贈り物 - みる会図書館


検索対象: 冠婚葬祭入門
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1. 冠婚葬祭入門

結婚祝いが、式当日になってしまった場合 来客のサインと祝いのことばは、控え室で は、現金を包む 書いてもら、つとよい 結婚祝いの贈り物は三九。ヘージでお話しした 銀婚式を迎えたお友だちの家をたずねたら、 びようぶ ように、式の一週間ぐらい前に持参すべきです。お座敷にすてきな屏風がありました。二十五年 とくに女性へのお祝い品は、花嫁の荷物を婚家前の結婚披露宴の客の署名と祝辞とをはりまぜ なり新居へ出す前にとどけるのが親切です。 て、こんどのお祝いの記念に作ったのだそうで しかし、旅行していて留守だったり、病気中す。 だったりして、事前にお祝い品をとどけること ふつう結婚披露に招いた客のサイン帳は受付 ができなかった場合は、当日持参するのもやむに備えますが、混雑するので控え室に移したほ で まをえません。しかし、そのときは大きいものやうがよいと思います。待ち時間を利用すれば、 織重いものはやめて、のし水引の金包みを。お金ゆっくりと書いていただけますし、署名だけで かならば簡単にしまえて、ご迷惑をかけずにすむなく、なにか一、二、お祝いのことばもおねだ 合からです。「本来ならお宅へおとどけするべき りすることができます。筆のほかに、カラーの ですが、旅行をしておりまして : : : と理由をサイン・。ヘンなども用意しておけば、絵心のあ 章 言って、本人直接にではなく、両親なりきようるお客さまなら、いっそう楽しい記念作品を創 第 だいに託します。 作してくれるでしよう。

2. 冠婚葬祭入門

じゅうばこ 重箱に赤飯などをもらったときは、空で返 さない 出生届を出すときは、父親にとって、元気な うぶごえ 昔は、贈り物をとどけるときは、必ず折敷、赤ちゃんの産声をきいた瞬間についで、とても ふくさ 盆などの容器にのせ、その上に袱紗をかけてさ感激する場面といわれます。届け出は、出生日 しだしたものです。贈られたほうは、心ばかりをふくめて、出生後十四日以内に、生まれた土 のお礼のしるしとして、その容器におうつりを地の市区町村役場に届けなければなりません。 入れて返しました。 用紙は役場にありますが、大きな病院や産院に 明治時代にはつけ木を、現在はマッチを入れは用意してあります。医師、助産婦の出生証明 るのが通例です。つけ木にも、マッチにも、先と、母子手帳、米穀通帳に印鑑をそえて提出し に硫黄がついているので、硫黄を祝うと転じててください。 先方を祝う意味で使うわけです。最近は、マッ 居住地以外で出産した場合は、旅先の役場に チのほかに、半紙二枚を四つ折りにしたものが届けます。過日、私がアメリカ旅行中、乗り合 多く使われます。マッチや半紙のかわりに、あわせた飛行機の中で赤ちゃんが生まれたことが りあわせのものをおうつりしてもかまいませんありましたが、このように、汽車、船、飛行機 : 、いただいたものより高価なものは失礼にな などの乗物の中で出産したときは、着いた土地 ります。 の役所に届けなければなりません。 ん から おりしき 出生届は、生後十四日以内にする 106

3. 冠婚葬祭入門

教会結婚の費用は、ほとんど、花嫁側がも カよい っ さて、いよいよ、ハネムーンですが、その前 欧米流の風習では、結婚式の諸がかりの分担 は、新婦側がほとんどもちます。新郎側は花嫁に少しご注意申しあげておくことがあります。 とっきそいの花東代、つきそい〈の贈り物の費欧米では、披露宴が終わったのち、あとはダン 用、教会の費用のうちでいちばん経費のかかるスになることが多いようです。まず花嫁が自分 装飾用の花代と音楽の費用をのぞいたもの。その父または義父と、花婿が母や義母と踊り、つ いで新郎新婦が踊って、舞踏会の皮切りをしま れに式の世話をしてくれた人びとに対する謝 す。そして全員楽しく踊っているうちに、ふた 、新郎側の乗物費用など、費用の額の少ない りは旅行に出かけます。 まものばかりです。 ところが、最近日本では、宴の半ばで、招待 織これに対して、新婦側の負担は、花嫁衣装の ら 費用、教会の飾り花費、オルガン、コーラスの客をほっぽり出して主役が消えてしまいます。 合謝礼、式次第書の印刷費、披露レセプションの夜あかしの自宅披露宴なら、それもよろしいの 費用、乗物の費用などかなりの負担額になりまですが、ホテルなどの披露宴はせいぜい一「 時間ですから、宴が終わって来賓を送り出して 一す。そこで、すべての行事は新婦側の親たちに から、出発するのが礼儀です。 できる範囲にするのが常識とされています。 新婚旅行は、来賓を送り出してから出るの

4. 冠婚葬祭入門

たからぶね 元旦の夜は枕の下に宝船の絵を入れる 初夢というのは、元旦の夜に見る夢のことを 子どもにとって、お正月の楽しみのひとつは なんといってもお年玉をいただけることです。 いいます。宇宙開発がめざましい発展をとげて いる今日でも、私たちはいい初夢を見れば、こ お年玉というのは、本来は神様への供物であり 同時に神様からの賜りものを意味しました。その一年いいことがありそうだと喜び、いやな夢 だと気になるものです。 れがしだいに正月の贈り物全般をさすようにな むろまち り、いまでは現金をさすようになりました。 この初夢によい夢を見るために、室町時代か お誕生日にも、クリスマスにも、ほしいものら宝船の絵を枕の下にしいて寝る風習が行なわ を買ってもらえるけれど、現金を手にする魅力れていました。宝船の絵というのは、金銀財宝 しちふくじんたいこうばう は格別です。〃自分のお金 4 を持っということを積んだ宝づくしの船に、七福神や太公望の乗 は、おとなの仲間入りをしたようでうれしいもったさまを描いた絵です。私が子どものころ枕 のです。年始先の子どもへのお年玉は、小学生の下に入れてもらったのは、船の中に稲を置い ごじようてんじん ぐらいまででよいでしよう。子どもの顔を見てただけのものでしたが、これは京都五条天神の さいふ からあわてて財布を出すようなことなく、あら もので、宝船のもっとも古い図柄でした。暮の かじめ小さなのし袋にきれいなお札を用意してうちにお子さんに宝船の絵を描いてもらうのも おきたいものです。 楽しいでしよう。 お年玉は小学生まででよい たまわ

5. 冠婚葬祭入門

、中学校の卒業祝いは入学祝いとかねる 、中学校の卒業は、中、高校への入学をも「冠婚葬祭」ということばの冠婚を結婚のこと 意味します。ですから、家庭でのお祝いは、卒だと思っている人が多いようですが、まえにも 業と入学をかねてすればいいでしよう。七五一一一述べたように、冠婚葬祭は人生における四つの げんぶく ふし 別々の儀式をあらわしたことばで、冠は〃元服 は幼児期の節、そして、少年少女期の節が、小、 かかん 加冠の式〃の冠、つまりいまの成人式のことで 中学校の卒業と入学です。それぞれの節ごとに お祝いをして、子どもの成長を感謝し、本人にす。昔は貴族や武家の男子が成人すると童髪を かんむり 改めて結髪し、冠をかむり、おとなの服をつ も自覚を持たせることは意義のあることです。 内祝いですから、家族だけで祝い膳につき、本けて成人の式を行ないました。 現在は、一月十五日を″成人の日〃として国 人が日ごろほしがっていたものをお祝いに買い 民の祝日にきめ、二十歳に達した男女に選挙権 与えれば、よろこびが倍加します。 よそのお子さんへのお祝いは、学用品、万年や結婚の自由の権利が与えられ、反面おとなと しての義務を負わされます。成人祝いは、自宅 筆、時計、書籍、服飾品などを。私は、子ども への贈り物には、年齢より一段背伸びしたものでするよりも、レストランかビャホールなど、 をあげます。おとなになったような気がするらおとなのムードのなかで祝杯をあげ、社会人と しての自覚をうながすようにしたいものです。 しく、たいへんよろこばれます。 193 194 成人式にビールやお酒で乾杯するのもよい 120

6. 冠婚葬祭入門

荷物送りといっしょにおみやげをとどける 荷物送りのとき、先方の家族にそれぞれおみで言うとよい やげをとどける習慣があり、以前は、婿の父親結婚式と披露宴の最後の打ち合わせは、だい はかまじ には袴地、母親には小袖や帯などを贈ったものたい一週間前に、式場の係りや司会者をまじえ です。いまは、父親にはネクタイ、母親には帯て行なっておきます。四日前くらいには式当日 じめ、妹にはハンドバッグ、弟には万年筆程度に必要なもの、衣装、新婚旅行の荷物、祝儀袋 が適当です。紅白の水引をかけて寿としるし、 などが全部そろっているか、メモと照らし合わ 左上に父上様、母上様などと書き、下に嫁の名せて確認しておきます。すべての準備はそれま を書きます。 でに終えて、挙式前日はゆったりとした気持ち おみやげを、新婦の親が、相手の親に渡すこで迎えたいものです。 とがありますが、本来は、新婦の手からそれぞ家族との最後の夕食の席で、大切に育ててく れに渡すものです。そして、新婦が里帰りのとれた両親に感謝のことばを述べると、感傷的に きに、必すそれに相当する品を新郎の名で新婦なりすぎて、興奮のあまり眠れなくなるおそれ の家族にお返しします。こういう習慣は廃止し があります。家族との別れの挨拶は当日の朝食 にまわし、最後の晩は楽しいだんらんにとどめ たほうがよいという声もありますが、心のこも て、睡眠を十分とるべきです。 った贈り物は虚礼とはいえないと思います。 あいさっ 家族との別れの挨拶は、式当日の朝食の席

7. 冠婚葬祭入門

荷物送りは挙式の一週間前が適当 たんすふたさお 昔は、嫁入り道具を先方にとどけるのは、婚 荷物目録は、「一、簟笥弐棹」「一、 姻の儀式の重要な一部で、結婚式当日の早朝に ン壱台」というように書き並べ、個数は奇数 送り出すのが慣例でした。いまでも地方では、 になるようにします。奉書に書くのが正式です 定紋つきの油紙をかけた嫁入り道具に、半天、 が、便箋に。ヘンで書いてもけっこうです。昔か 花笠姿の運搬人がっき、責任者が荷物の目録書ら、嫁入り道具は夫が自由にできない妻の財産 とカギを持って、挙式日の早朝に送り出す旧家とされてきたので、目録はその証拠にもなるわ があります。 けです。つまり、贈り物ではないので、宛名も、 しかし現在は、ふつう荷物送りは結婚式とは送り主の名も書かないのが正しいのです。奉書 で ま切りはなして考えられており、荷物といっしょ の場合は、別の奉書二枚で上包みをし、便箋は 結に荷物目録の受け渡しをする程度です。挙式の上質の封筒に入れて、荷物目録と書きます。デ 一週間ぐらい前が適当ですから、そのころの晴 。ハートなどから直接婿方へとどける品は、目録 合れた日曜日を選ぶとよいでしよう。 に何日にとどくかを書いておくこと。 こんばう そして、おめでたいことですから、運搬して 荷物がとどいたら、婿方は荷の梱包をといて 一くれた人にも、よろこびをわかっために祝儀を部屋に並べます。ただ、あずかりものですから 包むのが習慣です。 勝手にひき出しをあけたりしてはいけません。 じようもん はながさ 嫁入り荷物には、花婿側は手を触れない はなむこ

8. 冠婚葬祭入門

まぐり 雛祭りには蛤のお吸物をつくる 雛段は奇数にする じようしせらえ 室町時代には、三月三日は上巳の節会とい 現在の雛飾りは江戸時代の後期にできあがっ 、白酒を桃花酒と呼んで飲む風習がありまし たもので、関東と関西では少しちがいます。私 の少女時代、京都の生家では上段に御殿を置た。これが雛祭りと結びつき、桃は雛祭りの き、内裏雛をその中に飾り、雛段は二段ほどの花とされました。雛遊びは平安時代の書物にも スッキリした飾りつけでした。江戸風は御殿は見え、いまの子どものままごと遊びのように、 なく、そのかわり雛段を五段、七段と奇数にして当時の子どもも雛や館、食器、乗物などで家族 ずいじんじちょう 高くつくります。官女、随身、仕丁は東西とも遊びをしたようです。のちにはこれらの雛や道 具を縁故者の娘や自分の娘への贈り物にするよ 飾りますが、五人囃を加えるのは江戸式です。 うになりました。 独特の雛飾りをする地方もあります。 標準の飾り方は上段に内裏雛、その両側に一 いまでも雛祭りのごちそうは、おすしと蛤の 対の瓶子、さらにその両横にぼんぼり、後ろにお吸物がきまりになっていますが、蛤は自分の びようぶ 金屏風を立てます。二段めは官女、三段めは五フタでなければ絶対に合わないというところか 人囃、四段めは随身を左右に、中央に膳部を据ら、女の貞節を教えたものです。蛤のお汁、あ たちばな え、五段めに仕丁をおき、両脇に桜と橘をおさりとわけぎのぬたなど、いずれも春らしい季 きます。 節感のあふれた献立です。 だいり ばやし 329 やかた

9. 冠婚葬祭入門

お中元に遅れたら、「暑中お見舞い」とし 暑中お見舞いなどに書く日付は、月の異名 て贈る を使うのもよい お中元の贈り物は、関西では月遅れの八月に 暑中見鉚い状の日付に月の呼び名を使うのも いいものです。月の異名をあげておきましよう。 するのが多いのですが、ふつうは七月十五日ま むつき でにします。十五日を過ぎてしまったら「お中 一月睦月初空月太郎月初春月 きさらぎきさらぎ 元」とは書かず、「暑中お伺い」または「暑中お 二月如月衣更着梅見月 見舞いーとしてとどけます。 三月弥生花見月桜月 うづき はなのこし また、暑中見舞い状は七月の十五日ごろから 四月卯月卯の花月花残月 さなえ さっき 八月八日ごろの立秋までに出すのが礼儀です。 五月皐月立花月早苗月 なるかみ とこなっ みなづき 私の友人に毎夏、金魚とか朝顔などの涼しげな 六月水無月風待月鳴神月常夏月 はりえ ふみづき おみなえし 図案を和紙のはがきに貼絵した暑中見舞い状を 七月文月七夕月女郎花月 にづき くれる人がありますが、とてもうれしいもので 八月葉月秋風月月見月 ながっき ねざめ す。山や海の旅先からだったら、絵はがきを暑九月長月紅葉月寝覚月菊月 かんなづきしぐれ 中見舞い状にするのもよいでしよう。ついうつ 十月神無月時雨月初霜月 しもっきかぐら かりして出し忘れ、立秋を過ぎてしまったら 十一月霜月神楽月雪見月 うめはっ しわす みふゅ 十二月師走春待月梅初月三冬月 「残暑お見舞い申し上げますとしてください。 もみじ