私のルーファス 急ぎで駆けつけて来て、先ほどまで私たちが立ってい のわが家に向かうのだ。 た場所で、ちゃんと立ち止まる。そして首をのばした ある日、私は彼の額に赤くなった個所を見かけて、 り耳をふり立てて私たちの体臭をかぎ出そうとする。 彼がけがをしたのかしらと思った。ルーファスはそこ に赤土をすりつけていたが、よく考えてみると、これやがて彼は路上へどっかり坐りこんで、いとも哀れな 泣き声をあげる。私がかわいそうでたまらなくなって、 は彼のやわらかな角の生え初めを意味しているのだ。 ちょうど歯の生え始めた幼児に、おしゃぶりを与える茂みから姿を現わすと、彼は大喜びでばっと顔を輝か のと同じように、ルーファスはその個所を、赤土で軽せながら、その場でキリキリ舞いをして見せる。そし てもう一度駆け出しましようかといいたげな身構えを く摩擦することでちょっとした快感を覚えたようだ。 その上、これは彼の好きな砂風呂の代用ともなるのだ。する。もちろんほんとうにかくれん・ほをしようとする 安全な私たちの家を出てから、距離が遠ざかるにつなら、おせつかいなジプシイのいないときを選ばない れて、ルーファスの態度に変化が見えるのは興味深いとだめた。というのも、彼女は女性持ちまえのやきも ことだった。帰り道に、あまりなじみのない道を私たちから、私たちのかくれている所へやって来て、ルー ちが選んだ場合、ルーファスはちょうど利ロな番大がファスの姿が見えるとすぐにとび出して行くからだ。 するように、少しでも変わった臭いがしたり、音が聞もちろんこれは、彼女流の「私が見つけたのよ」とル こえたりすると、彼は耳をふり立て首をかしげて、体ーファスを一本参らせるやり方なのである。その後で 全体を目立って緊張させるのだった。 彼女は、短い脚なのに、ル 1 ファスの後を追って駆けく ドライブ道を通って行くときには、私たちはよくルらべをする。ルーファスがうるさがって、彼女を道路 ーファスとかくれんぼをして遊ぶことがある。私たちから追い払おうとしているのが私たちにはよくわかる。 が路傍の茂みへ身をかくすと、彼は丘のあたりから大家につくと今度は、フィリックス、ホーレス、。 ( ン
くさんの象の群が見えた。 そしてなんとなく安心した気持になった時、デニスが 「この河が、この地方で二十五マイル以内にあるたっ寸一 文岸のかくれ場所を指して、あすこへ歩いて行って、 た一つの河なのだ。それで象は各自の水飲み分量をしばらく動物の見物をしようといい出した。私はこの ちゃんと制限している」 時まだ、先ほどの片耳の象に追いつめられたショック から、すっかり回復しきっていなかった。 とデニスが象の群から目をはなさずに話してくれた。 私が象の知能の高さに感心していると、デニスが今度 デニスが先に立って歩き出した時、私は立ち止まっ は対岸のコンクリ 1 ト造りの、かくれ場所を指した。 て河の上下を見渡して、水飲みに来た動物の姿が見え ないかどうかをたしかめた。そして動物の通る狭い道 これは河へ水を飲みに来る象やサイの姿をそこから、 眺めるのに、絶対安全なかくれた見物場所だ。コンクをデニスの後を追っかけた。私は極度に緊張していて、 ィート低くなっていて、どんな物音でも聞きもらすまいと、鳥がするように、 リート造りの床が地面より三フ 木造の段々を下りると、河底が目の高さに当たる。さ首を前後に振った。深く繁茂した茂みの蔭に黒い物を らに安全を期すために、約二十ャードの丸石舗道がこ見かけてびつくりしたら、それは今乗り捨てた私たち れを取り巻いている。デニスは″でつかい連中が丸のランド・ローヴァ 1 だったが、ちょうど子象くらい 石の上を歩く心配はないし、サイもここへ突進してくの大きさなのだ。一所懸命にもうこれ以上びくつかな ることはできないといった。しかし私はやはり不安だ いようにと気を静めたが、今私たちは車とかくれ場所 ス っこ 0 の中間にいる。 時計を見ると午前九時三十分だった。象は普通、早「ランド・ローヴァーで河畔までドライプすれば、こ の朝か夕方遅くかでないと水飲みに来ないから、今朝はんなに歩かずにすむのに」 らの姿を見かけるには既に手遅れだろうと思った。 と私が不平らしくこぼした。 211
はバディはいつもの寝場所を放棄して「 / フアかいすの その気の毒な人は、恐怖の悲鳴をあげた。ころんだ ハリバリかまれる覚上によりかかることがあったが、それは、家のなかで まま、両腕で頭を抱えてしまい 悟をしたらしかった。ところが、ほとんど息がつまり楽しいタベを過ごそうというのが彼女の議事日程に上 っていることを意味した。 そうだったにもかかわらず、・ハディはまったく偶然の ・ハディの手がかりをたどって行きさえすれば、必ず 出来事たったことを理解したらしく、彼の顔の上に和 正しい軌道にのった。彼女の判断が、まちがっていた 解の舌を走らせただけだった。 また、婦人ーーかの複雑きわまる異性ーーの場合でことは、ほとんどない。 も、・ハディはその性格を占うのに、水品の玉を必要と事実、判断こそ、・ ( ディの最上の持ち札だった。別 しなかった。私のデートの相手が、明かるいともし火別のふたりの暴漢との二つの異った経験は、ロを開く べき場合と、ロを閉じるべき場合を・ハディはちゃんと と人混みを喜ぶ遊び好きか、あるいはふたりきりでい るのが一ばんいいと考える家庭的な娘さんかを予言す区別できるーー・・彼女の主人公より、はるかにすぐれた るのに、別にその娘の筆跡を必要とするようなことも成績であるーーことを実証した。 よ、つこ 0 講演旅行の途中、ナッシ、ヴィルのうちに一晩泊ま ・ ( ディのこの占いはまったく大したもので、デートる機会があった。暑苦しい夏の夜で、母は・ ( ディと私 のために、ついたてで囲ったポーチにべッドをつくっ がどんな夜を過ごしたがっているかは、私はいっさい を・ ( ディの指南に待つようになった。もし、ある婦人とてくれた。夜なかに、奇妙な感じがして目がさめたと 光 私が、私の部屋でコクテールをすすり、・ ( ディが私のころ、いつもそばに寝ている・ ( ディがいなかった。と、 のべッドのいつもの場所に寝ころべば、その婦人は町へ気味の悪い音が夜の静寂を破ったーー何者かがやすり 出たいと思っている、という意味だった。またときにでついたてを用心しいしい切っている音たった。その こ
いろいろの事を一所懸命に思い出してみた。私がやっ 一体どうしたのだろう ? どうしてちびつこサイが一 と頭から絞り出したことは、幼少の子象を救おうとし人・ほっちにされているのだろう ? 一体どこから、そ て食べ物を与える場合、牛乳そのままでは濃過ぎるとしてどのくらいの距離からやって来たのだろう ? 私 いうことだった。そこで私は、ミルクを二倍の水で薄はこのいたいけな野獣が、食べ物を見出したばかりか、 めて、二本のビールびんに注ぎ込んだ。 人間の住居に安住の地を求めたこと、ことにそれが私 しきりに母親の乳房を求めるちびつこサイのロに合の家であることに驚かないではいられなかった。 うだけの吸い口に当たるものが見当たらないので、仕麻袋のべッドに眠っているちびつこサイを台所に残 方なしにデニスが、その頭をささえてやり、私はちびして、私はべランダにいるデニスのそばに腰を下した。 っこサイがむせかえらないように注意しながら、ゆっ この日のわが家はこの珍しいできごとで、非常に興奮 くりとそのロの中へそろそろとミルクを注ぎ込んであした気分が立ちこめていた。私たちは長い間ちびつこ げた。驚いたことには、ちびつこサイはまるで毎日こサイの話で持ち切りだった。最初はあの″坊や〃と呼 んなふうにしてミルクを飲んでいるように、ゴクゴクんでいたが、そのうち彼をルーファスという名で呼ぶ とおいしそうに二本とも平らげた。やがてクックが麻ことにきめた。夕方になって私たちはルーファスの措 袋を持ってきてやると、ちびつこサイはその上に寝こ置について相談した。生後間のない赤ん坊の彼には、 ろがって、見ているうちにスャスヤと深い眠りにおち母親の体から受けるだけの温かさが必要た。それには たのだった。 温かい台所は理想的の場所だ。その上、屋内だから夜 私は自分の足もとに安心しきって眠っているこのい 間にもライオンやヒョウにおそわれる心配はないし、 たいけな小さな存在をじいっと見つめるのだった。お私にとっては、薄めたミルクを温めてやるのに大変好 そらく生後やっと一日経ったくらいだろう。母サイは都合だ。ちびつこサイによって育て親と選ばれた以上、 766
はすっかり生長したサイの大きさが想像される。キアだったが、入口の踏み石をよじ登って、頭で戸を押し リアの家は私たちの家から二十ャードばかりの所なの開けて室内へはいって行ったもののようだ。 ものかげ で、私はそこに近づくとすぐに物蔭にかくれて息をこ 私たちはこの滑稽な小さな存在を眺めた。たとえア ろしていた。その間に、デニスはもしサイが突進してフリカ生まれだとはいえ、クックにしても、こんなに きても保護物になる茂みで見通しのきく場所へはい上幼いサイを見たことがないばかりか、自分の小屋の中、 がった。しかし、私たちの目に何もはいらない。私はしかもべッドのそばにたたずんでいるということには、 アフリカ人がよく物事をひどく誇張することを思い出ひどく興味がわいたようだった。 し、カ冫 デニスは、ちびつこサイのいたいけなさと、 して、大分気分が落ちついた時、デニスが地面を指し た。そこにはまぎれもなくサイの小さな足跡が見えた。 も空腹そうな様子をかわいそうに思って、まるで赤ん 坊を抱くように、 この″坊や″を両腕で抱えて家へ連 この足跡は、クックの家の入口のあたりまで続いてい る。入口の戸は半開きになっていて、内部からあの一れて帰った。家中では台所が一番温かい場所だから、 台所へ連れて行ったまではよかったが、私たちがハタ 日中聞きなれた哀れな泣き声が聞こえてくる。デニス が先頭に立って私たち三人は爪先で、忍び足に近寄っと困ったことは、一体どんな食べ物を与えればいいの だろうということだった。 て行った。私たちの目に映じたものは、クックのべッ 私が思案を続けている間に、デニスは巻尺を持って ドのそばに立っているかわいいちびつこサイの姿たっ ス きて、その背筋を計ったところ、肩までがやっと十八 インチ ( 四び、つまりテリア種の犬くらいの大きさだ こということがわかった。体重はおそらく五十ポンド のキアリアが夢中で自転車で駆けつけてきた間に、 リツル・チャップ 二・三キ ) 見当だろう。私はこれまで聞きかじ「ていた、 の " 坊や。はまだ脚がふらついているような幼いサイ ( 。 こ 0 こつけい
「どうした ? 疲れたのか ? 」 場所へ降ろしてくれた。私は彼の手にすがりながら、 2 とデニスがいった。私が返事をしなかったので、彼段々をとび降りて下のべンチによろめきながら腰かけ幻 、かくれた。そして一所懸命に平気をよそおってスカーフを取 はさらに大股に歩き出した。今の私の頭には り出して、帽子の上からほおかなりした。 場所へ一刻も早くたどり着きたいということ以外には、 何も考えてなかった。デニスは既に対岸へ到着して河動物が姿を現わすまで、私たちは永い間、待たなけ 上を眺めている。私は一体何が見えるのかしらと思っればならなかった。私はカメラに新しいフィルムをつ たが、とにかく、今彼に私の姿を見てほしくなかった。めた。しばらくすると芋っこ、、 : 手 / 力し力あって、少数の象 私は今や駆け出しているのだ。しかし河底に達するとの群が、はるか向こうから河底をこちらへ向かって来 泥が柔らかくて足がくい込む。おまけに一方のサンダる姿が見えた。私の興味がわき上がった。象の歩くス 。ヒードは一時間に十マイル見当たから、間もなく彼ら ルがぬげた。その時、後の方で何か物音が聞こえたよ うな気がした。しかし振り返るたけの勇気がない。私の姿が近づいて来た。舟の帆のような大きな耳を絶え ず前夜に・ハ各ハタさせている。これは扇子の代用にも はもう片方のサンダルをぬいで両方を捨い上げると、 なるし、またどんな物音も聞き逃さないためなのだ。 一散に駆け出した。もう見得も何もいっていられない。 彼らはまた、鼻を持ち上げてあらゆる臭いをかごうと 足の下の砂が焼けきって足の裏がたまらないほど熱い 私はまたサンダルをつつかけて駆け出した。心臓の鼓している。象もサイと同じように遠視がきかないから、 動が聞こえるほど高鳴っている。かくれ場所までまたその埋め合わせとして、聴力と臭覚が極度に鋭敏なの 二十ャードの丸石を越えなければならない。私はよろた。 よろしながらくるぶしゃ向こうずねを、石に打ちつけ彼らが近づいてくるにつれて、私は焦点を合わせて ながら走り続けた。デニスが手を伸して、私をかくれ写真を撮った。素人写真家の常として、私はこれこそ
私のルファス 高さにある場所で、そこからは身長十フィ 1 トの巨象現われないことがわかったのでデ = スと ( ッサンは器 も見下すことができる。しかし岩は池からや「と二十具をまとめて帰 0 て来た。翌朝早く、三人の勢子が次 のような報告を持って来た。ビンクのペンキを塗られ フィ 1 トしか離れていないので、危険性は十分にあっ た象の姿が五マイルも離れた場所で見かけられたが、 次の夜は、満月で明るい夜だったので、デ = スは勢ペンキを塗られた象と塗ってない象とが、仲よく一緒 子の ( ッサンを連れて、。〈ンキの噴射器を携帯して待に群をなしていたそうだ。 ヴォイの池の付近で、白色のペンキを塗った象が、 機した。象が水を + 分飲んだ後で ( ) その 前額に約四分の三ガロンほどのペンキを吹きかけると、二十マイル離れた場所にいるのを空中から発見した。 象は森林の中へ駆け込んで、鼻でペンキを落そうとしこれから推察してこの象の群は一日にガラナ河とヴォ ていたようだが、やがてあきらめて静かに木の葉を食イの池との二カ所で水を飲む習性があることがわかっ た。なおまたイタム。ハで。ヒンクや黄色いペンキをかけ べ始めた。 最初の象にペンキをかけた後では、空気に残るべンられた象が、あまり遠くまで出て行かないこともわか ったが、それはこの地方での池のある所が一地区にか キの臭いで他の象が恐れをなしたのか、ずいぶん長く 姿を見せなかったが、やがて二頭の雄の巨象が現われぎられているからだと思われる。 このペンキの吹きかけの手段は、セレンゲティ公園 た。一頭すつにペンキを吹きかけて二頭ともうまくべ ンキ塗りができた。しかし。ヒンクのペンキをすっかりでシマ馬に。フラスティックの首輪をつける方法を採用 1 ド・グルジメック氏のやり方と同様に、 一使い果たしたので、後は黄色いペンキを使うことになしたパーナ かなり成功した試みだといえる。しかし他にもっと確 今はペンキの臭いがあまりにも強いため、象が当分実な標識のつけ方が見つかれば、それによって得られ こ 0
ルーファスをこの新しい二匹の孤児に紹介するためともできた。ことに彼が一番興味を持ったのは、台所 に連れて行くと、私が一緒に行ったということが役立の戸を押し開けて駆けこむと、セメント敷の床がつる スケート / を楽しめることだった。 って、彼はすぐに安心して仲よしになった。最近、私つると滑って、″ たちは、ルーファスが台所の片隅に眠るにはあまりに彼はこの″スケート 〃をずいぶん何回も繰り返して、 大きく生長したのを、気がかりに思っていた矢先だっ飽きるのを知らなかった。その時に起こるやかましい たので、三匹の大きな動物がすぐに親友になったこと音も彼は平気たった。彼はまるでものすごい音を立て は、この上もなくありがたく感じられた。ルーファスて誰かの注意を引こうとしているようだった。 をひとりで、新しいサイ舎へ移すのは、彼をひどくみ ルーファスは、自分の体が大きくなったために、 じめにすることだと私たちが知っていただけに、ためさかったころのように室内へ歓迎されないのが不平で ならないようだった。彼は、もし台所や茶の間には、 らっていたが、いま二頭の子水牛というかっこうの仲 おけがた 間ができた上は、夜間、これら三頭を、新しいかこい っていって、その桶形の体でテーブルと椅子との間を に一緒に眠らせることに何の問題もなくなった。 通り抜けられないときには、邪魔物は押し倒せばいい もちろんルーファスは、最初のうちはむくれて見せと考えているようだった。私たちがタ食の卓について た。彼には、台所の片隅で聞き慣れたナベや食器のか いる時、彼がはいって来て、テーブルに頭をのつけて ち合う音を聞かれないのは、さびしいことだった。ま新しいパンをしゃぶってみたり、トケイソウの実とか、 た台所は、毎夜、その日の最後の夜食をもらう場所でポーポーの実とか、何でも人間の食べているものを試 もあった。その上、台所にはなっかしいミルクの匂い食できるようなすばらしい自由行動は、今では過去の がこもっていたし、独りぼっちでさびしければ、椅子夢となってしまった。しかし彼は、私が与えるものな やテー・フルを頭で押しのけておもちゃがわりにするこら何でも不平なく食べた。その上、今日では庭の植物
が到着してからまる三日間が経過した。 それは第五日目の日のことだった。いつも食べ物を もらう時間がくると、かこいの中をはね回るくせのあ るルーファスが、きようにかぎってじっと立ったまま で動こうとしない。私はミルクのはいったびんを草原 五日間も経っと、ルーファスは温かい台所の片隅のに置いて、ルーファスの体近くにしやがんだ。彼の名 を呼びかけてみたり、あやしてみたりしていた。その 自分の " 棲家 ~ にすっかりなじんできたが、昼間は、 屋外に小さなかこいを造 0 てやらなければならなか 0 うち、私は彼が鼻水をたらしていることに気がついた。 た。かわいそうにキアリアは、今ではす 0 かりあきら一体、サイが風邪を引くことがあるのかしら、と私は いぶかった。たとえこれが風邪でないにしても、野生 めて台所の一部をサイの赤ん坊に提供しているものの、 彼とて昼の間には多少の休息の時間を持っ資格がある。の動物の幼児は、飼育の際、よく肺炎を起こして死ぬ ルーファスのために私たちが造 0 てや 0 た屋外のかこ例がある。私はかこいを開いて彼を出してやり、ソロ いは、日蔭の場所だ 0 たけれど、太陽の光線を十分にソ。と歩かせて台所〈連れて行 0 た。、 私がルーファスの麻袋をストー・フのそばに敷き延べ 取り入れることができた。ル 1 ファスがこのかこいに てやっている間に、デニスは街へ駆けつけて、インド 移った時、キアリアは大喜びだった。それは幼いルー , ファスが、台所を汚すからで、無理のないところだつ人の腕利きのお医者様を迎えに行 0 た。しかしいくら フ 医師だとはいえ、獣医でない医師に、サイの病状を聞 の今やル 1 ファスは食慾が出て来て、与えられる食べこうとする方が無理だ。それでもこの医師は「肺炎で 物をキチンキチンと食べるようになった。ルーファスす」との診断を下すだけの知識を持っていた。私は心 こ 0 四肺炎 すみか
に、同時刻に、そのずんぐりした足を踏みならしなが ら行ったり来たりするのだ。毎日午後六時には、彼の 麻袋の寝床が台所の一隅に敷き延べられるのを、彼は 待ち遠しそうな様子で待っている。そしていくつもの 麻袋の最後の袋が置かれるとすぐに、彼は戸口からと 生後三週間になったルーファスは、よくじゃれたり、び込んで来て、壁を背中のささえとして、ずしんと横 になる。私たちは、ルーファスが長い間に、麻袋のべ 食事の時間をきわめて正確に守ったりして、とてもか ッドから一度ものり出したことがない行儀のよさに感 わいい存在となった。彼は食べ物をもらう時間が近づ くと、屋外のかこいの中で、毎日十分間の狂いもなし心した。たった一度だけ、彼がべッドからはい出すの は、午後八時かっきり、一日のうちの最後のミルクを もらう時間で、この時刻が近づくと、ちょうど子供が デ ミレクを持って行くまで、 泣くのと同じようこ、ム ; ス 台所のセメント敷の床で、彼はいつもシコをふんで待 っているのだった。 の ル 1 ファスは家の庭を自由に歩き回ることを許され 一カ ていたが、彼は家の中まではいって来て、同様にわが ドもの顔に振舞うのだ 0 た。やがて彼は、日中の暑い最 中に、快く昼寝をするのに最適の場所を見つけ出した。 それはペランダで、私の腰かけ椅子に、できるかぎり 五ゃんちゃっ子