んとうは夫の子でなくても、夫が法律上の父でない子は、父が認知をした子と、認知をし 子 として、出生届をしなければなりません。でない、すなわち、法律上は父の知れない子と 子 すから、実際は何年もまえに夫婦別れをし、 の、二つに分かれます。 と 妻がほかの男と暮らしていてこどもを生んだ 嫡出でない子の出生届は、母がしなければ親 場合、前夫との間の籍が抜けていなければ、 なりません。そして母の戸籍にはいり、母の 見その子は法律上は、前夫の子として届け出な姓を名のり、母が親権者になります。父が認 ければなりません。 知をした場合にも、法律上父が明らかになる 前夫すなわち法律上の父は、そのこどもが だけで、右のことに変わりはありません。 生まれたことを知ったときから一年以内に、 この場合、親権者を母ではなく父にしたい 子または母を相手に嫡出否認の訴訟をおこ ときは、認知届のほかに父母の協議で父を親 し、そして裁判で自分の子でないことが決ま権者とするということを、戸籍吏に届け出な 一」ど ) も ったうえで、戸籍が訂正されます。 ければなりません。 また結婚はしたが、籍を入れない間に妊娠また認知した子を父の戸籍に入れ、父の姓 したときは、こどもが生まれるまでに婚姻届を名のらせるには、家庭裁判所に申請して、 嫡出の子 を出しておけば、その子はその夫婦の嫡出子子の氏変更の許可をもらい、許可の審判書を 嫡出の子というのは、法律上正式に結婚し になります。しかし婚姻届を出すまえにこど添えて届け出をすればよいのです。父が親権 ている、いわゆる籍のはいっている夫婦の間 もが生まれてしまうと、父母の結婚の届のほ者でない場合も、姓だけを父の姓にすること に生まれたこどものことです。婚姻届を出し ができます かに、父の認知の届をしなければ、その子は てから二〇〇日以内に、または結婚解消 ( 離嫡出子にはなりません。 認知は、こどもが自分の子であることを、 婚または夫の死亡 ) の日から三〇〇日以内に生嫡出の子は、父母の姓を名のります。出産法律上認める行為ですから、戸籍に認知の届 まれたこどもは、一応夫婦の子とみなされままえに父母が離婚したときは、離婚まえの父をしなければ効力はありません。こどもを実 母の姓を名のります。 す。これを法律上、「嫡出の推定」といい、 際に自分の子として認め、自分を父と呼ば 右の期間ちゅうに生まれたこどもを、「嫡出 せ、父としてめんどうをみても、認知届をし 嫡出でない子 推定を受ける子」といいます。この結婚の ないかぎり、その父と子は法律上親子にはな 日、またはその解消の日は、すべて戸籍の記結婚していない男女の間に生まれた子、まりません。 載により決まります。事実上夫婦になった日 たは夫からの嫡出否認の訴で、夫の子でない しかし父が自発的に認知の届をしてくれな や別れた日とは関係ありません。 と、判決または家庭裁判所の審判で決まった いときは、子や子の母から父に対して、″認 この期間ちゅうに生まれた子は、たとえほ 子を、嫡出でない子といいます。そして嫡出知せよという訴をおこすことができます。 しゆっしよう
, なります。 r5 とは平 万 相続人が妻と親の場合 X < 5 5 等ですから一人が二五 相続人と相続分 XO ら万万円ずつです。 次に、ととの間に子がない場合に、 結局、第 2 図のとおの親がまだ生きていれば、遺産は、妻と親と 相続人が妻と子の場合 り、 < の遺産一五〇万にゆきます。この場合に、相続分は、それぞ まず最も普通の場合、夫婦とこども ( 二人円は、五〇万、五〇万、 c5 二五万、一れ半分ずつです。したがって、第 4 図でいえ とする ) で構成される家族で、夫が死亡した五万と分配されます。 5 、のこの権利を代 ば、一五〇万円の遺 万 しゅう 馮一 2 とします。相続権者は妻と子です。相続財産襲相続といいます。第 2 図の例で、もしも < 昉産は、妻に七五万 図万 u- 4 西 2 円、の両親と C の三分の二は子にゆきます。二人の子はそれまた、のまえに死亡していれば、の子が 第 とに、それそれ乃一 2 を平等に分けますから、一人の子は三分の一やはり代襲相続をします。の子が五人いる 万円ずつ分けられま になります。配偶者である妻は、子と共同相とすれば、一人が一〇万円ずっということに なります。 続するときは三分の一が相続分となります。 す。もし親が一人しかいなければ、その親が 七五万円もらえます。 結局、二人の子と妻は、 夫万 非嫡出子 司それぞれ三分の一ずつ権利 相続人が妻と夫の兄弟 Ⅱがあることになります。第以上の例は、子がすべて嫡出子であること 姉妺の場合 を前提としています。嫡出子であれば、実子 団 1 図は、夫を、妻を、 万 でも養子でも、男でも女でも、嫁にいった者さらに、に子も親もいないときには、遺 二人の子を 0 、として、 も分家した者も、すべ産は妻との兄弟姉妹のところにゆきます。 の遺産を一五〇万円とした場合の分配額を この場合、妻の権利が三分の二、兄弟姉妹の て平等です。 示したもので、、 O 、それぞれ五〇万円 これにたいし、非嫡権利が三分の一です。 ずっということになります。 万 いま、第 5 図で、 嫡昉出子は、嫡出子の半分 弟 5 代襲相続 です。第 3 図で、 O と 兄司、をの兄弟とすると、 嫡昉は嫡出子、はと図一 もし子 0 が、その父より先に死亡してい の遺産一五〇万円は、妻 万 ′、、めかけ x < 万 妾との間に生まれた非第 に一〇〇万円、とä た場合にはどうなるでしようか。その子 O に とにそれぞれ二五万円ず さらに子があれば、 O の子が、死亡した O に嫡出子であるとすると、 @は、 O およびの 万 続 っゆきます。もしが 代わって相続権者となります。いま、 0 の子半額ですから、の遺産一五〇万円は、妻 相 に五〇万、 0 とにそれぞれ四〇万、に二より先に死亡していれば、 >-a の子、レが代 を 5 、とすると、 5 、 c3 で二人分あわせて、 襲相続しますから、の権利である二五万円 本来 O がもらうべき五〇万円をもらうことに〇万という計算で分けられます。 第 2 図 第 3 図 0 万 ( 50 万 ) 妾 ( 50 万 ) / \
父が死亡していても、死亡後三年以内なら検てきました。現在の日本の養子制度は、今なまれた人でも養子にできるのです。養親と養 察官を被告にして、認知の訴訟を提起するこお家や親のための要素が残っていますが、未子の間に、親子の間に通常存する年齢の開き とができます。 成年者を養子にするについては、家庭裁判所さえ必要としないところに、養子の幸福をほ また、父が認知したくても、子が成人にな んとうに考えない、旧民法のなごりをとどめ っ ると子の承諾がなければ認知できません。認あ ているといえるでしよ、フ。 知は、父だけがすることのように話しましたの もう一つの制限は、夫婦はいっしょでなけ も 0 中 が、捨て子のように母もわからなかった場 れば、養子をとることも他人の養子になるこ め た 合、あとで母がわかれば、母もその子を認知 ともできないことです。夫だけが、あるいは の 親 できます。 妻だけが、養子をとったり、また他人の養子 嫡出子と非嫡出子の間では、旧民法のよう になることはできません。ただ、夫が妻の連 たせこ のま な私生児とか庶子とかいう呼び名も、法律上 ー 4 れ子を養子にしたり、後妻が先妻の子を養子 はな の差別もほとんどなくなりました。しかし依 子は にするような、いわゆる配偶者の子を自分の 然として相続の場合は、非嫡出子は嫡出子の養て 養子にする場合は、もとより夫または妻が単 半分しか相続分がありません。これは、身分の許可を必要とすることによって、家庭裁判独でできます。 によって差別を設けたことになり、憲法違反所に監督的役割を与えたことは、子のための 家庭裁判所の許可 の疑いがないでもありません。 養子という近代的な考え方がとり入れられた 現われ、とい , フことができましよ、つ。 また、未成年者を養子にするには、家庭裁 判所の許可が必要であるということも、たい 養子の制限 せつなことです ( 配偶者の子を養子にする場合 日本の社会では、古くから家名を絶やすこ は、この許可は不必要 ) 。 とはいえ日本の法律では、養子をとるのは とは避けなければならないこととされてきま非常に自由で、養親になる者が成年に達して家庭裁判所は、養子となるこどもの幸福を したので、男の子のない家では、婿養子をし いること、自分の尊属と年長者は養子にでき なによりも考えに入れて、養親となる者が、 て家名を継がせました。また子のない人が、 ないことくらいが、制限といえるだけです。経済的にも精神的にも人の子を育てる資格が おじおば 老後をみてもらうため、養子をとることも古尊属については、世間には叔父叔母のほうあるかどうか、現在のこどもの環境から、養 くからありました。 が甥姪より年下という例がありますが、どん子になるほうが子のためにしあわせかどうか子 しかし西欧からの影響もあ 0 て、養子制度なに年上であっても、甥姪は叔父叔母を養子などを調査したうえで、許可の諾否を決めま 親 の本来の目的は、こどもの幸福ということでにはできません。また、年長者でなければよす。将来、芸者にするために養女にするとい なければならない、と考えられるようになっ いのですから、同年者すなわち、同じ日に生うような、以前はよくあったことも、家庭裁 養子
利義務の関係もなくなりません。 を持っていると考えるべきでしよう。こども良、時には処分行為も含みます。そして、こ 親権の内容は、ひとくちにいうと、子を監を育てる親が、こどもの居どころを決めたれらの財産上の行為は、親権者が子の代理人 督教育する権利と、子の財産を管理する権利り、しかったりする権利を持つのは当然とい となってできるわけですが、子と親の利益が です。そのいずれもむしろ義務であって、たえるでしよう。また親権者といえども、現に相反する場合、たとえば、親権者が子の財産 だ親のやっていることに、他人の干渉を許さ子を育てている親の意思を無視して、かってを買い取るとか、親子共有の財産を分割する ないという点に、権利といえるものがあるのなところに住まわせることはできません。 とか、子の財産を親権者の借金の担保にする でしよう。法律が親権の内容としているもの懲戒権について、法律は必要な範囲内で子とかの場合には、親権者はその子の代理行為 は、次のとおりです。 を懲戒してもよいといっております。必要なはできません。こんな場合、家庭裁判所に特 監護教育の権利義務これについての説明は範囲内というのは、監督や教育の目的を達す別代理人の選任を請求します。 必要ないでしよう。ただ、両親の離婚の際、るに必要な限度ということで、けがをさせる 親権者の変更 養育監護の権利義務を親権ときりはなして、 ほどの暴力をふるってしかることは、親権の 父母が離婚したとか、母と認知した父があ 親権者でない親を、養育監護者と決められる濫用であり、場合によっては刑事問題にもな り士しょ , つ。 ことをつけ加えておきます。 るような場合には、どちらかの一方がすでに 居住指定権と懲戒権これは、監護教育の一 職業許可権これも、もちろん未成年者を親権者になっているわけです。この場合、現 部と考えてよいものですから、親権者でない 守るためのものです。ですから、未成年者と在の親権者が親権を行なうのに適当でないこ 親が養育監護者である場合も、これらの権利い っても、高校生や大学生がアル・ハイトをすとがわかったとき、家庭裁判所に、親権者を るなどま、、 。しちいち親の許可は必要ありませもう一人の親に変更してもらうことができま ん。この権利は、むしろ第三者が親に無断です。 土 6 え たとえば、親権者がこどもの世話を少しも 未成年の子を働かすことができないところ に、意義があると思います。 しないし、また教育上好ましくない行ないを 財産管理権と代表権親が死亡すると、新民する、親権者が不治の病気になった、または 法ではこどもは平等に親の遺産を相続します長い期間外国に行くなどの場合です。 む から、未成年の子が財産を持っ場合が、旧民親権者は、親権を行なうことのできない正 法の時代よりずっと多くなってきました。未当な理由があるときは、家庭裁判所の許可を 成年者が財産を持っている場合には、親権者得て、親権者を辞任することができます。子 権 はこれを管理し、子が成年になったときに、 親 親権の喪失 権 子に引き渡さなければなりません。 7 親 財産の管理というのは、財産の保存、改親権者が親権を濫用したり、著しい不行跡
たりしないかと、キョロキョロと目をみはっ メートルほど、一か月のあいだ、土地を貸し ている必要はない。かといって、るす番を頼てください〃といってきました。 枝さんは、子さんの庭木の枝が、自分 まれたのを幸いに、昼寝をしていたとした の庭へ仲びてきて、落葉がたまって困るの ら、やはり責任を負わねばならないのです。 と申し入れたとき、 自分の家でるす番をしている奥さんがしてで、切ってください いるように、先ず戸締まりしてから昼寝をし断わられたのを恨んで、〃お貸しできません″ ていれば、責任はないでしよう。が、戸口のと、にべもない返事をしてしまいました。 問題が二つあります。一つは、枝さんの 鍵をかけず、昼寝をしてしまい、泥棒には、 と、もう一つは、枝を られたら、責任を負わねばなりません。 返事は正しいのか 昼寝をする前に、先ず、火の元を見てまわ切ってくれと頼んだとき、子さんが断わっ たのは正しいかーーです。 り、消してからにするのがあたりまえです。 民法第二〇九条によると、改築の足場を作 それをやらなかったため、アイロンにスイツ チが入れつばなしになっていて、火事になつるため、子さんが枝さんの土地を使わし てくれと、請求できることになっています。 たとしたら、やはり責任があるわけです。 こう考えると、うつかり、るす番を頼まれ土地を使うことによって生じた損害は、子 るものではないことがわかります。 さんが負担します。 この法律は、土地がくつついている場合の 隣家と地所か続いているとき 関係を、スムーズに運ぶために、規定してあ < 子さんの家と、枝さんの家と、垣根でるので、枝さんの拒絶はいけないことにな 土地が続いています。この場合、いろいろなるのです。 問題がおこります。問題がたくさんあります < 子さんが、〃木の枝を切ってくれ〃と右 < 子さんは枝さんの土地を使えます から、一つ一つ例をあげて考えてみましょ枝さんから頼まれたのに、断わったのは、法左 m 枝さんは隣の枝を切ることができます 律を知らないからです。民法第二三三条によ ①子さんの家で改築をすることになりまると、隣地の木や竹の枝が、境を越えて伸びることはできません。しかし、根っこが自分 した。それで、足場を組む丸太を立てるたてきたら、切ってくれと請求できることになの土地へ伸びてきたら、切ってもさしつかえ ないのです。 っています。 < 子さんは、この請求を断わっ め、枝さんの土地を使わねばならなくなっ ②子さんの家は、枝さんの家より、い てはいけないのです。 たとします。 くぶん土地が高くなっているので、雨が降る 長さ一〇枝さんは、自分で植木屋さんを頼んで切 子さんから、〃幅一メートル、
判所の調査で防止できるようになりました。 6 観点から親権者の決定をします。 また幼いこどもの場合は、父を親権者と決 養子になる子が一五歳未満のときは、親権親権者と親権 子 者や後見人が子に代わって、養子縁組を行な めながらも、実際の養育に当たるのは母とす と います。一五歳になると、未成年者でも親の る、というようにも決められます。裁判で離親 親権者の決定 同意なしに、他人の養子になることができま 婚する場合には、離婚の判決といっしょに離 す。しかしこの場合、二〇歳までは、家庭裁嫡出子については、父と母が共同で平等に婚後の親権者も、裁判所が決めます。 判所の許可が必要なことはもちろんです。 親権を行ないます。どちらかが精神病である 嫡出でない子の親権者には母がなります。 養子は、養子縁組届を出したその日から、 とか、なんらかの理由で親権が行なえないと認知した父がいる場合でも、父母の相談のう 養親の姓を名のり、養親の嫡出子になりまき、または死亡した場合には、他の一方が一 え、特に父親を親権者と決めて届け出ないか す。養親子の間の親権などの法律関係は、実人で親権者になります。 ぎり、やはり母であることは、すでに述べた の親と嫡出の子との間とまったく同じです。 とおりです。 法律上父の知れない子は、母が親権者にな ります。 離縁 親権とは 右の場合には、別に問題はありませんが、 養親子は、双方が合意すればいつでも、養両親がいながら、共同で親権を行なうことが親の権利といっても、自分の子だからどう 親子関係の解消、すなわち離縁ができます。困難であり、また望ましくない場合がありましようと親のかって、というようなものでは 夫婦で養子をもらったと 奇、また夫婦が養子す。両親が離婚をした場合と、認知した父がありません。また親権は未成年の子に対して となったときは、その夫婦が生きており離婚いる非嫡出子の場合です。法律は、これらののみ、行なうものです。 していないかぎり、夫婦いっしょでなければ場合に、だれが親権者になるかを細かく決め なお、こどもを扶養する義務は、親子とい 離縁できません。養親が死亡したら、家庭裁ています。 う関係から当然生じてくるのです。ですから 判所の許可を得れば、養子は離縁できます。 未成年の子のある両親は、離婚後どちらが親権者はもちろん、親権者でない親にも扶養 離縁の合意はないが一方がどうしても別れ親権者になるかを決めなければ、離婚できまの義務があります。また、こどもが成年に達 たいとき、次の場合にかぎり、離縁の訴をおせん。こどもが何人もある場合、長男は父、 しても、親子は互いに扶養の義務がありま こすことができます。つまり、一方から悪意二男は母に、というように決めるのはかまい す。幼いこどもを扶養する親の義務は、親権 で遺棄された、ゆくえがわからない、その他ません。相談しても決まらないときは、家庭の作用と関係なく、親であるという事実から 親子関係を継続してゆくことのできない重大裁判所に決めてもらいます。こどもの年齢、生じるものです。 な事情がある、などの理由がある場合です。生活環境、離婚後の父母の生活状態、それに しかし他方、他家に養子にいったとしても、 離縁になると、養子は実親の姓にもどり、 こどもに対する愛情など、あらゆる事情を考実の親と子の間の血族関係は切れません。し 養親との関係はなくなり、他人になります。慮し、こどもがいちばん幸福になれるという たがって、実の親子の間の相続権、扶養の権
よって決まります。そして、この記載は、届こと、又はその記載に錯誤もしくは遺漏があ関係どおりに正すということは、ほかの親族 ること」に気がついた場合は、利害関係人関係にも重大な影響を及ばすことです。 け出られたとおりになされるものです。 こういう場合には、まず真実の身分関係に ですから、戸籍の届にはいつも真実を述べは、家庭裁判所の許可を得て、戸籍の訂正を ついて、裁判所の判断を得なければ戸籍は訂 なければなりません。すべての親族関係、たすることができます。 戸籍の記載が法律上許されないものという正できません。親子関係の存在または不存在 とえば扶養の権利義務、相続関係などが、こ の戸籍の記載によって決まるからです。 のは、にせの届け出で、まったくうそのことの判決、養子縁組の無効の判決などを得ては しかし、日本の社会では、もらい子を夫婦が戸籍にのったり、すでに死亡している人じめて、身分関係記載の訂正ができるので の間で生まれた子として届けたり、娘の婚姻が、届出人になっていたりするなどの場合がす。判決のほかに、判決と同じ効力のある家 外の子を、世間体をはばかって親や兄弟の嫡考えられます。錯誤とは、生きている人を死庭裁判所の審判でもよいのです。要するに、 亡したと届けるとか、嫡出子を非嫡出子とし一目瞭然に戸籍の記載がまちがっていること ま て届けるなどの場合で、これも法律上許されがわかるもの以外で、身分関係に重大な変化 て ないものの訂正の扱いとほとんど同じです。を及ばす事がらについては、まず裁判所で事 遺漏とは、当然戸籍に記載されているはずの真偽を明らかにすることが要求されるわけ に 籍 の人が、戸籍から漏れていることです。新民です。 戸 法とともに戸籍法も変わり、今まで親の戸籍 係 戸籍訂正の制限 関 に。いっていた息子夫婦に子が生まれると、 の 続 しかし、身分関係は戸籍によってでき上が 息子夫婦と子については、親とは別の新しい 相 戸籍がつくられるのですが、その時すでにこるのでなく、戸籍は身分関係を公証するもの 養す 扶ま にすぎません。とはいえ、身分関係を公証す どもがいれば当然新しい戸籍にのるはずなの 出子として届けるというようなことがときどに、新しい戸籍にのらず、依然として祖父母るものですから、記載されてしまうとそのと おりに取り扱われます。もしそれが、真実の き行なわれています。そして、そこからいろの戸籍に残ったというような場合です。 いずれにしても戸籍を見れば、記載されて身分関係を表わしていないときは、一定の制 いろ困った問題が生じることがあります。 限のわくのなかで訂正を許すのです。 : 、まよっきりわかりますか このように、戸籍に真実でないことが記載いることのまち力し力。 。しつでも訂一定の制限というのは、たとえば嫡出否認 されてしまった場合に、これを事実のとおりら、家庭裁判所の許可があれ、、 に正すことはできるのです。 正できます。しかし、ほんとうの子でないのをして一尸籍を訂正するのは、父は子が生まれ子 AJ に、ほんとうの子として記載されている場合たことを知ってから一年以内に、訴訟を起こ 親 戸籍が訂正できるとき さなければならず、その期間を過ぎるともは には、戸籍を見ただけでは明らかにまちがっ 9 「戸籍の記載が法律上許されないものであるているとはわかりません。また戸籍を真実のや訂正のみちはありません。 ( 久米愛 ) 尸籍片 2
と、垣根を通して、水が枝さんの庭へ流れた。 かも枝さんのほうは、二階が寝室になって こんできます。 〃全部で二万四〇〇〇円かかりましたから、 います。子さんのほうの二階は、大学生の むす - 一 枝さんは、これにも腹をたてていまし半額一万二〇〇〇円を出してください〃と、 息子さんの、勉強べやになっているのです。 た。〃下水をこしらえてください。うちの庭枝さんは子さんに掛け合いました。子 枝さんは、〃お二階の息子さんのへやに、 へ雨水が、流れこまないようにしてくださ さんは、〃あなたが勝手にやったのだから、 目隠しをつけてください〃と、申し入れまし 〃と、何回頼んでも、工事をやってくれまわたくしは知りません″と、そっぱを向きまた。子さんは、もちろん、はねつけたので せん。 す。これは、法律的にみると、どうなるので 法律をみてみましよう。民法第二一四条に これは、 CQ 枝さんの負けです。お隣と相談しようか。 よると、ーー隣の土地から、水が自然に流れがまとまれば、折半の費用負担は正しいので民法第二三五条によると、ーー境界線から てくるのを妨げてはいけない と定めてい すが、話がまとまっていなかったのですか一メートル未満の距離で、他人の宅地をなが ます。雨水は、仕方がないのです。が、夏のら、民法第一三五条の第二項の規定に従って、められる窓や縁側を設けた者は、目隠しをつ けなければいけない と、定められていま 日照りに撤く水が流れこむのは、「自然の流枝さんは、板塀か竹垣にしなければいけな す。 れ」とはいえません。こんな場合は、文句がかったのです。しかも、高さはーーー二メート いえるのです。 子さんのほうで、あとから二階家を建て ③枝さんの家の台所のひさしがちょうど用 乙たのですから、この条文の適用があるわけで 境の垣根の上までのびていて、雨が降るとひも す。もし、枝さんが、裁判所へ訴えを出せ ば、もちろん子さんは負けとなります。 さしを伝わって、水が子さんの家の台所ロし に に流れ落ちるようになっています。 塀 その他、近所づきあいの関係では、いろい 〃ひさしに樋を作ってください〃と、子さ万ん ろの問題があります。井戸水を共同で使う場 んがいってきました。枝さんは、〃雨は、 合、あるいは、私有地を出し合い、みんなが みぞ なき 天然現象ですから、仕方がないじゃありませ認で 通る道路をこしらえたり、排水のための溝を 承は んか〃と、突っぱねました。 つくったりします。 の半 隣折 枝さんの返事は、いけません。民法第二 それらの費用は、平等負担がたてまえです 一八条によると、 直ちに雨水が隣地へ流ルまでーーと規定されています。 が、塀を共同でつくるようなときは、土地のあ れこむような屋根、その他の工作物を設けて⑤子さんの家では、枝さんの土地を使広さによって負担部分が違ってきます。 づ と規定してあるからです。 わないで、二階家を建てました。その二階の要は、よく話し合い、納得ずくで、なにご所 ④枝さんは、 < 子さんの庭から雨水が流窓と、枝さんの家の二階の窓とは、計ってともやりたいものです。 5 ( 松下幸徳 ) % れこむのを防ぐため、垣根を万年塀にしましみると、九五センチしか離れていません。し ロ内
いⅱ - ー 4 言ー一第 F ・加料 ーサルをする綏子さん。「この日のため ①開場前のホールでリハ 新に毎日きびしいレッスンを重ねたのだ、しつかりひかなくては / 」 白い指が鍵盤の上をたくましく激しく走る。 ②③堯介さんの仕事場は、学生時代からのやや穴居生活じみたコ ーナーだ。この机に向かうと、周囲のことをいっさい忘れて仕事に 没頭できる。資料として買い集めた蔵書も相当あるが、こどものこ ろから顔なじみの古本屋の主人が、商売ぬきで協力してくれる。 ④演奏会にはなるべく機会をつくってふたりで出かけることにし ている。綏子さんにとって、他人の演奏をよく聞くこと、そして、 綏子さんのよき批評家、堯介さんとその演奏について議論するのが とても有益なことだからだ。 きようも大学時代の友人とロ ・ 0- -0 3 ・ー′ 0 両 ビーで会った。互いに近況を報 一 4- 1 1 告しあううちに、話題は現在取 り組んでいる曲のことになる。 綏子さんの夢は、音楽の地ウ 究際計熱て ィーンへ留学し、本格的に技術 をみがくこと。発介さんもその 二食研こ交 費を 目で、皮膚で、フランスをかみ 居助 収入支 住援 しめたい欲望は同じだ。
は、さらにとレとに一二・五万円ずつ分けら ててもらったという費用もはいります。「生 特別受益者の相続分 れます。 計の資本」というのは広い概念で、たとえば 続 また、と t•-äは両親が同じ兄弟であるのに さて今までの計算では、わかりやすくする高等教育のために出してもらった学資なども 相 たいして、ととは母親の違う異母兄弟でために、相続財産すなわち遺産というものをこのなかにはいります。こういう額を加えて あるという場合には、の相続分は "-Äの半分単純にして、が死亡のときに残した財産額 万 計算し、さきほど です。したがって、は刪一 3 万、は 3 万を一応遺産の額として計算しました。 司万司の原則に従って分 0 ′ 0 戸 0 万 とい、つ ) とになります。 しかし実は計算の基礎となる遺産の額とい x 配し、その額から 万万万 図 X < 汚 子がいない場合に、夫の財産の三分の一をうのは、単に死亡のときの財産の額でなく、 3 に各人の生前贈与額 第 兄弟にとられるということは妻として忍びなが生存ちゅうに相続人に贈与した財産、す 万万万を引いた残りが、 万 いという場合もあります。 なわち生前贈与の額を加えたものでなければ 死亡のときにもら 万万万 たとえば夫婦が協力して家を建て、それをなりません。しかし、生前贈与にもいろいろ ー 3 える額です。 夫名義で登記したとします。妻は、二人の家あり、それを全部加えて計算したのではたい 第 6 図を見ますと、ととの間に O 、、 だと思っているから、夫が死ねば、あとは当へんですから、民法は、婚姻、養子縁組のた、四人の子がいます。は死亡時に一五 然自分のものになると信じていました。とこめの費用、もしくは生計の資本としての贈与〇万円の遺産を残しました。しかしの生 ろが、夫の死亡後、それまでほとんどっきあ 前、長女 0 は結婚のときに二〇万円相当の嫁 いもなかった夫の兄弟が現われ、三分の一の 入りじたくをしてもらいました。長男と次 す 権利を主張されると、家の所有権の三分の一ま 男は、大学の学資として、それぞれ一五万 を兄弟にあげなければならない、ということさ 円出してもらいました。次女は在学中で今 考 になります。 まで一〇万円出してもらっているとします。 与 これは、たしかに不合理なことで、子のい 相続財産は、遺産一五〇万円にこれらの生 ない妻と夫の兄弟とが、相続をめぐって争うの 前贈与を全部加えた額ですから、結局二一〇 というのは、かなり多いケースです。だから生 万円となります。一一一〇万円を法律の規定ど 妻は、夫の遺産を兄弟に渡さず、自分で一人 おり分けると、妻は七〇万円、子は一人が 占めにしたいときには、まえもって、その旨 三五万円となります。そして、子は相続分三 を遺言してもらっておく必要があります。夫に限って、これを加えることにしています。五万円のうちから、それぞれ生前贈与を差し の遺言がないかぎり、三分の一は、・ , 夫の兄弟たとえば娘が結婚のときに嫁入りじたくを引きますから、結局の遺産一五〇万円は、 姉妹 ( あるいはその子 ) のものとなってしまい してもらったら、その費用は当然に加えなけ 0 一五万、二〇万、 @二〇万、二五万とな ます。 ればなりません。分家するので親から家を建り、は七〇万という割合で分けられます。