駆逐艦 - みる会図書館


検索対象: 現代世界ノンフィクション全集11
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1. 現代世界ノンフィクション全集11

びら 年若い艦長は、ーー・平の海軍少尉から彼は三年たら ずのうちにコリ 1 号の艦長まで出世したのだった この壮大な船団の先導をつとめることに大きな誇りを 七駆逐艦コリー号 感じていた。しかし、双限鏡で海上を見わたしながら、 彼はそれがおあつらえ向きの攻撃目標であることを認 よ、つこ 0 三十三歳でアメリカ海軍の駆逐艦コリー号の艦長をめないわけこよ、 前方には六隻の掃海艇がいた。それそれが、機雷の 動めている・ホフマン少佐は、双眼鏡を目にあてて、 ドーヴァ 1 海峡の水を規則的にかき立てながら進んで綱を切って、それを海面で爆発させるための、金具の いる、無数の艦艇の列をながめていた。何の攻撃も受 ついたロープを曳いていた。そのあとには、護衛の駆 けずにここまで来られたのが、何かありえないことの逐艦のすんなりとした姿が続いていた。さらにそのう ように思われた。彼らは時間どおり、予定のコ 1 スをしろには、軍隊、戦車、大砲、車輛、食糧を積んだ、 たどっていた。船団は四ノット以下の速力でゆっくり すんぐりとしたあまり形がよいとはいえぬ上陸用の船 と進んでいたが、昨夜、ポーツマスを出て以来、すで舶の列が見わたすかぎり続いていた。それそれの船は、 に八十海里は来ているのだ。ホフマンはいま、空から防舷気球をあげていた。これらの気球が海風のために の、または海からの、あるいはその両方からの攻撃を傾きながら同じ高さのところに並んでいるのを見ると、 作待ち構えていた。少なくとも機雷ぐらいにはぶつかりまるで船団全体が大きく傾斜しているような印象を受 大そうなものだ。一分ごとに敵の海域深くはいりこみ、 けるのだった。 上もうフランスの海岸まで四十海里のところまで来てい ホフマンはこの光景にみとれていた。船の間隔とそ るのだから。 の数から考えると、このとてつもない大船団の後尾は、

2. 現代世界ノンフィクション全集11

を、数日前にロンドンに通報してあったのだ。 ント起りつこありませんよ」と中尉は請けあった。 マリオンの通告が届いたことは、もうはっきりした。 ガザンジェルは妻を抱きしめ、それから出掛けた。 いったいどうしたことなのか、彼にもさつばり分らな駆逐艦が、その砲の死角に巧みに移動して砲撃を始め たのが見えたからだ。目に涙を浮かべて、マリオンは かった。そんなことは彼に分るはずもなかったのだ。 ところが半月後には、「まちがいだった」という中途駆逐艦の砲門が火を吐くたびにおどり上がった。「通 告が届いたんだ ! 届いたんだ ! 」と彼は叫んでいた。 半端な詫びの言葉とともにアメリカの誘拐者にノルマ ハーンドン号だったと思われるー・ーは その駆逐艦・ - ーー ンディに送り返されることになるとは。 グランカンという海水浴場町のレジスタンスの地区つぎつぎと砲撃を行なった。突然、激しい爆発が起こ って、砲台の弾薬が吹き飛んだ。「すばらしいそ ! 」 主任であったジャン・マリオンは不満だったが、我慢 していた。左手のユタ海岸と右手のオマ ( 海岸の沖合昻奮の極に達したマリオンは叫んだ。「すごいそ ! 」 二十キロほど向こうのべイユーでは、オマ ( 靃岸地 いには艦隊がいて、部隊が上陸しているのが見えてい 。だが、彼には、グランカンは忘れられているので域の地下運動の諜報隊長のギョ 1 ム・メルカデルが、 。ないかと思えたのだ。午前中、彼は兵士のやってく妻のマドレーヌといっしょに居間の窓のところにいた。 メルカデルは、あふれでようとする涙を一所懸命抑え るのを待っていたのにこなかったのだ。妻が、町の前 方で、砲撃位置につくために一隻の駆逐艦がゆっくりていた。恐ろしい占領の四年が終わって、町に駐屯し と旋回しているのを彼に教えてくれたときには、胸がていたドイツ軍の主力は撤退したようだった。遠方で 大高鳴った。「大砲だ ! おれが連絡した大砲だ」と叫は、砲撃音がきこえ、猛烈な戦闘が交わされているの 上び声をあけた。ュタ海岸の方向に、つまり左方にしか にちがいないことがわかった。メルカデルはなんとし 砲撃できない砲が一門、防波堤に据え付けられたことても仲間のマキ団員を集めてナチスの残党を追い払い

3. 現代世界ノンフィクション全集11

目次 コーネリアス・ライアン・近藤等訳 史上最大の作戦 まえがき 第一部待機 ラ・ロッシ = ・ギュイヨンの城館 二ロンメルの休暇 三朝の報告 四大西洋の壁 五暗号 六午前八時 七駆逐艦コリー号 35 33 28 18 15 〃 8 8

4. 現代世界ノンフィクション全集11

ペティは、自分の次に登っていた一人の兵士が、突然 ル・ペティ軍曹は、手首のカでやっとの思いでよじ登 ろうとした。彼はよじ登ることにはひじようにすぐれ体をこわばらせたかと思うと、仰向けに倒れるのを見 こ。シュタインも彼を見たし、二十歳のカール・ポン ていたが、ロ 1 プがとても濡れていて泥だらけなので、ナ パルディエ二等兵も見たのだ。彼らの恐怖のまなざし だめだった。ペティは、そこでなわばしごでもって十 メ 1 トル登ったが、はしごは上から切られて落ちてしの下で、その兵士はロ 1 。フをはなしてがけふちにぶつ かり、なんども・ハウンドしながら落ちていった。ペ ーマン・シュタイ まった。だが、もう一度試みた。ハ ン軍曹は別のはしごを登っていたが、メイ・ウエストティ軍曹は、その時こう考えた。「あいつ、砂浜でペ ( 圧搾空気のはいった救命胴着 ) が偶然ふくらんで彼チャンコになるまでに、どのくらい時間がかかるか、 は岩におしつけられ、あやうく口ー。フをはなすところわかったものしゃない」。ペティ自身も、呆然として だった。彼はこの胴着と命がけで戦ったが、まるで永ロ 1 プにしがみついた。これ以上手を伸ばして登って 遠の戦いのようだ「た。上にも下にも部下がいた。どゆけなか 0 た。「ためだ、たいへんすぎる」と大声で自 うやってはしご攻撃をつづけたのかロではいいあらわ分に言ったのを覚えている。だが、機銃弾は彼を駆り たてた。斉射が近づいたとき、体が柔軟になり、やけ せない。 くそで、頂上までやっとの・ほりつめた。 このとき二十本のロープがはられていたが、ペ ほとんどいたるところで、兵士は頂上に達し、砲弾 軍曹は三度目に登っていて、突然土と小石をふりかけ られた。断崖のふちから体をのりだして、ドイツ兵はでできた穴のなかにとびこんでいた。穴だらけになっ 遊撃隊員を機関銃でうちまくった。彼らは、駆逐艦のた弾薬輸送艇をとにもかくにも浜にまでもってこられ 猛砲火や消防はしごから飛来する機銃弾を浴びているたマックロスキ 1 軍曹にとって、オック岬の高い砂丘 は、信じられぬほどの幻想的な光景にみえた。大地に のに、死にもの狂いの力をふりしぼって戦っていた。

5. 現代世界ノンフィクション全集11

お尻を見せたようなものだった」とべニー・グリッソ ュタ海岸の沖合いで、米駆逐艦コリー号の備砲の砲ン無線手は回想する。 コリー号は、浅い海の暗礁のそばで旋回した。そこ 身は、速射したために灼熱していた。乗組員は、消火 では、艦長も自艦を楽々と操縦するというわけにゆか 用ホ 1 スで砲身の前部に水をかけていた。艦長ジョー ジ・ホフマン少佐は、自艦を海岸の前面に投錨させ、ず、何分かのあいだ、ドイツ軍の砲兵とのあいだで、 それから五インチ砲を毎分八発の割で発射していたの猫とねずみのような恐ろしい追いかけごっこをしなく てはならなかった。斉射の砲弾落下地点を見きわめよ 三。ドイツ軍の砲台を気にするものは、もうだれもい うとして、ホフマンはコリー号がまるで・ハレーでも踊 なかろう。コリーは百十発で砲台をざくろの実のよう ってでもいるように操艦した。休みなく砲撃をつづけ に割ってしまった。ところが、ドイツ軍は反撃した。 ながらも、前進、後進、左旋回それから右旋回、停止、 しかも、したたか反撃したのだ。 ふたたび前進といったぐあいに、一種の速い不規則な ドイツ軍の観測所からはっきり見えたのは、コリー 号だけだった。この「近接掩護砲撃艦隊」を守るためワルツをためらいがちに踊った。米駆逐艦フィッチ号 に空から煙幕を張るべきだったが、コリーの塔載機はもまた、コリー号が窮地に立っているのを見て、砲台 撃墜されてしまっていたのだ。ュタ海岸を見おろす急に対する砲撃を始めた。それでもドイツ軍砲台は意気 が挫けなかった。 斜面の上にある砲台ーー砲火から判断すると、サン・ マルクフ村のそばに据えられている砲台が、とくに、 砲弾に取り囲まれながらも、ホフマンは離脱に成功 丸見えのコリーに怒りの砲火を集中しているようだっした。最後に暗礁を避けたことがはっきりしたので、 た。ホフマンは、機を失せぬうちに早く後退しようと彼は、「右舵全速 ! 前進全速 ! 」を命じた。コリー号 は、突然とびはねた。ホフマンがうしろを見ると、雨 決意した。「われわれの艦は、オールドミスが海兵に ノ 92

6. 現代世界ノンフィクション全集11

をのがれることはあるまい。 ある無線室へかけつけた。 無線室では、べニー・グリッソンが、十五分ごとに 誤りではなかった。無線士のべニー・グリッソンは、 「確かめるために二度も調べたのです」といいながら「上陸延期ーの通信を受けとっていた。彼にとって、 それは長いあいだに受信した最悪の通信たった。とい 電信記録を艦長に見せた。 うのは、それが、「ドイツは上陸計画を知っているの ホフマンは四つんばいになってまた艦橋に駆けあが うす った。今や、彼と駆逐艦の仕事は、時間をかけずにこではないか」という疼くような疑いを裏づけるように の巨大な船団を旋回させることだった。指揮官のホフみえたからだ。探知されたので・をご破算に マンは、まず、数マイル前方にいる掃海艇のことを考したのではないだろうか ? べニーは、他の多くの同 ぼうだい えなければならなかった。だが、絶対の沈黙が命じら輩と同じように、厖大な上陸の準備を目にしていた。 ランズ・エンドからポーツマスにいたるあらゆる海岸 れているので、無線を使うわけにはいかなかった 「全速力だ ! 掃海艇に追いつけ ! 」とホフマンは命や港に集結した人や資材。そして彼はこれがドイツ空 軍の偵察機の目にはいらないはずがないと考えたもの 令した。 だった。それにまた、ただ延期するだけというのなら、 コリー号が速力をあげはじめたころ、他の駆逐艦が 艦首を転じて大船団の横側へと旋回を始め、光の信号連合軍の大艦隊を発見する時間を、それだけ多く敵に を使って一隻一隻の船の向きを変えるというたいへん与えることになるではないか。 二十三歳の若い無線士は、もう一つの機械のダイヤ 作な仕事にとりかかった。ホフマンは心配だった。フラ の リのドイツの宣伝放送にあ ンスの海岸から三十八マイルそこそこのところにいるルをまわして、ラジオ・パ 亠のだ。すでに敵に気づかれているのではないか。奇蹟わせた。「アクシス・サリ 1 」の熟っぽいしやがれ声 こつけい でも起こらないかぎり、この困難な大旋回が敵の注意を聞こうと思ったのだ。その滑稽な過激さのために、 3

7. 現代世界ノンフィクション全集11

たえず波をかぶっていた。新しい波がくるたびに、ロ ことが確かめられたが、ホフマンは、二隻の水雷艇を 1 リング、ビッチングをくり返し、第一特別工兵旅団ひきいて、そこに何がいるのか探ろうとして霧のなか のユ 1 ジーヌ・キャフェイ大佐の記憶では、何人かのに突入した。そして、生まれてはじめての大きなショ 兵士が舟底にのびて、「生きているのか死んでいるの ックを味わったのだ。煙幕の向こう側で、イギリス艦 力いっこう頓着せすに、すべてに無関心で、びつ隊のほとんど全部、信じられぬほどの大群の艦船と、 しよりと水にぬれたままになっていた」 対面したのだ。目の届くかぎり 、、たるところに、戦 だが、舟酔いにやられなかった連中にとって、この艦、巡洋艦、駆逐艦がいて、その量に彼は圧倒された。 信しられぬほどの大侵攻船団の光景はすばらしくも恐ホフマンのことばでは、「艦載小ポートのなかに乗っ ろしいものであった。多くのエ兵破壊班をのせたジェているような気がした」ということになる。 一フル・ト・ ート伍長の舟艇では、一人の兵士が、カメ ほとんど間髪を入れず、砲弾の雨が、スビ 1 ドは速 ラをもってこなかったことをくやしがりながら悲し気いがカ弓い小艇に落下した。一秒のためらいもなく、 に溜め息をついていた。 数の上でばかばかしく劣勢なのにもかかわらず、豪放 なホフマンは攻撃命令を下した。数秒後には、連合軍 そこから四十八キロのところで、ハインリヒ・ホフ の艦隊に向けて十八本の魚雷がつぎつぎと発射された マン艇長は、ドイツ第五戦隊の先頭の水雷艇の甲板で、 これが・における唯一の海上での反撃で 眠前の海いつばいにひろがったこの世のものとも思えあった。 ぬ奇妙な霧をみた。それをじっとながめていたとき、 ノルウェー海軍の駆逐艦、スヴェンナー号の艦橋で、 飛行機が一機、白い霧のなかから飛びだしてきた。そ英海軍のデスモンド・ロイド大尉は、魚雷が尾をひい れでたしかに煙幕だという自分の推測の当たっているてくるのをみた。同じようにウォースパイト、ラミリ

8. 現代世界ノンフィクション全集11

、ラルグの艦橋でも、他の将校が魚雷を認めた。ラ沈むのをみて肝をつぶした。三十名の死者が出た。し ルグ号は、すみやかに全速で後進した。二本の魚雷が、かしロイド大尉は、傷も負わず、駆逐艦スウイフトが ウォースハイトとラミリー のあいだを抜けていった。救いあげにくるまで、いっしょに救助された足を折っ スヴェンナーは、魚雷の進路から身をかわすにいたらた一人の水兵を助けながら二十分以上も泳いでいた。 なかった。艦長が「取り舵いつばい ! 右舷前進いっ 煙幕の向こう側に出て安全となった今は、ホフマン にとって、警報を発することが重大事であった。彼は ばい ! 右舷前進全速 ! 左舷後進全速 ! 」と叫んだ。 ル・アーヴルにニュ 1 スを急送した・ーー急送したつも 彼は、魚雷が艦と平行するように艦を旋回させようと りだった。彼よ、、 / をしま行なわれたばかりの短時間の戦 努めたが、望みはなかった。 闘のあいだに、艇の送信機がだめになったことを知ら ロイド大尉は、双眼鏡で魚雷の尾を釘づけになった ように見つめていたが、それが艦橋の下にぶち当たるなかったのだ。 のをみた。そのとき頭に浮かんだのは、ただ「どのく アメリカ軍の受け持っ海岸の沖合いにいる巡洋艦オ らい吹き飛ぶだろうか」ということだけであった。悲 1 ガスタ号の甲板で、オマー・ Z ・ブラッドレー中将 しいほどゆっくりと、スヴェンナー号は左舷に旋回し、 ほんのちょっとのあいだ、ロイドは助かったと思いこは、耳に綿栓をして上陸に向かう舟艇に双眼鏡を向け んだ。だが、操舵は失敗に帰し、一本の魚雷は船腹にていた。アメリカ第一軍の兵員をのせて、舟艇は一様 作当たって、スヴェンナー号は水面からもち上がり、震に前進していた。ブラッドレー中将は、たいへん落ち 大え、真っ二つに割れたのだ。並んでいた英海軍の掃海つかない不安な心理状態にあった。何時間か前までは、 まだ海岸一帯ーーオマハ海岸一帯から英軍の海岸まで ート・ドウィ一等水兵は、 上艇ダイハーの艦上で、ロ・ハ を倒しているのはドイツ第七一六師団で、それも 駆逐艦の艦首と艦尾が完全にの字を描いて海の中に

9. 現代世界ノンフィクション全集11

オマハ海岸の沖合い六・四キロにいるアメリカ駆逐 ひじように手薄で機動力の低い師団だと信じていた。 だが、イギリス出発のさいに得た連合軍の秘密情報部艦カーミック号の上で、ロ・ハ ート・ O ・ビーア中佐は の情報によれば、増援一個師団が上陸地域に新たに配インターフォンのボタンを押して叫んだ。 「全員に告ぐ。これから今まで見たことのないような 備されたところだ、ということであった。この情報の 到着がいちじるしく遅れ、すでに「通信禁止」となっ パーティが始まるのだ ! 今こそ、出ておどれ ! た麾下各部隊に通告できなかったのだ。第一および第五時五十分であった。英戦艦群は、二十分以上前か 二九師団の兵士は、それゆえ、十分に訓練をうけた恐ら砲門を開いていた。アメリカ軍地域の砲撃が、その るべき第三五二師団が彼らをまちかまえているとはっとき始まった。海岸はまるで火山に変わったようだっ ゅ知らず、オマ ( 海岸に向かって進んでいた。上陸をた。ノルマンディの沿岸全域にそう目標に向かって組 容易にするはずの艦砲射撃が始まったところだった。織的な砲撃が始まったとき、戦闘の轟音が鈍くなりひ この艦砲射撃が役にたってくれれば、というのが・フびいた。灰色の空が明るくなり、大きな煙の雲が地上 に渦を巻いて立ち昇った。 ラッドレー中将の願いであったのだ。 スウォ 1 ド、ジュノ、ゴ】ルド海岸の沖で、ウォー そこから数キロのところでは、フランス軽巡洋艦モ の二戦艦は、ル・アーヴルと ンカルム号の甲板上で、ジオジアール少将が士官や水スパイトおよびラミリー 兵たちに話しかけていた。彼は感動に乱れた声でいっォルヌ河口の強力な砲台に、何トンもの鋼鉄を浴びせ こ 0 かけた。巡洋艦や駆逐艦は、砲弾の雨を地下堡、掩蔽 「われわれの祖国に砲火を浴びせねばならぬとは、恐壕や角面堡に浴びせた。驚くほどの正確さで、ラ。フラ ろしくも非道なことだ。だが、私は諸君に、きようは タ河口の戦闘 ( 02 驫翳齶・ ) 以来有名にな。た英 巡洋艦アジャックス号の砲手は、十一キロの距離から、 それを行なうことを要求する」

10. 現代世界ノンフィクション全集11

ワシントン豊一 = ーヨーク間の列車の中で、ある牧お・ほろげではあるが、作戦室勤務の友人の将校から聞 いて、夫の艦がどこへ移動したか知っていた。だが彼 師は、その場で礼拝式をとり行なうように頼まれた。 ジョージア州のマリ = ッタでは、人々は朝四時にはも女は上陸 = ースが自分に個人的な関係があるとは思 いもっかなかった。夫の駆逐艦は、北大西洋で軍需品 う教会に集まってきた。フィラデルフィアては自由の 鐘が鳴りわたり、第二九師団の出身地であるかの歴史輸送船団の護送に従事しているものと思いこんでいた 的なヴァ 1 ジニア全体にわたって、あらゆる教会の鐘のだ。 サンフランシスコで、フォートマイリーの退役軍人 が、ちょうど革命当時のように夜のうちに鳴りわたっ た。ヴァ 1 ジ = ア州べッドフォードは、人口三千八百病院看護婦のリ = シル・・シ = ルツ夫人がコミ = = の小さな町であるが、上陸の = = ースのもつ意味はこケを知 0 たのは、夜間勤務中のことだった。ラジオが、 こではひとしおであった。というのは、この町のたい第八二空挺師団のことに触れるかどうか聞きたくて、 、と思っていた。彼女は、 ていの人の息子や兄弟、恋人、夫が第二九師団に属しラジオのそばにいられればいし ていたからだ。べッドフォ 1 ドでは、まだだれも知ら第八二師団が上陸攻撃に参加しているのではないかと 推測していたのだ。だがまた、彼女の恐れていたのは、 ないことだったが、この地方の出身者は、みなオマハ 海岸に上陸していたのだ。第一一六連隊のべッドフォ自分が看護している心臓病の患者ー、・、第一次大戦に参 加したべテラン兵士・ーーがラジオを聞いて病気を昻進 ド出身者四十六人中、二十三人しか帰還してこなか アメリカ海兵隊 ) のロウイス・ホフマン少させはしないかということであった。患者は = ース 作った。 ( 補助婦人部隊 大尉は駆逐艦コリーの艦長の妻であ 0 たが、上陸の = = を聞きたが 0 た。「私はここにいたいんだが」と彼は ためいきをついた。シュルツ看護婦はラジオのスイツ 上 1 スを聞いたのはちょうどヴァ 1 ジニア州ノ 1 フォー チをまわして、「あなたはもうりつばに戦ったのよ」 クの海軍基地で勤務中のことだった。時おり彼女は、