指揮者 - みる会図書館


検索対象: 長年の大疑問 3
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1. 長年の大疑問 3

っと効率的におこなうことも可能になる。 専門家たちは、この素朴な疑問を解くために四半世紀以上にもわたって研究を続 けた。その結果わかったのは、カイコはたぐいまれな偏食家だという事実である。 確かに桑の葉には、カイコの食欲をそそる香気成分も、実際に食べて″うまい と感じさせる成分もふくまれている。また、カイコの成長を促す物質も、桑の葉の 中に存在する。 こうした物質はほかの葉っぱにも存在しているが、桑以外の葉には、カイコの嫌 いな物質も同様にふくまれているため、カイコはそれらを食べようとしない。偏食 の人ならわかるように、嫌いな食べものというのは、ニオイ、歯ごたえ、味などの 要因で決まってくる。早い話、カイコにとって桑の葉は、そのような阻害要因がな い唯一の食べものなのである。 じつはカイコは、味覚器官の役割をはたす二本の感覚毛をもっており、これらの 働きによって、嫌いな食べものを判別している。だから、感覚毛をとってしまえば、 人工飼料を考えなくても、桑どころか、なんでも食べてしまう。 最近では、感覚毛をもたない、 つまり、偏食の心配のない新しいカイコがつくり だされているという

2. 長年の大疑問 3

である。 人間もふくめて、哺乳類や鳥類、魚類は、体の中心に骨をもち、その周囲に筋肉 のついた脊椎動物だ。一方、昆虫は無脊椎動物に分類されている。 しくら堅い外皮をもっていても、体内に骨がない分、外部 昆虫が巨大化すれば、 ) からの圧力に対して弱くなるわけだ。つまり、屋根と四辺の壁と床だけでできた家 のようなもの。柱の一本もない、すじかいも人っていない家を建てるなら、物置か 納屋程度が限界というのと同じことなのである。 もう一つ、呼吸の問題もある。昆虫は鳥や獣のような肺をもたず、体の側面にあ る気門から気管を通って空気が入っていくのだが、これが長すぎると、空気の出し 入れが不可能になる。せいぜい一〇センチ程度が限界だ。当然体の大きさにも限度 が生じるというわけである。 片 や じ < アオムシに寄生するハチは 言解 どうやってアオムシを見つけるの ? の謎 議の 小学校の理科の実験などで、アオムシを飼った経験のある人なら、あのちょっと思物 不動 気色の悪いアオムシが可愛らしいモンシロチョウへと変身していく様子に、感動や

3. 長年の大疑問 3

められている。 たいてい、オスがメスから一・五メートルくらいのところまで来ないと、そこに 異性がいることがわからなかったという。 ニオイだけでなく、光を発するホタルの場合でも、光るものに吸い寄せられては 来るが、オスがメスの存在に気がつくのは、やはり一・五メートル以内。 意外に近いことに驚いた人が多いのではないだろうか。 昆虫の性フェロモンは、あたり一面風にのって拡散し、遠くからでもオスをよび 寄せるイメージがある。しかしこれでは、人間の女性が、喫茶店で向き合った男性 に媚びを売る距離とたいしてちがわないではないか 昆虫が鳥や獣くらい 大きくなることはないの ? 特撮映画で、ゴジラと闘ったラドンは、コウモリをイメージして考案されたとか。 これを考えた人は、きっと生物学の基礎知識があったのだろう。カプトムシやチョ ウチョをイメージしていたら、おかしなことになったからだ。 というのもコウモリとカプトムシのちがいは、脊椎動物かそうでないかの差なの

4. 長年の大疑問 3

また、小さなレンズの一つずつは、人間と同じで 正面がはっきり見えて周囲はばやけているらしい したがって、映る光景の範囲がダブる形で、モザイ ) ノク状の景色を目にしていると考えられている。 . 昆虫のフェモしは ・どのくらい遠くまで届く ? 昆虫のフェロモンの存在にはじめて注目したのは、 『昆虫記』で有名なファ 1 プルだ。メスの蛾を入れた 、籠にオスが飛来するのを見て、籠からニオイがもれな ないようにすると飛んでこない、メスの人っていたけ 空の籠には飛んでくるという実験結果から、なんら片 じ′ かのニオイの存在に気がついたのである。 の 1 ではこのフェロモンの効力が届く範囲というのは、 議 ( どれくらいなのだろう。 不一 いくつかの実験で、そう遠くではないことが確か イ / 彡 0

5. 長年の大疑問 3

また、ゴキプリは自分の仲間を殺した人間を認知して記憶し、その人間を見かけ ると身を隠したり、死んだふりをするとも報告されている。 複眼をもっ昆虫には 同じ景色がいくつも見えるのか ? 「トンボのめがね」という童謡がある。トンボのメガネ、つまり目は、青い空を飛 ぶと青になり、虹の空を飛ぶと七色になる、と歌われるのだが、外見は複眼のレン ズが反映してそう見えることもあるかもしれない。 では、トンボ自身も本当に、複眼を構成する小さなレンズの一つ一つに映った、 ちがった光景を目にしているのだろうか。 確かに複眼の一つ一つはレンズだから、広い範囲に向かっていて、それだけ別々 の光をたくさん取り入れていることになる。けれど人間のように、レンズの視神経 がそのまま脳につながっているわけでなく、複眼それぞれの視神経が一本化された 形で脳に届く。当然、届く画像は一つである。 あくまで推測だが、人間より広い範囲にレンズが向いている分、おそらくカメラ の魚眼レンズで見るような視野だろうといわれる。

6. 長年の大疑問 3

. 世界でいちはん 賢い昆虫といえは ? この世でいちばん賢い昆虫は ? ズバリ、ゴキプリである。 やつばり、と思う人が多いだろう。 あのすばしこさ。ゴキプリ捕りをしかけても、退治できるのは一握り。殺虫剤を かけるとあおむけに死んだふりなぞして、しばらくすると動きだしたり、急に飛ん でみたり。 燻煙してもしぶとく生き残っているヤツもいるし、退治したと思っても、ちょっ と残飯でもあればどこからかかぎつけてやってくる。 いまもしつかり種を保け 三億年の間、まるつきり進化していないといわれるのに、 存しているところをみると、生き抜くための知恵は、もしかして人類より進んでい片 るのかもしれない。 言解 の謎 それを証明したのが、ドイツのボン大学昆虫学者グループ。 議の ジョン・グ 1 デカス博士が中心になった研究で、二メートル四方の中にしかけた思物 不動 一万本の迷路を、わずか一分で通り抜けてみせたという。

7. 長年の大疑問 3

2 く漂っているのだ。 ならばオスとメスはどうやって出会い、近寄り、 、 \ \ 産卵するのか ? なんと偶然を待っしかないのである。大海を漂う うち、たまたまオスとメスが出会ったら、それが千 」ン載一隅のチャンス。そのときだけおおいに子づくり するのだ。その卵の数は三億個にも達するとか。 今度いつ、どこでオスとメスが出会うかわからな いのだから、できるときに、産みまくるつもりとい ノノうわけか。 けれど外洋で、オス・メスそれぞれがばらまくよ うな産卵だから、受精率も悪いし、孵化するのがど れくらいなのかも不明である。 そのせいかどうか、マンボウという名前が広く知 られているわりには、実物を見た人は少なく、日本 の水族館にも数尾しかいない。

8. 長年の大疑問 3

飛行距離はふつう、八—一〇メートルくらいだが、種類によっては三〇〇—四〇 〇メートル飛行するものもある。 もちろん幼魚も空中飛行をおこなうが、これは彼らの護身術だからなのだ。小さ いときから訓練しているのだろう。なにから身を守るかというと、シイラ、マグロ、 イルカなどにとって、トビウオはごちそうなのだ。 泳ぎがあまりじようずでないトビウオは、海面に一時逃亡しては、この難を逃れ ていたというわけである。 海を漂うたけグマしボウは どうやって繁殖するの ? な 『どくとるマンボウ』というのは、作家・北杜夫氏のシリ 1 ズエッセイで、彼自身け が名付けたもの。そのきっかけというのが、マグロ船に船医として常務していたと片 き見かけたマンボウの、日がな一日ゆらゆらと波間に漂う姿が気に入ってしまった¥ からだそうだ。 の謎 議の しかし、マンボウはなまけ者だから泳がないのではない。ふつうの魚のような尾思物 不動 びれと腹びれがないため、泳ぎがヘタというより、自力で泳げないので、しかたな

9. 長年の大疑問 3

コ 7 ち ) / マムシ ただし、マムシよりもっと強力な毒をもっコプラ よ、挈 : つはゝゝよ コプラ同士がかみ合うと、相 手の毒で倒れてしまう。こんな毒ヘビが日本に生息 していなくて、ほんとによかった 氷点下の海の中で ・魚が死なないのはなせ ? 気温が氷点下に下がった朝、凍りついた道路で転 んで痛かったり恥ずかしかったりした経験をもって いる人は多いはず。また、車のエンジンがかからずな 立ち往生するケースも多い。かっては、水道管が破 片 裂することもよくあった。 凍るような寒さの中に長時間いたら、転ぶどころ言解 の謎 か命の危険にさらされるだろう。ところが南極では、 議の マイナス三度という氷点下の海中でも、魚たちは元思物 不動 気よく暮らしている。南極の魚が凍死したなんてい

10. 長年の大疑問 3

, 大疑問 2 : ・ ◎不思議の一言じゃ片づけられない動物の謎を解く 海鳥はノドが渇いたら なにを飲むの ?