訓練 - みる会図書館


検索対象: 現代世界ノンフィクション全集19
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1. 現代世界ノンフィクション全集19

グレン 十九・二センチ。シラ 1 が百七十七・九センチ。クー 五千時間 ( 千五百 ) ンエ。、 。 ( 【が百七十五・四センチ。グリソムが最小で百七 三千六百時間 ( 千七百 ) スレ 1 トン 三千四百時間三千 ) 十・三センチ。 ンエ。、 グリソム 目の色はクー ノード、スレートンが青 三千時間 ( 二千 ) シラ】 グリソムとシラ 1 が茶。グレンとカ 1 。ヘンターが緑。 三千時間 ( 千七百 ) 「マーキュリー 計画」入隊訓練開始当時の年齢は、グ カーベンター二千八百時間 ( 三百 ) ードとス 二千三百時間 ( 千四百 ) レンが三十七歳。シラーが三十六歳。シェパ レートンが三十五歳。カーベンタ 1 が三十四歳。グリ ソムが三十三歳。ク 1 パ 1 が最年少で三十二歳。 七人はその背景と技術教育訓練ではよく似ている。 体重は、シラ ] が七十五・九キログラムで、超過分外観や特徴も大差がない。しかも同じテストを経てえ の二・三キログラムをへらして、ようやく入隊許可にらばれたのだから、「七つ児」のような印象をあたえ るかも知れない。 なった。ついでグレンがかっきり七十三・六で制限い つ。ま、。 ンエ。、 ノード、スレートン、カ 1 。ヘンターが七 ところが、現実には、七人は全く異った個性、異っ た経験、異った思想、異った性格の持ち主なのである 9 十二・六。グリソムが七十・三。ク 1 パ 1 が六十八・ 「しかし、精神分析の専門家らが私たちに綿密な診断 〇。 ( グレンが現実に宇宙飛行した当日朝の計量では テストをくりかえした一つの理由は、協力して働くこ 戦七十七・六〇 ) の七名はすべて熟練した操縦士であるが、総飛行時間とのできる性格を求めようとしたからであろう。私た 宙を比較してみるとつぎの通り。 ( カコ内はそのうちち七人は、心をあわせて、全く一つになって仕事をし のジェット機飛行時間を示す ) ているのだ。」

2. 現代世界ノンフィクション全集19

トーン・ロケットでの初飛行」もあるし、「軌道にのちはみなあらゆる訓練に一生懸命になっている。えら 6 った初飛行」もあるし、「月世界一周初飛行」もあるばれるのは、その訓練の成績によるからだと思えばこ〃 そである。」 だろうし、「月世界初着陸」もあるだろう。 シラ 1 「私たちはみなそれそれ一番さきにえらばれ それに、宇宙飛行というものは、その性質上、回を 重ねるたびにいよいよ重大な科学的成果を収めることたいと思 0 ている。私たちはひとりとして金銭や名誉 になるのだ。順番がおくれることは、さらにいっそうのために参加しているのではない。しかし、まだ誰も がしたことのないことをはじめてすることはすばらし その飛行に価値があることにもなるのだ。「マ 1 キュ いことだ。一番さきに飛ぶ者は、偉大なる記録をたて リ 1 計画」は全く膨大な計画なのである。 それでもやはり、人よりさきにまず自分がえらばれることになるのだ。」 スレートン「七つに一つの運だからむずかしい。し たいと願う気持はかくすべくもない。その点について、 その後の記者会見の席上、一記者に追求された七人は、かし、私も一番さきにえらばれたいという気持がない くらいなら、はじめからこんな計画に参加しはしなか それそれ次のように答えている。 グレン「私たちはみな人よりさきにえらばれて初飛ったさ。」 グリソム「私たちはみな自分が一番さきになりたい 行したいと思っている。こういう使命のために人々を 集めて訓練するときは、いつも、一同がみなそれそれと思いながら訓練にはげんでいる。みな一番さきにな 自分がさきにえらばれたいと思うのがあたりまえだろりたいと思うのはあたりまえだ。さもなくばこんな計 画に参加してはいないだろう。しかし、それと同時に、 パ 1 ド「もちろん、私は一番さきに飛びたい。 それぞれ団結して助けあってもいる。短い期間に、学 そのためにこそこうして訓練を受けているのだ。私たぶべきことはあまりにも多いから、一同で力をあわせ

3. 現代世界ノンフィクション全集19

するところでは、クリスが一番心配したのは、声が使らなくなったら、その周の終りに降下せよというもの えなくては、自分の状態を十分説明できないだろうとで、フタが閉じないと宇宙服で気圧が調節できなくな 、飛行士の生命がカプセル内の気圧に左右されるか いうことだったようだ。前に述べたように、マ 1 キュ ) 1 計画では、「安全」、特に「飛行士の安全」を第一らである。また、宇宙帽の前面がしまらなくて、カプ セル内の気圧が低下し始めたときには、緊急酸素補給 に考える。私たち飛行士の立場は、どうしても事を急 ぎたくなりやすいが、当局の責任者たちは一段高い見スイッチを入れるとともに一番近い緊急着水区域に降 地からすべてを考えている。彼らは、少しでも危険だ下するようにもきめられてあった。 しつでもジョンに代わって宇宙飛行 と感じたり、疑問に思うことがあると、極力飛行を避訓練中、私は、、 けようとする。人生はすべて妥協である。そして私た ができるように準備していた。だからジョンの訓練は すべて私も行なった。しかし、病気などでジョンが飛 ちは人生を最大限度に生きているのである。 私たちは、カプセル内の装置や操縦に関する規定を行できなくなることはほとんど考えられなかったので、 いつもジョンが優先的に模擬飛行を訓練してきた。模 暗記した。これは飛行任務の遂行に欠くべからざるも のばかりで、たとえば、宇宙服回路の扇風機が二つの擬飛行は、使命を成功させるためにきわめて重要な訓 うち一つ故障しても飛行を続けるが、両方故障すれば練である。飛行の訓練で、二人は合計百時間の 緊急酸素補給スイッチを入れて、一周後に降下するこ模擬飛行を行なったが、そのうち六十時間がジョンの 戦とが決められていた。この規定がつくられたわけは、分であった。 のスイッチを入れると酸素は流出量が多くなって一回し 訓練には多くの「自習」も含まれていた。二人は飛 宙かもたないためである。また規定には宇宙帽のフタに 行中の操作やその順序をよく覚え込むため、手引き書 冖于 2 ついての項目もあった。食事などで開けたフタがしまをくりかえし読んだ。また飛行中のさまざまな変化に

4. 現代世界ノンフィクション全集19

べ、はるかに多く語ることがあるだろう。月に着陸す周した飛行の際にも行な 0 たのである。この仕 るためには、乗組員は十分、一人立ちできるように訓事のおもな目的は、追跡所を通過する際、宇宙飛行士 練されなければならない。彼らは宇宙船の速度、軌道からの飛行報告を受信することと連絡事項を彼に発信 調節の最善の方法、逆ロケット点火の時間、軌道の変することであった。無人力。フセルと「イ 1 ノス」が飛 更、月軌道への切り替え、着陸と離陸などをほとんどぶときは、この仕事はあまりうまくいかないのではな いかとも案ぜられたが、私たちはまるで本当に人間が 彼ら自身の決定に基づいて行なうことになるだろう。 地球から遠くなればそれだけ、乗組員自身の判断力が飛んでいるときのように、真剣に任務を遂行した。そ 重要になるのである。乗組員は、小さな計算機を船内れというのも、「」と「」が、ジョンの行 なう「」の「予行演習」だったからである。私 に装備しているだろうが、彼ら自身の訓練と判断力に たちは力。フセル、地上間の連絡通信について完全なテ 頼らねばならないことが非常に多いだろう。 ストを行ないたかった。そこで、あらかじめテ 1 プに 私たち七人の仲間は、まだ全員が宇宙飛行を経験し録音しておいた自分たちの声を、飛行中のカプセルか たわけではないが、即時に判断を行なう訓練をしてきら放送させるという方法で、追跡操作の訓練を行なっ た。また、地上からの送信を力。フセル内のテー。フに録 た。この訓練はマ 1 キ = リー計画が軌道飛行の段階に 進んでから、特に重要なものとなった。私たちは、そ音させるという実験も試みた。回収後、カプセルから 戦れそれおもな追跡観測所に配属されて任務を遂行した取り出したテ 1 プは、完全に地上の声を録音していた。 「イ 1 ノス」が飛行したとき、私はバミ、 1 ダの追跡 のが、これはジョンの飛行のときだけではなく、ジョン 宙に先立って地球を二周したチンパンジー「イーノス」観測所で力。フセルと通信した。 ・ハミュ 1 ダ島には自動車が非常に少かったので、私 の飛行や、その前に無人のカプセルが地球を一 271

5. 現代世界ノンフィクション全集19

また飛行中にエキスパンダーを引っ張って、一定量のどの数千人の科学者や技術者が一心一体とならなけれ 活動が心臓へどの程度の影響を与えるかを調べたり、 ばならない。私は長い間彼らと一緒に仕事をしてきた 感覚能力を試すために力。フセルをいろいろ操縦してみが、彼らは必亠。・最善を尽してくれると信している。こ たりもする。アル・ンエバ ードやガス・グリソムの場の一団には三年間辛苦をともにしてきた仲間の六人の 合と同じく、私のからだにもいろいろな個所に電極が飛行士をはじめ、アトラスを製作、発射の任務を受け はり付けられる。飛行中の私の生理状態は、この電極持っ ch ・ダイナミクス会社の技術者たち、カ。フセルの からの信号によって、地上の医師らに監視される。こ装備に当るマクダネル社や航空宇宙局の専門家などが れらの資料は、宇宙飛行で経験する大加速度、無重量、含まれている。 孤独、高温などに人間がどの程度まで耐えられるかを 私は飛行計画を完遂するため訓練に訓練を重ねて確 知るための貴重なものになるだろう。私が飛行前の健信を得たのである。訓練は発射が延期を重ねている間 康に特に気を使った一つの理由は正しい医学資料をとも続けられた。カーベンターと私は航空宇宙局やマク るためであった。私は飛行準備に万全を期したのであダネル社の技術者に付添われて、一日に十時間もカプ る。 セルの中で過ごしたのである。スコット、、、 カ後章でくわ しく説明するたろうが、私たちは本番の宇宙飛行が、 準備中いつも私をささえていたのは、私がこの飛行一つの予行演習のように思えるくらい、何回も地上で に絶対の自信を抱いていることであった。まず私を助模擬飛行を繰返してきた。私たち七人がこの本で指摘 けてくれる人々を全く信頼しきっていること。宇宙飛したい一つの点は、仲間の誰もが猛烈な訓練を続けて 行は全員が協力して行なう仕事である。これを成功さきたということである。 せるにはケープ基地や各地の追跡観測所、回収区域な 私は自分自身を信じている。私は飛行準備を整えた

6. 現代世界ノンフィクション全集19

作って、自宅に送るのだ。ある日の分にはつぎのよう髪毛を長くしてわけている。交際家で話好きである。 何を話してもいつも人を笑わせるのは彼だ。チンパン に記入されている。 「万一にも、私のこの職務が致命的な事故に終るようジー「イ 1 ノス」君をのせたロケットが発射されたと なことがあれば、その時私は三つの点で深く残念に思き、彼は豪州の「マーキュリ 1 計画」ロケット追跡所 に配置されていた。豪州では OX という意味の無電暗 うだろう。その一、この惑星上で、子供たちのめんど うを十分みてやれなかったこと。その二、孫たちがで号に「エクストラ・グラウス」という語を使っていた。 ぎるようになるまでもすえ長く妻を愛しつづけられなそれを知らなかった彼は「航跡管理工クストラ・グラ ウス」といわれてびつくり。「そりや一体何のことか かったこと。その三、とうとうギタ 1 をうまくひける ようにはなれなかったこと。」 ね」ときけば「イチパンという意味です」に、「アー ソ 1 」と負けずに流暢 ( ? ) な日本語でやりかえした その音楽が彼の趣味だ。ひとりでいるときは、たい がいレコ 1 ドをきいたり、ギタ 1 をひいたりしているという。 シラ】のなやみは体重だ。「他の連中は食い放題に のだ。基地にいても、激しい訓練が終ったあと、びと りで浜辺に出てはうろおぼえの和音をギタ】でためし食っても平気だが、僕はいつも気をつけていないと、 たりして楽しんでいる姿が見られるのだ。彼の特に好たちまち宇宙服が着られなくなってしまうのだよ」と 1 ド」というのがある。大こ・ほしだ。 きな曲の一つに、「イエローパ 訓練開始から一年間以上、彼はタバコをやめていた。 彼が宇宙飛行から帰着してカナベラルにもどった時、 ココ・ビーチのパンドは道路わきに並んで、彼の一行七人のうちでもタバコをのむのはカーベンタ 1 、スレ ートンンエ。、 1 ドと彼の四人だが、「マ 1 キュリー が着くのを、この曲を演奏して歓迎したものだ。 ウォルター 、計画」訓練とともにみな一旦やめて、のちまたのみは ・シラ 1 は、七人のうちでもただひとり

7. 現代世界ノンフィクション全集19

たちはモ 1 ター・ ( イクで連絡に通った。二千九百キロ辺が異常に高温になったのである。追跡網はこの事故 で地球を周回する宇宙飛行の仕事にたずさわっていなをすぐに発見した。最初、温度の上昇はインド洋の追 2 がら、交通規則に従って時速三十二キロでバイクを走跡船がみつけ、ムチナ追跡観測所のウオリ 1 ・シャー らせているのは、皮肉だった。私たちは軌道飛行に備ラが確認して本部に報告した。本部は、逆ロケット噴 え、数回にわたって追跡装置のテストを行ない、模擬射の最終のチャンスまであと一分足らずというところ 1 のいるポイン 飛行による連絡通信訓練を行なった。各追跡所の責任で秒読みを始め、ゴ 1 ドン・クーパ ト・アルゲ口に送信した。逆ロケットの点火は、アル 者は、カプセルからの模擬通信を録音した特別なテー 。フを所持していた。テープには、わざと異常な信号がゲ口からの指令電波によって行なわれた。途中力ナベ ラルとアルゲロの間の通信が一、二度変調を起こして、 録音されており、各追跡所がこの「事故」にどのよう に対処し、何時間くらいで危険に対応する装備を完了関係者を ( ラ ( ラさせたが、すぐに回復し「イ 1 ノス」 は無事回収された。ウオリー・シャラ 1 は、ムチナを するかが調査された。事故は電源の故障であったり、 ときには信号の誤りであったりした。私たちは、こう訪れた二番目の宇宙飛行士で、前回の飛行のと した予行演習を何回も繰り返しながらジョンの飛行にきは、スコット・カ 1 ペンターがそこで任務に当った。 二人とも非常に多くの仕事を持っていたが、豪州から 待機したのである。 追跡網は、「イ 1 ノス」の飛行の時、完全にその任のみやげ話を聞くと、彼らは結構生活を楽しんできた ようだった。豪州の人々は、マ 1 キュリ 1 ー計画の関係 務を果した。「イ 1 ノス」が乗った << 5 カプセルは、 数カ所に異常を起こしたため、予定を切り上げて、二者に大変友好的で、いろいろと作業を手伝ってくれた。 周目の終りで回収された。姿勢修正装置が順調に動か飛行を待機している間、スコットとウオリ 1 は、模擬 なくなり、変流器が過熱して「イーノス」の座席の周追跡の訓練に追われていた。模擬訓練は豪州時間の夜

8. 現代世界ノンフィクション全集19

カプセルに発生したのは、むしろ当然であろう。私た いくつかの装置に故障が起こった。変流器は飛行中、 過熱する傾向をみせたが、問題は二つの変流器のどちちがあえて発射を急がなかったわけも実はそこにあっ らが悪くなったかを見出すことだった。それはきわめたのだ。私たちは十分に検査を行なって、すべての問 て複雑な仕事であった。照合簿を見ながら、スイッチ題点を地上で解決しておきたかったのである。 やヒュ 1 ズを調べなければならなかった。検査の途中 この仕事が進められている間、ジョンと私は、宇宙 で正常な装置の方をこわしてしまうおそれもあった。飛行士の使命を果すためのさまざまな技術の補習に追 しかし私たちは簡単な方法を考えた。一対の電線をカわれていた。二人はフロリダ州ペンサコラの海軍航空 ゾセルに入れ、それをつないだ変流器が正しく動けば医学本部に出かけ、回転室で方向変化に順応する訓練 ラン。フがつくようにしたのである。これは、すでに発をした。またノ 1 スカロライナ州チャベル・ヒルのム 1 アヘッド天文館で二日間、天文学者から星座や星の 射直前の点検に使用したことがあり、いまでは、私た ちの重要な備品になっている。また変流器の過熱を防運行を学んだ。そしてそれからは毎晩のように、天球 止する冷却装置にも改善を加えた。また本来は力。フセ儀を手に星空を眺めて星座や星の運行を観測した。天 ル内部を涼しくするための扇風機から風を変流器まで球儀には星や太陽の位置が示されており、私はこれを 導いたり、変流器をとりまく冷却板に水を通したりし頼りに、軌道上で方向を知るのに使う星を捜した。 ジョンは、降下操作の特別訓練も行なっていた。グ た。前回ジョソを悩ませた姿勢修正装置も良好であっ 戦た。宇宙服の調節回路に使う扇風機が故障したので新リソムの弾道飛行では、回収のとき ( ッチが早く開き おぼ の品に替えたり、訓練中に狂い出した衛星時計をとり替過ぎてカプセルが沈没、グリソム自身も溺れかけたが、 宙えたりもした。また宇宙帽も修繕した。このような故この災難の原因は全くわからなかった。そこで、そう ふさ いうことにならないようにのぞき穴を塞ぐことにした。 障が、多くの新型計器や装置をのせたマ 1 キュリ 1 ・

9. 現代世界ノンフィクション全集19

は、宇宙飛行士たるの条件として次のように発表して 一、身長は最高百八十・五センチまで。宇宙飛行用 の力。フセル ( 座室 ) はすでに設計ずみであり、そのサ 一、肉体的に最高かっ最良の状態というべき若さでイズは推進ロケットの大きさに適合するよう制限され あり、かっ全面的に成熟していること。はじめは訓練ている。「レッドスト 1 ン」および「アトラス」のニ 開始時の最高年齢を四十歳までとしたが、のち三十五種のロケットが使用されるのだ。このために、底部の 歳と改められた。訓練に要する年月を考慮にーいれたわ直径は百八十八センチにきまっている。そこで宇宙 けである。 を着用し、宇宙帽をつけ、気密靴をはいて、合計百八 十・五センチ以上になると、カプセルには収容できな くなるからである。 一、体重は最高七十三・六キログラムまで。体重は 力。フセルの全体の重量に直接関係しているから、一定 の推進力に対して、体重が増せば、それだけ他の必要 計器類が積めなくなるわけだ。それに身長最高百八 主。尊 1 十・五センチで七十三・六キ。グラム以上の体重があ るというのは、肥満状態であり、新陳代謝と血液循環 の機能が、長時間の無重力状態や気温が激変する宇宙 の 飛行には不適であるという理由である。 一、工学士の学位、またはそれに準ずる資格あるも時 の。「マーキュリ 1 計画」に参加するすべての宇宙飛行

10. 現代世界ノンフィクション全集19

リンとチトフが同様な偉業を実現していたのである。 それにもかかわらず、ジョン・グレンの飛行は、それ 二最初のアメリカ人 よりさらにはるかに大胆な、しかも公明な冒険であっ アラン・・シェパ た。な・せなら、グレンは自由で開放的な社会の代表者 であり、全世界の監視裡に正々堂々危険を冒したから である。しかも、帰還後は、彼の飛行の一部始終を全私がマーキュリー・カプセルに乗る最初の宇宙飛行 部公開報告しなければならなかったのである。それが士になろうとは決して考えてはいなかった。私が各種 の実験や訓練によい成績であったのは知っていた。だ いかに苦しかったか。何が見えたか。どんな気分だっ から宇宙飛行にも早目にえらばれるであろうとは思っ たか。その飛行状況の一切を語らなければならなかっ たのである。ソ連宇宙飛行士らの場合とはちがうのだ。ていた。しかしひそかにあちこちの予想を打診してみ 他の六人の場合も同様なのである。彼らはあらゆるた結果、率直にいって仲間のうちのだれかが最初に飛 意味において、真正な先駆者であり、開拓者なのであぶだろうと思っていた。私がえらばれたという知らせ る。彼らは、彼らのあとにつづく人々のために、立派を受けたのは、ラングリ 1 訓練所の事務兼教室であっ た。そこではいろいろな講義をきいたり、宿題をした な道を開こうと努力した。また彼らとともに飛べない 人々に、その体験のすべてを知らせようとした。本書りしたものだった。その通知を受けた時その場にいあ は、すなわち、それを実証しているのである。 わせたのは、われわれ宇宙飛行士七名と宇宙飛行部隊 ート・ギルルース氏だけだった。 ( 一九六一一年ニュ】ヨークにてジョン・指揮官ロ・ハ ディル ) 室内にはせきばらいもささやきもなかった。ギルル ース氏は簡単に選ばれた飛行士と補欠飛行士の名を発 178