花嫁は北側 丁字帯のナプキン 総理どカケ サービスかハレンチになる時 喉仏の出ている美人 私立探偵はいつもニ人 天罰覿面どはこのこど 白いキスマーク ノ 58 748 ノ 29 ノ 79 ノノ 2 ノ 02 92 87
229 キスの味は苦かった 「なんでも、 しいから、早くいってくれ」 「それでは申しあげますが、先はどチコちゃんを連れてお母さんがお出でになって、きびしい 議をされました。「お宅のご主人が、知恵子を映画に連れてって下さるのはありがたいのですが 帰り道でキスをなさったり、そのほかの変なことをなさっては困ります。何にも知らない知宙 に、それではひど過ぎるではございませんか。 ) 」主人は、常識も教養もおありのようで、安心 , ていたのでございますが、今となっては、たいへん迂闊だったと後海しております。ご近所の一 とですし、今度がはしめてのことですから、表沙汰にしないでおくと、うちの主人が申してお " ます。ご主人がお帰りになりましたら、今後は絶対に知恵子に何もなさらないよう、よくよく 伝え下さいませ』といって、お帰りになりました 話し終わると女房は、軽蔑と憎悪と嫉妬の入りましった複雑な表情で、再び私を睨みつけた。 いまとなっては弁解無用 私は、女房の話の途中で、思わすうーんと唸ってしまった。体がぶるぶるふるえだし、はげ , い怒りのために声も出なかった。 「黙っているところをみると、ほんとうにチコちゃんにキスをなさったんですわ」 「うん、それはそうだが、しかし、それにはこみいった理由が : : : 」 「この場におよんで・弁解がましいことをおっしやらすに、あっさり謝ったほ、フが、男らしいで 2 ありませんか。チコちゃんが触れまわってしまったので、ご近所では知らない人は一人もいま吐 うかっ
寝巻の浴衣のままで、ドアをあけると、 << ・ばあさんがそろって立っていた。 「ウィーンに、漫然と一「三日滞在なさるといっておられたので、今日は何がなんでも、私た + と汽車旅行をしていただきます」 と、ばあさんが笑いなからいった。 その間に、すでにばあさんは、私のトランクの蓋を勝手にあけて、テープルの上のものい さいを詰めこみ、ほかに忘れものはないか、と洗面所から部屋中を調べて歩いていた。 もうこうなっては、絶対に女生には勝てないということを、私はこれまでの経験で、知り過 るはど知っていた。 私は慌てて身支度をはしめた。ばあさんたちはポーターを呼ばすに、私の大トランクを一一人 ( 提げて、先に食堂へ降りて行った。 食欲がないので、私はコーヒーだけにした。ばあさんたちは、焼きたての香ばしいパンをう 号そうに食べていた。 ルタクシーを呼んで、荷物を積む時になって、私は感心した。ばあさんたちは二人とも、外国宀 ア 少し大き目のポストンバッグ一つである。 行用の大トランクを持っていない。、 中身は、着替えの洋服一着、下着三組、薬品類、旅行案内書だけで、必要なものがあれば、 モ の く先々で買うつもりだそうであった。何よりも立派なのは、カメラを持っていないことであ ( 夢 「私たちの頭の中には、世界一精巧なカメラがはいっているんですよ」
員でお住みになるおつもりですか」 「とんでもありません。今の狭い家に、四家族住むわけにはいきません。長男は、どこへ就職す るかわかりませんが、多分家を出るでしよう。娘たちは、もちろん、結婚と同時に、外で所帯を 持つわけです」 「そうでしよう、そうでしよう。結婚の相手に、マイホームがあれば別ですが、たいていは民間 ア。ハート住まいでしようね。現在は、子どもさん方は学生ですから、自宅から通学なさってい て、少しも住宅では困っておられない。しかし、三人のお子さんが独立なさって、家を出られた 時のことを全然お考えになっていらっしやらないですね。 民間アパ ートの家賃をご存しですか。バスつきですとで、安くても五、六万ですね。サ ラリーの半分近くを住居費に取られてしまいますよ。それでも、自宅があるから、と安心してお られますか。私たち両親の時代には、とても間に合いませんが、せめて子どもの時代孫が成人 するころには、真面目に働いていれば、誰でも、安い賃貸住宅に入居でき、一一年間分ほどのサラ ーをまるまる積みたてれば、マイホームが建てられるくらいのルールを、今のうちに私たちは 作っておくべきでしよう」 その人は、しばらくの間考えていた。 「結局、地価の値上がりをおさえるための思いきった土地政策を政府に実行させなければ駄目で すね」 「そうです。まったくその通りです。住宅問題は即ち土地問題です。土地さえ安く入手できれ
人が、目白さんお一人というわけにはまいりません。次男の嫁を奥さま代りに、お貸ししまし」 三三九度の杯の際には、孫たちに、雄蝶、雌蝶をやらせます。私は、宮城県柴田町船岡の出 でございますが、土地の習慣にできるだけしたがって、挙式することにいたします。目白さん ( ことですから、全部無料で奉仕いたします」 〃これはたいへんなことになるぞ。外のレストランで食事をして、それで、式も披露も済んだ一 とにしよ、つ〃と私が田 5 っているにもかかわらず・、 「神主さんにノリトを奏されるのは困りますけれど、面白いから柴田町船岡の習慣にしたが 一生の思い出になりますわ」 て、結婚式をしてみましよう。 傍の由紀さんが独断で賛成してしまった。 貸衣装屋から、由紀さんの和服の花嫁衣装とカッラはもちろん、友和君と私のタキシードも阜 けられた。 老社長の指図にしたがって、花婿の友和君が、花嫁を貰いに行くところからはじめられた。 側 リに、仮りにホテルの別館を花嫁の実家とすることにして、きれいに化粧した由紀さんはそ + 嫁らに移されていた。 花婿には、次男の嫁さんを一時借用した仲人の私、参として、老社長夫妻がっき添「た。 たち一行は、別館の縁側から、座敷へあがった。花嫁姿の由紀さんの傍には、社長の長男夫亠
貴重な記録 警視総監とポルノ検閲 あの手帖はどこへ行ったのだろうとふっと思いだした。 昭和三十一年か二年ころだが、駆けだしのもの書きである私は、ある雑誌社から、座談会を頼 とがえりはじめ まれた。お相手は、有名な文芸評論家の十返肇先生と、高名な独文学煮高橋義孝先生とであっ 両先生にくらべると、駆けだしのもの書きなる私は相当格が落ちる。 しかし、それを別にすれば、三人に共通点がないことはない。私たち三人は、山手線目白駅を 中心にして住んでいる。その上、故舟橋聖一さんの発案で、目白界隈に住んでいるもの書き、ジ ャーナリストたちで〃目白会〃という親睦会を作り、会場は ( 廷の持ちまわりで、二カ月に一回 ろう くらい駄弁を弄する会合を開いていた。故池島信平さんのお宅にも、何回かご厄介になった。 目白会が発足してから、何年経ってからか忘れたが、中曽根康弘さんが、目白会に入会したい といっているがどうだろう、と目白会の例会の席で、舟橋さんから相談された。もともと、もの 書きとジャーナリストだけという資格がきめられているのだから、政治家は困るという雰囲気は
も医者らしく、白い手術着を着て、控えていて下さい。あなたの横に看護婦がおります。 そこで、ます彼女が消毒綿をあなたにお渡しします。次々と手術の手順にしたがって、あな一 は道具を私にお渡し下さればよろしいわけです。 つまり、あなたは、中継基地、手術器具の中継人というわけです。ほかには打ち合わせるこ」 は、何もありませんが、そうです、まあエチケットとして、できるだけ患者の顔をご覧になら一 ことくらいですね」 なるほど、これならば、相手に感づかれる心配はない。さすがは院長である。うまいことをセ えたものだ。患者のプライバシーを犯すことは、厳重に注意しなければならない。 ししとい、つことにはならない しかし、と私は考える。相手にわからなければ、何をしても、 医者のような格好をし、相手を誤魔化して、プライバシーを犯すことのはうが、より一層タ おうよう いかなることになるので が悪いのではないか。それを許した院長は鷹揚に構えているけれど、 きそん て ろうか。院長も私も、一一人とも名誉毀損か軽犯罪を犯したことになるのではないか。 れ 忘また、院長としては手術を行うのだから、一応問題はない。とはいえ、それを手術に関係の〈 い私に見せるのだから、何の罪もない患者は、男のものといえどもワイセッ物陳列罪、院長は , 、はうじよざい カゾキ幇助罪ということになりかねない。 明治時代のことだが、「出歯亀」という男がいた。銭湯の女湯のぞき常習犯でつかまったが、 歯が出っ張っていて、亀山何太郎か、中村亀男か、そんな名前なので、出歯亀とマスコミで呼 ~ れるよ、つになった。
と、家出人の心境で私はいった。 「こちらははしめてでございますか」 「はあ・ : ・ : 」 「ご紹介のない方は、お泊めしないことになっております。しかし、何か身分証明書があれ ~ 「身分証明書はありませんが、私は国鉄職員なので、乗車証を持っております」 老番頭は、子紙に乗車証を調べてから、 「国鉄職員の方なら結構です。さあ、どうぞ : : : 」 私は、一一階の一一十八号室に案内された。 あいきやく 二畳間だった。原則として一人一畳ということになっているから、合客なしならば二百円頂 ~ すると老番頭がいった。 夜具は、敷ぶとんが一枚とかけぶとんが一枚だけであった。寒がりやの私は、別に一枚二十 の毛布を一一枚借りた。 あネオンサインで宣伝しているだけあって、さすがに風呂は立派で、湯も豊富だった。風呂か ) んあがると、いつもより少し阜・いが、眠ることにした。 気久しぶりに、自分で寝床を敷いた。洗いたての純白のシーツの色が、目にしみて来た。岸野「 空 キ子の七色。ハンティの箱を枕もとにおいて目をつぶったが、私はなかなか寝つかれなかった。 真夜中に起きだした私は、粨をあけて、七色パンティを取りだすと、かけぶとんの上に、一「
日々を過ごされたことは、知る人ぞ知る、である。私生活でも、おたがいに私立探偵をつけっこ そうこう した糟糠の奥さまに先立たれるという不幸に見舞われておられる。 それだけの人生体験があればこそ、本書が成り立っているのである。 しかも、観念論ではないところがすごい。 どのエピソードも、奇想天外、よくもまあこれだけの体験を重ねてこられたものだ、と三嘆を 禁じ得ない。 」説家というのは、嘘をこねてまるめるのが仕事なんだから、ここに いや、それは甘い、、 とせのむきに申し上げておく 書いてあることのはとんどは、嘘八百の作り話にちがいない 本書に綴られていることは、基本的に、事実である。中村さんとの長いおっき合いの中で、ど の項目も、とっておきの〃秘話〃として、直接うかがった話である。 ソ・プ・サービスのためのフィクションだ いや、ちょっと待て、その〃秘話みからして、 ろう、とおっしやるか。そこまで人を疑ってはいけない。私ごとき者にリップ・サービスをする 必要は、中村さんにあるわけがないのだし、うふ、うふ、と笑いながら秘密を打ち明ける中村さ んのロ吻に接したら、作り話かどうか、それぐらいのことは、私といえども判定がつく。 本書の内容は、すべて事実に基いている。 ふーん、中村武志という人物は、そんなエロしじいだったのか、と即断なさるのも軽率と いうものであって、〃事実〃と〃真実〃は別物である。八十一歳にもおなりの中村さんが、えい や、とばかり告白したかに見える文章の、九九パーセントがフィクションで、事実は一。 こうふん
今はもう女房が生前に作ってくれた、芋の煮ころがしとか、キンビラごばうとか、湯豆腐とい う、何の芸もない惣菜料理が無性に食べたいのでございます。 新郎よ、どうか新婦をたいせつになさって下さい。それは食事に困るからであります。そのは そと かのことは、全部外で間に合いますとは申しませんが、まあ新郎よ、家で間に合うものは、家に あるものをお使いになるよう新婦に代ってお願いいたします。 親孝行はしないこと 最後に、新郎、新婦のお二人に、ほんとうの親孝行をしていただきたいと思います。どちらの ご両親もたいせつになさって下さい。といっても、私のいう親孝行は、たいへん楽なやり方であ ります。 祝お見受けしたところ、お二人のご両親はいたってご健康のようでございます。どうぞ、当分の 宴間は両親なぞほったらかしておくべきであります。頼まれもしないことややらなくてもいい面倒 披をみるのは、むしろ親不孝とお考えになっていただきたい。 動いたりして、生き甲斐のあることを続けるのが、精神的、 結どんなに年を取っても働い 肉体的にいちばん老人にはたいせつであります。その代り、何十年か先になって、ご両親の足腰 がたたなくな「た時には、徹底して面倒をみてあげて下さい。 目白三平シリーズ〃が ご参考までに申しあげますと、私はこういう親孝行をいたしました。〃 売れに売れて、少しもお金に困らぬ時にも、信州の田舎のお袋さんからそれまでと同様に、毎月