◎左記の文献等を参考にさせていただきました 「カプトムシにはなぜ角がある」矢島稔「タイは恋をすると赤くなる」中村幸弘「雨のち曇りときどき晴れのサイエンス」嶋村 克山岡豊太郎 ( 以上研究所 ) / 「正月はなぜめでたいか」岩井宏實 ( 大月書店 ) / 「先生を困らせたの質問」マーチン・ ・ゴールドウイン著山崎昶訳 ( 三田出版会 ) / 「誰も眼をつけなかった科学の奇妙な世界」・アカンバーク著野中浩一訳 ( 出版局 ) / 「最新テクノロジー不思議 ? なるほど / 」小林正憲中川路明編著 ( 日本実業出版社 ) / 「ミルクの不思議を 科学する」中澤勇一一工藤カ ( 東京美術 ) / 「学校で教えない科学常識ウソ・ホント」大槻義彦編著 ( 経済界 ) / 「身のまわりの ? を探る」小島義弘今井清幸中村八平 ( 研成社 ) / 「赤ちゃんには世界がどう見えるか ? 」ダフニ・マウラ & チャールズ・マウ ラ ( 草思社 ) / 「ペンギンはなぜ飛ぶのをやめたのか」田代和治 ( 実業之日本社 ) / 「やんごとなき姫君たちのトイレ」桐生操 ( 出版 ) / 「カラスは天才 / 」唐沢孝一 ( ごま書房 ) / 「キリンの頸はウイルスで伸びた」佐川峻中原英臣 ( 毎日新聞社 ) / 「博学教授のおもしろ読本」板坂元 ( 同文書院 ) / 「なぜカエルからヒトが生まれないのか」若原正巳 ( リョン社 ) / 「フグはな ぜ毒で死なないか」吉葉繁雄 ( 講談社 ) / 「アリはなぜ一列に歩くか」山岡亮平 ( 大修館書店 ) / 「ウータン」 / 「鉄道ファン」 / 「月刊天文ガイド」 / 「歴史読本」 / 「トリガー」 / 「朝日新聞」 / 「読売新聞」 / 「日刊ゲンダイ」
235 0 たとえば「アルコールで神経がマヒするのに慣れ ているから」。あるいは「酒だってある種の麻薬。習 慣性があると耐性ができているから」など、アルコ 4 ール中毒とまではいかなくても、お酒が強くてしょ っちゅう飲んでいる人は、いざ手術というとき麻酔 カカかりにくいとい , っことか、よくいわれる。これ はほんとうだろ一つか 毎日、晩酌を欠かさないという程度なら心配いら / ない。かなり強くて、接待漬けで午前様続き、しら解 ふの夜はないという人も、そう心配する必要はない。 らを 知み つまり、アルコールは麻酔に影響をおよばさないとだ組 ま仕 ゝゝ 0 だの ま体 静脈注射の場合、最初に少しかかりづらいという
234 快適に感じる気温が 体温よりかなり低いグはなせ ? 人間の体温は、つねに約三七度になるように脳の中枢でコントロールされている。 極寒の地にいて体温が下がれば、体内の代謝機能が活発になって、エネルギ 1 をつ くるメカニズムが働く。逆に灼熱地獄に身をおけば発汗が促され、その気化熱によ って、皮膚から熱が外に放出される仕組みになっている。 わたしたちは、もっとも快適だと感じる気温は二〇 5 二五度くらいだということ を体験的に知っている。体温との差は一〇度以上。こんな低い気温をどうして気持 ちいいと感じるのだろうか。 人間は、呼吸し、歩き、働き、そして食べるなど、さまざまな活動を日夜つづけ ている。こうした活動をするためには、当然、エネルギーが必要である。体内では、 要求された活動に応じてエネルギーがつくられるから、自然に体温が上がるのだ。 体温と同じ室温にいると、ちょっとした活動でも発汗作用によってエネルギーの これでは、体は過熱ぎみとなり、不快な気分に 燃焼分を放出しなければならない。 なるわけである。
を引き出そうとするから禁止されているだけかと思ったら、それ以外に副作用の危 険もいわれるようになった。 ラットを使った実験で、筋肉増強目的に使うタンパク同化ホルモンの投与が続く と、ほとんどが凶暴になったり、うつ状態になったりしたという。 さらに前立腺が二・五倍、心臓と腎臓が一・二倍に肥大し、精巣は八〇パ 1 セン トに縮むという肉体変化もあった。血液も粘り気が増して血栓のできやすい状態に なっている。 — O O が一九六四年におこなったドーピング・テストで検出した薬物の約六割が タンパク同化ホルモンだったことを考えると、人間への副作用を無視できない。 現実には大量服用によって男性は無精子症、乳房がふくらむなど女性化し、女性 は髭ゞ カ生えたり声が太く低くなったりして男生化するという、ホルモンバランスの 解 崩れによる症状が出る。 これはオリンピックに出場するような選手についてのみいえることではなく、市 知み 販の強壮剤や健康補助食品などにタンパク同化ホルモンがふくまれているケースもだ組 ま仕 あり、アマチュアのボディビルダーやサイクリストの中に前記のような症状を訴えだの ま体 る人が、すでにあらわれている。
9 9 まられ・ 門医ピエール・ラサ 1 ル博士によって研究報告がお こなわれたもの。 この病気にかかると、感情的になり、行動もチグ ハグで気力をしだいに失っていくという悲劇が起こ る。博士の報告した一三歳の少年は、原因不明の記 / メ ( 憶喪失ともいえるもので、正常な会話すらできなく なり、日常生活にも困難をきたしているという。 ・ドーピしグに使われる薬物は ・体に害をおよほすのか ? ドーピングというのは、スポーツ選手が禁止薬物 を使用して運動能力を高めることだが、興奮剤や麻 薬より、おもに筋肉増強剤としてのホルモン、メチ ルテストステロンが問題になる。 タンパク同化ホルモンの使用で肉体をつくりかえ、 選手本来の練習・訓練によって得るもの以上の能力 3
231 ら、ヘッゲス症候群とよばれている。 そんな伝染病なら、ぜひかかりたい引 アルッハイマー病は 何歳以上の人がかかるもの ? 一般的にポケるといっても、ただ年をとって記憶があいまいになるのと、脳梗塞 などの後遺症によるものと、アルッハイマー型のものは別ものである。 原因不明の脳の萎縮が始まり、しだいに進行し、症状があらわれるのがアルッハ イマ 1 病。レーガン元アメリカ大統領がこの病気であることを、まだあまり進行し ていないうちに公表して話題になったものである。いずれ自分がなにもわからなく なるとわかっている苦しみは、どんなものだろう。 いったい何歳くらいからアルツ / 解 ハイマー病にかかるのだろうか ? じつはあくまで病気のアルッハイマーだから、老人がかかるというものではないを のだ。現実に世界じゅうで約一〇〇万人の一〇代の子どもたちが、この病気で苦し ま仕 だの んでいるという報告が出ている。 ま体 これは、ワシントンで開かれた一九九六年の国際医学総会で、フランスの神経専
0 、つ から、心臓の音を聞くと、そのときを思い出し、赤 ちゃんは心が落ち着くなどといった説は、専門家の 間でも知られている。 これは、アメリカの心理学者リー・ソークの主張 に端を発した考え方だが、じつのところ、はっきり とした根拠はなく、この主張はむしろ間違いとする 意見も多くある。 胎児に音を聞かせると、さまざまな身体反応を起 こすけれど、それらはけっして長つづきしないこと が、多くの研究結果から明らかである。つまり、反 復される音に対して、胎児はすぐに関心を示さなく なる。 喫茶店などのと同様に、胎児は毎日聞く心 臓の音になんら注目していない可能性が高い。 したがって、心臓音のテープは、新生児の精神安 定、成長促進にはあまり役に立たない引
をよくするために、胎児はみずから頭を下にする姿勢になろうとするらしい。つま り、胎児はもっともラクな姿勢をとろうとするわけだ。このことは、人間の平衡感 覚器官が、生後六か月までに完全に発達することから推測できる。 多くの場合、逆子は、子宮内において、平衡感覚が十分に発達しないために起こ ってくるという。また、逆子で生まれた子どもは、学齢期に達して平衡感覚が弱い ということも報生口されている。 生まれたはかりの赤ちゃんは どこまで目が見える ? はじめての赤ちゃんは、両親だけでなく、その家族全員にとって可愛いものであ る。母親の胸に抱かれた新生児に笑いかけたり、新生児室のガラス越しに手をふつ たりする人もいる。赤ちゃんが少しでも反応すると、「この子、見えてるよ」などと 感嘆の声をあげたくなるだろうカ ゞ、はたして、新生児は目が見えるのだろうか。 生後一日の赤ちゃんでも、目の前になにかを置くと、それをじっと見つめる。と すれば、赤ちゃんには物がちゃんと見えていると結論づけるのは早計で、彼らには、 物がばんやりと見えるだけなのだ。実際、新生児の視力は、大人の場合では、ほと
しみなど吹き飛んでしまうのだが、もちろん、初産の痛みが忘れられずに、「子ども は一人」を宣言する人もいる。 この広い自然界に、この産みの苦しみを知っているオスの動物は、いないのだろ うか。そこで、登場願うのがタッノオトシゴ。この、体長たった四センチの魚の場 合、卵を腹で育てるのも、産むのも、その後、子育てするのも、全部オスの仕事。 タッノオトシゴのオスは、お腹に卵を育てるための袋をもっている。メスがその 袋に卵を産みつけたあと、オスはその卵を大事に育てる。産卵から二 5 三週間たっ と、卵は袋の中でかえり、小さいが親と同じ形の子どもは、すぐに海へと出ていく のである。 この間、メスはどうしているのかといえば、オスのまわりをグルグルまわってい るだけで、ほとんどなにもしない。オスの袋に卵を産みつけた直後に、オスと卵の もとを去って、自由な生活をエンジョイするメスも多いという。 昔は、雌雄ペアのタッノオトシゴを袋に入れて安産のお守りとしていたものだが、 オスの努力と苦しみに対するメスの自由勝手さを考えると、その御利益のほどに首 をかしげたくなる。 でも男性の皆さん、少しはタッノオトシゴを見習ってくださいね。
220 ク 0 つ。。つの では自分でなんらかの方策を講じるしかないといえ よ一つ。 ガン細胞を殺す 物質が発見された刊 集団検診の徹底のおかげか早期発見が多くなり、 胃ガンの治癒率はかなり高まっている。 手術以外にも、あれこれ新薬の研究開発も進んで かって難病といわれた結核が、ペニシリンの登場 で画期的な治療法発見といわれたように、ガンにも 特効薬の登場が待たれるところだ。 結核にとってのペニシリンのような、画期的な薬 になれるかどうかは別にして、一九九六年の日本癌 一学会で発表されて注目を浴びた物質がある。 それが、モンシロチョウのさなぎと成虫から抽出 0