく、日頃から親しんでいた だくことが大切です。お寺を " 死者のための 場 ~ ではなく、私自身の″聞法の場。として いただきたいのです。もし " 死者のための場 ~ と、ら としてしか捉えられなければ、あるいはお金 、こど、さ / こ ) 貝」 のかかることや " 付き合しし 煩わせることになるかもしれません。しか し、 " 聞法の場 ~ として関われば、無限の慶 びを与えてくれる所となるでしよう。 ◎葬儀を依頼することは、そのお 、ノ寺の門徒になるということ。 ◎お寺は「死者のための場」では なく、私自身の「聞法の場」。

5. 仏事のイロハ

中陰の法要でお参りした時のことです。勤 クに火をつけようとしたのでした。 行かすみ、今後の仏事について相談を受けて この方のように、中陰の間は「お灯明と線 いたところ、遺族の一人がローソクの火が消香は絶やしては ) ナよゝ ししオし」と田 5 っている人か えているのに気づき、あわてて新しいローソ 意外に多いようです。その灯明と線香も、お 仏壇のそれではなく、中陰壇の方で、「もし 3 絶やしたら、死者が迷う」というのです。 人間、こだわりだしたら切りがないものの ようです。火かついているか、消えているか で、死者が迷ったりったりするものでない ことぐらい、ちょっと考えればわかりそ、つな こ入って ものですが、実際そうした迷信が頭。 いると、 いざ火が消えれば何となく気持ち悪 2 火 . 日

6. 仏事のイロハ

人は、自分のカではどうすることもできな 俗は、その代表と言っていいでしよう。 " 望ましからざる出来事…が起こったり、 例えば「忌中」の札を入口に貼るのは、死 とたん の穢れを他に及ばさないよう広く知らせる意 またその恐れがあると、途端に神経質になり、 さかびようぶ 味があります。逆さ屏風やご飯に箸を立て 不安にかられてあれこれと形や行為にこだわ るもののようです。 たりするのも、異常さを示して死を忌み遠ざ けようとするのでしよう。清め塩もあります。 " 死 ~ にともなう一連の葬儀はその最たる さらに、死者に対しても容赦なく「冷たい もので、実にさまざまな迷信や俗信があり、 しんと・つ 深く浸透しています。そのため、仏教の葬儀仕打ち」を行います。風習の一つに、棺を閉 くぎ でありながら、み教えに逆行するような習俗 じる際、石で釘を打ちつけるのがあります。 が行われ、それをまた、仏教だと思い込んで これは石の " 魔カ″で死者の " 霊 ~ を封じ込 め、災いを防ごうというものです。また、故 いる人も少なくありません。 人の茶碗を割る風習は、再び舞い戻って災い 「死は穢れ」という考え方から起こった習 死の受けとめ方

7. 仏事のイロハ

これまでまったく縁のなかった方から葬儀 かく仏教なんだから何宗でもいいや」と " 急 を頼まれることがあります。日頃からお寺に 場しのぎ ~ のように頼んだり、そこまで極端 関わっているわけではありませんので、中に でなくても「葬儀がすめばお寺に用はない」 は " 我か家が何宗。なのかわからす、「とに とばかりに、以後連絡がなかったりすること があります。どうも「お寺は死者や先祖のた めにある」ぐらいに思っているようです。 しかし、これには、お亠寸としてはほとほと 困ってしまいます。 つまり、お寺に葬儀を依頼するということ は、遺族 ( 故人というより ) がそのお寺の説 いている教え ( 私たちの場合なら浄土真宗 ) したが を聞き順っていくとい、つことか別提にある 2. 0 0 っ . かた 葬儀とお寺

8. 仏事のイロハ

「法事は五十回忌でおしまい」という捉え 「法事は何回忌まで勤めたらいいのですか」 方には、多分に民俗宗教の影響があります。 と尋ねられることがあります。 すなわち民俗宗教では、亡くなると年忌ごと こうした質問は、概して、年月が経って故 きょ わすら おも に " 追善供養 ~ し、死者の霊を鎮め、浄めま 人への想いがうすれ、法事を営む煩わしさ や負担感が増してきた頃に出てくる場合が多 いようです。少なくとも、法事を積極的に勤 めたいというのではなく、しかしながら「故 こなるところま 人の供養のために " 区切り ~ 。 では勤めてあげねば : ・」という心境なので 1 レよ、つ 0 0 回 5 そして、その " 区切り ~ が五十回忌たと思っ ている人が多いようです。 0 私の仏縁として ⅱ 2

9. 仏事のイロハ

位牌を用いないわけは ? いられていたものでした。すなわち、故人の 故人の法名を刻んだ位牌をお仏壇の中に入 れているお宅がけっこうあります。その位牌生存中の官位と姓名を書き記した牌が位牌 ふつばん で、そこには神霊が宿ると信じられていまし の前にはお仏飯やお水が供えられていたり、 た。やがて日本の祖先崇拝と結びつき、仏教 ひどい場合には、ご本尊が隠れてしまう位置 に位牌が置かれていたりします。 これでは何のためにお仏壇を求め、ご本尊 をお迎えしたのかわかりません。どうもこの の 位ⅱ祖 位牌が「お仏壇は死者をまつる所」という誤 解を助長しているよ、つに田 5 われます。この際、 A 」い、つこ --kJ 浄土真宗では " 位牌を用いない ~ をしつかりおさえておいて下さい そもそも位牌というのは、中国の儒家で用 0 先祖の記録

10. 仏事のイロハ

はじめに 一お仏壇と荘厳 お仏壇は死者を祀る所 ? お仏壇を買うと死人が出る ? お仏壇にご先祖が入ってる ? お仏壇の " 主人〃は如来さま お仏壇を求める時の、い得は ? ″北向き…の位置はいけない ? お仏壇に " 魂 ~ を入れる ? 位牌を用いないわけは ? 自己流のお飾りをしてませんか ? ローソクの火はなぜっける ? 花びらはなぜこちら向き ? 線香と焼香の使いわけは ? いのちの恵みをよろこぶ / お水を供えてはいけない ? くじ ・【安置する意味】 8 ・【購入の時期】川 【先祖の捉え方】 ・【礼拝の対象】 ・【ご本尊は本山で】 ・【安置場所】 ・【初めのお勤め】 己泉】 4 ・【先祖の 【仏具の配置】 ・【灯明の意味】 ・【仏花の意味】 ・【お香の意味】 ・【お仏飯と供物】 ・【華瓶とお水】