マフィア - みる会図書館


検索対象: 現代世界ノンフィクション全集15
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1. 現代世界ノンフィクション全集15

何の音沙汰もないし、一週間前にアカルドと電話で話 トコの娘の一人はロサンゼルスのカールロ・リカタ をしたがリ 男に変りもなかった。 の妻となり、プロファシの姪はジョセフ・ポナノの息 子と結婚している。そして、彼らは、一九二九年十二 しかし、彼のいる所から百六十キロ南に離れたツー サンにある牧場では、仕立ての良い背広に身を包んだ月六日に行なわれたクリー・フランドでのマフィアの会 紳士たちの集まりが開かれていた。この牧場は、暗黒議、ならびに有名な五七年のアパラチアン会議癶 アの親分が集まった結社の大会として、の調査を受け、 街の仲間内でグレイス・ランチと呼ばれ、持主は、当 ライフ誌にも数ベージにわたって報告された有名な集まり 時脱税で裁判にかけられていた。ヒート・リカボリとい揃って出席している。 う男だった。 牧場のジョー兄弟たちはバーベキューを焼き、ハイ 彼は十歳のときセントルイスで犯罪を犯し、後にデポールを飲んでは恐喝話に花を咲かせていた。彼らの 会話はほとんどシシリー島の方言で行なわれた。そし トロイトに移って、ミシガン州マフィア結社の大ポス の娘と結婚した。それがグレイス・ボマリトで、彼女て、握手をし、感情的に抱き合ってお互いに祝福する は、″傷顔″ジョー ・ボマリトの妹であり、また、サ彼らの間をぬって、トニー・アカルドが笑いながら接 ム・ゼリリ夫人の妹でもある。ゼリリ夫人の夫の娘ロ待役を勤めていた。ところでこの会合であることが決 ザリーはビル・トコの妻で、そのトコの息子のトニめられ、彼はそれにより後日百万ドルの損失を蒙るこ ス ・ジョーはジョ 1 ・プロファシの娘カメリアと結婚とになる。 ガ べしている。こういうわけで、トコ、ゼリリ、リカボリ、 五八年十二月三日の正午ちょっと前、グリーンパウ ス ラ。フロファシ、ボマリトの婚姻関係を調べれば、それが ムの家政婦パール・レイは、彼が、寝室の二つ一緒に 楽そのまま、デトロイト地区マフィア結社の調査になる。くつつけられたべッドの上で、枕を頭の両側から押し 3 そして、この血族関係は全米にまたがっている。 つけられて死んでいるのを発見した。彼の首は、ほと

2. 現代世界ノンフィクション全集15

シナトラの権力者、特に警官に対する憎しみには病「私は新聞で君とナンシーが離婚するという記事を見 0 的なものがある。そして彼は同じような考えを持ったて驚いた。ナンシーは立派な女だし、子供もあるのだ。 連中を数多く友人に持っている。ジョ 1 ジ・ラフトと君はすべてに満足すべきだ。皆によろしく。ウィリ ・モレティ」 同じように、シナトラも常に、ホポケン時代の子供の トミーとンナトラ 昔から、トミ 1 ・ドーシー楽団の 頃のことを口にして言う 9 「おれたち餓鬼は誰も相手にしてくれなかった。頼りとにまつわる温い友情話がたくさんあるが、本当のと になったのは仲間だけだった。おれの知っているのは ころ二人は犬猿の仲だった。ドーシ 1 楽団にシナトラ みな町の通りにいる不良少年たちで、毎日暄嘩をしてが雇ってもらった契約も、モレティがギャングの常套 、た。親は明日のパンを得るのに必死になって働いて手段を使って、ドーシ 1 のロの中に。ヒストルをつきっ いたから子供の教育など構っていられなかったんだ」けて手に入れたものだというのが暗黒街のもつばらの そしてまた彼は、ジョージ・ラフトと同じく学校にも噂である。 辛抱できず、中学二年の時、乱暴ものの折紙をつけら過去数年間、シナトラが多くのギャングやマフィア れて退学させられている。 結社のポスと一緒に連れだっているのがよく見受けら ・シ 1 ゲルの件でラッキ 1 これまで数多くの芸能人が暗黒街の人間によって売れている。事実バグジー り出されてきたが、シナトラを売り出したのもニュー ルシアノが仲間をキュ ーバに呼んだときもシナトラは モレティ 、、ー州マフィア結社の大物ウィリー・ ハ・ハナに飛んだ。その際、ルシアノは再会を喜んで乱 だ。ニュ 1 ヨーク州麻薬取締局の記録には、シナトラ痴気パーティーを催した。 が妻ナンシ 1 と離婚しようとした時に、そのモレティ 新聞でシナトラの到来を知った少女たちが、翌朝尼 が打った電報がある。 さんに引率されて、彼に会いにホテルを訪れた。シナ

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ながら両手を高く上げ、その小さな限からぼろ。ほろとのだ」 涙を流した。「なぜ彼らはおれを責めるのだ : : : 」 このダリツの前科は、禁酒法時代にさかのぼる。そ 誰のことを言っているのかと聞くと、「奴らさ、奴のとき彼は、合法的な商売を含な各種事業に手を出し ら全部だ。おれは一生やくざたちと戦ってきたというてした。 / 、 - 彼の関係していた賭博場は、オハイオ州ャン のにこのおれに対して何をしようっていうのだ : : : 」グタウンのマウンド・クラブ、ジャングル・イン、シ 丿ー・ヒルス・クラ・フ、マイアミ市 彼自身よく承知しているとおり、結局ダリツがたど ンシナチ市のべく のフロリス・クラブ、ケンタッキー州にあった豪華な る運命は、過去に彼の競争相手がたどったと同じもの カントリー・ クラブなどである。 になるのだろう。もっとも雑誌記者に対しては、相変べく らず大物ふりを発揮し、彼一流の道義心を披露してい また、不法賭博場の共同経営者には彼の当時の親友 る。最近の、ポスト誌記者。ヒーター ・ワイデンとの会が多かったが、マフィア結社の大物たちーーーモリス・ フランク・ミラノ、ア クレイマン、サム・タッカー 見記の一部で彼は言っている。 ル・ポリッジなどもその中にいたのである。 「まあ、博打は不道徳だとしよう。酒を飲むことだっ て度を越せば同じことだ。おれが思うにラスベガスが ミラノとポリッジは、シシリー島出身のビル・トコ 多くの人に楽しみを与えたことは事実た。確かに負けボマリト、リカボリらがポスになっているデトロイ スて傷ついた連中もなかにはいるたろう。だが、そうい パー。フル・ギャング団の幹部であり、マフィア結 べう連中はアトランティック・シティに出かけたって、 社の中核をも構成している。 ス ラ他のどこへ行ったって、ここよりもっと危険ないかさ彼らはまた、ダリツの合法的な仕事にも参加してい 楽ま博打で金を巻き上げられるさ。少なくともここじゃ た。どの会社をとってみても資本金は十万ドルを超え 4 あ、博打は免許制で、厳重な監督下に行なわれているるもので、リライアンス製鉄株式会社をはしめとし、

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その間、タイヤチェーンや鉛の。ハイプを持った暴力 団が、言うことをきかぬ博打場などを襲い、まもなく マフィアと組む シ 1 ゲルの名は、暗黒街で呪われ者として知れわたる ようになった。彼はロレンド・ビーチの賭博場、カリ ・ハグジーの最初の仕事は、地方の親分連中を集め、 協力を求めることだった。そして、太平洋岸でもっとアンテ竸馬場の利権、カルバ 1 市のドッグレース、沖 に浮かぶ賭博船などの利益を暴力で自分のものにした。 も強いマフィア結社の首領、ジャック・ドラグナがシ ・コネロの、有名な、サンタモニカ沖に浮 ーゲルの右腕となり、彼らは、顔役を呼んで、ロサンまたトニー ゼルスの下町のレストランで会合を開き、以後の仕事かぶ賭博船レックス号の一割五分の所有権も手に の受持ちについて話し合った。そして、ロレンド・ビ入れてしまったし、当時、サンセット大通りにあった 1 をもその手 。ス郊外の海 ) のレス・プルーマン以外、これに異豪華なカジノ・ナイトクラ・フ、クロー 中に収めたのだ。 議をとなえる者は一人もいなかった。 その後一カ月と経たぬ間に、ブルーマンは、ロレン しかし、これらはほんの手はじめで、大きな仕事は ド・ビーチのルースト・レストランで、二人の殺し屋麻薬、売春、競馬のノミ屋であった。ドラグナの助け に襲われ、三発射ち込まれたが、病院にかつぎ込まれ、を借りて、彼は、世界各地からメキシコに運び入れた ・シカ 助かった。二カ月後回復した彼は、看護婦に付添われ、麻薬を米国内に持ち込むルートを作り、ジョ 1 同じレストランに現われたところを、今度は四人の殺を仕入係として密輸団を結成、またシアトルからサン し屋に四五口径の自動拳銃をぶち込まれ、プル 1 マンチアゴまで売春宿のチェーン組織を設立して、女をた と側近者は即死、看護婦は両足に傷を受けることにならい廻しにして客に飽きがこないように計ると同時に、 っこ 0 警察に女の顔を覚えられて怪しまれぬよう企てた。

5. 現代世界ノンフィクション全集15

不動産業、クリーニングエ場、食品会社、競馬場、鉄ン王ナ 1 サン・ウェインスパ 1 グが殺された事件以後、 道事業、商事会社、金融業など多種多様、各方面にわエリオット・ネスの活躍や新聞のキャンペーンもあっ 4 たり有名な会社、二十数社の大株主である。 て、ダリッ一派は町を去りはじめ、それにかわって、 リまるでいなごの大軍が移動するように、マフィア結社 これらの事業が皆、よき昔の富と勢力で、当時ダ ツは各地の役所にコネを握って、これを動かしていた。の一味が入って来た。ダリツは依然としてマフィア結 ・ダリツには組織を作る特技があって、それがも社の連中とは親しくしていたが、この際はメンツを失 つばら悪事に向けられた。彼は、合法的な仕事に関係う前に他に移る方が賢明だということを知っていたの することで、役所に持っコネを有利に働かせた。贈収ど。 キーフォ 1 ・ハ 1 委員会で、ダリツはデザート・イン 賄に株を利用することは、現金を使うよりよほど頭の に対する投資額を百三十万ドルと述べているが、タイ よい近代的な方法である。また、。ハイオニア・ランド リー社の共同経営者には、クリーブランドの有力な政ム誌によればそれが四百万ドルとなっている。この数 治家マウリス・マシュクの息子を置いている。 は、実際の投資額の五百万ドルにかなり近い数字だが、 ダリツの仲間は彼ほど身軽に法の手を逃げることを今日、ホテルのゴルフ・コースなどを計算に入れると、 知らなかった。三三年、クレイマンが脱税で三年間ルその数字はさらに増え、一千万ドルにも上ることだろ イス。ハーグ監獄に入った。税務署が、彼の二十九年のう。 収入を九十三万一千ドルと査定したためである。しか し、こういうへまをした仲間の前科記録は、すべて後 でダリツが警察に手を廻して引き抜いてしまった。 一九四五年、クリしフランド市のスロット・ ホテル攻防戦 デザ 1 ト・インの開業祝いは、五〇年四月二十四日

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めてであった。その後に多くの幹部連ーーーウィリー・ モレティ、リル・オ 1 ギ、。ヒサロ、そしてアルバ ト・アナスタシアなど が殺された。 ・ヒルスでバグジ 1 が殺されてから二十分 後、″チビ〃モーイとモリス・ローゼンが「素晴しき フラミンゴ・ホテル」に入ってきて経営者の座につい た。ガス・グリーイハウムは数分遅れてきて、すぐ、 シーゲルの跡目 リ′ 1 ー・ヒレ 皆と握手をして廻った。警察の車が、べ・ハ スのリンデン・ドライブ通り八一〇番の前に停まった シーゲルの死後二十四時間以内に、フラミンゴ・ホ のはちょうどその頃だったが、中の警官はまだ、誰がテルで株主総会が開かれた。 殺されたのかわからずにいた。 バグジーの利権を代表して、べ・ハ リー・ヒルスの有 シ 1 ゲルは死んだ。そして、その朝、ラスベガスで名な弁護士ジ , セフ・ロスが、また、マフィア結社を は相変らず太陽が砂漠の彼方から昇り、金でゆあみす代表して、モリス・ローゼンとメイヤ 1 ・ランスキー るようなこの町は、やっと目をさましかけていた。 が、そして、ロ 1 ゼンを補佐するガス・グリーイハウ ムとモー・シドウェイがそれそれ出席した。さらに、 ージニア・ヒルの金主でもあったシカゴのギャング、 ジョ ・エプスティン、ホテルを買うというサンフォ 1 ド・アドラーとエルランチョ・ホテルの持主チャリ ・レズニク。また、″ AJ い、つ 千枚通しのウィリ 1 , 三街の支配者たち 378

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中はカジノでやけ博打を打って何千ドルとなく負けてや成功を収めたのである。 いた。むかし、シーゲルがフラミンゴでやっていた以初めの間は、彼は賭博に手を出さぬように努めてい 上に馬鹿けたことが行なわれていたのだった。 たが、それも長くはもたず、やがて毎晩のように博打 彼は直ちにこのようなでたらめをやめさせ、カジノ と酒にふけり、そしてリビエラを足場に稼いでいる商 支配人にローゼイハーグを、そして素手で人を殺すと売女に溺れていった。 いうデイプ ビオフという田刀がい ーマンに常時ホテル中を歩き廻らせて彼の当時の親友に、ウィリー・ 見張りをさせ、職員が命令を実行し、短期間にすべてる。 が完成するように努めた。べン・ゴフスティンは、、 彼は売春、ゆすりなどの前科者で、四一年ニューヨ つも忠実にグリーイハウムの後について廻り、副社長 ーク市で連邦法に触れ、起訴されて十年の懲役に服す の威厳づくりに一生懸命だった。 まで、六年間にわたり顔役として映画界を搾りあげて 一方フラミンゴの方では、事の次第を央く思ってい いたのである。入獄三年後、仲間のジョ】ジ・・フラウ なかった。というのもガスはフラミンゴをやめるときンと一緒に検察側に寝返りをうち情報提供を行なった に、後任のトーマス ・ハルに今後五年間は、この周囲が、その結果、裁判の前に自殺してしまったフラン 五マイル以内の場所では商売をしないと約束していた ク・ニティーをはじめとするマフィア結社の大物逮捕 からだ。しかし、グリーンパウムは、この約東を破っ のきっかけを作った。 たばかりでなく、さらにフラミンゴの顧客名簿を手に このとき逮捕された者には、他にルイス・カムパナ、 入れると、さっそく、女秘書に金色塗りの招待状をタ フィリップ・ディアンドレア、チャールス・ジオ、ポ イ。フさせて送らせた。リビエラは、まもなくお客でご ール・デルシア、ラルフ・ビアースなどがいて、みな、 った返しはじめた。ガス・グリーン・ハウムは、またも二〇世紀フォックス社とワ 1 ナー・プラザーズ社を相

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・コのマフィア結社から借りたのだが、この金は彼個人等のものを着こんで、早口にしゃべる男だった。そし て今日でも、彼は、数多いラスベガスのギャングの中 の借金として借りたので、それをホテルに投資して、 今やネバダ企業株式会社の大株主になったわけである。で、もっとも頭の切れる男だったと言われているので ある。 また、彼がいかに乱暴だったかについては、あると ギャング兼市長 キー・コーエン、モ 1 シドウェイの間 き彼と、ミッ グリーンバウムが、フラミンゴに移る頃、彼は、アに起きた出来事でわかる。それは、ガスがフラミンゴ リゾナ州でいろいろな問題に頭を悩ませていた。それの支配者になってまもない頃、起こったことだ。 というのが、当時、州および警察当局の主脳部に移動三人は、ホテルのパーで飲んでいたのだが、ガスと コ チビ″モーイ エンは、激しい言い争いを始め、″ があって、彼の所有する賭博場が次つぎと手入れをさ れていたからなのだ。グリーイ ( ウム兄弟は、一九二が恐怖にかられて見守っていると、突然、ガスはテー 八年、シカゴからアリゾナ州へと移り、「狂乱の二十ブルの上を横切ってコー = ンのネクタイをつかみ、机 世紀」と呼ばれた二十年代にフェ = ックス市で賭博場、の下から足で彼を蹴上げ、どなりつけた。ひとしきり ーエンは、後ろ向きに 密造酒造りをやって、暗黒街の顔役になっていた。ア彼をののしると突倒したが、コ ル・カボネの下では、トランス・アメリカ通信社を受のけそって、椅子ごと床の上にとんで倒れたのだった。 ーエンが、腫れ上がっ 自分の椅子に戻ったガスは、コ ペ持ち、シーゲルが西部に来るまでは、例のフランク・ た顔を真青にしながらびつこをひいて部屋を出て行く ラニティの配下で、その命令を受けていたのだった。 のを見ながら、まるで何事もなかったかのように、モ 楽このガス・グリ 1 イハウムは、背が高く、落着いた 3 1 イと話を始めたのだ。 性格を持ち、多くのポスたち同様、服装はいつも最上

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トルを取り出すと、後から四発ずつ、八発を二人の頭 張られ、一週間後にサンフランシスコで捕まったが、 やがて保釈金を積んで二人はロサンゼルスに高飛びしに撃ち込んだ。 フラティアノは逮捕され、訊問されたが、証拠不充 た。彼らは過去四十六回の逮捕歴を持ち、強姦、麻薬、 強盗、殺人容疑等、前科十七犯の兇悪犯で、暗黒街で分で釈放された。この男は後日、ゆすりのかどで五年 は、恐喝および傭われ殺し屋として知られていた者だの刑を受けたが、出獄した後にもたびたびラスベガス っこ 0 に姿を現わしている。 しかし、二人はまもなく隠れ家から狩り出されるこ フラ とになった。この任務に当ったのが、ジミ 1 ・ ″親友〃ゴールドウォ 1 ター ティアノというマフィア結社の腕利きで、ロサンゼル ス警察情報部のハミルトン警部によれば、暗黒街の殺七年間のフラミンゴでの生活、朝から晩までの仕事 しのうち、少なくとも十六件が彼の手でなされたものと夜の更けるまでの博打遊びでガスは健康を害してい た。子供時代からの喘息に加え、酒と仕事上の心配か である。当局の推測では、フラティアノは言葉巧みに、 トニー一味を裁判のための資金集めという名目で誘いら胃潰瘍をわずらい、五五年の初めには手術を受け胃 の一部を切り取った。ガスは仕事から引退しようと決 出したのだ。 ( リウッドのフランクリン通りで会う約東が交され、心した。ラスベガスの共同出資者たちは、この決心に ペ五一年八月六日の夜、フラティアノは、フランクリン腹を立てて怒ったが、彼の気持は変らなかった。妻の ス 通りに駐車していた、トニ 1 の車の後部座席にすべりベスは、彼を酒や博打、安つぼい女たちから遠ざけた いと願っていたし、また結社の連中もこの彼の願いを 楽込んだ。やがて、トニーたちがやってきて運転台に坐 3 り、それから数秒後、フラティアノは三八口径のピス快く受け入れた。彼らにしてみれば、新たにやってく

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家に落着くと、ほどなく、 ( リウッドでもっとも人気や ~ が利いたのだと思うが、実際、その後、何か危急 のある人物にな「た。撮影所では、ジャック・ワーナの場合が起きると、 " 青い眼の坊や ~ を持出して私は ( ットン、ドロ彼の機嫌を直すことができたのだ。しかし、私はその ケーリ 1 ・グラント シ 、リウッドの有名人たちと肩後、彼の個人的なことに関してからかうことはやめに ー・一アイフラソなど、 / ムを塗ったり、ア を並べて歩き廻った。しかし外にあっては相変らずのした。また私は、彼が顔にクリー イ・ラインを入れたり、なんとかして若く見せようと 無法者で通っていた。 していたことを知っていたが、ロには出さなかった」 ムは・ハグジーを昔からよく知っており、べパリー・ リウッドを ハグジーのカリホルニアでの任務は、ハ ヒルスの私の家にも彼はよくやってきたが、いつも機 嫌がよいとは限らなかった。彼は自分の髪をとても気手に入れるのではなく、暗黒街を手に入れることであ った。マフィア結社は、今世紀の初め頃より、カリホ にしていて、五分ごとに櫛でとかしていた。そして、 毛が抜けるたびに、あらゆる薬や治療を試みたが、成ル = アで活動を始め、三十七年間の間に、ギャング同 功したためしがなかった。ある年、私は、彼の自尊心士の殺しが四十一件あり、そのうち、三十四人はイタ リア人またはシシリー人、四人がユダヤ人、そして三 を低く見過ぎて、誕生日にかもしを送ったことがあっ た。彼は烈火のごとく怒って、私の所へ飛込んで来る人がアイルランド人であった。彼らは皆、密造酒、麻 や否や " この野郎殺してやるそ。と、目の色を変えて薬、売春、ノミ屋、などの悪事に従っていた。当時、 ス ガ この種の犯罪は、カリホルニアにおいて、別に珍しく 一一一口った 0 ペ ラ " おれを殺すって ? まあまあ、青い眼の坊や、落着はなかったが、米国中部にあるような、組織的犯罪、 楽いて、落着いて ~ と私が言うと、彼はちょっとためらギャング間の協力と中し合わせなどは、まだ存在して いなかったのだった。 ってから、。ヒストルを落した。きっと、 " 青い眼の坊