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検索対象: 現代世界ノンフィクション全集6
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1. 現代世界ノンフィクション全集6

ささか不思議に思われる に全力をかけていたことを、認めてやらなければならが存在しなかったことは、、 ない。また、この方針からそれるようなことも、彼はであろう。しかし、一九一四年当時、政治家は今度の しなかった。彼は連合国のために忠実に、勤勉に、休戦争をどう受けとってよいやら理解できず、そのため みなく働いた。また勝利が確実となるまで、戦争を遂狼狽するばかりで、ただ専門家の助けを求めるしかな 行しようとしている政治家には、すべて心よく協力しかったのである。その専門家すら、実は、自分たちの 計算がすべて狂ってしまったから、まったく自信を た。連合国側のために、彼は私費を投じたばかりか、 一身の危険さえもおかした。これらのことはすべて認失っていた。その証拠に、一九一三年から一四年にか めなければならない。しかし、そうした行動をとってけて、イギリス外務省は、ヴィカーズ社やアームスト ロング社のため海外からの軍需品註文を確保し、ロス も、彼は兵器会社の代理人、金融家という狭い立場か ら考えを進めたのである。勝っため可能なかぎり早いチャイルドやキャッセルなどのイギリスの各銀行が外 道筋をとるという考えは、彼は受けつけなかった。ま国政府に対して借款を供与する場合やはり保護を加え た、彼の関係する兵器会社や、軍需用資材には、まつるのが、その仕事の一部であると考えていたくらいで たく手をつけてはならないと、勝手に決めてかかってある。このように、外務省を通じて政府の保護を受け いた。それが彼の要求する条件であり、それは動かしていたから、兵器会社は絶大な力を行使できた。また、 ・クルソ 1 社のごときは、海軍大臣の えないことが、彼の言動から察せられた。これに反すシ = ナイダー フ る考えをもし政治家がとれば、ザ ( ロフの思いのまま任命権を同社の役得ででもあるかのように見なしてい た。それのみならず、同社は議会の陸軍委員会をも支 人に、その政治家は激しい非難をあびせられ、沈黙させ 配していた。他方、ロシアでは、軍当局は上から下ま のられるのであった。 このような策謀を阻止する力をもった政治家や政府で、ヨーロツ。 ( 中の兵器商人からの賄賂と脅迫に毒さ

2. 現代世界ノンフィクション全集6

大型タンカ 1 は、それを収容できるだけの大きな港や賃が目玉のとび出るほど高くなったとき、彼は思いが 水路を通って、たえまない貨物の流れを保証されなけけぬポロ儲けをしたのであった。全体として、大拡張 ればならない。そういう施設を設計し計画することは、 計画でうまいスタートを切るために必要な資力が全然 数年を要することで、ありとあらゆる不時の場合を念ないわけではなかったが、彼の大胆な考えが予見した 頭におかねばならず、これはかなり頭痛のタネになり 巨大な規模でこれを実行するためには、銀行やその他 かねないのである。 の金融機関の心からの協力が必要であった。 そのとき、ニアルコスは新しい借金のテクニックを ニアルコスが先鞭をつける 発展させ、これがその後ずっと、この分野での標準的 な慣行になった。それは基本的には単純であるけれど、 超タンカーの建造、ことにその金融の分野で開拓者はじめてのときは革命的といってよい革新であった。 になったのは、オナシスよりはむしろニアルコスであそれは賦払い購入の採用にも比すべき天才的な一進歩 っこ 0 として、金融史上に残るかもしれない。 野心的な超タンカー建造計画にはじめてのり出した ニアルコスのやったことは、せんじつめれば、つぎ とき、ニアルコスはそれをまかなうに必要な巨額の投のようであった。まず石油会社に余計なことに口を出 資資金が不足していた。戦後初期の時代には、アメリすなと通告した。おどろくべきことには、石油会社は これに同意したばかりか、その考えを好くようになっ シカの余剰ストックから購入した ( アンクル・サムにい オわせると″不正にし 2 型船の船隊を動かして、う た。彼が石汕業者にいったのは、「諸君は石油を探索 進まくやってきた。一九四七ー四八年の異常に寒い冬のし掘りだす仕事だけをやっていなさい。石油をはこぶ 2 ため、アメリカの燃料危機が促進され、タンカ 1 の運仕事はこちらが引きうける。この仕事はこちらの方が

3. 現代世界ノンフィクション全集6

計数字や物語があるが、蔭の挿話として興味をひくのダ部隊が編成されました。」 一アイⅡ・、 卯クレマンソーが異ロ同 リオテー夫人、 は、ある一点だけは、兵器産業界も軍に圧力がかけら 音に指摘した、戦争中のザ ( ロフのくせがある。その れなかったことである。それは動物の使役であった。 この戦争は開戦当初からすでにもつばら機械による戦くせは始終出た。悲しい知らせを聞くと、特に友人の 争という様相をおびていたが、この大戦最後の年、イ戦死を聞くと、ザハロフは右手を額から肩へもってゆ ギリスは、馬を五十三万三千頭、らばを二十三万一千き、十字を切った。しかし、右から左へではなく、左 頭、ラクダを三万六千頭、ろばを一万九千頭、牛を一一一から右へ切った。つまり、ローマ教会風ではなく、ギ リシア正教会風にである。リオテー夫人が述べたとこ 千頭使った。 しかし、動物の利用の問題についても、ザハロフはろでは、晩年ときおり話の中で、彼はローマ教会へ心 考えをめぐらした。リオテーが。 ( リでザ ( ロフと同席が傾いているとほのめかしたこともあったが、しかし、 した際、中近東戦線に話題が及び、活発に動けないラ結局いつもギリシア正教会員であると称していた。そ クダに乗せられたフランス兵が酔ってしまったという れにくらべ、クレマンソーは情容赦なしであった。 「ザハロフは罪の意識を払うために十字を切った。そ 話が出た。 うとしか考えられない。男に対しては、彼は不可知論 「何とかなりますかな」とリオテーが聞くと、 「海軍をラクダに乗せればよい」と即座にザ ( ロフは者として振舞った。しかし、女性に対しては、その女 フ 性がどの宗派の者であろうが、甘いことが言えたので 答えたという。 人この物語を著者に伝えたのは、リオテー未亡人であある。」と語った。 のったが、次のような話をつけ加えてくれた。「ザハロ フの考えは、アフリカで採用されたのです。海軍ラク ノノ 3

4. 現代世界ノンフィクション全集6

ト・ド・・フルポン皇子へ宛てた秘密信書であった。こしていたし、それが実際に進められるようになったか 8 らである。その証拠に、フランスとイタリアがこの計〃 の手紙はフランスに見せるつもりのものであったが、 ザハロフは、まずロイド・ジョ 1 ジに最初に読ませる画に反対しても、長い間この案を主張しつづけた。 ことに決めたのである。それを読んで、ロイド・ジョ ヨーロッパの金融資本は、連合国側も敵国側の金融 ー。、、は、ただちに和平会談の機会を探ることにした。 資本も同様に、戦時中提案された和平提案に対しては、 シクスト皇子の提案の内容は、オ 1 ストリアは次の点周知の通り、内容のいかんを問わず飛びつこうとした。 に同意すべしというものであった。西部戦線の連合国またシクスト皇子の提案にも大きな興味を示し、ザ ( 軍に対して大兵力をさしむけないこと、その代償としロフもパリで連合国側の金融資本からこの提案につい て相談をうけた。しかし、ザハロフは、オーストリア て、反動的なオーストリア・ハンガリア帝国にイギリ の提案については、それを中近東における戦火の拡大 スから支持が与えられることーーーしかし、これはまっ たく途方もない提案であり、連合国側の指導者は一顧に利用できたから、関心をもっていただけで、金融資 リ駐在イ だにすべきでないような提案であった。そこで、この本に対しては次のように明言したという。パ 提案を考えに入れ、ザ ( ロフは次のような計画をたてギリス大使であったべリティ卿が伝えるところでは、 た。それは戦争終結ではなく、西部戦線では小休止を「バジル・ザハロフは最後まで戦争を継続する考えで とり、中近東とバルカン地方で戦火をかきたて、死のあった。」彼はこの時のザハロフを「冷たく、打算的 兵器の顧客を開拓し、またギリシアを戦争にまきこむであり、不可解であった」と言っている。 ことであった。 戦時中、ザ ( ロフは、ロイド・ジョージの依頼で、 いろいろと秘密の使命を帯びて旅行した。その活躍ぶ この計画は、ロイド・ジョージにとって、魅力的で りは、たしかにアルキン・ジョンソンをして「ロイ あった。それは、彼自身も中近東における戦争を計画

5. 現代世界ノンフィクション全集6

の結果社会革命への道が開かれるからであった。彼はの製造分野における技術の改良に結びつくという考え ポルシェビズムが真に脅威であると警告していたのでであった。以上の目的を果すためには、まず第一に、 ある。それでありながら、彼はロシアにおける社会革ヨーロッパ産業界の平和と、可能ならば、ドイツに対 命を冷静に論じ、またトロッキーの讃美者でもあったする、あるいは少くともルール地方に対する、ある種 のイギリスとフランスによる共同管理が望まれた。第 と伝えられる。 二に、戦争が終結したら、連合国側の協議機関におい とにかく、彼がもっとも強く願っていたのは、ヨ 1 ロツ。 ( の兵器産業界のさらに緊密な提携であった。各て、自己の影響力を充分に行使できる強い立場を獲得 社はそれそれ儲ける分野を守り、また相互に協力しあしなければならないと、彼は心中ひそかに決めていた。 う利益力ルテルを形成し、価格を維持し、さらに速度第三に、勝利者がーーただしアメリカ、ロシア、イ タリアを除いて , ー、・石汕採掘権を獲得するように願っ の早い膨脹を狙うものであった。やがて、ヨ 1 ロツ。、 とアメリカの間で、激しい兵器産業競争がはじまるでていた。それによって、経済的に強大になれるという あろうと、彼は予見していた。ヨーロ、 ンパの各社は合考えであったのである。 はたして、彼は自分の影響力を行使して、何を仕上 同するか、少くとも各社間で協力関係を保持するかし て、急速に大企業化しないかぎり、兵器産業界がつくげたのであろうか。戦争の成行きに関するかぎり、彼 フる製品の上で、アメリカにヨーロツ。ハは追い越されてのもたらした技術情報やス。ハイ情報はーー・クレマンン しまうと考えていた。兵器製造における優位が、とり 1 の言にしたがえばーーー連合国側にとって測りしれな 人も直さず産業や貿易一般の優位であるという見解を、 い価値をもっていた。彼は兵器工場を破壊から守るよ のまたザ ( ロフもいつも持っていた。その言わんとするうに努力し、またもつばら和平条件を討議する場に参幻 ところは、兵器開発における科学技術上の発見が、他加し、それによって数度にわたって和平提案を葬りさ

6. 現代世界ノンフィクション全集6

方の兵器会社と折衝し、・フリ = 爆撃命令をついに取消撃」協定がひそかに取り交わされたのである。 ロイド・ジョージはあたるべからざる勢いのスマッ させてしまったのであった。 プリ = 攻撃についての軍当局の軟化を爼上にのせよッ将軍をも説得し、一九一七年の初頭、メンスドルフ うとして、バルトは、この卑劣な事件に関する資料を伯と会見のため内密の旅行を行なった。その目的はも 蒐集した。その資料はフランス政府当局の手によってちろん和平交渉にあった。しかし結果は不調に終った。 公表を禁じられてしまったが、しかし、その写しが盗また、あまりにも会見の機会を早く口イド・ジョ 1 ジ み去られ、一九三〇年代にいたってナチスの手に渡っが設けすぎたため、ドイツやオ 1 ストリアは決意を固 た。その写しから、ザ ( ロフとロイド・ジョ 1 ジの間め、強硬な条件を出してくるようになってしまった。 の取決めの内容がわかる。「ロイド・ジョ 1 ジは、結この頃、ベルヌでザ ( ロフがメンスドルフ伯の代理の 局ザ ( ロフの考えに賛成した。工場を破壊すれば、戦者と会見したのは、恐らく単なる偶然の一致であった いが終ったところで、工場は放棄され、大量失業をもと思われる。 ザハロフは、バルカンの情勢の変化を常にロイド・ たらす。それでは無意味だ、ということに同意したの ジョージに伝えていたが、それと同時にヨーロッパに である。そのため、ロイド・ジョ 1 ジは、西部戦線の 戦闘のテンポを落とすためには、手段を選ばぬ考えにおけるロイド・ジョージ個人の仕事のため、いろいろ フ賛同するようにな 0 た。そして、彼の真の狙いであると手をつくしてや「ていた。その仕事の中には、陸海 戦場へーー・中近東の重要な突出部へ、兵器を供給する軍の情報機関も知らないものがあったくらいである。 一九一七年三月にいたって、ザハロフはロイド・ジョ 人道を開く方が重要となったのであった。」 の ージに重大な情報を伝えた。それは、オーストリアの このようにして、西部戦線における双方の軍隊の相 互撮退に関する取決めに代って、ブリエ地区の「非爆カ ] ル皇帝が、ベルギ 1 の士官であった義弟のシクス ノノ 7

7. 現代世界ノンフィクション全集6

つくりさせたことには ) 地元で最も古く最も人気のあ ドルないし千ドルにはね上っていたからである。 が火をつけた工業・フームには、いろいろのる娯楽ーー鳩狩りーーを禁止さえさせたのである。 ことが付随したが、よいことばかりではなかった。フ ランスの実業家は、免税のモナコの不当競争について 文句をつけ出し、そのあげく、フランスの徴税吏が入 ってくることになった。 他方ではまた、グレース・ケリーがみちびき入れた 新体制は、オナシスの野心にとって障害になることが わかった。というのは、高尚な心をもち信心ぶかい大 小公国を国際人の愛好す 公妃は、大公の支持の下に、 る遊び場にするという「アリ」のお気に入りの計画の 多くに、水をさしたからである。 グレース大公妃の考えは別であった。オナシスの管 理の下で増大しつつあった上っ調子な道楽や安易で放 縦な生活をさらに促進する代りに、文化的な活動にも ス 。、レー、美術、文学活動や っと力点をおきたがった。 / オ文学賞をもっと多くし、学者の集会や科学上の集会、 運積極的な宗教生活をふやすことを望んだ。一九六〇年 五月、大公妃はついに夫を説得して、 ( モナコ人をび 5 3 3

8. 現代世界ノンフィクション全集6

ルト銃は、どの銃も打ち負かした。」 はマクシムじゃ フロック・コ 1 トの男は、くジル・ザハロフであった。 ないか。」と一 こんなごまかしでは目的は達しえない、あまりにも 人の記者が聞き 世 ドかえした。「い厚かましく、いとも簡単に暴露されてしまうと、考え ワやちがう。」すられるであろう。しかし、事実はさにあらずであった。 ザハロフの暗躍と新聞の誤報に対しては、公式の調査 工べてを心得てい の が行なわれた。その日付のウィーンの新聞からみて、 ちるかのように、 の この身許不明記者が銃の製造者について誤った内容を教えられたこ 子 とは、明白である。しかし、この調査を伝えた新聞は、 太の男が答えた。 ンフェルト銃み去られていた。これは、ザ ( ロフのかかわりあった イ ( すだ。世界一の兵事件には、いつでもよくあることであ 0 た。 ート・ノイマンによれ ザハロフの伝記を書いたロ・ハ ~ 、を物実 - 外国人記者にもば次の通りである。「ハイラム卿の物語の証拠になる ムわかるように、文書をウィ 1 ンで探したが、オ 1 ストリアの公文書保 管所では何も見つからなかった。やっと私の探してい ク田刀はフランス た記録文書の表紙だけが発見できた。しかし中身は明 ~ と英語で同じこ とを繰返した。らかにある高貴な筋から要求され、貸出され、二度と 7 「ノルデンフェ戻らなかった。」 1 第

9. 現代世界ノンフィクション全集6

一方、もののわかった平和主義者であるならば、核ラ出身の客引きが強大な権力をもっ科学者に代り、国 兵器が戦争の抑止手段として働いているのを否定する防省内に巣喰う無名のテクノクラートに入れ代っただ ことは、それは知的な不誠実ということになろう。つけである。死の商人はあいも変らず利益をむさ・ほって いるが、今は人間の狂気に資金を投じているのは、納 まり、対立する両陣営が核兵器を保有しているため、 不安定ながら平和が維持されーー楽観主義者が言うよ税者である。実験室で研究をつづけ、製図板に向う無 うに、もしかすると、永久の平和がもたらされたにも数のザ ( ロフに力をかしているのも、また税金を納め ほ・ほ等しい状態になるかもしれないことを否定するなている一般国民なのである。 らば、それは不正直と言うべきであろう。また、科学 者は適格な判断を下すけれども、時としてそれに反す るような行為をとる。真実は一般市民に伝えてはよく ないなどという馬鹿げた考えにしばしば科学者はとら われ、核兵器の貯蔵や実験が危険でないなどというマ ス・コミュニケーションの催眠術的なナンセンスに強 い支持を与えたり、黙認したりするのは、同じく非常 フに危険きわまりない。マス・コミュニケーションは、 何の確証もなく、核実験がもたらす遺伝的危害を過少 人評価したりするのである。 商 の 一九六〇年代の各国の政策は、いまだにバジル・ザ 死 タタヴ ハロフがめぐらした策謀の一変種でしかない。 159

10. 現代世界ノンフィクション全集6

死の商人ザハロフ しかし、ドイツに主導権を与えてしまったならば、そばならない。ョ 1 ロツ。ハの各国が真の独立を願うかぎ れは長期的に見てスペインの利益とはならないであろり、ヒットラ 1 は敵なのである。ヒットラーは、単に ドイツ人が生きていくために必要な土地や植民地を要 う。フランス、イギリス、またイタリアの利益にもな らないであろう。それにもかかわらず、ドイツは、ヨ求しているだけではない。それどころか、全世界の支 ーロッパの覇者として、主導権を奪取しようとしてい 配を要求しているのである。ヒットラー政権は不健全 るーーわれわれをポルシェビズムから救い出す代償とであり、将来は病根となるであろう。ザハロフはドイ して、ドイツはそれを要求している。それ故に、スペ ツの情勢によく通じ、これまでナチスのごろっきども インを救う仕事は、われわれ自身の手で行なわなけれと話をあわせてきたが、その彼が今では私と同じ意見 をもつようになってしまった。それよりも、カナリス が同じ意見をもつようになったことに、さらに注意し ていただきたい。新しい支配者ヒットラーをカナリス は好きでもないし、また信用もしていない。現在のと ころ、カナリスは、ヨーロッパ中で最良の味方である。 ザハロフは、力をふるうにはもう年をとりすぎてしま った。しかし、ザハロフは賢明であり、われわれのド ィッに対する過信を打破してくれるであろう。それは、 今回にかぎって、さすがのザハロフも商売抜きで考え ているからである。ドイツが再び世界戦争をひき起す のではないかと考えると、ザハロフは背筋が寒くなる ファン・マルシュ ノ 51